JP2009276420A - 光学フィルム及び位相差フィルム - Google Patents

光学フィルム及び位相差フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2009276420A
JP2009276420A JP2008125500A JP2008125500A JP2009276420A JP 2009276420 A JP2009276420 A JP 2009276420A JP 2008125500 A JP2008125500 A JP 2008125500A JP 2008125500 A JP2008125500 A JP 2008125500A JP 2009276420 A JP2009276420 A JP 2009276420A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
film
styrene
optical film
aromatic resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008125500A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Ieda
真次 家田
Hitoshi Asano
仁志 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2008125500A priority Critical patent/JP2009276420A/ja
Publication of JP2009276420A publication Critical patent/JP2009276420A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】透明性、耐熱性及び機械特性に優れた光学フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】ガラス転移温度が120℃以下であり、芳香族ビニル化合物55〜70質量%と不飽和ニトリル化合物30〜45質量%とを単量体成分として含む第1の芳香族系樹脂15〜85質量部と、ガラス転移温度が122℃以上である第2の芳香族系樹脂15〜85質量部と、を含有する樹脂組成物からなる光学フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム及び位相差フィルムに関する。
近年、ディスプレイ市場の拡大に伴い、消費者からより鮮明な画像を見たいという要求が高まっている。そのため、ディスプレイに用いられる光学材料は、単なる透明材料ではなく、より高度な光学特性が付与された光学材料であることを求められている。
このような高度な光学特性の一つに複屈折がある。一般に、高分子を含む光学材料では、高分子の分子鎖が配向すると分子鎖軸方向と分子鎖軸方向に直交する方向とで屈折率が異なるために複屈折を生じる。この分子鎖を配向させる方法として延伸等の方法が用いられている。用途によっては、上述の各方向間の屈折率差である複屈折率を厳密にコントロールすることが求められている。例えば、液晶の偏光板に用いられる保護フィルムの場合、全光線透過率が同じであると、複屈折率のより小さな高分子材料の成形体であるフィルムが選ばれて好ましく用いられる。そのようなフィルムの代表的なものとしては、トリアセチルセルロースからなるフィルムが挙げられる。一方、この複屈折を利用することにより、直線偏光を円偏光に変えること(1/4波長板等)や、液晶が有する複屈折を補償する(位相差フィルムなどの光学補償フィルム等)ことが可能となる。このような位相差フィルム等の複屈折を有する光学素子を製造するための材料としてはポリカーボネートや非晶性の環状ポリオレフィンがよく知られている。
さらに最近では、液晶画面に更なる高画質を与えるべく、位相差フィルムの面内方向のレタデーション(Re)だけでなく、厚み方向のレタデーション(Rth)も制御したいという要求がある。例えば、近年注目されている水平電界(IPS)モード液晶表示装置用の位相差フィルムの場合、厚み方向のレタデーション(Rth)を制御するために、負の固有複屈折を有するポリマーを延伸して得られる位相差フィルムが好ましい。また、IPSモード液晶表示装置以外の用途でも、負の固有複屈折を有するポリマーを延伸して得られる位相差フィルムを用いることが有効である場合がある。
負の固有複屈折を有するポリマーを延伸して得られる位相差フィルムとしては、例えば特許文献1、2に記載されたフィルムが挙げられる。
特開平5−257014号公報 特開平6−67021号公報
負の固有複屈折を有するポリマーを延伸して得られる位相差フィルムに要求される特性としては、一般に透明性、耐熱性、延伸による複屈折の発現の容易さ、フィルムの製造工程(製膜、延伸、運搬、巻取り)でフィルムが損傷しない程度の十分な機械強度などが挙げられる。しかしながら、負の固有複屈折を有するポリメチルメタクリレートやポリスチレンからなるフィルムは、ガラス転移温度(Tg)が100℃付近にあり、耐熱性が不十分なこと、脆いことなどからその用途に制限を受けている。特許文献1では、耐熱性及び脆さを改善したスチレン−アクリロニトリル系共重合体からなる位相差フィルムも報告されているが、依然として必要とされる耐熱性を十分満足するものではない。
また、耐熱性を向上させるため、特許文献2ではスチレン系単量体とN−置換マレイミド単量体との共重合ポリマーからなる位相差フィルムが報告されている。特許文献2に記載の位相差フィルムで高い機械強度を得るためには分子量を高くする必要がある。しかしながら、上記共重合ポリマーについて十分に高い機械強度を得るまで分子量を高くすると、その流動性が低下するため、未延伸フィルムを得るのが困難となり、生産性が十分ではなくなる。
このようなことから、生産性及び歩留り、さらには高温で保存した時のレタデーションの安定性において十分に満足できる負の固有複屈折を有するポリマーを延伸して得られる位相差フィルムがないのが現状である。
本発明は、透明性、耐熱性及び機械特性に優れた光学フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、芳香族ビニル単量体と不飽和ニトリル単量体とを所定の割合で含む単量体を重合して得られる芳香族系樹脂であって所定のガラス転移温度を有する芳香族系樹脂と、それとは異なるガラス転移温度を有する別の芳香族系樹脂とを所定の割合で含有する樹脂組成物から得られる光学フィルムが、耐熱性と機械特性のバランスに優れた負の複屈折を示す光学フィルムとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)ガラス転移温度が120℃以下であり、芳香族ビニル化合物55〜70質量%と不飽和ニトリル化合物30〜45質量%とを単量体成分として含む第1の芳香族系樹脂15〜85質量部と、ガラス転移温度が122℃以上である第2の芳香族系樹脂15〜85質量部と、を含有する樹脂組成物からなる光学フィルム。
(2)前記第1の芳香族系樹脂がスチレン−アクリロニトリル共重合体である、(1)の光学フィルム。
(3)前記第2の芳香族系樹脂が芳香族ビニル化合物とN−置換マレイミド化合物とを単量体成分として含む共重合体を含有する、(1)又は(2)の光学フィルム。
(4)前記第2の芳香族系樹脂がスチレン化合物とN−フェニルマレイミド化合物とを単量体成分として含む共重合体である、(3)の光学フィルム。
(5)前記単量体成分がスチレンとN−フェニルマレイミドとアクリロニトリルとからなる、(4)の光学フィルム。
(6)前記単量体成分が前記スチレン30〜80質量%と前記N−フェニルマレイミド15〜65質量%と前記アクリロニトリル5〜30質量%とからなる、(5)の光学フィルム。
(7)前記単量体成分がスチレンとN−フェニルマレイミドとからなる、(4)の光学フィルム。
(8)前記単量体成分が前記スチレン30〜85質量%と前記N−フェニルマレイミド15〜70質量%とからなる、(7)の光学フィルム。
