JP2013242184A - 丸棒材又は円筒材の曲がり量測定装置 - Google Patents

丸棒材又は円筒材の曲がり量測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】搬送ライン上を搬送中の丸棒材や円筒材の軸線方向の曲がり量を、連続的且つ正確に測定することができる曲がり量の測定装置を得る。
【解決手段】搬送ラインに平行な第1の基準平面3上に並設された平行撮像式距離計9〜11を搬送ラインに沿って3式備えた第1の距離測定手段4と、搬送ラインを中心に第1の基準平面3と90°の角度をなす方向に位置する該搬送ラインに平行な第2の基準平面5上に並設された平行撮像式距離計15〜17を、搬送ラインに沿って上記第1の距離測定手段4の平行撮像式距離計と相対する位置に3式備えた第2の距離測定手段6と、上記第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6で測定した各々3つの距離から、測定対象物2の一端点及び他端点及び中間点の空間座標を求め、これらの3点を通過する円弧を想定して一端点と他端点を結ぶ直線と中間点の距離を曲がり量として演算する電子計算機7とを備えた構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、棒鋼や鋼管等の丸棒材や円筒材の軸線方向の曲がり量を測定するものであり、さらに詳しくは、搬送ライン上を搬送中の丸棒材や円筒材の曲がり量を連続的に測定することが可能な曲がり量測定装置に関するものである。
従来、棒鋼や鋼管等の丸棒材や円筒材の軸線方向の曲がり量を測定するに際しては、例えば測定対象物の軸方向の両端に糸やピアノ線を張り、その中心付近で糸等と材料との間の隙間を物差しや隙間ゲージ等を用いて測定することが行われていた。
しかしながら、このような丸棒材や円筒材は、角材や型鋼とは異なり、明確な上下あるいは左右が存在しないことから、全周について曲がり量を測定し、その最大値を見つける必要があった。しかも、上述のような測定方法では測定誤差が非常に大きく、測定精度が低いという欠点があった。
また、丸棒材や円筒材の軸線方向長さが長い場合には、複数回に分けて曲がり量を測定する必要があり、面倒であった。
丸棒材や円筒材の軸線方向の曲がり量の測定精度を上げるため、例えば特許文献1には、丸棒材等の測定対象物を等間隔に並べた3つのVブロック上に載置し、周方向に回転させながらリニアゲージ等で軸心位置を測定して、その測定値に基づいてすることによりその測定対象物の曲がり量を演算する曲がり量測定装置が記載されている。
しかしながら、この特許文献1のものは、上述のような物差しや隙間ゲージ等を用いた場合に比べて測定精度は高いものの、測定対象物を測定の度にVブロック上に載置した上で回転させながら軸心位置を測定する必要があるため、非常に面倒であり、測定自体にも時間をある程度の時間を要するという欠点があった。
通常、棒鋼や鋼管等は搬送スピードが非常に速くて搬送数も多く、測定の度にいちいち測定対象物を移動させるのは非常に手間がかかるため生産処理能力のボトルネックとなり、作業者の負担がきわめて大きいことが考えられる。
特開平10−197239号公報
本発明の技術的課題は、搬送ライン上を搬送中の丸棒材や円筒材の軸線方向の曲がり量を、連続的且つ正確に測定することができる曲がり量の測定装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の丸棒材又は円筒材の曲がり量測定装置は、周面がV字状に形成された搬送ローラにより軸線方向に搬送される丸棒材又は円筒材からなる測定対象物の軸線方向の曲がり量を連続で測定する曲がり量測定装置であって、
測定対象物の搬送ラインに平行な第1の基準平面上に並設され、該第1の基準平面から測定対象物のエッジ位置までの距離を連続的に測定する平行撮像式距離計を搬送ラインに沿って3式備えた第1の距離測定手段と、上記搬送ラインを中心に上記第1の基準平面と90°の角度をなす方向に位置する該搬送ラインに平行な第2の基準平面上に並設され、該第2の基準平面から測定対象物のエッジ位置までの距離を連続的に測定する平行撮像式距離計を、搬送ラインに沿って上記第1の距離測定手段の平行撮像式距離計と相対する位置に3式備えた第2の距離測定手段と、上記第1の距離測定手段及び第2の距離測定手段で測定した各々3つの距離から、測定対象物の一端点及び他端点及び中間点の空間座標を求めて、これらの3点を通過する円弧を想定し、一端点と他端点を結ぶ直線と中間点の距離を曲がり量として演算する電子計算機とを備えていることを特徴とするものである。
