JP2008096294A - 曲がり形状測定方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼管などの円筒状長尺材料で、特に局所的な曲がりが小さい材料の、材料全長に亘る空間的に長波長の曲がり形状を高精度で求めるのに適した、曲がり形状測定方法および装置を提供することを目的とする。
【解決手段】材料が距離d/m(mは自然数)だけ搬送される毎の変位測定値を得、これらの測定値と前記材料の軸方向d/m間隔の形状データS1、S2、S3、…を関連付ける方程式を立て、前記材料の局所的な形状変化Si−2Si+1+Si+2(i=1、2、3、…)の前記材料全長に亘る2乗和が最小になるように上記方程式を解く。
【選択図】図2

Description

本発明は、鋼管などの円筒状長尺材料の曲がり形状を測定する方法および装置に関するものであり、特に、局所的な曲がりが小さい材料の、材料全長に亘る空間的に長波長の曲がり形状を高精度で求めるのに適した曲がり形状測定方法および装置に関するものである。
なお、本明細書では測定対象として、UOE鋼管やシームレス鋼管などの鋼管について主に記載するが、本発明の適用先はこれに限定されるものではなく、円筒状の長尺材料の曲がり形状を測定する場合にも適当できるものである。
円筒状長尺材料のうち、例えば鋼管の曲がり形状は、外径や肉厚などとともに重要な製品寸法の一つであり、曲がり形状を精度良く測定することは品質管理上および品質保証上、極めて重要である。
このため従来からの、鋼管の曲がり形状を測定する方法としては、鋼管軸方向に沿って水糸を張り、軸方向に沿って水糸と鋼管表面との間隔を測定者が直尺などを用いて目視で測定する方法が一般的であった。
しかしこの方法では、(1)鋼管を静止させて測定する必要があるため生産性を阻害する、(2)鋼管の特定方向(水糸を張った方向)の曲がり形状しか測定できない、(3)測定の作業性を考えると軸方向の測定点数をあまり多くすることができない、(4)目視読み取りに起因する測定者の個人差が避けられず、測定精度の信頼性が必ずしも十分でない、といった問題があった。このうち(2)の問題点は、鋼管の断面方向の複数箇所に水糸を張り変えて測定すれば解消できるが、このようにすると曲がり形状測定に更に多くの手間と時間がかかるという問題が生ずる。
そこで、鋼管の曲がり形状を客観的に自動測定する手法が、従来からいくつか提案されている。たとえば特許文献1には、鋼管搬送方向の等間隔の3箇所に配置された超音波距離計によって、鋼管内面までの距離x1、 x2、 x3をそれぞれ測定し、これらの測定値から得られる曲がり指標値δx≡(x1+x3)/2−x2の大きさと極性に基づいて鋼管の曲がりを評価する方法が提案されている。
また特許文献2には、鋼管搬送方向3箇所に設置したレーザ発生装置から、ライン状のレーザビームを鋼管上に照射し、その輝線を撮像装置で撮像し、輝線の位置情報から鋼管の上下方向あるいは左右方向の曲がりを検知する方法が開示されている。本装置では、鋼管の曲がり形状を2次以上の多項式関数で近似し、撮像位置データをこの多項式に最小二乗フィッティングさせて鋼管の曲がりを求めるようにしている。
また一般に、3個の距離計の測定値から長尺材料の真直度(曲がりプロフィール)を算出する方法として、「3点法」が知られている(特許文献3参照)。これは、搬送方向に3個の距離計を配置させ、各距離計によって測定対象材までの距離x1、 x2、 x3を測定し、これらの測定値から得られる曲がり指標値δx≡(x1+x3)/2−x2をフーリエ級数展開した後、各周波数成分毎に、距離計の配置間隔と材料長さで決まる係数を乗じて形状を算出する手法である。
また特許文献4には、周方向および軸方向(長手方向)に配置した6個の変位検出器によって、「円筒体を回転しながら」変位を測定して断面形状の心ずれ量を求め、これを長手方向に連結することによって3次元形状を求める技術が開示されている。
また特許文献5には、周方向に配置した3個の変位センサによって、鋼管の断面中心位置を求め、(鋼管を長手方向に移動しながら測定することによって)この中心位置データを長手方向に連結することによって3次元形状を求める技術が開示されている。
さらに特許文献6には、測定開始位置のずれたM組のデータ列に対して、それぞれ逐次2点法の演算を行い、これらを統合して形状を算出する真直形状測定方法が開示されている。
