JP2008091664A - 発光素子及び照明装置並びに光ピックアップ - Google Patents

発光素子及び照明装置並びに光ピックアップ Download PDF

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Abstract

【課題】 発光層で発光した光のうち、半導体層の表面における入射角が臨界角を超える角度で入射する光は、半導体層の内部で全反射を繰り返す過程で大部分が吸収され、発光量が低下するという問題があった。
【解決手段】 発光素子は、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層5a、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層5b及び第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層5cを順次積層した積層体を含む半導体層5を有した発光素子において、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層5aまたは第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層5cのいずれか1つ以上の層の表面に、互いに離間した突起からなる凹凸構造6が規則的に形成されている。また、突起の高さをx、突起の底辺の長さをy、突起同士の間の間隔をzとしたときに、x≧(y+z)であることがよい。
【選択図】 図2

Description

本発明は、窒化物ガリウム系化合物半導体を利用した発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子、それを用いた照明装置、及び光ピックアップに関する。
近年、紫外光領域から青色光までの光を発光する発光素子として、AlGaIn1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で表される窒化ガリウム系化合物半導体や窒化物系半導体を用いた発光素子が注目されている(例えば、特許文献1を参照)。
このような窒化ガリウム系化合物半導体を用いた発光素子は、蛍光体と組み合わせることにより白色の光を発光することが可能であり、また省エネルギーかつ長寿命であることから、白熱電球や蛍光ランプの代替品として有望視されると共に実用化が始まっている。しかしながら、窒化ガリウム系化合物半導体を用いた発光素子の発光効率は、蛍光灯に比較すると低いため、更なる高効率化が求められており、そのための様々な研究が行われている。
ところで、発光素子の発光効率である外部量子効率は、発光層で電気エネルギーが光エネルギーに変換される割合を示す内部量子効率と、変換された光エネルギーが外部へ放出される割合を示す光取り出し効率との積によって決定される。
内部量子効率は、発光素子を形成する窒化ガリウム系化合物半導体層の結晶性に大きく影響を受ける。内部量子効率を向上させる方策として、サファイア等から成る基板上に非晶質または多結晶のAlN系またはAlGaN系の材料のバッファ層を形成し、このバッファ層上に窒化ガリウム系化合物半導体層を成長させることにより、基板と窒化ガリウム系化合物半導体層との格子不整合を緩和させ、窒化ガリウム系化合物半導体層の結晶性を向上させるという方法が、公知の技術として知られている(例えば、下記の特許文献2を参照)。
一方、光取り出し効率の向上に関しても種々の技術が公開されており、発光素子の表面に凹凸構造を形成することによって外部との屈折率差を緩和し、内部全反射を抑制する方法がある(例えば、特許文献3、非特許文献1,2を参照)。
従来の発光素子の一例の断面図を図1に示す。基板1上にn型窒化ガリウム系化合物半導体層2a、窒化ガリウム系化合物半導体層からなる発光層2b及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層2cより成る半導体層2が形成されていると共に、n型窒化ガリウム系化合物半導体層2a上とp型窒化ガリウム系化合物半導体層2c上に、それぞれn型電極3及びp型電極4が形成されている。窒化ガリウム系化合物半導体層の形成に使用される基板1としては、一般的にサファイア基板が使用されている。
特開平2−42770号公報 特開平4−15200号公報 特開2006−108635号公報 ジャパン.ジェイ.アプライ.フィジックス.ボリューム.44(2005)pp.7414−7417(Jpn.J.Appl.Phys. Vol.44 (2005) pp.7414-7417) アプライ.フィジックス.レター.ボリューム.84(2004)pp.855−857(Appl.Phys.Lett. Vol.84 (2004) pp.855-857)