本発明においては、上記曲がり量測定装置は、搬送ライン上を移動する測定対象物の移動距離を測定する移動距離測定手段を備えていて、上記電子計算機は、該移動距離測定手段による測定値に基づいて測定対象物の全長の曲がり量を合成演算する構成であるものとすることができる。
また、本発明においては、上記第1の距離測定手段及び第2の距離測定手段の各平行撮像式距離計は、相互に等間隔に並設されているものとすることができる。
さらに、本発明の具体的な構成態様によれば、上記第1の距離測定手段及び第2の距離測定手段の各平行撮像式距離計は、テレセントリック光学系を用いたカメラであり、上記搬送ラインを挟んだ相対する位置に、該カメラによる測定対象物のエッジ位置検出を行うための光源が配設されている。
本発明によれば、搬送ライン上を搬送中の測定対象物である丸棒材や円筒材について、搬送ラインと平行な2直線の各3つの測定基点から測定対象物の所定の各測定点までの距離をそれぞれ連続的に測定し、その測定値に基づいて測定対象物の曲がり量を該測定対象物の全長に亘って測定するため、搬送中の測定対象物の軸線方向の曲がり量を連続的且つ精度良く測定することができる。
また、測定対象物が、周面がV字状に形成された搬送ローラによって搬送されても、測定対象物の外径に関わらず、平行撮像を確実に行うことができるため、測定対象物の曲がり量の測定を安定的且つ確実に行うことができる。
本発明の曲がり量測定装置の一実施の形態を模式的に示す斜視図である。ただし、電子計算機及び移動距離測定手段、配線等は省略している。 同拡大正面図である。 本発明の曲がり量測定装置の全体構成を説明する説明図である。 本発明の曲がり量測定装置に係る平行撮像式距離計における平行撮像を説明する拡大図である。 曲がり量を算出する際の手順を説明するための説明図である。 曲がり量の算出を説明するための説明図である。 本発明の曲がり量測定装置における平行撮像式距離計の視野と測定対象物の外径との関係を模式的に示す正面図である。
図1〜図4は、本発明の丸棒材又は円筒材の曲がり量測定装置の一実施の形態を示すもので、この実施の形態の曲がり量測定装置は、円周部の軸方向の断面がV字状に形成された搬送ローラ(いわゆるVローラ)1により軸線方向に搬送される、例えば棒鋼等の断面円形状の丸棒材、又は鋼管等の円筒状に形成された円筒材からなる測定対象物2の軸線方向の曲がり量を連続で測定するものである。
即ち、この曲がり量測定装置は、測定対象物2の搬送ラインに平行な第1の基準平面3上に配設された第1の距離測定手段4と、上記第1の基準平面3とは異なる場所に位置する該搬送ラインに平行な第2の基準平面5上に配設された第2の距離測定手段6と、これらの第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6によって測定した距離に基づいて測定対象物の曲がり量を演算する電子計算機7を備えている。
上記第1の距離測定手段4は、上記第1の基準平面3上に並設され、該第1の基準平面3から測定対象物2のエッジ位置8までの距離を連続的に測定する平行撮像式距離計9〜11を3式備えたものである。
上記各平行撮像式距離計9〜11は、搬送ラインに沿って相互に等間隔となるように、搬送ラインにおける前方側位置(測定対象物の先頭側方向の位置)及び後方側位置(測定対象物の尾端側方向の位置)並びにこれら前方側と後方側との中間位置のそれぞれに配設されている。そして、各平行撮像式距離計9〜11は、計測した測定対象物2までの距離のデータをそれぞれ上記電子計算機7に出力するようになっている。
なお、この実施の形態においては、第1の距離測定手段4における3式の平行撮像式距離計のうち、搬送ラインにおける前方側位置に配設された平行撮像式距離計距離計9を前方側距離計9、後方側位置に配設された後方側平行撮像式距離計10を後方側距離計10、中間位置に配設された平行撮像式距離計11を中間位置距離計11と称するものとする。
この実施の形態においては、上記3式の平行撮像式距離計9〜11として、テレセントリックレンズを用いたカメラをそれぞれ使用しており、測定対象物2の外周面に対して平行撮像することができるようになっている。さらに、上記搬送ラインを挟んだ相対する位置には、測定対象物2の外周面に対して光を照射するLED等の第1の光源12〜14が、各カメラ毎にそれぞれ配設されている。
これにより、図4に示すように、各平行撮像式距離計9〜11は、各第1の光源12〜14から測定対象物2に対して照射された光により測定対象物2のエッジ位置8、即ち該測定対象物2が空間を仕切る境界位置を検出すると共に、該エッジ位置8までの距離を測定すること可能となっている。
