JP2008098007A - 導電部材締結構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電部材締結構造11では、締結部材(ボルト)42は、導電性を有した部材であり、端子台53は、非導電性樹脂からなるベース45と、このベース45に一体的に成形された導電性の固定部(ベースナット)41とからなり、ベース45から露出した固定部41の一端面56に締結孔(めねじ部)66が形成されている。一端面56は第1導電部材(第1〜第3ケーブル端子)31〜33と第2導電部材(第1〜第3バスバー)21〜23が重なる面であり、固定部(ベースナット)41の他端面58は、電気絶縁性のシート46を介して金属製のヒートシンク48に締結されている。
【選択図】図3
Description
第1導電部材202は、例えば電動モータから外部へ延びている電線(電気ケーブル)であり、端部に平板状の端子206を有する。第2導電部材203は、例えばパワードライブユニット(インバータを含む)から外部へ延びている、細長い平板状のバスバーである。パワードライブユニットは、電動モータを駆動制御する電気部品である。
固定部208の他端面211に端子206と第2導電部材203を重ね、その上から導電性のボルト205を貫通させて、ねじ孔212にねじ込むことによって、第1導電部材202と第2導電部材203とを電気的に接続するとともに、端子台204に取付けることができる。
しかし、上記図22に示す端子台204は、放熱機能を有していないので、第1・第2導電部材202,203に伝わった熱を、ほとんど放散させることができない。また、高温側の電気部品、例えば、電動モータが発した熱は、第1・第2導電部材202,203を介して、他方の電気部品、例えばインバータに伝わってしまう。このような伝熱は極力抑制されることが好ましい。
しかし、端子台204の下面213と固定部208の一端面209との間の、樹脂厚みBを余り小さくすることはできない。なぜなら、ベース207に固定部208をインサート成形するときに、金型のキャビテイ内における、溶融した樹脂の流動性などを十分に考慮した、樹脂厚みBとする必要がある。このようなことから、端子台204の下面213からヒートシンク214へ放熱する効果は、限定的にならざるを得ない。
この構成においても、ねじ孔を有した部材の底と、端子ケースの底との間に、一定の樹脂厚みを有する。従って、特許文献1の端子ケースも放熱機能を有していない。
図23は、従来のバスバー放熱構造を説明する断面図である。上記図22に示す構成と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
従来のバスバー放熱構造251は、ヒートシンク252の上に、電気絶縁性の下シート253、バスバー254、電気絶縁性の上シート255及び固定バンド256を、この順に重ねた上で、ヒートシンク252に固定バンド256をボルト止めしたという、一般的な技術である。バスバー254は、ヒートシンク252の上に重ねるために、その重ねる部分だけを、ヒートシンク252の位置に合わせてクランク状に折り曲げ成形し、放熱部257としたものである。
電気部品、例えば、電動モータからバスバー254に伝わった熱は、バスバー254の途中(放熱部257)から電気絶縁性の下シート253を介してヒートシンク252に伝わる。従って、バスバー254の途中から放熱することができる。
特許文献2の技術も、上記図23に示す従来のバスバー放熱構造と同様に、バスバーの途中から放熱するだけのために、新たな部品が必要である。このため、部品数が多く、コストアップの要因となる。しかも、バスバーの途中に放熱部分を設ける分、余分なスペースが必要である。
このため、第1の電気部品から第1導電部材へ伝わった熱や、第2の電気部品から第2導電部材へ伝わった熱を、固定部の一端面から他端面へ伝え、さらに、他端面から電気絶縁性のシートを介して、金属製のヒートシンクに伝えることができる。従って、第1・第2の電気部品が発した熱を第1・第2導電部材を介してヒートシンクから放熱することができる。
