JP2008099605A - シート状食品組成物状および口腔衛生改善方法 - Google Patents

シート状食品組成物状および口腔衛生改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】舌表面の感触を向上させ、口腔衛生改善成分を効果的に持続させることができるシート状食品組成物、及びこれを用いることによる口腔衛生改善方法を提供する。
【解決手段】シート状食品組成物は、ヒアルロン酸および/またはその塩を含有するシート状食品組成物であり、メントールを含有する香料、ポリフェノール、キシリトール、サイクロデキストリンから選ばれる、1種または2種以上を含有するシート状食品組成物に、ヒアルロン酸および/またはその塩を含有させることにより、前記成分を口腔内に徐放させ、前記物質の生理的効果を持続させる方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ヒアルロン酸および/またはその塩を含有させることにより、舌表面の感触を向上させ、口腔衛生改善成分を効果的に持続させることができるシート状食品組成物、及びこれを用いることによる口腔衛生改善方法に関する。
ヒアルロン酸および/またはその塩は分子構造上親水性に富み、水分保持能力に優れた物質である。その作用を応用して、肌表面に塗布することにより水分保持及び蒸散防止効果が期待され、多くの化粧料に配合されている。また、眼科手術における眼球形状保持剤として、あるいは関節機能改善剤として等、実に多くの医療用途に応用されている。本出願人は、ヒアルロン酸および/またはその塩を摂食することにより、肌改善効果を発見し、特許出願(特開2001−229808)するとともに、当該物質を含有した食品を数多く上市している。
一方、シート状食品は、特に口腔内の清涼感を高める目的で、ミント等を配合した製品が市販させている。またシート状食品組成物の技術として、特開平10−179045(特許文献1)には結合剤としてプルラン、ゼラチン、ガム、セルロース等の水溶性多糖類を配合することが開示されている。また、特開2004−222663(特許文献2)にはゼラチン、カラギーナン、ガム、加工でんぷん、蛋白類等の水溶性ポリマーをフィルム支持体上に塗布しサプリメント成分を付着させる技術が開示されている。USP5948430(特許文献3)にはセルロース誘導体等の水溶性ポリマーを用いる技術が開示されている。しかし、いずれの文献にもヒアルロン酸および/またはその塩を配合する技術、あるいはそれにより舌表面の感触が向上し、しかも口腔内衛生向上剤を効果的に徐放する方法については一切記述されていない。
特開平10−179045号公報 特開2004−222663号公報 UnitedStatePatent5948430号公報
そこで、本発明の目的は、ヒアルロン酸および/またはその塩を含有させることにより、舌表面の感触を向上させ、口腔衛生改善成分を効果的に持続させることができるシート状食品組成物、及びこれを用いることによる口腔衛生改善方法を提供するものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、シート状食品組成物を調製するに当たり、ヒアルロン酸および/またはその塩を用いることにより、これを摂食した際、意外にも舌表面の感触を向上させ、口腔衛生改善成分を効果的に持続させることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) ヒアルロン酸および/またはその塩を含有するシート状食品組成物、
(2) 前記ヒアルロン酸および/またはその塩の含有量が、製品に対し0.01〜20%である(1)記載のシート状食品組成物、
(3) メントールを含有する香料、ポリフェノール、キシリトール、サイクロデキストリンから選ばれる、1種または2種以上を含有することを特徴とする、(1)又は(2)記載のシート状食品組成物、
(4) メントールを含有する香料、ポリフェノール、キシリトール、サイクロデキストリンから選ばれる、1種または2種以上を含有するシート状食品組成物に、ヒアルロン酸および/またはその塩を含有させることにより、前記成分を口腔内に徐放させ、前記物質の生理的効果を持続させる方法、
である。
ヒアルロン酸は医療用途、食品用途において有用な素材である。本発明により、ヒアルロン酸の新たな需要を拡大することができる。また、本発明により、効果的な口腔内衛生改善方法を普及することができる。
