JP2008092781A - 永久磁石同期電動機の駆動制御方法 - Google Patents

永久磁石同期電動機の駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、永久磁石同期電動機のセンサレス駆動制御において、指令変換器を要することなく高効率運転を可能とする駆動制御法を提供し、ひいては、より軽い計算負荷で高効率運転が可能なセンサレス駆動制御法を提供することにある。
【解決手段】 回転子磁束あるいは誘起電圧が、高効率運転に対応した軌道上に存在するように推定的に決定し、同軌道上の回転子磁束推定値あるいは誘起電圧推定値の位相を利用してベクトル回転器に使用する位相を決定するように位相決定器2を構成し、更には、ベクトル回転器によって指定された制御γδ座標系上で固定子電流を評価した場合にγ軸、δ軸の何れか一方の軸電流がゼロなるように電流制御工程を構成し、課題を解決した。
【選択図】図5

Description

本発明は、永久磁石同期電動機の駆動制御方法であって、特に、駆動制御のために必要なベクトル回転器あるいはベクトル回転器内蔵変換器(以下、ベクトル回転器等と略記)の位相の確保に位相決定器(位相推定器と同義)を利用した、センサレス駆動制御方法に関するものである。本発明が対象とする位相決定器は、回転子磁束の推定、あるいは回転子磁束の微分値である誘起電圧の推定を介して、ベクトル回転器等用の位相を推定的に決定するものである。
永久磁石同期電動機をして高い制御性能を発揮せしめるには、トルク発生に寄与する固定子電流を、回転子N極の位相(以降では、回転子位相と略記)に対して、所定の位相差を持たせる必要がある。このため、α軸をU相巻線の中心に選定した固定αβ座標系上で評価した回転子位相を知る必要がある。回転子位相の最も簡単な検出方法は、エンコーダ、レゾルバーと言った位置センサを回転子に装着することであるが、位置センサの装着は、信頼性、コストなどの点で問題があり、電動機駆動用の固定子電圧、電流の信号を用いて回転子位相を推定することが行なわれている。回転子位相の推定は、回転子位相情報を有する回転子磁束あるいはこの微分値である誘起電圧を推定することにより、実質的に達成される。当業者には周知のように、回転子磁束の位相は、回転子位相と同一である。また、回転子磁束の微分値である誘起電圧の位相は、回転子位相と+π/2あるいは−π/2と言う単純な違いがあるに過ぎない。この関係により、回転子磁束の推定あるいは誘起電圧の推定は、実質的に回転子位相の推定を意味すると捕らえてよい。
回転子磁束の推定あるいは誘起電圧の推定は、固定αβ座標系上で行なうことも、あるいは回転子位相に位相差なく同期することを目指した準同期γδ座標系上で行なうことも可能である。なお、回転子位相に位相差なく同期した座標系は、最近では、同期dq座標系と呼ばれている。準同期γδ座標系は、同期が完了した時点では、実質的に同期dq座標系と等価である。この点を考慮し、以降では、準同期γδ座標系と厳密な同期dq座標系とを含めたこれらを、広い意味で同期dq座標系と呼ぶ。これに対して、回転子位相に対して、位相差のない同期を目指さないγδ座標系を、制御γδ座標系と呼ぶ。
図8は、永久磁石形同期電動機に対し、位相決定器を利用した駆動制御方法を装置化し、これに装着した場合の代表的1例を概略的にブロック図で示したものである。1は永久磁石同期電動機を、2は位相決定器を、3は電力変換器を、4は電流検出器を、5a、5bは夫々3相2相変換器、2相3相変換器を、6a、6bは共にベクトル回転器を、7は余弦正弦信号発生器を、8は電流制御器を、9は指令変換器を、10は速度制御器を、11は機械速度推定器を示している。本図では、簡明性を確保すべく、2x1のベクトル信号を1本の太い信号線で表現している。以下のブロック図表現もこれを踏襲する。
特に、2の位相決定器は、固定子の電圧、電流の信号(実測値、指令値など)を入力として得て、固定αβ座標系上で評価した回転子位相の推定値と、回転子電気速度の推定値を出力している。余弦正弦信号発生器7は回転子位相推定値を余弦・正弦信号に変換して、これをベクトル回転器6a、6bへ伝達している。電気速度推定値は、機械速度推定器11において、極対数で除されて、機械速度推定値に変換されている。4、5a、5b、6a、6b、7、8の5種の機器は、トルク発生に寄与する固定子電流を、同期dq座標系上のベクトル信号として捕らえ、d軸及びq軸の各成分を各軸電流指令値に追随するように制御するフィードバック的な電流制御工程を構成している。また、位相決定器2が、位相決定工程を構成している。