(9)(1)〜(8)のいずれか1つの光学フィルムからなる位相差フィルム。
本発明によると、透明性、耐熱性及び機械特性に優れた光学フィルムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本明細書において、「…化合物」とは、「…」で表される物質とその誘導体とを含むものである。例えば「スチレン化合物」とは、スチレンとその誘導体とを含むものである。
本実施形態の光学フィルムは、ガラス転移温度(以下、「Tg」と表記する。)が120℃以下であり、芳香族ビニル化合物55〜70質量%と不飽和ニトリル化合物30〜45質量%とを単量体成分として含む第1の芳香族系樹脂15〜85質量部と、Tgが122℃以上である第2の芳香族系樹脂15〜85質量部とを含有する樹脂組成物からなるものである。
(1)第1の芳香族系樹脂
本実施形態に係るTgが120℃以下である第1の芳香族系樹脂(以下、「芳香族系樹脂(A)」と表記する。)は、芳香族ビニル化合物と不飽和ニトリル化合物とを単量体成分として含む共重合体である。上記単量体成分には、必要に応じて重合可能な他の化合物を含んでもよい。
芳香族系樹脂(A)の単量体成分である芳香族ビニル化合物は、分子内に芳香環とビニル基とを有するものであれば特に限定されず、例えばスチレン化合物が挙げられる。芳香族系樹脂(A)は単量体成分としてスチレン化合物を含むスチレン系樹脂であると好ましい。スチレン化合物の具体例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのアルキルスチレン、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基で置換されたスチレン誘導体が挙げられる。これらの中でもスチレン及び/又はα−メチルスチレンが好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
芳香族系樹脂(A)の単量体成分である不飽和ニトリル化合物は、分子内にニトリル基と炭素間不飽和結合とを有するものであれば特に限定されない。その具体例としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどが挙げられる。これらの中でもアクリロニトリルが好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
重合可能な他の化合物としては、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル化合物、N−フェニルマレイミド、無水マレイン酸などが挙げられる。これらの中でもブチルアクリレートが好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
上記単量体成分は、第2の芳香族系樹脂との相溶性を高める観点から、芳香族ビニル化合物としてスチレンと、不飽和ニトリル化合物としてアクリロニトリルとを含有するものが好ましい。すなわち、上記単量体成分が、スチレンと、アクリロニトリルと、重合可能な他の化合物とからなる単量体成分であると好ましく、この場合、上記と同様の観点から、単量体成分中の重合可能な他の化合物の含有割合は15質量%以下であることが好ましい。さらには、上記と同様の観点から、スチレンとアクリロニトリルとからなる単量体成分も好ましい。本実施形態に係る芳香族系樹脂(A)は、スチレン−アクリロニトリル共重合体であると好ましい。ここで、本明細書において、「スチレン−アクリロニトリル共重合体」には、スチレンとアクリロニトリルとからなる単量体成分を有するもののみならず、スチレンとアクリロニトリルと15質量%以下の重合可能な他の化合物とからなる単量体成分を有するものも含まれるものとする。
芳香族系樹脂(A)において、全単量体成分中の不飽和ニトリル化合物の含有量は30〜45質量%であり、好ましくは32〜40質量%である。機械特性を高めるためにこの含有量が30質量%以上であり、熱安定性の観点からこの含有量は45質量%以下である。
なお、樹脂中の不飽和ニトリル化合物等の各単量体成分(各単量体単位)の含有量は、可溶成分のIRを測定して不飽和ニトリル化合物等の各単量体成分に起因する結合を定量することで求められる。
芳香族系樹脂(A)は公知の溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等の一般的な重合方法を用いて合成される。ただし、本実施形態においては光学用途であるため、樹脂中の微小な異物の混入はできるだけ避けるのが好ましい。この観点から、懸濁剤や乳化剤を用いない塊状重合や溶液重合が望ましい。溶液重合により芳香族系樹脂(A)を合成する場合、単量体の混合物をトルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素の溶媒に溶解して調製した溶液を用いてもよい。塊状重合により芳香族系樹脂(A)を合成する場合、通常と同様に加熱により生じる遊離ラジカルや電離性放射線照射により重合を開始させることができる。
重合の過程で未反応のモノマーや低分子のオリゴマーが多量に残存すると、光学フィルムの耐熱性が低下し、加熱により樹脂の分子鎖の配向が緩和し、複屈折率の低下を招きやすくなる。そこで、芳香族系樹脂(A)中に残存する単量体は、その樹脂100質量部に対して1.0質量部以下であると好ましく、より好ましくは0.1質量部以下である。
芳香族系樹脂(A)の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で50000〜500000の範囲が好ましい。なお、本実施形態において、重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(例えば、東ソー社製、商品名「HLC8220GPC」)、カラム(例えば、東ソー社製、商品名「TSK−GEL」のG6000HXL−G5000HXL−G5000HXL−G4000HXL−G3000HXLを直列に連結したもの)を用いて測定される。得られる樹脂組成物から作製した光学フィルムの機械強度を高めるため、この重量平均分子量は50000以上であると好ましい。また、生産性の観点から、この重量平均分子量は500000以下であると好ましい。
芳香族系樹脂(A)は、1種類を単独で、又は、単量体成分の種類、組成、重量平均分子量などが異なる2種類以上のものを混合して用いられてもよい。
芳香族系樹脂(A)のTgは、上記組成範囲内で、例えばスチレンなどの芳香族ビニル化合物やアクリロニトリルなどの不飽和ニトリル化合物の含有量を調整すれば、120℃以下に制御することができる。なお、本実施形態において、芳香族系樹脂(A)が2種類以上である場合、芳香族系樹脂(A)のTgは、2種類以上の芳香族系樹脂(A)全体でのTgを示す。
(2)第2の芳香族系樹脂
本実施形態に係るTgが122℃以上である第2の芳香族系樹脂(以下、「芳香族系樹脂(B)」と表記する。)は、少なくとも芳香族ビニル化合物とN−置換マレイミド化合物とを単量体成分として含む共重合体を含有する樹脂であると好ましい。
芳香族系樹脂(B)の単量体成分である芳香族ビニル化合物は、分子内に芳香環とビニル基とを有するものであれば特に限定されず、例えばスチレン化合物が挙げられる。芳香族系樹脂(B)は単量体成分としてスチレン化合物を含むスチレン系樹脂であると好ましい。スチレン化合物の具体例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのアルキルスチレン、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基で置換されたスチレン誘導体が挙げられる。スチレン化合物としてはスチレン及び/又はアルキルスチレンがより好ましく、スチレン及び/又は炭素数1〜4のアルキル基で置換されたスチレン誘導体が更に好ましい。これらの中でもスチレン及び/又はα−メチルスチレンが特に好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
