JP2008094912A - 樹脂組成物と光学成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、透明性・耐熱性・フィルム成形性・フィルム強度・位相差発現性が良好な樹脂組成物を提供するものである。また、負の配向複屈折性を示す延伸フィルムを提供するものである。
【解決手段】下記のスチレン−マレイミド系共重合体(A)とスチレン−アクリロニトリル系共重合体(B)との合計が100質量部の光学用樹脂組成物であって、(A)が10〜100質量部、(B)90〜0質量部、ガラス転移温度が110〜150℃、ASTM D1003に基づき測定された2mm厚みの全光線透過率が85%以上であることを特徴とする樹脂組成物とそのフィルム。
(A):スチレン系単量体単位40〜80質量%、マレイミド系単量体単位60〜20質量%からなる共重合体
(B):スチレン系単量体単位65〜82質量%とアクリロニトリル系単量体単位35〜18質量%とからなる共重合体
【選択図】なし
【解決手段】下記のスチレン−マレイミド系共重合体(A)とスチレン−アクリロニトリル系共重合体(B)との合計が100質量部の光学用樹脂組成物であって、(A)が10〜100質量部、(B)90〜0質量部、ガラス転移温度が110〜150℃、ASTM D1003に基づき測定された2mm厚みの全光線透過率が85%以上であることを特徴とする樹脂組成物とそのフィルム。
(A):スチレン系単量体単位40〜80質量%、マレイミド系単量体単位60〜20質量%からなる共重合体
(B):スチレン系単量体単位65〜82質量%とアクリロニトリル系単量体単位35〜18質量%とからなる共重合体
【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂組成物と光学成形体に関するものである。
透明樹脂は、家電製品の部品や、食品容器、雑貨等様々な用途に用いられている。近年では、透明樹脂は、ブラウン管型テレビモニターに代わる薄型液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス素子などの光学部品などの光学成形体に、軽量性や生産性、コストの優位性によって多用される状況にある。
上記の光学成形体には数多くの種類がある。例えば、その中には光学フィルムと呼ばれ、もっぱら光学表示装置に使われるフィルムがある。更に、その光学フィルムにも、位相差フィルムと呼ばれるフィルムがあり、それにはポリカーボネートや非晶性の環状ポリオレフィンが用いられる。これらの樹脂が使用される理由は、これらの樹脂のガラス転移温度が高いことにより、耐熱性の高いフィルムが得られることによる。これらの樹脂を用いた位相差フィルムは正の配向複屈折性を有するという特徴を有している。そこで、負の配向複屈折性を示しかつこれらの樹脂と同等の耐熱性を有する位相差フィルムの出現が待たれている。正と負の配向複屈折性を有するフィルムを用いることで、光学表示装置製造工程の簡略化や生産性の向上が期待できる。このような負の配向複屈折性を示す光学フィルムとしては、以下のようなものが知られている。
特開2004−315788号公報
本発明の目的は、透明性・耐熱性・フィルム成形性・フィルム強度・位相差発現性が良好な樹脂組成物を提供するものである。また、負の配向複屈折性を示す延伸フィルムを提供するものである。
(1)下記のスチレン−マレイミド系共重合体(A)とスチレン−アクリロニトリル系共重合体(B)との合計が100質量部の光学用樹脂組成物であって、(A)が10〜100質量部、(B)が90〜0質量部、ガラス転移温度が110〜150℃、ASTM D1003に基づき測定された2mm厚みのヘーズが3%以下であることを特徴とする光学用成形体用樹脂組成物。
スチレン−マレイミド系共重合体(A):スチレン系単量体単位40〜80質量%、マレイミド系単量体単位60〜20質量%からなる共重合体
スチレン−アクリロニトリル系共重合体(B):スチレン系単量体単位65〜82質量%とアクリロニトリル系単量体単位35〜18質量%とからなる共重合体
(2)(1)記載の樹脂組成物を成形してなる光学用成形体。
(3)光学用成形体が、厚さ10〜300nmのフィルムであることを特徴とする(2)記載の光学用成形体。
(4)フィルムが、延伸処理して得られる延伸フィルムであることを特徴とする(3)に記載の光学用成形体。
(5)フィルムが、位相差フィルムであることを特徴とする(4)に記載の光学用成形体。
(6)請求項2〜5のいずれか一項記載の光学用成形体を用いた光学表示装置。
である。
スチレン−マレイミド系共重合体(A):スチレン系単量体単位40〜80質量%、マレイミド系単量体単位60〜20質量%からなる共重合体
スチレン−アクリロニトリル系共重合体(B):スチレン系単量体単位65〜82質量%とアクリロニトリル系単量体単位35〜18質量%とからなる共重合体
(2)(1)記載の樹脂組成物を成形してなる光学用成形体。
(3)光学用成形体が、厚さ10〜300nmのフィルムであることを特徴とする(2)記載の光学用成形体。
(4)フィルムが、延伸処理して得られる延伸フィルムであることを特徴とする(3)に記載の光学用成形体。
(5)フィルムが、位相差フィルムであることを特徴とする(4)に記載の光学用成形体。
(6)請求項2〜5のいずれか一項記載の光学用成形体を用いた光学表示装置。
である。