電流検出器4で検出された3相の固定子電流は、3相2相変換器5aで固定αβ座標系上の2相電流に変換された後、ベクトル回転器6aで同期dq座標系の2相電流に変換され、電流制御器8へ送られる。電流制御器8は、同期dq座標系上の2相電流が、各相の電流指令値に追随すべく同期dq座標系上の2相電圧指令値を生成しベクトル回転器6bへ送る。6bでは、同期dq座標系上の2相電圧指令値を固定αβ座標系上の2相電圧指令値に変換し、2相3相変換器5bへ送る。5bでは、2相信号を3相電圧指令値に変換し、電力変換器3への指令値として出力する。電力変換器3は、指令値に応じた電力を発生し、同期電動機1へ印加しこれを駆動する。このときの同期dq座標系上の2相電流指令値は、トルク指令値を指令変換器9に通じ変換することにより得ている。図8においては、ベクトル回転器の左側に存在する固定子電圧、電流の信号は、同期dq座標系上の信号であることを明示すべく、脚符にdqを付している。なお、ベクトル回転器6a、6bは、3相2相変換器、2相3相変換器5a、5bと各々一体的に構成されこともある。本発明では、一体的に構成されたこれらをベクトル回転器内蔵変換器と呼称している。
図8の本例では、速度制御系を構成した例を示しているので、速度指令値と速度推定値を入力とする速度制御器10の出力としてトルク指令値を得ている。当業者には周知のように、制御目的が発生トルクにあり速度制御系を構成しない場合には、速度制御器10、機械速度推定器11は不要である。この場合には、トルク指令値が外部から直接印加される。
上記構成機器において、本発明に特に関連する機器が、位相決定器2と指令変換器9である。位相決定器は、回転子磁束あるいはこの微分値である誘起電圧を、固定子の電圧、電流の信号を利用して推定し、ベクトル回転器等に使用する位相を決定している。併せて、電気速度推定値を決定している。回転子磁束あるいは誘起電圧の推定は、一般には、状態オブザーバ、外乱オブザーバ等を固定子の電圧、電流の信号により駆動し、得ている。従って、位相決定器においては、状態オブザーバ、外乱オブザーバ等の構成が重要となるが、これらに関する代表的な先行発明としては、次のものがある。
(1)新中新二:「同期電動機のベクトル制御方法及び同装置」、特開2004−096979
(2)楊耕・富岡真知子・中野求・金東海:「適応オブザーバによるブラシレスDCモータの位置センサレス制御」、電気学会論文誌D分冊、113、5、pp.579−586(1993−5)
(3)山本康弘・吉田康宏・足利正:「同一次元磁束オブザーバによるPMモータのセンサレス制御」、電気学会論文誌D分冊、114、8 pp.743−749(2004−8)
(4)新中新二・佐野公亮:「積分フィードバック形速度推定法併用の固定座標4次同一次元状態オブザーバによるPMSMの新センサレスベクトル制御法」、電気学会論文誌D分冊、125、8、pp.830−831(2005−8)
(5)金原義彦:「回転座標上の適応オブザーバを用いたPM電動機の位置センサレス制御」、電気学会論文誌D分冊、123、5、pp.600−609(2003−5)
(6)新中新二・井大輔:「4次同一次元状態オブザーバを利用したPMSMセンサレスベクトル制御への一般化積分形PLL法の適用可能性」、電気学会論文誌D分冊、124、11、pp.1164−1165(2004−11)
(7)平野孝一・原英博・辻輝生・小黒龍一:「IPMモータのセンサレス速度制御」、電気学会論文誌D分冊、120、5、pp.666−672(2000−5)
(8)新中新二:「同期モータセンサレス駆動のためのD因子外乱オブザーバの存在、ゼロ位相遅れの新位相推定法」、電気学会論文誌D分冊、126、9、pp.1220−1226(2006−9)
(9)新中新二:「同期電動機のベクトル制御方法」、特開2006−223085
これら先行発明に従って、状態オブザーバ、外乱オブザーバ等を構成し、構成したオブザーバ等に対して、電動機駆動用の固定子電圧、電流の信号(実測値、指令等)を入力してこれを駆動すれば、回転子位相推定値を得ることができる。当業者には周知のように、オブザーバ等の構成においては電動機パラメータが必要である。特に、オブザーバ等の構成に使用した電動機パラメータ、さらにはこの駆動信号である固定子電圧、電流の信号が正しい場合には、オブザーバ等による位相推定値は位相真値に収斂する。実際には、電動機パラメータ真値とオブザーバ等に使用するパラメータ値との間には、多少の相違があるが、使用するパラメータ値は可能な限り真値に近いものを採用することが、これらオブザーバ等の使用上の大前提である。
