JP2008094067A - 嵩高紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンボス加工によって賦形された凹凸形状が、その後の搬送に起因するテンションによって潰れにくくなる嵩高紙の製造方法を提供すること。
【解決手段】含水状態の繊維シートを一方向に搬送しながらエンボス加工を施して該繊維シートを凹凸賦形し、該エンボス加工と同時に又はその後の搬送中に、凹凸賦形された該繊維シートを乾燥させて嵩高紙を製造する。前記エンボス加工による凹凸賦形のパターンとして、凸部及び凹部がそれぞれ搬送方向に沿って延びる凸部列及び凹部列をなすように配置され、該凸部列及び該凹部列が搬送方向と直交する方向に沿って交互に配列された凹凸パターンを用いる。
【選択図】図6

Description

本発明は凹凸賦形により嵩高とされた紙の製造方法に関に関する。
パルプ等を主体とした繊維からなる紙を嵩高にする方法としては、彫刻したロール間で紙を押圧するエンボス法がある。紙のエンボス加工法は、抄造途中の湿紙に対してエンボス加工を行うウェットエンボス法と、紙を抄造してからエンボス加工を行うドライエンボス法に大別できる。ウェットエンボス法は、抄紙機上で紙が乾燥されるまでの間にエンボス加工を行う方法(特許文献1参照)である。特許文献1には、エンボス加工を行った湿紙を乾燥工程で乾燥することが記載されている。しかし抄造時の湿紙に含まれる多量の水分を乾燥させるためには、ヤンキードライヤーや多筒式ドライヤー表面に強く湿紙を接触させて熱効率を良くする必要がある。これに起因してエンボス加工により形成された嵩高な凹凸が潰れてしまう。
一方ドライエンボス法は、一旦抄造して乾燥させた紙にエンボス加工を行う方法である。しかし、パルプ等の非熱融着性繊維を主体とする紙にエンボス加工を行った場合、パルプ繊維間結合(水素結合、バインダーを介しての結合等)が維持されたままエンボス加工が行われるので、これに起因してエンボス加工時に繊維間結合の破壊や繊維の破断が生じ、紙の強度や嵩高性が低下してしまう。
そこで本出願人は先に、水溶性バインダー又は水膨潤性バインダーを含有する実質的に水分散可能な繊維シートに、該繊維シート中の水分含有率が10〜200重量%の状態でエンボス加工を施し、それと同時に又はその直後に該繊維シートを乾燥させる水解紙の製造方法を提案した(特許文献2参照)。この製造方法によれば、嵩高な凹凸を潰すことなく、凹凸賦形された紙を乾燥させることができる。しかし、エンボス加工後の搬送中に、搬送のテンションによって繊維シートが引き伸ばされて、凹凸賦形された該繊維シートの嵩が減少する場合がある。
特開平8−260397号公報 特開2006−83509号公報
従って本発明の目的は、前述した従来技術の製造方法よりも更に有利な方法で嵩高紙を製造し得る方法を提供することにある。
本発明は、含水状態の繊維シートを一方向に搬送しながらエンボス加工を施して該繊維シートを凹凸賦形し、該エンボス加工と同時に又はその後の搬送中に、凹凸賦形された該繊維シートを乾燥させて嵩高紙を製造する方法において、
前記エンボス加工による凹凸賦形のパターンとして、凸部及び凹部がそれぞれ搬送方向に沿って延びる凸部列及び凹部列をなすように配置され、該凸部列及び該凹部列が搬送方向と直交する方向に沿って交互に配列された凹凸パターンを用いた嵩高紙の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の製造方法によれば、エンボス加工によって賦形された凹凸形状が、その後の搬送に起因するテンションによって潰れにくくなり、得られる紙を嵩高にすることができる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本実施形態は、本発明の製造方法を嵩高水解紙の製造に適用した例である。本実施形態に従い製造される嵩高水解紙は、水溶性バインダー又は水膨潤性バインダーを含有する実質的に水分散可能な繊維シートが原反として用いられる。
水溶性バインダーを含有する水分散可能な繊維シートは種々の方法にて製造される。例えば、抄紙原料であるパルプ分散液中に、水溶性バインダーと、該水溶性バインダーのパルプ繊維への定着剤を添加して、所定量の水溶性バインダーを含有する水解紙原反を製造することが知られている(特開平3−193996号公報)。また、パルプ分散液からシートをフォーミングし、プレス脱水あるいは半乾燥した後に水溶性バインダーを噴霧乾燥あるいは塗工乾燥して、所定量の水溶性バインダーを含有する水解紙原反を製造することも可能である。この際には、プレス脱水よりも熱風通過乾燥機などのプレ乾燥方式を用いた方が、低密度でより水解性の良い水解紙原反を得ることができる。更に上述の湿式抄紙法ではなく、水を使わず乾式でパルプ繊維を解繊して、ウェブを形成した後、水溶性バインダーを噴霧あるいは塗工し、その後乾燥して繊維シートを製造することも可能である。いわゆるエアレイド製法である。
図1には水溶性バインダーを含有する実質的に水分散可能な繊維シートの製造に好ましく用いられる製造装置の一例の概略図が示されている。図1に示す製造装置(湿式抄造機)は、フォーマーと、ワイヤーパートと、第1ドライパートと、スプレーパートと、第2ドライパートとを備えて構成されている。フォーマーは、調製装置(図示せず)から供給された完成紙料を所定の濃度に調節してワイヤーパートへ供給するものである。図示しない調製装置は、パルプ繊維等の原料を離叩解する装置と、離叩解された原料にサイズ剤、顔料、紙力増強剤、漂白剤、凝集剤等の添加剤を添加する添加装置とを備え、水解紙の特性に応じた所定濃度の原料からなる紙料を完成紙料として調製するように構成されている。また、パルプスラリーにバインダーを混合することも可能である。ワイヤーパートは、フォーマーから供給された完成紙料を抄き網に湿紙として形成するものである。第1ドライパートは、ワイヤーパートにおいて形成された湿紙を乾燥させるものである。スプレーパートは、第1ドライパートで乾燥された紙にバインダーを噴霧するものである。第2ドライパートは、スプレーパートでバインダーが噴霧され湿潤状態になっている紙を乾燥させるものである。
