JP2008094113A - 車両のシートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロック機構のロック状態を解除するとき、座席の位置を変化させてロック解除を行い、乗員に不要なベルトテンションを与えない車両のシートベルト装置を提供する。
【解決手段】車両のシートベルト装置10は、ベルト13を巻回するベルトリール22と、このベルトリールを巻取り方向に常時付勢する巻取りばね機構29と、ベルトの引出しを阻止するロック機構100を備え、さらに、座席を動作させるアジャスト装置111と、アジャスト装置111の各駆動手段による座席の動作に基づいてロック機構100によるロック状態を解除するロック解除手段(ステップS12,S15)とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は車両のシートベルト装置に関し、特に、移動可能な座席の動作に利用してロック機構のロック作動を行うようにした車両のシートベルト装置に関する。
車両の座席において乗員を保護するために装備されたシートベルト装置について、近年、緊急時や走行状態の不安定時に、ベルトによる乗員の拘束を行うことにより、姿勢変化を抑止する技術が実用に供されている。
シートベルト装置を開示する先行技術としては、下記の特許文献1に記載された技術がある。特許文献1は可逆ベルト・プリテンショナを作動させる方法を開示している。この方法は、ベルトリールに巻回されたベルトを必要に応じて巻取り、ベルトを締め付ける可逆ベルト・プリテンショナを備えた車両のシートベルト装置において、当該可逆ベルト・プリテンショナを作動させるための方法である。可逆ベルト・プリテンショナでは、ベルトリールに作用する駆動装置を有し、さらにベルトリールに作用して緊急時にベルトの引出しをロックするロック装置を有している。ロック装置がロック動作した後のロック装置の動作の制御では、可逆ベルト・プリテンショナを起動した後、かつ、事前に規定された条件が満たされたとき、ベルトリールのロック装置を解除すると共に、ベルト送出しのためのベルト解放を行うまで、ベルトリールが少なくとも巻取り方向に回転するように可逆ベルト・プリテンショナを動作させる。
特表2004−515401号公報
上記の特許文献1に記載された従来のロック機構の解除の技術によれば、座席に座乗する乗員に対して不要なベルトの張力(テンション)を付与する可能性が高く、その結果、ロック機構のロック状態解除の際に乗員に対して強く違和感を与えるという問題が提起されていた。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、車両の緊急時や走行状態不安定時に作動したロック機構のロック状態を解除するとき、座席の位置を変化させてロック解除を行い、ロック解除時に乗員に対して不要なベルトテンションを与えず、ロック解除時の違和感をなくすことができる車両のシートベルト装置を提供することにある。
本発明に係る車両のシートベルト装置は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
第1の車両のシートベルト装置(請求項1に対応)は、ベルトを巻回するベルトリールと、このベルトリールを巻取り方向に常時付勢する巻取りばね機構と、ベルトの引出しを阻止するロック機構を備え、さらに、座席を動作させる座席駆動手段と、座席駆動手段による座席の動作に基づいてロック機構によるロック状態を解除するロック解除手段とを備える。
上記車両のシートベルト装置では、衝突、挙動不安定、走行不安定等の車両の緊急時等にビークルセンサを含むロック機構(加速度に感応するロック機構)が作動し、その後、当該ロック機構のロック状態を解除する際に、移動可能な座席の座席駆動手段を利用し、当該座席の前後方向の移動動作に基づいてロック機構のロック状態を解除する。すなわち、座席の前後スライド装置および/またはリクライニング装置等を利用して当該座席の位置または姿勢を変化させることによりロック状態を解除する。このように座席の移動動作を利用してベルトのロック状態を解除するので、不要なベルトテンションを乗員に付与し、ベルトによって乗員が引っ張られる状態をなくし、違和感を低減する。