図1の従来の発光素子においては、サファイア基板の屈折率は発光層2bで発光した光の波長を400nmとした場合に約1.78であるのに対し、窒化ガリウム系化合物半導体の屈折率は約2.55と高い。そのため、発光層2bで発光した光のうち、サファイア基板への入射角が臨界角θの約44°(θ=arcsin(1.78/2.55))を超える角度で入射する光は、各窒化ガリウム系化合物半導体層を積層してなる半導体層2の内部で全反射を繰り返す。従って、光は半導体層2で全反射を繰り返す過程で大部分が半導体層2に吸収され、残った光が半導体層2の端部から外部へ向かって放射されるため、発光量が低下するという問題点がある。
さらに、半導体層2との境界が空気(屈折率≒1)である場合は、これらの媒質間の屈折率差がさらに大きくなり、境界で半導体層2側に反射される光の量が一層増えるため、光取り出し効率はさらに悪くなる。
上記の問題点を解決するために、特許文献3の方法を用いて発光素子の光取り出し効率を向上させる場合、半導体層から発光する波長と同じかそれ以下の高さの凹凸構造を規則的に形成するために、電子ビーム描画法を利用したマスクのパターニングによる凹凸構造の形成が行われているが、発光素子全体を電子ビームで描画するのに要する時間が長くなるため、量産には不向きである。例えば、電子ビーム描画法により250μm角の発光素子全面のマスクを周期250nmピッチでドット状にパターニングする場合、2分近くの時間を必要とする。したがって、発光素子を量産する際に2インチ角の基板を想定した場合、基板1枚当たりで約7000個の発光素子を取ることになり、全部の発光素子に電子ビーム描画法により凹凸構造を形成するのに合計で約140時間もの描画を行わなければならず、製造方法としては非効率的である。
また、特許文献3の方法によって形成された凹凸構造は、突起(凸部)同士の間の間隔がないため、凹凸構造を有するp型窒化ガリウム系化合物半導体層の表面に形成された透明導電膜からなるp型電極を通して外部へ光を取り出す場合において、p型電極とp型窒化ガリウム系化合物半導体層とが接する部分に半導体層と平行な面が全くなくなるので、注入した電流が半導体層へ十分に拡散しないという問題点があった。
また、非特許文献1の方法においては、窒化物ガリウム系化合物半導体層を成長させた基板上に金属薄膜を蒸着し、アニールを行うことによって形成される金属クラスターを、凹凸構造を形成するためのマスクとして利用している。アニールの温度と時間を変化させることによって、金属クラスターの周期と大きさが変化するため、凹凸構造の周期をある程度制御することが可能であるが、形成された凹凸構造の周期と大きさにはばらつきが生じ、発光層からの反射を抑制するために重要な一定の規則性を有する凹凸構造を形成することが困難である。
また、非特許文献2の方法においては、窒化ガリウム系化合物半導体層を成長させた基板を除去し、窒化ガリウム系化合物半導体層の極性によるKOHの選択的なエッチング特性を利用して、マスクレスで凹凸構造を形成している。この場合においても、エッチャントの濃度とエッチング時間を変化させることによって、凹凸構造の周期をある程度制御することが可能であるが、エッチングレートがほぼ等方的であるために、発光層からの光を反射を抑制するのに重要な凹凸構造の高さを大きくすることが容易でない。
従って、本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、光取り出し効率を大幅に向上させることが可能であり、また、製造プロセスに必要な時間を短縮でき、低コストに製造できる高性能な発光素子を提供することである。
本発明の発光素子は、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及び第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層を順次積層した積層体を含む半導体層を有した発光素子において、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層または第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層のいずれか1つ以上の層の表面に、互いに離間した突起からなる凹凸構造が規則的に形成されていることを特徴とする。
