JP2008094231A - 車両の防音構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体パネルの室内面側に防音材を取り付ける車両の防音構造であって、軽量化を図るとともに吸音性能を高める。
【解決手段】ダッシュパネル10の車室内面側に取り付けられるインシュレータダッシュ20は、多孔質吸音機能を有する吸音層30と、通気量をコントロールすることであらゆる周波数域の騒音を吸音・遮音することができる低通気層40と、吸音層30と低通気層40とを一体化する接着層50とから構成されている。そして、接着層50により剥離強度0.01〜10.0N/cmの範囲で強固に一体化して、剥離不良を確実に防止するとともに、低通気層40における通気量をコントロールすることで、良好な吸音性能、遮音性能を剥離不良が生じることなく長期に亘り確保する。
【選択図】図2

Description

この発明は、車体パネルの室内面側に防音材を取り付けてなる車両の防音構造に係り、特に、重量の嵩む遮音層を廃止して、防音材の軽量化を図るとともに、広範な周波数域の騒音に対して、優れた防音特性を発揮できる車両の防音構造に関する。
通常、車室内の静粛性を高めるために、車両の防音構造として、車体パネルの室内面側に各種防音材が取り付けられている。この防音材の一例として、インシュレータダッシュがある。このインシュレータダッシュの従来例について、以下、図8を基に説明する。エンジンルームEと車室Rとを区画するダッシュパネル1の室内面側には、インシュレータダッシュ2が添装されており、このインシュレータダッシュ2は、図9に拡大して示すように、再生ゴムシート、再生塩ビシート等、高密度材料からなる遮音層3と、その裏面側に積層一体化される繊維集合体からなる吸音層4とから構成されており、インシュレータダッシュ2の下側表面には、フロアカーペット5がラップ状に敷設され、また、インシュレータダッシュ2の上部側はインストルメントパネル6内に位置している(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、インシュレータダッシュとしては、既存の遮音型インシュレータダッシュ2に加えて、最近では、軽量な通気型インシュレータダッシュ2´が提案されている。まず、既存の遮音型インシュレータダッシュ2は、図10(a)に示すように、遮音層3としては、非通気性の重量の嵩む再生ゴムシート、再生塩ビシート等が使用され、図10(b)に示すように、ダッシュパネル1を透過する騒音は、吸音層4で高周波数域の騒音が吸音されるが、低周波数域の騒音は遮音層3で跳ね返され、遮音層3とダッシュパネル1との間の二重壁遮音機能が防音機能に大きく寄与している。
次いで、通気型インシュレータダッシュ2´は、図11(a)に示すように、吸音層4の室内面側には、高密度不織布等の通気性を有する高密度層7が一体化されており、通気型インシュレータダッシュ2´における吸音のメカニズムは、図11(b)に示すように、ダッシュパネル1を透過する騒音は、吸音層4、高密度層7を通じて主に高周波数域の騒音が吸音処理される。更に、残る騒音は、室内側に透過し、インストルメントパネル6で反射した後、再度高密度層7から通気型インシュレータダッシュ2´内に吸音され、車室内の吸音性の向上に大きく貢献できる(例えば、特許文献2参照。)。
実開平7−5966号公報
特開2003−216158号公報
このように、従来では、例えば、図10に示すように、遮音型インシュレータダッシュ2においては、遮音層3として再生ゴムシート、再生塩ビシート等、重量の嵩む材料を使用するため、重量が嵩み、製品の軽量化に逆行し、燃費効率及び取付作業性を低下させる要因となっている。更に、吸音性能においても、高周波数域の騒音の吸音効果が充分ではなく、また、室内に透過した騒音は、インストルメントパネル6で反射し、更に、製品表面で再反射して、車室内の音圧が上昇し、車室内の静粛性においても満足のいくものではないという欠点が指摘されている。
一方、図11に示す通気型のインシュレータダッシュ2´については、重量の嵩む遮音層3に替えて、繊維質成形体からなる高密度層7を使用するため、軽量化に貢献でき、更に、反射騒音等を解消でき、吸音性能の向上は見込めるものの、高密度層7を形成する際、使用繊維(フエルト)は、リサイクル品が主流であるため、季節により繊維の仕様が異なり、通気量の調整が非常に困難である。また、高密度層7を低通気化するために圧縮した際の反発力においても限界があり、通気量をコントロールする際の下限値にも限界があることを考慮すれば、所望の吸音性能を達成するとは言い難い。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車体パネルの室内面側に防音材を取り付けてなる車両の防音構造であって、防音材の軽量化を図るとともに、優れた防音特性を発揮できる車両の防音構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、車体パネルの室内面側に防音材を取り付けてなる車両の防音構造において、前記防音材は、車体パネルの室内面形状に即して成形された吸音層と、この吸音層の車室内面側に一体化される低通気層と、吸音層と低通気層とを強固に一体化する接着層とから構成され、低通気層は溶融層と基材層との積層体からなり、低通気層の通気量を0.1〜30cm3 /cm2 ・secの範囲内に設定することで、吸音性能と遮音性能のバランスがとれた防音処理が施されていることを特徴とする。