フォーマー4から供給された完成紙料がワイヤーパートにおいて抄造され、ワイヤー5上に湿紙が形成される。湿紙は、ワイヤーパートに設置されているサクションボックス6による吸引によって水分が除去され、所定の水分率となされる。次いで湿紙は、第1ドライパート7に導入されて乾燥される。第1ドライパート7はスルー・エア・ドライヤー(以下、TADという)から構成されている。TADは、周面が通気性を有する回転ドラム8と、該回転ドラム8をほぼ気密に覆うフード9とを備えている。TADにおいては、所定温度に加熱された空気がフード9内に供給されるようになされている。加熱された空気は回転ドラム8の外側から内部に向けて流通する。湿紙は、図1中、矢印方向に回転する回転ドラム8の周面に抱かれた状態で搬送される。TAD内を搬送されている間、湿紙にはその厚み方向へ加熱空気が貫通し、それによって湿紙は乾燥され紙となる。
第1ドライパート7で得られた紙には、スプレーパートにおいてバインダーを含む水溶液が噴霧される。スプレーパートは第1及び第2ドライパート7,14間の位置である。両ドライパート7,14は、コンベアを介して連結されている。
コンベアは、それぞれ矢示方向に回転する上コンベアベルト10と下コンベアベルト11とを備えている。コンベア10は、第1ドライパート7のTADによって乾燥されて紙をこれら両ベルト10,11間に挟持した状態で第2ドライパート14へ搬送するように構成されている。上コンベアベルト10の下流側の折り返し端には真空ロール12が配置されている。真空ロール12は、上コンベアベルト10の裏面に紙を吸着させ、その吸着状態下に上コンベアベルト10を搬送させるようになっている。
図1に示すように、スプレーパートはスプレーノズル13を備えている。スプレーノズル13は第2ドライパート14の下方で且つ真空ロール12に対向するように配設されている。スプレーノズル13は、真空ロール12に向けてバインダーを含む噴霧液を噴霧して、紙に該噴霧液を添加(外添)するものである。
スプレーパートにおいてバインダーが供給された後、紙は第2ドライヤーパート14へ搬送される。第2ドライヤーパート14はヤンキードライヤーから構成されている。噴霧液が噴霧されて湿潤状態となっている紙は、フード16内に設置されたヤンキードライヤーの回転ドラム15の周面に抱かれた状態で搬送される。回転ドラム15に抱かれて搬送されている間に紙の乾燥が進行する。
ヤンキードライヤーの出口にはドクターブレード17が設置されている。ドクターブレード17は、紙にクレープをかけながら、ヤンキードライヤーの回転ドラム15から紙を剥離させるものである。これによって紙にクレープがかけられる。次いで紙は、一旦ワインダー(図示せず)に巻き取られてロールとなされる。
一方、水膨潤性バインダーを含有する水分散可能な繊維シートも種々の方法にて製造することが可能である。例えば、パルプ分散液中に所定量の水膨潤性の繊維状バインダーを添加し、湿紙をフォーミングし、乾燥して繊維シートを得ることが知られている(特開平4−370300号公報、特開平2−74694号公報)。また、湿式抄紙法ではなく、エアレイド法にてパルプ繊維と水膨潤性の繊維状バインダーの混合繊維原料を乾式解繊して、ウェブを形成した後、乾燥して繊維シートを製造することが可能である。
更に、上述の方法を組み合わせることによって、水溶性バインダーと水膨潤性バインダーの両方を含有する繊維シートを製造することも可能である。以下の説明においては、エンボス加工による凹凸賦形がなされる前の状態にある、水溶性バインダー又は水膨潤性バインダーを含有する実質的に水分散可能な繊維シートを、原料紙ともいう。
原料紙は、引き続く工程において、一旦ロールの形で保管された後に、再度水が添加されて、エンボス加工による凹凸賦形が施されると同時、あるいはその直後に乾燥が施されて、多数の凹凸部を有する嵩高な水解紙となされる。このような製法は、例えば、図2に示すような嵩高凹凸賦形と同時に乾燥ができるヒートエンボス装置によって行われる。図2に示すエンボス装置は、一対のエンボスロール18,18を有している。各エンボスロール18は、その周面に多数の凹凸を有し且つ互いに噛み合い形状となっている。つまり、図2に示すエンボス装置は、スチールマッチエンボス装置である。各エンボスロール18は、図2中矢印で示す方向に回動している。各エンボスロール18は金属製であり、所定温度に加熱可能なように加熱手段(図示せず)が取り付けられている。エンボスロールは加熱する上で金属製が好ましいが、エンボスロールの材質としては、金属製以外に片方のロールをゴム、紙製を用いても良い。エンボスロール18,18の上流側には、スプレーノズル19が設置されている。スプレーノズル19からは、原料紙に向かって水が散布される。
