以下、本発明による交通信号制御装置及び及びこれを用いた交通信号システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による交通信号システムの制御対象エリア200を模式的に示す概略平面図である。本実施の形態による交通信号システムは、図1に示すように、図中の左右方向に延びる5本の第1の道路(以下、「主道路」と呼ぶ。)20とこれらに交差して図中の上下方向に延びる5本の第2の道路(以下、「従道路」と呼ぶ。)による5×5箇所の交差点(図1では黒丸で示している。)を、制御対象エリア200としている。なお、制御対象エリア200内の交差点の数は特に限定されるものではない。隣接する交差点間隔は、例えば、数十m〜数百m程度である。
本実施の形態による交通信号システムは、各交差点においてそれぞれ設置された主道路用の交通信号機及び従道路用の交通信号機と、5×5箇所の交差点に対して1対1に設けられ対応する交差点の主道路用の交通信号機及び従道路用の交通信号機をそれぞれ制御する5×5個の交通信号制御装置(図1では図示せず)と、を備えている。
図2は、5×5箇所の交差点のうちの1つの交差点を自交差点CRとして着目し、5×5箇所の交差点のうち自交差点CRに対する主道路上り側の隣接交差点をCRwとし、自交差点CRに対する主道路下り側の隣接交差点をCRxとし、自交差点CRに対する従道路上り側の隣接交差点をCRyとし、自交差点CRに対する従道路下り側の隣接交差点をCRzとした場合の、交差点CR,CRw,CRx,CRy,CRzに設置されている交通信号機A1〜A4,A1w〜A4w,A1x〜A4x,A1y〜A4y,A1z〜A4z及び交差点CR,CRw,CRx,CRy,CRzに対して1対1に設けられた交通信号制御装置1,1w,1x,1y,1zの配置例を模式的に示す概略平面図である。
ただし、図2では、自交差点CRは、制御対象エリア200内の端部以外の交差点のいずれかであるものとして示している。自交差点CRが制御対象エリア200内の主道路上り側の端部の交差点である場合は、制御対象エリア200内には主道路上り側の隣接交差点CRwは存在せず、自交差点CRが制御対象エリア200内の主道路下り側の端部の交差点である場合は、制御対象エリア200内には主道路下り側の隣接交差点CRxは存在せず、自交差点CRが制御対象エリア200内の従道路上り側の端部の交差点である場合は、制御対象エリア200内には従道路上り側の隣接交差点CRyは存在せず、自交差点CRが制御対象エリア200内の従道路下り側の端部の交差点である場合は、制御対象エリア200内には従道路下り側の隣接交差点CRzは存在しない。
図2に示すように、自交差点CRに設置された主道路20用の交通信号機(第1の交通信号機)A1,A2は、主道路20の自交差点CRに対する流入路R1,R2に対して交通信号を表示するように設置されている。同様に、自交差点CRに設置された従道路21用の交通信号機(第2の交通信号機)A3,A4は、従道路21の自交差点CRに対する流入路R3,R4に対して交通信号を表示するように設置されている。流入路R1,R2の自交差点CRに対する流入方向は互いに逆になっており、流入路R3,R4の自交差点CRに対する流入方向は互いに逆になっている。流入路R1の自交差点CRに対する流入方向は主道路下り方向、流入路R2の自交差点CRに対する流入方向は主道路上り方向になっている。流入路R3の自交差点CRに対する流入方向は従道路下り方向、流入路R4の自交差点CRに対する流入方向は従道路上り方向になっている。交通信号機A1,A2は互いに同一の信号表示を行い、交通信号機A3,A4は互いに同一の信号表示を行う。図2中のL1〜L4は、それぞれ自交差点CRに対する流入路R1〜R4の停止線である。
なお、図2において、主道路上り側の隣接交差点CRwに関する要素には、自交差点CRに関する対応要素の符号に対して末尾に「w」を付した符号を付し、主道路下り側の隣接交差点CRxに関する要素には、自交差点CRに関する対応要素の符号に対して末尾に「x」を付した符号を付し、従道路上り側の隣接交差点CRyに関する要素には、自交差点CRに関する対応要素の符号に対して末尾に「y」を付した符号を付し、従道路下り側の隣接交差点CRzに関する要素には、自交差点CRに関する対応要素の符号に対して末尾に「z」を付した符号を付し、その説明は省略する。
本実施の形態では、制御対象エリア200内の端部(周囲)以外の交差点に対応して設けられている交通信号制御装置も、制御対象エリア200内の端部の交差点に対応して設けられている交通信号制御装置も、互いに同一の構成を有している。
図3は、自交差点CRに対応して設けられた交通信号制御装置1を示す概略ブロック図である。本実施の形態では、自交差点CRが制御対象エリア200内のいずれの交差点である場合であっても、自交差点CRに対応して設けられる交通信号制御装置1は、図3に示す構成を有している。
自交差点CRに対応して設けられた交通信号制御装置1は、図3に示すように、撮像手段としてのテレビカメラC1〜C4と、制御ユニット2と、を備えている。制御ユニット2は、渋滞長計測処理部D1〜D4と、制御処理部3と、制御処理部3からの制御信号に従って自交差点CRの交通信号機A1〜A4を点灯駆動する駆動回路4と、通信回線7を介して隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzとの間で後述する情報の授受を行うLAN等の通信部5と、を備えている。通信部5は、公知の通信技術に従って、隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzとの間の通信不能状態(例えば、通信回線7の途絶等)を検出する通信不能状態検出部6を有している。図2には、自交差点CRの交通信号制御装置1のテレビカメラC1〜C4及び制御ユニット2の配置状態、及び、隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzの対応要素の配置状態が示されている。
図4は、図2中の主道路20の自交差点CRに対する流入路R1上の車両100の様子の例、並びに、流入路R1に関連して配置されたテレビカメラC1の視野を示す説明図である。図4において、停止線L1の手前に停車している車両100を実線で示し、自交差点CRに向かって走行している車両100を破線で示している。
テレビカメラC1〜C4は、各流入路R1〜R4の停止線L1〜L4の位置と上流側所定位置(例えば、自交差点CRから150mの位置)との範囲を含む画像をそれぞれ撮像する。
渋滞長計測処理部D1〜D4は、テレビカメラC1〜C4からの画像をそれぞれ処理して停止線L1〜L4の手前に停車している車両100の列の長さ(渋滞長)をそれぞれ得る。このようなテレビカメラ及び渋滞長計測処理部を組み合わせた装置は、渋滞長計測処理装置として実用化されており、公知である。
制御処理部3は、例えばコンピュータ等で構成され、渋滞長計測処理部D1〜D4からの渋滞長を示す出力信号に基づいて、交通信号機A1〜A4の信号表示を制御する制御処理を行う。
図5は、この自交差点CRに対応して設けられた交通信号制御装置1の制御処理部3の動作によって実現される自交差点CRの交通信号機A1〜A4の動作例を示すタイムチャートである。
本実施の形態では、図5において、全赤時間(全ての交通信号機A1〜A4に赤信号表示をさせる時間)AR、交通信号機A1,A2の黄色信号表示時間(黄時間)Ym、及び、交通信号機A3,A4の黄時間Ysは、それぞれ常に一定の固定値としており、それらの値は制御処理部3の内部メモリ(図示せず)に格納されている。一方、交通信号機A1,A2の青信号表示時間(青時間)Gm、及び、交通信号機A3,A4の青信号表示時間(青時間)Gsは、それぞれその都度設定される可変値である。交通信号機A1,A2の単独赤信号表示時間(単独赤時間)(交通信号機A1,A2のみが赤信号表示を行い、交通信号機A3,A4が青信号表示又は黄色信号表示を行う時間)Rm、及び、交通信号機A3,A4の単独赤時間(交通信号機A3,A4のみが赤信号表示を行い、交通信号機A1,A2が青信号表示又は黄色信号表示を行う時間)Rsは、それぞれRm=Gs+Ys、Rs=Gm+Ymに従って設定される可変値である。図5からわかるように、交通信号機A1,A2の赤信号表示時間(赤時間)は連続するAR+Rm+ARの全体であり、交通信号機A3,A4の赤信号表示時間(赤時間)は連続するAR+Rs+ARの全体である。もっとも、本発明は、必ずしもこれらに限定されるものではない。なお、Gm,Gs,Rm,Rsの値は、制御処理部3の内部メモリに格納され、その都度新たな値に更新されることで設定される。
なお、図面には示していないが、隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzの交通信号機の動作についても、図5に示す自交差点CRの交通信号機A1〜A4の動作と同様である。以下の説明において必要に応じて、主道路上り側の隣接交差点CRwの交通信号機A1w〜A4wの動作に関する各時間等には、図5に示す自交差点CRの交通信号機A1〜A4の動作に関する対応時間等の符号に対して末尾に「w」を付した符号を付して説明する。主道路下り側の隣接交差点CRxの交通信号機A1x〜A4xの動作に関する各時間等には、図5に示す自交差点CRの交通信号機A1〜A4の動作に関する対応時間等の符号に対して末尾に「x」を付した符号を付して説明する。従道路上り側の隣接交差点CRyの交通信号機A1y〜A4yの動作に関する各時間等には、図5に示す自交差点CRの交通信号機A1〜A4の動作に関する対応時間等の符号に対して末尾に「y」を付した符号を付して説明する。従道路下り側の隣接交差点CRzの交通信号機A1z〜A4zの動作に関する各時間等には、図5に示す自交差点CRの交通信号機A1〜A4の動作に関する対応時間等の符号に対して末尾に「z」を付した符号を付して説明する。ただし、本実施の形態では、全赤時間AR及び黄時間Ys,Ymに関しては、いずれの交差点についても同一であるので、隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzについての全赤時間及び黄時間であっても、末尾に「w」、「x」、「y」及び「z」のいずれも付さない。
ここで、制御処理部3の動作の説明に先立って、自交差点CRに対する各流入路R1〜R4について算出される候補時間T1〜T4について、説明する。
まず、本実施の形態において、通信回線7の途絶などがないとともに自交差点CRが制御対象エリア200内の主道路上り側の端部の交差点ではなく、自交差点CRの交通信号制御装置1が主道路上り側の隣接交差点CRwから後述する情報が取得できる通常の場合に、自交差点CRに対する主道路下り方向の流入路R1について算出される、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の青信号表示時間(青時間)の候補としての候補時間T1について、図6乃至図14を参照して説明する。この候補時間T1は、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青時間を設定するに際して算出されるものである。
この通常の場合の候補時間T1は、基本的には、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wが青時間を開始してから自交差点CRへ最初に流入する車両が自交差点CRの主道路下り方向の流入路R1の停止線L1に到達する際に、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2がどのような状態にあるかを勘案した上で、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの青時間Gmw中に主道路上り側の隣接交差点CRwに対する主道路下り方向の流入路R1w(流入路R1の上流の隣接交差点CRwの対応流入路R1w)の停止線L1wを出発して、自交差点CRへ流入すると予測される予測流入車両台数と、交通信号機A1,A2の赤終了時点における自交差点CRの流入路R1の信号待ち車両台数n1の、全体について、流入路R1の捌け残り台数がちょうどゼロとなるべき交通信号機A1,A2の青時間として、決定される。
この通常の場合の候補時間T1の決定方法について、図6乃至図14を参照して具体的に説明する。
本実施の形態では、自交差点CRの交通信号制御装置1は、主道路上り側の隣接交差点CRwの交通信号制御装置1wから、当該隣接交差点CRwの交通信号表示制御に関する情報である上り側隣接交差点情報として、その取得時に最新の4つの情報、すなわち、隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの青開始時点SECmwと、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの単独赤時間開始時点(単独赤開始時点)SECswと、主道路上り側の隣接交差点CRwに対する主道路20の各流入路R1w,R2wのうち自交差点CRに向かう主道路下り方向の流入路R1wについて主道路上り側の隣接交差点CRwの交通信号機A1w,A2wの青時間の候補として算出された候補時間T1w(自交差点CRの流入路R1についての候補時間T1に対応する、隣接交差点CRwの流入路R1wについての候補時間T1w)と、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの単独赤時間Rmwとを、通信回線7を介して取得する。なお、本発明では、青開始時点SECmwに代えてこれを特定するための情報を取得してもよいし、単独赤開始時点SECswに代えてこれを特定するための情報を取得してもよいし、単独赤時間Rmwに代えてこれを特定するための情報を取得してもよい。例えば、単独赤開始時点SECswは、黄時間終了時点を取得すれば、全赤時間ARは既知であるので、特定することができる。
本実施の形態では、図6乃至図8に示すように、自交差点CRの交通信号制御装置1は、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青時間を設定するために、主道路上り側の隣接交差点CRwの交通信号制御装置1wから、主道路上り側隣接交差点情報を、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの直前の全赤時間ARの開始時点(単独赤時間Rmの終了時点)付近で、取得する。図6乃至図8は、自交差点CRの交通信号制御装置1の主道路上り側の隣接交差点情報の取得タイミングと、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの状態との関係を示す図である。
図6(a)は当該取得タイミングが主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの単独赤時間Rmw中である場合、図6(b)は当該取得タイミングが主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの黄時間Ym直後の全赤時間AR中である場合、図7(a)は当該取得タイミングが主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの黄時間Ym中である場合、図7(b)は当該取得タイミングが主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの青時間Gmw中である場合、図8は、当該取得タイミングが主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの単独赤時間Rmw直後の全赤時間AR中である場合、をそれぞれ示している。
本実施の形態では、前記取得タイミングで取得された主道路上り側の隣接交差点情報に基づいて、図6(b)、図7(a)及び図7(b)に示すようにSECmw>SECsw(すなわち、青開始時点SECmwが単独赤開始時点SECswより後)である場合には、主道路上り側の隣接交差点CRwから自交差点CRへの予測流入車両台数を得るための基礎となる基準時点SECm0wを、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの青開始時点SECmwとする。一方、図6(a)及び図8に示すようにSECmw<SECsw(すなわち、青開始時点SECmwが単独赤開始時点SECswより前)である場合には、基準時点SECm0wを、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの次回の青開始時点(すなわち、SECsw+Rmw+AR、つまり、単独赤開始時点SECswから単独赤時間Rmw及び全赤時間ARを経過した時点)とする。
