JP2008094497A - カートリッジ・ピストン - Google Patents

Abstract

【課題】押圧プランジャによる一方的負荷或いは非対称性負荷に対しても良好なシーリング機能を保証するカートリッジ・ピストンの提供。
【解決手段】カートリッジ・ピストンは、外壁２、内部支持体６、及び外壁２と内部支持体６の間にラジアル連結ウェブ７を有する。連結ウェブ７に連結された補強体９が外壁２と内部支持体６の間に設けられ、連結ウェブ７は、カートリッジ・ピストン１の下側における外壁２と補強体９の間に、少なくともカートリッジ・ピストン１の高さの半分まで延在する隙間１１を有する。
【選択図】図３

Description

本発明は、請求項１の前提部分に記載のカートリッジ・ピストンに関する。

このタイプのカートリッジ・ピストンは、欧州特許第１１６５４００Ｂ１号から知られている。同特許では、星形に延在するラジアル連結ウェブが環状のカートリッジ・ピストンの外壁と内部支持体の間に設けられる。その連結ウェブは、横方向リブを有し、カートリッジ・ピストンのほとんど全高さに亘り延在する。欧州特許第１１６５４００Ｂ１号の、特に図１から分かるように、連結ウェブはカートリッジ・ピストンの下側の、外向きに傾斜した支持リップの区域内の下端面に対して極僅かに離隔され、それによって内部環状支持体と外壁の間に安定した連結が生成される。このタイプのカートリッジ・ピストンは、したがって比較的に剛性とされ、大きく歪むことなくカートリッジ内に挿入可能とされ、且つカートリッジ押出し用の押圧プランジャの助勢によって変位可能とされる。

このタイプのカートリッジ・ピストンを有するカートリッジは、通常、放出ピストンのカートリッジ内に置かれた材料の送出に使用される。放出ピストンは特にこの目的のために用意され、且つカートリッジ・ピストンに作用する押圧プランジャを有する。しかし、特に低コストの放出銃の場合は、押圧プランジャがカートリッジ軸から逸れ、そのためにカートリッジ・ピストンが一方側に押し付けられ或いは偏向される可能性がある。その結果、剛性のカートリッジ・ピストンにシーリングの問題を招来する可能性がある。

本発明は、押圧プランジャによる一方的若しくは偏向した負荷時に良好なシーリング機能も保証する、冒頭に述べた種類のカートリッジ・ピストンを提供することをその目的とする。

この目的は、請求項１の特徴を有するカートリッジ・ピストンによって達成される。本発明の更に好適な展開及び有利な実施例は、従属請求項の主題である。

本発明によるカートリッジ・ピストンにおいては、連結ウェブに連結された補強体がカートリッジ・ピストンの外壁と内部支持体の間に配置され、連結ウェブは、カートリッジ・ピストンの下側における外壁と補強体の間に、少なくともカートリッジ・ピストンの高さの半分まで延在する隙間を有する。媒体の圧力を押圧プランジャに歪みを生じさせることなく伝達可能な、極めて強固なピストン・コアが、内部支持体及びこれと支え合う補強体によって創生される。対照的に、カートリッジ・ピストンの、シーリング・リップ若しくは支持リップを伴う外壁は、連結ウェブの隙間によって、ピストン・コアに極めてフレキシブルに枢支状態とされ、したがってシーリング及び支持リップもまたピストン支持のある角度での傾斜時にカートリッジにフレキシブルに適合することが可能とされる。例えば押圧ピストンの傾斜ポジション若しくは偏心押圧等により、ピストンのポジションに傾斜が生じた際には、ピストン・コアは傾斜可能とされ、同時に外壁はカートリッジのシーリング及び支持リップに適応する。したがって、カートリッジ・ピストンのシーリング機能はポジションの傾斜増大時或いは押圧プランジャに対する一方的負荷時にも維持することが可能とされる。

特に好適な実施例においては、連結ウェブの隙間はカートリッジ・ピストンの下側から上部側に楔状に先細となる。支持リップは、したがって、半径方向に極めてフレキシブルとされ、大きな摩擦力を生じることなく半径方向に一層顕著に付勢可能とされる。

更に有利な態様において、本カートリッジ・ピストンは、その上側に上向きに開いた環状側溝を有する。したがって、同側溝と連結ウェブの隙間の間には比較的に狭いウェブが残されるのみであり、そのため外壁は安定したカートリッジ・コアに対して極めてフレキシブルに枢支継合状態でリンクされる。

特に大きめのカートリッジ・ピストンには、外壁近辺に配置された補強体の半径方向内側に、更に１つ又は複数の補強体を配置することが可能とされる。

内部支持体は、好適な実施例においては、中空筒状とすることが可能とされ、填充材料とカートリッジ・ピストンの間に内包された空気のためのブリード・バルブを含むことが可能とされる。しかし、内部支持体はまた、外壁側に向かって星形に延在するラジアル連結ウェブの出発点となる中実コアとして構成することも可能とされる。