本発明の発光素子は好ましくは、前記突起の高さをx、前記突起の底辺の長さをy、前記突起同士の間の間隔をzとしたときに、x≧(y+z)であることを特徴とする。
本発明の照明装置は、本発明の発光素子と、前記発光素子からの発光を受けて光を発する蛍光体及び燐光体の少なくとも一方とを具備していることを特徴とする。
本発明の光ピックアップは、本発明の発光素子を、光記録媒体に記録された情報の再生及び/又は前記光記録媒体に情報の記録をするための光源として用いたことを特徴とする。
本発明の発光素子は、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及び第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層を順次積層した積層体を含む半導体層を有した発光素子において、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層または第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層のいずれか1つ以上の層の表面に、互いに離間した突起からなる凹凸構造が規則的に形成されていることから、凹凸構造が形成された層と外部との界面における半導体層の内部側への光の反射が抑制される。つまり、突起同士の間の平面部では反射が増加しても、突起の高さが十分にあることにより凹凸構造の部位において外部との屈折率差が緩やかに変化して、半導体層の内部側への光の反射を効果的に抑えることができる。
また、凹凸構造において突起同士が互いに離れているため、電子ビーム描画等の高精細なマスクパターニングを必要とせず、解像度は低いがフォトリソグラフィによる短時間のパターニングが可能となるため、製造プロセスにかかる時間を大幅に短縮することが可能となる。従って、低コストの発光素子を提供できる。
本発明の発光素子において好ましくは、突起の高さをx、突起の底辺の長さをy、突起同士の間の間隔をzとしたときに、x≧(y+z)であることから、上記の本発明の効果が一層高いものとなる。
本発明の照明装置は、本発明の発光素子と、発光素子からの発光を受けて光を発する蛍光体及び燐光体の少なくとも一方とを具備していることから、従来の蛍光灯等よりも消費電力が小さく、小型であることから、小型で高輝度の照明装置となる。
本発明の光ピックアップは、本発明の発光素子を、光記録媒体に記録された情報の再生及び/又は前記光記録媒体に情報の記録をするための光源として用いたことから、例えば、波長350〜400nm程度の紫外光〜近紫外光や紫光を用いることにより、高記録密度で長時間記録・再生が可能な光記録媒体を使用することができる。
以下、本発明の発光素子の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図2は本発明の発光素子の実施の形態の一例を示す模式的な断面図である。図2において、5は窒化ガリウム系化合物半導体層を複数層積層して成る半導体層(積層体)であり、5aは第1導電型(例えばn型)窒化ガリウム系化合物半導体層、5bは窒化ガリウム系化合物半導体層からなる発光層、5cは第2導電型(例えばp型)窒化ガリウム系化合物半導体層、6は第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層5aの表面(図2では外部に露出した下面)に形成された互いに離間した突起からなる規則的な凹凸構造、7は第2導電(例えばp)側電極としての、あるいは第2導電側電極を形成するための第2導電側導電層、8は第1導電(例えばn)側電極としての、あるいは第1導電側電極を形成するための第1導電側導電層である。なお、図2の例では、第1導電型をn型、第2導電型をp型とする。
本発明の発光素子は、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層5a、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層5b及び第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層5cを順次積層した積層体を含む半導体層5を有した発光素子において、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層5aまたは第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層5cのいずれか1つ以上の層の表面に、互いに離間した突起からなる凹凸構造6が規則的に形成されている構成である。また、好ましくは、突起の高さをx、突起の底辺の長さをy、突起同士の間の間隔をzとしたときに、x≧(y+z)である。
