JP2008100839A - 建設機械のブームフットピン着脱装置 - Google Patents

建設機械のブームフットピン着脱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ホース配管の接続・切り離し作業時にブームフットピン着脱装置が邪魔にならないようにし、作業の容易・迅速化に寄与する。
【解決手段】上部旋回体及びブームフットの一方に二股状結合部36が、他方にそれに差し込まれる平板状結合部37が各々形成され、両結合部にピン孔38,39が設けられている。ブームフットピン着脱装置41は、位置合わせをした両ピン孔にブームフットピン40を挿入するもので、二股状結合部の内側片36aに取り付けられ、ブームフットピンをピン孔内の挿入位置とピン孔外の引出位置との間で移動可能にするシリンダブラケット46と、シリンダブラケット上に摺動可能に設けられたスライドプレート47と、このプレートに取り付けられ、ピストンロッド48bがブームフットピンに連結された油圧シリンダ48と、各々所定時にスライドプレートの摺動又はブームフットピンの移動を選択的に規制する規制プレート50とを備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、クローラクレーンなどの建設機械に装備されるブームフットピン着脱装置に関する。
一般に、クローラクレーンなどの建設機械において、上部旋回体にブームの基端部つまりブームフットを取り付ける場合、上部旋回体及びブームフットのいずれか一方に二股状の結合部を左右2個所に形成し、他方にこの二股状の結合部に差し込まれる平板状の結合部を同じく左右2個所に形成するとともに、この両結合部にそれぞれピン孔を設け、この両ピン孔を位置合わせした状態で両ピン孔にブームフットピンを挿入してブームフットを上部旋回体に着脱可能に結合する構造が採られている。特に、大型の建設機械では、ブームフットピンが大きくかつ重量物となることから、このブームフットピンの挿入及び引出を自動的に行うブームフットピン着脱装置が装備されている。
そして、この種のブームフットピン着脱装置として、例えば特許文献1に開示されているように、基端のフランジが上記二股状の結合部の内側片にボルトにより取り付けられ、上記ブームフットピンをピン孔に挿入した挿入位置とピン孔から引き出した引出位置との間で移動可能にする略円筒状のシリンダブラケットと、このシリンダブラケットの先端に固着された環状体と、この環状体の表面(内側面)にシリンダ本体がボルトにより取り付けられ、ピストンロッドが上記ブームフットピンに連結された油圧シリンダとを備えてなるものは知られている。このブームフットピン着脱装置は、例えば特許文献2に図示されているように、左右一対装備されており、左右の着脱装置の油圧シリンダ同士は、互いに上部旋回体の中心線付近で近接するようになっている。
一方、大型のクローラクレーンなどの建設機械では、上部旋回体側のスペース上の問題から、ブームに複数のウインチが搭載されることがある。この場合、ウインチを動かすために多数のホースが上部旋回体の前側からブーム側のウインチの駆動モータにまで配管される。この配管は、ブームを取り外すときに切り離す必要があるため、クイックカプラなどを用いて配管が行われており、ブームの組立・分解時には配管の接続・切り離し作業を行う必要がある。
特開2002−226174号公報 特開2000−211888号公報(第3頁、図3)
ところが、このような配管の接続・切り離し作業は、上述したブームフットピン着脱装置が装備された上部旋回体の前側で行われることから、このブームフットピン着脱装置が邪魔になり、作業がやり難いという問題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、上記従来のブームフットピン着脱装置を改良して、上部旋回体の前側からブーム側のウインチにまで接続されるホース配管の接続・切り離し作業時にブームフットピン着脱装置が邪魔にならないようにし、もって作業の容易・迅速化に寄与し得る建設機械のブームフットピン着脱装置を提供せんとするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、建設機械において、上部旋回体及びブームフットのいずれか一方に二股状の結合部が形成され、他方にこの二股状の結合部に差し込まれる平板状の結合部が形成されているとともに、この両結合部にそれぞれピン孔が設けられていることを前提とする。そして、この両ピン孔を位置合わせした状態で両ピン孔にブームフットピンを挿入してブームフットを上部旋回体に着脱可能に結合するための建設機械のブームフットピン着脱装置として、上記二股状の結合部の内側片に基端が取り付けられ、上記ブームフットピンをピン孔に挿入した挿入位置とピン孔から引き出した引出位置との間で移動可能にするシリンダブラケットと、このシリンダブラケット上に上記ブームフットピンの移動方向に沿って摺動可能に設けられたスライドプレートと、このスライドプレートにシリンダ本体が取り付けられ、ピストンロッドが上記ブームフットピンに連結された油圧シリンダと、この油圧シリンダの伸長作動により上記ブームフットピンを引出位置からピン孔に挿入するとき予め上記スライドプレートの摺動を規制する第1の規制手段と、上記油圧シリンダの伸長作動によりブームフットピンをピン孔に挿入した後油圧シリンダを収縮作動させるとき予めブームフットピンの挿入位置からの移動を規制する第2の規制手段とを備える構成にする。