電動機はトルク発生機であると同時に電気エネルギーの機械エネルギーの変換機であり、電動機のエネルギー変換効率は、電動機の主要な性能の1つである。エネルギー変換効率向上の課題は、電動機制御の観点からは、所要のトルク発生を達成しながら銅損などの損失を最小に抑えるような電流制御を如何に実施するか、あるいは、力率の最大化を図るような電流制御を如何に実施するか、と言う技術課題に置き換えることができる。この課題解決の役割を果たしいるのが、指令変換器9である。指令変換器では、トルク指令から高高率な運転を可能とする同期dq座標系上のd軸、q軸電流指令を生成している。指令変換器に関連した先行発明としては、たとえば、次のものがある。
(10)大沢、野村:「逆突極PMモータの機器利用効率の向上」、平成9年電気学会全国大会講演論文集4、pp.348−349
(11)新中新二:「同期電動機のベクトル制御方法」、特開平11−041998
(12)新中新二:「効率重視の電流制御に向けた突極形同期モータのベクトル信号による解析」、電気学会論文誌D分冊、119、5、pp.648−658(1999−5)
トルク指令から高効率を達成する同期dq座標系上のd軸、q軸電流指令の生成には、一般には、d軸電流、q軸電流、発生トルクの3者の関係を記述したトルク発生式と、高効率を達成する軌道を数学的に記述した軌道式とによる、非線形連立方程式の解法が要求される。当業者には周知のように、この解法は、一般には大変難解であり、これを多少なりとも効率的に遂行すべく指令変換器の改良が試みられてはいる。しかし、従来の永久磁石同期電動機の駆動制御法おいて高効率を追求する限りは、この指令変換器は必須であり、排除することはできなかった。
発明が解決しようとする課題
本発明は上記背景の下になされたものであり、その目的は、永久磁石同期電動機のセンサレス駆動制御において、指令変換器を要することなく高効率運転を可能とする駆動制御法を提供し、ひいては、より軽い計算負荷で高効率運転が可能なセンサレス駆動制御法を提供することである。
課題を解決するための手段
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トルク発生に寄与する固定子電流を、ベクトル回転器あるいはベクトル回転器内蔵変換器を用いて、フィードバック的あるいはフィードフォワード的に制御する電流制御工程と、ベクトル回転器あるいはベクトル回転器内蔵変換器に使用する位相を決定する位相決定工程とを有する永久磁石同期電動機の駆動制御方法であって、同期dq座標系のd軸上に存在する回転子磁束あるいは回転子磁束の微分値でありq軸上に存在する誘起電圧を、固定子電圧と固定子電流の信号を用いて、同期dq座標系上のd軸及びq軸とは異なる軌道上に存在するように推定的に決定し、軌道上の回転子磁束推定値あるいは誘起電圧推定値の位相を利用して、ベクトル回転器あるいはベクトル回転器内蔵変換器に使用する位相を決定するように該位相決定工程を構成し、かつベクトル回転器あるいはベクトル回転器内蔵変換器によって指定された制御γδ座標系上で固定子電流を評価した場合にγ軸、δ軸の何れか一方の軸電流がゼロなるように電流制御工程を構成したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の永久磁石同期電動機の駆動制御方法であって、該回転子磁束あるいは該誘起電圧の推定的決定において、電動機パラメータ真値に対して偏差をもつ電動機パラメータ対応値を少なくとも1つを利用することにより、該回転子磁束の推定値あるいは該誘起電圧の推定値が、同期dq座標系上のd軸及びq軸とは異なる軌道上に存在するようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の永久磁石同期電動機の駆動制御方法であって、同期dq座標系上の該軌道を、双曲線軌道、または放物線軌道、または楕円軌道とすることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1記載の永久磁石同期電動機の駆動制御方法であって、該回転子磁束あるいは該誘起電圧を、固定子電流と固定子電圧の信号により駆動される状態オブザーバあるいは外乱オブザーバを用いて推定するようにしたことを特徴とする。
次に本発明の作用について説明する。従来の方法では、推定的に決定した回転子磁束あるいはこの微分値である誘起電圧の推定値を、限りなく真値に収斂させることを目指していた。より具体的には、回転子磁束推定値の位相は同期dq座標系のd軸上に収斂するように、あるいは誘起電圧推定値の位相は同期dq座標系のq軸上に収斂するようにしていた。