ここで、防音材の設置箇所は、車体パネルの車室内側面、エンジンルーム内側面、ラゲージルーム内側面、そして、トランクルーム内側面等に適用できる。また、製品形態としては、インシュレータダッシュ、ルーフトリム、エンジンルームインシュレータ、ラゲージトリム、トランクトリムがある。
そして、低通気層としては、通気量0.1〜30cm3 /cm2 ・secのものをいう。尚、通気量の数値としては、JIS L 1096 一般織物試験方法 フラジールA法に準じて測定した数値を使用する。また、低通気層の材質としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66等の合成繊維をベースとした不織布マットが使用できる。特に本発明においては、不織布原反マットを熱処理後、サーマルローラーにより表面を溶融させた溶融層を一部に形成するが、ローラー温度、ローラー速度、ローラー圧等を適宜調整することで、適切な厚みの溶融層を形成することができ、上述した範囲内の通気量に設定できる。
また、低通気層の面密度としては、30〜1600g/m2 、好ましくは、50〜500g/m2 、厚みとしては、0.2〜10mm、好ましくは、0.5〜3mmの範囲が良い。更に、溶融層と基材層との比率は、低通気層全体の厚みに対する溶融層の厚み比率は5〜80%が適している。また、低通気層における溶融層の配置(表面側又は吸音層側)及び溶融層の厚み設定により通気量を調整することができ、吸音性能、遮音性能のコントロールが可能となる。吸音性能を高める場合には、通気量を上げ、逆に遮音性能を高める場合には通気量を下げる調整を行なえば良い。また、溶融層は片面もしくは両面に形成することもできる。
一方、吸音層としては、フエルト、PET(ポリエステル)繊維等の合成繊維、紙類(パルプ等)を繊維状にした繊維集合体からなり、通常は繊維集合体をマット状に集積した原反マットを加熱軟化処理後、所要形状の型面を有するコールドプレス成形金型によりプレス成形して成形される。この吸音層の物性としては、密度0.01〜0.6g/cm3 、面密度200〜2400g/m2 、厚みは全体の防音材の平均厚みが5〜60mmとなるように、厚み4.8〜50mm、好ましくは5〜10mm、通気量0.1〜30cm3 /cm2 ・sec、好ましくは1〜20cm3 /cm2 ・secの範囲が良い。
次に、吸音層と低通気層とを一体化するための接着層としては、ポリエチレンパウダー等の樹脂パウダー、ホットメルトフィルム(溶融時、隙間ができるため、通気性が損なわれることがない)、ホットメルトウエブを使用することができる。樹脂パウダーを使用する際は、吸音層の素材である原反マットに散布して熱風加熱により溶融させた後、吸音層形成用の原反マットと低通気層形成用の原反マットとを重ね合わせて成形金型内で所要形状に一体成形すれば良い。また、ホットメルトフィルムあるいはホットメルトウエブを使用する際は、低通気層、あるいは吸音層のいずれか一方側の原反マットにラミネート処理しておけば良い。
以上の構成から明らかなように、本発明に係る防音構造によれば、従来の再生ゴムシート、再生塩ビシート等、重量の嵩む遮音性シートを廃止できるため、軽量化に貢献できる。特に、吸音層の表面側に位置する低通気層は、熱処理により繊維マットの一部を溶融させて溶融層の厚みを可変させて通気量の調整を行なう。すなわち、吸音性を高める場合には通気量を上げ、遮音性を高める場合には通気量を下げるという調整を行なうことで、所望の防音性能を達成することができる。更に、吸音層と低通気層とは接着層により強固に接着一体化しているため、長期使用によっても低通気層と吸音層が剥離するという不具合がなく、良好な吸音性能を長期に亘り維持することができる。
以上説明した通り、本発明に係る防音構造は、吸音層の室内面側に繊維質成形体からなる低通気層を設け、この低通気層は、熱処理により溶融層を適宜厚みに形成することで通気量を適正にコントロールするとともに、低通気層と吸音層とは接着層により強固に一体化しているため、防音材の製品重量を大幅に軽量化することができ、燃費効率を高めることができるとともに、パネルへの取付作業性を向上させることができるという効果を有する。