この構成では、ブームフットピンがシリンダブラケット側の引出位置にあり、また、油圧シリンダがシリンダブラケットの先端から内側に突出した状態でスライドプレートを介して支持されかつピストンロッドの大部分をシリンダ本体内に収納する収縮状態にあるとき、ブームフットピン着脱装置は、上部旋回体の前側を幅方向に、従来のものと同程度の長さで延びている。この状態からブームフットピンをピン孔に挿入するときには、予め第1の規制手段によりスライドプレートの摺動を規制した後、油圧シリンダを伸長作動させる。すると、油圧シリンダのシリンダ本体は、その取付側のスライドプレートと共にシリンダブラケット上で移動が規制されているため、油圧シリンダの伸長作動に伴ってピストンロッドと連結されたブームフットピンが引出位置からピン孔に挿入される。
続いて、第1の規制手段によるスライドプレートの摺動の規制を解除する一方、第2の規制手段によりブームフットピンの挿入位置からの移動を規制した後、油圧シリンダを収縮作動させる。すると、油圧シリンダのピストンロッドは、ブームフットピンと共に移動が規制されているため、油圧シリンダの収縮作動に伴って油圧シリンダのシリンダ本体がスライドプレートと共にシリンダブラケット上をその基端側に移動し、油圧シリンダがシリンダブラケット内に収納された状態になる。この状態ではブームフットピン着脱装置の長さ寸法が短くなるため、その分上部旋回体の前側での作業スペースが広くなり、上部旋回体の前側からブーム側のウインチにまで接続されるホース配管の接続・切り離し作業時にブームフットピン着脱装置が邪魔になることは殆どない。しかも、上記第2の規制手段は、建設機械の作業時などにもブームフットピンの挿入位置からの移動を規制し、従来の抜け止め部材としての機能を発揮することになる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の建設機械のブームフットピン着脱装置において、上記第1の規制手段と第2の規制手段を、1つの規制プレートを兼用する構成にする。つまり、この規制プレートを、上記シリンダブラケットの先端側の第1位置又は基端側の第2位置に選択的に取り付け、かつ第1位置に取り付けたとき第1の規制手段の機能を、第2位置に取り付けたとき第2の規制手段の機能をそれぞれ発揮するように設ける構成にする。この構成では、規制プレートをシリンダブラケットの先端側の第1位置に取り付けたときには、この規制プレートがスライドプレートの摺動を規制する第1の規制手段の機能を発揮し、規制プレートをシリンダブラケットの基端側の第2位置に取り付けたときには、この規制プレートがブームフットピンの挿入位置からの移動を規制する第2の規制手段の機能を発揮することになり、部品の兼用により部品点数を少なくすることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の建設機械のブームフットピン着脱装置において、上記シリンダブラケットを、底面部と左右の側壁部とを有するチャンネル形状に形成し、上記スライドプレートを、このシリンダブラケットのチャンネル形状に対応して、矩形状に形成する構成にする。この構成では、スライドプレートが、シリンダブラケットのチャンネル形状に対応して、矩形状に形成されているため、このスライドプレートが油圧シリンダの伸縮作動によってシリンダブラケット上を摺動するとき、スライドプレートは回転することなく円滑に摺動することになる。
請求項4に係る発明は、請求項3記載の建設機械のブームフットピン着脱装置において、上記油圧シリンダのピストンロッドを、結合プレートを介在してブームフットピンに連結し、この結合プレートを、上記シリンダブラケットのチャンネル形状に対応して、矩形状に形成する構成にする。この構成では、油圧シリンダのピストンロッドとブームフットピンの間に介在した結合プレートが、シリンダブラケットのチャンネル形状に対応して、矩形状に形成されているため、この結合プレートひいてはブームフットピンが油圧シリンダの伸縮作動によってシリンダブラケット側の引出位置と挿入位置との間を移動するとき、ブームフットピンは回転することなく円滑に移動することになり、結合プレートはブームフットピンの回り止めとしての機能を発揮する。