特開平6−71359号公報 特開平5−196438号公報 特開平9−53931号公報 特開2004−264191号公報 特開2003−262514号公報 特開平9−210668号公報
しかしながら、特許文献1の方法には、鋼管の曲がり量の絶対値を検知することができないという問題があった。すなわち、3個の距離計の測定値x1、 x2、 x3から演算される曲がり指標値δx≡(x1+x3)/2−x2は、鋼管の曲がり形状と関連する量(距離計配置間隔に対応した曲がり形状の2階差分値)ではあるが、δxの値から実際の鋼管の曲がり量を算出することができないため、鋼管曲がりの品質管理あるいは品質保証には適用できないという問題があった。また本方法には、鋼管の両端部それぞれに、距離計配置間隔(実施例では1mとなっている)と同距離の測定不感帯が生じるため、鋼管全長に亘る曲がりの評価が不十分にしかできないという問題もあった。
また特許文献2の方法には、実際の鋼管の曲がり形状と、あらかじめ想定した多項式関数との一致度が悪い場合、演算誤差が大きくなり、曲がり形状を精度よく求められないという問題があった。またこの方法では、垂直曲がりまたは水平曲がりしか検出できないため、2次元的な鋼管の曲がり形状を求めることが困難であった。
また特許文献3の方法では、(1)鋼管両端部に不感帯があるため、全長に亘る曲がり量を測定できない、(2)鋼管全長に亘る大きな曲がり成分(空間的な曲がり波長が大きい成分)には、距離計の誤差が拡大されやすいため、特に、全長曲がりが重要な品質管理項目となる鋼管の曲がり形状計測では演算誤差が大きくなる、といった問題があった。
また特許文献4の方法では、変位検出器を軸方向に移動するときの2次元的な運動誤差が除去できないとともに、「鋼管を回転する」ことが必須になっているという問題があった。
また特許文献5の方法では、鋼管の断面中心位置を求める際に、鋼管搬送に伴う運動誤差(横ブレ)と鋼管の曲がりとを分離できないため、鋼管の曲がり形状を精度良く求めることができないという問題があった。
さらに特許文献6の方法は、変位センサ2個を用いた「2点法」であるため、(並進運動誤差は除去できるが)ピッキング運動誤差は除去できないため、形状演算誤差が大きい、という問題があった。また、2点法で求めた形状データは、変位センサ自体の測定誤差が測定後半になるにつれて蓄積されるために、空間的低周波成分(鋼管全長に亘る一様曲がりやS字状曲がり)が精度良く求められないという問題もあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、鋼管などの円筒状長尺材料で、特に局所的な曲がりが小さい材料の、材料全長に亘る空間的に長波長の曲がり形状を高精度で求めるのに適した、曲がり形状測定方法および装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る発明は、軸方向に搬送中の円筒状長尺材料と平行に等間隔dで配置した3個以上の変位センサにより、搬送方向と直交する方向の前記材料の変位をそれぞれ測定し、これらの測定値に基づいて前記材料の曲がり形状を算出する曲がり形状測定方法において、前記材料が距離d/m(mは自然数)だけ搬送される毎の変位測定値を得、これらの測定値と前記材料の軸方向d/m間隔の形状データS1、S2、S3、…を関連付ける方程式を立て、前記材料の局所的な形状変化Si−2Si+1+Si+2(i=1、2、3、…)の前記材料全長に亘る2乗和が最小になるように上記方程式を解くことによって、前記材料の搬送に伴う運動誤差を除去した1次元曲がり形状を求めることを特徴とする曲がり形状測定方法である。
また本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の曲がり形状測定方法において、前記間隔dを、測定対象となる前記材料の最大長さの1/8以上となるように設定することを特徴とする曲がり形状測定方法である。
