以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の検出装置の一実施形態に係るインクジェット記録装置10の概略構成及びその動作について説明する。図1は、インクジェット記録装置10の内部機構を示す模式断面図であり、図2は、図1における記録ユニット14を詳細に示す要部拡大図である。なお、図2(a)は、バルブ37の開口42が閉塞された状態を示し、図2(b)は、バルブ37の開口42が開放された状態を示す。
インクジェット記録装置10は、記録用紙(被記録媒体の一例)にカラー画像或いはモノクロ画像を記録するものである。この画像の記録には、5色のインクが使用される。5色のインクは、具体的には、染料インクであるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、フォトブラック(PBk)、及び、顔料インクであるブラック(Bk)である。図1に示されるように、インクジェット記録装置10は、大別して、給紙装置12、搬送装置13、記録ユニット14、インク供給装置11を備える。インクカートリッジ50は、このインク供給装置11に装着される。インクジェット記録装置10の底面には、給紙トレイ16が設けられている。給紙トレイ16に積載された記録用紙は、給紙装置12によって搬送路18へ供給される。
搬送路18は、断面視で略横向きのU字形状に形成されている。搬送装置13は、この搬送路18に配設されている。搬送装置13は、搬送ローラ対13Aと排紙ローラ対13Bとを有する。搬送ローラ対13Aは、記録ユニット14よりも搬送方向上流側(図1の紙面右側)に設けられている。排紙ローラ対13Bは、記録ユニット14よりも搬送方向下流側(図1の紙面左側)に設けられている。
搬送路18に供給された記録用紙は、搬送ローラ対13Aによってプラテン19へ向けて搬送される。プラテン19の上方には記録ユニット14が配設されている。この記録ユニット14によって、プラテン19上を通過する記録用紙に画像が記録される。記録用紙の先端が排紙ローラ対13Bに到達すると、排紙ローラ対13Bは、記録用紙の先端を狭持して該記録用紙の搬送を開始する。記録用紙の後端が搬送ローラ対13Aを通過するまでは、搬送ローラ対13A及び排紙ローラ対13Bの双方によって記録用紙が搬送される。記録用紙の後端が搬送ローラ対13Aを通過した後は、排紙ローラ対13Bのみによって記録用紙が搬送される。搬送路18の最下流側には、排紙トレイ17が設けられている。画像が記録された記録用紙は、排紙ローラ対13Bによって排紙トレイ17に排出される。
記録ユニット14は、その筐体を兼ねるキャリッジ30と、サブタンク21と、ヘッド制御基板27と、記録ヘッド26とを備える。キャリッジ30は、図示しない支持レールなどにより図1の紙面に垂直な方向に往復動可能に支持されている。サブタンク21、ヘッド制御基板27、及び記録ヘッド26は、キャリッジ30に収容されている。サブタンク21には、記録ヘッド26へ供給されたインクが貯留される。サブタンク21は、インクジェット記録装置10で使用される上記5色のインクに対応して設けられている。したがって、本実施形態ではキャリッジ30に5つのサブタンク21が設けられている。
記録ヘッド26は、ノズル28を備える。記録ヘッド26は、プラテン19上を移動する記録用紙に向けてノズル28からインクを選択的に吐出する。これにより、ヘッド制御基板27に入力された画像信号に対応する画像が記録用紙に記録される。なお、インクジェット記録装置10には、当該装置を統括的に制御する制御部230(図11参照)が設けられている。上記画像信号は、この制御部230から出力されてヘッド制御基板27へ入力される。
図2に示されるように、キャリッジ30の側面には、チューブ継手33が設けられている。このチューブ継手33には、インクチューブ32が接続される。チューブ継手33及びインクチューブ32は、インクジェット記録装置10で使用される5色のインクに対応して設けられている。したがって、本実施形態では、チューブ継手33及びインクチューブ32は、それぞれ5つ設けられている。キャリッジ30の内部には、チューブ継手33からサブタンク21の底面へ延びる流路34が形成されている。
キャリッジ30には、バルブ37が設けられており、このバルブ37によって開口42が開閉される。バルブ37は、図2に示されるように、サブタンク21内に連通するシリンダ39と、コイルバネ41と、ピストン40とからなるピストン式のバルブである。コイルバネ41は、シリンダ39に収容されている。ピストン40は、コイルバネ41を収縮した状態でシリンダ39内に収容されている。したがって、ピストン40は、コイルバネ41によって常に一方向(図2の紙面に対して下方向)へ付勢されている。ピストン40には、外力が伝達されるロッド43が設けられている。ロッド43は、シリンダ39に設けられた開口42に挿通されて外部に延びている。なお、開口42は、ロッド43に外力が伝達されていない状態ではピストン40によって閉塞されている(図2(a)参照)。
ロッド43からピストン40へ外力が伝達されると、ピストン40がコイルバネ41の付勢力に抗してシリンダ39内を移動する。具体的には、図2において、ロッド43が下方から上方へ押圧されると、コイルバネ41の付勢力に抗してピストン40が押し上げられて開口42が開放される(図2(b)参照)。これにより、サブタンク21の内部と大気とが開口42及びシリンダ39を介して連通する。言い換えれば、サブタンク21の内部が大気と連通する。なお、開口42は、インクチューブ32を通じてインクカートリッジ50(図1参照)とサブタンク21との間でインクが流出入されるときに開放される。一方、インクジェット記録装置10が動作していない状態、いわゆる待機状態のときは、インクの蒸発を防止するために開口42は閉塞される。
図1に示されるように、インク供給装置11は、カートリッジ装着部200、インクカートリッジ50、インクチューブ32、光センサ203(本発明のセンサの一例)、及びサブタンク21を備える。インクカートリッジ50は、カートリッジ装着部200に装着される(図7参照)。インクカートリッジ50は、カートリッジ装着部200に対して着脱可能に構成されている。インクカートリッジ50は、メインタンク70(本発明のインクタンクに相当する)を有する。メインタンク70及びサブタンク21は、いずれもインクを貯留する容器である。メインタンク70には、サブタンク21へ供給されるインクが貯留される。メインタンク70とサブタンク21とは、インクチューブ32で接続されている。インクチューブ32は、インクジェット記録装置10で使用されるインクの種類毎に1本ずつメインタンク70及びサブタンク21間に設けられている。すなわち、インクチューブ32は、メインタンク70及びサブタンク21間でインクを循環させるものではない。インクチューブ32を通じて、メインタンク70とサブタンク21との間をインクが双方向に流通するようになっている。インクチューブ32は、合成樹脂製の透明な部材からなり、可撓性を有する。したがって、画像記録時にキャリッジ30が往復動すると、インクチューブ32がキャリッジ30に追従する。光センサ203は、インクカートリッジの状態を検出するものである。この光センサ203の検出結果に基づいて、制御部230(本発明の判定部に相当する)による判定処理が行われる。この判定処理は、具体的には、インクカートリッジ50の装着状態の判定、インクカートリッジ50のインク量の判定、及び、スライド部材108(図4参照)の動作状態を判定である。なお、これらの判定処理については、後に詳述される。
本実施形態では、上述したように、インクジェット記録装置10にインク供給装置11が設けられているため、メインタンク70とサブタンク21との間でインクを双方向に流通させることができる。したがって、インク供給装置11によってサブタンク21からメインタンク70へインクを流入させることで、サブタンク21やインクチューブ32に発生した気泡がメインタンク70内でインクから分離される。また、メインタンク70からサブタンク21へインクを流入させることで、サブタンク21内のインクがメインタンク70に貯留されていたインクに入れ替えられる。
