JP2008098816A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はアンテナ装置に関し、アンテナ定数の抵抗Rを変えることなく行え、かつ精度の高い所望の通信範囲の形成が可能なものを得ることを目的とする。
【解決手段】デューティー制御回路1のデューティー信号a1と搬送波bにより変調回路2で変調された変調信号cと、変調信号cとデューティー信号a1とから信号合成回路3により合成された合成信号c1とにより駆動される駆動回路4と、電源VdとGND間に一対のスイッチング手段である第1、第2パワートランジスタ21,22が直列接続されて形成された送信部11と、第1、第2パワートランジスタ21,22の中点からアンテナ定数の抵抗Rを介して、コイルLおよびコンデンサCの直列接続体がGNDに接続されて形成されるとともに所定のQ値を有する送信アンテナ5とを備えてアンテナ装置10を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載された車載機と携帯機との間で通信を行い車両ドアの解錠/施錠などを行う通信システムに用いられる車載機のアンテナ装置に関し、特にアンテナ装置が携帯機の存在を検知するために発信する送信要求信号の到達範囲(以後、通信範囲と記載する)の形成に関するものである。
近年、使用者が携帯機を携帯して車両に対し接近/離遠するだけで車両ドアの解錠/施錠などを行う、いわゆるスマートエントリーシステムが普及しつつある。本システムは、メカニカルキーなしで車両ドアの解錠/施錠などができ利便性に優れる。
本システムは、車両に搭載された車載機がアンテナ装置を介して送信要求信号を出力する。この送信要求信号を受信した携帯機は応答信号を返信する。その応答信号を受信した車載機がドアアクチュエータを制御して車両ドアの解錠/施錠などを行う。
上記車載機は、複数のアンテナ装置を備えている。各アンテナ装置は、送信部と各車両ドアのドアハンドル内に配置される車外用の送信アンテナ、および送信部とインスツルメントパネル付近に配置される車内用の送信アンテナをそれぞれ設けて形成されている。
そして、アンテナ装置は、車載機の制御部により送信部が駆動されて、送信アンテナから送信要求信号を出力し所望の通信範囲を形成している。
このような本システムに用いられる従来のアンテナ装置の通信範囲の形成について、図5、図6を用いて説明する。
図5は、従来のアンテナ装置の回路図、図6は動作説明図であり、同図において、52は変調回路で、AND回路で形成された変調回路52は、図示しない車載機の制御部から図6(a)のH/Lを繰返すデューティー50%の二値信号aと図6(b)のパルス状の搬送波bが供給されて、搬送波bで二値信号aを変調して図6(c)の変調信号fを出力する。
また、54は駆動回路で、駆動回路54は、電源VdとGNDの間に一対のパワートランジスタを直列接続して形成されている。ここで、電源Vd側の第1パワートランジスタ121はPチャンネルFET、GND側の第2パワートランジスタ122はNチャンネルFETである。なお、各パワートランジスタには並列に寄生ダイオード121a,122aが備わっている。
上記、変調回路52から変調信号fが駆動回路54の各パワートランジスタに入力されるように接続されて送信部51が形成されている。
次に、55は送信アンテナで、送信アンテナ55は、一対のパワートランジスタ121,122の中点から回路側の抵抗Rを介して端子M1および配線N1を経由しコイルLおよびコンデンサCが直列接続されて形成され、配線N2および端子M2を経由し回路側のGNDに接続されてアンテナ装置50が構成されている。
なお、このR,L,Cをアンテナ定数と称する。
ここで、送信アンテナ55はアンテナ定数により決まる、所定の共振の強さQを有している。このQ値は、アンテナ定数のL/Rに比例し、Lの値を一定にした場合、Q∝1/Rの特性となる。送信アンテナ55は、価格を安価にする必要からコイルの巻回数を少なくして形成されており、そのQ値は、例えば相対的に小さなQ=10である。
以上の構成において、アンテナ装置50は、変調回路52の変調信号fで駆動回路54がオン/オフ制御されることで、送信アンテナ55には図6(d)に示すアンテナ電流Igが流れ、この電流を送信要求信号として発信し、この電流の大きさに略比例した通信範囲を形成する。
