JP2008091748A - 可変抵抗素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】抵抗変化型メモリに適用できる新規な可変抵抗素子を提供する。
【解決手段】可変抵抗素子10は,白金族金属やその合金、酸化物、あるいは、導電性酸化物による第1電極12と、第1電極12の上方に形成された抵抗体層14と、抵抗体層14の上方に形成された第1電極と同様の材料からなる第2電極16と、を含み、抵抗体層14は、YxHf1−xO2(0<x<1)で表される遷移金属酸化物(YHO)からなり、遷移金属酸化物は酸素欠陥を有し、その酸素欠陥の量は酸化ハフニウム(HfO2)のHfをイットリウム(Y)で置換する量を増やすことで増加させる。
【選択図】図1
【解決手段】可変抵抗素子10は,白金族金属やその合金、酸化物、あるいは、導電性酸化物による第1電極12と、第1電極12の上方に形成された抵抗体層14と、抵抗体層14の上方に形成された第1電極と同様の材料からなる第2電極16と、を含み、抵抗体層14は、YxHf1−xO2(0<x<1)で表される遷移金属酸化物(YHO)からなり、遷移金属酸化物は酸素欠陥を有し、その酸素欠陥の量は酸化ハフニウム(HfO2)のHfをイットリウム(Y)で置換する量を増やすことで増加させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、可変抵抗素子に関する。
近年、高速動作、高集積化、低消費電力が可能な不揮発性メモリの一つとしてRRAM(Resistance Random Access Memory)が注目されている。RRAMは、一般に、金属酸化物などの膜にパルス電圧を印加すると、膜の抵抗が可逆的に変化することを利用している。即ち、RRAMは、印加するパルス電圧の極性や大きさを変化させて可変抵抗素子の抵抗値を設定することによってデータを不揮発に保持できる。このようなRRAMを構成する抵抗体層の材料としては、例えばマンガン(Mn)を含む酸化物が開示されている(特許文献1参照)。
特開平8−133894号公報
本発明の目的は、抵抗変化型メモリに適用できる新規な可変抵抗素子を提供することにある。
本発明に係る第1の可変抵抗素子は、
第1電極と、
前記第1電極の上方に形成された抵抗体層と、
前記抵抗体層の上方に形成された第2電極と、を含み、
前記抵抗体層は、YxHf1−xO2(0<x<1)で表される遷移金属酸化物からなり、
前記遷移金属酸化物は、酸素欠陥を有する。
第1電極と、
前記第1電極の上方に形成された抵抗体層と、
前記抵抗体層の上方に形成された第2電極と、を含み、
前記抵抗体層は、YxHf1−xO2(0<x<1)で表される遷移金属酸化物からなり、
前記遷移金属酸化物は、酸素欠陥を有する。
本発明に係る可変抵抗素子によれば、高い抵抗変化率を提供することができる。従って、本発明に係る可変抵抗素子は、RRAMなどの抵抗変化型メモリに好適に用いられる。
なお、本発明に係る記載では、「上方」という文言を、例えば、「特定のもの(以下「A」という)の「上方」に形成された他の特定のもの(以下「B」という)」などと用いている。本発明に係る記載では、この例のような場合に、A上に直接Bが形成されているような場合と、A上に他のものを介してBが形成されているような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。
本発明に係る可変抵抗素子において、
0<x≦0.3であることができる。
0<x≦0.3であることができる。
本発明に係る可変抵抗素子において、
0.03≦x≦0.15であることができる。
0.03≦x≦0.15であることができる。
本発明に係る第2の可変抵抗素子は、
第1電極と、
前記第1電極の上方に形成された抵抗体層と、
前記抵抗体層の上方に形成された第2電極と、を含み、
前記抵抗体層は、酸素欠陥を有する遷移金属酸化物からなり、
前記酸素欠陥の移動により抵抗が変化し、
前記遷移金属酸化物は、YxHf1−xO2で表され、
前記xは、前記抵抗の変化率が最大となる値である。
第1電極と、
前記第1電極の上方に形成された抵抗体層と、
前記抵抗体層の上方に形成された第2電極と、を含み、
前記抵抗体層は、酸素欠陥を有する遷移金属酸化物からなり、
前記酸素欠陥の移動により抵抗が変化し、
前記遷移金属酸化物は、YxHf1−xO2で表され、
前記xは、前記抵抗の変化率が最大となる値である。
本発明に係る可変抵抗素子において、
抵抗変化型メモリに用いられることができる。