次に、インク供給装置11を構成する各要素について詳細に説明する。まず、図3および図4を参照して、インクカートリッジ50の外観構成及び内部構成について説明する。図3は、インクカートリッジ50の外観構成を示す斜視図である。図4は、インクカートリッジ50の内部構造を示す縦断面図である。
図3および図4に示されるように、インクカートリッジ50は、ケース52を備える。このケース52の内部に、インクカートリッジ50を構成する各要素が収容されている。ケース52は、幅方向(図3のY軸方向)に細く、高さ方向(鉛直方向、図3のZ軸方向)に長く、奥行き方向(図3のX軸方向)が上記高さ方向よりもさらに長い略直方体形状に形成されている。したがって、インクカートリッジ50の外観は略直方体形状を呈する。なお、図3のX軸方向は、カートリッジ装着部200に対するインクカートリッジ50の装着方向と一致する(図7参照)。また、図中のX軸とY軸とで形成される平面(以下「X−Y平面」と称する。)が水平面である。このインクカートリッジ50は、図4に示される姿勢、すなわち、上記X−Y平面に起立した姿勢で、カートリッジ装着部200に装着される(図7および図8参照)。
図3に示されるように、ケース52は、第1ケース部材53と第2ケース部材54とを有する。ケース52は、インクカートリッジ50の長手方向(図3のX軸方向及びZ軸方向)に沿って第1ケース部材53と第2ケース部材54との2つに分離可能である。第1ケース部材53と第2ケース部材54とは、略同形状に形成されている。第1ケース部材53及び第2ケース部材54は、いずれも、合成樹脂で構成され、例えば射出成形によって得られる。
ケース52には、図3に示されるように3つの開口56,57,67が設けられている。開口56は、ケース52の上面59から背面60(インクカートリッジ50の装着方向前方側の面)に渡って設けられている。この開口56は、第1ケース部材53及び第2ケース部材54それぞれに形成された切り欠き61によって形成される。開口56に、後述されるシリンダ171(図3および図4参照)が挿通される。このシリンダ171は、本発明のシリンダに相当するものである。開口57は、上記背面60の下部に設けられている(図4参照)。この開口57は、第1ケース部材53及び第2ケース部材54それぞれに形成された半円状の切り欠き(不図示)によって形成される。開口57に、後述のインク供給バルブ130が設けられて、インク供給バルブ130の一部がケース52の外部に露出されている。開口67は、図3に示されるように、上面59にX軸方向に長く設けられている。この開口67は、第1ケース部材53および第2ケース部材54それぞれに形成された矩形状の切り欠き62(図3参照)によって形成される。開口67から、後述の検出部75(図3および図4参照)が外部に露出される。なお、この検出部75は、メインタンク70の上面の一部を構成するものである(図4参照)。
図4に示されるように、ケース52の内部には、メインタンク70、ポンプ170、及びインク供給バルブ130が設けられている。本実施形態では、メインタンク70、ポンプ170、及びインク供給バルブ130は、いずれも合成樹脂で構成されている。
メインタンク70は、図4に示されるように、その略全体がケース52に覆われている。したがって、メインタンク70は、ケース52に対応して、幅方向(Y軸方向、図4の紙面に垂直な方向)に細く、高さ方向(鉛直方向、Z軸方向)に長く、奥行き方向(装着方向、X軸方向)に長い形状を呈する。このメインタンク70には、サブタンク21(図1参照)へ供給されるインクが貯留される。メインタンク70は、半透明のフレーム71と、フレーム72とを備える。フレーム72には、後述されるシリンダ171が形成されている。フレーム71,72は、このシリンダ171の一部がフレーム71に嵌め込まれるようにして連結されている(図4参照)。フレーム71,72には、図には現れていないが、両側面に透明のフィルムが溶着されている。これにより、メインタンク70内に第1インク室73および第2インク室63が区画される。
図4に示されるように、フレーム71には、フレーム71の背面65における上方に開口77が設けられている。開口77は、フレーム72に設けられたシリンダ171(図3参照)を第1インク室73内に挿し込むためのものであり、円形状に形成されている。この開口77にシリンダ171が嵌め込まれることにより、フレーム71及びフレーム72が隙間なく連結される。このため、後述のピストン181(本発明のピストンに相当する)がシリンダ171内を往復動することにより、第1インク室73からシリンダ171内へ空気が吸引され、或いは、シリンダ171から第1インク室73内へ空気が供給される。
図4に示されるように、フレーム72には、背面85における略中央の位置に開口87が設けられている。開口87は、メインタンク70に貯留されたインクを外部へ流出し、外部からメインタンク70へインクを流入させるものである。この開口87は、メインタンク70の背面側(図4の右側)に設けられており、円形に形成されている。開口87には、インク供給バルブ130(図3および図4参照)が設けられている。インク供給バルブ130は、第1インク室73および第2インク室63に貯留されたインクを外部へ流出入させるためのバルブである。インク供給バルブ130は、開口87を塞ぐようにフレーム72に取り付けられる。これにより、インク供給バルブ130は、第2インク室63にインクチューブ32(図1及び図2参照)を接続するための接続口の役割を担う。インクチューブ32(図1参照)の先端には、針状のインク抽出管149(図4参照)が設けれている。このインク抽出管149がインク供給バルブ130に挿し込まれることにより、第2インク室63が外部との密封状態を維持したままインクチューブ32と連結される。なお、インク供給バルブ130からインク抽出管149が引き抜かれることにより、開口87はインク供給バルブ130により閉塞される。すなわち、インク供給バルブ130により開口87が開放または閉塞される。
フレーム71の背面側(図4の右側)の下部には、孔89が設けられている。孔89は、第1インク室73および第2インク室63を連通させるものである。この孔89には、孔89を開閉する逆止弁95が配置されている。逆止弁95は、第2インク室63に対して第1インク室73が正圧となったときに孔89を開放する。逆止弁95は、第2インク室63に対して第1インク室73が負圧となったときに孔89を閉塞する。
図4に示されるように、フレーム72には、フレーム72における上方に開口101,105が設けられている。開口101は、フレーム72により構成されたシリンダ171の上面に設けられている(図4参照)。この開口101は、第1インク室73内の空気を大気に開放するためのものである。後述されるが、シリンダ171の内部には、シリンダ171内を往復動するピストン181が設けられている。ピストン181が開口101よりもシリンダ171の奥側に位置している状態(例えば図4に示す状態)では、第1インク室73と開口101の間の流路がピストン181によって閉塞される。このため、第1インク室73内の空気は大気に開放されない。すなわち、第1インク室73内の空気は、密閉される。ピストン181が開口101よりもシリンダ171の外側に位置している状態(図16に示す状態)では、第1インク室73と開口101の間の流路が開放されている。このため、第1インク室73内の空気がシリンダ171の内部、開口101を通して大気に開放される。
開口105は、第2インク室63とシリンダ171の内部とを連通させるものである。この開口105は、第2インク室63の上面からシリンダ171の内側へ貫通するように形成されている。開口105は、ピストン181が第2インク室63の直上に位置した状態(図14に示す状態)では閉塞される。第2インク室63は、ピストン181が開口105よりもシリンダ171の奥側に位置している状態(例えば図4や図18に示す状態)では、開口105を通して大気に開放される。第2インク室63は、ピストン181が開口105よりもシリンダ171の外側に位置している状態(図15に示す状態)では、開口105を通して第1インク室73と連通される。すなわち、第2インク室63は、開口105を通して第1インク室73又は大気と連通される。