なお、この実施の形態においては、前方側距離計9に対応する第1の光源に符号12、後方側距離計10に対応する第1の光源に符号13、距離計を中間位置距離計11に対応する第1の光源に符号14を付している。
また、この実施の形態では、上記第1の基準平面3は、搬送ラインの斜め上方(図1及び図2における搬送ラインの右斜め上)に位置していて、第1の距離測定手段4の平行撮像式距離計としてのカメラは、該第1の基準平面3上に一直線上に配設され、搬送ラインに対して斜め下方向に向けられていると共に、上記第1の光源12〜14はカメラ方向に対向する斜め上方向に向けて光を照射するようになっている。
なお、図1及び図2、図4に示すように、上記各第1の光源12〜14は、搬送中の測定対象物2における下面側に対して光を照射し、上記3式の平行撮像式距離計9〜11は、搬送中の測定対象物2における下面側を通る光を検知することによりエッジ位置8を検出し、該エッジ位置8までの距離を測定ことができるようになっている。
一方、上記第2の距離測定手段6は、上記第2の基準平面5上に並設され、該第2の基準平面5から測定対象物2のエッジ位置8までの距離を連続的に測定する平行撮像式距離計15〜17を、搬送ラインに沿って3式備えたものである。
上記第2の基準平面5は、図1及び図2に示すように、搬送ラインを中心として上記第1の基準平面3と90°の角度をなす方向に位置する平面であり、この第2の基準平面5上に上記3式の平行撮像式距離計15〜17が配設されている。
上記3式の平行撮像式距離計15〜17は、上記第2の基準平面5上において、搬送ラインに沿って相互に等間隔、且つ上記第1の距離測定手段の3式の平行撮像式距離計9〜11と相対する位置にそれぞれ配設されている。即ち、これらの平行撮像式距離計15〜17は、搬送ラインにおける前方側位置及び後方側位置並びにこれら前方側と後方側との中間位置のそれぞれに配設されていて、前方側位置の平行撮像式距離計(以下「前方側距離計」という。)15は上記第1の距離測定手段4における前方側距離計9と、後方側位置の平行撮像式距離計(以下「後方側距離計」という。)16は上記第1の距離測定手段4における後方側距離計10と、中間位置の平行撮像式距離計(以下「中間位置距離計」という。)17は上記第1の距離測定手段4における中間位置距離計11と、それぞれ相対する位置に配設されている。
そして、各平行撮像式距離計15〜17は、計測した測定対象物2までの距離のデータをそれぞれ上記電子計算機7に出力するようになっている。
この実施の形態においては、上記3式の平行撮像式距離計15〜17として、上記第1の距離測定手段4と同様に、テレセントリックレンズを用いたカメラをそれぞれ使用しており、測定対象物2の外周面に対して、上記第1の距離測定手段4とは異なる方向から平行撮像することができるようになっている。さらに、上記搬送ラインを挟んだ相対する位置には、測定対象物2の外周面に対して光を照射するLED等の第2の光源18〜20が、各カメラ毎にそれぞれ配設されている。
これにより、図1及び図2に示すように、各平行撮像式距離計15〜17は、各第2の光源18〜20から測定対象物2に対して照射された光により測定対象物2のエッジ位置8を検出すると共に、該エッジ位置8までの距離を測定すること可能となっている。
なお、この実施の形態においては、前方側距離計15に対応する第2の光源に符号1812、後方側距離計16に対応する第2の光源に符号19、中間位置距離計17に対応する第2の光源に符号20を付している。
また、この実施の形態では、上記第2の基準平面5は、搬送ラインを挟んだ上記第1の基準平面3とは異なる側の該搬送ラインの斜め上方(図1及び図2における左斜め上)に位置していて、第2の距離測定手段6の平行撮像式距離計としてのカメラは、該第2の基準平面5上に一直線上に配設され、搬送ラインに対して斜め下方向に向けられていると共に、上記第2の光源18〜20はカメラ方向に対向する斜め上方向に向けて光を照射するようになっている。
なお、図1及び図2に示すように、上記各第2の光源18〜20は、搬送中の測定対象物2における下面側に対して光を照射し、上記3式の平行撮像式距離計15〜17は、搬送中の測定対象物2における下面側を通る光を検知することによりエッジ位置8を検出し、該エッジ位置8までの距離を測定ことができるようになっている。
上記電子計算機7は、上記第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6の各平行撮像式距離計9〜11・15〜17と有線あるいは無線によりデータ交換が可能に連結されていて、各平行撮像式距離計9〜11・15〜17から出力された測定対象物2までの距離(厳密には各エッジ位置8までの距離)の各データが入力され、その入力された各距離のデータに基づいて所定の計算を行い、測定対象物2の曲がり量を演算するものである。