このアンテナ電流Igは、送信アンテナ55のQ値が相対的に小さなQ=10であることから、図6(e)の正極側エンベロープ波形に示すように、二値信号aがHのtオン期間(通電時)の通電電流jは立上り後すぐ最大電流に飽和する特性、二値信号aがLのtオフ期間(断電時)の断電電流kは立下り後すぐゼロに飽和する特性になる。
つまり、送信アンテナ55の通電電流j、断電電流kは、Q値が小さいため、すぐに飽和する特性となる。
この通電電流jの最大値に略比例して通信範囲は形成される。
つまり、アンテナ装置50は、図6(e)に示すように通電電流jの最大値をアンテナ定数の抵抗Rを変化させることで、Rが小のときは大きな通電電流j1、Rが大のときは小さな通電電流j2として、例えば送信アンテナが、ドアハンドル内やインスツルメントパネル付近に配置され、この通電電流の大きさに比例した通信範囲を形成するものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2002−47835号公報
しかしながら、上記従来のアンテナ装置においては、その通信範囲の形成は、アンテナ定数の抵抗Rを変化させて行っているため、送信アンテナの配置位置や車種毎などにより異なる通信範囲の形成は、一品一様に抵抗Rを変えて設定する必要がある。
この抵抗Rを変えて通信範囲の設定を行う作業は煩雑さを要する。つまり、実験車を用い通信範囲の実測を行う際、都度はんだごてにより抵抗Rを付け替える作業を伴う。
また、抵抗Rは一般的に汎用の抵抗器を用いる。その抵抗値は例えば5Ω〜12Ωといった値で、JIS規格などにより4.9Ω,5.6Ω,6.8Ω・・・などと段階的に変わる。このため、規格に無い5.3Ωなどが必要な場合の精度の高い通信範囲の形成は困難であるという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、アンテナ装置の通信範囲の形成を、アンテナ定数の抵抗Rを変えることなく行え、かつ精度の高い所望の通信範囲が得られるアンテナ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明のアンテナ装置は、以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、デューティー制御回路が、デューティー信号のデューティーを変えることで送信アンテナへの通電電流を変化させ所望の通信範囲を形成する。
また、信号合成回路が、駆動回路により断電制御された際の送信アンテナの断電電流を所定の時間内でゼロにするようにアンテナ装置を構成したものである。
該構成になるアンテナ装置の通信範囲の形成は、送信アンテナの通電電流の立上り特性を利用し、その最大値をデューティー信号のデューティーで変えるため、アンテナ定数の抵抗Rを変えることなく行え、かつデューティー信号のデューティーを細かく設定することで精度の高い所望の通信範囲が形成できるという作用を有する。
さらに、信号合成回路が、駆動回路により断電された際の送信アンテナの断電電流を所定の時間内でゼロにするため、結果、送信要求信号の伝送速度を変える必要は無いという作用を有する。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、送信アンテナのQ値を略40〜220としたものであり、アンテナ電流の立上り特性を有用な範囲に形成できるという作用を有する。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、送信アンテナに並列に、送信アンテナの断電時の断電電流を減衰する減衰回路を接続したものであり、送信アンテナの断電電流を短時間でゼロにできるという作用を有する。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、減衰回路は、一対のスイッチング手段のそれぞれに並列に備わる通電素子の寄生ダイオードを交互に通過するものであり、寄生ダイオードを用いるため流路を形成する部品を別途必要としないという作用を有する。
請求項5に記載の発明は、請求項1記載の発明において、送信アンテナに流れる通電電流を検知する電流検知回路を設け、デューティー制御回路は電流検知回路の検出信号に基づきデューティー信号のデューティーを変えるものであり、回路特性や温度特性などに起因する通電電流のばらつき、つまりは通信範囲のばらつきを抑制することができるという作用を有する。