フレーム72には、第2インク室63の上層部に孔69が設けられている。この孔69には、孔69を開閉する逆止弁93が配置されている。逆止弁93は、開口105がピストン181によって閉塞されている状態では作動しない。すなわち、逆止弁93は、開口105が開放された状態で作動する。逆止弁93は、シリンダ171内に対して第2インク室63が正圧となったときに孔69を開放する。逆止弁93は、シリンダ171内に対して第2インク室63が負圧となったときに、孔89を閉塞する。
このような逆止弁95,93が設けられているため、インクが以下のように流れる。すなわち、図4の矢印24で示されるように、サブタンク21(図2参照)内のインクがインクチューブ32を介して第2インク室63に流入する。このインクが第2インク室63に流入すると、第1インク室73に対して第2インク室63が正圧となり、孔89が逆止弁95により閉塞される。このため、サブタンク21から第2インク室63へ流入したインクが第1インク室73へ戻されることが抑制される。また、後述されるポンプ170により第1インク室73へ空気が供給されると、第2インク室63に対して第1インク室73が正圧となり、逆止弁95により孔89が開放される。第1インク室73に貯留されたインクは、第1インク室73から孔89を通して第2インク室63へ流れる。そして、このインクは、図4の矢印23で示されるように、インク抽出管149が設けられたインクチューブ32を通してサブタンク21へ供給される。
図4には、第1インク室73および第2インク室63にインクが注入された状態が示されている。第1インク室73には、第1インク室73の容積の概ね8割程度のインクが貯留されている。すなわち、第1インク室73内には、インクと共に空気が存在している。これにより、メインタンク70の第1インク室73内の上層部に空気層83が形成されている。第1インク室73は、ピストン181が開口101よりもシリンダ171の奥側へ位置している状態では、密閉されている。このため、第1インク室73には、気密状態の空気層73が形成された状態でインクが貯留されている。インクカートリッジ50には、この空気層83から空気を吸引し、空気層83へ空気を供給してサブタンク21へのインクの供給動作等を行うポンプ170が設けられている。ピストン181は、このポンプ170の一部である。
図4に示されるように、ポンプ170は、大別して、シリンダ171及びプランジャ172を備えている。シリンダ171及びプランジャ172は、合成樹脂を射出成形することにより得られる。
シリンダ171は、ケース72によって構成されている。このシリンダ171は、上述のように長手方向の一方の端部が開口77から第1インク室73内に収容されるように第2インク室63の上方に設けられている。シリンダ171は、その中心軸がメインタンク70の奥行き方向(図中のX軸方向)に沿うように配置されている。シリンダ171にプランジャ172が挿入される方向(挿入方向)を基準にして、当該シリンダ171は、上記挿入方向の奥側の端部に壁179を有する。この壁179により孔173が形成されている。シリンダ171内の空気は、孔173を通して第1インク室73へ流出入する。上記挿入方向を基準にして、シリンダ171の手前側の端部には開口174が形成されている。この開口174は、シリンダ171の内径と同じサイズを有する。開口174からシリンダ171内にプランジャ172が挿入される。孔173及び開口174は、シリンダ171の両端部それぞれに同軸上に配置されている。以下、シリンダ171の両端部のうち、孔173が設けられた側の端部を先端175と称し、開口174が設けられた側の端部を後端176と称する。
図5は、プランジャ172の平面図である。
プランジャ172は、図4および図5に示されるように、ピストン181、ロッド182(本発明のロッドに相当する)、及びスライド部材108(本発明の可動部材の一例)から構成される。
ピストン181は、シリンダ171内を往復動するものである。ピストン181は、先端175から後端176へ向けてシリンダ171を移動することにより、空気層83から空気を吸引する。ピストン181は、後端176から先端175へ向けてシリンダ171内を移動することにより、空気層83へ空気を供給する。このピストン181の往復動により、メインタンク70からサブタンク21へインクが供給される。ピストン181は、シリンダ171の内周面に対して摺動可能に設けられている。ピストン181の軸方向の両側には、閉塞部材166,167(図5参照)が設けられている。この閉塞部材166,167は、外径がシリンダ171の内径よりも若干大きいゴム等の弾性部材である。ピストン181は、この閉塞部材166,167が設けられていることにより、シリンダ171の内周面との間に形成された隙間を密封した状態でシリンダ171内を摺動する。
ロッド182は、ピストン181からシリンダ171の外側(後端176側)へ延出されている。換言すれば、ロッド182は、図3に示されるように、インクカートリッジ50の外側へ突出するようにピストン181に設けられている。ロッド182は、その軸方向の長さがシリンダ171の軸方向の長さよりも長くなるように設定されている。
ロッド182には、図4および図5に示されるように、ラックギヤ185が形成されている。ラックギヤ185は、ロッド182の上側に形成されている。ラックギヤ185に、後述の駆動伝達機構220(図7参照)のピニオンギヤ221が噛み合わされる。これにより、シリンダ171の軸方向(図4の左右方向)へピストン181を摺動させる駆動力がロッド182を介してピストン181に伝達される。すなわち、ピストン181は、ロッド182に付与された駆動力によりシリンダ171内を往復動する。上記駆動力を受けて、図4の紙面左方向にピストン181が摺動する。その際、シリンダ171内の空気が孔173を通して第1インク室73へ送り込まれる。また、上記駆動力を受けて、図4の紙面右方向にピストン181が摺動する。その際、第1インク室73内の空気が孔173を通じてシリンダ171内へ引き込まれる。このように、ピストン181は、メインタンク70内に形成された空気層83へ空気を供給し、或いは、空気層83から空気を吸引すべくシリンダ171内を往復動する。このピストン181の往復動によりメインタンク70からサブタンク21へインクが供給される。
スライド部材108は、後述されるセンサアーム150(本発明のアーム部材に相当する)を揺動させるものである。スライド部材108は、ピストン181から第1インク室73内へ延びるようにピストン181に設けられている。このため、プランジャ172がシリンダ171内に挿入された状態では、スライド部材108は、シリンダ171内から孔173を通して第1インク室73へ突出される。スライド部材108は、ピストン181に設けられているので、駆動伝達機構220(図7参照)からロッド182へ伝達された駆動力により、ピストン181及びロッド182と一体的に往復動する。上述のように、ピストン181が簡易な構成で往復動されるので、スライド部材108の動作は簡単に行われる。
スライド部材108は、ピストン181の往復動方向に延びるようにピストン181に設けられている。このスライド部材108には、図4および図5に示されるように、開口109が設けられている。開口109は、スライド部材108の先端側に上下に貫通するように形成されている。後述のセンサアーム(遮光板)150は、第1アーム155が開口109に挿通された状態で、メインタンク70に揺動可能に設けられている。このセンサアーム150は、プランジャ172の往復動方向(図4の左右方向)と同方向に揺動する。このため、センサアーム150は、第1アーム155が開口109の開口端126に当接する位置と、第1アーム155が開口109の開口端127に当接する位置との間を揺動する。なお、スライド部材108がピストン181と共に往復動するので、スライド部材108の開口端126,127の位置は変化する。このため、センサアーム150が揺動可能な範囲は、スライド部材108の位置によって変更される。