請求項5に係る発明は、請求項3又は4記載の建設機械のブームフットピン着脱装置において、上記油圧シリンダを、それ自体が収縮状態にありかつブームフットピンが挿入位置に位置するときに上方に折り曲げ可能に設ける構成にする。この構成では、油圧シリンダが収縮状態にありかつブームフットピンが挿入位置に位置するとき、換言すれば上述の如く油圧シリンダがシリンダブラケット内に収納された状態のとき、油圧シリンダが上方つまりシリンダブラケットの上方開口側に折り曲げられるようになっており、その分、上部旋回体の前側からブーム側のウインチにまで接続されるホース配管の接続・切り離し作業時における上部旋回体の前側の作業スペースをより広く確保することができる。
請求項6に係る発明は、請求項5記載の建設機械のブームフットピン着脱装置において、上記シリンダブラケットを、基端側のブラケットと先端側のブラケットとに分割し、先端側のブラケットを、基端側のブラケットに対し上方に折り曲げ可能に連結する構成にする。この構成では、上述の如く油圧シリンダを上方に折り曲げるとき、シリンダブラケットの先端側ブラケットをも上方に折り曲げることにより、上記ホース配管の接続・切り離し作業時における上部旋回体の前側の作業スペースをより一層広く確保することができる。
以上のように、本発明における建設機械のブームフットピン着脱装置によれば、油圧シリンダの伸長作動によりブームフットピンをピン孔に挿入した後油圧シリンダを収縮作動させるとこの油圧シリンダがシリンダブラケットの先端から内側に突出した状態からシリンダブラケット内に収納された状態になり、着脱装置の長さ寸法が短くなるため、上部旋回体の前側からブーム側のウインチにまで接続されるホース配管の接続・切り離し作業時における上部旋回体の前側での作業スペースを広く確保することができ、作業の容易・迅速化に寄与することができる。しかも、建設機械の作業時などにブームフットピンの挿入位置からの移動を規制し、抜け止め機能を発揮することができるので、実施化を図る上で有利なものである。
特に、請求項2に係る発明では、1つの規制プレートを第1の規制手段と第2の規制手段とに兼用しているため、その分部品点数を少なくすることができ、コストダウン化を図ることができるという効果を併有する。
請求項3に係る発明では、油圧シリンダの伸縮作動によってスライドプレートがシリンダブラケット上を摺動するとき、スライドプレートは回転することなく円滑に摺動することができるので、作動の信頼性を高めることができる。
請求項4に係る発明では、油圧シリンダとブームフットピンの間に介在した結合プレートによりブームフットピンの回り止め機能を発揮することができるので、その分部品点数を少なくすることができ、コストダウン化を一層図ることができる。
請求項5に係る発明では、油圧シリンダがシリンダブラケット内に収納された状態のとき、油圧シリンダが上方に折り曲げられるようになっているため、その分ホース配管の接続・切り離し作業時における上部旋回体の前側の作業スペースをより広く確保することができ、作業の容易・迅速化に一層寄与することができる。
さらに、請求項6に係る発明では、油圧シリンダを上方に折り曲げるとき、シリンダブラケットの先端側ブラケットをも上方に折り曲げることができるので、ホース配管の接続・切り離し作業時における上部旋回体の前側の作業スペースをより一層広く確保することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るブームフットピン着脱装置を装備する建設機械としてのクローラクレーンを示し、1はクローラ式の下部走行体、2は下部走行体1上に旋回可能に搭載された上部旋回体であって、この上部旋回体2の前側には作業アタッチメントとしてのブーム3の基端が起伏可能に取り付けられている。
上記ブーム3の先端部にはブームガイライン4の一端が連結され、このブームガイライン4の他端は、上部旋回体2に傾動可能に取り付けたマスト5の上端部に連結されている。このマスト5の上端部には上部スプレッダ6が設けられ、この上部スプレッダ6と、上部旋回体2の後部に設けた下部スプレッダ7との間にはブーム起伏ワイヤロープ8が巻き掛けられており、このブーム起伏ワイヤロープ8の一端は、上部旋回体2に設けたブーム起伏ウインチ9に巻き付けられている。そして、このブーム起伏ウインチ9によりブーム起伏ワイヤロープ8を繰り出し又は巻き取ることにより、マスト5を傾動させてブーム3を起伏させるようになっている。