芳香族系樹脂(B)には、芳香族ビニル化合物に、Tgを高める目的や芳香族系樹脂(A)との相溶性を高める目的で、他の単量体成分を共重合したものが好ましく用いられる。他の単量体成分は、芳香族ビニル化合物と共重合可能な化合物であって、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド化合物、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等の不飽和ニトリル化合物、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの中でもN−置換マレイミド化合物が好ましく用いられる。これら他の単量体成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
N−置換マレイミド化合物の具体例としては、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−ジメチルフェニルマレイミド、N−トリメチルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−エトキシフェニルマレイミド、N−フェニルエチルマレイミド、N−ビフェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミド、N−ジクロルフェニルマレイミド、N−トリクロロフェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド、N−トリブロモフェニルマレイミド、N−シアノフェニルマレイミドなどのN−フェニルマレイミド化合物、N−ナフチルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、N−フェニルマレイミド化合物、N−t−ブチルマレイミド及びN−シクロヘキシルマレイミドからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、特にN−フェニルマレイミド化合物が好ましい。N−フェニルマレイミド化合物の中では、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド及びN−クロルフェニルマレイミドからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、N−フェニルマレイミドがより好ましい。
また、スチレン化合物とN−置換マレイミド化合物とは、特開昭57−98536号公報、特開昭58−162616号公報、特開昭60−79019号公報、特開昭60−147414号公報、特開昭61−62501号公報、特開昭61−163903号公報、特開昭62−68804号公報、特開昭62−68805号公報、特開昭63−286412号公報、特開昭64−62313号公報、特開平1−1530707号公報、特開平2−279753号公報、特開平2−28150号公報、特開平2−51514号公報、特開平3−41145号公報、特開平3−74365号公報、特開平3−163058号公報、特開平3−97703号公報、特開平3−143910号公報等に記載されている重合法によって共重合され得る。
本実施形態に係る芳香族系樹脂(B)は、その単量体成分がスチレン化合物とN−フェニルマレイミド化合物とを含むものであると好ましい。これにより、本発明の目的を更に有効且つ確実に達成することができる。
また、本実施形態に係る芳香族系樹脂(B)は、その単量体成分がスチレンとアクリロニトリルとN−フェニルマレイミドとからなるスチレン−アクリロニトリル−N−フェニルマレイミド共重合体(以下、「共重合体(B−1)」と表記する。)であると好ましい。あるいはそれに代えて/加えて、その単量体成分がスチレンとN−フェニルマレイミドとからなるスチレン−N−フェニルマレイミド共重合体(以下、「共重合体(B−2)と表記する。)であると好ましい。これらの樹脂は、耐熱性、透明性等の光学材料に求められる特性に特に優れている。
また、共重合体(B−1)及び共重合体(B−2)は、Tgが120℃以下である芳香族系樹脂(A)との相溶性が高い。そのため、これらの樹脂を含有する樹脂組成物の成形により、透明性が高く、使用中に相分離を起こして透明性が低下することが抑制された光学フィルムが得られる観点からも、これらの樹脂が好ましい。このような観点から、特に、スチレンとアクリロニトリルとを単量体成分として含む共重合体である芳香族系樹脂(A)と併用する場合、芳香族系樹脂(B)として、共重合体(B−1)及び/又は共重合体(B−2)が好ましい。
芳香族系樹脂(B)が共重合体(B−1)を含む場合、当該共重合体の単量体成分は、スチレン30〜80質量%と、N−フェニルマレイミド15〜65質量%と、アクリロニトリル5〜30質量%(ただし、これらの単量体成分の合計量は100質量%)とからなるものであると好ましい。これにより、複屈折の発現を確保できると共に、樹脂組成物の流動性が良好となり、光学フィルムが耐熱性及び機械強度に優れたものとなる。
共重合体(B−1)中のスチレン単位の含有量は30〜80質量%であると好ましく、40〜70質量%であるとより好ましく、45〜65質量%であると更に好ましい。その共重合体中のスチレン単位の含有量は複屈折の発現と流動性との観点から30質量%以上であると好ましく、耐熱性の観点から80質量%以下であると好ましい。
また、共重合体(B−1)中のN−フェニルマレイミド単位の含有量が15〜65質量%であると好ましく、20〜60質量%であるとより好ましく、25〜55質量%であると更に好ましい。その共重合体中のN−フェニルマレイミド単位の含有量が15質量%以上であると耐熱性に一層優れ、機械強度、流動性の観点から65質量%以下であると好ましい。
さらに、共重合体(B−1)中のアクリロニトリル単位の含有量は、全構成単位の含有量から上記スチレン単位の含有量とN−フェニルマレイミド単位の含有量を差し引いた残部であればよく、5〜30質量%であると好ましい。
芳香族系樹脂(B)が共重合体(B−2)を含む場合、当該共重合体(B−2)中のスチレン単位の含有量は30〜85質量%であると好ましく、N−フェニルマレイミド単位の含有量は15〜70質量%であると好ましい。
芳香族系樹脂(B)が共重合体(B−2)を含む場合、当該共重合体(B−2)中のスチレン単位の含有量は30〜85質量%であると好ましく、40〜70質量%であるとより好ましい。その共重合体中のスチレン単位の含有量は複屈折の発現と流動性との観点から30質量%以上であると好ましく、耐熱性の観点から85質量%以下であると好ましい。
また、共重合体(B−2)中のN−フェニルマレイミド単位の含有量は15〜70質量%であると好ましく、30〜60質量%であるとより好ましい。その共重合体中のN−フェニルマレイミド単位の含有量が15質量%以上であると耐熱性に優れ、機械強度と流動性との観点から70質量%以下であると好ましい。
芳香族系樹脂(B)は公知の溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等の一般的な重合方法を用いて合成される。ただし、本実施形態においては光学用途であるため、樹脂中の微小な異物の混入はできるだけ避けるのが好ましい。この観点から、懸濁剤や乳化剤を用いない塊状重合や溶液重合が望ましい。溶液重合により芳香族系樹脂(B)を合成する場合、単量体の混合物をトルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素の溶媒に溶解して調製した溶液を用いてもよい。塊状重合により芳香族系樹脂(B)を合成する場合、通常と同様に加熱により生じる遊離ラジカルや電離性放射線照射により重合を開始させることができる。
重合の過程で未反応のモノマーや低分子のオリゴマーが多量に残存すると、光学フィルムの耐熱性を損ない、加熱により複屈折の低下を招きやすくなる。そこで、芳香族系樹脂(B)中に残存する単量体は、その樹脂100質量部に対して1.0質量部以下であると好ましく、より好ましくは0.1質量部以下である。