以上のように本発明によれば、アンテナ定数の抵抗Rを変えることなく所望の通信範囲を形成するアンテナ装置を得ることができるという有利な効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図4を用いて説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1〜4記載の発明について説明する。
図1は本発明の実施の形態1によるアンテナ装置の回路図、図2は動作説明図であり、同図において、1はデューティー制御回路で、デューティー制御回路1は、予めデューティー情報が格納された記憶部1bと、このデューティー情報に基づき外部の図示しない車載機の制御部から入力される、図2(a)のデューティー50%の二値信号aから図2(b)の所定のデューティー信号a1を出力するデューティー制御部1aとから形成されている。
ここで、二値信号aは周期TでH/Lの各期間t0が等しく、そのデューティーはT/2の50%である。一方、デューティー信号a1は周期TでH/Lの期間t1とt2の比により決まる所定のデューティーを有している。
次に、2は変調回路で、AND回路により形成された変調回路2は、一方の端子にデューティー信号a1、他方の端子に図示しない車載機の制御部から図2(c)の搬送波bが入力されて、この2つの信号から図2(d)の変調信号cを出力する。
ここで、搬送波bは搬送周波数f0のパルス信号である。また、変調信号cはデューティー信号a1と同じデューティーを有する。
さらに、3は信号合成回路で、信号合成回路3はインバータとORの論理回路により形成され、変調信号cとデューティー信号a1とから図2(e)の合成信号c1を出力する。この合成信号c1もデューティー信号a1と同じデューティーである。
そして、4は駆動回路で、駆動回路4は、電源VdとGNDの間に、一対のスイッチング手段であるパワートランジスタが直列接続されて形成されている。一般的に、このような回路はハーフブリッジと称される。
ここで、電源Vd側の第1パワートランジスタ21はPチャンネルFET、GND側の第2パワートランジスタ22はNチャンネルFETである。なお、各パワートランジスタには並列に、減衰回路を形成する通電素子の寄生ダイオード21a,22aが備わっている。
この駆動回路4は、第1パワートランジスタ21に合成信号c1が、第2パワートランジスタ22に変調信号cが入力され、この2つの信号によりオン/オフ制御されるように形成されている。
また、5は送信アンテナで、所定のQ値を持つ送信アンテナ5は、一対のパワートランジスタ21,22の中点から回路側の抵抗Rを介して端子M1および配線N1を経由しコイルLおよびコンデンサCが直列接続されて形成され、配線N2および端子M2を経由し回路側のGNDに接続されてアンテナ装置10が構成されている。
なお、このR,L,Cをアンテナ定数と称する。
ここで、送信アンテナ5は、アンテナ定数により決まる、所定の共振の強さQを有している。そのために送信アンテナ5は、コイルの巻回数を多くして形成しており、そのQ値は相対的に大きなQ=40〜220の範囲である。
以上の構成において、アンテナ装置10は、所定のQ値を有する送信アンテナ5を用い、Q値により決まる送信アンテナ5の通電電流の立上り特性を利用している。
つまり、デューティー制御回路1が、デューティー信号a1を変え通電電流の最大値を変化させることにより、この電流を送信要求信号として出力するとともに、この電流の大きさに略比例した通信範囲を形成する。
例えば、デューティー制御回路1が、記憶部1bのデューティー情報“60”を選択して、デューティー50%の二値信号aからデューティー60%のデューティー信号a1を出力して通信範囲を形成する例について説明する。
まず、デューティー制御回路1がデューティー情報“60”を選択することで、第1パワートランジスタ21に入力される合成信号c1と第2パワートランジスタ22に入力される変調信号cは、周期Tがt1期間(tオン)、t2期間(tオフ)を有し、t1/Tはデューティー60%の信号に形成される。
そして、第1パワートランジスタ21は図2(e)の合成信号c1で、第2パワートランジスタ22は図2(d)の変調信号cで、それぞれオン/オフ制御されることで、送信アンテナ5には図2(f)に示すアンテナ電流Ieが流れる。
なお、合成信号c1と変調信号cがLのときは、第1パワートランジスタ21はオン、第2パワートランジスタ22はオフに制御される。一方、合成信号c1と変調信号cがHのときは第1パワートランジスタ21はオフ、第2パワートランジスタ22はオンに制御される。