本発明の更に具体的な特徴及び長所は、図面を参照した好ましい実施例に関する以下の説明から得られる。

図１から４の各図に示すカートリッジ・ピストン１は、接着剤、シーラントなど様々な材料の貯留及び送出に使用されるカートリッジの放出ピストンとして設計される。同カートリッジは、原則として、材料送出用の市販の放出銃において使用される。この放出銃は、内蔵する押圧プランジャによってカートリッジ・ピストン１を関係するカートリッジに押入し、同カートリッジ内に置かれた材料をカートリッジの送出口を介して放出することが可能とされる。

カートリッジ・ピストン１は外壁２を含み、上側に、半径方向外向きに突出する上部リム３を、且つ下側に同じく半径方向外向きに突出する下部リム４を有する。シーリング・エッジ５は、上部リム３に形成される。カートリッジ・ピストン１をカートリッジの内壁に対して封止するためのシーリング・リップは、シーリング・エッジ５を備える上部リム３によって形成される。下部リム４は、カートリッジ・ピストン１をカートリッジ内で導くための支持リップを形成する。下部リム４と、シーリング・エッジ５を伴う上部リム３の外径は、関係するカートリッジの内径より大きい。それによって、シーリング・リップ及び支持リップは付勢される。

特に、図２及び３から分かるように、カートリッジ・ピストン１は、中央に中空筒状の支持体６及び半径方向外壁２の内部にラジアル連結ウェブ７を有し、該ラジアル連結ウェブは、中空筒状支持体６から発して外壁２側に星状に延在し、外壁２を支持体６に連結する。カートリッジ・ピストン２は、図３で上面側カートリッジ内容物に対面する様子が認められるカバー面８を有する。連結ウェブ７に連結された補強体９は、内部支持体６と外壁２の間に設けられる。図示の実施例においては、補強体９は環状とされ、連結ウェブ７同士間の環状セグメント状補強ウェブ１０によって形成される。しかし、補強ウェブ１０は直線状に延在することも可能とされ、補強体９は山形若しくは他に適切な形状とすることも可能とされる。

図３及び４から、連結ウェブ７には、カートリッジ・ピストン１の下側における補強体９と外壁２の間にピストンの高さ半分まで延在する隙間１１があることが分かる。隙間１１は楔形とされ、カートリッジ・ピストン１の上側方向に先細となる。補強体９の下側は、外壁２の下側と面一で終わるため、内側部分と外側部分はほぼ同高とされる。

カートリッジ・ピストン１は、上向きに開いた断面Ｖ字形の外側環状溝１２と、同溝１２と縁側を同軸とし、上側がカートリッジ内容物に対面する、内側環状溝１３とを含む。外側環状溝１２によって、シーリング・リップ５を伴う上部リム３は横方向にフレキシブル且つカートリッジの内壁に接触可能とされることが保証される。更に、外側環状溝１２により、シーリング・エッジ５を伴う上部リム３によって形成されたシーリング・リップは、カートリッジの押出し時にカートリッジ・ピストンに作用するカートリッジ内容物の圧力によって、半径方向外向き、カートリッジの壁寄りに押圧されることが保証される。図４により、隙間１１と上部環状溝１２の間に残るウェブ１４は、比較的に狭く、したがって外壁２は、安定したカートリッジ・コアに極めてフレキシブルに、蝶番態様でリンクされる。カートリッジ・ピストンの外壁は、したがって、カートリッジの内壁に理想的に適合可能とされる。

カバー・プレート１５は、外側環状溝１２内に係合する下向きに曲折された外側リム１６と、内側環状溝１３内に係合する内側環状ウェブ１７とを有し、カートリッジ・ピストン１の上側に固定される。図４に示す掛止突端１８又は掛止溝１９は、カバー・プレート１５の下向き曲折された外側リム１６及び内側環状ウェブ１７に設けられ、カバー・プレート１５はこれらにより掛止連結を介してカートリッジ・ピストン１に保持される。カバー・プレート１５は、ポリアミド等、若しくは他にカートリッジ内容物に対して耐性の材料から成り、それによってポリエチレン等、若しくは他の軟質プラスチックから成るカートリッジ・ピストン２を保護する。