以下、本発明のシート状食品組成物を詳述する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
本発明のシート状食品組成物は、ヒアルロン酸および/またはその塩を含有する、シート状あるいはフィルム状に製された食品組成物である。シート状あるいはフィルム状であるため、摂食した際、舌上に置かれることにより、特に咀嚼することなくとも軟化もしくは溶融することにより、含有されるヒアルロン酸および/またはその塩が舌あるいは口腔内に溶出し、舌表面あるいは口腔内がヒアルロン酸特有のしっとりした感触を得ることが期待できる。またヒアルロン酸および/またはその塩特有の物性により、舌表面あるいは口腔内に滞留する時間が保持されるため、しっとりした感触を持続させることに有効である。さらには、本発明のシート状食品組成物に、口腔衛生上有用な物質、例えばメントールを含有する香料、ポリフェノール、キシリトール、サイクロデキストリンから選ばれる、1種または2種以上を配合することにより、ヒアルロン酸特有の物性により当該物質は舌表面あるいは口腔内に滞留する時間が保持され、徐々に放出されるため、その物質の有する生理的効果を持続させることが可能となる。
本発明のシート状食品組成物の大きさは、特に規定するものではないが、摂食できるよう調製された最終形態としては、一口で摂食できる程度の大きさ、具体的には1cm四方以上5cm四方以下であることが好ましく、舌の上に置かれることを考慮すると1.5cm四方以上3cm四方以下がさらに好ましい。これより大きいと摂食する際折りたたむ必要があり、上記効果を充分期待できない可能性がある。またこれより小さい場合はヒアルロン酸および/またはその塩や有効成分を充分配合できない場合がある。厚さについては特に規定しないが、シート状と言える、1000μm以下、好ましくは200μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。これ以上厚いと舌表面での軟化、溶融に時間を要し、摂食して直ちに本発明の効果を期待できない場合がある。
本発明のシート状食品組成物に配合するヒアルロン酸および/またはその塩とは、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンの2糖を反復構成単位とする多糖類に分類される高分子化合物および/またはその塩である。ヒアルロン酸の平均分子量は、小さすぎると発明の効果が得られ難くなり、大きすぎると摂食した際、舌表面での軟化、溶融に時間を要するため、好ましくは1〜200万、より好ましくは1〜150万、特に好ましくは1〜120万である。
本発明のシート状食品組成物に配合されるヒアルロン酸および/またはその塩の含有量は、製品に対し0.01〜20%が好ましい。0.1〜10%がより好ましく、0.5〜10%がさらに好ましい。これより少ないとヒアルロン酸の効果が発揮できない場合がある。これより多いと粘度が高くなり、摂食時の食感を損なう場合がある。適正な配合量はヒアルロン酸の分子量に影響を受ける。低分子のヒアルロン酸および/またはその塩であれば、比較的高含量配合することができる。高分子のものであれば、比較的低含量であってもヒアルロン酸の効果を発揮できる場合がある。
また、本発明で使用するヒアルロン酸の平均分子量は、下記の方法により求めた値として定義される。
日本薬局方(第十四改正)一般試験法の粘度測定法(第1法 毛細管粘度計測法)により30.0±0.1℃で比粘度を測定し(式(1))、各濃度における還元粘度を算出する(式(2))。還元粘度を縦軸に、濃度(g/100ml)を横軸にとってグラフを描き、各点を結ぶ直線と縦軸との交点から極限粘度を求める。ここで求められた極限粘度をLaurentの式(式(3))に代入し、平均分子量を算出する。
Figure 2008099605
ヒアルロン酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。ヒアルロン酸の塩の製造は、公知の方法により行うことができる。
本発明で使用するヒアルロン酸は、市販品を使用することができるが、以下の製造法1〜3に従って製造することもできる。
<製造法1(鶏冠からの抽出)>