また本発明の請求項3に係る発明は、軸方向に搬送中の円筒状長尺材料と平行に等間隔で配置した3個以上の変位センサの組を2組以上設け、各組の変位センサにより、搬送方向と直交する面内の相異なる方向の前記材料の変位をそれぞれ測定して、前記材料の1次元曲がり形状を求め、得られた2組以上の1次元曲がり形状および前記材料の外径から搬送方向各位置における前記材料の断面内中心位置の変位量とその変位方向を幾何学的に算出し、これらに基づいて前記材料の2次元曲がり形状を求めることを特徴とする曲がり形状測定方法である。
また本発明の請求項4に係る発明は、請求項3に記載の曲がり形状測定方法において、前記材料の1次元曲がり形状を、請求項1または請求項2に記載の曲がり形状測定方法で求めることを特徴とする曲がり形状測定方法である。
また本発明の請求項5に係る発明は、軸方向に搬送される円筒状長尺材料に対し、搬送方向と平行に、前記材料の最大長さの1/8以上となるような間隔で配置した、搬送中の前記材料の搬送方向と直交する方向の変位を測定する3個以上の変位センサと、これらの変位測定値に基づいて前記材料の1次元曲がり形状を算出する1次元曲がり形状演算手段とを備えることを特徴とする曲がり形状測定装置である。
さらに本発明の請求項6に係る発明は、軸方向に搬送される円筒状長尺材料に対し、搬送方向と平行に、前記材料の最大長さの1/8以上となるような間隔で配置した、搬送方向と直交する方向の前記材料の変位を測定する3個以上の変位センサと、これらの変位測定値に基づいて前記材料の1次元曲がり形状を算出する1次元曲がり形状演算手段を複数組備えるとともに、1次元曲がり形状演算手段で算出された各組の1次元曲がり形状と前記材料の外径から前記材料の2次元曲がり形状を演算する2次元曲がり形状演算手段を備えることを特徴とする曲がり形状測定装置である。
本発明では、搬送方向と平行に等間隔dで配置した3個以上の変位センサによって鋼管が距離d/m(mは自然数)だけ搬送される毎の変位測定値を得、これらの測定値と鋼管の軸方向d/m間隔の形状データS1,S2,S3,…を関連付ける方程式を立て、鋼管の局所的な形状変化Si−2Si+1+Si+2(i=1,2,3,…)の鋼管全長に亘る2乗和が最小になるように上記方程式を解いて鋼管の形状S1,S2,S3,…を求めるようにしたので、鋼管両端部の測定不感帯のない軸方向連続的な曲がり形状を測定できるようになり、また鋼管全長に亘る空間的に長波長の曲がり形状変化も精度よく測定できるようになった。
また本発明では上記のようにして得られた1次元曲がり形状の高精度測定値を、鋼管周方向の複数箇所でそれぞれ測定し、これらの複数組の1次元曲がり形状と鋼管の外径から鋼管の2次元曲がり形状を算出するようにしたので、鋼管の任意方向の曲がり量と曲がり方向を、軸方向連続的に正確に検出できるようになった。
本発明に係る第1の実施形態について、以下に詳述する。図1は、本発明に係る曲がり形状測定装置の構成例を示す図である。図中、10は鋼管、21〜23は変位センサ、および30は1次元曲がり形状演算手段をそれぞれ表す。
図1に示すように、軸方向に搬送される鋼管10の搬送方向zに沿って、3個の変位センサ21,22,23を所定の間隔dを隔てて配置し、それぞれの変位センサで鋼管までの距離、あるいは鋼管の搬送方向と直交する方向の変位(鋼管断面内の変位)x1, x2, x3を測定し、これらの測定値を1次元曲がり形状演算手段30で演算して鋼管の曲がり形状s(z)を求める。以上の装置構成は、前記の従来技術に提示されているものと同じものである。変位センサとしては、光学的あるいは磁気的変位計や超音波距離計などを用いることができる。また、カメラなどの撮像装置で鋼管の変位を検出するようにしてもよい。さらに、1次元曲がり形状演算手段としては、各種コンピュータなどを用いればよい。
図2は、本発明に係る曲がり形状測定方法の処理手順例を示すフローチャートであり、具体的には1次元曲がり形状演算手段30での処理内容を表わしている。すなわち、まず、3個の変位センサ21,22,23によって、鋼管の搬送中に鋼管の変位データx1(z), x2(z), x3(z) を測定する(Step 100)。次にこれらの変位データを距離d/m(mは自然数)間隔のデータx1(i), x2(i), x3(i)(i=1, 2, ...)に変換する(Step 200)。ここで自然数mは測定する鋼管の長さL、変位センサの配置間隔d、および測定すべき鋼管の曲がり形状の搬送方向分解能などによって適当な値を選定するものとする。例えばdがLに比べて十分小さく、かつ、曲がり形状分解能が低くてよい場合はm=2から5程度にする。逆に、dがLに比べてあまり小さくない場合は、m>100にした方が良い場合もある。