図2に示すように、原料紙は、ロール(図示せず)から巻き出され、スプレーノズル19から散布された水によって湿潤状態になった後にエンボス装置へ送られる。エンボス装置においては、原料紙が一対のエンボスロール18,18間で挟圧されてエンボス加工される。先に述べた通り、各エンボスロール18は互いに噛み合う構造となっているので、両ロール18によって挟圧された原料紙には、ロール18に施された凹凸形状に対応する凹凸形状が付与される。つまり、原料紙はスチールマッチエンボス加工される。更に、加熱されたエンボスロール18によって原料紙に含まれている水が乾燥除去されて新たな繊維間結合ができあがる。これによって目的とする多数の凹凸形状を有する嵩高な水解紙が得られる。
図3には、スチールマッチエンボス加工されている状態の原料紙が模式的に示されている。この状態での原料紙は、水が噴霧されて湿潤している。つまり、構成繊維間の水素結合が弱まっている。この理由によって、原料紙の構成繊維20は、外力を受けて、つまりスチールマッチエンボスの凹凸パターンに沿って再配置できる状態になっている。従って、原料紙がエンボスロール18,18間を通過すると、エンボスロール18の凹凸パターンに合わせて繊維が再配置して、原料紙が凹凸賦形される。これと共にエンボスロール18による加熱によって湿潤した原料紙から水が乾燥除去される。この結果、再配置した繊維構造において、再度繊維間の水素結合、バインダーによる繊維間の再結合が構築される。このようにして得られた嵩高な水解紙においては、特に凸部の側壁(或いは凹部の側壁)に破れが生じにくくなる。このようにして、凹凸形状の保形性に優れ、且つ強度低下の少ない水解紙を得ることができる。
本製造方法と異なり、一般的な乾燥状態の紙を湿潤させずにそのままエンボスロール18,18によって凹凸賦形しようとすると、構成繊維間の水素結合が維持された状態で、垂直方向に大きく変形が加わるために、図4に示すように繊維間の結合が破壊あるいは繊維そのものが切断されて、凸部の側壁(或いは凹部の側壁)に破れが生じてしまう。その結果、得られた紙には一旦凹凸部が形成されるものの、該凹凸部は外力が加わると容易に潰れてしまうことになる。また、得られた水解紙は、凹凸賦形前に比べて強度が大幅に低下してしまうことになる。
原料紙への凹凸賦形を首尾良く行う観点から、エンボスロール18,18間に導入される前に原料紙に噴霧される水の量(水分含有率)は、原料紙の乾燥重量に対して10〜200重量%である。好ましくは10〜130重量%であり、更に好ましくは15〜50重量%であり、最も好ましくは15〜40重量%である。原料紙には一般に予め5〜10重量%程度の水分が含有されており、それも合わせて原料紙中の水分率が10重量%未満であると、繊維間水素結合を弱めたりバインダーの膨潤や溶解を十分なものにできず、凹凸パターンに沿った繊維の充分な再配置が起こりにくい。一方、200重量%を超えると、効果の向上が小さくなる。また、乾燥負荷に伴う経済性や生産性の観点からも200重量%を超えないことが有利である。原料紙を十分に乾燥させ、かつ原料紙への焦げの発生防止の観点からは、エンボスロール18,18の加熱温度は150〜250℃であることが好ましい。
図2に示すように、原料紙は一方向に搬送されながら、これにエンボス加工が施される。従って原料紙には、その搬送に起因するテンションが加わっている。その結果、エンボス加工による凹凸賦形で製造された嵩高水解紙は該テンションによって引き伸ばされて、折角形成された嵩高な凹凸形状が潰れ、該嵩高水解紙の嵩が減じられてしまう現象が発生することが本発明者らの検討結果から判明した。この不都合をできるだけ解消すべく本発明者らが鋭意検討した結果、以下のことが判明した。
スチールマッチエンボス加工においては、原料紙の一方の面における凸部が形成されている位置の他面に凹部が形成され、且つ一方の面における凹部が形成されている位置の他面に凸部が形成されるように該原料紙を凹凸賦形する。このようにして賦形された凹凸パターンは、一般に図5(a)に示されるように、凸部Pとこれを反転した形状の凹部Dとが交互に且つ一列Lに配置され、該列Lが多列に且つ隣り合う列における凸部と凹部の配置が互いに半ピッチずれるように配列されたものである。図5(b)は、後述する比較例1に従い製造された嵩高紙における凹凸パターンを示している。当該凹凸パターンが賦形された原料紙は、前記の列Lの延びる方向と一致する方向に搬送される。凹凸パターンが賦形された原料紙が、このような状態で搬送されると、図5(c)(d)に示すように、搬送のテンションによって原料紙が引き伸ばされて該原料紙の嵩が減じられてしまうことが判明した。
これに対して、図6(a)は、凸部P及び凹部Dがそれぞれ搬送方向に沿って延びる凸部列LP及び凹部列LDをなすように配置され、凸部列LP及び凹部列LDが搬送方向と直交する方向に沿って交互に配列された凹凸パターンになっている。図6(b)は、後述する実施例1に従い製造された嵩高紙における凹凸パターンを示している。その結果、凹凸賦形された原料紙、即ち嵩高水解紙に搬送のテンションが加わると、図6(c)に示すように、該テンションの働く方向に配列した凸部列LP及び凹部列LDにおける各凸部P及び各凹部Dが幅縮みを起こしてテンションの張力を吸収する。その結果、図6(d)に示すように凹凸賦形された原料紙は、テンションによって幅縮みを起こすのみであり、凹凸の潰れが起こりにくくなる。このようなメカニズムによって、エンボス加工で賦形された凹凸形状が、その後の搬送に起因するテンションによって潰れにくくなり、得られる嵩高水解紙を嵩高にすることが可能となった。なお、テンションがなくなれば、上述の幅縮みは消失し、所定の幅となる。