したがって、合成信号c1と変調信号cがH/Lを繰返すtオン期間は、第1、第2パワートランジスタ21,22が交互にオン/オフ制御されて送信アンテナ5には通電状態の通電電流mが流れる。
一方、合成信号c1がH、変調信号cがLのtオフ期間は、第1、第2パワートランジスタ21,22ともオフ制御されて送信アンテナ5には断電状態の断電電流nが流れる。
上記通電電流mと断電電流nの交互に連続した電流がアンテナ電流Ieである。
ここで、送信アンテナ5のQ値を、例えば略40に形成した場合、アンテナ電流Ieの通電電流mの正極側エンベロープは図2(g)に示すように、立上りは飽和することなく略放物線を描く特性となる。
また、この通電電流mの立上り特性は送信アンテナ5のQ値を更に大きく、例えば略220にすると、Q値に略反比例して立上りの傾きθが小さくなり略直線を描く特性となる。
したがって、送信アンテナ5のQ値が40、デューティー信号a1がデューティー60%では、tオン期間t1で送信アンテナ5に流れる通電電流mは、最大値を電流Ixに設定できる。同様にしてデューティー信号a1のデューティーを40%、つまりtオン期間をt11にした場合の通電電流mは、最大値を電流Iyに設定できる。
また、送信アンテナ5のQ値が220、デューティー信号a1がデューティー60%では、tオン期間t1で送信アンテナ5に流れる通電電流mは、最大値を電流Ixに設定できる。同様にしてデューティー信号a1のデューティーを50%にした場合の通電電流mは、最大値を電流Iyに設定できる。
つまり、通電電流mはQ値が40の場合、デューティー60%で電流Ixに、デューティー40%で電流Iyに設定できる。また、通電電流mはQ値が220の場合、デューティー60%で電流Ixに、デューティー50%で電流Iyに設定できる。
このようにデューティー制御回路1が、デューティー信号a1のデューティーを変えることで送信アンテナ5の通電電流mの最大値を変化させ、この電流に略比例した所望の通信範囲の形成を行っている。
したがって、例えばデューティー53%などの細かなデューティー情報を記憶部1bに記憶し選択することで、通信範囲の形成が細かに調整できるものである。
このデューティー信号a1の実用的デューティーは、送信要求信号の伝送時間を確保する必要から40%〜60%に設定するのが好ましい。
また、送信アンテナ5のQ値は40〜220の範囲が好ましい。Q値を40以下にすると通電電流mの立上り特性は、図6に示す従来技術の通電電流jに近い、すぐ飽和する特性となって、デューティーを多少変えてもアンテナ電流の変化は小さく実用に供するのが困難である。
一方、Q=220以上にすると通電電流mの立上り特性は、更に傾きθが小さくなり有利ではあるが、Qを更に大きくするためにはQ∝L/Rの関係式からコイルの巻き回数を更に増やす必要があり、および抵抗Rを小さくするには配線N1,N2などの配線抵抗の影響から限界があり、実用に供するのが困難である。
次に、tオフ期間におけるアンテナ電流Ieの断電電流nの正極側エンベロープ波形は、通電電流mの立上りとは逆の立下り特性、つまり図2(g)に示す緩やかな傾きを持つ一点鎖線Vnの特性となり、そのままでは、所定の周期T内に電流がゼロにできないため周期Tを長くする必要がある。周期Tを長くする結果、送信要求信号の伝送速度が低下して実用に供することができない。
このため、tオフ期間における断電電流nの立下り時間を短くする必要がある。次に、そのことを行う信号合成回路3の動作について説明する。
上記tオフ期間において、信号合成回路3の動作によって第1パワートランジスタ21に入力される合成信号c1はH、第2パワートランジスタ22に入力される変調信号cはLに形成できる。この結果、第1、第2パワートランジスタ21,22はいずれもオフに制御される。
このことで、tオフ期間における断電電流nの流路は、断電電流nが正極側、つまり図1に示す矢印方向のIeの場合、送信アンテナ5からGND、第2パワートランジスタ22の寄生ダイオード22aを経由して再び送信アンテナ5に戻る減衰回路となる。一方、断電電流nが負極側の場合は、GNDから送信アンテナ5、第1パワートランジスタ21の寄生ダイオード21aを経由して電源Vdを結ぶ減衰回路を流れる。
この断電電流nの流路は、正極側と負極側との減衰回路を流路とすることを便宜上、送信アンテナ5に並列に減衰回路を接続する、と定義する。