芳香族系樹脂(B)の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で80000〜500000の範囲が好ましい。得られる樹脂組成物から光学フィルムを作製したときの機械強度を高めるため、この重量平均分子量は80000以上であると好ましい。また、流動性の観点から、この重量平均分子量は500000以下であると好ましい。
芳香族系樹脂(B)は、1種類を単独で、又は、単量体成分の種類、組成、重量平均分子量などが異なる2種類以上のものを混合して用いられてもよい。
芳香族系樹脂(B)のTgは、光学フィルムを位相差フィルムとして用いた場合の高い複屈折率を保持する点で重要である。このTgは、好ましくは122℃以上であり、より好ましくは130℃以上であり、特に好ましくは140℃以上である。芳香族系樹脂(B)のTgが122℃以上であることにより、液晶表示装置の製造工程又は画像表示中における昇温により、芳香族系樹脂(B)の分子鎖の配向が緩和するのを防ぎ、複屈折率が低下することを抑制できる。
芳香族系樹脂(B)のTgは、例えばN−フェニルマレイミドなどのN−置換マレイミド化合物の含有量を増大することによって高くすることができ、122℃以上に制御することができる。なお、本実施形態において、芳香族系樹脂(B)が2種類以上である場合、芳香族系樹脂(B)のTgは、2種類以上の芳香族系樹脂(B)全体でのTgを示す。
本実施形態において、芳香族系樹脂(A)及び芳香族系樹脂(B)は、ベンゼン環などの芳香環の不飽和二重結合、及び単量体成分として共役ジエンを含む場合はその不飽和二重結合、が部分的に水素添加されていてもよい。その水素添加率は核磁気共鳴装置(NMR)によって測定できる。
芳香族系樹脂(A)、芳香族系樹脂(B)の未延伸時の光弾性係数は、それぞれ30.0×10-12/Pa以下であると好ましく、15.0×10-12/Pa以下であるとより好ましく、10.0×10-12/Pa以下であると更に好ましい。ここで、本実施形態における光弾性係数(CR)とは、外力による複屈折率の変化の生じやすさを表す係数であり、下記式(1)により定義されるものである。
R[単位:/Pa]=Δn/σR、Δn=n1−n2 (1)
ここで、式(1)中、CRは光弾性係数を示し、σRは伸張応力[単位:Pa]を示し、Δnは応力付与時の複屈折率を示す。また、n1は伸張方向に平行な方向の屈折率を示し、n2は伸張方向に垂直な方向の屈折率を示す。これらの各特性は、市販の複屈折測定装置を用いて、樹脂のフィルムに所定の伸張応力を与えながら屈折率を測定することで導出される。
上記光弾性係数の値がゼロに近いほど外力による複屈折率の変化が小さいことを示しており、各用途において、複屈折率の設計値からの変化が小さいことを意味する。
上述のとおり本実施形態の光学フィルムは、Tgが120℃以下である芳香族系樹脂(A)15〜85質量部と、Tgが122℃以上である芳香族系樹脂(B)15〜85質量部とを含有する樹脂組成物からなるものである。この光学フィルムにおいて、芳香族系樹脂(A)の含有割合は、樹脂組成物の全量を100質量部として15〜85質量部であり、好ましくは20〜80質量部である。上記含有割合は、光学フィルムの機械強度及び流動性を向上させるために15質量部以上であり、耐熱性の観点から85質量部以下である。また、上記光学フィルムにおいて、芳香族系樹脂(B)の含有割合は、樹脂組成物の全量を100質量部として15〜85質量部であり、好ましくは20〜80質量部である。この含有割合は、光学フィルムの耐熱性を向上させるために15質量部以上であり、機械強度及び流動性を向上させる観点から85質量部以下である。
また、本発明の目的をより有効かつ確実に達成する観点から、本実施形態の光学フィルム(樹脂組成物)における上記芳香族系樹脂(A)と芳香族系樹脂(B)との合計の含有割合は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
本実施形態の光学フィルムを構成する樹脂組成物はより透明性の高いものであることが好ましい。したがって、芳香族系樹脂(A)と芳香族系樹脂(B)とは、互いに相分離せず相溶(missible)することが好ましい。高い相溶性は、芳香族系樹脂(A)及び芳香族系樹脂(B)の組成(共重合組成を含む。)、それらの配合比率、混練温度、混練圧力、冷却温度、冷却速度などを調整することにより実現できる。相溶については、『高性能ポリマーアロイ』(高分子学会編集、平成3年丸善株式会社発行)に詳しく記載されている。芳香族系樹脂(A)と芳香族系樹脂(B)との相溶性が高いと、芳香族系樹脂(A)と芳香族系樹脂(B)とを含有する樹脂組成物からなる光学フィルムの透明性及び機械強度を同時に高めることが可能となるので好ましい。
芳香族系樹脂(A)と芳香族系樹脂(B)とが非相溶であっても、相分離構造のサイズが光の波長に比べて十分に小さければ、光学的なスケールでは均一とみなせるため、透明性が十分に高く、光学フィルムとして良好な特性を示す。また、芳香族系樹脂(A)と芳香族系樹脂(B)が非相溶であっても、それらの樹脂の屈折率が互いに実質的に同一であれば、透明性が十分に高く、光学フィルムとして良好な特性を示す。
本実施形態の光学フィルムにおいて、樹脂組成物は、芳香族系樹脂(A)、芳香族系樹脂(B)以外の重合体を、本発明の目的を達成できる範囲内で含有することができる。上記樹脂組成物に含有することのできる重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。本実施形態に係る樹脂組成物には、上記重合体の少なくとも1種以上を更に含有することができる。
本実施形態の光学フィルムを構成する樹脂組成物は、本発明の目的を達成できる範囲内で、必要に応じて任意の添加剤を配合してもよい。添加剤の種類は、樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられるものであれば特に限定されない。添加剤としては、例えば、二酸化珪素等の無機充填剤、酸化鉄等の顔料、ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロアミド等の滑剤、離型剤、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン、ミネラルオイル等の軟化剤及び可塑剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤、色剤、その他添加剤又はこれらの混合物等が挙げられる。
本実施形態の光学フィルムを構成する樹脂組成物は、芳香族系樹脂(A)及び芳香族系樹脂(B)を始めとする上記各種成分を所望の割合で配合、混合し、更に混練することにより得られる。各種成分を混合するのに用いられる機器としては、例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ドラムタンブラー等が挙げられる。また、混練するのに用いられる装置としては、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、二軸ローター付の連続混練機、多軸スクリュー押出機、オープンローラ、バンバリーミキサー等が挙げられる。
本実施形態の光学フィルムを得るには、まず、例えば、Tダイ、円形ダイ等が装着された押出機等を用いて、上記樹脂組成物を押し出し成形して未延伸フィルムを得る。押し出し成形により成形品を得る場合は、予め芳香族系樹脂(A)と芳香族系樹脂(B)とを溶融混錬したものを用いることができれば、押し出し成形時に溶融混錬を経て成形することもできる。また、芳香族系樹脂(A)と芳香族系樹脂(B)とに共通な良溶媒、例えば、クロロホルム等の溶媒を用いてキャスト成形し未延伸フィルムを得ることも可能である。
次いで、上述のようにして得られた未延伸フィルムを延伸加工し、更に樹脂の分子鎖を配向させると、分子鎖の軸方向の屈折率が分子鎖の軸方向に直交する方向の屈折率よりも小さくなり負の複屈折を示す。このように分子鎖を配向させる方法としては、上記延伸に加えて、公知の分子鎖を配向できるいかなる方法であってもよく、圧延、引取り等の各種方法を用いてもよい。その中でも、特に延伸により分子鎖を配向させる方法が生産効率の面で好ましい。なお、一度の延伸加工で未延伸フィルムの延伸及び分子鎖の配向を同時に施してもよい。