鶏冠を熱水中で加熱処理し、加熱後、鶏冠をペースト化する。ペースト化した鶏冠に、酸処理又はアルカリ処理してヒアルロン酸を低分子化し、所望の分子量となるよう調整する。分子量を調整した原料に蛋白分解酵素を添加して、プロテアーゼ処理する。得られたプロテアーゼ処理物からヒアルロン酸を分取して、粗製のヒアルロン酸を得た後、このヒアルロン酸を精製することにより純度90%以上、平均分子量60万〜120万のヒアルロン酸が得られる。
ここで、ヒアルロン酸の分取・精製は、常法に従って行うことができる。例えば、まず、プロテアーゼ処理した原料を濾過して固形物を除去して、粗製のヒアルロン酸を含有した濾液を得る。そして得られた濾液にエタノールを添加してヒアルロン酸を沈殿させ、沈殿物を分取する。その後、この沈殿物にエタノール濃度約80〜95容量%の含水エタノールを添加し、ホモゲナイザーで洗浄し、沈殿物を分取する。この含水エタノールによる洗浄を2〜10回程度繰り返し、分取した沈殿物を乾燥することで本発明で使用するヒアルロン酸を得ることができる。
<製造法2(微生物発酵法)>
ヒアルロン酸産出ストレプトコッカス属の微生物(Streptococcus Zooepidemicus)の培養液に活性炭を添加して脱臭・脱色処理を行った後、濾過処理する。得られた濾液にエタノールを添加してヒアルロン酸を沈殿させ、沈殿物を分取する。その後、この沈殿物にエタノール濃度約80〜95容量%の含水エタノールを添加し、ホモゲナイザーで洗浄し、沈殿物を分取する。この含水エタノールによる洗浄を2〜10回程度繰り返し、分取した沈殿物を乾燥することで本発明で使用できるヒアルロン酸(平均分子量20〜60万)を得ることができる。
<製造法3(ヒアルロン酸の製造)>
前述の製造法1で製造したヒアルロン酸を水に再溶解し、ヒアルロン酸の2質量%水溶液を調製する。この水溶液に、添加後の濃度が4質量%となるように塩酸を添加する。得られた混合液を50℃で1〜2時間撹拌し、水酸化ナトリウム水溶液で中和を行う。中和後、反応液にエタノールを添加してヒアルロン酸を沈殿させ、沈殿物を分取する。その後、この沈殿物にエタノール濃度約80〜95容量%の含水エタノールを添加し、ホモゲナイザーで洗浄し、沈殿物を分取する。この含水エタノールによる洗浄を2〜10回程度繰り返し、分取した沈殿物を乾燥することで本発明で使用できるヒアルロン酸(平均分子量2〜20万)を得ることができる。
なお、本発明において使用するヒアルロン酸の純度は、食品で使用できるレベルであればよく、好ましくは90%以上であればよい。その純度は乾物換算で100%よりヒアルロン酸以外の不純物を除いた値として定義される。ここで、不純物としては、蛋白分解物、脂肪分(粗脂肪)、コンドロイチン硫酸等が挙げられる。
本発明のシート状食品組成物に用いる原料の内、基材としてはとうもろこし、馬鈴薯、米、タピオカ等天然物より得た澱粉、またはこれら澱粉に無水酢酸と無水アジピン酸を作用させてエステル化するアセチル化アジピン酸架橋澱粉、澱粉にオキシ塩化リン又はトリメタリン酸ナトリウムを作用させ、さらに無水酢酸又は酢酸ビニルを作用させてエステル化するアセチル化リン酸架橋澱粉、澱粉に次亜塩素酸ナトリウムと無水酢酸を作用させてエステル化するアセチル化酸化澱粉、澱粉に無水オクテニルコハク酸を作用させてエステル化するオクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、澱粉に無水酢酸又は酢酸ビニルを作用させてエステル化する酢酸澱粉、澱粉に次亜塩素酸ナトリウムを作用させる酸化澱粉、澱粉にプロピレンオキシドを作用させてエーテル化するヒドロキシプロピル澱粉、澱粉にプロピレンオキシドを作用させエーテル化し、さらにオキシ塩化リン又はトリメタリン酸ナトリウムを作用させエステル化するヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、澱粉にオキシ塩化リン又はトリメタリン酸ナトリウムを作用させエステル化し、さらにオルトリン酸又はそのカリウム塩、ナトリウム塩、トリポリリン酸ナトリウムを作用させエステル化するリン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、澱粉にオルトリン酸又はそのカリウム塩、ナトリウム塩、トリポリリン酸ナトリウムを作用させエステル化するリン酸化澱粉、澱粉にオキシ塩化リン又はトリメタリン酸ナトリウムを作用させエステル化するリン酸架橋澱粉等の化工澱粉、カラギーナン、ペクチン、キサンタンガム、グアガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、ジェランガム、ローカストビーンガム等の増粘多糖類、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、グルテン、分離大豆蛋白、卵蛋白、ツェイン等蛋白質類またはその分解物等を用いることができる。