本発明の樹脂組成物は、透明性・耐熱性・フィルム成形性・フィルム強度・位相差発現性が良好なことから、透明で耐熱性に優れた位相差フィルム用原料として有用である。また、本発明の樹脂組成物からなる光学用成形体は、特に、位相差フィルムに適している。
(A)は、スチレン系単量体単位とマレイミド系単量体単位からなる共重合体である。
スチレン系単量体単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン単量体単位が挙げられ、これらの中でも特にスチレンが好ましい。又、これらのスチレン系単量体単位は2種以上を用いてもよい。
マレイミド系単量体単位としては、例えば、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN−アルキルマレイミド、及びN−アリールマレイミド(アリール基としては、例えばフェニル、クロルフェニル、メチルフェニル、メトキシフェニル、トリブロモフェニル等が挙げられる)等のマレイミド系単量体単位が挙げられ、これらの中でも特にN−フェニルマレイミドが好ましい。又、これらのマレイミド系単量体単位は2種以上を用いてもよい。
(A)に用いられるスチレン系単量体単位とマレイミド系単量体単位の比率は、スチレン系単量体単位が40〜80質量%、マレイミド系単量体単位が60〜20質量%であって、好ましくは、スチレン系単量体単位が41〜70質量%、マレイミド系単量体単位が59〜30質量%、さらに好ましくは、スチレン系単量体単位が42〜60質量%、マレイミド系単量体単位が58〜40質量%である。
スチレン系単量体単位が40質量%未満(マレイミド系単量体単位が60質量%を越えると)では、重合が著しく困難となり、スチレン系単量体単位が80質量%を越える(マレイミド系単量体単位が20質量%未満)と、得られる樹脂組成物の耐熱性が劣る。
スチレン−マレイミド系共重合体(A)は、必要に応じて共重合可能なビニル系単量体単位、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2エチルヘキシル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、無水マレイン酸等を共重合して用いることができ、その量は(A)に対して20質量%未満であれば好ましく、得られる位相差フィルムの透明性やフィルム外観が好ましい場合がある。
スチレン系単量体単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン単量体単位が挙げられ、これらの中でも特にスチレンが好ましい。又、これらのスチレン系単量体単位は2種以上を用いてもよい。
マレイミド系単量体単位としては、例えば、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN−アルキルマレイミド、及びN−アリールマレイミド(アリール基としては、例えばフェニル、クロルフェニル、メチルフェニル、メトキシフェニル、トリブロモフェニル等が挙げられる)等のマレイミド系単量体単位が挙げられ、これらの中でも特にN−フェニルマレイミドが好ましい。又、これらのマレイミド系単量体単位は2種以上を用いてもよい。
(A)に用いられるスチレン系単量体単位とマレイミド系単量体単位の比率は、スチレン系単量体単位が40〜80質量%、マレイミド系単量体単位が60〜20質量%であって、好ましくは、スチレン系単量体単位が41〜70質量%、マレイミド系単量体単位が59〜30質量%、さらに好ましくは、スチレン系単量体単位が42〜60質量%、マレイミド系単量体単位が58〜40質量%である。
スチレン系単量体単位が40質量%未満(マレイミド系単量体単位が60質量%を越えると)では、重合が著しく困難となり、スチレン系単量体単位が80質量%を越える(マレイミド系単量体単位が20質量%未満)と、得られる樹脂組成物の耐熱性が劣る。
スチレン−マレイミド系共重合体(A)は、必要に応じて共重合可能なビニル系単量体単位、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2エチルヘキシル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、無水マレイン酸等を共重合して用いることができ、その量は(A)に対して20質量%未満であれば好ましく、得られる位相差フィルムの透明性やフィルム外観が好ましい場合がある。
(A)の製造法としては、公知の手法が採用できる。その製造法としては、例えば、スチレン系単量体、マレイミド系単量体および必要に応じてその他共重合可能なビニル共重合体からなる単量体混合物を共重合させる方法や、スチレン系単量体単位、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物及び必要に応じてその他共重合可能なビニル単量体単位からなる単量体混合物を共重合させた後、アンモニア及び第一級アミンの少なくとも一方を反応させて酸無水物基をイミド基に変換させる方法等が挙げられる。また、重合の様式は、公知の手法が採用でき、塊状重合または溶液重合が好ましい。懸濁重合や乳化重合で得られたスチレン−マレイミド系共重合体を用いると、透明性が低いものとなる場合がある。