延伸加工としては、例えば、上述のようにして得られた未延伸フィルムを機械的流れ方向(MD)に縦一軸延伸する方法、機械的流れ方向に直行する方向(TD)に横一軸延伸する方法が挙げられる。工業的には、ロール延伸又はテンター延伸による一軸延伸法、ロール延伸とテンター延伸との組み合わせによる逐次二軸延伸法、テンター延伸による同時二軸延伸法、チューブラー延伸による二軸延伸法等によって延伸フィルムを製造することができる。延伸加工によりフィルムの機械強度を向上させることができる。延伸倍率は、未延伸フィルムを基準として、少なくともどちらか一方向に10%以上300%以下であることが好ましく、15%以上200%以下であることがより好ましく、20%以上150%以下であることが更に好ましい。延伸倍率をこの範囲に設定することにより、複屈折、機械強度の両方の観点で一層好ましい光学フィルムが得られる。
未延伸フィルムを延伸する際の延伸温度は、未延伸フィルムのガラス転移温度をTg1とすると、Tg1−10℃〜Tg1+40℃であると好ましい。延伸した光学フィルムのレタデーションの制御及び延伸ムラの抑制の観点から、Tg1〜Tg1+30℃であることがより好ましく、Tg1+5℃〜Tg1+25℃であることが更に好ましい。
ただし、延伸の際の延伸条件は、上記延伸温度の他、延伸速度、変形率などを本発明の目的を達成できる限りにおいて調整することができる。
本実施形態の光学フィルムに対して、更に延伸加工を施すことにより、更に優れた機械強度を付与することができる。このときの延伸フィルムの引張破断伸びは、ISO527−3に準拠して測定され、好ましくは15%以上であり、より好ましくは20%以上である。
本実施形態の光学フィルムに対して、更に必要に応じて、反射防止処理、透明導電処理、電磁波遮蔽処理、ガスバリア処理等の表面機能処理を施してもよい。
本実施形態の光学フィルムの厚みは、フィルム製造時における取り扱いの容易性の観点及び効果的なレタデーションを得る観点から、10〜200μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、40〜80μmが更に好ましい。光学フィルムの厚みは、マイクロメーターによって測定される。
本実施形態の光学フィルムは、全光線透過率が70%以上で無彩色であると好ましく、80%以上であるとより好ましく、90%以上であると更に好ましい。本実施形態の光学フィルムは、ヘーズが2.0以下であると好ましく、1.5以下であるとより好ましい。光学フィルムの全光線透過率は、JIS K7361−1に準拠して測定される。
本実施形態の光学フィルムの光弾性係数は、20.0×10-12/Pa以下であると好ましく、15.0×10-12/Pa以下であるとより好ましく、10.0×10-12/Pa以下であると更に好ましい。光学フィルムの光弾性係数は、市販の複屈折測定装置を用いて、光学フィルムに所定の伸張応力を与えながら屈折率を測定することで導出された各特性の値から、上記式(1)によって算出される。
本実施形態の光学フィルムのTgは、光学フィルムが位相差フィルムである場合の複屈折率を保持する観点から重要であり、好ましくは120℃以上であり、より好ましくは125℃以上である。このTgが120℃以上であることにより、液晶表示装置の製造工程又は画像表示中における昇温により、光学フィルムに含まれる樹脂の分子鎖の配向が緩和するのを防ぎ、複屈折率が低下することを抑制できる。また、商品価値を高める観点からも、本実施形態の光学フィルムのTgが120℃以上であることが好ましい。
本実施形態の光学フィルムは、芳香族系樹脂(A)と芳香族系樹脂(B)との配合比、フィルムの厚み、及び延伸倍率等を例えば上記好ましい範囲内に調整することにより、面内方向のレタデーション(Re)と厚み方向のレタデーション(Rth)とを所望の値に制御され得る。したがって、本実施形態の光学フィルムは位相差フィルムとして用いるのに適している。
特に、本実施形態の光学フィルムは、厚み方向のレタデーション(Rth)の値を負とすることができるので、IPSモードの液晶表示装置をはじめとする各種ディスプレイ用の位相差フィルムとして好ましく用いられる。
面内レタデーション(Re)、厚み方向レタデーション(Rth)は下記式(2a)、(2b)によりそれぞれ定義される。
Re=(nx−ny)×d (2a)
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d (2b)
ここで、nxはフィルムの面内の遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(単位:nm)をそれぞれ示す。
本実施形態の光学フィルムは、屈折率分布が下記式(3)で表される条件を満足する負の位相差フィルムであることが好ましい。
ny<nx=nz (3)
理想的には、屈折率分布が上記式(3)で表される条件を満足する負の位相差フィルムは、面内の一方向に光軸を有する。なお、上記式(3)において、「nx=nz」とは、nxとnzとが完全に同一である場合だけでなく、nxとnzとが実質的に同一である場合も包含する。ここで、「nxとnzとが実質的に同一である場合」とは、nx−nzの絶対値が1.0×10-3以下であることをいう。このような関係を満足する位相差フィルムはネガティブAプレートと呼ばれ、偏光板又は偏光板と液晶セルとの間に配置される構成部材の位相差値に起因して生じる液晶パネルの黒表示における斜め方向の光漏れを小さくするために用いられる。屈折率分布が上記式(3)で表される条件を満足する位相差フィルムは、本実施形態に係る樹脂組成物を一軸延伸することにより製造することができる。
本実施形態に係る位相差フィルムをネガティブAプレートとして用いる場合、面内方向のレタデーション(Re)は40nm〜1100nmであると好ましく、40nm〜500nmであるとより好ましく、50nm〜300nmであると更に好ましい。このレタデーション(Re)を上記の範囲にすることにより、各光学素子の有する機能が相乗効果的に発揮され、液晶表示装置の斜め方向のコントラスト比を更に高め、斜め方向のカラーシフト量をより小さくすることができる。
また本実施形態の光学フィルムは、屈折率分布が下記式(4)で表される条件を満足する正の位相差フィルムであることも好ましい。
nx=ny<nz (4)
理想的には、屈折率分布が上記式(4)で表される条件を満足する正の位相差フィルムは、面内の一方向に光軸を有する。なお、上記式(4)において、「nx=ny」とは、nxとnyとが完全に同一である場合だけでなく、nxとnyとが実質的に同一である場合も包含する。ここで、「nxとnyとが実質的に同一である場合」とは、nx−nyの絶対値が1.0×10-3以下であることをいう。このような関係を満足する位相差フィルムはポジティブCプレートと呼ばれる。屈折率分布が上記式(4)で表される条件を満足する位相差フィルムは、本実施形態に係る樹脂組成物を二軸延伸することにより製造することができる。
本実施形態に係る位相差フィルムをポジティブCプレートとして用いる場合、面内方向のレタデーション(Re)は40nm以下であると好ましく、20nm以下であるとより好ましく、10nm以下であると更に好ましい。なお、ポジティブCプレートの面内レタデーション(Re)の理論上の下限値は0nmである。
また、本実施形態の光学フィルムは、屈折率分布が下記式(5)で表される条件を満足する位相差フィルムであることも好ましい。
ny<nx<nz (5)
ここで、上記式(5)において、「ny<nx」とは、nx−nyが1.0×10-3を超える場合をいい、「nx<nz」とは、nz−nxが1.0×10-3を超える場合をいう。屈折率分布が上記式(5)で表される条件を満足する位相差フィルムは、本実施形態に係る樹脂組成物を二軸延伸することにより製造することができる。