第2の車両のシートベルト装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、ベルトリールを回転させるモータと、モータへの通電量を制御して駆動力を発生させるモータ駆動手段と、モータを介してベルトリールを駆動し、ベルトを引き込むことにより座席に乗員を拘束するプリテンショナ機構を備え、さらに、ロック解除手段は、モータ駆動手段と座席駆動手段を連動させることによりロック機構のロック状態を解除することで特徴づけられる。
第3の車両のシートベルト装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、ベルトリールの回転を検知する回転検知手段を備え、この座席駆動手段は、回転検知手段で検知したベルト巻取り量に基づいて座席を駆動することを特徴とする。
第4の車両のシートベルト装置(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは、座席の所定の位置を記憶する座席位置記憶手段を備え、ロック解除手段は、座席位置記憶手段に記憶された位置情報を参照して座席の動作を制御し、ロック状態を解除することを特徴する。
本発明によれば、ロック機構を備えた車両のシートベルト装置で、車両の緊急時等に生じたロック機構のロック状態を解除する場合に、座席の前後スライド装置またはリクライニング装置等を利用して当該座席の位置または姿勢を変化させることによりロック機構のロック状態を解除するようにしたため、座席に座る乗員に対してロック解除時に不要なベルトテンションを与えず、これによりロック解除の動作に伴って従来では乗員に与えていた違和感を低減することができる。また座席の前後方向の移動を利用してロック解除をするので、ロック機構のロック解除の方法が容易になる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
図1は運転席等におけるシートベルト装置の装備状態を示し、図2はシートベルト用のリトラクタ等の要部構成を示し、図3は移動式座席の構成を示し、図4は車両のシートベルト装置の制御システムおよび関連する座席駆動装置の全体的な構成を示す。
図1において、シートベルト装置10は、乗員11の身体を座席12に拘束するベルト(ウェビング)13を備える。ベルト13は、乗員11の上体を拘束するベルト部分13aと、乗員11の腰部を拘束するベルト部分13bとから成る。ベルト部分13bの一端はアンカープレート14により車室下部の車体部分に固定されている。ベルト部分13aは、乗員11の肩近傍の箇所に設けられたスルーアンカー15で折り返され、その端部はリトラクタ16のベルトリールに連結されている。ベルト13の他方の共通端部にはタングプレート17が取り付けられている。このタングプレート17は、座席12の下側縁部に固定されたバックル18に着脱自在である。バックル18には、タングプレート17の連結を検出するバックルスイッチ19が設けられている。
シートベルト装置10が装備された座席12は前後スライド機能およびリクライニング機能等を有している。座席12は座乗部12aと背もたれ部12bを備える。座席12の全体は前後にスライド移動することができる。またその背もたれ部12bは前後に傾斜状態を変えることができる。座席12は、当該座席の位置(姿勢を含む)を変化させる座席駆動装置を備えている。図3を参照して座席12に関連する構成の一例を説明する。
図3に示すように、座席12はアジャスト装置111を備える。アジャスト装置111は、座席12の全体を前後にスライドさせるスライド装置112、背もたれ部12bを前後に傾斜させるリクライニング装置113、座席12の座乗部12aを昇降させる昇降装置114を含んでいる。座席12に座る乗員11の着座の位置または姿勢の制御は、必要に応じて、スライド装置112で座席12を前後にスライドさせ、リクライニング装置114で背もたれ部12bの傾きを調整すること等によって行われる。
座席12の位置を変化させるアジャスト装置111の各種装置の動作は、乗員11が指示器121を操作することにより手動的に制御され、または車両の緊急時等を検出する検出部122の検知信号に基づいて自動的に制御される。手動的、自動的のいずれの場合にも、座席12のアジャスト装置111は制御装置26から指令信号を受ける。また駆動制御の結果の変位状態については、対応する各変位検出部123,124,125から検出信号が制御装置26に対して送られる。