抵抗変化型メモリに用いられることができる。
以下、本発明に好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
1. まず、本実施形態に係る可変抵抗素子10について説明する。図1は、本実施形態に係る可変抵抗素子10を概略的に示す断面図である。
可変抵抗素子10は、基体1上に形成されている。可変抵抗素子10は、基体1上に形成された第1電極12と、第1電極12上に形成された抵抗体層14と、抵抗体層14上に形成された第2電極16と、を含む。
基体1としては、可変抵抗素子10を適用する装置によって異なるものを用いることができる。例えば可変抵抗素子10をRRAMに適用する場合には、後述するように、基体1としては、MOSトランジスタなどが形成された半導体基板等を用いることができる。
第1電極12の材料としては、例えば、Pt、Ir、Ru等の白金族金属、該白金族金属を含む合金、該白金族金属の酸化物、SRO(SrRuO3)やLSCO((La,Sr)CoO3)、LaNiO3等の導電性酸化物などを用いることができる。第2電極16の材料としては、第1電極12と同様の材料を用いることができる。
抵抗体層14は、酸素欠陥を有する遷移金属酸化物からなる。酸素欠陥を有する遷移金属酸化物は、例えば、結晶内の遷移金属の一部を、より価数の小さい遷移金属元素で置換することによって形成される。例えばHf(+4価)に対するY(+3価)がその一例である。即ち、遷移金属サイトの平均価数が小さくなると、電荷中性の原理により酸素原子が抜けることによって酸素欠陥が発生する。このとき系は絶縁性が保たれて安定している。
本実施形態に係る遷移金属酸化物は、YxHf1−xO2(0<x<1)として表される。YxHf1−xO2(以下「YHO」ともいう)は、酸素欠陥を有しない状態での遷移金属酸化物を表している。YHOは、安定した膜厚および抵抗率の薄膜を提供でき、抵抗体層14として好適に用いられる。
本実施形態に係る遷移金属酸化物の酸素欠陥の量は、酸化ハフニウム(HfO2)のHfをイットリウム(Y)で置換する量を増やすことで増加させることができる。酸素欠陥の量は、少なすぎると可変抵抗素子10の抵抗変化率を高くすることができないが、逆に多すぎると遷移金属酸化物の結晶が乱れてくるため、抵抗変化率が低くなる。本実施形態におけるYによる置換量、即ち、YHO:YxHf1−xO2におけるYの組成xの範囲は、好ましくは0<x≦0.3、より好ましくは0.03≦x≦0.15である。イットリウムの組成xがこの範囲にあることにより、高い抵抗変化率を得ることができる。可変抵抗素子10の抵抗変化率は高いほど好ましいため、酸素欠陥は、抵抗変化率が最大となる量であることが好ましい。これは、例えばYの組成xを抵抗変化率が最大となる値に調整することで達成できる。なお、酸素欠陥を有する状態での本実施形態に係る遷移金属酸化物は、電荷中性の原理により、YxHf1−xO2−(x/2)(0<x<1)として表される。
2. 次に、本実施形態に係る可変抵抗素子10の製造方法について説明する。
(1)まず、基体1上に、スパッタ法などにより第1電極12を形成する。次に、第1電極12上に、酸素欠陥を有する遷移金属酸化物からなる抵抗体層14を形成する。抵抗体層14は、例えば、スパッタ法、ゾル・ゲル法などにより形成される。スパッタ法を用いる場合には、所望の組成比となるターゲットを用いて酸素雰囲気中で成膜することにより抵抗体層14を形成することができる。ゾル・ゲル法を用いる場合には、所望の組成比となるように原料溶液を混合して調製し、混合された溶液を基体1上に塗布した後、熱処理することにより、抵抗体層14を形成することができる。
次に、抵抗体層14上に、スパッタ法などにより第2電極16を形成する。次に、必要に応じて、リソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて、第2電極16、抵抗体層14、および第1電極12をそれぞれパターニングすることができる。
3. 本実施形態に係る可変抵抗素子10によれば、高い抵抗変化率を提供することができる。従って、本実施形態の可変抵抗素子10は、RRAMなどの抵抗変化型メモリに好適に用いられる。
本実施形態に係る可変抵抗素子10においては、以下の理由で抵抗が可逆的に変化するものと推測される。即ち、例えば、結晶内の酸素欠陥が外部電圧によって電極付近に移動すると、電極界面付近でのバンドオフセットが低下することにより、トンネリングによる電子の注入量が増加して、電気抵抗が減少するものと推測される。逆に、結晶内の酸素欠陥が外部電圧によって電極付近から離れると、電極界面付近でのバンドオフセットが増加することにより、トンネリングによる電子の注入量が減少して、電気抵抗が増加するものと推測される。