図9は、SECmw>SECswの場合(すなわち、SECm0w=SECmwの場合)に、基準時点SECm0wと、予測到達時点SECa1(基準時点SECm0wで主道路上り側の隣接交差点CRwの下り方向の流入路R1wの停止線L1wの位置から出発した車両(基準時点SECm0wから開始する青時間中に最初に出発する車両)が自交差点CRの流入路R1の停止線L1の位置に到達すると予測される時点)との関係を示す図である。図10は、SECmw<SECswの場合(すなわち、SECm0w=SECsw+Rmw+ARの場合)に、基準時点SECm0wと、予測到達時点SECa1との関係を示す図である。図9及び図10には、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm、後述する基本時間Tb1及び余裕時間Tex1も示している。
本実施の形態では、図9及び図10に示すように、主道路上り側の隣接交差点CRwの停止線L1wを出発した車両は、停止線L1,L1w間の距離と予め定められた自由流速度とから求められる旅行時間Tf1後に、自交差点の停止線L1に到達するものとし、予測到達時点SECa1を、SECa1=SECm0w+Tf1によって求める。
予測到達時点SECa1から、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路下り方向の候補時間T1w(自交差点CRの流入路R1についての候補時間T1に対応する、隣接交差点CRwの流入路R1wについての候補時間T1w)だけ、主道路上り側の隣接交差点CRwからの車両が自交差点CRに流入するものと考えられる。なお、本実施の形態では、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの青時間Gmwでなく、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路下り方向の候補時間T1wを使用するが、本発明では、自交差点CRの交通信号制御装置1は、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路下り方向の流入路R1wについての候補時間T1wに代えて、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの青時間Gmwを使用してもよく、予測到達時点SECa1から、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの青時間Gmwだけ、主道路上り側の隣接交差点CRwからの車両が自交差点CRに流入するものとみなしてもよい。この場合、自交差点CRの交通信号制御装置1は、主道路上り側の隣接交差点CRwの交通信号制御装置1wから、候補時間T1wに代えて、青時間Gmw又はこれを特定するための情報を取得すればよい。
本実施の形態では、図9及び図10に示すように、自交差点CRの主道路20の下り方向の流入路R1に関して、Tb1=n1/S1の式で表される基本時間Tb1を算出する。ここで、n1は、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm(交通信号機A1,A2の赤終了時)での、自交差点CRの主道路20の下り方向の流入路R1の信号待ち台数である。S1は、自交差点CRの主道路20の下り方向の流入路R1について予め設定された飽和交通流である。基本時間Tb1は、信号待ち台数n1がちょうど捌け残りゼロとなる時間を意味している。
また、本実施の形態では、図9及び図10に示すように、自交差点CRの主道路20の下り方向の流入路R1について予め余裕時間Tex1が設定されている。この余裕時間Tex1の意義については、後述する。
自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm、この青開始時点SECmから基本時間Tb1を経過した時点((SECm+Tb1)の時点)、及び、前記青開始時点SECmから基本時間Tb1及び余裕時間Tex1を経過した時点((SECm+Tb1+Tex1)の時点)に対する、予測到達時点SECa1の時間的な前後関係を考慮すると、図9に示すSECmw>SECswの場合には、図9中のケースA〜Dが考えられ、図10に示すSECmw<SECswの場合には、図10中のケースE〜Hが考えられる。
ケースAでは、SECa1<SECm(予測到達時点SECa1が青開始時点SECmより前)である。ケースB,Eでは、SECm≦SECa1<SECm+Tb1(予測到達時点SECa1が、青開始時点SECm以後で、かつ、青開始時点SECmから基本時間Tb1を経過した時点より前)である。ケースC,Fでは、SECm+Tb1≦SECa1<SECm+Tb1+Tex1(予測到達時点SECa1が、青開始時点SECmから基本時間Tb1を経過した時点以後で、かつ、青開始時点SECmから基本時間Tb1及び余裕時間Tex1を経過した時点より前)である。ケースD,G,Hでは、SECm+Tb1+Tex1≦SECa1(予測到達時点SECa1が、青開始時点SECmから基本時間Tb1及び余裕時間Tex1を経過した時点以後)である。
ケースAのようにSECa1<SECmの場合の、自交差点CRに対する主道路下り方向の流入路R1についての候補時間T1(自交差点CRの主道路下り方向の候補時間T1)の決定方法について、図11を参照して説明する。図11は、SECa1<SECmの場合の、時間経過と、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路下り方向の流入路R1wから自交差点CRの流入路R1による自交差点CRへの流入台数(累積台数)及び当該流入路R1による自交差点CRからの流出台数(累積台数)との関係を示している。図11では、主道路上り側の隣接交差点CRwから自交差点CRへの予測流入交通量は、主道路上り側の隣接交差点CRwにおける主道路下り方向の流入路R1wに予め設定されている一定値の飽和交通流S1wと等しいものとし、この交通量で、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路下り方向の候補時間T1wの間だけ自交差点CRに流入するものとしている(この点は、後述する図12乃至図14の場合も同様である。)。また、主道路下り方向の流入路R1による自交差点CRからの流出は、当該流入路R1に対して設定されている一定値の飽和交通流S1で行われるものとしている(この点は、後述する図12乃至図14の場合も同様である。)。
図11では、SECa1<SECmである(すなわち、主道路上り側の隣接交差点CRwを流出した最初の車両が、自交差点CRの青信号開始時間SECmの前に、自交差点CRの主道路下り方向の流入路R1の停止線L1に到達している)ため、自交差点CRの青開始時点SECm(自交差点CRの交通信号機A1,A2の赤終了時)での、自交差点CRの主道路20の下り方向の流入路R1の信号待ち台数n1のなかに、(SECm−SECa1)・S1w台の主道路上り側の隣接交差点CRwからの流入台数が含まれている。図11に示すように、SECa1<SECmの場合は、このことを考慮した上で、自交差点CRの主道路下り方向の候補時間T1を、自交差点CRの流入路R1の赤終了時の信号待ち台数n1と赤終了以降の主道路上り側の隣接交差点CRwからの流入台数をちょうど捌く時間とし、候補時間T1を、T1=Tb1+{T1w−(SECm−SECa1)}・S1w/S1の式により算出する。S1w≒S1である場合は、Sw1=S1とみなして、候補時間T1を、T1=Tb1+{T1w−(SECm−SECa1)}の式により算出してもよい。
ケースB,EのようにSECm≦SECa1<SECm+Tb1の場合の、自交差点CRに対する主道路下り方向の流入路R1についての候補時間T1(自交差点CRの主道路下り方向の候補時間T1)の決定方法について、図12を参照して説明する。図12は、SECm≦SECa1<SECm+Tb1の場合の、時間経過と、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路下り方向の流入路R1wから自交差点CRの流入路R1による自交差点CRへの流入台数(累積台数)及び当該流入路R1による自交差点CRからの流出台数(累積台数)との関係を示している。
図12では、SECm≦SECa1<SECm+Tb1であるので、主道路上り側の隣接交差点CRwを流出した最初の車両が、基本時間Tb1の経過中に、自交差点CRの主道路下り方向の流入路R1の停止線L1に到達している。この場合、図13に示すように、自交差点CRの主道路下り方向の候補時間T1を、自交差点CRの流入路R1の赤終了時の信号待ち台数n1と赤終了以降の主道路上り側の隣接交差点CRwからの流入台数をちょうど捌く時間とし、候補時間T1を、T1=Tb1+T1w・S1w/S1の式により算出する。Sw1≒S1である場合は、Sw1=S1とみなして、候補時間T1を、T1=Tb1+T1wの式により算出してもよい。
ケースC,FのようにSECm+Tb1≦SECa1<SECm+Tb1+Tex1の場合の、自交差点CRに対する主道路下り方向の流入路R1についての候補時間T1(自交差点CRの主道路下り方向の候補時間T1)の決定方法について、図13を参照して説明する。図13は、SECm+Tb1≦SECa1<SECm+Tb1+Tex1の場合の、時間経過と、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路下り方向の流入路R1wから自交差点CRの流入路R1による自交差点CRへの流入台数(累積台数)及び当該流入路R1による自交差点CRからの流出台数(累積台数)との関係を示している。
図13では、SECm+Tb1≦SECa1<SECm+Tb1+Tex1であるので、主道路上り側の隣接交差点CRwを流出した最初の車両が、基本時間Tb1の経過後の、余裕時間Tex1の経過中に、自交差点CRの下り方向の流入路R1の停止線L1に到達している。この場合には、赤終了時の信号待ち台数n1のみを捌いてしまえば自交差点CRの流入路R1に関する捌け残り台数はゼロとなる。しかし、赤終了時の信号待ち台数n1のみを捌くだけでは、その後すぐ主道路上り側の隣接交差点CRwからの車両が到着するため、それらの車両は自交差点CRで長い間信号待ちをしなければならなくなってしまうとともに、主道路上り側の隣接交差点CRwを流出した最初の車両は自交差点CRで急停止を強いられて危険である。余裕時間Tex1は、これらの不都合を防止するために設けた時間である。 図13に示すように、SECm+Tb1≦SECa1<SECm+Tb1+Tex1の場合は、自交差点CRの主道路下り方向の候補時間T1を、自交差点CRの流入路R1の赤終了時の信号待ち台数n1と赤終了以降の主道路上り側の隣接交差点CRwからの流入台数をちょうど捌く時間とし、候補時間T1を、T1=(SECa1−SECm)+T1w・S1w/S1の式により算出する。Sw1≒S1である場合は、Sw1=S1とみなして、候補時間T1を、T1=(SECa1−SECm)+T1wの式により算出してもよい。
ケースD,G,HのようにSECm+Tb1+Tex1≦SECa1の場合の、自交差点CRに対する主道路下り方向の流入路R1についての候補時間T1(自交差点CRの主道路下り方向の候補時間T1)の決定方法について、図14を参照して説明する。図14は、SECm+Tb1+Tex1≦SECa1の場合の、時間経過と、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路下り方向の流入路R1wから自交差点CRの流入路R1による自交差点CRへの流入台数(累積台数)及び当該流入路R1による自交差点CRからの流出台数(累積台数)との関係を示している。
図14では、SECm+Tb1+Tex1≦SECa1であるので、主道路上り側の隣接交差点CRwを流出した最初の車両が、余裕時間Tex1の経過後に、自交差点CRの主道路下り方向の流入路R1の停止線L1に到達している。この場合、図14に示すように、自交差点CRの主道路下り方向の候補時間T1を、赤終了時の信号待ち台数n1のみをちょうど捌く時間とし、候補時間T1を、T1=Tb1の式により算出する。
以上、通信回線7の途絶などがないとともに自交差点CRが制御対象エリア200内の主道路上り側の端部の交差点CR5ではなく、自交差点CRの交通信号制御装置1が主道路上り側の隣接交差点CRwから前述した主道路上り側の隣接交差点情報が取得できる通常の場合に、主道路20の自交差点CRに対する下り方向の流入路R1について算出される、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の青信号表示時間(青時間)の候補としての候補時間T1について、図6乃至図14を参照して説明した。前述したように候補時間T1を算出するので、候補時間T1が経過時点で自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A1の青時間を終了させれば、自交差点CRに対する主道路20の下り方向の流入路R1については、主道路上り側の隣接交差点CRwの交通信号表示と適切に連係し、捌け残りがないとともに青時間に無駄が生ずることがなく、効率が良いことがわかる。
本実施の形態では、通信回線7の途絶や、自交差点CRが制御対象エリア200内の主道路上り側の端部の交差点であることなどによって、自交差点CRの交通信号制御装置1が主道路上り側の隣接交差点CRwから前記主道路上り側隣接交差点情報を取得できない場合には、主道路20の自交差点CRに対する下り方向の流入路R1について、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の青時間の候補としての候補時間T1を、T1=Tb1の式により算出する。
また、本実施の形態では、通信回線7の途絶などがないとともに自交差点CRが自交差点CRが制御対象エリア200内の主道路下り側の端部の交差点ではなく、自交差点CRの交通信号制御装置1が主道路下り側の隣接交差点CRxから主道路下り側隣接交差点情報(前述した主道路上り側の隣接交差点情報に対応する情報)が取得できる通常の場合には、図6乃至図14を参照して前述した通常の場合の候補時間T1と同様の方法によって、自交差点CRに対する主道路上り方向の流入路R2について、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の青信号表示時間(青時間)の候補としての候補時間T2が算出される。この候補時間T2も、前記候補時間T1と同じく、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青時間を設定するに際して算出されるものである。
通信回線7の途絶や、自交差点CRが制御対象エリア200内の主道路下り側の端部の交差点であることなどによって、自交差点CRの交通信号制御装置1が主道路下り側の隣接交差点CRxから主道路下り側隣接交差点情報を取得できない場合には、前記候補時間T2を、T2=Tb2=n2/S2の式により算出する。ここで、n2は、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm(交通信号機A1,A2の赤終了時)での、自交差点CRに対する主道路上り方向の流入路R2の信号待ち台数である。S2は、自交差点CRに対する主道路上り方向の流入路R2について予め設定された飽和交通流である。基本時間Tb2は、信号待ち台数n2がちょうど捌け残りゼロとなる時間を意味している。
さらに、本実施の形態では、通信回線7の途絶などがないとともに自交差点CRが自交差点CRが制御対象エリア200内の従道路上り側の端部の交差点ではなく、自交差点CRの交通信号制御装置1が従道路上り側の隣接交差点CRyから従道路上り側隣接交差点情報(前述した主道路上り側の隣接交差点情報に対応する情報)が取得できる通常の場合には、図6乃至図14を参照して前述した通常の場合の候補時間T1と同様の方法によって、自交差点CRに対する従道路下り方向の流入路R3について、自交差点CRの従道路21用の交通信号機A3,A4の青信号表示時間(青時間)の候補としての候補時間T3が算出される。この候補時間T3は、前記候補時間T1,T2とは異なり、自交差点CRの従道路21用の交通信号機A3,A4の次回の青時間を設定するに際して算出されるものである。