(A)の重量平均分子量(以下Mw)は、好ましくは10万〜17万、さらに好ましくは12万〜15万の範囲である。Mwが17万を越えると得られた位相差フィルムの透明性やフィルム成形性に劣るものとなる場合があり、Mwが10万未満であるとそのフィルム成形性やフィルム強度に劣る場合がある。
なお、本発明のMwは、GPCにて測定されるポリスチレン換算のMwであり、下記記載の測定条件で測定した。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:2質量%
検量線:標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用いて作製し、Mwはポリスチレン換算値で表した。
なお、本発明のMwは、GPCにて測定されるポリスチレン換算のMwであり、下記記載の測定条件で測定した。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:2質量%
検量線:標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用いて作製し、Mwはポリスチレン換算値で表した。
(B)は、スチレン系単量体単位とアクリロニトリル系単量体単位からなる共重合体である。
スチレン系単量体単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系単量体単位が挙げられ、これらの中でも特にスチレンが好ましい。又、これらのスチレン系単量体単位は2種以上を用いることも出来る。
アクリロニトリル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、これらの中では特にアクリロニトリルが好ましい。又、これらのアクリロニトリル系単量体は2種以上を用いてもよい。
(B)に用いられるスチレン系単量体単位とアクリロニトリル系単量体単位の比率は、スチレン系単量体単位が65〜82質量%、アクリロニトリル系単量体単位が35〜18質量%であって、好ましくはスチレン系単量体単位が67〜80質量%、アクリロニトリル系単量体単位が33〜20質量%、さらに好ましくはスチレン系単量体単位が70〜75質量%、アクリロニトリル系単量体単位が30〜25質量%である。
スチレン系単量体単位が65質量%未満(アクリロニトリル系単量体単位が35質量%を越える)では、得られる位相差フィルムのフィルム成形性が劣るものとなり、スチレン系単量体単位が82質量%を越える(アクリロニトリル系単量体単位が12質量%未満)と、透明性やフィルム強度に劣るものとなる。
(B)は、必要に応じて共重合可能なビニル系単量体単位、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2エチルヘキシル、無水マレイン酸等の単位を共重合して用いることができ、その量は(B)に対して20質量%未満であれば好ましい。
スチレン系単量体単位としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系単量体単位が挙げられ、これらの中でも特にスチレンが好ましい。又、これらのスチレン系単量体単位は2種以上を用いることも出来る。
アクリロニトリル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、これらの中では特にアクリロニトリルが好ましい。又、これらのアクリロニトリル系単量体は2種以上を用いてもよい。
(B)に用いられるスチレン系単量体単位とアクリロニトリル系単量体単位の比率は、スチレン系単量体単位が65〜82質量%、アクリロニトリル系単量体単位が35〜18質量%であって、好ましくはスチレン系単量体単位が67〜80質量%、アクリロニトリル系単量体単位が33〜20質量%、さらに好ましくはスチレン系単量体単位が70〜75質量%、アクリロニトリル系単量体単位が30〜25質量%である。
スチレン系単量体単位が65質量%未満(アクリロニトリル系単量体単位が35質量%を越える)では、得られる位相差フィルムのフィルム成形性が劣るものとなり、スチレン系単量体単位が82質量%を越える(アクリロニトリル系単量体単位が12質量%未満)と、透明性やフィルム強度に劣るものとなる。
(B)は、必要に応じて共重合可能なビニル系単量体単位、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2エチルヘキシル、無水マレイン酸等の単位を共重合して用いることができ、その量は(B)に対して20質量%未満であれば好ましい。
スチレン−アクリロニトリル系共重合体(B)の製造法としては、公知の手法が採用でき、例えば、スチレン系単量体、アクリロニトリル系単量体および必要に応じてその他共重合可能なビニル共重合体からなる単量体混合物を共重合させる方法がある。また、重合の様式は、公知の手法が採用でき、塊状重合または溶液重合が好ましい。懸濁重合や乳化重合で得られたスチレン−アクリロニトリル系共重合体を用いると、透明性が低いものとなる場合がある。
スチレン−アクリロニトリル系共重合体(B)の重量平均分子量(以下Mw)は、好ましくは11万〜20万、さらに好ましくは13万〜17万の範囲である。Mwが20万を越えると樹脂組成物のフィルム成形性や得られる位相差フィルムの透明性が劣るものとなる場合があり、Mwが11万未満であると樹脂組成物のフィルム成形性やフィルム強度に劣るものとなる場合がある。