図6は、図3におけるVI部の拡大斜視図である。
図3、図4、及び図6に示されるように、メインタンク70は検出部75を備える。この検出部75は、第1インク室73に貯留されているインクの残量を検出するためのものである。検出部75は、図3および図4に示されるように、メインタンク70の上面からZ軸方向外側へ突出している。このため、検出部75は、メインタンク70がケース52内に収容された状態において、ケース52の上面59から外側へ突出する(図6参照)。検出部75は、フレーム71と一体に構成されている。したがって、検出部75は、フレーム71と同じ材質、すなわち半透明の合成樹脂で構成される。検出部75は、後述するように、光センサ203(図10参照)によって光が透過される。本実施形態では、検出部75を半透明の材質で構成することとしたが、光透過性(透明性)を有するものであれば、如何なる材質で構成されていてもよい。したがって、光の透過性を向上させるために、検出部75を完全に透明にしてもよい。
検出部75は、図6に示されるように、図3におけるX軸方向に延びる側壁78,79を有している。側壁78,79は、メインタンク70の幅方向(図3中のY軸方向)に所定の間隔を隔てて対向配置されている。これにより、検出部75は、側壁78と側壁79との間に空洞部76(図4参照)を有する。空洞部76は、第1インク室73に連続している。この空洞部76に、後述のセンサアーム150の遮蔽部157(図4参照)が進入あるいは退出する。すなわち、検出部75は、遮蔽部157(本発明の検出子に相当する)が移動可能な空間を有している。
図4に示されるように、メインタンク70は、第1インク室73内の略中心位置に支持部97を有する。支持部97は、センサアーム150を揺動可能に支持する。支持部97は、フレーム71と一体に設けられている。支持部97は、センサアーム150の連結軸158(図4参照)を把持するようにして軸支する。これにより、センサアーム150は、支持部97で揺動可能に支持される。本実施形態においては、メインタンク70に貯留されるインクの比重は、センサアーム150の平均比重よりも重い。センサアーム150は、支持部97に揺動可能に軸支された状態でインクから浮力を受ける。このため、センサアーム150は、インクから受ける浮力により揺動される。
センサアーム150は、第1インク室73に貯留されたインクの残量を検出するための部材である。センサアーム150は、合成樹脂から構成されており、射出成形により得られる。図4に示されるように、センサアーム150は、連結軸158、第1アーム155、遮蔽部157、第2アーム156、及びバランス部152を有する。連結軸158は、支持部97に回動自在に軸支されている。第1アーム155及び第2アーム156は、この連結軸158の回転軸から放射方向へ延びるように設けられている。センサアーム150には、遮蔽部157が設けられている。この遮蔽部157は、上記第1アーム155の先端に設けられている。遮蔽部157は、上述のように、センサアーム150が揺動されることにより上記空洞部76に進入或いは退出する。遮蔽部157は、上記側壁78,79を透過する光の光路を空洞部76において遮断するものである。遮蔽部157は、センサアーム150の回動方向(図4の矢印46で示す方向)に拡がる平面を有する平板形状に形成されている。このため、遮蔽部157は、空洞部76の所定に位置(図4に示される位置)に進入した際に上記光路を確実に遮断することができる。
第2アーム156は、連結軸158から斜め下方に延設されている。この第2アーム156の先端にバランス部152が設けられている。バランス部152は、その平均比重がインクの比重よりも軽くなるよう成形されている。具体的には、バランス部152は、内部が空洞化されている。このため、バランス部152は、インク中においては浮力体の役割を担う。
図4に示されるように、バランス部152が完全に浸かるだけのインクが第1インク室73に貯留されている場合、バランス部152に対して浮力が発生する。この浮力は、第2アーム156及びバランス部152に作用する重力よりも大きい。このため、センサアーム150は、連結軸158を中心にして時計回り(図13の矢印48で示す方向)に回動する。このように、センサアーム150は、バランス部152に対して生じる浮力により揺動する。なお、ピストン181がシリンダ171の奥側に位置している状態(図4に示される状態)では、第1アーム155がスライド部材108の開口端126に当接する。これにより、センサアーム150の回動が制止され、遮蔽部157が検出部75に進入した状態が維持される。また、図13および図14に示されるように、ピストン181がシリンダ171の外側へ向けて移動すると、それに連動して開口端126の位置がシリンダ171へ向けて移動する。このため、センサアーム150が矢印48(図13参照)の方向へ回動し、遮蔽部157が支持壁74に当接する。これにより、センサアーム150の回動が制止され、遮蔽部157が検出部75から退出した状態が維持される。
第1インク室73に貯留されているインクが減少すると、図20に示されるように、バランス部152がインクの液面から露出されてバランス部152に対する浮力が減少する。これにより、第2アーム156及びバランス部152に作用する重力がこれらに作用する浮力よりも大きくなる。このため、センサアーム150は、バランス部152の重力方向に引っ張られる。これにより、センサアーム150は、連結軸158を中心にして反時計回り(図20の矢印47で示す方向)に回動する。遮蔽部157は、この回動により検出部75の空洞部76から退出する。なお、図20に示されるように、遮蔽部157がメインタンク70の上面に当接すると、センサアーム150の回動が停止する。このとき、遮蔽部157は、検出部75から退出した所定の位置で静止する(図20参照)。
図7は、カートリッジ装着部200の外観構成を示す斜視図であり、カートリッジ装着部200からインクカートリッジ50が取り外された状態を示す。図8は、カートリッジ装着部200の外観構成を示す斜視図であり、カートリッジ装着部200にインクカートリッジ50が装着された状態を示す。図9は、図8の矢視IXから見たカートリッジ装着部200の側面図である。なお、図7〜図9においては、ピニオンギヤ221、第1伝達ギヤ225、第2伝達ギヤ226に形成された歯が省略されている。
カートリッジ装着部200は、5色のインクにそれぞれ対応する5つのインクカートリッジ50を保持する。5色のインクは、上述のように、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、フォトブラック(PBk)、及びブラック(Bk)である。このカートリッジ装着部200は、インクジェット記録装置10の内部に収容されている。
カートリッジ装着部200は、図7および図8に示されるように、カートリッジケース201を備える。カートリッジケース201の前面には、開口202が設けられている。この開口202からインクカートリッジ50が挿入される。カートリッジケース201に挿入されたインクカートリッジ50が、その挿入方向(図中のX軸方向)へ押圧されると、カートリッジケース201の奥部に配置されたインク抽出管149(図4参照)がインク供給バルブ130(図4参照)に挿入される。これにより、カートリッジケース201に対するインクカートリッジ50の装着が完了する。なお、カートリッジケース201は、インクカートリッジ50が挿抜可能に構成されている。
カートリッジ装着部200の背面側には、駆動伝達機構220が設けられている。駆動伝達機構220は、5つのピニオンギヤ221、軸222、リンクロッド223、軸224、第1伝達ギヤ225、及び第2伝達ギヤ226を備える。
ピニオンギヤ221は、インクカートリッジ50がカートリッジケース201に装着された状態で、ラックギヤ185と噛み合わされる。本実施形態では、インクカートリッジ50の5つのプランジャ172に対応して5つのピニオンギヤ221が配設されている。ピニオンギヤ221は、図7〜図9に示されるように、略半円形状に形成されている。ピニオンギヤ221の円弧部228には、図には現れていないが、ラックギヤ185と噛み合う歯が形成されている。