エンボス加工により賦形される凸部はほぼ半球の形状をしている。凹部についても同様である。凹凸賦形された原料紙の一方の面における凸部の形状及び間隔は、他方面のそれと略同様であることが好ましい。また一方の面に存する凸部は、他方の面に存する凹部と表裏の関係にあり、同様に一方の面に存する凹部は、他方の面に存する凸部と表裏の関係にあることが好ましい。更に、凸部の形状は、凹部の形状を反転したものであることが好ましい。
凹凸賦形された原料紙においては、凸部は、該原料紙の一方の面において、10cm×10cmの正方形の領域を考えた場合、該面の何れの位置においても、該領域中に平均して50〜850個、特に100〜600個形成されていることが好ましい。凸部の個数をこの範囲内とすることにより、凸部と凹部とがバランスよく配される。その結果、本製造方法に従い製造された水解紙を清掃用として使用する場合、汚れの除去性に一層優れたものとなる。
個々のエンボスの形状に特に制限はなく、例えば円形、楕円形、四角形、五角形、六角形、菱形等が用いられる。また、各形状を適宜組み合わせたものを採用しても良い。好ましくは、凸部と凹部の形状が同一の円形が用いられる。エンボス加工としては、特に凹凸状のスチールマッチエンボスが嵩高になりやすいので好ましい。この凹凸状のスチールマッチエンボスでは、ロール表面に均一に且つ規則的に凹凸が存在し、2つのロール間で一方のロールの凸部ともう一方の凹部が噛み合っている。この凹凸状のパターンは、凸部と凹部の繰り返しであり、凸部と凹部のピッチは3.5〜14.0mmが好ましく、更に5.0〜10.0mmが好ましい。また、凸部頂点と凹部頂点の差(溝深さ)は好ましくは1mm〜5mm、更に好ましくは1.5mm〜4.5mm、一層更に好ましくは2mm〜4mmであることが、水解性清掃物品1を嵩高にする観点から好ましい(図7参照)。
凹凸賦形された原料紙は、凹凸賦形された直後に加熱されたエンボスロールの周面に抱かれた状態で乾燥されるか、あるいはエンボス加工後に別途の乾燥装置を用いて乾燥される。後者の場合、エンボス装置と乾燥装置との間においては、含水した原料紙の凹凸形状が変形されないように弱いテンションで搬送するか、搬送ネット等の支持体に乗せた状態で搬送することが好ましい。
凹凸賦形された原料紙を、加熱されたエンボスロールの周面に抱かれた状態で乾燥させる場合、原料紙の乾燥の程度は原料紙の搬送速度等に依存することがある。搬送速度が上がるとエンボスロールの熱だけでは充分に原料紙を乾燥することができなくなる。そこで、図8に示すように熱エンボスロールの径を大きくすることでシートの接触時間を長くして乾燥しやすくしたり、図9に示すようにエンボスロール18,18を覆うフード23を設置し、フード23の一部から所定温度に加熱された空気21が供給され、更にその加熱された空気がフードの一部から排気22として排出される構造にすることで乾燥能力をアップすることが可能である。エンボスロール18,18で凹凸賦形したシートを簡単に剥離するためには、剥離剤を水と同時に添加することが好ましい。剥離剤としては、高級脂肪酸、ポリエチレンワックス、シリコンオイル、鉱物油、その他界面活性剤を配合した溶液等が挙げられる。
凹凸賦形された原料紙を、エンボス加工後に別途の乾燥装置を用いて乾燥させる場合には、該乾燥装置としては、熱風通過乾燥機(スルー・エア・ドライヤー)が好適である。
以上の通り、本製造方法によれば、エンボス加工で賦形された凹凸を、搬送のテンションによって潰すことが効果的に防止される。しかも、原料紙の水分含有率を所定の範囲とした条件下でエンボス加工を施すことで、原料紙に破れを生じさせることを軽減し、且つ強度を低下させることなく多数の嵩高な凹凸を形成することができる。その上、エンボスロールの適切な選択によって、凹凸部の高さを十分に高くすることができる。しかも形成された凹凸部は、外部からの物理的な力(引っ張り、圧縮など)に対して抵抗性(保形性)が良好なものとなる。
次に、本製造方法によって製造された嵩高水解紙について説明する。嵩高水解紙は、典型的には、それに水性薬剤が含浸されて、水解性清掃物品として好適に用いられる。例えば対物用としてトイレ、洗面所、台所など水回りの清掃物品、対人用としては、おしり拭き、介護用からだ拭き、メーク落し用シートとしても好適に用いられる。使用後の清掃物品はそのまま水に流して廃棄すればよく、水に流すと速やかに水解するので排水管を詰まらせることはない。
嵩高水解紙は、その嵩高さによって特徴付けられている。水解紙の厚みTd、即ち水解紙の一方の面における凸部の頂点から、他方面における凸部の頂点までの距離は、エンボス後の乾燥状態で0.3kPa荷重下の厚みをTdで表して、好ましくは1.0〜3.0mmであり、更に好ましくは1.2〜2.5mmという嵩高なものである。0.3kPa荷重は非常に小さいので、Tdは水解紙の見かけの厚みに近似される。
また、嵩高水解紙は、テンション(引っ張り)をかけても厚みが低下しないことにも特徴付けられている。エンボス後の乾燥状態での0.3kPa加重下の厚みをTdとし、テンションとして2000cN/50mmを1分間かけた後の厚みをTaとすると、厚み比Ta/Tdが1に近いほど保形性(嵩の維持性)が良くなることを意味する。本製造方法に従えば、好ましくは0.8以上の厚み比が達成され、更に好ましくは0.85以上、一層好ましくは0.9以上が達せる。0.7未満になると保形性が低く、従来のエンボスパターンとの差が見られない。
水解紙の原料である原料紙は、前述の通り、実質的に水分散可能な繊維と水溶性バインダー又は水膨潤性バインダーを含んでいる。水溶性バインダー又は水膨潤性バインダーは、水解紙に水性薬剤含浸された場合、湿潤強度発現、嵩高エンボス形状の保形性維持、水洗トイレ廃棄時の水解性に寄与するものである。