また、必要に応じ、スクラロース等の甘味料、グリセリン、香料、着色料、レシチン等の乳化剤、安定剤、クエン酸等の酸味料、pH調整剤、その他食品に用いることが可能な添加物、製造助剤を用いることができる。
例えば、グレープフルーツやシトラス等柑橘系果実からの抽出物、バラ香料、カモミール、ラベンダーやレモングラス等のハーブ抽出物、テアニンやこれを多く含む食品等の精神沈静効果を有する素材を配合することができる。これによりリラックス効果を付与するシート状食品組成物を得ることができる。
このように生理効果を有する食品素材を選択し、配合することにより、目的に応じたシート状食品組成物を調製することができる。
さらに本発明品の有効性を向上させるため、口腔衛生に寄与する成分を配合することができる。例えば、清涼感や爽快な刺激を付与するためメントールを含有する香料を配合することができる。また口腔内の静菌効果を期待しポリフェノールを配合することができる。キシリトールを配合することで歯の抗う蝕性を付与することができる。サイクロデキストリンを配合することで、口臭予防効果を期待することができる。これらの成分はいずれも口腔衛生上有用な生理効果を期待できる素材であるため、単独で配合することも2種以上の素材を組み合わせて配合することも可能である。
本発明に用いるメントールを含有する香料とは、特有の清涼感を期待できる程度メントールを含有する食品原料をいう。メントールとはシソ科ハッカやセイヨウハッカなど同属植物に含まれる精油成分である、環式モノテルペン、アルコールをいう。
本発明に用いるポリフェノールとは、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基を持つ植物成分の総称である。ポリフェノールの種類としては、茶カテキンやアントシアニン等のフラボノイド類、コーヒーに含まれるクロロゲン酸等のフェノール酸の他、イチゴに含まれるエラグ酸、セサミン等ゴマに含まれるリグナン、ウコンに含まれるクルクミン、パセリに含まれるクマリン等が存在する。ポリフェノールの生理効果は抗酸化作用や美白作用が知られているが、特に茶カテキンに代表されるフラボノイド類は静菌作用を有するため口腔衛生の点で有用性が高い。
本発明に用いるキシリトールは、キシロースから合成される糖アルコールの一種で、シラカバやカシから生産される天然の甘味料である。口腔内の細菌による酸産生がほとんどなくキシリトールを取り込んだ細菌の酸産生能力が低下することより、抗う蝕性を有することが知られている。
本発明に用いるサイクロデキストリンは、澱粉類にサイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼを作用させて得られる環状のオリゴ糖である。グルコースが環状に6個結合した構造のもの(α−CD)、7個のもの(β−CD)、8個のもの(γ−CD)が知られている。環状構造の外側が親水性、内側が親油性であるため、例えばメントールを含む精油成分を内包させることにより、メントールの効果の持続に寄与する。また口腔内において口臭の原因となる成分を包接することにより、口臭予防効果が期待できる。
上記、生理機能素材の他に、ビタミンB群、C、E等のビタミン類、卵白リゾチーム、卵白加水分解物、卵殻膜加水分解物、卵殻微粉末、コウジ酸、セラミド、Co-エンザイムQ10等様々な生理機能素材を用途に合わせ適宜配合することができる。
以下、本発明であるヒアルロン酸および/またはその塩を含有するシート状食品組成物について、実施例等に基づき具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定するものではない。
表1の配合に準じ原料を混合し、全量の2倍相当量の水を加え均質に混合し、各実施例の混合液を得た。得られた混合液をクラフト紙上に積層された25μmのポリスチレンテレフタレート(PET)フィルム表面にアプリケーターにより塗布し、塗布膜を乾燥させ、PETフィルムから剥離し、厚さ50μmの可食フィルムを得た。