しかも、第1・第2導電部材として、バスバーと電線(電気ケーブル)のどちらを採用した場合であっても、従来と同様に第1・第2導電部材を端子台に取付けるだけで、第1・第2導電部材からの放熱性能を高めることができる。このため、第1・第2導電部材の配置の自由度が増す。
このため、第1導電部材の途中や第2導電部材の途中には、放熱させるだけの機構を設ける必要はない。導電部材の途中から放熱させるだけのための、新たな部品が必要ないので、低コスト化を図ることができる。しかも、導電部材の途中に放熱部分を設けるための、余分なスペースが必要ないので、省スペース化を図ることができる。
しかも、固定部の両端面をベースから露出させただけの構成であるから、従来の端子台と同様の製造工程によって、端子台を容易に製造することができる。
図1は、本発明の導電部材締結構造(第1の実施の形態)の斜視図である。
導電部材締結構造(第1の実施の形態)11は、電気自動車12の配線に採用され、第1の電気部品であるところの電動機13と第2の電気部品であるところのインバータ14との間に用いられている。後で具体的に説明する。
図3は、図1の3−3線断面図であり、導電部材締結構造(第1の実施の形態)11の断面図である。
導電部材締結構造(第1の実施の形態)11は、具体的には、第1〜第3バスバー(第2導電部材)21〜23にそれぞれ第1〜第3ケーブル端子(第1導電部材)31〜33が重ねて取付けられている固定部であるところのベースナット41と、ベースナット41の一端にねじ込むことで、ベースナット41の一端に、重ねた第1〜第3バスバー21〜23並びに第1〜第3ケーブル端子31〜33を固定する締結部材であるところのボルト42と、ベースナット41をインサートしている樹脂製のベース45と、ベース45及びベースナット41の他端に取付けられている樹脂製のシート46と、シート46に重ねられている金属製の薄膜であるところの銅箔47と、からなり、銅箔47とヒートシンク48との間にサーマルコンパウンド51を塗布して、ベース45がヒートシンク48に取付けられている。
端子台53は、具体的には、樹脂製(例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT))のベース45のベース本体部55に3個のベースナット41をインサートして樹脂成形しているとともに、ベースナット41の一端面56がベース本体部55の表面57から所定の距離δだけ突出し、一端面56に対向するベースナット41の他端面58にシート46が密着するように、かつ、ベース本体部55の押圧面61にシート46が一体的に結合するように配置され、ベースナット41の間にそれぞれ配置されたリブ62がベース本体部55の表面57に連ねて形成され、ベース本体部55の長手方向(X軸方向)の両端にフランジ部63を形成しているとともに、フランジ部63にカラー64をインサートしている。
端子台53では、ベース本体部55の表面57にリブ62を成形することで、ベース45の強度を高めるとともに、ベース本体部55の放熱面積を大きくすることができ、ベース45の温度上昇を抑制することができる。
また、端子台53では、フランジ部63の孔に嵌合したカラー64によって、フランジ部63の薄肉化(軽量化)を図りつつ、所望の軸力を台用ボルト65に付与することができる。
めねじ部67を所望のねじ深さで形成することで、めねじ部67を貫通させた場合に比べ、放熱面積をAaまで大きくすることができる。
ベースナット41の材質は、銅合金で、例えば、快削黄銅棒(JIS記号:C3604)を用いた。
また、端子台53では、シート46を用いることで、ベースナット41とヒートシンク48との間に介在させる樹脂層の厚さは極めて薄くなり、ベースナット41からヒートシンク48に熱を伝えるのは容易になる。
まず、車体76に固定されたブロック75にヒートシンク48を載せ、ヒートシンク48に設定した載せ位置81(2点鎖線で示している位置)にサーマルコンパウンド51を塗布する。ここでは、サーマルコンパウンド51を四角形のフイルムのように示しているが、サーマルコンパウンド51は液状である。
引き続き、サーマルコンパウンド51を塗布したヒートシンク48に銅箔47と一体のシート46を載せ、載せたシート46に端子台53を載せて、端子台53を2本の台用ボルト65で締結する。その際、サーマルコンパウンド51は流動し、銅箔47とヒートシンク48の隙間に流入して隙間を埋める。