なお、本発明のMwは、GPCにて測定されるポリスチレン換算のMwであり、下記記載の測定条件で測定した。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:2質量%
検量線:標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用いて作製し、Mwはポリスチレン換算値で表した。
なお、本発明のMwは、GPCにて測定されるポリスチレン換算のMwであり、下記記載の測定条件で測定した。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:2質量%
検量線:標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用いて作製し、Mwはポリスチレン換算値で表した。
樹脂組成物は、(A)と(B)との合計が100質量部であって、(A)10〜100質量部に対して(B)が90〜0質量部である。好ましくは(A)が15〜70質量部、(B)が85〜30質量部、さらに好ましくは(A)が20〜50質量部、(B)が80〜50質量部である。
(A)が10質量部未満((B)が90質量部を越える)の場合は、得られた樹脂組成物の耐熱性が低いものとなる。
(A)が10質量部未満((B)が90質量部を越える)の場合は、得られた樹脂組成物の耐熱性が低いものとなる。
(A)と(B)の配合・混練方法は特に制限はされず、公知の方法を採用することができる。例えば、押出機を用いて溶融混練する方法や、(A)と(B)をトルエンやエチルベンゼン、メチルエチルケトン等の溶剤に溶解したものを混合し、キャストする方法などがある。
樹脂組成物のガラス転移温度は110〜150℃である。好ましくは115〜140℃、さらに好ましくは118〜138℃である。ガラス転移温度が110℃未満の場合は、耐熱性が不充分である。またガラス転移温度が150℃を越えると得られる樹脂組成物のフィルム成形性が劣り、フィルム強度が低下する。ガラス転移温度は、構成する共重合体の組成比等により調整できる。なお、本発明のガラス転移温度はDSCにて測定されるものであり、下記記載の測定条件で測定した。
装置名: セイコーインスツルメンツ(株)社製 Robot DSC6200
昇温速度:10℃/分
装置名: セイコーインスツルメンツ(株)社製 Robot DSC6200
昇温速度:10℃/分
ASTM D1003に基づき測定された樹脂組成物の2mm厚みの全光線透過率は、85%以上である。好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上である。全光線透過率が85%未満であると透明性が不十分となり、光学成形体に使用できなくなる。なお、本発明では、射出成形機(東芝機械社製IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃で成形した厚さ2mmのプレートを用いて測定した。
JIS K7210に基づき、温度200℃、荷重49Nで測定した樹脂組成物のメルトマスフローレイト(MFR)は、好ましくは0.1〜3g/10分、さらに好ましくは0.2〜1.5g/10分である。MFRが0.1g/10分未満や3g/10分を越える場合には、得られる樹脂組成物のフィルム成形性が低下する場合がある。なお、本発明では、東洋精機製作所社製メルトインデックサ(F−F01)を使用して測定した。
樹脂組成物には、必要に応じてヒンダードフェノール系化合物、ラクトン系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物などの耐熱安定剤、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等からなる耐光安定剤、滑剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、鉱油等の添加剤を含んでも差し支えない。その含有量は樹脂組成物100質量部に対して1質量部未満であることが好ましい。
樹脂組成物は、射出成形体、シート、フィルム等公知の成形体で使用できるが、好ましくは、厚み10〜300μmのフィルムで使用することが好ましい。
厚み10〜300μmのフィルムを得る方法には特に制限はないが、フィルム押出機を用いて溶融押出する方法が好ましい。
厚み10〜300μmのフィルムを得る方法には特に制限はないが、フィルム押出機を用いて溶融押出する方法が好ましい。
本発明のフィルムは、位相差フィルム以外にも反射防止フィルム、液晶保護フィルム等、公知の光学フィルム用途に使用することができる。
本発明のフィルムは、公知の手法で延伸配向させて延伸フィルムにすることができる。延伸配向された本発明のフィルムには負の配向複屈折が発生するため、位相差フィルム用途に最も好ましく用いることができる。
また、延伸配向された本発明のフィルムと正の配向複屈折性を有するフィルムを両方用いることで、光学表示装置の製造工程の簡略化や生産性の向上を図ることが出来る。
また、延伸配向された本発明のフィルムと正の配向複屈折性を有するフィルムを両方用いることで、光学表示装置の製造工程の簡略化や生産性の向上を図ることが出来る。
以下、詳細な内容について実施例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例A−1]