以上説明した本実施形態によると、透明性、耐熱性及び機械特性に優れた複屈折を示す光学フィルムを得ることができる。この光学フィルムは、各種ディスプレイ用途に用いられる位相差フィルムとして好適に用いられる。また、本実施形態に係る樹脂組成物は、優れた透明性、耐熱性及び機械特性を維持した状態で、良好な流動性を示すため、その加工性にも優れており、この樹脂組成物を用いることで光学フィルムを生産性よく製造することができる。これらにより、生産性及び歩留り、さらには高温で保存した時のレタデーションの安定性において十分に満足できる負の固有複屈折を有するポリマーを延伸して得られる位相差フィルムを得ることができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は上記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の表中の各物性は、次に示す方法により求めた。
<評価方法>
(1)フィルムの膜厚(厚み)の測定
マイクロメーター(ミツトヨ製)を用いて原反フィルムの中央部を測定した。
(2)フィルムの全光線透過率、ヘーズの測定
フィルムの全光線透過率をJIS K7361−1に準拠して測定した。フィルムのヘーズをJIS K7136に準拠して測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)測定
示差走査熱量測定装置(パーキン・エルマー社製、商品名「DSC−7」)を用い、室温から200℃まで昇温速度20℃/分で昇温することにより、原反(未延伸)フィルム試料(質量8.0〜10mg)のTgを測定した。
(4)レタデーションの測定
光学材料検査装置(大塚電子製、商品名「RETS−100」)を用いて、23℃、50%RHの条件下で、回転検光子法により入射角θ=0°でフィルム試料のレタデーションを測定した(Re(0))。レタデーションの値は550nmでの値である。複屈折率の絶対値(|Δn|)とレタデーション(Re)は下記式(6)で表される関係にある。
Re=|Δn|×d (6)
ここで、式中、|Δn|は複屈折率の絶対値、Reはレタデーション、dはサンプルの厚み(単位:nm)をそれぞれ示す。
また、複屈折率の絶対値(|Δn|)は下記式(7)で表される値である。
|Δn|=|nx−ny| (7)
ここで、式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の遅相軸と直交する方向の屈折率をそれぞれ示す。
(5)光弾性係数の測定
Macromolecules 2004,37,1062−1066に詳細に記載されている複屈折測定装置を用いた。レーザー光の経路にフィルムの引張装置を配置し、23℃でフィルム試料に伸張応力をかけながら複屈折率を測定した。伸張時の歪速度は20%/分(チャック間:30mm、チャック移動速度:6mm/分)、7mm幅のフィルム試料を用いて複屈折率を測定した。複屈折率(Δn)をy軸、伸張応力(σR)をx軸としてプロットし、その関係から、最小二乗近似により線形領域の直線の傾きを求め、光弾性係数(CR)を上記式(1)により算出した。計算には伸張応力が2.5MPa≦σR≦10MPaの間のデータを用いた。
この傾きの絶対値が小さいほど光弾性係数が0に近いことを示し、好ましい光学特性であることを示す。
(6)固有複屈折の正負の判断
ガラス転移温度以上、ガラス転移温度+50℃以下の範囲内で試料フィルムに伸張応力をかけながら延伸して、急冷固化し、23℃におけるnpr−nvtを測定した。ここで、npr−nvtは配向複屈折であり、配向に依存した複屈折の大きさを表す値である。また、本明細書における固有複屈折とは、完全配向(高分子の主鎖が完全に延びて理想状態まで配向)した時の複屈折の大きさを表す値である。固有複屈折は配向複屈折と正負の符号が一致するため、npr−nvtが負の場合、固有複屈折が負、npr−nvtが正の場合、固有複屈折が正と判断した。
ここで、nprは、一軸性の秩序をもって配向した高分子の配向方向に平行な方向の屈折率、nvtはその配向方向に垂直な方向の屈折率である。
すなわち、固有複屈折が負である樹脂とは、樹脂を構成する高分子が一軸性の秩序をもって配向して形成された層に光が入射したとき、上記配向方向の光の屈折率が、その配向方向に垂直な方向の屈折率よりも小さくなる樹脂をいう。
(7)機械強度の測定
延伸フィルムのMD方向の引張破断伸びをISO527−3に準拠して測定した。MD方向に20mm、TD方向に150mmの試料を切り出し、測定に供した。引張り速度は5mm/minに設定した。
(8)分子量の測定
樹脂の重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー社製、商品名「HLC8220GPC」)、カラム(東ソー社製、商品名「TSK−GEL」、G6000HXL−G5000HXL−G5000HXL−G4000HXL−G3000HXLを直列に連結したもの)を用いた。樹脂試料20mg±0.5mgをテトラヒドロフラン10mLに溶解した後、その溶液を0.45μmのフィルターで濾過した。濾過後の溶液を40℃のカラムに100μL注入し、検出器RI温度を40℃に設定して測定し、市販の標準ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。
<各樹脂の合成>
(1)芳香族系樹脂(A)
(1.1)スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1)
攪拌機付き完全混合型連続反応機に、所定の配合比のスチレンとアクリロニトリルとからなる単量体混合物を溶媒であるエチルベンゼンに混合したものを一定速度で連続的に添加しつつ、反応率を一定に保ち、150℃、滞留時間2時間で重合反応を行った。
得られた重合溶液を押出機に連続的に供給して押し出し成形を行い、押出機で未反応単量体、溶媒を回収し、スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−1)のペレットを得た。
得られた共重合体(A−1)は無色透明であり、FT−IRによる組成分析の結果、スチレン単位の含有量が66質量%、アクリロニトリル単位の含有量が34質量%であった。また、ASTM−D1238に準拠して測定した220℃、10kg荷重のメルトフローレート値は2.5g/10分であった。重量平均分子量は209000であり、ガラス転移温度(Tg)は114.6℃であった。また、その光弾性係数(未延伸)は、4.4×10-12/Paであり、固有複屈折は負であった。
(1.2)スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−2)
スチレン及びアクリロニトリルの配合比を変更した以外は共重合体(A−1)と同様にして重合反応、押し出し成形を行い、スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−2)のペレットを得た。
得られた共重合体(A−2)は無色透明であり、FT−IRによる組成分析の結果、スチレン単位の含有量が60質量%、アクリロニトリル単位の含有量が40質量%であった。また、ASTM−D1238に準拠して測定した220℃、10kg荷重のメルトフローレート値は12.0g/10分であった。重量平均分子量は109000であり、ガラス転移温度(Tg)は114.3℃であった。また、その光弾性係数(未延伸)は、4.7×10-12/Paであり、固有複屈折は負であった。
(1.3)スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−3)
スチレン及びアクリロニトリルの配合比を変更した以外は共重合体(A−1)と同様にして重合反応、押し出し成形を行い、スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−3)のペレットを得た。