最後に、端子台53のベースナット41にそれぞれ第1〜第3バスバー21〜23を載せ、第1〜第3バスバー21〜23にそれぞれ第1〜第3ケーブル端子31〜33を載せて、ボルト42で締結することで、インバータ14の第1〜第3バスバー21〜23にインホイールモータ13の第1〜第3電線26〜28を接続する。これで、導電部材締結構造11の組付けは完了する。
図5は、導電部材締結構造(第1の実施の形態)の熱吸収の機構を説明する図である。図1を併用して説明する。
図6は、第1の電気部品から第2の電気部品までの間の温度分布を示したグラフであり、横軸を温度測定部位とし、縦軸を温度(℃)としたものである。比較例として従来の構造の温度を比較している。
温度測定部位は、本発明の導電部材締結構造(第1の実施の形態)11が図5に示している第1〜第6測定部P1〜P6の6箇所であり、比較例1の従来の導電部材締結構造201が図5のP1、P6と図22に示している第2〜第5測定部P2〜P5の4箇所であり、比較例2の従来のバスバー放熱構造251が図5のP1、P6と図23に示している第2〜第5測定部P2〜P5の4箇所と、第7測定部P7、第8測定部P8である。
破線は、図23に示している従来のバスバー放熱構造251であり、比較例2である。
実線は、本発明の導電部材締結構造11であり、実施例である。
具体的には、電線(第1導電部材)202の第1測定部P1の温度に対して、端子206の結線部の第2測定部P2の温度は下がり、さらに、温度は端子206の締結部の第3測定部P3で下がり、バスバー(第2導電部材)203の締結部の第4測定部P4では、締結の抵抗のために温度が第3測定部P3より少し上がる。そして、バスバー(第2導電部材)203の固定部の第5測定部P5で下がり、最後のパワードライブユニット、例えばインバータ14の第6測定部P6で温度T1となる。
具体的には、第1〜第4測定部P1〜P4の温度は前述と同様であるが、バスバー254の第7測定部P7と第8測定部P8との間で、ヒートシンク252によって温度は下がり、例えば、インバータ14の第6測定部P6で温度T2となる。
具体的には、第1〜第3測定部P1〜P3の温度は前述と同様であるが、第1〜第3バスバー(第2導電部材)21〜23の締結部の第4測定部P4で、導電部材締結構造11によって温度が急激に下がる。そして、インバータ14の第6測定部P6で温度T3となる。
つまり、本発明の導電部材締結構造11は、比較例1及び比較例2に比べ、インバータ14の温度を下げることができる。
つまり、第2導電部材(第1〜第3バスバー)21〜23を有する、例えばインバータ14の温度上昇を抑制することができる。
また、導電部材締結構造(第1の実施の形態)11では、端子台53の固定部(ベースナット)41で第1導電部材(第1〜第3ケーブル端子)31〜33に第2導電部材(第1〜第3バスバー)21〜23を接続しているので、端子台53の他に部品を必要とせず、軽量化を図ることができる。
図7は、導電部材締結構造(第1の実施の形態)に用いた端子台の製造方法(セット工程)説明図である。上記図1〜図4に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
射出成形機102は、既存のもので、仕様は任意であるが、竪型の射出成形機を用いた。
樹脂成形金型101は、固定金型103と、固定金型103とで型(キャビテイ)を形成している可動金型104と、からなる。
固定金型103は、本体に彫込まれた型面105と、型面105に連ねて形成している第1インサート部材取付部106と、型面105に連なるランナ107と、突き出し機構108と、を備え、可動金型104に対向している。
(a):セット工程完了後、可動金型104を戻す(矢印c2の方向)ことで、樹脂成形金型101を型閉する。
その次に、射出成形機102の操作盤で成形条件を設定し、射出成形機102に樹脂を供給する。樹脂は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)である。