また、上記ブーム3の先端部にはアイドラシーブ11、ブームポイントシーブ12、中間シーブ13及び補助シーブ14が取り付けられており、ブームポイントシーブ12からは主フック15が主巻上ワイヤロープ16により、中間シーブ13からは中間フック17が中間巻上ワイヤロープ18により、補助シーブ14からは補フック19が補巻上ワイヤロープ20によりそれぞれ支持して吊り下げられている。主巻上ワイヤロープ16の一端は、ブーム3の先端部に固定されている一方、主巻上ワイヤロープ16の他端部は、ブームポイントシーブ12からアイドラシーブ11を通して、上部旋回体2に設けた第1ウインチ21に巻き付けられており、この第1ウインチ21により主フック15が主巻上ワイヤロープ16を介して巻き上げ又は巻き下げられるようになっている。補巻上ワイヤロープ20の一端は、補フック19に固定されている一方、補巻上ワイヤロープ20の他端部は、補助シーブ14からアイドラシーブ11を通して、上部旋回体2に設けた第2ウインチ22に巻き付けられており、この第2ウインチ22により補フック19が補巻上ワイヤロープ20を介して巻き上げ又は巻き下げられるようになっている。また、中間巻上ワイヤロープ18の一端は、ブーム3の先端部に固定されている一方、中間巻上ワイヤロープ18の他端部は、中間シーブ13からアイドラシーブ11を通して、ブーム3の基端部に設けた第3ウインチ23に巻き付けられており、この第3ウインチ23により中間フック17が中間巻上ワイヤロープ18を介して巻き上げ又は巻き下げられるようになっている。
上記ブーム3の中間部には3つのガイドシーブ24,25,26が長さ方向に所定間隔毎に取り付けられ、これらのガイドシーブ24〜26からはそれぞれワイヤロープ27,28,29が吊り下げられている。この各ワイヤロープ27〜29は、吊り荷を手元に引き寄せたり、姿勢を変更したりするためのものであり、ワイヤロープ27は、上部旋回体2の前側に設けた第4ウインチ31により、ワイヤロープ28は、ブーム3の基端部に設けた第5ウインチ32により、ワイヤロープ29は、同じくブーム3の基端部に設けた第6ウインチ33によりそれぞれ操作されるようになっている。
上記上部旋回体2の前側に対するブーム3の基端つまりブームフット3aの取付構造は、図2ないし図5に示している。すなわち、上部旋回体2の左右のフレーム35a,35bの前端部にそれぞれ二股状の結合部36,36が形成されている一方、ブームフット3aの左右両側にそれぞれこの各結合部36の内外両片36a,36b間に差し込まれる平板状の結合部37,37が形成されている。また、上記両結合部36,37にはそれぞれピン孔38,39が設けられている。そして、左右両側でそれぞれこの両ピン孔38,39を位置合わせした状態で両ピン孔38,39に内側からブームフットピン40を挿入してブームフット3aを上部旋回体2の前側に着脱可能に結合するようになっており、この結合を自動的に行うために、本発明の第1の実施形態に係るブームフットピン着脱装置41,41が左右一対装備されている。
一方、ブーム3に設けた第3ウインチ23、第5ウインチ32及び第6ウインチ33を動かすために複数のウインチホース42,42,…が上部旋回体2の前側からブームフット3aに跨って配管されている。これらのウインチホース42,42,…は、ブーム3の取り外し時に切り離す必要があるために、それぞれクイックカプラ43,43,…などを用いて接続及び切り離しが自在に設けられており、上部旋回体2の前側ではその水平台部44上にクイックカプラ43,43,…が並べて取り付けられている。
ここで、上記一対のブームフットピン着脱装置41,41は、図3及び図4に示すように、上部旋回体2の前側で左右のフレーム35a,35bから内側に中心線付近にまで延びて配置されており、上部旋回体2の前側の水平台部43上に取り付けたクイックカプラ43,43,…と前後方向に見て上下にオーバーラップしている。このため、ウインチホース42の配管接続又は切り離し作業を行うとき、この一対のブームフットピン着脱装置41,41が邪魔になるが、本発明の第1の実施形態に係るブームフットピン着脱装置41は、これを回避するために、図5に示すように、着脱装置41の長さ寸法が短くなるように構成されている。左右一対のブームフットピン着脱装置41,41は、構成的には同じであるので、以下の説明では、正面より向かって右側のブームフットピン着脱装置41を例に説明する。
すなわち、上記ブームフットピン着脱装置41は、図6ないし図10に拡大詳示するように、上記二股状の結合部36の内側片36aに取り付けられ、上記ブームフットピン40をピン孔38,39に挿入した挿入位置とピン孔38,39から引き出した引出位置との間を移動可能にするシリンダブラケット46と、このシリンダブラケット46上に上記ブームフットピン40の移動方向に沿って摺動可能に設けられたスライドプレート47と、このスライドプレート47にシリンダ本体48aが取り付けられ、ピストンロッド48bが結合プレート49を介在して上記ブームフットピン40に連結された油圧シリンダ48と、上記スライドプレート47の摺動とブームフットピン40の挿入位置からの移動のいずれか一方を選択的に規制するための規制プレート50とを備えている。