攪拌機を備えた容積約25リットルのオートクレーブ中にスチレン60質量部、α−メチルスチレンダイマー0.06質量部、メチルエチルケトン100質量部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、温度を90℃に昇温し、無水マレイン酸40質量部とt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.14質量部をメチルエチルケトン200部に溶解した溶液を10時間かけて連続的に添加した。添加後、100℃にて3時間保った。粘稠な反応液にアニリン36質量部、トリエチルアミン0.6質量部を加え140℃で7時間反応させた。反応液をベント付き二軸押出機に供給し、脱揮してスチレン−マレイミド系共重合体A−1を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位47質量%、N−フェニルマレイミド単位51質量%、無水マレイン酸単位2質量%であり、Mwは150,000であった。
攪拌機を備えた容積約25リットルのオートクレーブ中にスチレン60質量部、α−メチルスチレンダイマー0.06質量部、メチルエチルケトン100質量部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、温度を90℃に昇温し、無水マレイン酸40質量部とt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.14質量部をメチルエチルケトン200部に溶解した溶液を10時間かけて連続的に添加した。添加後、100℃にて3時間保った。粘稠な反応液にアニリン36質量部、トリエチルアミン0.6質量部を加え140℃で7時間反応させた。反応液をベント付き二軸押出機に供給し、脱揮してスチレン−マレイミド系共重合体A−1を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位47質量%、N−フェニルマレイミド単位51質量%、無水マレイン酸単位2質量%であり、Mwは150,000であった。
[実験例A−2]
スチレン80質量部、無水マレイン酸20質量部、アニリン18質量部とした以外は、実験例A−1と同様に行い、スチレン−マレイミド系共重合体A−2を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位71質量%、N−フェニルマレイミド単位28質量%、無水マレイン酸単位1質量%であり、Mwは150,000であった。
スチレン80質量部、無水マレイン酸20質量部、アニリン18質量部とした以外は、実験例A−1と同様に行い、スチレン−マレイミド系共重合体A−2を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位71質量%、N−フェニルマレイミド単位28質量%、無水マレイン酸単位1質量%であり、Mwは150,000であった。
[実験例A−3]
攪拌機を備えた容積約15リットルのオートクレーブ中に水150質量部、第三リン酸カルシウム3質量部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、温度を90℃に昇温した。スチレン47質量部、N−フェニルマレイミド53質量部、α−メチルスチレンダイマー0.06質量部の混合液と、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.14質量部を10時間かけて連続的に添加した。添加終了後、t−ブチルパーオキシアセテート0.1質量部を加え、130℃にて3時間保った。得られたスラリーを塩酸で中和し、脱水、乾燥して得られたビーズをベント付き二軸押出機にて押し出し、スチレン−マレイミド系共重合体A−3を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位47質量%、N−フェニルマレイミド単位53質量%であり、Mwは150,000であった。
攪拌機を備えた容積約15リットルのオートクレーブ中に水150質量部、第三リン酸カルシウム3質量部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、温度を90℃に昇温した。スチレン47質量部、N−フェニルマレイミド53質量部、α−メチルスチレンダイマー0.06質量部の混合液と、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.14質量部を10時間かけて連続的に添加した。添加終了後、t−ブチルパーオキシアセテート0.1質量部を加え、130℃にて3時間保った。得られたスラリーを塩酸で中和し、脱水、乾燥して得られたビーズをベント付き二軸押出機にて押し出し、スチレン−マレイミド系共重合体A−3を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位47質量%、N−フェニルマレイミド単位53質量%であり、Mwは150,000であった。
[実験例A−4]
α−メチルスチレンダイマー0.25質量部とした以外は、実験例A−1と同様に行い、スチレン−マレイミド系共重合体A−4を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位47質量%、N−フェニルマレイミド単位51質量%、無水マレイン酸単位2質量%であり、Mwは90,000であった。