これに対し、請求項1の本発明は、回転子磁束推定値あるいは誘起電圧推定値が、d軸でもq軸でもない、dq座標系の特定の軌道上に収斂するように、これを推定的に決定するものである。換言するならば、回転子磁束推定値の位相あるいは誘起電圧推定値の位相が、特定の軌道上の収斂するように、これを推定的に決定するものである。よって、請求項1の発明に従い、これら推定値の位相を利用して、ベクトル回転器等に使用する位相を決定するようにすれば、ベクトル回転器等により指定された制御γδ座標系の位相(すなわち、主軸であるγ軸の位相)は、特定の軌道上に収斂すると言う作用が得られるようになる。
これに加え、請求項1の発明によれば、ベクトル回転器等によって指定された制御γδ座標系上で固定電流を評価した場合に何れか一方の軸電流がゼロなるように電流制御工程を構成する。この結果、制御された固定子電流も特定の軌道上に収斂すると言う作用が得られる。当然のことながら、固定電流が収斂する特定の軌道は、制御γδ座標系の位相と、±π/2(rad)または0(rad)の位相差をもつことになる。この一定値の位相差は、固定子電流のγ軸成分がゼロになるように制御すれば±π/2(rad)となり、δ軸成分がゼロとなるように制御すれば、0(rad)となる。後述の実施形態例で具体的に説明するように、固定子電流が制御γδ座標系のγ成分がゼロとなるように制御するのが、簡単である。この場合には、制御γδ座標系の位相と固定子電流の位相との間には、±π/2(rad)の一定位相差が常時存在することになるが、制御γδ座標系と固定子電流とは、同一形状の軌道上に存在することになる。
従って、設計者に選定が委ねられた軌道を、高効率を達成する軌道に選定さえすれば、固定子電流は、従来技術では不可欠であった指令変換器によらなくとも、高効率を達成する軌道上に存在することができると言う作用が得られる。
続いて、本発明の請求項2の作用について説明する。従来技術の記述に際して詳しく説明したように、回転子磁束あるいは誘起電圧の推定には、伝統的に、状態オブザーバ、外乱オブザーバ等のオブザーバが使用されている。これらオブザーバは、広い意味でのモデルマッチング形の推定器に属する。モデルマッチング形推定器においては、推定器構成用の電動機パラメータとしてその真値を利用し、更には、推定器を駆動する信号として、固定子電圧、電流の誤差のない信号を使用するならば、「推定的に得た回転子磁束あるいは誘起電圧の位相は真値に収斂する、換言するならば、これらの位相推定値は、同期dq座標系上のd軸、あるいはq軸上に収斂する」と言う収斂特性を持っている。本収斂特性は、逆説的に捕らえるならば、推定器構成用の電動機パラメータとしてその真値と異なる値を利用する、あるいは、推定器を駆動する信号として、固定子電圧、電流の誤差のある信号を使用するならば、回転子磁束あるいは誘起電圧の位相推定値は、d軸上あるいはq軸上に収斂しないことを意味する。請求項2の発明は、位相決定器構成用の電動機パラメータとして、真値に対して偏差をもつ電動機パラメータ対応値を意図して積極的に利用し、回転子磁束あるいは誘起電圧の位相推定値が設計者が定めた特定の軌道上に収斂させると言う作用を生成せしめるものである。以下、本作用の発生原理を、数式を用いて詳しく説明する。なお、簡単のため、回転子磁束の推定を例に取って、これを行う。
図1のように、速度ωで回転する制御γδ座標系を考える。また、永久磁石同期電動機の回転子N極が主軸のγ軸に対し、ある瞬時に位相θγをなしているものとする。このとき、永久磁石同期電動機の電気磁気的関係は、制御γδ座標系上評価した信号を用い、次の(1)〜(8)式で記述されることが知られている。
Figure 2008092781
Figure 2008092781
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ここに、2x1ベクトルν、i、φは、それぞれ固定子の電圧、電流、磁束を意味している。2x1ベクトルφ、φは固定子磁束φを構成する成分を示しており、φは固定子電流iによって誘導発生した磁束(以下、固定子誘導磁束と略記)であり、またφは回転子永久磁石に起因する回転子磁束であり、eは(5)式に明示しているように回転子磁束の微分信号たる誘起電圧である。Iは2x2単位行列であり、Jは次式で定義された2x2交代行列である。
Figure 2008092781
ω2nは回転子の電気速度であり、Rは固定子巻線の抵抗(真値)である。L,Lは固定子の同相インダクタンス、鏡相インダクタンス(真値)であり、d、qインダクタンス(真値)とは次の関係を有する。
Figure 2008092781
また、D(s,ω)は次式で定義されたD因子であり、
Figure 2008092781
sは微分演算子d/dtである。
永久磁石同期電動機の固定子パラメータ真値に対して、すなわち固定子の巻線抵抗、イタ
Figure 2008092781