通信回線7の途絶や、自交差点CRが制御対象エリア200内の従道路上り側の端部の交差点であることなどによって、自交差点CRの交通信号制御装置1が従道路上り側の隣接交差点CRyから従道路上り側隣接交差点情報を取得できない場合には、前記候補時間T3を、T3=Tb3=n3/S3の式により算出する。ここで、n3は、自交差点CRの従道路21用の交通信号機A3,A4の設定すべき次回の青時間Gsの青開始時点SECs(交通信号機A3,A4の赤終了時)での、自交差点CRに対する従道路下り方向の流入路R3の信号待ち台数である。S3は、自交差点CRに対する従道路下り方向の流入路R3について予め設定された飽和交通流である。基本時間Tb3は、信号待ち台数n3がちょうど捌け残りゼロとなる時間を意味している。
さらにまた、本実施の形態では、通信回線7の途絶などがないとともに自交差点CRが自交差点CRが制御対象エリア200内の従道路下り側の端部の交差点ではなく、自交差点CRの交通信号制御装置1が従道路下り側の隣接交差点CRzから従道路下り側隣接交差点情報(前述した主道路上り側の隣接交差点情報に対応する情報)が取得できる通常の場合には、図6乃至図14を参照して前述した通常の場合の候補時間T1と同様の方法によって、自交差点CRに対する従道路上り方向の流入路R4について、自交差点CRの従道路21用の交通信号機A3,A4の青信号表示時間(青時間)の候補としての候補時間T4が算出される。この候補時間T4は、前記候補時間T1,T2とは異なり、前記候補時間T3と同じく、自交差点CRの従道路21用の交通信号機A3,A4の次回の青時間を設定するに際して算出されるものである。
通信回線7の途絶や、自交差点CRが制御対象エリア200内の従道路下り側の端部の交差点であることなどによって、自交差点CRの交通信号制御装置1が従道路下り側の隣接交差点CRzから従道路下り側隣接交差点情報を取得できない場合には、前記候補時間T4を、T4=Tb4=n4/S4の式により算出する。ここで、n4は、自交差点CRの従道路21用の交通信号機A3,A4の設定すべき次回の青時間Gsの青開始時点SECs(交通信号機A3,A4の赤終了時)での、自交差点CRに対する従道路上り方向の流入路R4の信号待ち台数である。S4は、自交差点CRに対する従道路上り方向の流入路R4について予め設定された飽和交通流である。基本時間Tb4は、信号待ち台数n4がちょうど捌け残りゼロとなる時間を意味している。
本実施の形態では、自交差点CRの交通信号制御装置1は、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青時間を設定するに際して、前述した自交差点CRの主道路20の流入路R1,R2についての候補時間T1,T2のうち長い方の候補時間を第1の基準時間TKとし、この第1の基準時間以内の各時間について、当該時間を自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青信号時間としたときの、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青時間の開始時点(自交差点CRの従道路21用の交通信号機A3,A4の次回の単独赤開始時点)SECmから自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次々回の青時間の開始時点(自交差点CRの従道路21用の交通信号機A3,A4の次回の単独赤開始時点)SECmまでの、主道路20及び従道路21の自交差点CRに対する各流入路R1〜R4の遅れ時間を得る。遅れ時間は、一定の系統速度で走行する車両が交差点を無停止で通貨する場合に要する時間と、速度低下や停止を繰り返しながら通過するのに要する時間との差で表される。なお、青時間を短縮すると、青時間を短縮した道路では、青終了時に捌け残りの車両が発生し、これらの車両は次々回の青開始時点まで停止を余儀なくされることから、遅れ時間は増大する。
次に、このような第1の基準時間TKを基準とした各流入路R1〜R4毎の遅れ時間の集合(遅れ時間配列)の具体的な算出手法について、説明する。
まず、第1の基準時間TKを基準とした自交差点CRに対する主道路下り方向の流入路R1の遅れ時間配列Dg1Arrayの具体的な算出手法について、図15乃至図18を参照して説明する。図15乃至図18は、前述した図11乃至図14にそれぞれ対応している。ここでは、T1>T2であり、第1の基準時間TKが候補時間T1であるものとしている。なお、以下に説明する遅れ時間配列Dg1Arrayの算出処理の前に、基本時間Tb1及び候補時間T1を、最も近い整数に丸めておく。
自交差点CRの交通信号制御装置1は、前述した各ケースA〜Hにおいて、交通信号機A1,A2の青時間を候補時間T1から整数秒ずつ(T1−Tb1)まで短縮(その短縮時間はj)した各場合の、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青時間の開始時点SECmから交通信号機A1,A2の次々回の青時間の開始時点SECmまでの期間における、自交差点CRに対する主道路下り方向の流入路R1の遅れ時間を、要素数(T1−Tb1+1)の配列(遅れ時間配列)Dg1Arrayに格納する。各ケースA〜Hでの流入路R1の遅れ時間は、図15乃至図18中のハッチングを付した部分の面積となるため、各ケースA〜Hでの流入路R1の遅れ時間配列Dg1Arrayの各要素をなすDg1Array[j]は、以下に説明する通りとなることがわかる。ただし、jは、0≦j≦(T1−Tb1)を満たす整数であり、交通信号機A1,A2の青時間の、候補時間T1からの短縮時間を示している。
すなわち、図15からわかるように、前記ケースA(SECa1<SECm)の場合は、Dg1Array[j]=(1/2)・Tb1・n1+(1/2)・[T1−{T1w−(SECm−SECa1)}+Tb1]・(T1−Tb1)・S1+(1/2)・S1・j・{2・(Ym+2AR+Rm)+j}となる。ここで、S1w≒S1である場合は、Tb1=T1−{T1w−(SECm−SECa1)}とみなして、Dg1Array[j]=(1/2)・Tb1・n1+Tb1・(T1−Tb1)・S1+(1/2)・S1・j・{2・(Ym+2AR+Rm)+j}としてもよい。
図16からわかるように、前記ケースB,E(SECm≦SECa1<SECm+Tb1)の場合は、Dg1Array[j]=(1/2)・Tb1・n1+(1/2)・{Tb1+(T1−T1w)−2・(SECa1−SECm)}・(T1−Tb1)・S1+(1/2)・S1・j・{2・(Ym+2AR+Rm)+j}となる。ここで、S1w≒S1である場合は、Tb1=T1−T1wとみなして、Dg1Array[j]=(1/2)・Tb1・n1+{Tb1−(SECa1−SECm)}・(T1−Tb1)・S1+(1/2)・S1・j・{2・(Ym+2AR+Rm)+j}としてもよい。
図17からわかるように、前記ケースC,F(SECm+Tb1≦SECa1<SECm+Tb1+Tex1)の場合において、0≦j<T1−(SECa1−SECm)である場合には、Dg1Array[j]=(1/2)・Tb1・n1+(1/2)・S1・j・{2・(Ym+2AR+Rm)+j}となる。また、前記ケースC,F(SECm+Tb1≦SECa1<SECm+Tb1+Tex1)の場合において、T1−(SECa1−SECm)≦j≦T1−Tb1である場合には、Dg1Array[j]=(1/2)・Tb1・n1+(1/2)・S1・{T1−(SECa1−SECm)}・[2・(Ym+2AR+Rm)+{T1−(SECa1−SECm)}]となる。
図18からわかるように、前記ケースD,G,H(SECm+Tb1+Tex1≦SECa1)の場合は、Dg1Array[j]=(1/2)・Tb1・n1となる。
以上、第1の基準時間TK(前述した例では、候補時間T1)を基準とした自交差点CRに対する主道路下り方向の流入路R1の遅れ時間配列Dg1Arrayの具体的な算出手法について、図15乃至図18を参照して説明した。
また、本実施の形態では、第1の基準時間TKを基準とした自交差点CRに対する主道路上り方向の流入路R2の遅れ時間配列Dg2Arrayは、図15乃至図18を参照して前述した第1の基準時間TKを基準とした自交差点CRに対する主道路下り方向の流入路R1の遅れ時間配列Dg1Arrayと同様の方法によって、算出される。
次に、第1の基準時間TKを基準とした自交差点CRに対する従道路下り方向の流入路R3の遅れ時間配列Dr3Arrayの具体的な算出手法について、図19乃至図25を参照して説明する。この遅れ時間配列Dr3Arrayも、前述した遅れ時間配列Dg1Array,Dg2Arrayと共に、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青時間を設定するに際して算出されるものである。
本実施の形態では、図19乃至図21に示すように、自交差点CRの交通信号制御装置1は、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青時間を設定するために、従道路上り側の隣接交差点CRyの交通信号制御装置1yから、従道路上り側隣接交差点情報を、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの直前の全赤時間ARの開始時点(単独赤時間Rmの終了時点)付近で、取得する。図19乃至図21は、自交差点CRの交通信号制御装置1の従道路上り側の隣接交差点情報の取得タイミングと、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの状態との関係を示す図である。
このとき従道路上り側の隣接交差点CRyの交通信号制御装置1yから取得する従道路上り側隣接交差点情報について説明する。本実施の形態では、自交差点CRの交通信号制御装置1は、従道路上り側の隣接交差点CRyの交通信号制御装置1yから、当該隣接交差点CRyの交通信号表示制御に関する情報である上り側隣接交差点情報として、その取得時に最新の4つの情報、すなわち、隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの青開始時点SECsyと、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの単独赤時間開始時点(単独赤開始時点)SECmyと、従道路上り側の隣接交差点CRyに対する従道路21の各流入路R3y,R4yのうち自交差点CRに向かう従道路下り方向の流入路R3yについて従道路上り側の隣接交差点CRyの交通信号機A3y,A4yの青時間の候補として算出された候補時間T3y(自交差点CRの流入路R3についての候補時間T3に対応する、隣接交差点CRyの流入路R3yについての候補時間T3y)と、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの単独赤時間Rsyとを、通信回線7を介して取得する。なお、本発明では、青開始時点SECsyに代えてこれを特定するための情報を取得してもよいし、単独赤開始時点SECmyに代えてこれを特定するための情報を取得してもよいし、単独赤時間Rsyに代えてこれを特定するための情報を取得してもよい。例えば、単独赤開始時点SECmyは、黄時間終了時点を取得すれば、全赤時間ARは既知であるので、特定することができる。
図19(a)は当該取得タイミングが従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの単独赤時間Rsy中である場合、図19(b)は当該取得タイミングが従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの黄時間Ys直後の全赤時間AR中である場合、図20(a)は当該取得タイミングが従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの黄時間Ys中である場合、図20(b)は当該取得タイミングが従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの青時間Gsy中である場合、図21は、当該取得タイミングが従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの単独赤時間Rsy直後の全赤時間AR中である場合、をそれぞれ示している。
本実施の形態では、前記取得タイミングで取得された従道路上り側の隣接交差点情報に基づいて、図19(b)、図20(a)及び図20(b)に示すようにSECsy>SECmy(すなわち、青開始時点SECsyが単独赤開始時点SECmyより後)である場合には、従道路上り側の隣接交差点CRyから自交差点CRへの予測流入車両台数を得るための基礎となる基準時点SECs0yを、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの青開始時点SECsyとする。一方、図19(a)及び図21に示すようにSECsy<SECmy(すなわち、青開始時点SECsyが単独赤開始時点SECmyより前)である場合には、基準時点SECs0yを、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの次回の青開始時点(すなわち、SECmy+Rsy+AR、つまり、単独赤開始時点SECmyから単独赤時間Rsy及び全赤時間ARを経過した時点)とする。
図22は、SECsy>SECmyの場合(すなわち、SECs0y=SECsyの場合)に、基準時点SECs0yと、予測到達時点SECa3(基準時点SECs0yで従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路下り方向の流入路R3yの停止線L3yの位置から出発した車両(基準時点SECs0yから開始する青時間中に最初に出発する車両)が自交差点CRの流入路R3の停止線L3の位置に到達すると予測される時点)との関係を示す図である。図23は、SECsy<SECmyの場合(すなわち、SECs0y=SECmy+Rsy+ARの場合)に、基準時点SECs0yと、予測到達時点SECa3との関係を示す図である。図22及び図23には、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点(自交差点CRの従道路21用の交通信号機A3,A4の設定すべき次回の単独赤時間Rsの開始時点)SECm、第1の基準時間TK(ここでは、自交差点CRに対する主道路下り方向の流入路R1について算出された、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の青時間の候補としての候補時間T1としている。)、及び、自交差点CRCRの主道路20用の交通信号機A1,A2の黄時間Ymも示している。
本実施の形態では、図22及び図23に示すように、従道路上り側の隣接交差点CRyの停止線L3yを出発した車両は、停止線L3,L3y間の距離と予め定められた自由流速度とから求められる旅行時間Tf3後に、自交差点の停止線L3に到達するものとし、予測到達時点SECa3を、SECa3=SECs0y+Tf3によって求める。
予測到達時点SECa3から、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路下り方向の候補時間T3y(自交差点CRの流入路R3についての候補時間T3に対応する、隣接交差点CRyの流入路R3yについての候補時間T3y)だけ、従道路上り側の隣接交差点CRyからの車両が自交差点CRに流入するものと考えられる。なお、本実施の形態では、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの青時間Gsyでなく、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路下り方向の候補時間T3yを使用するが、本発明では、自交差点CRの交通信号制御装置1は、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路下り方向の流入路R3yについての候補時間T3yに代えて、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの青時間Gsyを使用してもよく、予測到達時点SECa3から、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの青時間Gsyだけ、従道路上り側の隣接交差点CRyからの車両が自交差点CRに流入するものとみなしてもよい。この場合、自交差点CRの交通信号制御装置1は、従道路上り側の隣接交差点CRyの交通信号制御装置1yから、候補時間T3yに代えて、青時間Gsy又はこれを特定するための情報を取得すればよい。