次に、図2を参照して、シートベルト用のリトラクタ16の要部構成を説明する。リトラクタ16は、ハウジング21内に回転自在に設けられたベルトリール(スピンドル)22と、ベルトリール22を回転駆動するモータ23とを備える。ベルトリール22にはベルト13の上記ベルト部分13aの端部が結合され、ベルト部分13aはベルトリール22で巻き取られる。ベルトリール22の軸22aは動力伝達機構(ギヤ機構)24を介してモータ23の駆動軸23aに接続される。ベルトリール22は、動力伝達機構24を経由してモータ23で回転駆動される。またリトラクタ16は、ベルトリール22の軸22aに接続された巻取り位置検知部25を備える。
さらに上記のベルトリール22に対しては、当該ベルトリール22を巻取り方向に常時付勢する巻取りばね機構29が付設されている。
巻取り位置検知部25は、好ましくは、回転角センサを利用して回転検知部として構成される。回転角センサには、例えば、磁気ディスクと2個のホールICとを組み合わせて成る磁気センサが利用される。この回転角センサの最小分解角度は例えば4°であり、ベルトの長さに換算すると1.3〜1.6mm程度である。なお巻取り位置検知部25としては、回転角センサの代わりに、ベルト長センサを用いることもできる。
巻取り位置検知部25は、回転角センサでベルトリール22の回転角を検出することにより、ベルトリール22によるベルト巻取り位置を検知する。巻取り位置検知部25から出力される検知信号は上記の制御装置26に入力される。リトラクタ16の動作は、制御装置26によって制御される。制御装置26は、電源27からモータ23へ供給される駆動電流I1の通電量を通電量調整部28で制御することにより、リトラクタ16の動作を制御する。制御装置26により制御されるリトラクタ16は、乗員11の姿勢を保持するための電気式プリテンショナとして構成されている。座席12に乗車した乗員11は、車両の緊急時や走行状態の不安定時に、ベルト13による保護・拘束を受け、姿勢変化を抑止され、望ましい安全状態に保持される。
本実施形態では、本来的にシートベルト装置制御用の上記制御装置26は、電機式プリテンショナとしてのリトラクタ16の動作を制御する機能を有すると共に、座席12のアジャスト装置111の動作を制御する機能をも有している。さらに制御装置26は、リトラクタ16の動作制御とアジャスト装置111の動作と連動させて制御する機能も有している。
さらにリトラクタ16では、図2に示すごとく、上記ベルトリール22の軸22aの反対側の他方の端部には、車両走行の緊急事態の発生時にベルト13のベルト部分13aの急激な引出しを防止するロック機構100が付設される。車両走行の緊急事態が発生する場合とは、衝突や急制動等であり、それによって、車体に所定の傾斜が作用したり、あるいは車体に所定の加速度が作用する場合である。ロック機構100はよく知られた装置である。ロック機構100は、通常、機構本体部101とビークルセンサ(V/S)102とから構成される。機構本体部101は、ハウジングフレームの内部に、軸22aに結合されかつ軸22aと連動して回転自在に設けられたラチェットホイールと、ハウジングフレームに固定されているフレームギヤと、位置の変化に伴ってフレームギアと係合したりまたは係合解除されたりするロッキング要素とを内蔵している。またビークルセンサ102は、センサフレームにボール要素(ウェイト)とレバー要素(アクチュエータ)を備える。車体に加速度が生じたときに、ボール要素が感応してその位置が変化し、レバー要素を動作させ、レバー要素は上記ラチェットホイールの外周ツメと係合状態を作る機能を有している。
上記のロック機構100において、通常の状態ではロッキング要素とフレームギヤは係合しない状態になり、ロック状態では両者は係合する状態になる。また同様に、通常の状態ではラチェットホイールの外周ツメとビークルセンサ102のレバー要素とは係合しない状態になり、ロック状態では両者は係合する状態になる。
ロック機構100において、ビークルセンサ102によるロック条件(法規上)は、例えば0.45Gでは「50mm以下、または任意の2方向27°の傾きでロックすること」であり、0.7Gでは「25mm以下でロックすること」である。また機構のバラツキにより、ビークルセンサ102のロック解除可能な条件には、ベルト巻取り量に換算して±5mm程度の個体差がある。ロック機構100がロック状態にあるか否かは、後述のごとくロック状態判定部によって判定される。