鋼管の搬送方向の移動量を検知するエンコーダなどを設置しておき、鋼管が距離d/m移動するタイミングと同期させて各変位センサで同時に測定を行うようにすれば、Step 200の工程は不要である。それ以外の場合は、Step 100における変位測定は、鋼管が距離d/m移動するよりも短ピッチで測定するのが望ましい。また鋼管の搬送速度Vが一定とみなせる場合には、変位センサによって等時間間隔△tでx1, x2, x3を測定し、距離(V△t)間隔のデータを距離(d/m)間隔のデータに補間して求めるようにすればよい。
以上のようにして得られた変位データx1(i), x2(i), x3(i)(i=1, 2, ...)と、鋼管の搬送方向d/m間隔の曲がり形状データS(1), S(2), S(3), ...の間には次式の関係がある。
Figure 2008096294
ここでEz(i),Ep(i)は、それぞれ搬送中の鋼管の並進運動誤差、ピッチング運動誤差を表わす。また、ε1(i),ε2(i),ε3(i)はそれぞれ変位センサ21,22,23の測定誤差を表わす。
(1)式から運動誤差を消去し、(2)式のようにおくと、(3)式のような、3個の変位センサによる各測定値と鋼管の曲がり形状の関係を表わす式が得られる。
Figure 2008096294
Figure 2008096294
前述のように従来から、(3)式の左辺の量X(i)を用いて形状を演算する諸手法が知られているが、いずれの方法も鋼管の曲がり形状測定に適用するのは困難であった。
本発明者らは、鋼管の曲がり形状について鋭意調査したところ、原則として図3に示す「一様曲がり」あるいは「S字状曲がり」のどちらかに分類できることがわかった。すなわち、例えば鋼管がW字状に曲がったり、あるいは局所的に急峻に曲がったりすることはないことが判明した。換言すれば、鋼管の全長をLとし、鋼管の曲がり形状を空間的な波長変化の観点で考えると、曲がり波長λはL/2以上とみなすことができるのである。
本発明はこのような知見に基づくものであり、鋼管の曲がり形状は局所的に見ればほぼ平坦とみなすことができることを利用するものである。すなわち、式(4)で示す、局所的な曲がり形状の2階差分値εs(i) が、鋼管全長に亘ってみれば、平均的にほぼゼロになることを利用するものである。
Figure 2008096294
具体的には、式(3)および式(4)を連立し、ε(i)およびεs(i)の2乗和が最小になるように最小2乗法で解けば、その解として、距離d/m間隔の曲がり形状データS(i)を求めることができる(Step 300)。
上記の方法では、εs(i)を最小化するため、局所的な凹凸形状が過小評価されてしまうが、これは鋼管の曲がり測定においては何ら問題にはならない。これとは逆に、従来の3点法のように、空間的な長波長成分において変位センサの測定誤差が拡大されることがないので、鋼管全長に亘る一様曲がりやS字状曲がりが精度良く測定可能となる。また上記の方法は、鋼管の片端部に高々距離d/m以下の不感帯が生ずるだけであり、mの値を大きくとることにより、両端部の不感帯を実質上無視できるレベルにできる利点がある。従来の3点法などでは、鋼管両端部にそれぞれ距離dだけの不感帯があったため、鋼管全長に亘る測定が不可能であった。
鋼管全長に亘る一様曲がりやS字状曲がりをさらに精度良く測定するためには、変位センサの配置間隔を適切な値にすることも有効である。上述のように長さLの鋼管の曲がり形状の波長λは、L/2以上とみなすことができるので、測定対象鋼管の最大長さをLmaxとすると、λ≧Lmax / 2の成分を精度良く検出すればよいことになる。ここで、等間隔dで配置した3個の変位センサで空間的波長λの正弦波状の曲がりを検出することを考える。
実際の曲がりの振幅に対する、3個の変位センサの2階差分値X(i)として検出される正弦波の振幅の比を拡大率γと呼ぶことにすると、γはλによって大きく変化し、γ≡1−cos(2πd/λ) となる(図4参照)。γ<1となる波長成分は、実際の曲がり形状よりも小さく検出されるので、γ≧1となるような波長域、すなわち、d≧λ/4の条件下で測定することが望ましい。