具体的に、この電子計算機7は、上記第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6の各平行撮像式距離計9〜11・15〜17で測定した各々3つ(合計6つ)の距離から、図5及び図6に示すような、測定対象物2の搬送ラインにおける前方側位置の点(以下「一端点P1」という。)と、後方側位置の点(以下「他端点P3」という。)と、一端点と他端点の中間位置の点(以下「中間点P2」という。)の空間座標を求め、これらの3点それぞれを中心とした同径の円弧を想定し、一端点と他端点を結ぶ直線と中間点の距離を曲がり量として演算する。
この実施の形態においては、上記電子計算機は、具体的には次のような演算を行うようにしている。
即ち、図5に示すように、この電子計算機7は、第1のステップとして、上記第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6における各前方側距離計9,15により計測された距離のデータから上記一端点P1の、仮想のXY平面上における空間座標(x1,y1)を求める。なお、この仮想平面は、搬送ラインの左右方向をX軸、上下方向をY軸としたものである。
同様に、上記第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6における各後方側距離計により計測された距離のデータから上記他端点P3の、上記一端点P1と同じ仮想のXY平面上における空間座標(x3,y3)を求める。さらに、上記第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6における各中間位置距離計11,17により計測された距離のデータから上記中間点P2の、上記一端点P1及び他端点P3と同じXY平面上における空間座標(x2,y2)を求める。
なお、図5に示すものの場合、上記一端点P1及び他端点P3並びに中間点P2の空間座標として、便宜上、測定対象物2の前方側位置及び後方側位置並びに中間位置における該測定対象物2の軸心の各空間座標をそれぞれ求めている。したがって、各軸心の空間座標を求めるに際しては、測定対象物2の既知の外径が一応は考慮されることとなるが、後述するように、測定対象物2の外径はほぼ一定と考えられるため、該外径の大きさ自体は曲がり量の算出に際して関係なくなる。
ここで、図5中の実線で表された円は、測定対象物2の前方側位置及び後方側位置並びに中間位置における該測定対象物2の各断面を示している。
より具体的に、上記一端点P1及び他端点P3並びに中間点P2の各空間座標の算出は、上記第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6における各前方側距離計9,15により計測された距離をxL1,yL1、各後方側距離計10,16により計測された距離をxL3,yL3、各中間位置距離計11,17により計測された距離をxL2,yL2、測定対象物2の外径をRとすると、次のように求められる。
x1=xL1+R/2 ・・・(1)
y1=yL1+R/2 ・・・(2)

x2=xL2+R/2 ・・・(3)
y2=yL2+R/2 ・・・(4)

x3=xL3+R/2 ・・・(5)
y3=yL3+R/2 ・・・(6)
第2のステップとして、図6に示すように、これらの一端点P1及び他端点P3並びに中間点P2の3点を通過する円弧(図6中の符号A)を想定し、一端点P1と他端点P3を結ぶ直線と中間点P2の距離、即ち、計測上の中間点P2と、測定対象物に曲がりがない(つまり一直線状)とした場合の理想上の中間点Pcとの距離を曲がり量mとして演算する。
ここで、理想上の中間点Pcの空間座標を(xc,yc)としたとき、xc,ycはそれぞれ次の式で表される。
xc=(x3−x1)/2+x1 ・・・(7)
yc=(y3−y1)/2+y1 ・・・(8)
また、計測上の中間点P2と理想上の中間点Pcとの間のX軸方向の距離Lx及びY軸方向の距離Lyは、それぞれ次のように表される。
Lx=xc−x2 ・・・(9)
Ly=yc−y2 ・・・(10)
上記(9)式及び(10)式に上記(7)式及び(8)式をそれぞれ代入すると、
Lx=(x3−x1)/2+x1−x2 ・・・(9)’
Ly=(y3−y1)/2+y1−y2 ・・・(10)’
となる。
そして、上記(9)’式及び(10)’式に、上記(1)式〜(6)式をそれぞれ代入すると、
Lx=(xL3−xL1)/2+xL1−xL2 ・・・(11)