Figure 2008092781
また、インダクタンス対応値に関しては、(10)式と同一の関係が成立するものとする。この場合、(12)式で定義されたインダクタンス偏差に関しても、(10)式と同一の関係が成立する。すなわち、
Figure 2008092781
(1)〜(8)式で記述された永久磁石同期電動機の回転子磁束をモデルマッチング的に推定するための推定モデルとして、パラメータ対応値等を利用した次の(14)〜(16)式を考える。
Figure 2008092781
Figure 2008092781
Figure 2008092781
(14)〜(16)式における磁束上の記号^は、対応した磁束の推定値を意味する。
(14)〜(16)式の推定モデルに従いモデルマッチング的に得た回転子位相推定値をベクトル回転器等の位相に利用して得た座標系を制御γδ座標系とする。制御γδ座標系で評価した固定子電流をiγ,iδとするとき、本電流iγ,iδは、ω=ω2n≠0の定常状態では、同期dq座標系で評価した固定子電流i,iと次の関係を有する(図2参照)。
Figure 2008092781
図2に明示しているように、同期dq座標系と制御γδ座標系は、パラメータ偏差、電流信号のレベルに依存した位相差Δθをもつ。
モデルマッチング形推定器における固定子巻線抵抗の値に関しては、真値を利用する場合を考える。この場合には、(17)式にΔR=0の条件を付与することになる。更に、請求項1の発明による作用の説明で述べたように、簡単のためγ軸電流をフィードバック的あるいはフィードフォワード的にゼロ制御するものとするとする。この場合には、(17)式にiγ=0の条件を付与することになる。(17)式に2条件を適用すると、次の(18)式を得る(図2参照)。
Figure 2008092781
上式は、(12)式を考慮すると、次の(19)式として整理することができる。
Figure 2008092781
(19)式は、固定子電流が取り得る軌道を、d軸電流、q軸電流のみで表現したものである。換言するならば、同期dq座標系上で表現したものである。この(19)式は、ΔLqdΔL>0の場合には楕円軌道を、ΔLqdΔL<0の場合には双曲線軌道上を意味し、また、ΔLqd=0、ΔL≠0の場合には、放物線軌道を意味する。換言するならば、固定子電流は、パラメータΦ、パラメータ偏差ΔLqd、ΔLによって定められる、同期dq座標系上の特定の軌道上に存在することを意味する((12)式参照)。図3にこのパラメータ偏差と軌道の関係を図示した。
固定子電流を制御γδ座標系上で評価した場合、本例では、固定子電流のγ成分はゼロとしている。換言するならば、固定子電流はδ成分のみである。固定子電流がδ軸上に存在し、かつ回転子磁束推定値がγ軸上に存在することを考慮すると、固定子電流が特定の軌道上に存在すると言うことは、回転子磁束推定値も固定子電流に対して±π/2(rad)の一定位相差を持った状態で、特定の同一形状の軌道上に存在することを意味する。γ軸電流に代わって、δ軸電流をゼロ制御する場合にも、同様な結論を得ることができる。また、誘起電圧が回転子磁束に対して、常時±π/2(rad)の一定位相差を持つことを考えると、誘起電圧推定値に対しても同様な結論を得ることができる。
以上の説明より明白なように、請求項2の発明に従い、位相推定用の電動機パラメータとして、真値に対して所定の偏差をもつ対応値を意図して積極的に利用することにより、回転子磁束あるいは誘起電圧の位相推定値を設計者が定めた特定の軌道上に収斂させることができるようになると言う作用が得られる。
続いて、本発明の請求項3の作用について説明する。所定のトルクを発生しつつ固定子巻線抵抗による銅損を最小とするには、固定子電流は同期dq座標系上で評価した場合、次の双曲線軌道上に存在しなければならない。
Figure 2008092781
また、所定のトルクを発生しつつ力率1を達成するには、固定子電流は同期dq座標系上で評価した場合、次の楕円軌道上に存在しなければならない。
Figure 2008092781
また、固定子巻線抵抗による銅損と磁気抵抗による鉄損とからなる総合損失を最小化する軌道は、(20)式と(21)式の中間の軌道となる。総合損失を最小化するには、固定子電流を本軌道上に存在するようにしなければならない。
請求項3の発明によれば、回転子磁束あるいは誘起電圧の推定値が収斂すべき、同期dq座標系上の軌道を、双曲線軌道、または放物線軌道、または楕円軌道とするので、この結果、回転子磁束あるいは誘起電圧の推定値に基づき位相を決定した固定子電流も双曲線軌道、または放物線軌道、または楕円軌道上に存在することになる。この固定子電流は、上記説明より明らかなように、最小銅損、または最小総合損失、または力率1を実行的に達成するものである。以上より明白なように、請求項3の発明によれば、最小銅損、または最小総合損失、または力率1を実行的に達成する電流制御が、従来技術では不可欠であった指令変換器を用いることなく、遂行できるようになると言う作用が得られる。