上記シリンダブラケット46は、図11及び図12にも示すように、底面部46aと左右の側壁部46b,46bとを有するチャンネル形状に形成されている。このシリンダブラケット46の基端には円環状のフランジ部46cが固着され、このフランジ部46cを二股状の結合部36の内側片36aにボルト51止めすることにより、シリンダブラケット46が結合部36の内側片36aに取り付けられており、シリンダブラケット46の先端にはU字形の切り欠き部52を有するエンドプレート53が固着されている。また、シリンダブラケット46の先端側には、第1位置として、底面部46aに中心線を挟んで並ぶ2つのスリット状の第1挿入孔54,54と、各側壁部46bの上縁を凹状に切り欠いてなる第1切り欠き溝55とが設けられているとともに、シリンダブラケット46の基端側には、第2位置として、底面部46aに中心線を挟んで並ぶ2つのスリット状の第2挿入孔56と、各側壁部46bの上縁を凹状に切り欠いてなる第2切り欠き溝57とが設けられている。
上記スライドプレート47は、図13に詳示するように、上記シリンダブラケット46のチャンネル形状に対応して、矩形状に形成されており、その中心より上辺側に偏心して取付孔61が設けられている。そして、この取付孔61に油圧シリンダ48のピストンロッド48bを貫通させかつシリンダ本体48aの先端を嵌合させた状態でシリンダ本体48aに設けたフランジ部48cをスライドプレート47に当接し、このフランジ部48cをボルト62止めすることにより、シリンダ本体48aがスライドプレート47に取り付けられている。上記フランジ部48cは、図9から分かるように、油圧シリンダ48の軸方向に見て、シリンダブラケット46の先端側エンドプレート53の切り欠き部52と干渉しない大きさに設定されている。
上記結合プレート49は、図14に詳示するように、上記シリンダブラケット46のチャンネル形状に対応して、矩形状に形成されており、この結合プレート49の裏面をブームフットピン40に当接してボルト63止めすることにより、結合プレート49とブームフットピン40とが結合されている。また、結合プレート49の表面には上下一対の水平突起片64,64が設けられ、この両水平突起片64,64間に油圧シリンダ48のピストンロッド48bの先端部を挿入し、これらを結合ピン65で結合するようになっている。
さらに、上記規制プレート50は、図10及び図15に詳示するように、上記シリンダブラケット46内にその上方から挿入可能な二股形状のものである。この規制プレート50の上部の左右両縁にはシリンダブラケット46の各側壁部46bの第1切り欠き溝55又は第2切り欠き溝57に差し込み可能な一対の肩部66,66が形成されているとともに、規制プレート50の下部には、油圧シリンダ48のピストンロッド48bを跨いだ状態でシリンダブラケット46の底面部46aの第1挿入孔54又は第2挿入孔56に挿入可能な一対の脚部67,67が形成されている。そして、図6に示す如くスライドプレート47がシリンダブラケット46の先端に位置するときこのスライドプレート47に隣接して規制プレート50をシリンダブラケット46の先端側の第1位置に挿入し、かつ規制プレート50の各肩部66をシリンダブラケット46の各側壁部46bの第1切り欠き溝55に差し込むとともに、規制プレート50の各脚部67をシリンダブラケット46の底面部46aの各第1挿入孔54に挿入することにより規制プレート50を第1位置に取り付けるとスライドプレート47の摺動が規制プレート50によって規制され、また、図7及び図8に示す如くブームフットピン40が挿入位置に位置するとき規制プレート50をシリンダブラケット46の基端側の第2位置に挿入し、かつ規制プレート50の各肩部66をシリンダブラケット46の各側壁部46bの第2切り欠き溝57に差し込むとともに、規制プレート50の各脚部67をシリンダブラケット46の底面部46aの各第2挿入孔56に挿入することにより規制プレート50を第2位置に取り付けるとブームフットピン40の挿入位置からの移動が規制プレート50と結合プレート49の接触によって規制されるようになっている。よって、規制プレート50は、油圧シリンダ48の伸長作動によりブームフットピン40を引出位置からピン孔38,39に挿入するとき予めスライドプレート47の摺動を規制する第1の規制手段としての機能と、油圧シリンダ48の伸長作動によりブートフットピン40をピン孔38,39に挿入した後油圧シリンダ48を収縮作動させるとき予めブームフットピン40の挿入位置からの移動を規制する第2の規制手段としての機能とを共に発揮するようになっている。
尚、図10及び図15中、68は規制プレート50の上部に設けられた握り用開口部、69は規制プレート50の各脚部67の先端部に設けられた小孔であり、規制プレート50がシリンダブラケット46の先端側の第1位置又は基端側の第2位置に取り付けられたとき、シリンダブラケット46の底面部46aの第1挿入孔54又は第2挿入孔56から下方に突出した規制プレート50の少なくとも一方の脚部67の小孔69に抜け止めピン70(図6〜図9参照)を装着することにより、規制プレート50がシリンダブラケット46の第1位置又は第2位置から外れるのを防止するようになっている。