以上より、鋼管の全長に亘る長波長の曲がりを精度良く測定するには、d≧Lmax/8とするのが好ましい。一般に、dの値をこのように大きな値とすると空間的な高周波成分、すなわち局所的な凹凸形状などが測定できなくなる(測定感度が低くなる)が、鋼管の曲がり形状のように空間的短波長成分の検出が必要とならないケースでは、以上のようにd≧Lmax/8とするのが好適である(図5参照)。
なお、鋼管全長に亘る一様曲がりやS字状曲がりを精度良く測定するためには、各変位センサの変位測定値を平均化処理するのも有効である。すなわち各変位センサによって、鋼管がd/m移動する間に複数の変位データを採取しておき、これらを平均化処理することによってd/m移動する毎の変位データを算出する。本手法は、局所的な凹凸形状を測定する場合は不適であるが、鋼管の曲がり形状測定には有効であり、特に、各変位センサの測定精度が(鋼管の曲がり量に比べて)十分高くない場合に有効である。
次に本発明による鋼管の曲がり形状測定における第2の実施形態について、図6に示した測定装置構成例、および図7に示したフローチャート例に基づいて詳述する。
図6において変位センサ21,22,23および1次元曲がり形状演算手段31は図1に示したものと同様のものである。本実施形態では、これらの変位センサと1次元曲がり形状演算手段をそれぞれ2組設けている。2組の変位センサ21,22,23および変位センサ24,25,26は、それぞれ等間隔dで配置されており、鋼管周方向の相異なる位置において、鋼管の搬送方向と垂直な方向の変位x1,x2,x3およびy1,y2,y3を測定する。
2組の鋼管周方向の測定位置は、たとえば90°異なる方向から測定する。変位センサ21と24、22と25、および23と26は、それぞれ鋼管の搬送方向同一位置を測定するように配置する。1次元曲がり形状演算手段31および32は、それぞれ変位センサ21,22,23および変位センサ24,25,26の変位測定値を演算して、鋼管の曲がり形状s(z)およびt(z)を求める。
ここで、s(z)およびt(z)は鋼管周方向の所定位置から測定した、1次元曲がり形状である。2次元曲がり形状演算手段40は、これらの2組の1次元曲がり形状から、2次元曲がり形状を演算する。2次元曲がり形状演算手段としては、各種コンピュータなどを用いればよい。1次元曲がり形状演算手段31,32、および2次元曲がり形状演算手段40はすべて同一のコンピュータで処理するようにしてもよい。
1次元曲がり形状演算手段31および32によって、図2に示したのと同様の手順によって、それぞれ1次元曲がり形状s(i)およびt(i)を算出する(Step100〜300、101〜301)。2次元曲がり形状演算手段40は、1次元曲がり形状s(i)およびt(i)から2次元曲がり形状を算出する。この際、鋼管の外径の測定値あるいは公称外径値を使用する。
鋼管を真円とみなせる場合には、周方向2方向の鋼管の変位s(i)およびt(i)、および鋼管の外径Dから、鋼管の断面中心の変位δ(i)およびその変位方向θ(i)は幾何学的に算出できる(Step400)。こうして算出された断面中心変位とその変位方向を搬送方向につなげることにより、鋼管の2次元曲がり形状が算出できる(Step500)。なお、鋼管を真円と見なせない場合などでは、3個の変位センサおよび1次元曲がり形状演算手段を3組以上設置することによって、上記と同様の手順で2次元曲がり形状を算出することが可能になる。
以上の説明では、変位センサを搬送方向に3個設置する場合について述べたが、変位センサを搬送方向に4個以上設置して測定値に冗長性を持たせ、最小2乗法などを用いて1次元曲がり形状を求めるようにしてよい。また鋼管の曲がり形状を測定する場合について述べたが、棒鋼など他の円筒状の材料の曲がり形状を測定する場合も適用可能であることは言うまでもない。さらに、上述の1次元曲がり形状測定方法は、矩形状あるいは板状の材料などの真直度を測定する場合にも適用できる。
図8に、本発明による鋼管の曲がり形状測定の実施結果の一例を示す。本実施例は、3個のレーザ変位計を1750mm間隔で配置して、搬送中の外径600mmのUOE鋼管の1次元曲がり形状を測定したものである。図8には、同じ鋼管を静止させて水糸を用いて手動で測定した曲がり形状結果も示してある。図8より、本発明による方法によって、搬送中の鋼管の曲がり形状を高精度で自動測定できることが確認された。