実質的に水分散可能な繊維としては、繊維長が好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下、一層好ましくは5mm以下のものが用いられる。水解性と湿潤強度を両立する観点からは、重量平均繊維長で0.5mm〜3.0mmのパルプ繊維を主体に用いることが好ましい。更に、風合いを良好にする観点から平均繊維長4.0〜7.0mm程度のレーヨン繊維や合成繊維を混抄することもできる。繊維の種類としては、生分解性を有する繊維が好ましく、セルロース系繊維が典型的なものとして挙げられる。セルロース系繊維としては、例えばパルプ、コットン等の天然繊維やレーヨン等の半合成繊維等が挙げられる。これらの繊維は一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。叩解度を変えてフィブリル化した繊維を用いることもできる。パルプとしては、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)等の漂白された木質パルプ、その他麻等由来のパルプ、化学処理を施してアルカリ膨潤したマーセル化パルプ、螺旋構造を有する化学架橋パルプ、微小繊維状セルロースを用いることもできる。また、生分解性を有しないポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系繊維やポリエステル系等の合成繊維を用いることもでき、ポリ乳酸からなる合成繊維は生分解性を有するので更に好ましく用いることができる。原料紙には、バインダーを除いてセルロース系繊維が70〜100重量%、特に80〜100重量%含まれていることが好ましい。
水溶性バインダーとしては、天然高分子、多糖誘導体、合成高分子などが挙げられる。天然高分子としては、アルギン酸ナトリウム、トラントガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナン、ガラクトマンナン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、プルランなどが挙げられる。多糖誘導体としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチル化デンブン又はその塩、デンプン、メチルセルロース、エチルセルロースなどが挙げられる。合成高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体の塩、不飽和カルボン酸と該不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体との共重合体の塩などが挙げられる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸などが挙げられる。これらの水溶性バインダーの添加量は、用途やバインダーの種類に応じて適切な値とすることができるが、一般的には繊維シートの重量に対して1〜30重量%、特に2〜15重量%となるように添加されることが、嵩高性の維持、適度な湿潤強度発現、良好な水解性発現、経済性の観点から好ましい。また、これらのバインダーは、水を高濃度に含む水性薬剤が水解紙に含浸された状態において、一時的に不溶化して繊維間の結合を維持する結合剤として機能し、嵩高性や清掃時の強度維持の役割を果たしていることが好ましい。水性薬剤中の水分含量は、30〜95重量%、好ましくは50〜95重量%、更に好ましくは60〜95重量%であり、この水解紙をトイレ清掃用物品として用いる場合、尿ジミ汚れの洗浄性、手肌への刺激性の観点から好ましい。
このような水溶性バインダーの一時的不溶化は、水解紙への薬液含浸量、水解紙や水性薬剤に含まれるバインダー不溶化成分によって達成される。水解紙への水性薬剤の含浸量は、バインダーの種類や分子量、水解紙中の含有量によっても異なるため、限定はできないが、バインダーの大半が溶解できないレベルの水性薬剤を含浸させることが好ましい。また、バインダーの不溶化成分としては、水溶性有機溶剤あるいは特定の酸や電解質等が挙げられる。
水溶性有機溶剤としては、具体的にはエタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール等のグリコール類、これらグリコール類とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールとのモノ又はジエーテル、前記グリコール類と低級脂肪酸とのエステル、グリセリンやソルビトール等の多価アルコールが挙げられる。水性薬剤中における水溶性有機溶剤は、単独または2種類以上の混合でも用いられることができ、その濃度は好ましくは30〜70重量%、更に好ましくは30〜60重量%、一層好ましくは30〜50重量%である。また、後述する酸や電解質と併用する場合には、好ましくは1〜50重量%、更に好ましくは5〜40重量%、一層好ましくは10〜30重量%の範囲である。
酸や電解質としては、代表的には塩析あるいは架橋により水溶性バインダーを一時的に不溶化するものが挙げられる。塩析に用いる塩としては、水溶性の塩であれば特に限定されず、種々のものを用いることができる。一方、架橋に用いる塩としては、バインダーの種類によって選択される物質が異なる。例えばカラギーナンやグアーガム等と架橋してゲル化するカリウムイオンを水性薬剤中で供与する水溶性塩が挙げられる。また、少量の水溶性溶剤の存在下でカルボン酸系バインダーと架橋して不溶化する二価金属イオンを薬液中で供与する水溶性塩が挙げられる。一方、ポリビニルアルコールと架橋ゲル化するホウ酸、四ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸塩が挙げられる。なお、これらの酸や電解質の水性薬剤中での濃度は、バインダーの種類や水解紙中の含有量によっても異なるので一概に特定できないが、清拭後の仕上がり性や手肌への残留性を考慮すると、1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の範囲となる。