なお、参考までに補足説明をしておくと、モデルマッチング形推定器に利用するq軸インダクタンス対応値をd軸インダクタンス真値に選定する場合には、すわわち、
Figure 2008092781
と選定する場合には、固定子電流は、(19)式より、総合損失を準最小化する次の放物線上に存在する。
Figure 2008092781
また、モデルマッチング形推定器に利用するq軸インダクタンス対応値を常時ゼロに選定する場合には、すわわち、
Figure 2008092781
と選定する場合には、固定子電流は、(19)式より、力率1を達成する(21)式の楕円軌道上に存在する。更には、モデルマッチング形推定器に利用するq軸インダクタンス対応値を次の(23)式に示した範囲に選定する場合には、(19)式より、固定子電流は準最小銅損を達成する軌道上に存在する。
Figure 2008092781
図4に、q軸インダクタンス対応値を(22)式に選定した場合の1例を示した。同図では、参考のため、q軸インダクタンス対応値を(24)、(25)式に選定した場合の軌道も破線で示している。同図では、回転子磁束推定値の位相をγ軸に選定した制御γδ座標系で評価した場合、固定子電流はδ軸上に存在するものとしている。
続いて、本発明の請求項4の作用について説明する。固定子電圧と固定子電流の信号を用いて、回転子磁束あるいは誘起電圧をモデルマッチング的に推定するための推定器としては種々の方法が存在し得る。モデルマッチング形推定器として、従来より安定推定のための解明が最も進んでいるのは、状態オブザーバと外乱オブザーバである。この結果、請求項4の発明によれば、従来の解析成果を直接的に活用できる形で、換言するならば、より安定的に、特定軌道上に回転子磁束推定値あるいは誘起電圧推定値を推定できるようになると言う作用が得られる。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。永久磁石同期電動機に対し本発明の駆動制御方法を適用した駆動制御装置の1実施形態例の基本的構造を図5に示す。図8に示した従来の駆動制御装置に対する本装置の違いは、第1に位相決定器2の構成にある。違いの第2は、指令変換器が存在せず、速度制御器11の出力が直接、δ軸電流指令値になり、かつ、γ軸電流指令値は、常時ゼロがセットされている点にある。図5においては、ベクトル回転器の左側に存在する固定子電圧、電流の信号は、制御γδ座標系上の信号である。本事実を明示すべく、これら信号の脚符にγ、δを付している。一方、図8では、ベクトル回転器の左側に存在する固定子電圧、電流の信号は、同期dq座標系上の信号であった。この相違には、特に注意されたい。他の構成機器に関しては、従来の駆動制御装置と本装置との違いは、無い。
指令変換器を要しない本発明の核心は位相決定器2にある。図6は、文献(1)によって示された位相決定器を、本発明に従って部分的に構成し直したものである。位相決定器2は、最小次元状態オブザーバ2aと位相同期器2bから構成されている。
図7は、最小次元状態オブザーバ2aとして、回転子磁束を推定させるようにした最小次元状態オブザーバの1実施形態例の構造を示したものである。基本的構造は、文献(1)と同一である。このため、この基本構造の原理に関する説明は省略する。文献(1)による最小次元状態オブザーバと本発明による最小次元状態オブザーバ2aの唯一の違いは、
Figure 2008092781
る。文献(1)では、固定子誘導磁束算定ブッロクに利用するq軸インダクタンス値としては、q軸インダクタンス真値あるいはこれに準じた値を利用することを前提としている。これに対して、本発明によるブッロク2a−1では、真値に対して所定の偏差を有するq軸インダクタンス対応値を利用している。すなわち、q軸インダクタンス対応値としては、(22)式、または(24)式、または(25)式のものを利用している。最小次元状態オブザーバ2aの構成に関しては、他に相違はない。結果的には、本発明による最小次元状態オブザーバ2aは、従来の最小次元状態オブザーバにおけるq軸インダクタンス真値に代わって、意図的に、真値に対して所定の偏差を有するq軸インダクタンス対応値を使用するだけで構成できる。