上記のシートベルト装置10およびリトラクタ16等は運転席側の装置であったが、助手席側にも同様なシートベルト装置およびリトラクタ等が装備されている。以下において「R側」は運転席側、「L側」は助手席側とする。
次に、図4のブロック図を参照して、シートベルト装置10等の制御システムをハードウェアの観点から説明する。この制御システムは、実際上、車両に装備された各種の装置・システムの動作を制御する制御手段として構成されている。
また本実施形態でのシートベルト装置10の制御システムは、座席のアジャスト装置111の動作を制御し座席12の位置または姿勢を変化させることにより、車両の緊急時に作動したロック機構100のロック状態を解除する機能を有している。
図4において、制御装置26はCPUで構成される。制御装置26を含むブロック30は、シートベルトによって乗員11の姿勢を保持するための電気式プリテンショナユニットを示している。ブロック30では、制御装置(CPU)26の入力側に電源部31、車内ネットワーク(CAN)通信部32、回転角インターフェース(回転角I/F)部33、通信部34を備え、その出力側にR側モータ駆動制御部35、L側モータ駆動制御部36、記録部37を備えている。記録部37は、データや制御プログラム等を格納するメモリである。
ブロック30の入力側には、シートベルト用リトラクタの一例として上記のリトラクタ16を示すブロックが設けられる。リトラクタ16は、前述した巻取り位置検知部25から出力される検知信号を制御装置26に送信するための回転角インターフェース(回転角I/F)部41を含む。回転角インターフェース部41は、ブロック30内の上記回転角インターフェース部33に接続され、回転角インターフェース部33に対して検知信号を送る。上記のリトラクタ16は運転席側および助手席側等のそれぞれについて設けられている。
ブロック30の入力側には、さらに、ACC(Adaptive Cruise Control)ユニット(障害物検知装置等の制御ユニット)42、VSA(Vehicle Stability Assist)ユニット(車両挙動安定化制御ユニット)43、FI/AT(Fuel Injection / Automatic Transmission)ユニット44、SRS(Supplement Restraint System)ユニット(補助拘束装置のユニット)45等が設けられている。これらの入力側要素の中には、車速センサ等の車両走行状態検出部等のユニットも含まれる。
ブロック30の入力側には、さらに、前述したアジャスト装置111におけるスライド装置112、リクライニング装置113、昇降装置114のそれぞれに対応する変位検出部123,124,125が設けられている。
ACCユニット42、VSAユニット43、FI/ATユニット44等は車内ネットワーク46を介してそれらの出力信号を車内ネットワーク通信部32に供給する。SRSユニット45は、R側バックル47RおよびL側バックル47Lからの各信号を受けるSRS制御部45aと、通信部45bとを有している。ここでR側バックル47Rは運転席側の上記バックル17に相当し、L側バックル47Lは助手席側に装備されたシートベルト装置のバックルである。R側バックル47RおよびL側バックル47Lから出力される各信号は、内蔵されるバックルスイッチの検知信号である。SRS制御部45aは、R側バックル47RまたはL側バックル47Lからの信号を受けると、通信部45bを介してその信号をブロック30の通信部32に送信する。またSRSユニット45は、車両走行時にシートベルトが正規に使用されていない場合には、警告灯48に対して警告信号を供給する。