嵩高水解紙に含浸される水性薬剤は、水を媒体として前述した架橋剤及び有機溶剤が配合されてなるものである。水性薬剤にはこれらの成分に加えて必要に応じ界面活性剤、殺菌剤、キレート剤、漂白剤、消臭剤、香料などを配合して、該水性薬剤の清掃性能を高めてもよい。界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の何れもが用いられ、特に洗浄性と仕上がり性の両立の面から、ポリオキシアルキレン(アルキレンオキサイド付加モル数1〜20)アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エーテル、アルキル(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)グリコシド(平均糖縮合度1〜5)、ソルビタン脂肪酸(炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖)エステル、及びアルキル(炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖)グリセリルエーテル等の非イオン界面活性剤並びにアルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドカルボキシベタイン、アルキルアミドスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン等のアルキル炭素数8〜24の両性界面活性剤が好適に用いられる。水性薬剤は、十分な清拭効果が発現する点から、水解紙の重量(乾燥基準)に対して好ましくは100〜500重量%含浸され、更に好ましくは100〜300重量%含浸される。
一方、水膨潤性バインダーとしては、繊維状のポリビニルアルコールや繊維状カルボキシメチルセルロース、繊維状カルボキシエチルセルロースなどが挙げられる。このような水膨潤性バインダーを用いる場合には、一般的にパルプ繊維等の原料繊維と混合して抄紙される。水膨潤性バインダーの繊維シート中での含有率は、嵩高性の維持、適度な湿潤強度発現、良好な水解性発現、経済性の観点から、好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは8〜30重量%、一層好ましくは10〜25重量%の範囲である。なお、水膨潤性バインダーを用いた場合においても上述の水溶性バインダーの場合と同様に、水解紙に水を高濃度に含む水性薬剤が含浸された状態において、該バインダーの膨潤が一時的に抑制されて繊維間の結合を維持する結合剤として機能し、嵩高性や清掃時の強度維持の役割を果たしていることが好ましい。例えば繊維状ポリビニルアルコールの場合においては、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウムなどのホウ酸系塩、繊維状カルボキシメチルセルロース、繊維状カルボキシエチルセルロースの場合においては、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオン等の二価金属イオンを生成する水溶性塩が好適に用いられる。
水溶性又は水膨潤性バインダーの種類やそれにマッチしたバインダーの一時不溶化あるいは膨潤抑制させる剤については、上述のごとく種々の組み合わせがあるが、その中でもカルボン酸系水溶性バインダーと二価金属イオン、水溶性有機溶剤を含む水性薬剤の組み合わせが好適である。
カルボン酸系水溶性バインダーのうち特に好ましいものはカルボキシメチルセルロース(以下CMCともいう)のアルカリ金属塩である。CMCはそのエーテル化度が0.8〜1.2、特に0.85〜1.1であることがバインダーとしての性能が良好となる点、及び後述する架橋剤との親和性が良好である点から好ましい。CMCは25℃における1重量%水溶液の粘度が10〜40mPa・s、特に15〜35mPa・sであり、同温度における5重量%水溶液の粘度が2500〜4000mPa・s、特に2700〜3800mPa・sであり、更に60℃における5重量%水溶液の粘度が1200mPa・s以下であることがスプレーなどによって紙に添加する場合には、そのハンドリング性の面から好適である。
カルボン酸系水溶性バインダーを含有する水解紙において、それに含浸される水性薬剤としては、水分濃度が60〜90重量%及び水溶性有機溶剤の濃度が8〜35重量%及びアルカリ土類金属、マンガン、亜鉛、コバルト及びニッケルからなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属イオンを供与する水溶性二価金属塩を1〜5重量%濃度で含有する組成のものが、バインダーを一時不溶化して、充分な湿潤強度を発現させ、且つ良好な水解性を得る点から好ましい。