自交差点CRの従道路21用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点(交通信号機A3,A4の単独赤開始時点)SECm、及び、この青開始時点SECmから第1の基準時間TM(ここでは、自交差点CRの主道路上り方向の流入路R1についての候補時間T1)及び自交差点CRCRの主道路20用の交通信号機A1,A2の黄時間Ymを経過した時点((SECm+T11+Ym)の時点)に対する、予測到達時点SECa3の時間的な前後関係を考慮すると、図22に示すSECsy>SECmyの場合には、図22中のケースA’,B’,D’が考えられ、図23に示すSECsy<SECmyの場合には、図23中のケースC’,E’が考えられる。
ケースA’では、SECa3<SECm(予測到達時点SECa3が青開始時点SECmより前)である。ケースB’,C’では、SECm<SECa3≦SECm+T1+Ym(予測到達時点SECa3が、青開始時点SECm以後で、かつ、青開始時点SECmから候補時間T1及び黄時間Ymを経過した時点より前)である。ケースD’,E’では、SECa3>SECm+T1+Ym(予測到達時点SECa3が、青開始時点SECmから候補時間T1及び黄時間Ymを経過した時点より後)である。
図24及び図25は、前述した図22及び図23にそれぞれ対応している。ここでは、T1>T2であり、第1の基準時間TKが候補時間T1であるものとしている。
自交差点CRの交通信号制御装置1は、前述した各ケースA’〜E’において、交通信号機A1,A2の青時間を候補時間T1から整数秒ずつ(T1−Tb1)まで短縮(その短縮時間はj)した各場合(すなわち、交通信号機A3,A4の単独赤時間(T1+Ym)を整数秒ずつ(T1+Ym−Tb1)まで短縮(その短縮時間はj)した各場合)の、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青時間の開始時点SECmから交通信号機A1,A2の次々回の青時間の開始時点SECmまでの期間(自交差点CRの従道路21用の交通信号機A3,A4の次回の単独赤開始時点SECmから交通信号機A3,A4の次々回の単独赤開始時点SECmまでの期間)における、自交差点CRに対する従道路下り方向の流入路R3の遅れ時間を、要素数(T1−Tb1+1)の配列(遅れ時間配列)Dr3Arrayに格納する。各ケースA’〜E’での流入路R3の遅れ時間は、図24及び図25中のハッチングを付した部分の面積となるため、各ケースA’〜E’での流入路R3の遅れ時間配列Dr3Arrayの各要素をなすDr3Array[j]は、以下に説明する通りとなることがわかる。ただし、jは、0≦j≦(T1−Tb1)を満たす整数であり、交通信号機A1,A2の青時間の、候補時間T1からの短縮時間(ひいては、交通信号機A3,A4の単独赤時間の短縮時間)を示している。なお、単独赤時間を短縮すると、単独赤時間を短縮した道路では、次回の青開始時点が早まるので、遅れ時間は減少する。
すなわち、図24からわかるように、ケースA’(SECa3<SECm)の場合は、Dr3Array[j]=[(T1+Ym−j)+(1/2)・(S3y/S3−1)・{T3y−(SECm−SECa3)}]・S3y・{T3y−(SECm−SECa3)}となる。ここで、S3y≒S3である場合は、S3y=S3とみなして、Dr3Array[j]=(T1+Ym−j)・{T3y−(SECm−SECa3)}・S3としてもよい。ここで、S3yは、従道路上り側の隣接交差点CRyにおける従道路下り方向の流入路R3yに予め設定されている一定値の飽和交通流である。S3は、自交差点CRにおける従道路下り方向の流入路R3に予め設定されている一定値の飽和交通流である。
図25からわかるように、ケースB’,C’(SECm<SECa3≦SECm+T1+Ym)の場合において、0≦j<T1+Ym−(SECa3−SECm)である場合には、Dr3Array[j]={(T1+Ym−j)−(SECa3−SECm)+(1/2)・(S3y/S3−1)・T3y}・T3y・S3yとなる。ここで、S3y≒S3である場合は、S3y=S3とみなして、Dr3Array[j]={(T1+Ym−j)−(SECa3−SECm)}・T3y・S3としてもよい。
また、ケースB’,C’(SECm<SECa3≦SECm+T1+Ym)の場合において、0≦j<T1+Ym−(SECa3−SECm)である場合には、Dr3Array[j]=0となる。
さらに、前述したケースD’,E’(SECa3>SECm+T1+Ym)の場合は、Dr3Array[j]=0となる。
以上、第1の基準時間TK(前述した例では、候補時間T1)を基準とした自交差点CRに対する従道路下り方向の流入路R3の遅れ時間配列Dr3Arrayの具体的な算出手法について、図19乃至図25を参照して説明した。
また、本実施の形態では、第1の基準時間TKを基準とした自交差点CRに対する従道路上り方向の流入路R4の遅れ時間配列Dr4Arrayは、図19乃至図25を参照して前述した第1の基準時間TKを基準とした自交差点CRに対する従道路下り方向の流入路R3の遅れ時間配列Dr3Arrayと同様の方法によって、算出される。
そして、本実施の形態では、自交差点CRの交通信号制御装置1は、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青時間を設定するに際して、第1の基準時間TKを基準とした自交差点CRに対する従道路下り方向の流入路R3の遅れ時間配列Dr3Arrayと第1の基準時間TKを基準とした自交差点CRに対する従道路上り方向の流入路R4の遅れ時間配列Dr4Arrayのうちの、j=0のときの遅れ時間であるDr3Array[0]とDr4Array[0]を比較し、より大きい方の遅れ時間配列を、自交差点CRの従道路21の遅れ時間配列として採用する。また、自交差点CRの交通信号制御装置1は、候補時間T1,T2のうち第1の基準時間TKとして採用された候補時間に関連する流入路について算出された遅れ時間配列を、自交差点CRの主道路20の遅れ時間配列として採用する。前述した例では、第1の基準時間TKが候補時間T1であるので、流入路1について算出された遅れ時間配列Dg1Arrayを、自交差点CRの主道路20の遅れ時間配列として採用する。さらに、自交差点CRの交通信号制御装置1は、自交差点CRの主道路20の遅れ時間配列と自交差点CRの従道路21の遅れ時間配列とを加算した配列である総遅れ時間配列DArrayを得る。今、自交差点CRの主道路20の遅れ時間配列がDg1Arrayであるとともに自交差点CRの従道路21の遅れ時間配列がDr3Arrayであるとすると、DArray={Dg1Array[0]+Dr3Array[0],Dg1Array[1]+Dr3Array[1],・・・,Dg1Array[T1+Tb1−1]+Dr3Array[T1+Tb1−1],Dg1Array[T1+Tb1]+Dr3Array[T1+Tb1]}となる。自交差点CRの交通信号制御装置1は、この総遅れ時間配列DArrayのなかから、一定の条件下で基本的に最小になる要素(遅れ時間)を選択し、その要素の要素番号(短縮時間)j=kを使用して第1の基準時間TKに対して短縮処理を施した時間(TK−k)を得て、この時間(TK−k)を、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青時間Gmとして設定する。
以上、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青時間Gmを設定するに際して、自交差点CRの主道路20の流入路R1,R2についての候補時間T1,T2用いて当該次回の青時間Gmを設定する手法について説明した。
自交差点CRの交通信号制御装置1は、これと同様に、自交差点CRの従道路21用の交通信号機A3,A4の次回の青時間Gsを設定するに際して、自交差点CRの従道路21の流入路R3,R4についての候補時間T3,T4用いて当該次回の青時間Gsを設定する。
次に、自交差点CRの交通信号制御装置1の制御処理部3の動作の一例について、図26乃至図71を参照して具体的に説明する。図26乃至図71は、自交差点CRの交通信号制御装置1の制御処理部3の動作を示す概略フローチャートである。
制御処理部3は、動作を開始すると、まず、各時点を経過時間sとして計測する内蔵するタイマ(s)をs=0からスタートさせる(ステップS1)。なお、このタイマ(s)は、制御対象エリア200内の全ての交差点の交通信号制御装置の制御処理部3で、同期させる。
引き続いて、制御処理部3は、自交差点CRの全ての交通信号機A1〜A4に赤表示を開始させる(すなわち、全赤を開始させる。)(ステップS2)。
次に、制御処理部3は、経過時間tを計測する内蔵するタイマ(t)をt=0にリセットした後にスタートさせる(ステップS3)。
次いで、制御処理部3は、自交差点CRの従道路21の信号機A3,A4の次回の青時間Gsを初期値Gs0に設定する(ステップS4)。
その後、制御処理部3は、自交差点CRの主道路20の交通信号機A1,A2の次回の単独赤時間Rmを、Rm=Gs+Ysにより算出する(ステップS5)。
引き続いて、制御処理部3は、ステップS3の時点から全赤時間ARを経過したか否かを判定する(ステップS6)。制御処理部3は、全赤時間ARを経過していなければ全赤時間ARを経過するまで待ち、全赤時間ARを経過すると、従道路21の交通信号機A3,A4に赤信号表示を終了させて青信号表示を開始させる(ステップS7)。
次いで、制御処理部3は、ステップS5又は後述するステップS111(図31参照)で最新に算出された自交差点CRの主道路20の交通信号機A1,A2の単独赤時間Rmを、隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzの交通信号制御装置1w,1x,1y,1zへ供給するための情報の1つとして、内部メモリに保存する(ステップS8)。この単独赤時間Rmは、上書き保存されて最新のもののみが保持される。また、この単独赤時間Rmは、隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzの交通信号制御装置1w,1x,1y,1zからの各取得要求に応じて、通信回線7を介して隣接交差点CRw,CRx,CRzの交通信号制御装置1w,1x,1y,1zにそれぞれ供給される。
その後、制御処理部3は、経過時間tを計測する内蔵するタイマ(t)をt=0にリセットした後にスタートさせる(ステップS9)。
次に、制御処理部3は、ステップS9の時点から現在設定されている青時間Gsを経過したか否かを判定する(ステップS10)。制御処理部3は、青時間Gsを経過していなければ青時間Gsを経過するまで待ち、青時間Gsを経過すると、自交差点CRの従道路21の交通信号機A3,A4に青信号表示を終了させて黄信号表示を開始させる(ステップS11)。
次いで、制御処理部3は、ステップS9の時点から、ステップS5又はS111で最新に算出された主道路20の交通信号機A1,A2の単独赤時間Rmを経過したか否かを判定する(ステップS12)。
制御処理部3は、単独赤時間Rmを経過していなければ単独赤時間Rmを経過するまで待ち、単独赤時間Rmを経過すると、自交差点CRの従道路21の交通信号機A3,A4に黄信号表示を終了させて赤信号表示を開始させる(すなわち、全赤を開始させる。)(ステップS21)。
次に、制御処理部3は、この時点のタイマ(s)の計測時間sと全赤時間ARとを用いて、SECm=s+ARにより、自交差点CRの主道路20の交通信号機A1,A2の青開始時点SECmを算出し、この青開始時点SECmを、隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzの交通信号制御装置1w,1x,1y,1zへ供給するための情報の1つとして、内部メモリに保存する(ステップS22)。この青開始時点SECmは、上書き保存されて最新のもののみが保持される。また、この青開始時点SECmは、隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzの交通信号制御装置1w,1x,1y,1zからの各取得要求に応じて、通信回線7を介して隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzの交通信号制御装置1w,1x,1y,1zにそれぞれ供給される。
引き続いて、制御処理部3は、主道路20の流入路R1のカメラC1及び渋滞長計測処理部D1によって計測された現在の渋滞長E1、及び、主道路20の流入路R2のカメラC2及び渋滞長計測処理部D2によって計測された現在の渋滞長E2を、内部メモリに取り込む(ステップS23)。
次いで、制御処理部3は、経過時間tを計測する内蔵するタイマ(t)をt=0にリセットした後にスタートさせる(ステップS24)。
その後、制御処理部3は、ステップS23で最新に取り込んだ主道路20の流入路R1の渋滞長E1及び主道路20の流入路R2の渋滞長E2、並びに、予め定めた平均車頭間隔Fを用いて、n1=E1/F、n2=E2/Fにより、主道路20の流入路R1の信号待ち車両台数n1及び主道路20の流入路R2の信号待ち車両台数n2を、それぞれ算出する(ステップS25,S26)。
次に、制御処理部3は、自交差点CRの主道路上り側の流入路(すなわち、主道路下り方向の流入路)R1についての候補時間T1及び遅れ時間配列Dg1Arrayを算出する(ステップS27)。
ここで、このステップS27の処理の内容について、図32を参照して説明する。
ステップS27の処理を開始すると、制御処理部3は、まず、ステップS25で最新に算出した主道路20の下り方向の流入路R1の信号待ち車両台数n1、流入路R1について予め設定された飽和交通流S1を用いて、T1=n1/S1により、基本時間Tb1を算出する(ステップS121)。
次に、制御処理部3は、自交差点CRの交通信号制御装置1の通信部5の通信不能状態検出部6からの検出結果に基づいて、主道路上り側の隣接交差点CRwの交通信号制御装置1wから主道路上り側の隣接交差点情報の取得が可能であるか否かを判定する(ステップS122)。その取得が可能であればステップS123へ移行し、その取得が不能であればステップS137へ移行する。
ステップS123において、制御処理部3は、主道路上り側の隣接交差点CRwから、主道路上り側の隣接交差点情報として、最新の4つの情報、すなわち、隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの青開始時点SECmwと、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの単独赤開始時点SECswと、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20の下り方向の流入路R1wについて主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの青時間の候補として算出された候補時間T1w(自交差点CRの流入路R1についての候補時間T1に対応する、隣接交差点CRwの流入路R1wについての候補時間T1w)と、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの単独赤時間Rmwとを、通信回線7を介して取得する(ステップS123)。
次いで、制御処理部3は、ステップS123で最新に取得した青開始時点SECmw及び単独赤開始時点SECswについて、SECmw>SECsw(すなわち、青開始時点SECmwが単独赤開始時点SECswより後)であるか否かを判定する(ステップS124)。SECmw>SECswであれば、制御処理部3は、主道路上り側の隣接交差点CRwから自交差点CRへの予測流入車両台数を得るための基礎となる基準時点SECm0wを、ステップS123で最新に取得した青開始時点SECmwとし(ステップS125)、ステップS127へ移行する。一方、SECmw<SECsw(すなわち、青開始時点SECmwが単独赤開始時点SECswより前)であれば、制御処理部3は、ステップS123で最新に取得した単独赤開始時点SECsw及び単独赤時間Rmwを用いるとともに全赤時間ARを用いて、SECsw+Rmw+ARで表される主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20用の交通信号機A1w,A2wの次回の青開始時点を算出し、基準時点SECm0wを、算出した次回の青開始時点とし(ステップS126)、ステップS127へ移行する。