最小次元状態オブザーバに付随した位相同期器2bには、電動機パラメータは一切使用されていない。このため、位相同期器2bの構成は、文献(1)による構成と本発明による構成は、完全に同一である。以上の説明から明白なように、従来の回転子磁束を推定するための最小次元状態オブザーバを利用した位相決定器において、q軸インダクタンス真値に代わって、意図的に、真値に対して所定の偏差を有するq軸インダクタンス対応値を利用するだけで、本発明による位相決定器は構成することができる。
図5は、制御γδ座標系上で構成した最小次元状態オブザーバを用いて回転子磁束を推定して、ベクトル回転器等の位相を推定器に決定する位相決定器の構成例であるが、他の構成においても、同様なこと「位相決定器において、q軸インダクタンス真値に代わって、意図的に、真値に対して所定の偏差を有するq軸インダクタンス対応値を利用するだけで、本発明による位相決定器は構成することができる」が成立する。ここに言う他の構成とは、固定αβ座標系上での構成、非最小次元状態オブザーバによる構成、誘起電圧推定を介した構成、外乱オブザーバを利用した構成などを含む。すなわち、モデルマッチング形推定器により回転子磁束あるいは誘起電圧の推定を行い、これら推定値を介して、ベクトル回転器等の位相を決定するように構成された位相決定器においては、これが構成された座標系を問わず、q軸インダクタンス真値に代わって、意図的に、真値に対して所定の偏差を有するq軸インダクタンス対応値を利用するだけで、本発明による位相決定器は構成することができる。本発明による位相決定器を利用する場合には、図5の実施形態例に示したように、指令変換器は不要であり、γ軸電流指令値をゼロにセットし、δ軸電流指令値を速度制御器出力に選定することになる。本構成により、先に説明した本発明の作用が得られる。
より具体的な実施形態例を幾つか例示する。q軸インダクタンスとして同真値を使用することを想定して構成された、文献(1)〜(9)に示された位相決定器において、意図して、単に形式的に、真値に対して所定の偏差を有するq軸インダクタンス対応値を使用するだけで、本発明による位相決定器は構成することができる。本発明による位相決定器を利用する場合には、図5の実施形態例に示したように、指令変換器は不要であり、γ軸電流指令値をゼロにセットし、δ軸電流指令値を速度制御器出力に選定することになる。
文献(1)〜(9)を利用したこれらの具体的実施形態例から明白なように、本発明による位相決定器の構成は、従来の位相決定器の構成に比較して、演算負荷は一切増加しない。位相決定器の構成に要する演算負荷は、完全に同一である。一方、本発明による場合には指令変換器は不要であるので、従来の駆動制御技術が必要とした指令変換器構成のための演算負荷は、すべて消滅することになる。
図5は、速度制御モードの実施形態例であるが、トルク制御モードに準じた準トルク制御モードを遂行することも可能である。準トルク制御モードでは、δ軸電流指令を直接外部より与えるようにすればよい。
図5に示した実施形態例を含め、文献(1)〜(9)を利用した具体的実施形態例では、電流制御はフィードバック的に行なっている。発明作用の説明に際して言及したように、電流制御をフィードフォワード的に行なう場合にも本発明は適用可能であり、フィードバック的な電流制御の場合と同一の作用、効果を得ることができる。
上術の実施形態例では、位相決定器に使用する固定子巻線抵抗の値に関しては、真値を使う例であった。本発明作用の説明に使用した(17)式より明らかなように、固定子巻線抵抗に対しても、意図的に偏差を持たせた対応値を利用して、固定子電流、回転子磁束推定値、誘起電圧推定値を特定の軌道上に存在させることは可能であることを指摘しておく。この場合の固定子電流の取り得る軌道は、(17)式にiγ=0の条件を付与するならば、次式で表現される。
Figure 2008092781
本発明による位相決定器は、アナログ的に実現可能であるが、最近のディジタル技術の著しい進歩を考えるとディジタル的に構成することが好ましい。ディジタル構成はハードウェア的構成とソフトウェア的構成があるが、当業者にとっては既に自明のように本発明はいずれでも構成できる。以上、本発明に関し、各種の図を利用しつつ多種多様な実施形態例を詳しく説明した。
発明の効果
以上の説明より明白なように、本発明は以下の効果を奏する。請求項1の発明によれば、設計者に選定が委ねられた軌道を、高効率を達成する軌道に選定さえすれば、固定子電流は、従来技術では不可欠であった指令変換器によらなくとも、高効率を達成する軌道上に存在することができると言う作用が得られた。この作用の結果、請求項1の発明によれば、従来技術では不可欠であった指令変換器によらなくとも、永久磁石同期電動機の高効率運転が可能になると言う効果が得られる。ひいては、より軽い計算負荷で高効率運転が可能になると言う効果が得られる。