更に、低通気層において、通気量を適宜コントロールできるため、ターゲットとなる騒音の周波数レベルに対応して通気量を適宜上げ、下げすることで、適正な防音機能を達成することができる。加えて、接着層の存在により吸音層と低通気層との剥離強度を例えば、0.01〜10.0N/cmのように設定したため、長期使用によっても吸音層と低通気層とが剥離することがなく、防音性能を長期に亘り良好に維持できるという効果を有する。
以下、本発明に係る車両の防音構造について、ダッシュパネルの車室内面側に装着されるインシュレータダッシュに適用した実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図6は、本発明の一実施例を示すもので、図1はダッシュパネルに取り付けたインシュレータダッシュの構成を示す断面図、図2は同インシュレータダッシュの構成部材を示す説明図、図3は同インシュレータダッシュの吸音メカニズムを示す説明図、図4は同インシュレータダッシュにおける低通気層の製造工程を示す説明図、図5は同低通気層の破断面を示す断面図、図6は同インシュレータダッシュの製造工程を示す説明図、図7は同インシュレータダッシュの変形例の各構成を示す説明図である。
図1において、エンジンルームEと車室Rとを区画するダッシュパネル10は、上部側からダッシュアッパー部10a、ダッシュロア部10b、トーボード部10cに区画され、ダッシュパネル10の室内面に沿ってインシュレータダッシュ20が取り付けられている。また、トーボード部10c上に装着されるインシュレータダッシュ20の表面側にはフロアカーペット11がラップ状に敷設され、更に、ダッシュパネル10のダッシュアッパー部10a及びダッシュロア部10bの上半部分に装着されるインシュレータダッシュ20の上半部分は、インストルメントパネル12内に位置している。尚、インストルメントパネル12には、図示しないクラッシュパッドが取り付けられている。
ところで、本発明に係るインシュレータダッシュ20は、燃費効率、及び取付作業性を高めるために、製品重量が大幅に軽量化されており、更に、軽量化しても充分な防音特性を備えるように構成されている。このインシュレータダッシュ20は、図2の構成説明図から明らかなように、ダッシュパネル10と対向する側に配置され、多孔質吸音機能により高・中周波数域の騒音を有効に吸音できる吸音層30と、車室Rと対向する側に配置され、特に、低通気性を有し、通気量を適宜コントロールすることで、吸音性能、遮音性能の双方を満足させる防音性能を有する低通気層40と、吸音層30、低通気層40を強固に一体化する接着層50とから大略構成されている。
更に詳しくは、吸音層30は、フエルト、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維不織布、紙類(パルプ等)を繊維状にした繊維集合体、あるいはポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル等の合成樹脂材料内に重炭酸ソーダ等の無機発泡剤、あるいはアゾジカルボンアミド等の有機発泡剤から選択される発泡剤を混入した発泡樹脂材料を使用することができる。この吸音層30としては、高周波数域の騒音を吸音できる多孔質吸音機能を備えていれば良く、面密度としては200〜2400g/m2 、厚みとしてはインシュレータダッシュ20の厚みが5〜60mmとなるように、4.8〜50mmの間に設定されている。
次いで、低通気層40は、その材質としてポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66等の合成繊維を使用しており、この実施例では、表面側に溶融層41、吸音層30側対向面に基材層42を有する二層構造体であり、溶融層41を形成するために図4で後述する熱処理が施される。この溶融層41の厚みは、低通気層40の全体厚みの5〜80%の比率で調整され、要求される吸音性能、遮音性能を考慮して比率が適宜選択される。また、この低通気層40の通気量は、0.1〜30cm3 /cm2 ・sec(フラジール式通気量測定器による)の範囲が適切である。また、低通気層40の面密度は、30〜1600g/m2 であり、好ましくは50〜500g/m2 が良い。更に、低通気層40の厚みは0.2〜10mmに設定されている。
次に、接着層50は、ポリエチレンパウダー等の樹脂パウダーをホットメルトとして使用するか、ホットメルトフィルム、ホットメルトウエブ等、熱可塑性樹脂材料を素材とする。そして、本発明においては、吸音層30と低通気層40とを接着層50を介して強固に一体化して、その際の剥離強度が0.01〜10.0N/cmに設定されていることが特徴である。尚、剥離強度は、JIS K 6854−2 接着剤−はく離接着強さ試験方法−第2部:180度はく離[ISO8510−2:1990(IDT)]に準じて測定した数値である。