ブロック30の出力側には、シートベルト装置10のリトラクタ16等に関連する要素として、R側モータ51とL側モータ52が設けられる。R側モータ51は、運転席側のシートベルト装置の駆動用モータであり、R側モータ駆動制御部35に対応して配置されている。R側モータ駆動制御部35は、制御装置26からの制御指令信号に基づいて上記の電源(+V)27からの通電量を制御してR側モータ51に対して駆動電流を供給する。なおブロック53は接地部である。またL側モータ52は、助手席のシートベルト装置の駆動用モータであり、L側モータ駆動制御部36に対応して配置されている。L側モータ駆動制御部36は、制御装置26からの制御指令信号に基づいて電源(+V)54からの通電量を制御してL側モータ52に対して駆動電流を供給する。またブロック55は接地部である。上記の接地部53,55は、車体の一部をなす接地端子である。
ブロック30の出力側には、さらに、前述したアジャスト装置111のスライド装置112、リクライニング装置113、昇降装置114の各種の駆動装置が設けられている。これらの駆動装置は、駆動インターフェース(I/F部)38を介して制御装置26と接続されている。
図5は、本実施形態に係るシートベルト装置10の制御システムの基本的な機能構成を概念的に示す機能ブロック図である。この制御システムは、主要素として、前述した巻取り位置検知部25と、ロック機構100によるロック状態の判定を行うロック状態判定部61と、車両走行状態判定部62と、シートベルト装置制御部63と、ベルト駆動部64と、座席位置記憶部65と、アジャスト装置制御部66とから構成されている。
ロック状態判定部61は、巻取り位置検知部25で検知されるベルトリール21の巻取り位置の変化に基づいて、ロック機構100における作動の状態がロック状態であるか否かを判定する。ロック状態判定部61は、前述の制御装置(CPU)26でロック状態判定プログラムを実施することにより、機能手段として実現される。
車両走行状態判定部62は、前述の制御装置(CPU)26の演算処理機能により実現され、車両走行状態検知部から供給される検知信号を、予め用意された基準値と比較することにより自車の走行状態について判定処理を行う。車両走行状態判定部62で判定される車両走行状態は、車両の緊急作動状態および走行不安定状態を含むものである。なお車両走行状態検知部は、車体前後方向加速度センサ、車体左右方向(横方向)加速度センサ、車速センサ、舵角センサ、車輪速センサ、ロール角センサ、旋回方向センサなどの複数の各種センサのうちの少なくともいずれか1つを含む。なおこれらのセンサについては、少なくとも車内ネットワークを介して利用可能な状態にあればよい。
シートベルト装置制御部63、前述した制御装置(CPU)26の演算処理機能と、R側モータ駆動制御部35およびL側モータ駆動制御部36とから構成されるものである。またベルト駆動部64は、前述のリトラクタ16であり、より詳しくは前述のR側モータ51とL側モータ52である。
座席位置記憶部65は、ロック機構100のロック状態を解除するため座席12の位置を変化させる際に必要な座席位置を記憶する手段である。通常、上記の記録部37が記憶する。アジャスト装置制御部66は、前述した制御装置(CPU)26の演算処理機能により実現され、アジャスト装置111のスライド装置112、リクライニング装置113、昇降装置114の各駆動装置の動作を独立にまたは連動させて制御する手段である。
次に、図2〜図5に示された上記の装置構成と、図6に示したフローチャートとに基づき、シートベルト装置制御部63およびアジャスト装置制御部66等によって実施されるシートベルト装置10の特徴的な動作の制御例を説明する。この例ではR側モータ51の例で説明する。
図6に示した制御の流れの説明の前に、その前提を説明する。乗員11が座席12に座り、ベルト13を体に巻き付け、タングプレート17をバックル18(R側バックル47R)に結合すると、ベルト13が乗員11の体に装着される。このとき、バックルスイッチ19がオンする。
乗員11の体にベルトが装着されたシートベルト装置10では、基本的な動作として、乗員11の個人的な情報と設定情報とが取得される。乗員情報と設定情報は事前に用意されており、図4に示した記録部37に保存されているものとする。乗員情報としては、性別情報、体格情報等である。設定情報としては、乗員11の意思により好みとして設定された情報である。
次に、取得した乗員情報および設定情報に基づいて、R側モータ51を動作させ、ベルトリール22によるベルト巻取作動を行い、シートベルト装着のフィット状態が良好になるまでベルト13の調整が行われる。