図9は、本発明による鋼管の曲がり形状測定の実施結果の別の例を示す。本実施例は、3個のレーザー変位計を1750mm間隔で配置したものを2組使用して、搬送中の外径900mmのUOE鋼管の2次元曲がり形状を測定したものである。2組のレーザ変位計は図6に示すように、斜め下方から互いに90°ずらした方向で変位を測定したものである。同じ鋼管を水糸を用いて周方向45°ピッチで8箇所、手動で測定し、搬送方向各位置での曲がりの最大値(A)とその方向(B)を算出した結果を、あわせて図9に示している。図9より、本発明による方法によって、搬送中の鋼管の2次元曲がり形状を高精度で自動測定できることが確認された。
本発明に係る曲がり形状測定装置の構成例を示す図である。 本発明に係る曲がり形状測定方法の処理手順例を示すフローチャートである。 鋼管の典型的な曲がり形状を示す模式図である。 等間隔dで配置した3個の変位センサによる波長λの正弦波形状を測定した時の特性図である。 変位センサの配置間隔を説明する模式図である。 本発明に係る曲がり形状測定装置の他の構成例を示す図である。 本発明に係る曲がり形状測定方法の他の処理手順例を示すフローチャートである。 本発明に係る実施結果例を示す特性図である。 本発明に係る他の実施結果例を示す特性図である。
符号の説明
10 鋼管
21〜26 変位センサ
30〜32 1次元曲がり形状演算手段
40 2次元曲がり形状演算手段

Claims (6)

  1. 軸方向に搬送中の円筒状長尺材料と平行に等間隔dで配置した3個以上の変位センサにより、搬送方向と直交する方向の前記材料の変位をそれぞれ測定し、これらの測定値に基づいて前記材料の曲がり形状を算出する曲がり形状測定方法において、
    前記材料が距離d/m(mは自然数)だけ搬送される毎の変位測定値を得、これらの測定値と前記材料の軸方向d/m間隔の形状データS1、S2、S3、…を関連付ける方程式を立て、前記材料の局所的な形状変化Si−2Si+1+Si+2(i=1、2、3、…)の前記材料全長に亘る2乗和が最小になるように上記方程式を解くことによって、前記材料の搬送に伴う運動誤差を除去した1次元曲がり形状を求めることを特徴とする曲がり形状測定方法。
  2. 請求項1に記載の曲がり形状測定方法において、
    前記間隔dを、測定対象となる前記材料の最大長さの1/8以上となるように設定することを特徴とする曲がり形状測定方法。
  3. 軸方向に搬送中の円筒状長尺材料と平行に等間隔で配置した3個以上の変位センサの組を2組以上設け、各組の変位センサにより、搬送方向と直交する面内の相異なる方向の前記材料の変位をそれぞれ測定して、前記材料の1次元曲がり形状を求め、得られた2組以上の1次元曲がり形状および前記材料の外径から搬送方向各位置における前記材料の断面内中心位置の変位量とその変位方向を幾何学的に算出し、これらに基づいて前記材料の2次元曲がり形状を求めることを特徴とする曲がり形状測定方法。
  4. 請求項3に記載の曲がり形状測定方法において、
    前記材料の1次元曲がり形状を、請求項1または請求項2に記載の曲がり形状測定方法で求めることを特徴とする曲がり形状測定方法。
  5. 軸方向に搬送される円筒状長尺材料に対し、搬送方向と平行に、前記材料の最大長さの1/8以上となるような間隔で配置した、搬送中の前記材料の搬送方向と直交する方向の変位を測定する3個以上の変位センサと、これらの変位測定値に基づいて前記材料の1次元曲がり形状を算出する1次元曲がり形状演算手段とを備えることを特徴とする曲がり形状測定装置。
  6. 軸方向に搬送される円筒状長尺材料に対し、搬送方向と平行に、前記材料の最大長さの1/8以上となるような間隔で配置した、搬送方向と直交する方向の前記材料の変位を測定する3個以上の変位センサと、これらの変位測定値に基づいて前記材料の1次元曲がり形状を算出する1次元曲がり形状演算手段を複数組備えるとともに、
    1次元曲がり形状演算手段で算出された各組の1次元曲がり形状と前記材料の外径から前記材料の2次元曲がり形状を演算する2次元曲がり形状演算手段を備えることを特徴とする曲がり形状測定装置。
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