本発明の半導体層5は、発光層5bを、n型窒化ガリウム系化合物半導体層5aとp型窒化ガリウム系化合物半導体層5cとで挟んだ構成であるが、例えば、n型窒化ガリウム系化合物半導体層5aは、第1のn型クラッド層としてのGaN層、第2のn型クラッド層としてのIn0.02Ga0.98N層の積層体等からなる。このn型窒化ガリウム系化合物半導体層5aの厚みは2μm〜3μm程度である。
また、例えば、p型窒化ガリウム系化合物半導体層5cは、第1のp型クラッド層としてのAl0.15Ga0.85N層、第2のp型クラッド層としてのAl0.2Ga0.8N層、p型コンタクト層としてのGaN層の積層体等からなる。このp型窒化ガリウム系化合物半導体層5cの厚みは200nm〜300nm程度である。
また、例えば、発光層5bは、禁制帯幅の広い障壁層としてのIn0.01Ga0.99N層と、禁制帯幅の狭い井戸層としてのIn0.11Ga0.89N層とを、交互に例えば3回繰り返し規則的に積層した多重量子井戸構造(MQW:Muliti Quantum Well)等からなる。この発光層5bの厚みは25nm〜150nm程度である。
なお、n型窒化ガリウム系化合物半導体層5a及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層5cは、互いに逆の導電型であってもよい。
p側導電層7及びn側導電層8の材質は、発光層5bが発生した光を損失なく反射し、かつそれぞれp型窒化ガリウム系化合物半導体層5c及びn型窒化ガリウム系化合物半導体層5aと良好なオーミック接続がとれるものがよい。
そのような材質のものとしては、例えばアルミニウム(Al),チタン(Ti),ニッケル(Ni),クロム(Cr),インジウム(In),錫(Sn),モリブデン(Mo),銀(Ag),金(Au),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),バナジウム(V),白金(Pt),鉛(Pb),ベリリウム(Be),酸化インジウム(In),金−シリコン合金(Au−Si合金),金−ゲルマニウム合金(Au−Ge合金),金−亜鉛合金(Au−Zn合金),金−ベリリウム合金(Au−Be合金)等を用いればよい。これらの中でも、アルミニウム(Al)または銀(Ag)は、発光層5bが発光する青色光(波長450nm)〜紫外光(波長350nm)の光に対して反射率が高いので好適である。また、アルミニウム(Al)はn型窒化ガリウム系化合物半導体層5aとのオーミック接合の点でも特に好適である。また、上記材料の中から選択した層を複数層積層したものとしても構わない。
また、p側導電層7及びn側導電層8上には、それぞれ外部との電気的接続をとるための導線等を接続するp側電極とn側電極(共に図示せず)が設けられている。両電極は、例えばチタン(Ti)層、またはチタン(Ti)層を下地層として金(Au)層を積層したものを用いればよい。
また、半導体層5は、サファイア,SiC等から成る基板上に窒化ガリウム系化合物半導体から成るバッファ層を介して形成してもよく、また、化学式XB(ただし、XはTi及びZrのうち少なくとも1種を含む。)で表される二ホウ化物単結晶から成る基板上に直接形成してもよい。
化学式XBで表される二硼化物単結晶から成る基板を使用することによって、窒化ガリウム系化合物半導体との格子定数差が0.57%、熱膨張係数差も2.7×10−6/Kと小さい基板であるため、転位密度が低く、残留歪の小さい窒化ガリウム系化合物半導体層を得ることが可能となる。また、二硼化物単結晶から成る基板は、エッチング等によって半導体層から容易に除去できるため、図2のように、基板が除去されたn型窒化ガリウム系化合物半導体層5aの大面積の下面に、凹凸構造6を形成できるため、より好ましい。
化学式XBで表される二硼化物単結晶から成る基板は、ZrB単結晶,TiB単結晶,HfB単結晶等からなるが、窒化ガリウム系化合物半導体との格子整合性及び熱膨張係数の整合性の点で優れていることを考慮すると、ZrB単結晶からなるものを使用することが好ましい。また、ZrB単結晶において、Zrの一部がTiやHfに置換されているものであってもよい。また、ZrB単結晶において、その結晶性また格子定数が大きく変化しない程度に不純物としてTi,Hf,Mg,Al等を含んでいても構わない。