上記前提の下で、図6に示された制御の手順が実行される。最初の判定ステップS11では、車両走行での緊急事態が発生しロック機構100で緊急作動(ロック作動)が生じたか否かが判定される。車両走行での緊急事態とは、自車が近い将来衝突の可能性があるかまたは自車の挙動が著しく乱れるかという事態である。この判定は、巻取り位置検知25の検知信号に基づきロック状態判定部61によって実行される。判定ステップS11でNOである場合には、ロック機構100でロック状態が生じていないので、この制御の流れはすぐに終了する。また判定ステップS11でYESである場合にはステップS12以降が実行される。
車両の走行状態の変化に係るロック機構100の緊急作動を確認するための判定ステップS11は、車両走行中であってシートベルト装置10の適正な保持動作の制御が要求されている間は、定期的に実行される。
また車両の走行状態の判定も併せて行われる。車両の走行状態の判定は、車両走行状態検知部と車両走行状態判定部62により行われる。
判定ステップS11において「緊急作動あり」と判定されたとき(YES)には、アジャスト装置111の各駆動装置を適宜に動作させて、座乗部12aすなわち座席12の全体を前方に移動させ、かつ背もたれ部12bを前方に傾斜させるにように移動させる(ステップS12)。この座席12を前方に移動させる動作制御は、アジャスト装置制御部66により実行される。座席12を前方に移動させる動作の制御は、座席12の移動動作を利用して、ロック機構100のロック状態を解除する動作を補助させるためである。
車両の走行状態で不安定状態等であると判断される場合には、シートベルト装置10は、当然のことながら、電気式プリテンショナの機能によりリトラクタ16のベルトリール22でベルト13を巻取り、乗員を拘束する。同時に、所定条件下でロック機構100がロック状態に動作する。これにより乗員11はシートベルト装置10で確実に拘束され、保護される。
他方、緊急作動の後には、即座に、ロック機構100のロック状態を解除することが必要となる。そこで、座席12を前方向に移動させておき(ステップS12)、ロック機構100のロック解除を容易に行えるようにしておく。
上記のごとく、車両の緊急時にロック機構100でロック状態が生じたときに、電気式プリテンショナの機能によりベルト13を巻取り方向に制御しつつ、座席12の位置を前方に移動させておく。この際に、次のステップS13では、座席12の最引点(元の位置)の位置情報を記憶しておく。座席12の位置情報は座席位置記憶部65に記憶される。
次の判定ステップS14では、車両の車体に加わる横加速度が0.35G以下であるか否かが判定される。横加速度が0.35G以下の場合にはロック機構100のロック状態を解除してもよい状態である。そこで判定ステップS14でNOの場合には、ロック機構100のロック状態を保持すべくリターン端子に移行する。判定ステップS14でYESの場合には、ロック機構100のロック状態を解除することが望ましいので、ステップS15に移行する。
ステップS15では、座席12の状態を元の位置に戻すという制御動作が行われる。この制御動作は、座席位置記憶部65に記憶された座席12の最引点の位置情報に基づいて、アジャスト装置制御部66がアジャスト装置111の各駆動装置を適宜に制御することにより行われる。併せて、ベルト13が座席12の最引点位置に対応するまで当該ベルト13をベルトリール22の回転で引き込む。
上記の場合において、ベルト13は、電気式プリテンショナの作動に基づきベルトリール22で巻取り方向に引かれた状態にあってかつ弛みが生じるように座席12が移動されるので、前述した巻取りばね機構29との作用関係に基づいて、ロック機構100のロック状態が解除されることになる。換言すれば、ベルト13に巻取り張力(テンション)が印加した状態で座席12を後退移動させるので、ロック機構100のロック状態が解除される。
次のステップS16では、再び、座席12の最引点を記憶する。さらに次の判定ステップS17では、ロック機構100のロック状態が解除された否かが判定される。この判定は、前述の通り巻取り位置検知部25とロック状態判定部61により行われる。
最後のステップS18では、判定ステップS17でロック機構100のロック状態が解除されたという判定を条件に(YESの場合)、制御動作が停止される。