次に、請求項2の本発明による効果を説明する。請求項2の発明によれば、位相推定用の電動機パラメータとして、真値に対して所定の偏差をもつ対応値を意図して積極的に利用することにより、回転子磁束あるいは誘起電圧の位相推定値を設計者が定めた特定の軌道上に収斂させることができるようになると言う作用が得られた。本作用の結果、請求項1の効果を奏する本発明を、更に簡単に実現できるようになると言う効果が得られる。
続いて、請求項3の本発明の効果を説明する。請求項3の発明によれば、最小銅損、または最小総合損失、または力率1を実行的に達成する電流制御が、遂行できるようになると言う作用が得られた。本作用の結果、請求項3の発明によれば、最小銅損、または最小総合損失、または力率1を実行的に達成する効率運転を遂行できるようになると言う効果が得られる。この結果、請求項3の発明によれば、請求項1による発明の効果を一層有用性の高いレベルに向上させることができると言う効果が得られる。
続いて、請求項4の発明の効果を説明する。請求項4の発明によれば、状態オブザーバ、外乱オブザーバに関する従来の解析成果を直接的に活用できる形で、換言するならば、より安定的に、特定軌道上に回転子磁束推定値あるいは誘起電圧推定値を推定できるようになると言う作用が得られた。本作用の結果、請求項4の発明によれば、請求項1の効果を安定的に得ることができるようになると言う効果が得られる。
3座標系と回転子位相の1関係例を示す図 単一固定子電流を同期dq座標系と制御γδ座標系とで評価した場合のベクトル成分の1関係例を示す図 パラメータ対応値を使用して得た回転子磁束推定値あるいは誘起電圧推定値の軌道に対応した固定子電流の軌道の例を示す図 パラメータ対応値を使用して得た回転子磁束推定値あるいは誘起電圧推定値の放物線軌道に対応した固定子電流の放物線軌道と制御γδ座標系の関係例を示す図 1実施形態例における駆動制御装置の基本構成を示すブロック図 1実施形態例における位相決定器の基本構成を示すブロック図 1実施形態例における最小次元状態オブザーバの基本構成を示すブロック図 従来の代表的な駆動制御装置の基本構成を示すブロック図
符号の説明
1 永久磁石同期電動機
2 位相決定器
2a 最小次元状態オブザーバ
2a−1 固定子誘導磁束算定ブッロク
2b 位相同期器
3 電力変換器
4 電流検出器
5a 3相2相変換器
5b 2相3相変換器
6a ベクトル回転器
6b ベクトル回転器
7 余弦正弦信号発生器
8 電流制御器
9 指令変換器
10 速度制御器
11 機械速度推定器

Claims (4)

  1. トルク発生に寄与する固定子電流を、ベクトル回転器あるいはベクトル回転器内蔵変換器を用いて、フィードバック的あるいはフィードフォワード的に制御する電流制御工程と、ベクトル回転器あるいはベクトル回転器内蔵変換器に使用する位相を決定する位相決定工程とを有する永久磁石同期電動機の駆動制御方法であって、
    同期dq座標系のd軸上に存在する回転子磁束あるいは回転子磁束の微分値でありq軸上に存在する誘起電圧を、固定子電圧と固定子電流の信号を用いて、同期dq座標系上のd軸及びq軸とは異なる軌道上に存在するように推定的に決定し、軌道上の回転子磁束推定値あるいは誘起電圧推定値の位相を利用して、ベクトル回転器あるいはベクトル回転器内蔵変換器に使用する位相を決定するように該位相決定工程を構成し、かつベクトル回転器あるいはベクトル回転器内蔵変換器によって指定された制御γδ座標系上で固定子電流を評価した場合にγ軸、δ軸の何れか一方の軸電流がゼロなるように電流制御工程を構成したことを特徴とする永久磁石同期電動機の駆動制御方法。
  2. 該回転子磁束あるいは該誘起電圧の推定的決定において、電動機パラメータ真値に対して偏差をもつ電動機パラメータ対応値を少なくとも1つを利用することにより、該回転子磁束の推定値あるいは該誘起電圧の推定値が、同期dq座標系上のd軸及びq軸とは異なる軌道上に存在するようにしたことを特徴とする請求項1記載の永久磁石同期電動機の駆動制御方法。
  3. 同期dq座標系上の該軌道を、双曲線軌道、または放物線軌道、または楕円軌道とすることを特徴とする請求項1記載の永久磁石同期電動機の駆動制御方法。
  4. 該回転子磁束あるいは該誘起電圧を、固定子電流と固定子電圧の信号により駆動される状態オブザーバあるいは外乱オブザーバを用いて推定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の永久磁石同期電動機の駆動制御方法。
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