本例の発光素子は、p側導電層7及びn側導電層8を外部実装基板の配線導体等に電気的に接続して発光素子を実装する、いわゆるフリップ実装が可能なフリップチップ構造であり、従って光の取り出し方向は凹凸構造6の側である。即ち、凹凸構造6が形成された面が光出射面となる。
凹凸構造6は、基板(図示せず)上にn型窒化ガリウム系化合物半導体層5a、発光層5b及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層5cをこれらの順で成膜した後、基板をエッチング等により除去し、n型窒化ガリウム系化合物半導体層5aの表面(図2では下面)上にレジスト層や金属層等から成るマスクを形成し、反応性イオンエッチング(RIE:Riactive Ion Ettching)法のドライエッチング法等を用いることによって、容易に形成することができる。
凹凸構造6において、突起の高さをx、突起の底辺の長さをy、突起同士の間の間隔をzとしたときに、x≧(y+z)であることがよい。即ち、突起の高さxを、突起の底辺の長さyと突起同士の間の間隔zとを合計した長さよりも高く(長く)したものであり、突起同士の間に間隔をあけるとともに、従来に比して高さの高い突起を形成する。
また、凹凸構造6の突起の高さxに関しては、例えば、突起の底辺の長さyを240nm〜560nmとした場合、突起同士の間隔zを同じ長さ(240nm〜560nm)として、それらの合計以上、つまりyが240nmのときはxは480nm以上、yが560nmのときはxは1.12μm以上とするのが好ましい。
凹凸構造6の突起の底辺の長さyは、発光層5bで発光した光の波長をλ、波長λに対するn型窒化ガリウム系化合物半導体層5aの屈折率をnとしたとき、1.5λ/n≦y≦3.5λ/nであることが好ましい。具体的には、λが400nmにおけるn型窒化ガリウム系化合物半導体層5aの屈折率を2.5としたとき、yは、1.5×400÷2.5=240nmから3.5×400÷2.5=560nmの範囲とするのが好ましい。240nm未満もしくは560nmより大きい範囲では、凹凸構造6によって層の内部側へ散乱される散乱光の角度分布が狭くなり、その結果、半導体層5と外部との界面での半導体層5内部側からの光の入射角が臨界角以内に入ることになり、外部に取り出すことが可能な散乱光が減少するため、光り取り出し効率向上の効果が十分に得られない。
また、凹凸構造6の突起同士の間隔zに関しては、突起の底辺の長さyと同じかそれ以上であることが好ましい。突起同士の間隔zが突起の長さy未満になると、微細なパターニングが必要となるため、製造プロセス時間が長くなる。
本発明の凹凸構造6の形成方法について以下に具体的に述べる。まず、n型窒化ガリウム系化合物半導体層5aの表面にスピンコート法によりフォトマスク用のレジスト層を形成した後、フォトリソグラフィー法により露光することによってパターニングを行い、現像処理を行う。
次に、パターニングされたレジスト層上にNi層,Ti層等を蒸着し、リフトオフを実施することによって、マスクパターンが完成する。
最後に、このマスクパターン上からn型窒化ガリウム系化合物半導体層5aの表面をRIE法によってドライエッチングすることによって形成される。
本発明のn型窒化ガリウム系化合物半導体層5a、発光層5b、p型窒化ガリウム系化合物半導体層5cを含む半導体層5の成長方法は、有機金属気相成長法(MOVPE)法が用いられるが、その他分子線エピタキシー(MBE)法やハイドライド気相成長(HVPE)法、パルスレーザデポジション(PLD)法等が挙げられる。
上記本発明の構成によれば、半導体層5を構成する発光層5bで発光した光のうち、n型窒化ガリウム系化合物半導体層5aの下面側に向かう光は、凹凸構造6により屈折率差が緩和されるため、n型窒化ガリウム系化合物半導体層5aと外部との界面における反射量が低減し、外部への光取り出し量が増加する。また、この光が界面で半導体層5内部側へ反射された場合であっても、凹凸構造6が持つ散乱の効果により様々な角度で反射して、p型窒化ガリウム系化合物半導体層5cの上面側に向かうが、p側導電層7及びn側導電層8において再び反射して、光取り出し方向(図2では下方)へ進み、外部へと取り出される。
また、p型窒化ガリウム系化合物半導体層5cの上面側に向かう光は、p側導電層7及びn側導電層8により光取り出し方向である凹凸構造6側へと反射され、光取り出し方向へ効率よく光を集めることが可能になる。
また、本発明の凹凸構造6を形成するためのマスクパターニング方法として、フォトリソグラフィー法が利用できるため、突起を規則的に形成できるだけでなく、製造にかかる時間が電子ビーム描画法に比べると大幅に短縮可能であり、量産性が高く、従って発光素子を低コストに製造できる。