座席移動用のアジャスト装置111およびアジャスト装置制御部66を利用したロック機構100のロック状態の解除の制御では、特に望ましくは、スライド装置112による前後方向の移動動作を想定して説明している。座席12の前後方向の移動については、さらに、リクライニング装置113の動作を制御することにより背もたれ部12bを前後に移動させ、これによりロック機構100のロック状態の解除を行えるようにすることもできる。
以上に説明したロック機構100のロック状態解除の制御によれば、座席12の位置・姿勢を変化させるための前後スライド装置および/またはリクライニング装置等を利用してロック状態を解除するようにした。このため、座席12に座る乗員11に対してロック解除時にベルトのみを巻取り制御するときに生じる不要なベルトテンションを与えず、乗員への違和感を低減することができる。また座席の前後方向の移動を利用してロック解除を行い、全体としてロック機構のロック解除の制御が容易になる。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明は、ロック機構を備えた車両のシートベルト装置で、車両の緊急時にロック機構がロックしたとき、違和感を与えない容易なロック解除の制御として利用される。
車両におけるシートベルト装置の装着状態を示す側面図である。 本発明の実施形態に係るシートベルト装置のリトラクタの要部構成を示す図である。 座席の位置・姿勢を変化させる座席駆動装置のシステム構成を示す側面図である。 本実施形態に係るシートベルト装置の制御システムの全体構成を示すブロック図である。 本実施形態に係るシートベルト装置の制御システムの要部の機能構成を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係る車両のシートベルト装置の特徴的な制御フローを示すフローチャートである。
符号の説明
10 シートベルト装置
11 乗員
16 リトラクタ
22 ベルトリール
23 モータ
25 巻取り位置検知部
26 制御装置
29 巻取りばね機構
61 ロック状態判定部
62 車両走行状態判定部
63 シートベルト装置制御部
65 座席位置記憶部
66 アジャスト装置制御部
100 ロック機構
101 機構本体部
102 ビークルセンサ
111 アジャスト装置
112 スライド装置
113 リクライニング装置
114 昇降装置

Claims (4)

  1. ベルトを巻回するベルトリールと、このベルトリールを巻取り方向に常時付勢する巻取りばね機構と、ベルトの引出しを阻止するロック機構を備えた車両のシートベルト装置であって、
    座席を動作させる座席駆動手段と、
    前記座席駆動手段による前記座席の動作に基づいて前記ロック機構によるロック状態を解除するロック解除手段と、
    を備えることを特徴とする車両のシートベルト装置。
  2. 前記ベルトリールを回転させるモータと、
    前記モータへの通電量を制御して駆動力を発生させるモータ駆動手段と、
    前記モータを介して前記ベルトリールを駆動し、前記ベルトを引き込むことにより前記座席に乗員を拘束するプリテンショナ機構とを備え、
    前記ロック解除手段は、前記モータ駆動手段と前記座席駆動手段を連動させることにより前記ロック機構のロック状態を解除することを特徴とする請求項1記載の車両のシートベルト装置。
  3. 前記ベルトリールの回転を検知する回転検知手段を備え、
    前記座席駆動手段は、前記回転検知手段で検知したベルト巻取り量に基づいて前記座席を駆動することを特徴とする請求項1または2記載の車両のシートベルト装置。
  4. 前記座席の所定位置を記憶する座席位置記憶手段を備え、前記ロック解除手段は、前記座席位置記憶手段に記憶された位置情報を参照して前記座席の動作を制御し、前記ロック状態を解除することを特徴する請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のシートベルト装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020069871A (ja) * 2018-10-30 2020-05-07 トヨタ自動車株式会社 車両用乗員保護装置

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