5つのピニオンギヤ221は、いずれも軸222に固定されている。したがって、軸222が回転すると、全てのピニオンギヤ221がその回転方向と同方向に同じ回転速度で回転する。軸222の一端には、リンクロッド223が連結されている。このリンクロッド223によって、所定の駆動力が軸222に伝達される。リンクロッド223は、軸224にも連結されている。要するに、リンクロッド223の一方端が軸222に連結され、他方端が軸224に連結されている。軸224には、第1伝達ギヤ225が固定されている。そして、この第1伝達ギヤ225に第2伝達ギヤ226が噛み合わされる。
第2伝達ギヤ226は、LFモータ217(図11参照)に連結されている。このLFモータ217は、インクジェット記録装置10を構成する給紙ローラ12(図1参照)や搬送ローラ13(図1参照)などの駆動系にも連結されている。LFモータ217は、インクジェット記録装置10を統括的に制御する制御部230(図11参照)によって所定の動作を行うように制御される。
LFモータ217から駆動力が第2伝達ギヤ226に伝達されると、その駆動力は第1伝達ギヤ225、軸224、リンクロッド223、軸222、ピニオンギヤ221を介してラックギヤ185に伝達される。これにより、プランジャ172がシリンダ171内を往復するようにスライドする。換言すれば、LFモータ217から伝達される駆動力により、ピストン181及びロッド182がシリンダ171内を往復動する。スライド部材108は、このピストン181に設けられているので、当然ピストン181及びロッド182と共に往復動する。
図10は、光センサ203の発光素子205及び受光素子207を示す斜視図である。
図7〜図10に示されるように、カートリッジケース201の上面210には、光センサ203が設けられている。この光センサ203は、検出部75の遮蔽部157を検出するものである。換言すれば、光センサ203は、検出部75の空洞部76に進入した遮蔽部157を検出するものである。光センサ203は、いわゆる透過型の光センサ(Photointerrupter)である。この光センサ203は、図9および図10に示されるように、対向配置された発光素子205及び受光素子207を備えている。この光センサ203は、受光素子207が発光素子205から受光した光の輝度に基づいてセンサ信号(例えば、輝度に応じた電気信号)を出力するものである。
光センサ203は、インクカートリッジ50に対応して設けられている。したがって、本実施形態では、光センサ203は5つ設けられている。発光素子205と受光素子207との間には、検出領域20(図10参照)が設けられている。この検出領域20が開放されている場合には、発光素子205からの光が受光素子207によって受光される。このようにして発光素子205から受光素子207への光の光路が開放されている場合、受光素子207によって受光された光の強度に応じたセンサ信号が受光素子207から出力される。逆に、検出領域20が開放されていない場合には、発光素子205からの光は受光素子207によって受光されない。このように、発光素子205から受光素子207への光の光路が遮断されている場合、受光素子207からは電流が出力されない。
光センサ203は、カートリッジケース201の上面210に設けられている。具体的には、光センサ203は、図9および図10に示されるように、発光素子205及び受光素子207が上面210の裏側からカートリッジケース201内に突出するように設けられている。発光素子205及び受光素子207は、図9の紙面に垂直な方向に対向するように配置される。このため、インクカートリッジ50がカートリッジ装着部200に装着されると、検出部75(図3参照)が検出領域20(図10参照)に進入する。このように、検出部75は、インクカートリッジ50が装置本体のカートリッジ装着部200に装着されることにより光センサ203の検出領域20に配置される。これにより、検出部75の側壁78,79が発光素子205と受光素子207との間に配置される。したがって、検出部75に進入した遮蔽部157を光センサ203が検出可能となる。
センサアーム150の遮蔽部157が検出部75に進入した状態(図4に示される状態)では、遮蔽部157によって検出領域20が遮蔽される。換言すれば、発光素子205から受光素子207への光が遮蔽部157によって遮られる。一方、遮蔽部157が検出部75から退出した状態(図13や図20に示される状態)では、検出領域20は遮蔽されない。すなわち、発光素子205からの光は、側壁78,79を透過して受光素子207によって受光される。このため、センサ203から出力されるセンサ信号に基づいて、検出部75に遮蔽部157が進入しているか否かを判断することができる。
なお、遮蔽部157は、インク量が所定量となることによって検出部75から退出する(図20参照)。このため、遮蔽部157が検出部75に進入しているか否かが光センサ203により検出され、その検出結果に基づいてインク量が所定量であるか否かが制御部230(図11参照)により判定される。
ところで、センサアーム150は、第1アーム155がスライド部材108の開口109に挿通された状態でメインタンク70に揺動可能に設けられている(図4参照)。センサアーム150の遮蔽部157は、上述のようにスライド部材108の開口端126(図4参照)により第1アーム155が支持されることによりセンサ203により検出される。すなわち、図4に示される状態からスライド部材108が移動すると、遮蔽部157がセンサ203により検出されなくなる(例えば図13参照)。
スライド部材108は、駆動伝達機構220がピストン181を往復動させることによって第1位置と第2位置との間を移動する。ここで、第1位置は、光センサ203が遮蔽部157を検出部75において検出可能な位置である。換言すれば、第1位置は、遮蔽部157が検出部75の検出領域20に進入するように、スライド部材108が開口端126により第1アーム155を支持する位置である(図4参照)。第2位置は、光センサ203が遮蔽部157を検出部75において検出不能な位置である。換言すれば、第2位置は、遮蔽部157が検出部75の検出領域20から退出するように、スライド部材108が移動した位置である(例えば、図13参照。)。なお、第2位置は、図13に示される位置に限定されるものではない。すなわち、遮蔽部157が検出領域20に位置するようにセンサアーム150がスライド部材108により支持される位置を除く他の位置は、第2位置に含まれる。ただし、インク量が少ない場合はこの限りではない。したがって、図13〜図18に示される位置は、全て第2位置に含まれる。なお、図20は、スライド部材108が図4に示される位置と同じ位置にあるので、第2位置ではなく第1位置を示している。
図11は、インクジェット記録装置10の制御部230の構成例を示すブロック図である。
制御部230は、インクジェット記録装置10の全体動作を制御するものである。制御部230は、図11に示されるように、CPU(Central Processing Unit)231、ROM(Read Only Memory)232、RAM(Random Access Memory)233、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)234を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。この制御部230は、バス188を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)189と接続されている。
ROM232には、CPU231がインクジェット記録装置10の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。RAM233は、CPU231が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用される。EEPROM234には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