α−メチルスチレンダイマー0.25質量部とした以外は、実験例A−1と同様に行い、スチレン−マレイミド系共重合体A−4を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位47質量%、N−フェニルマレイミド単位51質量%、無水マレイン酸単位2質量%であり、Mwは90,000であった。
[実験例A−5]
スチレン92質量部、無水マレイン酸8質量部、アニリン7.2質量部とした以外は、実験例A−1と同様に行い、スチレン−マレイミド系共重合体A−5を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位89質量%、N−フェニルマレイミド単位10質量%、無水マレイン酸単位1質量%であり、Mwは160,000であった。
スチレン92質量部、無水マレイン酸8質量部、アニリン7.2質量部とした以外は、実験例A−1と同様に行い、スチレン−マレイミド系共重合体A−5を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位89質量%、N−フェニルマレイミド単位10質量%、無水マレイン酸単位1質量%であり、Mwは160,000であった。
[実験例B−1]
撹拌機を付した容積約20リットルの完全混合型反応器、容積約40リットルの塔式プラグフロー型反応器、予熱器を付した脱揮槽を直列に接続して構成した。スチレン72質量部、アクリロニトリル28質量部、エチルベンゼン10質量部で構成される単量体混合液を調整し、さらにt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.02質量部とn−ドデシルメルカプタン0.02質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6kgで温度130℃に制御した完全混合型反応器に導入した。なお、完全混合型反応器の撹拌数は180rpmで実施した。次いで完全混合型反応器より反応液を連続的に抜き出し、流れの方向に向かって温度130℃から160℃の勾配がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入した。この反応液を予熱器で加温しながら、温度235℃で圧力1.0kPaに制御した脱揮槽に導入し、未反応単量体等の揮発分を除去した。この樹脂液をギアポンプで抜き出し、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の重合体B−1を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位72質量%、アクリロニトリル単位28質量%であり、Mwは130,000であった。
撹拌機を付した容積約20リットルの完全混合型反応器、容積約40リットルの塔式プラグフロー型反応器、予熱器を付した脱揮槽を直列に接続して構成した。スチレン72質量部、アクリロニトリル28質量部、エチルベンゼン10質量部で構成される単量体混合液を調整し、さらにt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.02質量部とn−ドデシルメルカプタン0.02質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6kgで温度130℃に制御した完全混合型反応器に導入した。なお、完全混合型反応器の撹拌数は180rpmで実施した。次いで完全混合型反応器より反応液を連続的に抜き出し、流れの方向に向かって温度130℃から160℃の勾配がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入した。この反応液を予熱器で加温しながら、温度235℃で圧力1.0kPaに制御した脱揮槽に導入し、未反応単量体等の揮発分を除去した。この樹脂液をギアポンプで抜き出し、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の重合体B−1を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位72質量%、アクリロニトリル単位28質量%であり、Mwは130,000であった。
[実験例B−2]
スチレン76質量部、アクリロニトリル24質量部とした以外は、実験例B−1と同様に行い、スチレン−アクリロニトリル系共重合体B−2を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位76質量%、アクリロニトリル単位24質量%であり、Mwは130,000であった。
スチレン76質量部、アクリロニトリル24質量部とした以外は、実験例B−1と同様に行い、スチレン−アクリロニトリル系共重合体B−2を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位76質量%、アクリロニトリル単位24質量%であり、Mwは130,000であった。
[実験例B−3]
スチレン67質量部、アクリロニトリル33質量部とした以外は、実験例B−1と同様に行い、スチレン−アクリロニトリル系共重合体B−3を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位67質量%、アクリロニトリル単位33質量%であり、Mwは130,000であった。