このように、本発明に係る防音材の構造をインシュレータダッシュ20に適用した場合、吸音層30、低通気層40共繊維質成形体から構成されるため、従来の重量の嵩む再生ゴムシート、再生塩ビシート等を廃止できることから軽量化に大きく貢献できる。よって、燃費効率の向上、並びに車体パネルへの取付作業性の向上が見込める。
また、低通気層40は、熱処理により溶融層41を適宜割合で形成することで低通気層40の通気量を適切にコントロールできる。その結果、例えば、図3に示す防音のメカニズムについて説明すると、エンジンルームEからの騒音F1がダッシュパネル10で一部がエンジンルームE内に跳ね返されるが、一部が車室R内側に伝播され、吸音層30を透過する透過騒音F2は吸音層30における多孔質吸音機能により特に高・中周波数域の騒音レベルが低減される。更に、低通気層40を透過する透過騒音F3は低通気層40における通気量が制御されているため、例えば、通気量を上げた場合には、吸音性能が向上し、特に高・中周波数域の騒音を有効に吸音することができる。逆に、通気量を下げた場合には、遮音性が高まり、低周波数域の騒音を有効に減衰することができる。そして、吸音層30を透過する透過騒音F2、低通気層40を透過する透過騒音F3でかなりのエネルギー減衰が行なわれた透過騒音F4がインストルメントパネル12で反射し、反射騒音F5が更に低通気層40から内部に侵入して、再度吸音処理が行なわれ、インストルメントパネル12内の音圧上昇を招くことなく、車室内の静粛性に大きく貢献することができる。
このように、本発明では、吸音層30においては多孔質吸音機能により高・中周波数域の騒音の広範な周波数域レベルを有効に防音処理することができるとともに、低通気層40においては、侵入する騒音レベルが低周波数域、あるいは高・中周波数域かを見極めて、溶融層41の比率を増減させることで通気量を有効にコントロールすることにより、騒音レベルに対して有効に吸音・遮音処理できる。
次に、図4を基に低通気層40の製造工程を、図6を基に吸音層30と低通気層40の一体化によるインシュレータダッシュ20の製造工程について説明する。図4に示すように、開繊機60でフエルト、ポリエステル等、素材繊維が開繊され、フィーダー61に供給される。そして、フィーダー61からクロスレイヤー62に送られた繊維は、クロスレイヤー62から適宜マット厚みが調整され原反マットとして形成され、熱処理機63により熱風処理された後、サーマルローラー64により圧着加工されて適宜厚みの低通気層40が巻取りロール65に巻取り収容される。ここで、実施例のように、低通気層40を溶融層41と基材層42の二層構造とする場合は、図4に示すように、サーマルローラー64は、上側のみに設定し、例えば、基材層42の上下面に溶融層41を配置する場合は、サーマルローラー64を上下に配置すれば良く、また、溶融層41の厚みを調整する場合は、サーマルローラー64のローラー温度、ローラー速度やローラー圧を適宜可変することで溶融層41の比率を調整することができる。
更に、インシュレータダッシュ20における低通気層40の構成について、図5を基に説明する。図5は上記低通気層40の破断面を電子顕微鏡写真撮影した断面図である。そして、図5から明らかなように、溶融層41は、厚みが158μmに設定され、ほぼソリッドに近い状態であるのに対して、基材層42は厚みが1612μmに設定され、繊維空隙が非常に目立つ構成であることが容易に理解できる。従って、低通気層40を構成する溶融層41と基材層42とについて、双方の物性の違いや厚み比率等により、上述した防音メカニズムが達成されるのである。
次いで、吸音層30と低通気層40を接着層50を介して一体化してインシュレータダッシュ20を製造する工程について、図6を基に説明する。まず、吸音層30の素材である原反マットM1を定寸カットした後、搬送テーブル70上に載置し、搬送テーブル70を次工程である樹脂パウダーPの散布エリアに搬送し、パウダー散布器71から接着層50の素材であるポリエチレンパウダー等の樹脂パウダーPを散布する。次いで、搬送テーブル70を更に次工程に送り、熱風加熱炉72内で原反マットM1を所定温度に加熱軟化させる。この時、原反マットM1に付着している樹脂パウダーPは、接着剤として有効に機能する溶融状態となっている。そして、この状態でインシュレータダッシュ20の製品形状に型面形状を設定したコールドプレス成形用金型73内に投入する。