ステップS127において、制御処理部3は、ステップS125又はS126で決定された基準時点SECm0wと、停止線L1,L1w間の距離と予め定められた主道路20の下り方向の流入路R1についての自由流速度とから求められる旅行時間Tf1とを用いて、SECa1=SECm0w+Tf1により、予測到達時点SECa1を算出する。
その後、制御処理部3は、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm、この青開始時点SECmからステップS121で最新に算出した基本時間Tb1を経過した時点((SECm+Tb1)の時点)、及び、前記青開始時点SECmからステップS121で最新に算出した基本時間Tb1及び自交差点CRの主道路20の下り方向の流入路R1について予め設定された余裕時間Tex1を経過した時点((SECm+Tb1+Tex1)の時点)に対する、ステップS127で最新に得た予測到達時点SECa1の時間的な前後関係を判定する(ステップS128,S131,S134)。そして、制御処理部3は、SECa1<SECm(予測到達時点SECa1が青開始時点SECmより前)の場合は、ステップS121で最新に算出した基本時間Tb1、ステップS123で最新に取得した候補時間T1w、設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm、ステップS127で最新に得た予測到達時点SECa1、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20の下り方向の流入路R1wについて予め設定された飽和交通流S1w、及び、自交差点CRの主道路20の下り方向の流入路R1について予め設定された飽和交通流S1を用いて、T1=Tb1+{T1w−(SECm−SECa1)}・S1w/S1の式又はこの式においてS1w=S1とした式により、主道路20の自交差点CRに対する下り方向の流入路R1についての候補時間T1を算出し(ステップS129)、ステップS130へ移行する。また、制御処理部3は、SECm≦SECa1<SECm+Tb1(予測到達時点SECa1が、青開始時点SECm以後で、かつ、青開始時点SECmから基本時間Tb1を経過した時点より前)の場合は、制御処理部3は、ステップS121で最新に算出した基本時間Tb1、ステップS123で最新に取得した候補時間T1w、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20の下り方向の流入路R1wについて予め設定された飽和交通流S1w、及び、自交差点CRの主道路20の下り方向の流入路R1について予め設定された飽和交通流S1を用いて、T1=Tb1+T1w・S1w/S1の式又はこの式においてS1w=S1とした式により、主道路20の自交差点CRに対する下り方向の流入路R1についての候補時間T1を算出し(ステップS132)、ステップS133へ移行する。さらに、制御処理部3は、SECm+Tb1≦SECa1<SECm+Tb1+Tex1(予測到達時点SECa1が、青開始時点SECmから基本時間Tb1を経過した時点以後で、かつ、青開始時点SECmから基本時間Tb1及び余裕時間Tex1を経過した時点より前)の場合は、制御処理部3は、ステップS127で最新に得た予測到達時点SECa1、設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm、ステップS123で最新に取得した候補時間T1w、主道路上り側の隣接交差点CRwの主道路20の下り方向の流入路R1wについて予め設定された飽和交通流S1w、及び、自交差点CRの主道路20の下り方向の流入路R1について予め設定された飽和交通流S1を用いて、T1=(SECa1−SECm)+T1w・S1w/S1の式又はこの式においてS1w=S1とした式により、主道路20の自交差点CRに対する下り方向の流入路R1についての候補時間T1を算出し(ステップS135)、ステップS136へ移行する。さらにまた、制御処理部3は、SECm+Tb1+Tex1≦SECa1(予測到達時点SECa1が、青開始時点SECmから基本時間Tb1及び余裕時間Tex1を経過した時点以後)の場合は、制御処理部3は、ステップS121で最新に算出した基本時間Tb1を用いて、T1=Tb1の式により、主道路20の自交差点CRに対する下り方向の流入路R1についての候補時間T1を算出し(ステップS137)、ステップS138へ移行する。
ステップS130,S133,S136,S138においてそれぞれ、制御処理部3は、候補時間T1を基準とした主道路下り方向の遅れ時間配列Dg1Arrayを算出する。
ここで、ステップS130の処理の内容について、図36を参照して説明する。制御処理部3は、ステップS130の処理を開始すると、まず、ステップS129で最新に算出された候補時間T1及びステップS121で最新に算出された基本時間Tb1を最も近い整数に丸め込む(ステップS201)。次いで、制御処理部3は、遅れ時間配列Dg1Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする(ステップS202)。引き続いて、制御処理部3は、Dg1Array[j]=(1/2)・Tb1・n1+Tb1・(T1−Tb1)・S1+(1/2)・S1・j・{2・(Ym+2AR+Rm)+j}の式により、Dg1Array[j]を算出する(ステップS203)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS204)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT1−Tb1よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS203へ戻る一方、YESであれば、ステップS130の処理を終了し、図27中のステップS28へ移行する。
また、図32中のステップS133の処理の内容について、図37を参照して説明する。制御処理部3は、ステップS133の処理を開始すると、まず、ステップS132で最新に算出された候補時間T1及びステップS121で最新に算出された基本時間Tb1を最も近い整数に丸め込む(ステップS211)。次いで、制御処理部3は、遅れ時間配列Dg1Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする(ステップS212)。引き続いて、制御処理部3は、Dg1Array[j]=(1/2)・Tb1・n1+{Tb1−(SECa1−SECm)}・(T1−Tb1)・S1+(1/2)・S1・j・{2・(Ym+2AR+Rm)+j}の式により、Dg1Array[j]を算出する(ステップS213)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS214)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT1−Tb1よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS213へ戻る一方、YESであれば、ステップS133の処理を終了し、図27中のステップS28へ移行する。
さらに、図32中のステップS136の処理の内容について、図38を参照して説明する。制御処理部3は、ステップS136の処理を開始すると、まず、ステップS135で最新に算出された候補時間T1及びステップS121で最新に算出された基本時間Tb1を最も近い整数に丸め込む(ステップS221)。次いで、制御処理部3は、遅れ時間配列Dg1Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする(ステップS222)。引き続いて、制御処理部3は、j<T1−(SECa1−SECm)であるか否かを判定し、YESであればステップS224へ移行し、NOであればステップS225へ移行する。ステップS224において、制御処理部3は、Dg1Array[j]=(1/2)・Tb1・n1+(1/2)・S1・j・{2・(Ym+2AR+Rm)+j}の式により、Dg1Array[j]を算出し、ステップS226へ移行する。ステップS225において、制御処理部3は、Dg1Array[j]=(1/2)・Tb1・n1+(1/2)・S1・{T1−(SECa1−SECm)}・[2・(Ym+2AR+Rm)+{T1−(SECa1−SECm)}]の式により、Dg1Array[j]を算出し、ステップS226へ移行する。ステップS226において、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする。その後、制御処理部3は、カウンタjがT1−Tb1よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS223へ戻る一方、YESであれば、ステップS136の処理を終了し、図27中のステップS28へ移行する。
さらにまた、図32中のステップS138の処理の内容について、図39を参照して説明する。制御処理部3は、ステップS138の処理を開始すると、まず、ステップS137で最新に算出された候補時間T1及びステップS121で最新に算出された基本時間Tb1を最も近い整数に丸め込む(ステップS231)。次いで、制御処理部3は、遅れ時間配列Dg1Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする(ステップS232)。引き続いて、制御処理部3は、Dg1Array[j]=(1/2)・Tb1・n1の式により、Dg1Array[j]を算出する(ステップS233)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS234)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT1−Tb1よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS233へ戻る一方、YESであれば、ステップS138の処理を終了し、図27中のステップS28へ移行する。
図27中のステップS28において、制御処理部3は、自交差点CRの主道路下り側の流入路(すなわち、主道路上り方向の流入路)R2についての候補時間T2及び遅れ時間配列Dg2Arrayを算出する(ステップS28)。
ここで、このステップS28の処理の内容について、図33を参照して説明する。
ステップS28の処理を開始すると、制御処理部3は、まず、ステップS26で最新に算出した主道路20の上り方向の流入路R2の信号待ち車両台数n2、流入路R2について予め設定された飽和交通流S2を用いて、T2=n2/S2により、基本時間Tb2を算出する(ステップS141)。
次に、制御処理部3は、自交差点CRの交通信号制御装置1の通信部5の通信不能状態検出部6からの検出結果に基づいて、主道路下り側の隣接交差点CRxの交通信号制御装置1xから主道路下り側の隣接交差点情報の取得が可能であるか否かを判定する(ステップS142)。その取得が可能であればステップS143へ移行し、その取得が不能であればステップS157へ移行する。
ステップS143において、制御処理部3は、主道路下り側の隣接交差点CRxから、主道路上り側の隣接交差点情報として、最新の4つの情報、すなわち、隣接交差点CRxの主道路20用の交通信号機A1x,A2xの青開始時点SECmxと、主道路下り側の隣接交差点CRxの主道路20用の交通信号機A1x,A2xの単独赤開始時点SECsxと、主道路下り側の隣接交差点CRxの主道路20の上り方向の流入路R2xについて主道路下り側の隣接交差点CRxの主道路20用の交通信号機A1x,A2xの青時間の候補として算出された候補時間T2x(自交差点CRの流入路R2についての候補時間T2に対応する、隣接交差点CRxの流入路R2xについての候補時間T2x)と、主道路下り側の隣接交差点CRxの主道路20用の交通信号機A1x,A2xの単独赤時間Rmxとを、通信回線7を介して取得する(ステップS143)。
次いで、制御処理部3は、ステップS143で最新に取得した青開始時点SECmx及び単独赤開始時点SECsxについて、SECmx>SECsx(すなわち、青開始時点SECmxが単独赤開始時点SECsxより後)であるか否かを判定する(ステップS144)。SECmx>SECsxであれば、制御処理部3は、主道路下り側の隣接交差点CRxから自交差点CRへの予測流入車両台数を得るための基礎となる基準時点SECm0xを、ステップS143で最新に取得した青開始時点SECmxとし(ステップS145)、ステップS147へ移行する。一方、SECmx<SECsx(すなわち、青開始時点SECmxが単独赤開始時点SECsxより前)であれば、制御処理部3は、ステップS143で最新に取得した単独赤開始時点SECsx及び単独赤時間Rmxを用いるとともに全赤時間ARを用いて、SECsx+Rmx+ARで表される主道路下り側の隣接交差点CRxの主道路20用の交通信号機A1x,A2xの次回の青開始時点を算出し、基準時点SECm0xを、算出した次回の青開始時点とし(ステップS146)、ステップS147へ移行する。
ステップS147において、制御処理部3は、ステップS145又はS146で決定された基準時点SECm0xと、停止線L2,L2x間の距離と予め定められた主道路20の上り方向の流入路R2についての自由流速度とから求められる旅行時間Tf2とを用いて、SECa2=SECm0x+Tf2により、予測到達時点SECa2を算出する。
その後、制御処理部3は、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm、この青開始時点SECmからステップS141で最新に算出した基本時間Tb2を経過した時点((SECm+Tb2)の時点)、及び、前記青開始時点SECmからステップS121で最新に算出した基本時間Tb1及び自交差点CRの主道路20の上り方向の流入路R2について予め設定された余裕時間Tex2を経過した時点((SECm+Tb2+Tex2)の時点)に対する、ステップS147で最新に得た予測到達時点SECa2の時間的な前後関係を判定する(ステップS148,S151,S154)。そして、制御処理部3は、SECa2<SECm(予測到達時点SECa2が青開始時点SECmより前)の場合は、ステップS141で最新に算出した基本時間Tb2、ステップS143で最新に取得した候補時間T2x、設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm、ステップS147で最新に得た予測到達時点SECa2、主道路下り側の隣接交差点CRxの主道路20の上り方向の流入路R2xについて予め設定された飽和交通流S2x、及び、自交差点CRの主道路20の上り方向の流入路R2について予め設定された飽和交通流S2を用いて、T2=Tb2+{T2x−(SECm−SECa2)}・S2x/S2の式又はこの式においてS2x=S2とした式により、主道路20の自交差点CRに対する上り方向の流入路R2についての候補時間T2を算出し(ステップS149)、ステップS150へ移行する。また、制御処理部3は、SECm≦SECa2<SECm+Tb2(予測到達時点SECa2が、青開始時点SECm以後で、かつ、青開始時点SECmから基本時間Tb2を経過した時点より前)の場合は、制御処理部3は、ステップS141で最新に算出した基本時間Tb2、ステップS143で最新に取得した候補時間T2x、主道路下り側の隣接交差点CRxの主道路20の上り方向の流入路R2xについて予め設定された飽和交通流S2x、及び、自交差点CRの主道路20の上り方向の流入路R2について予め設定された飽和交通流S2を用いて、T2=Tb2+T2x・S2x/S2の式又はこの式においてS1w=S1とした式により、主道路20の自交差点CRに対する上り方向の流入路R2についての候補時間T2を算出し(ステップS152)、ステップS153へ移行する。さらに、制御処理部3は、SECm+Tb2≦SECa2<SECm+Tb2+Tex2(予測到達時点SECa2が、青開始時点SECmから基本時間Tb2を経過した時点以後で、かつ、青開始時点SECmから基本時間Tb2及び余裕時間Tex2を経過した時点より前)の場合は、制御処理部3は、ステップS147で最新に得た予測到達時点SECa2、設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm、ステップS143で最新に取得した候補時間T2x、主道路下り側の隣接交差点CRxの主道路20の上り方向の流入路R2xについて予め設定された飽和交通流S2x、及び、自交差点CRの主道路20の上り方向の流入路R2について予め設定された飽和交通流S2を用いて、T2=(SECa2−SECm)+T2x・S2x/S2の式又はこの式においてS2x=S2とした式により、主道路20の自交差点CRに対する上り方向の流入路R2についての候補時間T2を算出し(ステップS155)、ステップS156へ移行する。さらにまた、制御処理部3は、SECm+Tb2+Tex2≦SECa2(予測到達時点SECa2が、青開始時点SECmから基本時間Tb2及び余裕時間Tex2を経過した時点以後)の場合は、制御処理部3は、ステップS141で最新に算出した基本時間Tb2を用いて、T2=Tb2の式により、主道路20の自交差点CRに対する上り方向の流入路R2についての候補時間T2を算出し(ステップS157)、ステップS158へ移行する。