この信号合成回路3の動作によってtオフ期間における断電電流nは正極・負極いずれの流路も減衰回路の寄生ダイオード21a,22aを通り形成できるため、寄生ダイオード21a,22aでその電流が消費され、図2(g)に示す如く急速に減衰してゼロになる電流Wnの特性になる。
したがって、所定の周期T内に断電電流nはゼロにできて、そのままの周期Tを用いることができる、すなわち、周期Tを長くする必要が無いため送信要求信号の伝送速度は低下することが無い。
このように本実施の形態によれば、アンテナ装置10は、所定のQ値を有する送信アンテナ5に流す通電電流mの最大値を、デューティー制御回路1が形成するデューティー信号a1のデューティーを変えることで所望の通信範囲を形成する。
したがって、デューティー信号a1のデューティーを細かく設定することによって精度の高い通信範囲を形成することができるアンテナ装置10を得ることができるものである。
また、送信アンテナ5のQ値を略40〜220とすることによって、通電電流mの立上り特性が有用な範囲、つまり、通電電流mの最大値を、デューティー信号a1のデューティーで有効に変えることができる範囲に形成できる。
さらに、送信アンテナ5の断電電流nを減衰する減衰回路を設けることによって、送信アンテナ5のQ値を大きくしても断電電流nを短時間でゼロにすることができ、その結果、送信要求信号の伝送速度を変えることなく通信性能を維持することができる。
また、減衰回路は、寄生ダイオード21a,22aを通過するものであり、別部品を必要とすることはなく安価にできる。この寄生ダイオードは、名前からも判るようにFETの構造上、必然的に形成されるものであり、FETとは別部品ではない。
なお、本実施の形態において、送信アンテナ5の断電電流nの流路は寄生ダイオード21a,22aを通過するものとして説明したが、これに限定されることはなく例えば、図1の送信アンテナ5に別途抵抗を並列接続し、送信アンテナの断電電流が該抵抗を通過する流路としても実施は可能である。
また、駆動回路4はハーフブリッジとしたが、これに限定されることはなく、図3に示すように駆動回路4に並列に駆動回路4aを設け、これら4個のパワートランジスタでフルブリッジを構成し、各一対のパワートランジスタの中点間に送信アンテナ5を接続してアンテナ装置30を構成するとしても良い。
図3に示すように駆動回路4aの第3パワートランジスタ23には変調信号cをインバータ回路32で反転した第2変調信号d、第4パワートランジスタ24には第2変調信号dをデューティー信号a1により第2信号合成回路3aで合成した第2合成信号d1をそれぞれ入力する。
その結果、第1パワートランジスタ21は合成信号c1、第2パワートランジスタ22は変調信号c、第3パワートランジスタ23は第2変調信号dおよび第4パワートランジスタ24は第2合成信号d1でそれぞれオン/オフ制御されることで、送信アンテナ5にはアンテナ電流Ieが流れる。
この形態も、送信アンテナ5を所定のQ値に形成することでアンテナ電流Ieの特性はハーフブリッジと同様に形成でき、よって、デューティー信号a1のデューティーにより通電電流mの最大値を変化させ、送信アンテナ5の出力パワーを制御できるため、アンテナ装置30は所望の通信範囲を形成することができる。
上記フルブリッジは、ハーフブリッジに比べて大電力に使用できる。このことは別の言い方をすると、ハーフブリッジと同じ電源Vdの場合、送信アンテナ5の通電電流mを大きくすることができるためより広い通信範囲を容易に形成することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項5記載の発明について、図4を用いて説明する。
なお、実施の形態1と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。
図4は本発明の実施の形態2によるアンテナ装置の回路図であり、上記実施の形態1の図1に、アンテナ電流Ieを検知する電流検知回路42を設け、送信部41を形成したものである。
そして、電流検知回路42は、送信アンテナ5とGND間に挿入された抵抗Raと、この抵抗Raにアンテナ電流Ieが流れ、発生する電圧を増幅する増幅器Apと、増幅器Apの出力を平滑するローパスフィルタFaにより形成されて、アンテナ電流Ieに応じて変化するアナログ電流の検知信号Siをデューティー制御回路11にフィードバックするようにしてアンテナ装置40が構成されている。