次に、上記ブームフットピン着脱装置41の作動を説明するに、今、図6に示すように、スライドプレート47がシリンダブラケット46の先端に位置し、このスライドプレート47に取り付けられた油圧シリンダ48は、ピストンロッド48bの大部分がシリンダ本体48内に収納された収縮状態にあり、ブームフットピン40は、ピン孔38,39から引き出され、シリンダブラケット46側の引出位置に位置する。また、規制プレート50がスライドプレート47の先端側の第1位置にスライドプレート47に隣接して取り付けられている。
このような状態から油圧シリンダ48を伸長作動させると、シリンダ本体48aがスライドプレート47及び規制プレート50によりシリンダブラケット46上に固定された状態にあることから、ピストンロッド48bがブームフットピン40をピン孔38,39側に押しながら伸長し、ブームフットピン40がピン孔38,39に挿入される。そして、ブームフットピン40が挿入位置に移動した後、規制プレート50を、スライドプレート47の先端側の第1位置から取り外し、図7に示すように、基端側の第2位置に取り付ける。
続いて、油圧シリンダ48を収縮作動させると、ブームフットピン40の挿入位置からの移動が規制プレート50によって規制され、このブームフットピン40にピストンロッド48bが連結されているため、シリンダ本体48aがスライドプレート47と一体にシリンダブラケット46上を先端側から基端側に移動し、図8に示すように、スライドプレート47が規制プレート50に接触する位置で停止する。このとき、ブームフットピン着脱装置41の長さ寸法が短くなり、図5に示すように、上部旋回体2の前側の水平台部43上に取り付けたクイックカプラ43,43,…とのオーバーラップが殆ど回避される。
このように、本実施形態のブームフットピン着脱装置41によれば、ブームフットピン40をピン孔38,39に挿入した後油圧シリンダ48を収縮作動させるとシリンダ本体48aがシリンダブラケット46の先端側から基端側に移動し、着脱装置41の長さ寸法が短くなるため、その分上部旋回体2の前側での作業スペースが広くなり、上部旋回体2の前側の水平台部43上に取り付けたクイックカプラ43,43,…とのオーバーラップが殆ど回避される。このため、上記クイックカプラ43,43,…を使用してブーム3側のウインチ23,32,33にまで接続されるウインチホース42の配管接続・切り離し作業時にブームフットピン着脱装置41が邪魔になることは殆どなく、作業の容易・迅速化に寄与することができる。
しかも、上記ブームフットピン40がピン孔38,39に挿入した挿入位置にあるときには、規制プレート50によりブームフットピン40の挿入位置からの移動が規制されているため、クレーン作業時などにブームフットピン40のピン孔38,39からの抜け止めを確実に図ることができ、実施化を図る上で有利なものである。
また、上記規制プレート50は、ブームフットピン40の挿入位置からの移動を規制する機能だけでなく、スライドプレート47の移動を規制する機能をも兼ね備えているため、その分部品点数を少なくすることができ、コストダウン化及び部品管理の容易化などに寄与することができる。
さらに、上記シリンダブラケット46は、底面部46aと左右の側壁部46b,46bとを有するチャンネル形状に形成されており、上記スライドプレート47は、このシリンダブラケット46の形状に対応して、矩形状に形成されているため、このスライドプレート47が油圧シリンダ48の伸縮作動によってシリンダブラケット46上を摺動するとき、スライドプレート47は回転することなく円滑に摺動することができ、作動の信頼性を高めることができる。
加えて、上記油圧シリンダ48のピストンロッド48bとブームフットピン40の間に介在した結合プレート49も、シリンダブラケット46のチャンネル形状に対応して、矩形状に形成されているため、この結合プレート49ひいてはブームフットピン40が油圧シリンダ48の伸縮作動によってシリンダブラケット46側の引出位置と挿入位置との間を移動するとき、ブームフットピン40は回転することなく円滑に移動することができる。換言すれば、結合プレート49は、ブームフットピン40の回り止め部材としての機能を発揮するので、その分部品点数を少なくすることができ、コストダウン化などに一層寄与することができる。
図16は本発明の第2の実施形態に係るブームフットピン着脱装置80を示す。このブームフットピン着脱装置80の場合、ブームフットピン40に結合された結合プレート49から内側に比較的長く延びる左右一対の水平突起片81(図では一方のみ表示)が設けられているとともに、この両水平突起片81間に油圧シリンダ48のピストンロッド48bの先端部を挿入し、これらと直交する水平方向に延びる結合ピン82で結合し、これにより、油圧シリンダ48が収縮状態にありかつブームフットピン40が挿入位置に位置するとき、油圧シリンダ48が結合ピン82を中心に上方に略直角に折り曲げられるようになっている。尚、ブームフットピン着脱装置80のその他の構成は、第1の実施形態に係るブームフットピン着脱装置41のそれと同じであり、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