ステップS150,S153,S156,S158においてそれぞれ、制御処理部3は、候補時間T2を基準とした主道路上り方向の遅れ時間配列Dg2Arrayを算出する。
ここで、ステップS150の処理の内容について、図40を参照して説明する。制御処理部3は、ステップS150の処理を開始すると、まず、ステップS149で最新に算出された候補時間T2及びステップS141で最新に算出された基本時間Tb1を最も近い整数に丸め込む(ステップS241)。次いで、制御処理部3は、遅れ時間配列Dg2Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする(ステップS242)。引き続いて、制御処理部3は、Dg2Array[j]=(1/2)・Tb2・n2+Tb2・(T2−Tb2)・S2+(1/2)・S2・j・{2・(Ym+2AR+Rm)+j}の式により、Dg2Array[j]を算出する(ステップS243)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS244)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT2−Tb21よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS243へ戻る一方、YESであれば、ステップS150の処理を終了し、図28中のステップS31へ移行する。
また、図33中のステップS153の処理の内容について、図41を参照して説明する。制御処理部3は、ステップS153の処理を開始すると、まず、ステップS152で最新に算出された候補時間T2及びステップS141で最新に算出された基本時間Tb2を最も近い整数に丸め込む(ステップS251)。次いで、制御処理部3は、遅れ時間配列Dg2Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする(ステップS252)。引き続いて、制御処理部3は、Dg2Array[j]=(1/2)・Tb2・n2+{Tb2−(SECa2−SECm)}・(T2−Tb2)・S2+(1/2)・S2・j・{2・(Ym+2AR+Rm)+j}の式により、Dg2Array[j]を算出する(ステップS253)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS254)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT2−Tb2よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS253へ戻る一方、YESであれば、ステップS153の処理を終了し、図28中のステップS31へ移行する。
さらに、図33中のステップS156の処理の内容について、図42を参照して説明する。制御処理部3は、ステップS156の処理を開始すると、まず、ステップS155で最新に算出された候補時間T2及びステップS141で最新に算出された基本時間Tb2を最も近い整数に丸め込む(ステップS261)。次いで、制御処理部3は、遅れ時間配列Dg2Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする(ステップS262)。引き続いて、制御処理部3は、j<T2−(SECa2−SECm)であるか否かを判定し、YESであればステップS264へ移行し、NOであればステップS265へ移行する。ステップS264において、制御処理部3は、Dg2Array[j]=(1/2)・Tb2・n2+(1/2)・S2・j・{2・(Ym+2AR+Rm)+j}の式により、Dg2Array[j]を算出し、ステップS266へ移行する。ステップS265において、制御処理部3は、Dg2Array[j]=(1/2)・Tb2・n2+(1/2)・S2・{T2−(SECa2−SECm)}・[2・(Ym+2AR+Rm)+{T2−(SECa2−SECm)}]の式により、Dg2Array[j]を算出し、ステップS266へ移行する。ステップS266において、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする。その後、制御処理部3は、カウンタjがT1−Tb1よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS263へ戻る一方、YESであれば、ステップS156の処理を終了し、図28中のステップS31へ移行する。
さらにまた、図33中のステップS158の処理の内容について、図43を参照して説明する。制御処理部3は、ステップS158の処理を開始すると、まず、ステップS157で最新に算出された候補時間T2及びステップS141で最新に算出された基本時間Tb2を最も近い整数に丸め込む(ステップS271)。次いで、制御処理部3は、遅れ時間配列Dg2Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする(ステップS272)。引き続いて、制御処理部3は、Dg2Array[j]=(1/2)・Tb2・n2の式により、Dg2Array[j]を算出する(ステップS273)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS274)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT2−Tb2よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS273へ戻る一方、YESであれば、ステップS158の処理を終了し、図28中のステップS31へ移行する。
ステップS31において、制御処理部3は、ステップS27で最新に得た候補時間T1とステップS28で最新に得た候補時間T2とによって、T1≧T2であるか否かを判定する。YESの場合は、第1の基準時間TKとして候補時間T1を採用し、ステップS32へ移行する。一方、NOの場合は、第1の基準時間TKとして候補時間T2を採用し、ステップS52へ移行する。
ステップS32において、制御処理部3は、候補時間T1を基準とした従道路下り方向の遅れ時間配列Dg3Arrayを算出する。
ここで、このステップS32の処理の内容について、図52及び図53を参照して説明する。
ステップS32の処理を開始すると、制御処理部3は、まず、自交差点CRの交通信号制御装置1の通信部5の通信不能状態検出部6からの検出結果に基づいて、従道路上り側の隣接交差点CRyの交通信号制御装置1yから従道路上り側の隣接交差点情報の取得が可能であるか否かを判定する(ステップS361)。その取得が不能であればステップS362へ移行し、その取得が可能であればステップS366へ移行する。
ステップS362において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr3Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、Dr3Array[j]=0の式により、Dr3Array[j]を算出する(ステップS363)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS364)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT1−Tb1よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS363へ戻る一方、YESであれば、ステップS32の処理を終了し、図28中のステップS33へ移行する。
ステップS366において、制御処理部3は、従道路上り側の隣接交差点CRyから、従道路上り側の隣接交差点情報として、最新の4つの情報、すなわち、隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの青開始時点SECsyと、主道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの単独赤開始時点SECmyと、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21の下り方向の流入路R3yについて従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの青時間の候補として算出された候補時間T3y(自交差点CRの流入路R3についての候補時間T3に対応する、隣接交差点CRyの流入路R3yについての候補時間T3y)と、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの単独赤時間Rsyとを、通信回線7を介して取得する。
次いで、制御処理部3は、ステップS366で最新に取得した青開始時点SECsy及び単独赤開始時点SECmyについて、SECsy>SECmy(すなわち、青開始時点SECsyが単独赤開始時点SECmyより後)であるか否かを判定する(ステップS367)。SECsy>SECmyであれば、制御処理部3は、従道路上り側の隣接交差点CRyから自交差点CRへの予測流入車両台数を得るための基礎となる基準時点SECs0yを、ステップS366で最新に取得した青開始時点SECsyとし(ステップS368)、ステップS370へ移行する。一方、SECsy<SECmy(すなわち、青開始時点SECsyが単独赤開始時点SECmyより前)であれば、制御処理部3は、ステップS366で最新に取得した単独赤開始時点SECmy及び単独赤時間Rsyを用いるとともに全赤時間ARを用いて、SECmy+Rsy+ARで表される従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの次回の青開始時点を算出し、基準時点SECs0yを、算出した次回の青開始時点とし(ステップS369)、ステップS370へ移行する。
ステップS370において、制御処理部3は、ステップS368又はS369で決定された基準時点SECs0yと、停止線L3,L3y間の距離と予め定められた従道路21の下り方向の流入路R3についての自由流速度とから求められる旅行時間Tf3とを用いて、SECa3=SECs0y+Tf3により、予測到達時点SECa3を算出する。
その後、制御処理部3は、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm、及び、この青開始時点SECmからステップS27で最新に算出した候補時間T1及び黄時間Ymを経過した時点((SECm+T1+Ym)の時点)に対する、ステップS370で最新に得た予測到達時点SECa3の時間的な前後関係を判定する(ステップS371,S381)。そして、SECa3<SECm(予測到達時点SECa3が青開始時点SECmより前)の場合は、ステップS372へ移行する。SECm≦SECa3<SECm+T1+Ymの場合は、ステップS382へ移行する。SECm+T1+Ym≦SECa3の場合は、ステップS388へ移行する。
ステップS372において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr3Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、Dr3Array[j]=(T1+Ym−j)・{T3y−(SECm−SECa3)}・S3の式により、Dr3Array[j]を算出する(ステップS373)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS374)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT1−Tb1よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS373へ戻る一方、YESであれば、ステップS32の処理を終了し、図28中のステップS33へ移行する。
ステップS382において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr3Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、j<T1+Ym−(SECa3−SECm)であるか否かを判定し、YESであればステップS384へ移行し、NOであればステップS385へ移行する。ステップS384において、制御処理部3は、Dr3Array[j]={(T1+Ym−j)−(SECa3−SECm)}・T3y・S3の式により、Dr3Array[j]を算出し、ステップS386へ移行する。ステップS385において、制御処理部3は、Dr3Array[j]=0の式により、Dr3Array[j]を算出し、ステップS386へ移行する。ステップS386において、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする。その後、制御処理部3は、カウンタjがT1−Tb1よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS383へ戻る一方、YESであれば、ステップS32の処理を終了し、図28中のステップS33へ移行する。
ステップS388において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr3Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、Dr3Array[j]=0の式により、Dr3Array[j]を算出する(ステップS389)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS390)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT1−Tb1よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS389へ戻る一方、YESであれば、ステップS32の処理を終了し、図28中のステップS33へ移行する。
ステップS33において、制御処理部3は、候補時間T1を基準とした従道路上り方向の遅れ時間配列Dg4Arrayを算出する。
ここで、このステップS33の処理の内容について、図54及び図55を参照して説明する。
ステップS33の処理を開始すると、制御処理部3は、まず、自交差点CRの交通信号制御装置1の通信部5の通信不能状態検出部6からの検出結果に基づいて、従道路下り側の隣接交差点CRzの交通信号制御装置1zから従道路下り側の隣接交差点情報の取得が可能であるか否かを判定する(ステップS401)。その取得が不能であればステップS402へ移行し、その取得が可能であればステップS406へ移行する。