水性薬剤が含浸された状態での湿潤強度は、抄紙機の流れ方向(Machine Direction、略してMD)で300cN/25mm以上、MDとの直角方向(Cross machine Direction、略してCD)で100cN/25mm以上であることが清掃時の丈夫さの観点から好ましい。MD方向については、更に好ましくは400cN/25mm以上、一層好ましくは500cN/25mm以上である。CD方向については、更に好ましくは150cN/25mm以上、一層好ましくは200cN/25mm以上である。
水性薬剤が含浸されてなる水解紙は、水性薬剤が含浸されている程度では水解しないが、大量の水中に廃棄されると速やかに且つ繊維レベルでばらばらに崩壊する。水解紙の水解程度は、JIS P 4501−1993(トイレットペーパー)に規定されるほぐれやすさに準拠して測定しており、この値が低いほど水解性が良好となる。ほぐれやすさの目安として100秒以下が好ましく、更に好ましくは60秒以下が好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記の実施形態は、本発明の製造方法を嵩高水解紙の製造に適用した例であったが、本発明の製造方法は他の種類の嵩高紙の製造方法にも同様に適用することができる。
また前記実施形態においては、原料紙にエンボス加工を施すための装置として、その周面に多数の凹凸を有し且つ互いに噛み合い形状となっている一対のエンボスロールを用いたが、これに代えて図10に示すように、一方の周面に多数の凹凸を有する金属製のエンボスロール18aと、その周面が平滑なゴムロール18bとを備えたエンボス装置を用いてもよい。
また、原料紙は単層構造のものに限られず複数枚のマルチプライからなる多層構造であってもよい。多層構造である場合には、そのうちの少なくとも表層の紙に水溶性バインダー又は水膨潤性バインダーが含有されていればよい。
更に、エンボス加工による凹凸賦形のパターンとしては前記実施形態のパターンに限られず他のパターンを採用してもよい。例えば図11(a)ないし(f)に示すパターンを採用することもできる。図11(a)に示すパターンは、凸部Pと凹部Dが交互に且つ一列に配置され、該列が多列に且つ隣り合う列における前記凸部がそれぞれ搬送方向に沿って延びる凸部列及び凹部列をなすように配置され、該凸部列及び該凹部列が搬送方向と直交方向に沿って交互に配置された凹凸パターンであり、且つ凸部列と凹部列が半ピッチずれたものである。図11(b)に示すパターンは、凸部P及び凹部Dがそれぞれ搬送方向に沿って延びる凸部列及び凹部列をなすように配置され、該凸部列及び該凹部列が搬送方向と直交する方向に沿って交互に配列されたものである。図11(c)に示すパターンは、図11(a)に示すパターンにおいて、凸部Pと凹部Dの大きさが異なるものである。図11(d)及び(e)にそれぞれ示すパターンは、図11(a)に示すパターンにおいて、凸部Pと凹部Dの形状が、円形ではなくそれぞれ矩形及び楕円形であるものである。図11(f)に示すパターンは、図11(a)に示すパターンにおいて、凸部Pと凹部Dの形状が異なるものである。
更に、エンボス加工による凹凸賦形のパターンとして、前記の実施形態のパターン及び図11(a)ないし(f)に示すパターンを適宜組み合わせたものを採用してもよい。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかし本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。特に断らない限り「%」及び「部」はそれぞれ「重量%」及び「重量部」を意味する。
〔実施例1〕
図1の湿式抄紙機を用いて、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)100%の紙料を抄紙して湿紙を得た。湿紙を第1乾燥機であるスルー・エア・ドライヤー7で水分率を4重量%まで乾燥させた。得られた紙を一対のプラスチック製コンベア間10,11に挟持して搬送し、5%溶液で60℃、1000mP・sであるCMC(エーテル化度0.9、日本製紙製)バインダー液をスプレーノズル13にて噴霧した。噴霧量は紙の重量に対して130%とした。CMCの添加量は、紙の重量に対して6.3%であった。CMCが添加された紙を、第2乾燥機としてのヤンキードライヤー14で乾燥させた後、ドクターブレード17によってクレープ加工を行いった。これによって坪量30g/m2のCMC添加紙を作製した。また、同じ図1の湿式抄紙機を用いて、坪量30g/m2のCMC未添加紙を作製した。この2種類の紙を別の工程で、CMC添加紙/CMC未添加紙/CMC添加紙の順に積層し、坪量90g/m2の3プライ構造の繊維シート(原料紙)を作製した。
3プライ構造の繊維シートを巻き出し、図2に示すスプレーノズル19を用いて水を噴霧した。水が噴霧された繊維シートの水分量は、加熱乾燥式水分計(エー・アンド・デイ製MX−50)にて測定した。乾燥した繊維シートの重量に対する水の噴霧量は20%であった。水が噴霧された繊維シートを、図2に示す一対のエンボスロール18,18間に導入した。搬送速度は50m/minとした。各エンボスロールは、その周面に多数の凹凸を有し且つ互いに噛み合い形状となっている。噛み合いの深さは2.0mmであった。各エンボスロール18は温度200℃に加熱されていた。繊維シートは一対のエンボスロール18,18間で挟圧されて凹凸賦形された。また、繊維シートに含まれている水がエンボスロール18の熱によって除去された。凹凸パターンは図6(a)に示すものを用いた。このようにして嵩高水解紙を得た。
〔実施例2〕
3プライ構造の繊維シートに噴霧する水の量を、繊維シートの重量に対して30%とする以外は実施例1と同様にして嵩高水解紙を得た。
〔比較例1〕