Ly=(yL3−yL1)/2+yL1−yL2 ・・・(12)
となる。
このとき、これらの(11)式及び(12)式から、理想上の中間点Pcの空間座標は、計算上においては、測定対象物2の外径Rに関係なく求めることができることがわかる。
一方、図5からわかるように、上記曲がり量mは、
m=√(Lx+Ly) ・・・(13)
で表される。
したがって、曲がり量mは、この(13)式に上記(11)式及び(12)式を代入することにより、測定対象物2の外径Rに左右されることなく、第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6における各3式の平行撮像式距離計9〜11・15〜17が測定した測定対象物2までの距離のみから求めることができることとなる。
ところで、上記曲がり量測定装置には、搬送ライン上を移動する測定対象物2の移動距離を測定する移動距離測定手段21が配設されていると共に、上記電子計算機7は、該移動距離測定手段21による測定値に基づいて測定対象物2の全長の曲がり量を合成演算することができるようになっている。
上記移動距離測定手段21は、上記測定対象物2の移動距離を常時計測し、その測定した測定値(測定対象物2の搬送方向への移動距離)を上記電子計算機7に出力している。
この移動距離測定手段21としては、パルスジェネレータから出力されるパルス信号に基づいて移動中の測定対象物2の移動距離(搬送長さ)を図る測長計や、レーザを用いて測定対象物2の移動距離を図る測長計等、任意のものを用いることができる。
一方、上記電子計算機7は、上記移動距離測定手段21によって測定された測定対象物2の測定値(移動距離)に応じて、その時点において上記第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6がそれぞれ測定した距離に基づいて上記曲がり量mを求める演算を繰り返して合成することにより、搬送中の測定対象物2を全長にわたって曲がり量を連続的に求めることができる。
したがって、上記移動距離測定手段21から出力される測定値が、一定の距離(例えば、測定対象物2が第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6における各前方側距離計9,15と各後方側距離計11,17との間の距離)に達する度に、上記電子計算機7において上記曲がり量mを算出する演算を繰り返すことにより、長尺の測定対象物であっても、まったく問題なく全長の曲がり量を連続的に測定することができる。
これにより、該測定対象物全体の曲がりに関するプロフィルを容易に得ることができる。
上記構成を有する曲がり量測定装置を用いて丸棒材又は円筒材の測定対象物2の曲がり量を測定するに際しては、まず測定対象物2を搬送ラインにある周面がV字状に形成された搬送ローラ1によって搬送させ。その上で、第1の光源12〜14及び第2の光源18〜20から測定対象物2に対して光を照射し、第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6の各平行撮像式距離計9〜11・15〜17によって該搬送ライン上を通過する測定対象物2の各エッジ位置8までの距離をそれぞれ測定する。
このとき、搬送ライン上を搬送中の測定対象物2は、第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6の各々3式の平行撮像式距離計9〜11・15〜17により距離が連続的に測定され、これにより、搬送ラインと平行な2直線の各3つの測定基点から測定対象物2の各エッジ位置8までの距離がそれぞれ連続的に測定されることとなる。そして、これらの測定値に基づいて測定対象物2の曲がり量が該測定対象物2の全長に亘って算出されるため、搬送中の測定対象物2の軸線方向の曲がり量を連続的且つ精度良く測定することができる。
また、測定対象物2が、周面がV字状に形成された搬送ローラ1によって搬送されても、第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6の各平行撮像式距離計9〜11・15〜17による平行撮像によって測定対象物2の各エッジ位置8までの距離を測定できるため、図7に示すように、測定対象物の外径の大小に関わらず、測定対象物の曲がり量の測定を安定的且つ確実に行うことができる。しかも、第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6の各平行撮像式距離計9〜11・15〜17は、測定対象物2のエッジ位置8までの距離が測定できれば、各平行撮像式距離計9〜11・15〜17の視野が狭くても問題がないという利点がある。