一方、低通気層40の素材である原反マットM2についても定寸カット後、クランプ装置74で周縁を保持して、赤外線ヒーター装置75で所定温度に加熱軟化処理した後、コールドプレス成形用金型73内に投入し、コールドプレス成形用金型73の型締めにより、図1に示す形状に賦形されたインシュレータダッシュ20の成形が完了する。尚、本実施例では、吸音層30と低通気層40とをポリエチレンパウダー等の樹脂パウダーPを接着媒体として使用し、接着層50を介して一体化したが、樹脂パウダーP以外の使用形態としては、ホットメルトフィルム、あるいはホットメルトウエブを使用することができる。ホットメルトフィルムを使用した際は加熱時に破れるため、通気性を損なうことがない。そして、ホットメルトフィルム、あるいはホットメルトウエブを使用するには、吸音層30の原反マットM1、あるいは低通気層40の原反マットM2のいずれか一方側にラミネートしておけば良い。
図7は低通気層40の変形例を示すもので、図7(a)に示すように、低通気層40は溶融層41と基材層42との二層構造体から構成されているが、この変形例では、溶融層41が吸音層30側に対向しており、上述実施例における溶融層41、基材層42の表裏を逆に配置した変形例である。また、図7(b)に示すように、基材層42の表裏面に溶融層41を配置した三層構造の低通気層40を採用することもできる。更に、図7(c)に示すように、低通気層40をほぼ溶融層41で占有するようにしても良い。このように、要求される防音性能が吸音性能(特に、高・中周波数域の騒音を対象とする)か遮音(特に、低・中周波数域の騒音を対象とする)かを考慮して、低通気層40における溶融層41の占有比率を選択し、通気量を適宜調整することで、有効な防音対策を施すことができる。
上述した実施例は、ダッシュパネル10の車室内面側に取り付けられるインシュレータダッシュ20に本発明を適用したが、車室内に装着されるルーフトリムはもとより、エンジンルーム、あるいはトランクルーム内に取り付けられる防音材全般に適用することができる。更に、接着層としては、ポリエチレンパウダー等の樹脂パウダータイプの他に、ホットメルトフィルム、ホットメルトウエブ等も使用できるため、接着形態は限定されない。
本発明に使用する車両用防音材としてインシュレータダッシュに適用した一実施例を示す断面図である。 図1に示すインシュレータダッシュの構成を示す説明図である。 図1に示すインシュレータダッシュの防音メカニズムを示す説明図である。 図1に示すインシュレータダッシュにおける低通気層の製造工程を示す説明図である。 図1に示すインシュレータダッシュにおける低通気層の破断面を示す電子顕微鏡撮影写真による断面図である。 図1に示すインシュレータダッシュの製造工程を示す説明図である。 図1に示すインシュレータダッシュにおける低通気層の変形例を示す構成説明図である。 インシュレータダッシュの設置箇所を示す説明図である。 従来のインシュレータダッシュの構成を示す断面図である。 従来の遮音型インシュレータダッシュの構成及び防音メカニズムを示す説明図である。 従来の通気型インシュレータダッシュの構成及び防音メカニズムを示す説明図である。
符号の説明
10 ダッシュパネル
20 インシュレータダッシュ(防音材)
30 吸音層
40 低通気層
41 溶融層
42 基材層
50 接着層
60 開繊機
61 フィーダー
62 クロスレイヤー
63 熱処理機
64 サーマルローラー
65 巻取りロール
70 搬送テーブル
71 パウダー散布器
72 熱風加熱炉
73 コールドプレス成形用金型
74 クランプ装置
75 赤外線ヒーター装置
M1 原反マット(吸音層形成用)
M2 原反マット(低通気層形成用)
P 樹脂パウダー

Claims (3)

  1. 車体パネル(10)の室内面側に防音材(20)を取り付けてなる車両の防音構造において、
    前記防音材(20)は、車体パネル(10)の室内面形状に即して成形された吸音層(30)と、この吸音層(30)の車室内面側に一体化される低通気層(40)と、吸音層(30)と低通気層(40)とを強固に一体化する接着層(50)とから構成され、低通気層(40)は溶融層(41)と基材層(42)との積層体からなり、低通気層(40)の通気量を0.1〜30cm3 /cm2 ・secの範囲内に設定したことを特徴とする車両の防音構造。
  2. 前記接着層(50)により低通気層(40)と吸音層(30)との間の剥離強度が0.01〜10.0N/cmに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の防音構造。
  3. 前記低通気層(40)は、合成繊維をマット状に集積した繊維集積体の表面に熱処理を施すことで、表面に形成される溶融層(41)と、非溶融状の基材層(42)との積層体から構成され、低通気層(40)の厚みに対する溶融層(41)の厚みが5〜80%の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の防音構造。
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