遷移金属酸化物中の酸素欠陥は、実効的にプラスイオンとして振る舞い、マイナス電極側に移動する。また反対に、酸素原子自身は、実効的にマイナスイオンとして振る舞い、プラス電極側に移動する。遷移金属酸化物中において、遷移金属と酸素はイオン結合により結び付いているため、例えば共有結合などで結び付いている場合に比べ、酸素欠陥や酸素原子は動きやすい。酸素欠陥や酸素原子を動かす外部電圧には閾値V0があり、閾値V0以上の電圧が印加されると、酸素欠陥および酸素原子はそれぞれの電極に向かって移動する。例えば、閾値V0以上の電圧VWを印加することにより信号情報の記録を行うことができる。また、閾値V0より低い電圧VRでは、酸素欠陥および酸素原子は移動することはない。例えば、この電圧VRで抵抗値の測定を行うことにより信号情報の読み出しを行うことができる。また、例えばVWやVRとは逆方向の電圧−VEを印加することにより、片側の電極側における酸素欠陥の集積が解消され、記録情報のリセットを行うことができる。但し、VE>V0が好ましい。
信号の初期化・記録・消去は、例えば可変抵抗素子10の電極間にパルスジェネレータから電圧パルスを印加して行うことができる。抵抗値はパラメータアナライザでI−V特性を測定して求められる。まず、可変抵抗素子10に+VIと−VIの間を変化する初期化パルス電圧(例えばパルス幅100nsec、デューティー比50%)を加え、信号の初期化を行う。次に、信号記録前の抵抗値をDC電圧VRで測定する。次に、順方向のパルス電圧VWを加えて信号を記録する。次に、信号記録後の抵抗値をDC電圧VRで測定する。次に、逆方向のパルス電圧−VEを電極間に加えて、信号の消去を行う。
各電圧を例示すると、以下のようである。信号初期化電圧VIは4.0V、信号書き込み電圧VWは3.0V、信号読み出し電圧VRは0.8V、信号消去電圧VEは3.0Vである。信号書き込み時および消去時の基準電圧は0Vである。各電圧パルス形状は、例えば、パルス幅50nsec、デューティー比50%、時間長さ1μsecである。なお、信号の初期化は1secで行われることができる。
本実施形態に係る可変抵抗素子10の抵抗変化率は、下記の式で求められる。
抵抗変化率(%)=|(信号記録後の抵抗値)−(信号記録前の抵抗値)|/(信号記録前の抵抗値)×100
抵抗変化率(%)=|(信号記録後の抵抗値)−(信号記録前の抵抗値)|/(信号記録前の抵抗値)×100
4. 次に、抵抗体層14を構成する遷移金属酸化物としてYxHf1−xO2を用いた場合の実験例について説明する。
この実験例では、YHOにおけるイットリウムの組成xによって上述した抵抗変化率が変化することを示す。実験サンプルとしては、以下のものを用いた。基体1としては、表面に酸化シリコン層を有するシリコン基板を用いた。可変抵抗素子10としては、膜厚200nmの白金からなる第1電極12、膜厚50nmのYHOからなる抵抗体層14、および膜厚100nmの白金からなる第2電極16を有するものを用いた。第1電極12および第2電極16の成膜には、150WのDCスパッタ法を用いた。抵抗体層14の成膜には、200WのRFスパッタ法を用いた。スパッタリングガスとしては、アルゴンを用い、ガス圧は2×10−3Torrとした。
本実験例では、YHOにおけるイットリウムの組成xを変えて複数のサンプルを形成し、各サンプルの抵抗変化率を測定した。その結果を表1に示す。
表1から、イットリウム(Y)の組成xは、好ましくは0<x≦0.3、より好ましくは0.03≦x≦0.15であることが確認された。0.03≦x≦0.15の範囲では、100%以上という高い抵抗変化率が得られている。
5. 次に、本実施形態に係る可変抵抗素子10を適用した抵抗変化型メモリ100について説明する。図2は、抵抗変化型メモリ100を概略的に示す断面図である。
抵抗変化型メモリ100は、基体1と、基体1上に形成された可変抵抗素子10と、を含む。可変抵抗素子10は、複数配列されてメモリセルアレイを構成することができる。
基体1は、例えば、半導体基板20、半導体基板20上に形成された層間絶縁層24、層間絶縁層24上に形成された絶縁層29などを含む。