なお、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体を適用した発光素子は、発光ダイオード(LED),半導体レーザ(LD)等の発光素子として使用することができる。
また、本発明の上記の発光素子(LED)は次のように動作する。即ち、発光層5bを含む半導体層5にバイアス電流を流して、発光層5bで波長350〜400nm程度の紫外光〜近紫外光や紫光を発生させ、発光素子の外側にその紫外光〜近紫外光や紫光を取り出すように動作する。
また、本発明の発光素子は照明装置に適用できるものであり、その照明装置は、本発明の発光素子と、発光素子からの発光を受けて光を発する蛍光体及び燐光体の少なくとも一方とを具備している構成である。この構成により、輝度及び照度の高い照明装置を得ることができる。この照明装置は、本発明の発光素子を透明樹脂等で覆うか内包するようにし、その透明樹脂等に蛍光体や燐光体を混入させた構成とすればよく、蛍光体や燐光体によって発光素子の紫外光〜近紫外光を白色光等に変換するものとすることができる。また、集光性を高めるために透明樹脂等に凹面鏡等の光反射部材を設けることもできる。このような照明装置は、従来の蛍光灯等よりも消費電力が小さく、小型であることから、小型で高輝度の照明装置として有効である。
また、本発明の発光素子は、CD,DVD等の光記録媒体の光ピックアップ用の光源としての半導体レーザに適用できるものであり、波長350〜400nm程度の紫外光〜近紫外光や紫光を用いることにより、高記録密度で長時間記録・再生が可能な光記録媒体を製造、使用することができる。このような光ピックアップは、周知の構成のものでよく、例えば、本発明の発光素子と、発光素子から発光した光の光軸上に設置されたビームスプリッタや偏光ビームスプリッタ,プリズム,反射鏡,回折格子,スリット,集光レンズ等とを組み合わせることにより、容易に構成することができる。
本発明の発光素子の実施例について以下に説明する。本発明の発光素子の効果を確認するために、有限差分時間領域(FDTD:Finite Difference Time Domain Method)法と光線追跡法を用いて、光散乱性及び光取り出し効率のコンピュータシミュレーションを実施した。
まず最初に、凹凸構造のみのモデルを用いてFDTD法による光散乱のシミュレーションを行い、散乱光の散乱角分布を求めた。次に、その分布を光線追跡法における凹凸構造の境界条件として適用し、本発明の発光素子(LED素子)における光取り出し効率のコンピュータシミュレーションを行った。
発光波長は400nmであるとし、n型窒化ガリウム系化合物半導体層、発光層及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層からなる半導体層(厚み3.2μm)の屈折率を2.5(n型窒化ガリウム系化合物半導体層、発光層及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層について、屈折率の変化はほとんどないため、全て同じ屈折率とした)、アルミニウム(Al)からなるp側導電層及びn側導電層(厚み0.5μm)の屈折率を0.49として計算を行った。
まず、最初に突起同士の間隔zを0nmとして、突起底辺の長さyを変化させたときの散乱光の分布を表したシミュレーション結果を図3に示す。ここで、突起の高さxは突起底辺の長さyと同じとする。
図3は、散乱角度の大きい範囲にまで散乱分布の値が存在するほど、散乱光がより幅広い角度範囲に及んでいることを示す。同図より、突起の底辺の長さyが240nmから560nmの範囲において、散乱光が幅広い角度範囲に及んでいることがわかる。即ち、突起の底辺の長さyが240nmから560nmの範囲において、散乱光が幅広い角度範囲で散乱光強度(散乱分布)が大きくなっており、特に散乱角度が0〜30°程度の範囲において、160nm,640nmの場合よりも散乱光強度が大きくなっている。また、散乱角度が30〜60°においても、散乱光強度は、160nm,640nmの場合と同等程度以上となっている。
以上から、突起の底辺の長さyが240nmから560nmの範囲で、反射された光の散乱分布が最も広い。即ち、凹凸構造によって反射される光は様々な角度でp側導電層およびn側導電層に進み、再度反射されて光取り出し側(n型窒化ガリウム系化合物半導体層の下面側)に向かうが、このときn型窒化ガリウム系化合物半導体層の下面と外部(空気)との界面での入射角が変化するため、臨界角以内に入る光の割合が増加することにより、光取り出し効率を向上させることが可能になる。