その次に、「成形開始」スイッチを「入」に操作して、射出成形機102を作動させる。
以降で説明するスイッチ「入」後の工程は、一般的には、成形条件に基づいて全自動で行われる。
ノズルタッチさせた後、可塑化したポリブチレンテレフタレート(PBT)114を所望の射出圧力で射出して、キャビテイに充填する。その際、溶融したポリブチレンテレフタレート(PBT)114は、ベースナット41及びカラー64を巻き込み、包み込む。
続けて、設定の冷却時間間に達すると、溶融したポリブチレンテレフタレート(PBT)が凝固するとともに、可動金型104を型開(矢印c1の方向)する。
(a):可動金型104を矢印c1のように可動させることで、樹脂成形金型101を型開きする。
(b):型開きするとともに、突き出し機構108を矢印c4のように作動させて、固定金型103の型から端子台53を離型する。引き続き、離型した端子台53を図に示していない取出し機で矢印c5のように取出すと、端子台53の成形工程の1サイクルが完了する。続けて、図7に戻って2サイクル目を開始する。
なお、下流工程でランナ部116を取り除く。
第1の実施の形態の導電部材締結構造の製造方法は、前述のセットする工程と、一体樹脂成形工程と、この一体樹脂成形工程で得た端子台53を用いるために、図4に示しているヒートシンク48にサーマルコンパウンド51を塗布する塗布工程と、サーマルコンパウンド51を塗布したヒートシンク48に銅箔47と一体のシート46を載せ、載せたシート46に端子台53を載せて締結する端子台取付け工程と、を備えている。その結果、樹脂製のベース45にベースナット41及びカラー64を取付ける工程を設定する必要がなく、それらを取付ける手間を省くことができ、導電部材締結構造11の製造は容易になる。
すなわち、端子台53を介して複数の導電部材同士を電気的に接続するという、導電部材締結構造を採用しても、第1導電部材(第1〜第3ケーブル端子)31〜33からの放熱性を高めることができる。
つまり、第2導電部材(第1〜第3バスバー)21〜23を有する、例えばインバータ14の温度上昇を抑制することができる。
図11(a)、(b)は、第3の実施の形態を説明する図であり、(a)は図3に対応する図、(b)は固定部(ベースナット)41Cの斜視図である。上記図1〜図4に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
すなわち、端子台53Cを介して複数の導電部材同士を電気的に接続するという、導電部材締結構造を採用しても、第1導電部材(第1〜第3ケーブル端子)31〜33からの放熱性を高めることができる。
つまり、第2導電部材(第1〜第3バスバー)21〜23を有する、例えばインバータ14の温度上昇を抑制することができる。
図12は、第4の実施の形態を説明する図であり、図3に対応する図である。上記図1〜図4に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
すなわち、端子台53を介して複数の導電部材同士を電気的に接続するという、導電部材締結構造を採用しても、第1導電部材(第1〜第3ケーブル端子)31〜33からの放熱性を高めることができる。
つまり、第2導電部材(第1〜第3バスバー)21〜23を有する、例えばインバータ14の温度上昇を抑制することができる。
図13は、第4の実施の形態の導電部材締結構造の組付け要領を説明する図である。
まず、車体76に固定されたブロック75にヒートシンク48を載せ、ヒートシンク48に設定した載せ位置81(2点鎖線で示している位置)にシート46を載せる。
引き続き、シート46を載せたヒートシンク48に端子台53を載せて、端子台53を2本の台用ボルト65で締結する。
最後に、端子台53のベースナット41にそれぞれ第1〜第3バスバー21〜23を載せ、第1〜第3バスバー21〜23にそれぞれ第1〜第3ケーブル端子31〜33を載せて、ボルト42で締結することで、インバータ14の第1〜第3バスバー21〜23にインホイールモータ13の第1〜第3電線26〜28を接続する。これで、導電部材締結構造11Dの組付けは完了する。
第5の実施の形態の導電部材締結構造11Eは,図17に示している端子台53Eを備えていることを特徴とする。