Figure 2008099605
原料として用いたヒアルロン酸は前述した製造法2により得られた、平均分子量20万のものを用いた。ハッカ抽出物はl−メントールを含有する「ペパーミント抽出物」、緑茶抽出物はポリフェノールを40%含有する三井農林社製「ポリフェノン」、キシリトールは東和化成社製「キシリトール」サイクロデキストリンは塩水港製糖社製「K−100」(全CD97%以上、α‐CD70%以上)を用いた。
得られたシート状食品組成物のうち、実施例1〜5について食したところ、舌の表面がコーティングされた感触に富み、舌の表面が滑らかでツルツルした感触が持続した。これに比較して、比較例1ではすぐに舌の上で溶解してしまい、舌の表面がコーティングされ、滑らかとなる感触に乏しかった。
[試験例1]
上記の効果を統計的に検証するため、ヒアルロン酸配合シート状食品組成物として実施例2で得られた食品を、ヒアルロン酸を配合しない例として比較例1のシート状食品組成物を、後述する方法にて試験を行った。
実施例2と比較例1で得られたシート状食品組成物を23mm×33mmの長方形にカットし、試料とした。実施例2のシート状食品組成物1枚には50mg相当のヒアルロン酸を含有する。これらを訓練されたパネラー16名に、シート状食品組成物を舌の表面に乗せるようにして試食させ、その感触についてアンケートを実施したところ表2に示す結果となった。
Figure 2008099605
この結果より、ヒアルロン酸を配合することにより、シート状食品組成物を食した際、舌の表面をコーティングする感触に富み、滞留することによりツルツルした感触が持続させることができることが、16名による調査結果により確認できた。
[試験例2]
次に、シート状食品組成物の主成分であるデンプンの消長を確認することで、ヒアルロン酸配合による滞留性の向上について試験を行った。
まず、ガーゼにフィルムを挟み、蒸留水1mLで湿らせてこれをロートに置き、ガーゼをつたわるように、蒸留水3mLを添加し、試験管に取る。さらに蒸留水3mLを添加し、新しい試験管に取る。これを20〜30回繰り返す。分取した試験管に、0.1mol/Lヨウ素溶液を1滴添加し、デンプン由来の着色を確認する。
ヨウ素デンプン反応により青紫色に呈色したことが目視で確認できる最終試験管を選定する。例えば最終試験管がn番目とすれば、シート状食品組成物からデンプンを溶出させるに必要な蒸留水の量はn×3mLとなり、この量が多いことはシート状食品組成物に含まれる物質を溶出させるために多量の水分、即ち唾液を必要とすることとなり、舌での滞留効果が高いこととなる。
試料として実施例2の配合においてヒアルロン酸の配合率のみ0.5%に変更したものを実施例6、同じく1.0%に変更したものを実施例7とし、上記方法にて滞留効果を評価する試験を行った結果を表3に示す。
Figure 2008099605
表3よりヒアルロン酸を配合量を高めることにより、シート状食品組成物状よりデンプンを溶出させるに必要な蒸留水の量が増え、シート状食品組成物に含有させる物質の舌での滞留効果が向上する傾向にあることが示唆される。
従って、本発明であるヒアルロン酸および/またはその塩を含有するシート状食品組成物に、メントールを含有する香料、ポリフェノール、キシリトール、サイクロデキストリンから選ばれる、1種または2種以上を含有させることにより、前記成分を口腔内に徐放させ、効果を持続させることが可能となる。

Claims (4)

  1. ヒアルロン酸および/またはその塩を含有するシート状食品組成物。
  2. 前記ヒアルロン酸および/またはその塩の含有量が、製品に対し0.01〜20%である請求項1記載のシート状食品組成物。
  3. メントールを含有する香料、ポリフェノール、キシリトール、サイクロデキストリンから選ばれる、1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1又は2記載のシート状食品組成物。
  4. メントールを含有する香料、ポリフェノール、キシリトール、サイクロデキストリンから選ばれる、1種または2種以上を含有するシート状食品組成物に、ヒアルロン酸および/またはその塩を含有させることにより、前記成分を口腔内に徐放させ、効果を持続させる方法。
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