ASIC189には、ヘッド制御基板27(図1参照)、駆動回路193、駆動回路194、光センサ203(図8参照)、操作部212、および表示部213が接続されている。
ヘッド制御基板27は、ASIC189から入力される画像信号に基づいて、記録ヘッド26を駆動制御する。これにより、記録ヘッド26のノズル28から所定のタイミングで各色インクが選択的に吐出され、記録用紙に画像が記録される。
駆動回路193は、ASIC189から入力される相励磁信号等に基づいて、CR(キャリッジ)モータ216に駆動信号を通電する。この駆動信号を受けたCRモータ216が回転することにより、キャリッジ30(図1参照)の往復動が制御される。
駆動回路194は、LFモータ217を駆動させるものである。LFモータ217には、給紙ローラ12(図1参照)、搬送ローラ13(図1参照)、及びプランジャ172(図8参照)が接続されている。駆動回路194は、ASIC189からの出力信号を受けてLFモータ217を駆動させる。LFモータ217の駆動力は、給紙ローラ12、搬送ローラ13A,13B、プランジャ172へ選択的に伝達される。
記録ヘッド26により画像が記録される場合、LFモータ217の駆動力が給紙ローラ12と搬送ローラ13A,13Bへ伝達される。これにより、搬送路18に沿って給紙トレイ16から排紙トレイ17へ記録用紙が搬送される。駆動回路194は、LFモータ217の駆動力が給紙ローラ12、搬送ローラ13A,13Bに代えて駆動伝達機構220へ伝達されるように、LFモータ217の駆動を切り換える。プランジャ172は、ラックギヤ185とピニオンギヤ221とが噛み合うことによりLFモータ217と連結される。すなわち、プランジャ172は、インクカートリッジ50がカートリッジ装着部200に装着された状態でLFモータ217と連結される。インクカートリッジ50の装着時、メインタンク70からサブタンク21へのインク供給動作が行われる時には、LFモータ217の駆動力がプランジャ172へ伝達される。なお、プランジャ172は、ラックギヤ185(図8参照)がピニオンギヤ221(図8参照)と噛み合った状態で駆動力が伝達される。
光センサ203(図10参照)は、センサ信号を出力する。このセンサ信号は、本実施形態においては、受光素子207が発光素子205から受光した光の輝度に応じたアナログの電気信号である。このため、光センサ203は、検出領域20(図10参照)に遮蔽部157が進入している場合と進入していない場合とで異なるセンサ信号を出力する。具体的には、検出領域20(図10参照)が開放された状態(例えば図13参照)におけるセンサ信号は、検出領域20が遮蔽部157により遮蔽された状態(図4参照)におけるセンサ信号よりも高い値となる。制御部230は、このセンサ203から出力されたセンサ信号が所定の閾値未満であることを条件に、センサ203がON状態であると判断する。すなわち、制御部230は、遮蔽部157が検出領域20に進入していると判断する。制御部230は、センサ203から出力されたセンサ信号が所定の閾値以上であることを条件に、センサ203がOFF状態であると判断する。すなわち、制御部230は、遮蔽部157が検出領域20から退出して、検出領域20が開放されていると判断する。このように、制御部230は、センサ203の検出結果に基づいてインクカートリッジ50の状態を判定する。具体的には、制御部230は、インク量が所定量であるか否かの判定、スライド部材108の動作状態の判定、及び、インクカートリッジ50の装着状態の判定を行う。なお、これらの判定処理については後に詳述される。
操作部212は、ユーザが情報を入力する入力キー等を備える。ユーザによる各種の操作入力は、この操作部212によって受け付けられる。表示部213は、各種の設定情報やインクジェット記録装置10の動作状態などを表示するものであり、例えば液晶表示装置(Liquid Crystal Display)を備える。ユーザに対する報知は、この表示部213から行われる。
図12は、インクカートリッジ50が装着された際にインクジェット記録装置10において行われる処理動作の一例を示すフローチャートである。図13は、インクカートリッジ50の内部構造を示す断面図であり、プランジャ172がシリンダ171の外側へ向けて移動する様子を示す。
以下、カートリッジ装着部200にインクカートリッジ50が装着された際に、インクジェット記録装置10において行われる処理動作について、図12及び図13に基づいて説明する。なお、図12のフローチャートに示される処理動作は、インクカートリッジ50の装着時に行われる。インクカートリッジ50の装着時には、カートリッジ装着部200をインクジェット記録装置10の外部へ露出する扉(カバー)が開閉される。したがって、上記処理動作は、例えば、光センサ203とは別に設けられたセンサにより、上記扉が開かれた状態からその扉が閉じられた状態へ変化したことが検出された場合に行われる。また、メインタンク70には、気密状態の空気層83が形成された状態でインクが貯留されている。ラックギヤ185にピニオンギヤ221が噛み合わされていない状態では、この空気層83の圧力は、スライド部材108が上記第1位置(図4参照)となるように設定されている。したがって、インクカートリッジ50が正しい操作で装着された場合には、センサアーム150の遮蔽部157が検出部75に進入してセンサ203により検出される。
まず、制御部230は、センサ203から出力されるセンサ信号に基づいて、センサ203がON状態であるかOFF状態であるかを判断する(S1)。制御部230は、センサ203がOFF状態であると判断した場合(S1:OFF)、遮蔽部157が検出部75に進入していないと判断して装着エラーを報知する(S2)。すなわち、制御部230は、カートリッジ装着部200にインクカートリッジ50が正しく装着されていないと判断し、装着エラーを報知する。制御部230は、具体的には、「インクカートリッジをセットしなおして下さい」等のメッセージを表示部213に表示させる。なお、この装着エラーの報知は、メッセージの表示に限定されるものではなく、音声メッセージの出力や、メッセージ表示及び音声出力を一緒に行うものであってもよい。このステップS2の処理動作が行われた場合、処理がステップS1へ戻される。
制御部230は、センサ203がON状態であると判断した場合(S1:ON)、遮蔽部157が検出部75に進入していると判断し、空気層83から空気を吸引すべくLFモータ217を駆動させる(S3)。そして、制御部230は、センサ203から出力されるセンサ信号に基づいて、センサ203がON状態であるかOFF状態であるかを判断する(S4)。
ステップS3の処理動作により、LFモータ217の駆動力がラックギヤ185(図8参照)に正常に伝達されると、図13に示されるように、プランジャ172がシリンダ171の外側(図13の右方向)へ向けて引き出される。これにより、図4および図13から明らかなように、開口端126の位置がシリンダ171側へ移動される。これにより、スライド部材108は、第1位置から第2位置へ移動する。したがって、センサアーム150は、バランス部152に作用する浮力によって図13における矢印81の方向へ回動する。このため、遮蔽部157が検出領域20から退出し、センサ203がOFF状態となる。逆に、LFモータ217の駆動力がラックギヤ185に正常に伝達されない場合、すなわち、ラックギヤ185とピニオンギヤ221が駆動力を伝達可能に噛み合っていない場合、LFモータ217が駆動されてもプランジャ172は移動されない。このため、遮蔽部157が検出領域20に位置した状態(図4に示される状態)が維持され、センサ203はON状態のままである。つまり、スライド部材108が第1位置にある状態が維持される。
制御部230は、センサ203がON状態のままであると判断した場合(S4:ON)、駆動伝達エラーを報知する(S5)。具体的には、制御部230は、「ピストンが正常に動作していません」等のメッセージを表示部213に表示する。なお、この駆動伝達エラーの報知は、メッセージの表示に限定されるものではなく、音声メッセージの出力やメッセージの表示と音声出力を一緒に行うものであってもよい。