3プライ構造の繊維シートに賦形する凹凸パターンとして図5(a)に示すものを用いた以外は実施例1と同様にして嵩高水解紙を得た。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた嵩高水解紙を、エンボス加工時の搬送方向と同方向に、表1に示すテンションで1分間引っ張った後、テンションを開放し0.3kPa荷重下での厚みを測定した。テンションを加えないときの厚みを100としたときの、各テンションでの相対的な厚みを求めた。この値を厚み保形率(%)と定義する。その結果を表1に示す(テンションを加える前の厚みTdは、2.0mmであった)。
表1に示す結果から明らかなように、特定の凹凸パターンが賦形された各実施例の嵩高水解紙は、比較例の嵩高水解紙に比較して、テンションが加わったときの嵩の減少度合いが小さいことが判る。この傾向は、テンションの値が大きいほど顕著となる。
〔実施例3〕
実施例2で得られた嵩高水解紙に水をスプレー塗布し、対繊維シート20%となるように嵩高水解紙の水分量を調整した。
〔比較例2〕
3プライ構造の繊維シートに賦形する凹凸パターンとして図5(a)に示すものを用いた以外は実施例3と同様にして嵩高水解紙を得た。
〔評価〕
実施例3及び比較例2で得られた嵩高水解紙を、エンボス加工時の搬送方向と同方向に、400cN/50mmのテンションで1分間引っ張った後、テンションを開放し0.3kPa荷重下での厚みを測定した。テンションを加えないときの厚みを100としたときの、相対的な厚みを求めた。その結果を表2に示す。
表2に示す結果から明らかなように、エンボス加工後の繊維シートの乾燥が不十分な場合でも、特定の凹凸パターンが賦形された実施例3の嵩高水解紙は、比較例2の嵩高水解紙に比較して、テンションが加わったときの嵩の減少度合いが小さいことが判る。また、エンボス後の乾燥が不十分な場合、より小さいテンションで嵩の減少が顕著となることが判る。
図1は、本発明の製造方法に用いられる湿式抄紙機の一例を示す模式図である。 図2は、本発明の製造方法に用いられるヒートエンボス装置の一例を示す模式図である。 図3は、本発明の製造方法における凹凸賦形の状態の一例を示す模式図である。 図4は、乾燥状態の紙に凹凸賦形したときの状態の一例を示す模式図である。 図5(a)は、従来の凹凸パターンを示す模式図であり、図5(b)は、比較例1に従い製造された嵩高紙の凹凸パターンを示す写真であり、図5(c)は、図5(a)に示す凹凸パターンが賦形された紙を引っ張った状態を示す模式図であり、図5(d)は図5(c)の断面図である。 図6(a)は、本発明に従い賦形された凹凸パターンを示す模式図であり、図6(b)は、実施例1に従い製造された嵩高紙の凹凸パターンを示す写真であり、図6(c)は、図6(a)に示す凹凸パターンが賦形された紙を引っ張った状態を示す模式図であり、図6(d)は図6(c)の断面図である。 図7は、エンボスロールの要部拡大図である。 図8は、ヒートエンボス装置の他の例を示す模式図である。 図9は、ヒートエンボス装置の他の例を示す模式図である。 図10は、ヒートエンボス装置の他の例を示す模式図である。 図11(a)ないし(f)は、エンボス加工による凹凸賦形の他のパターンを示す模式図である。
符号の説明
P 凸部
U 凹部
4 フォーマー
5 ワイヤー
6 サクションボックス
7 スルー・エア・ドライヤー(TAD)
8 回転ドラム
9 フード
10 上エンベアベルト
11 下エンベアベルト
12 真空ロール
13 スプレーノズル
14 ヤンキードライヤー
15 回転ドラム
16 フード
17 ドクターナイフ
18 (熱)エンボスロール
19 スプレーノズル
20 繊維
21 加熱空気
22 排気
23 フード
24 フォーマー
25 バキュームコンベアー
26 ワイヤー

Claims (5)

  1. 水分含有率が10〜200重量%であるところの繊維シートを一方向に搬送しながらエンボス加工を施して該繊維シートを凹凸賦形し、該エンボス加工と同時に又はその後の搬送中に、凹凸賦形された該繊維シートを乾燥させて嵩高紙を製造する方法において、
    前記エンボス加工による凹凸賦形のパターンとして、凸部及び凹部がそれぞれ搬送方向に沿って延びる凸部列及び凹部列をなすように配置され、該凸部列及び該凹部列が搬送方向と直交する方向に沿って交互に配列された凹凸パターンを用いた嵩高紙の製造方法。
  2. 前記繊維シートを搬送しながら、互いに噛み合い形状になっている一対のエンボスロール間に該繊維シートを通して凹凸賦形する請求項1記載の嵩高紙の製造方法。
  3. 前記繊維シートの一方の面における凸部が形成されている位置の他面に凹部が形成され、且つ一方の面における凹部が形成されている位置の他面に凸部が形成されるように前記繊維シートを凹凸賦形する請求項1又は2記載の嵩高紙の製造方法。
  4. 前記繊維シートが、水溶性バインダー又は水膨潤性バインダーを含有する実質的に水分散可能な坪量30〜150g/m2のものであり、
    該繊維シートに水分含有率が10〜200重量%となるように水を施した後に、エンボス加工を施す請求項1に記載の嵩高紙の製造方法。
  5. 前記水溶性バインダーが、カルボキシルキ基を有する水溶性バインダーであり、前記水膨潤性バインダーが、繊維状のカルボキシル基を有するセルロース系若しくはデンプン系誘導体、又は水酸基を有するポリビニルアルコール若しくはその誘導体である請求項4記載の嵩高紙の製造方法。
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