そして、上記ブームフットピン装置80においては、油圧シリンダ48が収縮状態にありかつブームフットピン40が挿入位置に位置するとき、換言すれば油圧シリンダ48がシリンダブラケット46内に収納されつつその一部がシリンダブラケット46の先端から内側に突出しているとき、この油圧シリンダ48が上方に略直角に折り曲げられるようになっているため、その分ウインチホース42(図2参照)の配管接続・切り離し作業時における上部旋回体2の前側の作業スペースをより広く確保することができ、作業の容易・迅速化に一層寄与することができるという効果を奏する。
図17及び図18は本発明の第3の実施形態に係るブームフットピン着脱装置90を示す。このブームフットピン着脱装置90の場合、上記第2の実施形態に係るブームフットピン着脱装置80と同じく、ブームフットピン40に結合された結合プレート49から内側に比較的長く延びる左右一対の水平突起片91(図では一方のみ表示)が設けられているとともに、この両水平突起片91間に油圧シリンダ48のピストンロッド48bの先端部を挿入し、これらと直交する水平方向に延びる結合ピン92で結合し、これにより、油圧シリンダ48が収縮状態にありかつブームフットピン40が挿入位置に位置するとき、油圧シリンダ48が結合ピン92を中心に上方に略直角に折り曲げられるようになっている。
また、シリンダブラケット93は、第1の実施形態の場合と同じく、底面部93aと左右の側壁部93b(図では一方のみ表示)とを有するチャンネル形状に形成されているものの、二股状の結合部36の内側片36aに固定された基端側のブラケット94と、先端側のブラケット95とに分割されている。この先端側のブラケット95は、基端側のブラケット94に対し、側壁部93bの上縁でヒンジ部材96を介して回動可能に結合されているとともに、底面部93aでボルトなどの締結部材97を用いて切り離し可能に結合されて、上記ヒンジ部材96を中心にして上方に略直角に折り曲げられるようになっている。尚、ブームフットピン着脱装置90のその他の構成は、第1の実施形態に係るブームフットピン着脱装置41のそれと同じであり、同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
そして、上記ブートフットピン着脱装置90においては、油圧シリンダ48が収縮状態にありかつブームフットピン40が挿入位置に位置するとき、油圧シリンダ48が上方に略直角に折り曲げられるだけでなく、シリンダブラケット93の先端側ブラケット95も上方に略直角に折り曲げられるようになっているため、ウインチホース42(図2参照)の配管接続・切り離し作業時における上部旋回体2の前側の作業スペースをより一層広く確保することができ、作業の容易・迅速化により一層寄与できるという効果を奏する。
尚、本発明は上記第1ないし第3の実施形態に限定されるものではなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば上記第1の実施形態では、1つの規制プレート50により、油圧シリンダ48の伸長作動によりブームフットピン40を引出位置からピン孔38,39に挿入するとき予めスライドプレート47の摺動を規制する第1の規制手段としての機能と、油圧シリンダ48の伸長作動によりブートフットピン40をピン孔38,39に挿入した後油圧シリンダ48を収縮作動させるとき予めブームフットピン40の挿入位置からの移動を規制する第2の規制手段としての機能を発揮させるようにしたが、本発明は、この両規制手段を、各々別々のプレートその他の部材により構成したり、あるいは規制とその解除とを自動的に切り替える構成にしたりしてもよい。
また、上記各実施形態では、上部旋回体2のフレーム35a,35bの前端部に二股状の結合部36が形成され、ブームフット3aにこの二股状の結合部36に差し込まれる平板状の結合部37が形成されているとともに、この両結合部36,37にそれぞれピン孔38,39が設けられており、この両ピン孔38,39を位置合わせした状態で両ピン孔38,39にブームフットピン40を挿入してブームフット3aを上部旋回体2に着脱可能に結合するためのブームフットピン着脱装置41,80,90について述べたが、本発明は、これに限らず、ブームフットに二股状の結合部が形成され、上部旋回体にこの二股状の結合部に差し込まれる平板状の結合部が形成されているとともに、この両結合部にそれぞれピン孔が設けられており、この両ピン孔を位置合わせした状態で両ピン孔にブームフットピンを挿入してブームフットを上部旋回体に着脱可能に結合するためのブームフットピン着脱装置にも同様に適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係るクローラクレーンの側面図である。 上記クローラクレーンの上部旋回体に対するブームフットの取付構造を示す側面図である。 