ステップS402において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr4Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、Dr4Array[j]=0の式により、Dr4Array[j]を算出する(ステップS403)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS404)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT1−Tb1よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS403へ戻る一方、YESであれば、ステップS33の処理を終了し、図28中のステップS34へ移行する。
ステップS406において、制御処理部3は、従道路下り側の隣接交差点CRzから、従道路下り側の隣接交差点情報として、最新の4つの情報、すなわち、隣接交差点CRzの従道路21用の交通信号機A3z,A4zの青開始時点SECszと、主道路下り側の隣接交差点CRzの従道路21用の交通信号機A3z,A4zの単独赤開始時点SECmzと、従道路上り側の隣接交差点CRzの従道路21の上り方向の流入路R4zについて従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3z,A4zの青時間の候補として算出された候補時間T4z(自交差点CRの流入路R4についての候補時間T4に対応する、隣接交差点CRzの流入路R4zについての候補時間T4z)と、従道路下り側の隣接交差点CRzの従道路21用の交通信号機A3z,A4zの単独赤時間Rszとを、通信回線7を介して取得する。
次いで、制御処理部3は、ステップS406で最新に取得した青開始時点SECsz及び単独赤開始時点SECmzについて、SECsz>SECmz(すなわち、青開始時点SECszが単独赤開始時点SECmzより後)であるか否かを判定する(ステップS367)。SECsz>SECmzであれば、制御処理部3は、従道路下り側の隣接交差点CRzから自交差点CRへの予測流入車両台数を得るための基礎となる基準時点SECs0zを、ステップS406で最新に取得した青開始時点SECszとし(ステップS408)、ステップS370へ移行する。一方、SECsz<SECmz(すなわち、青開始時点SECszが単独赤開始時点SECmzより前)であれば、制御処理部3は、ステップS406で最新に取得した単独赤開始時点SECmz及び単独赤時間Rszを用いるとともに全赤時間ARを用いて、SECmz+Rsz+ARで表される従道路下り側の隣接交差点CRzの従道路21用の交通信号機A3z,A4zの次回の青開始時点を算出し、基準時点SECs0zを、算出した次回の青開始時点とし(ステップS409)、ステップS410へ移行する。
ステップS410において、制御処理部3は、ステップS408又はS409で決定された基準時点SECs0zと、停止線L4,L4z間の距離と予め定められた従道路21の上り方向の流入路R4についての自由流速度とから求められる旅行時間Tf4とを用いて、SECa4=SECs0z+Tf4により、予測到達時点SECa4を算出する。
その後、制御処理部3は、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm、及び、この青開始時点SECmからステップS27で最新に算出した候補時間T1及び黄時間Ymを経過した時点((SECm+T1+Ym)の時点)に対する、ステップS410で最新に得た予測到達時点SECa4の時間的な前後関係を判定する(ステップS411,S421)。そして、SECa4<SECm(予測到達時点SECa4が青開始時点SECmより前)の場合は、ステップS412へ移行する。SECm≦SECa4<SECm+T1+Ymの場合は、ステップS422へ移行する。SECm+T1+Ym≦SECa4の場合は、ステップS428へ移行する。
ステップS412において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr4Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、Dr4Array[j]=(T1+Ym−j)・{T4z−(SECm−SECa4)}・S4の式により、Dr4Array[j]を算出する(ステップS413)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS414)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT1−Tb1よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS413へ戻る一方、YESであれば、ステップS33の処理を終了し、図28中のステップS34へ移行する。
ステップS422において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr4Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、j<T1+Ym−(SECa4−SECm)であるか否かを判定し、YESであればステップS424へ移行し、NOであればステップS425へ移行する。ステップS424において、制御処理部3は、Dr4Array[j]={(T1+Ym−j)−(SECa4−SECm)}・T4z・S4の式により、Dr4Array[j]を算出し、ステップS426へ移行する。ステップS425において、制御処理部3は、Dr4Array[j]=0の式により、Dr4Array[j]を算出し、ステップS426へ移行する。ステップS426において、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする。その後、制御処理部3は、カウンタjがT1−Tb1よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS423へ戻る一方、YESであれば、ステップS33の処理を終了し、図28中のステップS34へ移行する。
ステップS428において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr4Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、Dr4Array[j]=0の式により、Dr4Array[j]を算出する(ステップS429)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS430)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT1−Tb1よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS429へ戻る一方、YESであれば、ステップS33の処理を終了し、図28中のステップS34へ移行する。
ステップS34において、制御処理部3は、Dr3Array[0]≧Dr4Array[0]であるか否かを判定し、YESであればステップS35へ移行し、NOであればステップS36へ移行する。
ステップS35において、制御処理部3は、DArray=Dg1Array+Dr3Arrayの式により、総遅れ時間配列DArrayを算出し、ステップS37へ移行する。ステップS36において、DArray=Dg1Array+Dr4Arrayの式により、総遅れ時間配列DArrayを算出し、ステップS37へ移行する。
ステップS37において、制御処理部3は、ステップS35又はS36で算出した総遅れ時間配列DArrayにより、候補時間T1に対して短縮処理を行う。
ここで、このステップS37の処理の内容について、図68を参照して説明する。ステップS37の処理を開始すると、制御処理部3は、まず、短縮すべき時間を示すカウンタiを0にリセットする(ステップS681)。次いで、制御処理部3は、カウンタiがT1−Tb1よりも小さい否かを判定し(ステップS682)、YESであればステップS683へ移行し、NOであればステップS685へ移行する。ステップS683において、DArray[i]>DArray[i+1]であるか否かを判定し、YESであればステップS684へ移行し、NOであればステップS686へ移行する。ステップS684において、制御処理部3は、カウンタiを1だけインクリメントし、ステップS682へ戻る。ステップS685において、制御処理部3は、カウンタiを(T1−Tb1)とし、ステップS686へ移行する。ステップS686において、候補時間T1からiだけ短縮した時間を、短縮処理後の時間T1’として得る。その後、ステップS37の処理を終了し、図28中のステップS38へ移行する。
図28中のステップS52において、制御処理部3は、候補時間T2を基準とした従道路下り方向の遅れ時間配列Dg3Arrayを算出する。
ここで、このステップS52の処理の内容について、図56及び図57を参照して説明する。
ステップS52の処理を開始すると、制御処理部3は、まず、自交差点CRの交通信号制御装置1の通信部5の通信不能状態検出部6からの検出結果に基づいて、従道路上り側の隣接交差点CRyの交通信号制御装置1yから従道路上り側の隣接交差点情報の取得が可能であるか否かを判定する(ステップS441)。その取得が不能であればステップS442へ移行し、その取得が可能であればステップS446へ移行する。
ステップS442において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr3Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、Dr3Array[j]=0の式により、Dr3Array[j]を算出する(ステップS443)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS444)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT2−Tb2よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS443へ戻る一方、YESであれば、ステップS52の処理を終了し、図28中のステップS53へ移行する。
ステップS446において、制御処理部3は、従道路上り側の隣接交差点CRyから、従道路上り側の隣接交差点情報として、最新の4つの情報、すなわち、隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの青開始時点SECsyと、主道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの単独赤開始時点SECmyと、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21の下り方向の流入路R3yについて従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの青時間の候補として算出された候補時間T3y(自交差点CRの流入路R3についての候補時間T3に対応する、隣接交差点CRyの流入路R3yについての候補時間T3y)と、従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの単独赤時間Rsyとを、通信回線7を介して取得する。
次いで、制御処理部3は、ステップS446で最新に取得した青開始時点SECsy及び単独赤開始時点SECmyについて、SECsy>SECmy(すなわち、青開始時点SECsyが単独赤開始時点SECmyより後)であるか否かを判定する(ステップS447)。SECsy>SECmyであれば、制御処理部3は、従道路上り側の隣接交差点CRyから自交差点CRへの予測流入車両台数を得るための基礎となる基準時点SECs0yを、ステップS446で最新に取得した青開始時点SECsyとし(ステップS448)、ステップS450へ移行する。一方、SECsy<SECmy(すなわち、青開始時点SECsyが単独赤開始時点SECmyより前)であれば、制御処理部3は、ステップS446で最新に取得した単独赤開始時点SECmy及び単独赤時間Rsyを用いるとともに全赤時間ARを用いて、SECmy+Rsy+ARで表される従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3y,A4yの次回の青開始時点を算出し、基準時点SECs0yを、算出した次回の青開始時点とし(ステップS449)、ステップS450へ移行する。
ステップS450において、制御処理部3は、ステップS448又はS449で決定された基準時点SECs0yと、停止線L3,L3y間の距離と予め定められた従道路21の下り方向の流入路R3についての自由流速度とから求められる旅行時間Tf3とを用いて、SECa3=SECs0y+Tf3により、予測到達時点SECa3を算出する。
その後、制御処理部3は、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm、及び、この青開始時点SECmからステップS28で最新に算出した候補時間T2及び黄時間Ymを経過した時点((SECm+T2+Ym)の時点)に対する、ステップS450で最新に得た予測到達時点SECa3の時間的な前後関係を判定する(ステップS451,S461)。そして、SECa3<SECm(予測到達時点SECa3が青開始時点SECmより前)の場合は、ステップS452へ移行する。SECm≦SECa3<SECm+T2+Ymの場合は、ステップS462へ移行する。SECm+T2+Ym≦SECa3の場合は、ステップS468へ移行する。
ステップS452において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr3Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、Dr3Array[j]=(T2+Ym−j)・{T3y−(SECm−SECa3)}・S3の式により、Dr3Array[j]を算出する(ステップS453)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS454)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT2−Tb2よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS453へ戻る一方、YESであれば、ステップS52の処理を終了し、図28中のステップS53へ移行する。
ステップS462において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr3Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、j<T2+Ym−(SECa3−SECm)であるか否かを判定し、YESであればステップS464へ移行し、NOであればステップS465へ移行する。ステップS464において、制御処理部3は、Dr3Array[j]={(T2+Ym−j)−(SECa3−SECm)}・T3y・S3の式により、Dr3Array[j]を算出し、ステップS466へ移行する。ステップS465において、制御処理部3は、Dr3Array[j]=0の式により、Dr3Array[j]を算出し、ステップS466へ移行する。ステップS466において、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする。その後、制御処理部3は、カウンタjがT2−Tb2よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS463へ戻る一方、YESであれば、ステップS52の処理を終了し、図28中のステップS53へ移行する。
ステップS468において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr3Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、Dr3Array[j]=0の式により、Dr3Array[j]を算出する(ステップS469)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS470)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT2−Tb2よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS469へ戻る一方、YESであれば、ステップS52の処理を終了し、図28中のステップS53へ移行する。