上記の効果を確認するため、図3に示される散乱の分布を光線追跡法における凹凸構造の境界条件として適用することによって求めた光取り出し効率の計算結果を図4に示す。LED素子のサイズは350μm角とした。図4より、突起の底辺の長さyが240nmから560nmの範囲で光取り出し効率向上の効果が顕著に現れていることが分かる。
次に、突起の底辺の長さyを320nm、560nmとして、突起同士の間隔zをy=320nmに対しては0nm、320nm、640nmとして、y=560nmに対しては560nmとして、突起の高さxを変化させていったときのLED素子の光取り出し効率を計算した結果を図5に示す。
図5より、突起の底辺の長さyが320nmの場合であって、突起同士の間隔zが320nmのときで突起の高さxが640nm以上において光取り出し効率が、従来の突起の高さx=320nmで突起同士が離間していない(z=0nm)場合よりも光取り出し効率が向上している。
また、突起同士の間隔zが640nmのときは、突起の高さxが960nm以上において、従来の構成(突起同士の間隔zが0nm)でy=320nm、x=320nmの場合とほぼ同等の光取り出し効率となっている。
さらに、突起の底辺の長さyが560nmで、突起同士の間隔zが560nmの場合でも、突起の高さxが1020nm以上において、光取り出し効率が従来の突起の高さx=320nmで突起同士が離間していない(z=0nm)ときよりも光取り出し効率が向上している。
なお、z=0nmの場合、例えば金属クラスターマスクを用いて突起を形成するとき、金属の種類にもよるが窒化ガリウム系化合物半導体との選択比(金属と窒化ガリウム系化合物半導体とのエッチング速度の比)、及びアニールにより金属層をボールアップして金属クラスターマスクを形成する際のボールアップ可能な膜厚を考慮に入れると、突起の底辺よりも高さを大きくすることが難しい。また、KOHを用いたウェットエッチングにより突起を形成するときは、エッチングレートがほぼ等方的であるために、突起の底辺の長さ(y=320nm)よりも高さを大きくすることが困難である。従って、図5において、z=0nmの場合でxが320nmよりも大きいデータはプロットしていない。
従来の発光素子の一例を示す断面図である。 本発明の発光素子について実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の発光素子における凹凸構造について、光の散乱角度と散乱分布との関係をコンピュータシミュレーションにより求めた結果のグラフである。 本発明の発光素子における凹凸構造について、突起の底辺の長さと光取り出し効率の関係をコンピュータシミュレーションにより求めた結果のグラフである。 本発明の発光素子の光り取り出し効率をコンピュータシミュレーションにより求めた結果のグラフである。
符号の説明
5:半導体層
5a:第1導電型(n型)窒化ガリウム系化合物半導体層
5b:発光層
5c:第2導電型(p型)窒化ガリウム系化合物半導体層
6:凹凸構造
7:第1導電(n)側導電層
8:第2導電(p)側導電層

Claims (4)

  1. 第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及び第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層を順次積層した積層体を含む半導体層を有した発光素子において、第1導電型窒化ガリウム系化合物半導体層または第2導電型窒化ガリウム系化合物半導体層のいずれか1つ以上の層の表面に、互いに離間した突起からなる凹凸構造が規則的に形成されていることを特徴とする発光素子。
  2. 前記突起の高さをx、前記突起の底辺の長さをy、前記突起同士の間の間隔をzとしたときに、x≧(y+z)であることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 請求項1または2の発光素子と、前記発光素子からの発光を受けて光を発する蛍光体及び燐光体の少なくとも一方とを具備していることを特徴とする照明装置。
  4. 請求項1または2の発光素子を、光記録媒体に記録された情報の再生及び/又は前記光記録媒体に情報の記録をするための光源として用いたことを特徴とする光ピックアップ。
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