スチレン67質量部、アクリロニトリル33質量部とした以外は、実験例B−1と同様に行い、スチレン−アクリロニトリル系共重合体B−3を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位67質量%、アクリロニトリル単位33質量%であり、Mwは130,000であった。
[実験例B−4]
n−ドデシルメルカプタン0.2質量部とした以外は、実験例B−1と同様に行い、スチレン−アクリロニトリル系共重合体B−4を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位72質量%、アクリロニトリル単位28質量%であり、Mwは100,000であった。
n−ドデシルメルカプタン0.2質量部とした以外は、実験例B−1と同様に行い、スチレン−アクリロニトリル系共重合体B−4を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位72質量%、アクリロニトリル単位28質量%であり、Mwは100,000であった。
[実験例B−5]
攪拌機を備えた容積約15リットルのオートクレーブ中に水150質量部、第三リン酸カルシウム3部、スチレン72質量部、アクリロニトリル28質量部、α−メチルスチレンダイマー0.06質量部、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.2質量部、t−ブチルパーオキシアセテート0.1部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、80℃で6時間、120℃で2時間重合を行った。得られたスラリーを塩酸で中和し、脱水、乾燥して得られたビーズをベント付き二軸押出機にて押し出し、スチレン−アクリロニトリル系共重合体B−5を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位72質量%、アクリロニトリル単位28質量%であり、Mwは130,000であった。
攪拌機を備えた容積約15リットルのオートクレーブ中に水150質量部、第三リン酸カルシウム3部、スチレン72質量部、アクリロニトリル28質量部、α−メチルスチレンダイマー0.06質量部、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.2質量部、t−ブチルパーオキシアセテート0.1部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、80℃で6時間、120℃で2時間重合を行った。得られたスラリーを塩酸で中和し、脱水、乾燥して得られたビーズをベント付き二軸押出機にて押し出し、スチレン−アクリロニトリル系共重合体B−5を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位72質量%、アクリロニトリル単位28質量%であり、Mwは130,000であった。
[実験例B−6]
スチレン95質量部、アクリロニトリル5質量部とした以外は、実験例B−1と同様に行い、スチレン−アクリロニトリル系共重合体B−6を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位95質量%、アクリロニトリル単位5質量%であり、Mwは140,000であった。
スチレン95質量部、アクリロニトリル5質量部とした以外は、実験例B−1と同様に行い、スチレン−アクリロニトリル系共重合体B−6を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位95質量%、アクリロニトリル単位5質量%であり、Mwは140,000であった。
[実験例B−7]
スチレン60質量部、アクリロニトリル40質量部とした以外は、実験例B−1と同様に行い、スチレン−アクリロニトリル系共重合体B−7を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位60質量%、アクリロニトリル単位40質量%であり、Mwは130,000であった。
スチレン60質量部、アクリロニトリル40質量部とした以外は、実験例B−1と同様に行い、スチレン−アクリロニトリル系共重合体B−7を得た。C−13NMR分析よりスチレン単位60質量%、アクリロニトリル単位40質量%であり、Mwは130,000であった。
[実施例及び比較例]
実験例で製造した(A)と(B)を、表1で示した割合(質量%)でヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸押出機(東芝機械(株)社製 TEM−35B)にて、シリンダー温度250℃で溶融混練してペレット化し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物を、Tダイを付したフィルム押出成形機を用いシリンダー温度240℃、ダイ温度240℃で、厚さ100μmのフィルムを押し出し、ロールに巻き取った。
得られたフィルムを、テンター横延伸機を用い、Tg+20℃で1.8倍に一軸延伸し、延伸された光学フィルムを得た。得られた延伸フィルムの測定結果を表1に示した。