図2のX−X線に沿って見たブームフットピンをピン孔から引き出した状態を示す一部切開矢視図である。 同じくブームフットピンをピン孔に挿入した状態を示す一部切開矢視図である。 同じく油圧シリンダをシリンダブラケット内に収納した状態を示す一部切開矢視図である。 図3の右側のブームフットピン着脱装置付近の拡大図である。 図4の右側のブームフットピン着脱装置付近の拡大図である。 図5の右側のブームフットピン着脱装置付近の拡大図である。 図6のY−Y線に沿って見た拡大矢視図である。 図7のZ−Z線における拡大断面図である。 シリンダブラケットを示し、(a)は側面図、(b)は底面図である。 シリンダブラケットの正面図である。 スライドプレートの正面図である。 結合プレートの正面図である。 規制プレートの正面図である。 第2の実施形態に係るブームフットピン着脱装置の油圧シリンダを上方に折り曲げた状態を示す一部切開側面図である。 第3の実施形態に係るブームフットピン着脱装置の油圧シリンダを上方に折り曲げた状態を示す一部切開側面図である。 上記ブームフットピン着脱装置の状態から更にシリンダブラケットの先端側ブラケットを上方に折り曲げた状態を示す一部切開側面図である。
符号の説明
2 上部旋回体
3 ブーム
3a ブームフット
36 二股状の結合部
36a 内側片
37 平板状の結合部
38,39 ピン孔
40 ブームフットピン
41,80,90 ブームフットピン着脱装置
42 ウインチホース
43 クイックカブラ
46,93 シリンダブラケット
46a,93a 底面部
46b.93b 側壁部
47 スライドプレート
48 油圧シリンダ
48a シリンダ本体
48b ピストンロッド
49 結合プレート
50 規制プレート
54 第1挿入孔(第1位置)
55 第1切り欠き溝(第1位置)
56 第2挿入孔(第2位置)
57 第2切り欠き溝(第2位置)
82,92 結合ピン(折り曲げ中心)
94 基端側のブラケット
95 先端側のブラケット

Claims (6)

  1. 上部旋回体及びブームフットのいずれか一方に二股状の結合部が形成され、他方にこの二股状の結合部に差し込まれる平板状の結合部が形成されているとともに、この両結合部にそれぞれピン孔が設けられており、この両ピン孔を位置合わせした状態で両ピン孔にブームフットピンを挿入してブームフットを上部旋回体に着脱可能に結合するための建設機械のブームフットピン着脱装置であって、
    上記二股状の結合部の内側片に基端が取り付けられ、上記ブームフットピンをピン孔に挿入した挿入位置とピン孔から引き出した引出位置との間で移動可能にするシリンダブラケットと、
    このシリンダブラケット上に上記ブームフットピンの移動方向に沿って摺動可能に設けられたスライドプレートと、
    このスライドプレートにシリンダ本体が取り付けられ、ピストンロッドが上記ブームフットピンに連結された油圧シリンダと、
    この油圧シリンダの伸長作動により上記ブームフットピンを引出位置からピン孔に挿入するとき予め上記スライドプレートの摺動を規制する第1の規制手段と、
    上記油圧シリンダの伸長作動によりブームフットピンをピン孔に挿入した後油圧シリンダを収縮作動させるとき予めブームフットピンの挿入位置からの移動を規制する第2の規制手段とを備えたことを特徴とする建設機械のブームフットピン着脱装置。
  2. 上記第1の規制手段と第2の規制手段は、1つの規制プレートを兼用してなり、この規制プレートは、上記シリンダブラケットの先端側の第1位置又は基端側の第2位置に選択的に取り付けられ、かつ第1位置に取り付けられたとき第1の規制手段の機能を、第2位置に取り付けられたとき第2の規制手段の機能をそれぞれ発揮するように設けられている請求項1記載の建設機械のブームフットピン着脱装置。
  3. 上記シリンダブラケットは、底面部と左右の側壁部とを有するチャンネル形状に形成されており、上記スライドプレートは、このシリンダブラケットのチャンネル形状に対応して、矩形状に形成されている請求項1又は2記載の建設機械のブームフットピン着脱装置。
  4. 上記油圧シリンダのピストンロッドは、結合プレートを介在してブームフットピンに連結されており、この結合プレートは、上記シリンダブラケットのチャンネル形状に対応して、矩形状に形成されている請求項3記載の建設機械のブームフットピン着脱装置。
  5. 上記油圧シリンダは、それ自体が収縮状態にありかつブームフットピンが挿入位置に位置するときに上方に折り曲げ可能に設けられている請求項3又は4記載の建設機械のブームフットピン着脱装置。
  6. 上記シリンダブラケットは、基端側のブラケットと先端側のブラケットとに分割されてなり、先端側のブラケットは、基端側のブラケットに対し上方に折り曲げ可能に連結されている請求項5記載の建設機械のブームフットピン着脱装置。
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