図３及び４で認められるように、下向きに突出する円錐状スピゴット２０はカバー・プレート１５の中心に軸方向可動に形成される。円錐状スピゴット２０は、内部支持体６の貫通孔２１内に突出し、バルブ・リップ２２を伴うブリード・バルブを形成する。中断されたスペーシング・ウェブ又はスペーシング・カム２３はカートリッジ・ピストン２のカバー面８に置かれ、カバー・プレート１５はそれらによってカバー面８から所定の僅かな隙間２４を以て離隔される。円錐状スピゴット２０は、カートリッジ・ピストン２をカートリッジ内に挿入時に、下から工具の対応する突端によって押し付けられ、そのためにブリード・バルブが開く。カートリッジ内に置かれていた空気は、それによって、掛止突端１８同士間の中間空間、カバー面８とカバー・プレート１５の間の隙間２４、環状溝１３と環状ウェブ１７と開いたブリード・バルブの間の隙間を介して逃がされる。

カートリッジ・ピストンの別の実施例を図５から７に示す。この実施例は、更に環状補強体２５を環状補強体９の半径方向内側に且つ同心に設けたことが第１の実施例と異なるだけである。補強体２５はまた、星形に延在する連結ウェブ間の環状セグメント状補強ウェブ２６によって形成される。他の点では、このカートリッジ・ピストンは第１実施例と対応する設計とされ、相互に対応する構成要素には同じ参照符号が付されている。

本発明によるカートリッジ・ピストンの１つの斜視図である。 図１のカートリッジ・ピストンの底面図である。 図２のＡ−Ａ線断面図である。 図２のＢ−Ｂ線断面図である。 本発明による別のカートリッジ・ピストンの底面図である。 図５のＡ−Ａ線断面図である。 図５のＢ−Ｂ線断面図である。

符号の説明

１ カートリッジ・ピストン
２ 外壁
３ 上部リム
４ 下部リム
５ シーリング・エッジ
６ 内部支持体
７ 連結ウェブ
８ カバー面
９ 補強体
１０ 補強ウェブ
１１ 隙間
１２ 環状側溝
１３ 内側環状溝
１４ ウェブ
１５ カバー・プレート
１６ 外側リム
１７ 内側環状ウェブ
１８ 掛止突端
１９ 掛止溝
２０ 円錐状スピゴット
２１ 貫通孔
２２ バルブ・リップ
２３ スペーシング・ウェブ又はスペーシング・カム
２４ 隙間
２５ 補強体
２６ 補強ウェブ

Claims (10)

1. 外壁（２）、内部支持体（６）、及び外壁（２）と内部支持体（６）の間にラジアル連結ウェブ（７）を有するカートリッジ・ピストン（１）において、連結ウェブ（７）に連結された補強体（９）が外壁（２）と内部支持体（６）の間に配置されることと、連結ウェブ（７）は、カートリッジ・ピストン（１）の下側における外壁（２）と補強体（９）の間に、少なくともカートリッジ・ピストン（１）の高さの半分まで延在する隙間（１１）を有することとを特徴とするカートリッジ・ピストン。
2. 前記連結ウェブ（７）の隙間（１１）は、カートリッジ・ピストン（１）の下側から上向き楔形状に先細となることを特徴とする請求項１に記載のカートリッジ・ピストン。
3. 前記カートリッジ・ピストン（１）は、上向きに開いた上側Ｖ字形断面の環状側溝（１２）を含むことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のカートリッジ・ピストン。
4. 前記補強体（９）の下側は、外壁（２）の下側と面一に終わることを特徴とする請求項１から３までのいずれか一項に記載のカートリッジ・ピストン。
5. 前記補強体（９）を環状とすることを特徴とする請求項１から４までのいずれか一項に記載のカートリッジ・ピストン。
6. 少なくとも更に１つの補強体（２５）が補強体（９）と支持体（６）の間に配置されることを特徴とする請求項１から５までのいずれか一項に記載のカートリッジ・ピストン。
7. 前記外壁（２）は、シーリング・エッジ（５）を伴う半径方向外向きに突出する上部リム（３）と、支持リップとして構成される半径方向外向きに突出する下部リム（４）とを含むことを特徴とする請求項１から６までのいずれか一項に記載のカートリッジ・ピストン。
8. カバー・プレート（１５）が前記カートリッジ・ピストン（１）の上側に配置されることを特徴とする請求項１から７までのいずれか一項に記載のカートリッジ・ピストン。
9. 円錐状スピゴット（２０）が前記カバー・プレート（１５）に形成され、下向きに突出し、且つ内部支持体（６）にバルブ・リップ（２２）を伴うブリード・バルブを形成することを特徴とする請求項８に記載のカートリッジ・ピストン。
10. 中断されたスペーシング・ウェブ又はスペーシング・カム（２３）が前記カートリッジ・ピストン（１）のカバー面（８）に配置され、カバー・プレート（１５）はそれらによってカバー面（８）から所定の僅かな隙間（２４）を以て離隔されることを特徴とする請求項８又は請求項９に記載のカートリッジ・ピストン。

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