端子台53Eは、ベース45を射出成形する際に、ベースナット41、シート46、銅箔47及びカラー64をインサートとしたものでる。
第5の実施の形態の導電部材締結構造11Eは、導電部材締結構造11(第1の実施の形態)と同様の効果を発揮する。
図14は、第5の実施の形態に用いた端子台の製造方法(セット工程)説明図である。上記図7〜図9に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。なお、前述した内容については一部省略して説明する。
可動金型104Eは、型面111と、型面111に連ねた第2インサート部材取付部112と、第3インサート部材取付部118と、を備えている。
可動金型104Eを可動(矢印c1の方向)させることで、樹脂成形金型101を開く。
樹脂(ポリブチレンテレフタレート(PBT))を供給する。
(a):その次に、射出成形機102の操作盤で成形条件を設定して、射出成形機102を作動させる。以降で説明するスイッチ「入」後の工程は、一般的には、成形条件に基づいて全自動で行われる。
「開始」スイッチを「入」に操作して、可動金型104Eを戻すことで、樹脂成形金型101Eを型閉する。
続けて、設定の冷却時間間に達すると、溶融したポリブチレンテレフタレート(PBT)が凝固するとともに、可動金型104Eを型開する。
(a):可動金型104Eを矢印c1のように可動させることで、樹脂成形金型101Eを型開きする。
(b):型開きするとともに、突き出し機構108を矢印c4のように作動させて、固定金型103の型から端子台53Eを離型する。引き続き、離型した端子台53Eを図に示していない取出し機で矢印c5のように取出すと、端子台53Eの成形工程の1サイクルが完了する。続けて、図14に戻って2サイクル目を開始する。
図17は、第5の実施の形態の組付け要領説明図である。
まず、車体76に固定されたブロック75にヒートシンク48を載せ、ヒートシンク48に設定した載せ位置81(2点鎖線で示している位置)にサーマルコンパウンド51を塗布する。ここでは、サーマルコンパウンド51を四角形のフイルムのように示しているが、サーマルコンパウンド51は液状である。
引き続き、サーマルコンパウンド51を塗布したヒートシンク48に端子台53Eを載せて、端子台53Eを2本の台用ボルト65で締結する。その際、サーマルコンパウンド51は流動し、銅箔47とヒートシンク48の隙間に流入して隙間を埋める。
図18は、第6の実施の形態を説明する図であり、図2に対応する断面図である。上記図2〜図4に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
ヒートシンク48Fは、第1の実施の形態のヒートシンク48に対してアンカ溝部121を形成しているものである。アンカ溝部121は、端子台53Fが接触している受熱部68に形成されているもので、図19に示した底部122が形成され、底部122に連ねて傾斜している傾斜掛止部123を形成している。傾斜掛止部123は、底部122から上方へ向かうに連れて次第に溝幅を狭めるように溝の中央へ傾斜している側壁であり、凝固した樹脂を掛けて、図18に示した端子台53Fを離れないようにする部位である。なお、アンカ溝部121の位置や数や長さは任意である。
なお、結合凸部124の位置や数や長さは任意である。
第6の実施の形態の導電部材締結構造11Fは、導電部材締結構造11(第1の実施の形態)と同様の効果を発揮する。
図19は、第6の実施の形態に用いた端子台の製造方法(セット工程)説明図である。上記図7〜図9に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。なお、前述した内容については一部省略して説明する。
固定金型103Fは、本体に彫込まれた型面105Fと、型面105Fに連ねて形成している第1インサート部材取付部106と、を備えている。なお、型面105Fは、端子台53(第1の実施の形態)のフランジ部63を成形するキャビテイのない型である。