上記実施の形態においては、第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6の各平行撮像式距離計9〜11・15〜17として、テレセントリックレンズを備えたカメラを用いているが、この平行撮像式距離計は、平行撮像式のものでれば、他のテレセントリック光学系を用いたカメラ等、任意のものを用いることができる。また、テレセントリック光学系を用いたカメラとしては、テレセントリックレンズを備えたものの他に、放物面鏡や球面鏡を用いたカメラを用いてもよい。
また、上記実施の形態においては、上記第1の距離測定手段4及び第2の距離測定手段6の各平行撮像式距離計9〜11・15〜17は、相互に等間隔に並設されているが、第1の距離測定手段及び第2の距離測定手段の各平行撮像距離計は、必ずしも等間隔である必要はなく、任意の間隔であってよい。ただし、上記第1の距離測定手段の平行撮像式距離計3式と第2の距離測定手段の平行撮像距離計3式とは、相対する位置に配設すること、及び第1の距離測定手段及び第2の距離測定手段それぞれにおける隣接する距離計間の距離が特定されることが肝要である。なお、この場合における測定対象物の曲がり量の演算は、隣接する平行撮像式距離計の間の距離関係に基づいて、一端点及び他端点及び中間点の3点を通過する円弧を想定することにより行うことができる。
1 搬送ローラ
2 測定対象物
3 第1の基準平面
4 第1の距離測定手段
5 第2の基準平面
6 第2の距離測定手段
7 電子計算機
8 エッジ位置
9,15 前方側位置の平行撮像式距離計(前方側距離計)
10,16 後方側位置の平行撮像式距離計(後方側距離計)
11,17 中間位置の平行撮像式距離計(中間位置距離計)
21 移動距離測定手段
P1 一端点
P2 中間点
P3 他端点
A 円弧

Claims (4)

  1. 周面がV字状に形成された搬送ローラにより軸線方向に搬送される丸棒材又は円筒材からなる測定対象物の軸線方向の曲がり量を連続で測定する曲がり量測定装置であって、
    測定対象物の搬送ラインに平行な第1の基準平面上に並設され、該第1の基準平面から測定対象物のエッジ位置までの距離を連続的に測定する平行撮像式距離計を搬送ラインに沿って3式備えた第1の距離測定手段と、
    上記搬送ラインを中心に上記第1の基準平面と90°の角度をなす方向に位置する該搬送ラインに平行な第2の基準平面上に並設され、該第2の基準平面から測定対象物のエッジ位置までの距離を連続的に測定する平行撮像式距離計を、搬送ラインに沿って上記第1の距離測定手段の平行撮像式距離計と相対する位置に3式備えた第2の距離測定手段と、
    上記第1の距離測定手段及び第2の距離測定手段で測定した各々3つの距離から、測定対象物の一端点及び他端点及び中間点の空間座標を求めて、これらの3点を通過する円弧を想定し、一端点と他端点を結ぶ直線と中間点の距離を曲がり量として演算する電子計算機とを備えていることを特徴とする丸棒材又は円筒材の曲がり量測定装置。
  2. 上記曲がり量測定装置は、搬送ライン上を移動する測定対象物の移動距離を測定する移動距離測定手段を備えていて、上記電子計算機は、該移動距離測定手段による測定値に基づいて測定対象物の全長の曲がり量を合成演算する構成であることを特徴とする請求項1に記載の丸棒材又は円筒材の曲がり量測定装置。
  3. 上記第1の距離測定手段及び第2の距離測定手段の各平行撮像式距離計は、相互に等間隔に並設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の丸棒材又は円筒材の曲がり量測定装置。
  4. 上記第1の距離測定手段及び第2の距離測定手段の各平行撮像式距離計は、テレセントリック光学系を用いたカメラであり、上記搬送ラインを挟んだ相対する位置に、該カメラによる測定対象物のエッジ位置検出を行うための光源が配設されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の丸棒材又は円筒材の曲がり量測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014055833A (ja) * 2012-09-12 2014-03-27 Jfe Steel Corp 熱間長尺材の測長方法及び装置
JP2015203527A (ja) * 2014-04-14 2015-11-16 三菱電機株式会社 空気調和機
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