得られた共重合体(A−3)は無色透明で、FT−IRによる組成分析の結果、スチレン単位の含有量が75質量%、アクリロニトリル単位の含有量が25質量%であった。また、ASTM−D1238に準拠して測定した220℃、10kg荷重のメルトフローレート値は13.0g/10分であった。重量平均分子量は210000であり、ガラス転移温度(Tg)は108.2℃であった。また、その光弾性係数(未延伸)は、4.8×10-12/Paであり、固有複屈折は負であった。
(1.4)スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−4)
スチレン及びアクリロニトリルの配合比を変更した以外は共重合体(A−1)と同様にして重合反応、押し出し成形を行い、スチレン−アクリロニトリル共重合体(A−4)のペレットを得た。
得られた共重合体(A−4)は無色透明であり、FT−IRによる組成分析の結果、スチレン単位の含有量が50質量%、アクリロニトリル単位の含有量が50質量%であった。また、ASTM−D1238に準拠して測定した220℃、10kg荷重のメルトフローレート値は8.0g/10分であった。重量平均分子量は110000であり、ガラス転移温度(Tg)は115.8℃であった。また、その光弾性係数(未延伸)は、4.2×10-12/Paであり、固有複屈折は負であった。
(2)芳香族系樹脂(B)
(2.1)スチレン−アクリロニトリル−N−フェニルマレイミド共重合体(B−1)
スチレン、アクリロニトリル、N−フェニルマレイミドの各単量体の配合比を変更した以外は特開平02−51514号公報の実施例に記載の方法と同様の方法により重合反応を行い、共重合体(A−1)と同様にして押し出し成形を行い、スチレン−アクリロニトリル−N−フェニルマレイミド共重合体(B−1)のペレットを得た。
得られた共重合体(B−1)は無色透明であり、FT−IRによる組成分析の結果、スチレン単位の含有量が50質量%、アクリロニトリル単位の含有量が17質量%、N−フェニルマレイミド単位の含有量が33質量%であった。また、ASTM−D1238に準拠して測定した220℃、10kg荷重のメルトフローレート値は2.5g/10分であった。重量平均分子量は119000であり、ガラス転移温度(Tg)は150.5℃であった。また、その光弾性係数(未延伸)は、9.6×10-12/Paであり、固有複屈折は負であった。
(2.2)スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体(B−2)
単量体としてスチレン、アクリロニトリルを用い、各単量体の配合比を変更した以外は共重合体(B−1)と同様にして重合反応、押し出し成形を行い、スチレン−N−フェニルマレイミド共重合体(B−2)のペレットを得た。
得られた共重合体(B−2)は無色透明であり、FT−IRによる組成分析の結果、スチレン単位の含有量が49質量%、N−フェニルマレイミド単位の含有量が51質量%であった。重量平均分子量は146000であり、ガラス転移温度(Tg)は204.0℃であった。共重合体(B−2)単体でのフィルム化が困難であり、光弾性係数の測定はできなかった。
<実施例1〜5、比較例1〜9>
上述のようにして得られた各共重合体を表1、表2に示す組成(単位:質量部)で混合、混練して樹脂組成物を調製した。次いで、得られた樹脂組成物を押し出し成形することにより、実施例1〜5、比較例1〜9に係る未延伸フィルムを得た。押し出し成形は、テクノベル製Tダイ装着押出機(商品名「KZW15TW−25MG−NH」、幅150mmのTダイを装着、リップ厚0.5mm)を用いて、スクリュー回転数を120rpm、押し出し機のシリンダー内樹脂温度を250℃、Tダイの温度を250℃に調整して行った。なお、フィルムの流れ(押し出し方向)をMD方向、MD方向に直交する方向をTD方向とした。未延伸フィルムのガラス転移温度(Tg1)を測定した。
上述のようにして得られら未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機社製)を用いて一軸延伸し、実施例1〜5、比較例1〜9の光学フィルムを得た。延伸温度はTg1+20℃とし、延伸速度100mm/minの条件でMD方向に100%延伸した(未延伸フィルム基準)。
得られた光学フィルムの製造に用いられる樹脂組成物の組成、光学フィルムの全光線透過率、ヘーズ、ガラス転移温度、レタデーション、複屈折率、光弾性係数、機械強度(引張破断伸び)を表1、表2に示す。
Figure 2009276420
Figure 2009276420
実施例1〜5、比較例1〜9の光学フィルムは、全て分子鎖が配向すると分子鎖軸方向の屈折率が分子鎖軸方向に対して垂直方向の屈折率より小さくなり、負の複屈折を示した。
実施例1〜4の光学フィルムは、透明性、耐熱性、機械強度(フィルム強度)のバランスに優れ、位相差フィルムの用途に適したものであった。特にフィルム強度に関しては、それぞれ芳香族系樹脂(A)、芳香族系樹脂(B)単独の強度から予想される強度よりも高い値を示した。実施例5では共重合体(B−2)の配合比率を高くすることで耐熱性の高い光学フィルムを作製することができた。
比較例1、2のように芳香族系樹脂(A)としてアクリロニトリル単位の含有量の低い共重合体(A−3)を用いた場合、フィルム強度が十分ではなかった。比較例3のように芳香族系樹脂(A−1)の配合比を高くすると、フィルム強度は高くなるものの、耐熱性が低下した。また、比較例4のように共重合体(B−1)の配合比を高くすると耐熱性は高くなるものの、フィルム強度が低下した。
比較例5で用いたアクリロニトリル単位の含有量が50質量%である共重合体(A−4)は、芳香族系樹脂(B)との相溶性が低下し、透明性及びフィルム強度が十分満足するものではなかった。
比較例6や比較例7のようにスチレン−アクリロニトリル共重合体単独からなる光学フィルムでは、高い機械特性を示すものの、耐熱性が十分満足するものではなかった。
比較例8のようにスチレン−アクリロニトリル−N−フェニルマレイミド共重合体単独からなる光学フィルムでは、高い耐熱性を示すものの、機械特性が十分満足するものではなかった。また、比較例9のようにスチレン−N−フェニルマレイミド共重合体単独ではそもそも機械特性が極めて低く、フィルム化することができなかった。
本発明の光学フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイの用いられる光学フィルムに好適に用いられる。
例えば、偏光板保護フィルム、1/4波長板、1/2波長板等の位相差フィルム、視野角制御フィルム等の液晶光学補償フィルム等に好適に用いられる。
とりわけ、本発明の負の固有複屈折を有するポリマーを延伸して得られる光学フィルムは、厚み方向のレタデーション(Rth)を制御することができるため、水平電界(IPS)モード液晶ディスプレイ用の位相差フィルムとして好適に用いられる。
本発明の光学フィルムは、単独での使用以外に、同種光学フィルム及び/又は異種光学フィルムなどの光学材料と積層して用いられることにより、さらに光学特性を良好に制御される。この際に積層される光学材料としては、ポリビニルアルコール/色素/アセチルセルロースなどの組み合わせからなる偏光板、ポリカーボネート製延伸配向フィルム、環状ポリオレフィン延伸配向フィルム等の位相差フィルムなどが挙げられる。ただし、光学材料はこれらに制限されるものではない。
また、本発明の応用としての用途はこれらに制限されるものではなく、固有複屈折が負であることを利用できる用途で幅広く用いられる。

Claims (9)

  1. ガラス転移温度が120℃以下であり、芳香族ビニル化合物55〜70質量%と不飽和ニトリル化合物30〜45質量%とを単量体成分として含む第1の芳香族系樹脂15〜85質量部と、ガラス転移温度が122℃以上である第2の芳香族系樹脂15〜85質量部と、を含有する樹脂組成物からなる光学フィルム。
  2. 前記第1の芳香族系樹脂がスチレン−アクリロニトリル共重合体である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記第2の芳香族系樹脂が芳香族ビニル化合物とN−置換マレイミド化合物とを単量体成分として含む共重合体を含有する、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 前記第2の芳香族系樹脂がスチレン化合物とN−フェニルマレイミド化合物とを単量体成分として含む共重合体を含有する、請求項3に記載の光学フィルム。