樹脂成形金型101Fを型開きして、固定金型103Fの第1インサート部材取付部106にベースナット41を矢印c2のように嵌め、可動金型104Fの第4インサート部材取付部125にヒートシンク48Fを矢印c7のように嵌め、ヒートシンク48Fの載せ位置81(図4参照)にシート46を載せることでセット工程が完了する。なお、シート46を接着剤で止めてもよい。
その次に、一体樹脂成形工程を実施する。
射出成形機102の操作盤で成形条件を設定して、射出成形機102を作動させる。以降で説明するスイッチ「入」後の工程は、一般的には、成形条件に基づいて全自動で行われる。
「開始」スイッチを「入」に操作して、可動金型104Fを戻すことで、樹脂成形金型101Fを型閉する。
続けて、設定の冷却時間間に達すると、溶融したポリブチレンテレフタレート(PBT)が凝固するとともに、アンカ溝部121に流入したポリブチレンテレフタレート(PBT)が凝固し、可動金型104Fを型開する。
可動金型104Fを矢印c1のように可動させることで、樹脂成形金型101Fを型開きする。その際、突き出し機構108を矢印c8のように作動させて、固定金型103Fの型から端子台53Fを離型する。引き続き、離型した端子台53Fを図に示していない取出し機で取出すと、端子台53Fの成形工程の1サイクルが完了する。続けて、図19に戻って2サイクル目を開始する。ここで、端子台53Fを「まるごと一体化させた端子台53F」と呼称する。
第6の実施の形態の導電部材締結構造11Fの製造方法は、前述の「端子台53Fの製造方法」のセット工程と、一体樹脂成形工程と、図18に示している「まるごと一体化させた端子台53F」を取付ける端子台取付け工程と、を備えている。端子台取付け工程は、ブロック75に端子台53Fをボルト128で締結し、締結した端子台53Fのベースナット41にそれぞれ第1〜第3バスバー21〜23を載せ、第1〜第3バスバー21〜23にそれぞれ第1〜第3ケーブル端子31〜33を載せて、ボルト42で締結することで、インバータ14の第1〜第3バスバー21〜23にインホイールモータ13の第1〜第3電線26〜28を接続する。
その結果、端子台取付け工程では、ヒートシンク48Fの締結用の孔をブロック75のめねじにのみ同心にするだけでよく、導電部材締結構造11Fの製造は容易になる。
本発明の導電部材締結構造11は、実施の形態ではインホイールモータ13の電線とインバータ14のバスバーの接続に採用したが、インホイールモータ以外の電動モータの端子とインバータの接続に採用してもよい。
ベースナット41は、外周面に溝を形成したものでもよい。例えば、外周面に螺旋溝、リング状の溝、ベースナット41の一端側から他端側に延びる溝を形成する。その結果、端子台のベース本体部55にベースナット41をより確実に結合させることができる。
Claims (3)
- 第1の電気部品から外部へ延びている第1導電部材と、第2の電気部品から外部へ延びている第2導電部材と、前記第1・第2導電部材を取付けるための端子台と、前記第1・第2導電部材を互いに導通状態で前記端子台に取付ける締結部材とからなる、導電部材締結構造であって、
前記締結部材は、導電性を有した部材であり、
前記端子台は、非導電性樹脂からなるベースと、このベースに一体的に成形された導電性の固定部とからなり、
前記固定部は、前記ベースを貫通して両端面が外部に露出しており、
前記固定部のうち、前記ベースから露出した一端面は、前記締結部材を締結する締結孔を有するとともに、前記第1・第2導電部材を重ねる面であり、
前記固定部のうち、前記ベースから露出した他端面は、電気絶縁性のシートを介して金属製のヒートシンクに締結されていることを特徴とした導電部材締結構造。 - 前記電気絶縁性のシートと前記ヒートシンクとの間に、熱拡散性を有した金属製の薄膜が介在していることを特徴とする請求項1記載の導電部材締結構造。
- 前記第1導電部材及び前記第2導電部材は、平板状の部材からなるとともに、前記固定部の一端面に重ね合わせられた状態で、前記締結部材で共締めによって取付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の導電部材締結構造。
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