半導体基板20としては、例えばシリコン基板を用いることができる。半導体基板20には、可変抵抗素子10の駆動回路や周辺回路などが形成されている。半導体基板20には、例えば、素子分離領域22やMOSトランジスタ30などの回路素子が形成されている。MOSトランジスタ30は、ゲート絶縁層32と、ゲート電極34と、ソース/ドレイン領域を構成する不純物層36,38と、を有する。層間絶縁層24としては、例えば酸化シリコン層を用いることができる。層間絶縁層24には、不純物層36,38と接続されるコンタクト部(プラグ)26が形成されている。コンタクト部26上には配線層28が形成されている。層間絶縁層24上には、例えば、酸素バリア性、水素バリア性、高密着性などを有する絶縁層29が形成されている。絶縁層29としては、例えば酸化チタン層を用いることができる。絶縁層29上のメモリセル領域には、複数の可変抵抗素子10が形成されている。
本実施形態に係る抵抗変化型メモリ100では、例えば上述した方法によって可変抵抗素子10に電圧を印加し、その抵抗値を測定することによって、信号(情報)の記録(書き込み)、読み出し、消去を行うことができる。
6. 上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
1 基体、10 可変抵抗素子、12 第1電極、14 抵抗体層、16 第2電極、20 半導体基板、22 素子分離領域、24 層間絶縁層、26 コンタクト部、28 配線層、29 絶縁層、30 トランジスタ、32 ゲート絶縁層、34 ゲート電極、36,38 不純物層,100 抵抗変化型メモリ
Claims (4)
- 第1電極と、
前記第1電極の上方に形成された抵抗体層と、
前記抵抗体層の上方に形成された第2電極と、を含み、
前記抵抗体層は、YxHf1−xO2(0<x<1)で表される遷移金属酸化物からなり、
前記遷移金属酸化物は、酸素欠陥を有する、可変抵抗素子。 - 請求項1において、
0<x≦0.3である、可変抵抗素子。 - 請求項1において、
0.03≦x≦0.15である、可変抵抗素子。 - 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
抵抗変化型メモリに用いられる、可変抵抗素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006272497A JP2008091748A (ja) | 2006-10-04 | 2006-10-04 | 可変抵抗素子 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006272497A JP2008091748A (ja) | 2006-10-04 | 2006-10-04 | 可変抵抗素子 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2008091748A true JP2008091748A (ja) | 2008-04-17 |
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JP2006272497A Withdrawn JP2008091748A (ja) | 2006-10-04 | 2006-10-04 | 可変抵抗素子 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8410467B2 (en) | 2009-08-12 | 2013-04-02 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Nonvolatile memory device and method of manufacturing the same |
-
2006
- 2006-10-04 JP JP2006272497A patent/JP2008091748A/ja not_active Withdrawn
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US8410467B2 (en) | 2009-08-12 | 2013-04-02 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Nonvolatile memory device and method of manufacturing the same |
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