実験例で製造した(A)と(B)を、表1で示した割合(質量%)でヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸押出機(東芝機械(株)社製 TEM−35B)にて、シリンダー温度250℃で溶融混練してペレット化し、樹脂組成物を得た。樹脂組成物を、Tダイを付したフィルム押出成形機を用いシリンダー温度240℃、ダイ温度240℃で、厚さ100μmのフィルムを押し出し、ロールに巻き取った。
得られたフィルムを、テンター横延伸機を用い、Tg+20℃で1.8倍に一軸延伸し、延伸された光学フィルムを得た。得られた延伸フィルムの測定結果を表1に示した。
なお、評価は下記の方法によった。
(1)フィルム成形性
フィルムの押出成形時の観察から下記基準にてフィルム成形性を判断した。優、良を合格とした。
優 異常なくロールに巻き取れたもの
良 ロールに巻き取れたが、スリットで端部に割れ発生等の不良があるもの
不良 切断等でロールに巻き取れなかったもの
(2)フィルム強度
フィルムの延伸機での観察からフィルムの強度を下記基準にて判断した。優、良を合格とした。
優 テンター横延伸機に異常なく設置できたもの
良 テンター横延伸機に設置できたが、端部に割れ発生等の不良が発生したもの
不良 テンター横延伸機に設置できなかったもの
(3)フィルムの透明性
ASTM D1003に基づき、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いてフィルムのヘーズ(単位:%)を測定した。3%以下を合格とした。
(4)フィルム外観
100μmのフィルムの外観を目視にて下記基準にて判断した。良以上を合格とした。
優 異常なし
良 若干黄味があるもの
不良 黄色みが強いもの、または、透明性にムラがあるもの
(5)位相差発現性
位相差測定装置(王子計測社製KOBRA−WR)を用いて延伸フィルムのリタデーション(以下「Re」,単位:nm)を測定し、300nm以上を合格とした。また、位相差顕微鏡で観察することで、配向複屈折の符号は、実施例と比較例中の全てのサンプルが負であることを確認した。
(1)フィルム成形性
フィルムの押出成形時の観察から下記基準にてフィルム成形性を判断した。優、良を合格とした。
優 異常なくロールに巻き取れたもの
良 ロールに巻き取れたが、スリットで端部に割れ発生等の不良があるもの
不良 切断等でロールに巻き取れなかったもの
(2)フィルム強度
フィルムの延伸機での観察からフィルムの強度を下記基準にて判断した。優、良を合格とした。
優 テンター横延伸機に異常なく設置できたもの
良 テンター横延伸機に設置できたが、端部に割れ発生等の不良が発生したもの
不良 テンター横延伸機に設置できなかったもの
(3)フィルムの透明性
ASTM D1003に基づき、ヘーズメーター(日本電色工業社製NDH−1001DP型)を用いてフィルムのヘーズ(単位:%)を測定した。3%以下を合格とした。
(4)フィルム外観
100μmのフィルムの外観を目視にて下記基準にて判断した。良以上を合格とした。
優 異常なし
良 若干黄味があるもの
不良 黄色みが強いもの、または、透明性にムラがあるもの
(5)位相差発現性
位相差測定装置(王子計測社製KOBRA−WR)を用いて延伸フィルムのリタデーション(以下「Re」,単位:nm)を測定し、300nm以上を合格とした。また、位相差顕微鏡で観察することで、配向複屈折の符号は、実施例と比較例中の全てのサンプルが負であることを確認した。
実施例は、全て透明性、耐熱性、フィルム成形性、フィルム強度及び位相差発現性が良好であり、これらのことから得られたフィルムは光学成形体、特に光学フィルムに最適である。また、延伸配向させた延伸配向フィルムは位相差発現性が良好で、かつ負の配向複屈折性を示すため、位相差フィルムに最適である。
光学表示装置として、液晶パネルに本発明実施例の位相差フィルムを使用した場合、いずれも視野方向の変調が少なく、良好であった。
光学表示装置として、液晶パネルに本発明実施例の位相差フィルムを使用した場合、いずれも視野方向の変調が少なく、良好であった。
Claims (6)
- 下記のスチレン−マレイミド系共重合体(A)とスチレン−アクリロニトリル系共重合体(B)との合計が100質量部の光学用樹脂組成物であって、(A)が10〜100質量部、(B)が90〜0質量部、ガラス転移温度が110〜150℃、ASTM D1003に基づき測定された2mm厚みの全光線透過率が85%以上であることを特徴とする光学用成形体用樹脂組成物。
スチレン−マレイミド系共重合体(A):スチレン系単量体単位40〜80質量%、マレイミド系単量体単位60〜20質量%からなる共重合体
スチレン−アクリロニトリル系共重合体(B):スチレン系単量体単位65〜82質量%とアクリロニトリル系単量体単位35〜18質量%とからなる共重合体 - 請求項1記載の樹脂組成物を成形してなる光学用成形体。
- 光学用成形体が、厚さ10〜300nmのフィルムであることを特徴とする請求項2記載の光学用成形体。
- フィルムが、延伸処理して得られる延伸フィルムであることを特徴とする請求項3に記載の光学用成形体。
- フィルムが、位相差フィルムであることを特徴とする請求項4に記載の光学用成形体。
- 請求項2〜5のいずれか一項記載の光学用成形体を用いた光学表示装置。
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