以上の構成において、デューティー制御回路11は、デューティー制御部11aが、アンテナ電流Ieに比例する検知信号SiをAD変換してデジタル信号として認識するとともに、記憶部11bに予め格納された電流基準値Isとを比較し、Si=Is、つまり、アンテナ電流Ieが電流基準値Isと同じになるようにデューティー信号a1のデューティーを制御する。
したがって、アンテナ装置40は、電流基準値Isを適宜選択することにより所望の通信範囲を形成するとともにアンテナ電流Ieを電流基準値Isと同じになるようにフィードバック制御するものである。
上記フィードバック制御の一例としては、デューティー制御回路11が一定時間毎にデューティー信号a1のデューティーを変えて、送信アンテナ5を駆動する動作を所定回数行い、複数の検知信号Siと電流基準値Isとの差が最小であるデューティーを選択する。このデューティーにより送信アンテナ5は制御されるため、常に一定のアンテナ電流Ieにより形成される通信範囲を保つことができる。
このように本実施の形態によれば、電流検知回路42を備え、アンテナ電流Ieが電流基準値Isと等しくなるようにフィードバック制御することによって実施の形態1の効果に加え、送信アンテナ5のパラメータばらつきや経年変化、温度変化等に伴い変化する通信範囲を、ばらつきの少ない安定したものにできるアンテナ装置40を得ることができる。
なお、上記実施の形態において記憶部11bには電流基準値Isを格納するものとしたが、電流基準値Isに代えて、検知信号Siとデューティーとの変換データ情報を用いるものとしても良い。
また、何れの実施の形態においても、その説明ではデューティー制御回路1または11、変調回路2および信号合成回路3などは複数の電子部品を組合わせたハードウェアで構成する例で説明したが、これらをハードウェアではなく1つのマイコンにより構成する、としても実施は可能である。
本発明によるアンテナ装置は、アンテナ定数の抵抗Rを変えることなく行え、かつ精度の高い所望の通信範囲を形成するという効果を有し、車両ドアの解錠/施錠などができるシステムに用いられるアンテナ装置等に有用である。
本発明の実施の形態1によるアンテナ装置の回路図 同アンテナ装置の動作説明図 同他のアンテナ装置の回路図 本発明の実施の形態2によるアンテナ装置の回路図 従来のアンテナ装置の回路図 同アンテナ装置の動作説明図
符号の説明
1 デューティー制御回路
1a デューティー制御部
1b 記憶部
2 変調回路
3 信号合成回路
4 駆動回路
5 送信アンテナ
10 アンテナ装置
12 送信部
21,22 パワートランジスタ(スイッチング手段)
21a,22a 寄生ダイオード(通電素子)
a 二値信号
a1 デューティー信号
b 搬送波
c 変調信号
c1 合成信号
Ie アンテナ電流

Claims (5)

  1. 車載機の制御部に接続された送信部と、前記送信部に接続された送信アンテナとを備え、
    前記送信部は、前記制御部からの二値信号を所定のデューティー信号に生成するデューティー制御回路と、前記制御部からの搬送波で前記デューティー信号を変調して変調信号を出力する変調回路と、前記変調信号と前記デューティー信号を合成して合成信号を出力する信号合成回路と、前記変調信号および前記合成信号が入力されてオン/オフ制御される駆動回路とから形成され、
    前記デューティー制御回路が、前記デューティー信号のデューティーを変え前記送信アンテナへの通電電流を変化させることで、前記送信アンテナを介して所望の通信範囲を形成するアンテナ装置。
  2. 前記送信アンテナのQ値を、略40〜220とした請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 前記送信アンテナに並列に、前記送信アンテナの断電時の断電電流を減衰する減衰回路を接続した請求項1記載の送信アンテナ装置。
  4. 前記減衰回路は、前記駆動回路が一対のスイッチング手段を直列接続してなされ、該スイッチング手段に並列に備わる通電素子を含み形成される請求項3記載のアンテナ装置。
  5. 前記送信アンテナの通電電流を検知する電流検知回路を設け、該電流検知回路の検出信号に基づき前記デューティー制御回路が、前記デューティー信号のデューティーを変える請求項1記載のアンテナ装置。
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