ステップS53において、制御処理部3は、候補時間T2を基準とした従道路上り方向の遅れ時間配列Dg4Arrayを算出する。
ここで、このステップS53の処理の内容について、図58及び図59を参照して説明する。
ステップS53の処理を開始すると、制御処理部3は、まず、自交差点CRの交通信号制御装置1の通信部5の通信不能状態検出部6からの検出結果に基づいて、従道路下り側の隣接交差点CRzの交通信号制御装置1zから従道路下り側の隣接交差点情報の取得が可能であるか否かを判定する(ステップS481)。その取得が不能であればステップS482へ移行し、その取得が可能であればステップS486へ移行する。
ステップS482において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr4Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、Dr4Array[j]=0の式により、Dr4Array[j]を算出する(ステップS483)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS484)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT2−Tb2よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS483へ戻る一方、YESであれば、ステップS53の処理を終了し、図28中のステップS54へ移行する。
ステップS486において、制御処理部3は、従道路下り側の隣接交差点CRzから、従道路下り側の隣接交差点情報として、最新の4つの情報、すなわち、隣接交差点CRzの従道路21用の交通信号機A3z,A4zの青開始時点SECszと、主道路下り側の隣接交差点CRzの従道路21用の交通信号機A3z,A4zの単独赤開始時点SECmzと、従道路上り側の隣接交差点CRzの従道路21の上り方向の流入路R4zについて従道路上り側の隣接交差点CRyの従道路21用の交通信号機A3z,A4zの青時間の候補として算出された候補時間T4z(自交差点CRの流入路R4についての候補時間T4に対応する、隣接交差点CRzの流入路R4zについての候補時間T4z)と、従道路下り側の隣接交差点CRzの従道路21用の交通信号機A3z,A4zの単独赤時間Rszとを、通信回線7を介して取得する。
次いで、制御処理部3は、ステップS486で最新に取得した青開始時点SECsz及び単独赤開始時点SECmzについて、SECsz>SECmz(すなわち、青開始時点SECszが単独赤開始時点SECmzより後)であるか否かを判定する(ステップS487)。SECsz>SECmzであれば、制御処理部3は、従道路下り側の隣接交差点CRzから自交差点CRへの予測流入車両台数を得るための基礎となる基準時点SECs0zを、ステップS406で最新に取得した青開始時点SECszとし(ステップS488)、ステップS490へ移行する。一方、SECsz<SECmz(すなわち、青開始時点SECszが単独赤開始時点SECmzより前)であれば、制御処理部3は、ステップS486で最新に取得した単独赤開始時点SECmz及び単独赤時間Rszを用いるとともに全赤時間ARを用いて、SECmz+Rsz+ARで表される従道路下り側の隣接交差点CRzの従道路21用の交通信号機A3z,A4zの次回の青開始時点を算出し、基準時点SECs0zを、算出した次回の青開始時点とし(ステップS489)、ステップS490へ移行する。
ステップS490において、制御処理部3は、ステップS488又はS489で決定された基準時点SECs0zと、停止線L4,L4z間の距離と予め定められた従道路21の上り方向の流入路R4についての自由流速度とから求められる旅行時間Tf4とを用いて、SECa4=SECs0z+Tf4により、予測到達時点SECa4を算出する。
その後、制御処理部3は、自交差点CRの主道路20用の交通信号機A1,A2の設定すべき次回の青時間Gmの青開始時点SECm、及び、この青開始時点SECmからステップS28で最新に算出した候補時間T2及び黄時間Ymを経過した時点((SECm+T2+Ym)の時点)に対する、ステップS490で最新に得た予測到達時点SECa4の時間的な前後関係を判定する(ステップS491,S501)。そして、SECa4<SECm(予測到達時点SECa4が青開始時点SECmより前)の場合は、ステップS492へ移行する。SECm≦SECa4<SECm+T2+Ymの場合は、ステップS502へ移行する。SECm+T2+Ym≦SECa4の場合は、ステップS508へ移行する。
ステップS492において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr4Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、Dr4Array[j]=(T2+Ym−j)・{T4z−(SECm−SECa4)}・S4の式により、Dr4Array[j]を算出する(ステップS493)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS494)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT2−Tb2よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS493へ戻る一方、YESであれば、ステップS53の処理を終了し、図28中のステップS54へ移行する。
ステップS502において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr4Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、j<T2+Ym−(SECa4−SECm)であるか否かを判定し、YESであればステップS504へ移行し、NOであればステップS505へ移行する。ステップS504において、制御処理部3は、Dr4Array[j]={(T2+Ym−j)−(SECa4−SECm)}・T4z・S4の式により、Dr4Array[j]を算出し、ステップS506へ移行する。ステップS505において、制御処理部3は、Dr4Array[j]=0の式により、Dr4Array[j]を算出し、ステップS506へ移行する。ステップS506において、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする。その後、制御処理部3は、カウンタjがT2−Tb2よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS503へ戻る一方、YESであれば、ステップS53の処理を終了し、図28中のステップS54へ移行する。
ステップS508において、制御処理部3は、遅れ時間配列Dr4Arrayの要素番号(短縮時間に相当)となるカウンタjを0にリセットする。引き続いて、制御処理部3は、Dr4Array[j]=0の式により、Dr4Array[j]を算出する(ステップS509)。次いで、制御処理部3は、カウンタjを1だけインクリメントする(ステップS510)。その後、制御処理部3は、カウンタjがT2−Tb2よりも大きいか否かを判定し、NOであればステップS509へ戻る一方、YESであれば、ステップS53の処理を終了し、図28中のステップS54へ移行する。
ステップS54において、制御処理部3は、Dr3Array[0]≧Dr4Array[0]であるか否かを判定し、YESであればステップS55へ移行し、NOであればステップS56へ移行する。
ステップS55において、制御処理部3は、DArray=Dg2Array+Dr3Arrayの式により、総遅れ時間配列DArrayを算出し、ステップS57へ移行する。ステップS56において、DArray=Dg2Array+Dr4Arrayの式により、総遅れ時間配列DArrayを算出し、ステップS57へ移行する。
ステップS57において、制御処理部3は、ステップS55又はS56で算出した総遅れ時間配列DArrayにより、候補時間T2に対して短縮処理を行う。
ここで、このステップS57の処理の内容について、図69を参照して説明する。ステップS57の処理を開始すると、制御処理部3は、まず、短縮すべき時間を示すカウンタiを0にリセットする(ステップS691)。次いで、制御処理部3は、カウンタiがT2−Tb2よりも小さい否かを判定し(ステップS692)、YESであればステップS693へ移行し、NOであればステップS695へ移行する。ステップS693において、DArray[i]>DArray[i+1]であるか否かを判定し、YESであればステップS694へ移行し、NOであればステップS696へ移行する。ステップS694において、制御処理部3は、カウンタiを1だけインクリメントし、ステップS692へ戻る。ステップS695において、制御処理部3は、カウンタiを(T2−Tb2)とし、ステップS696へ移行する。ステップS696において、候補時間T2からiだけ短縮した時間を、短縮処理後の時間T2’として得る。その後、ステップS57の処理を終了し、図28中のステップS58へ移行する。
図28中のステップS38において、制御処理部3は、ステップS37で得た短縮処理後の時間T1’に関して、自交差点CRの主道路20の交通信号機A1,A2の青時間Gmに対して予め設定した最小値Gmin1及び最大値Gmax1を用いた判定(ステップS38,S39)を行い、Gmax1≧T1’≧Gmin1の場合に自交差点CRの主道路20の交通信号機A1,A2の次回の青時間GmをT1’に設定し(ステップS40)、T1’<Gmin1の場合に自交差点CRの主道路20の交通信号機A1,A2の次回の青時間GmをGmin1に設定し(ステップS42)、T1’>Gmax1の場合に自交差点CRの主道路20の交通信号機A1,A2の次回の青時間GmをGmax1に設定する(ステップS41)。
また、図28中のステップS58において、制御処理部3は、ステップS57で得た短縮処理後の時間T2’に関して、前記最小値Gmin1及び前記最大値Gmax1を用いた判定(ステップS58,S59)を行い、Gmax1≧T2’≧Gmin1の場合に自交差点CRの主道路20の交通信号機A1,A2の次回の青時間GmをT2’に設定し(ステップS43)、T2’<Gmin1の場合に自交差点CRの主道路20の交通信号機A1,A2の次回の青時間GmをGmin1に設定し(ステップS42)、T2’>Gmax1の場合に自交差点CRの主道路20の交通信号機A1,A2の次回の青時間GmをGmax1に設定する(ステップS41)。
もっとも、本発明では、最小値Gmin1及び最大値Gmax1の両方又はいずれか一方を用いなくてもよい。
ステップS40〜S43の後に、制御処理部3は、自交差点CRの従道路21の交通信号機A3,A4の次回の単独赤時間Rsを、Rs=Gm+Ymにより算出する(ステップS60)。
引き続いて、制御処理部3は、ステップS24の時点から全赤時間ARを経過したか否かを判定する(ステップS61)。制御処理部3は、全赤時間ARを経過していなければ全赤時間ARを経過するまで待ち、全赤時間ARを経過すると、自交差点CRの主道路20の交通信号機A1,A2に赤信号表示を終了させて青信号表示を開始させる(ステップS71)。
次に、制御処理部3は、ステップS27,S28で最新に算出された候補時間T1,T2を、隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzの交通信号制御装置1w,1x,1y,1zへ供給するための情報の1つとして、内部メモリに保存し(ステップS72)、ステップS73へ移行する。この候補時間T1,T2は、上書き保存されて最新のもののみが保持される。また、この候補時間T1,T2は、隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzの交通信号制御装置1w,1x,1y,1zからの各取得要求に応じて、通信回線7を介して隣接交差点CRw,CRx,CRzの交通信号制御装置1w,1x,1y,1zにそれぞれ供給される。
ところで、図29中のステップS73から図31中のステップS114までの処理は、前述した図26中のステップS8から図29中のステップS72までの処理と対応している。前者の処理と後者の処理とでは、主道路20の交通信号機A1,A1の立場と従道路21の交通信号機A3,A4の立場とが入れ替わっているにすぎない。よって、ここでは、図29中のステップS73から図31中のステップS114までの処理の説明は省略する。
以上の説明からわかるように、本実施の形態では、主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青信号表示時間について説明すると、主道路20用の第1の交通信号機A1,A2の赤信号中に得られた主道路20の自交差点CRに対する各流入路R1,R2の交通状況情報、及び、主道路20上の両側の隣接交差点CRw,CRxの隣接交差点情報に基づいて、前記第1の基準時間TKが取得される。主道路20用の交通信号機A1,A2の赤信号中に得られた主道路20の自交差点CRに対する各流入路R1,R2の交通状況情報、並びに、主道路20上の両側及び従道路21上の両側の隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzの隣接交差点情報に基づいて、前記第1の基準時間TK以内の各時間について、主道路20及び従道路21の自交差点CRに対する各流入路R1〜R4の遅れ時間が予測される。そして、この予測結果に基づいて、主道路20用の交通信号機A1,A2の次回の青信号表示時間が設定される。
また、主道路21用の交通信号機A3,A4の次回の青信号表示時間について説明すると、従道路21用の第1の交通信号機A3,A4の赤信号中に得られた従道路21の自交差点CRに対する各流入路R3,R4の交通状況情報、及び、従道路21上の両側の隣接交差点CRy,CRzの隣接交差点情報に基づいて、第2の基準時間が取得される。従道路21用の交通信号機A3,A4の赤信号中に得られた従道路21の自交差点CRに対する各流入路R3,R4の交通状況情報、並びに、主道路20上の両側及び従道路21上の両側の隣接交差点CRw,CRx,CRy,CRzの隣接交差点情報に基づいて、前記第2の基準時間以内の各時間について、主道路20及び従道路21の自交差点CRに対する各流入路R1〜R4の遅れ時間が予測される。そして、この予測結果に基づいて、従道路21用の交通信号機A3,A4の次回の青信号表示時間が設定される。
このように、本実施の形態では、現在の一方の道路の交通信号機の青信号表示時間は、その直前の当該交通信号機の赤信号表示時間中に得られた情報に基づいて、決定される。したがって、本実施の形態によれば、1サイクルの途中で交通状況が急激に変動しても、これに対して、迅速に追従した交通信号制御を実現することができる。そして、本実施の形態では、一方の道路上の隣接交差点の隣接交差点情報のみならず他方の道路上の隣接交差点の隣接交差点情報にも基づいて設定されるので、いずれの道路上において隣接する交差点の交通信号機とも十分に連係した交通信号制御を実現することができ、交差する道路が両方とも幹線道路であるような交差点の交通信号機であってもより適切に制御し得る。さらに、本実施の形態では、このような連係は、自交差点CRの交通信号機A1〜A4の制御を行う交通信号制御装置1が隣接交差点情報を取得するだけで実現され、エリア200内の複数の交差点の交通信号機の全体を制御する中央制御装置を用いるものではないので、各交差点毎に分散していて制御対象エリア200内の交差点の数等が異なる場合でも簡単に対応することができる。
以上、本発明の一実施の形態による交通信号システムについて説明したが、本発明は、このような交通信号システムやこれに用いられている交通信号制御装置に限定されるものではない。
例えば、前記実施の形態は、各交差点において交差する2つの道路が片側1車線の道路の例であったが、本発明は、各交差点において交差する2つの道路の両方又は一方が片側複数車線の道路の場合にも適用することができる。