制御部230は、センサ203がON状態からOFF状態になったと判断した場合(S4:OFF)、空気層83へ空気を供給すべくLFモータ217を駆動させる(S6)。そして、制御部230は、センサ203から出力されるセンサ信号に基づいて、センサ203がON状態であるかOFF状態であるかを判断する(S7)。
ステップS6の処理動作により、LFモータ217の駆動力がラックギヤ185(図8参照)に伝達され、プランジャ172がシリンダ171の奥側(図18の左方向)へ向けて押し込まれる。なお、ステップS4において駆動伝達が正常に行われていることが確認されているため、LFモータ217の駆動力はプランジャ172に正しく伝達される。これにより、図16〜図18に示されるように、開口端126の位置がシリンダ171から離れるように移動される。したがって、センサアーム150は、第1アーム155が開口端126に押圧され、図18における矢印85の方向へ回動する。このため、図4に示されるように、遮蔽部157が検出領域20へ進入して、センサ203がOFF状態からON状態となる。すなわち、スライド部材108が第2位置から第1位置へ移動する。
制御部230は、センサ203がOFF状態のままであると判断した場合(S7:OFF)、上記ステップS6の処理動作を継続する。制御部230は、センサ203がOFF状態からON状態に変化したと判断した場合(S7:ON)、スライド部材108が第1位置へ戻されたと判断する。換言すれば、制御部230は、遮蔽部157が検出部75へ進入した状態が維持されるように第1アーム155が開口端126により支持される位置(以下、「基準位置」とも称される。)までスライド部材108が移動されたと判断する。このように、ステップS7において制御部230が「ON」と判断すると、処理動作が完了する。
上述のように、インクカートリッジ50がカートリッジ装着部200に装着される前は、光センサ203(図10参照)の検出領域20に検出部75が配置されていない。このため、遮蔽部157が検出部75へ進入したとしても、その遮蔽部157が光センサ203により検出されることはない。インクカートリッジ50がカートリッジ装着部200に装着されると、検出部75が検出領域20に配置される。このため、検出部75に位置する遮蔽部157が光センサ203によって検出される。つまり、光センサ203の検出結果に基づいて上記ステップS1の処理動作が行われることにより、インクカートリッジ50の装着状態が判定される。すなわち、インク量が所定量であるか否かの判定に使用される光センサ203を用いて、インクカートリッジ50が正常に装着されたか否かを判定することができる。
また、スライド部材108は、第1位置(図4参照)と第2位置(例えば図13参照)との間を移動する。スライド部材108が第1位置にある状態では遮蔽部157が検出部75に移動しているので、遮蔽部157が光センサ203により検出される。スライド部材108が第2位置にある状態では遮蔽部157が検出部75から退出しているので、遮蔽部157は光センサ203により検出されない。このため、上記ステップS3の処理動作が行われた際の光センサ203の検出結果に基づいて、上記ステップS4のようにスライド部材108の動作状態が判定される。すなわち、インク量が所定量であるか否かの判定に使用される光センサ203を用いてスライド部材108の動作状態を判定することができる。換言すれば、プランジャ172にLFモータ217の駆動力が正しく伝達されているか否かが判定される。
次に、メインタンク70からサブタンク21へのインクの供給動作について、図13〜図18に基づいて説明する。
図14は、インクカートリッジ50の内部構造を示す断面図であり、遮蔽部157が支持壁74に当接した状態を示す。図15は、インクカートリッジ50の内部構造を示す断面図であり、第1インク室73および第2インク室63が連通された状態を示す。図16は、インクカートリッジ50の内部構造を示す断面図であり、第1インク室73および第2インク室63が大気開放された状態を示す。図17は、インクカートリッジ50の内部構造を示す断面図であり、メインタンク70から記録ヘッド26へインクが供給される様子を示す。図18は、インクカートリッジ50の内部構造を示す断面図であり、スライド部材108によってセンサアーム150が揺動される様子を示す。
制御部230は、メインタンク70からサブタンク21へインクを供給する場合、空気層83から空気を吸引すべくLFモータ217を駆動させる。これにより、LFモータ217の駆動力がラックギヤ185(図8参照)に伝達され、図4、図13、及び図14に示されるように、プランジャ172がシリンダ171の外側(各図の右方向)へ向けて引き出される。これにより、プランジャ172の移動に伴って空気層83の圧力が徐々に減圧される。この際、第1インク室73が第2インク室63に対して負圧となっているので、孔89は逆止弁95によって閉塞されている。なお、図14に示される状態では、開口105がピストン181により閉塞されているので、逆止弁93が動作することはない。
図15に示されるように、図14に示される状態からプランジャ172がシリンダ171の外側へさらに引き出されると、開口105が開放される。これにより、第1インク室73と第2インク室63とが連通される。空気層83の圧力が減圧されているので、孔69が逆止弁93により開放され、第2インク室63内の空気がシリンダ171内へ吸引される。この第2インク室63は、インク供給バルブ130によってインクチューブ32を介してサブタンク21(図1参照)と連結されている。サブタンク21は、図2(b)に示されるように、開口42が開放されている。このため、第2インク室63内の空気がシリンダ171内へ吸引されることにより、図15の破線矢印25で示されるように、サブタンク21内およびインクチューブ32内のインクが第2インク室63へ流入する。その際、第2インク室63に流入した気泡36(図15参照)は、第2インク室63においてインクと分離される。このため、第1インク室73内へ気泡36が進入することが抑制される。
図16に示されるように、図15に示される状態からプランジャ172がシリンダ171の外側へさらに引き出されると、開口101が開放される。これにより、第1インク室73および第2インク室63が開口101を通して大気に開放される。第1インク室73および第2インク室63は、ピストン181の移動により減圧されているので、開口101からシリンダ171内へ空気が流入する。したがって、第1インク室73および第2インク室63の空気の圧力は、大気圧側に戻される。
続いて、制御部230は、空気層83へ空気を供給すべくLFモータ217を駆動させる。これにより、LFモータ217の駆動力がラックギヤ185(図8参照)に伝達され、図17および図18に示されるように、プランジャ172がシリンダ171の奥側(各図の左方向)へ押し込まれる。図17に示されるように、閉塞部材166(図5参照)が開口101よりもシリンダ171の奥側(図17の左側)に位置するまでピストン181が移動すると、ピストン181によって開口101が閉塞される。これにより、第1インク室73およびシリンダ171内に気密状態の空気層83が再び形成される。
図18に示されるように、図17に示される状態からプランジャ172がシリンダ171の奥側へさらに押し込まれると、シリンダ171内の空気が空気層83へさらに供給される。これにより、空気層83の圧力が徐々に上昇するので、第1インク室73が第2インク室63に対して正圧となる。このため、逆止弁95により孔89が開放されて第1インク室73内のインクが第2インク室63へ流入する。このインクは、矢印23(図18参照)に示されるように、インク抽出管149を介して第2インク室63からサブタンク21(図1参照)へ送り出される。
このように、メインタンク70内に形成された空気層83から空気を吸引し、続いて空気層83へ空気を供給するようにプランジャ172が往復動されることにより、メインタンク70からサブタンク21へインクが供給される。