  5. 前記単量体成分がスチレンとN−フェニルマレイミドとアクリロニトリルとからなる、請求項4に記載の光学フィルム。
  6. 前記単量体成分が前記スチレン30〜80質量%と前記N−フェニルマレイミド15〜65質量%と前記アクリロニトリル5〜30質量%とからなる、請求項5に記載の光学フィルム。
  7. 前記単量体成分がスチレンとN−フェニルマレイミドとからなる、請求項4に記載の光学フィルム。
  8. 前記単量体成分が前記スチレン30〜85質量%と前記N−フェニルマレイミド15〜70質量%とからなる、請求項7に記載の光学フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルムからなる位相差フィルム。
JP2008125500A 2008-05-13 2008-05-13 光学フィルム及び位相差フィルム Pending JP2009276420A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008125500A JP2009276420A (ja) 2008-05-13 2008-05-13 光学フィルム及び位相差フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008125500A JP2009276420A (ja) 2008-05-13 2008-05-13 光学フィルム及び位相差フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009276420A true JP2009276420A (ja) 2009-11-26

Family

ID=41441945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008125500A Pending JP2009276420A (ja) 2008-05-13 2008-05-13 光学フィルム及び位相差フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009276420A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010058723A1 (ja) * 2008-11-21 2010-05-27 電気化学工業株式会社 光学フィルム用樹脂組成物及びその光学フィルム
JP2011213953A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Nippon Shokubai Co Ltd 負の固有複屈折を有する熱可塑性樹脂組成物、位相差フィルムおよび画像表示装置
JP2013107933A (ja) * 2011-11-17 2013-06-06 Denki Kagaku Kogyo Kk 光学用成形体用樹脂組成物及びその製造方法、光学用成形体
WO2015141340A1 (ja) * 2014-03-18 2015-09-24 コニカミノルタ株式会社 偏光板保護フィルム、その製造方法、偏光板及び液晶表示装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0667021A (ja) * 1992-08-21 1994-03-11 Fuji Photo Film Co Ltd 複屈折性フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP2006257339A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Tosoh Corp 光学フィルム用樹脂組成物及び光学フィルム
JP2008094912A (ja) * 2006-10-10 2008-04-24 Denki Kagaku Kogyo Kk 樹脂組成物と光学成形体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0667021A (ja) * 1992-08-21 1994-03-11 Fuji Photo Film Co Ltd 複屈折性フィルム及びそれを用いた液晶表示装置
JP2006257339A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Tosoh Corp 光学フィルム用樹脂組成物及び光学フィルム
JP2008094912A (ja) * 2006-10-10 2008-04-24 Denki Kagaku Kogyo Kk 樹脂組成物と光学成形体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010058723A1 (ja) * 2008-11-21 2010-05-27 電気化学工業株式会社 光学フィルム用樹脂組成物及びその光学フィルム
JP2011213953A (ja) * 2010-04-01 2011-10-27 Nippon Shokubai Co Ltd 負の固有複屈折を有する熱可塑性樹脂組成物、位相差フィルムおよび画像表示装置
JP2013107933A (ja) * 2011-11-17 2013-06-06 Denki Kagaku Kogyo Kk 光学用成形体用樹脂組成物及びその製造方法、光学用成形体
WO2015141340A1 (ja) * 2014-03-18 2015-09-24 コニカミノルタ株式会社 偏光板保護フィルム、その製造方法、偏光板及び液晶表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5057807B2 (ja) アクリル系樹脂およびスチレン系樹脂を含む位相差フィルム
JP4068120B2 (ja) 光学補償フィルム
JP4338759B2 (ja) 光学フィルム
JP5291361B2 (ja) 光学材料用樹脂組成物
JP4905082B2 (ja) 位相差フィルム
JP5830949B2 (ja) 位相差フィルム用フマル酸ジエステル系樹脂及びそれよりなる位相差フィルム
JP2010070646A (ja) 光学材料用樹脂組成物
US20080266493A1 (en) Resin composition for optical material
JP5407786B2 (ja) 光学補償フィルム
JP2008268913A (ja) 積層光学フィルム
JP2008276207A (ja) 光学フィルム
JP2006337493A (ja) 偏光子保護フィルムおよびその製造方法、ならびにそれを用いた偏光板
JP2008262182A (ja) 位相差フィルム
JP2008216586A (ja) 機械的性質及び熱的性質に優れる光学フィルム
KR20120040964A (ko) 광학필름용 수지 조성물 및 이를 이용하여 형성된 광학필름
JP5724360B2 (ja) 光学薄膜
JP2007169586A (ja) 光学材料用樹脂組成物
JP2008276208A (ja) 光学フィルム
JP2009276420A (ja) 光学フィルム及び位相差フィルム
TW201329147A (zh) 樹脂組成物及使用其形成之光學膜
JP2008225462A (ja) 積層光学フィルム
JP5074010B2 (ja) 優れた光学材料用樹脂組成物及び成形体
KR101464826B1 (ko) 위상차 필름 및 이를 포함하는 액정 표시장치
JP2008276203A (ja) 光学フィルム
JP5226299B2 (ja) 樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120821

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130107