次に、上述のようにメインタンク70からサブタンク21へインクを供給する際にインクジェット記録装置10において行われる処理動作について、図19および図20に基づいて説明する。なお、スライド部材108が上記基準位置(図4参照)に位置している。すなわち、遮蔽部157が検出部75へ進入した状態が維持されるように、第1アーム155が開口端126に当接している。
図19は、インクを供給する必要があると判断された場合にインクジェット記録装置10において行われる処理動作の一例を示すフローチャートである。図20は、インクカートリッジ50の内部構造を示す断面図であり、メインタンク70内のインク量が減少してセンサアーム150が揺動される様子を示す。
制御部230は、メインタンク70からサブタンク21へインクを供給する必要があるか否かを判断する(S11)。この判断は、例えば記録ヘッド26のノズル28から吐出されるインク量をドットカウンタ(不図示)でカウントし、サブタンク21内のインク残量を検出することにより行われる。制御部230は、サブタンク21へインクを供給する必要があると判断した場合(S11:YES)、空気層83から空気を吸引すべくLFモータ217を駆動させる(S12)。これにより、図4、図13〜図16に示されるように、プランジャ172がシリンダ171の外側(各図の右側)へ向けて移動される。なお、その際のプランジャ172の移動については既に説明されているので、ここでの詳細な説明は省略される。
制御部230は、ステップS12の処理動作に続いて、センサ203から出力されるセンサ信号に基づいて、センサ203がON状態であるかOFF状態であるかを判断する(S13)。
ステップS12の処理動作により、LFモータ217の駆動力がラックギヤ185(図8参照)に正常に伝達されると、プランジャ172がシリンダ171の外側へ向けて引き出される(図13〜図16参照)。開口端126の位置は、このプランジャ172の移動によりシリンダ171側へ移動する(図4、図13〜図16参照)。これにより、センサアーム150は、バランス部152に作用する浮力によって矢印81(図13参照)の方向へ回動する。このため、図13〜図16に示されるように、遮蔽部157が検出領域20から退出し、センサ203がON状態からOFF状態となる。これにより、スライド部材108は、第1位置(図4参照)から第2位置(図13〜図16参照)へ移動する。なお、図14〜図16に示されるように、センサアーム150は、遮蔽部157が支持壁74に当接した状態で制止される。逆に、LFモータ217の駆動力がラックギヤ185に正常に伝達されない場合、上述のようにプランジャ172は移動されない。このため、遮蔽部157が検出領域20に位置した状態が維持され、センサ203はON状態のままとなる。つまり、スライド部材108が第1位置にある状態が維持される。
制御部230は、センサ203がON状態のままであると判断した場合(S13:ON)、駆動伝達エラーを報知する(S14)。このステップS14の処理動作は、上記ステップS5の処理動作と同様に行われる。
制御部230は、センサ203がOFF状態になったと判断した場合(S13:OFF)、空気層83へ空気を供給すべくLFモータ217を駆動させる(S15)。このステップS15の処理動作は、上記ステップS6の処理動作と同様に行われる。そして、制御部230は、センサ203から出力されるセンサ信号に基づいて、センサ203がON状態であるかOFF状態であるかを判断する(S16)。
ステップS15の処理によってLFモータ217が駆動されると、上述のようにプランジャ172がシリンダ171の奥側へ向けて移動する(図16〜図18参照)。これにより、第1アーム155がスライド部材108の開口端126により押圧され、遮蔽部157が検出部75へ進入する。このため、センサ203は、OFF状態からON状態へ変化する。
ところで、ステップS12およびステップS15の処理動作が行われることにより、メインタンク70からサブタンク21へインクが供給される。このため、メインタンク70内に貯留されるインクの量は、インク供給動作が行われる毎に減少する。図20に示されるように、第1インク室73内のインク量が減少してバランス部152がインクの液面から露出されると、バランス部152および第2アーム156に作用する重力がバランス部152に作用する浮力よりも大きくなる。したがって、図20に示されるように、センサアーム150は、矢印47で示される方向へ回動する。これに伴い、遮蔽部157は、検出部75から退出する。このため、インクが所定量まで減少すると、ステップS15の処理動作によってスライド部材108が第1位置(図20参照)に戻されたとしても、センサ203がOFF状態からON状態になることはない。
制御部230は、センサ203がOFF状態のままであると判断した場合(S16:NO)、インクエンプティを報知する(S17)。具体的には、制御部230は、「インクカートリッジを交換してください」等のインクの残量が少ないことを通知するメッセージを表示部213に表示する。なお、このインクエンプティの報知は、メッセージの表示に限定されるものではなく、音声メッセージの出力等であってもよい。制御部230は、センサ203がOFF状態からON状態に変化したと判断した場合(S16:ON)、メインタンク70内のインク量が所定量まで減少していないと判断して処理動作を完了する。すなわち、インクカートリッジ50を交換する必要はないと判断して処理動作を完了する。
以上説明したように、本実施形態に係るインクジェット記録装置10では、光センサ203の検出結果に基づいて3つの判定処理が行われる。3つの判定処理とは、インク量が所定量であるか否かの判定、スライド部材108の動作状態の判定、及びインクカートリッジ50の装着状態の判定である。したがって、1つの光センサ203で上記3つの判定処理を行うことができ、本発明の検出装置(本実施形態においては、インクジェット記録装置10)を安価に構成することが可能である。
ところで、サブタンク21に貯留されたインクが消費される過程では、記録ヘッド26が往復動することから気泡が発生する。本実施形態に係るインクジェット記録装置10では、気泡36(図15参照)が第2インク室63においてインクと分離される。したがって、気泡36がセンサアーム150に付着することが効果的に抑制されている。しかしながら、メインタンク70の構成によっては、サブタンク21から戻されたインクに含まれる気泡がセンサアーム150に付着するおそれがある。特に、センサアーム150は、バランス部152に対する浮力により揺動されるものであるので、インク量とは無関係な浮力がセンサアーム150に作用する。このため、センサアーム150に気泡が付着すると、センサアーム150の正常な揺動が阻害される。
センサアーム150は、第1アーム155がスライド部材108の開口109に挿通された状態で揺動可能に設けられている。このため、スライド部材108がピストン181とともに往復動すると、矢印81,85で示される方向へスライド部材108によってセンサアーム150が揺動される。センサアーム150に付着した気泡がセンサアーム150から振り払われ、気泡による浮力がセンサアーム150から除かれる。これにより、センサアーム150が正常に揺動され、インク量の判定が正確に行われる。なお、スライド部材108は、上述のように、スライド部材108の動作状態が判定される際、及び、メインタンク70からサブタンク21へインクを供給する際に往復動される。したがって、スライド部材108の動作状態の判定、及びインクの供給動作に伴って、センサアーム150から気泡を除くことが可能である。
なお、本実施形態においては、本発明の可動部材がスライド部材108である場合について説明したが、可動部材はスライド部材108に限定されるものではない。可動部材は、例えばセンサアーム150に当接してセンサアーム150を揺動させる位置と、センサアーム150から離間する位置との間を往復動するようなものでもよい。また、可動部材は、例えば回動することによりセンサアーム150を揺動させるものでもよい。