JP2008091055A - 鉛蓄電池用エキスパンド格子および鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛合金の圧延シートに対して垂直方向から楔形の刃を押し込むことにより鉛シートを塑性変形させ網目状のます目を形成する、レシプロ方式の鉛蓄電池用エキスパンド格子において、網目部における格子マス目の変形と、これによる網目部の展開幅寸法のばらつきを抑制し、かつ集電効率に優れた格子を得ること。
【解決手段】エキスパンド格子の網目部を構成する菱形形状のマス目の幅寸法Aと高さ寸法Bの比率(B/A)を格子上部から下部に向かって、徐々に大とし、網目部の高さ方向の中間位置より、当該比率(B/A)を概略一定値とする。このような本発明の構成によって、マス目の変形を抑制し、格子高さのばらつきを抑制することにより、上記の溶接不良や短絡不良の抑制に顕著な効果が得られるとともに、集電効率に優れたエキスパンド格子を得る。また、当該格子を用いることにより、高率放電特性に優れた鉛蓄電池を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉛蓄電池用格子、およびこの格子を用いた鉛蓄電池に関するものである。
一般的に、鉛蓄電池の極板は、集電機能を有した格子と、この格子に充填された活物質とからなる。鉛蓄電池用格子素材として、PbもしくはPb−Ca合金やPb−Sb合金等の鉛合金、あるいは、これらの鉛および鉛合金に必要に応じて、Sn、As、Ag、Bi、S、Se等の元素を添加したものが使用される。
鉛蓄電池用格子の製造方法としては、鋳造方式とエキスパンド方式が主である。鋳造方式とは、格子形状に対応した溝を彫りこんだ鋳型に、前記した鉛合金を溶融して流し込み、冷却し固化させることにより、格子を成型する方式である。使用する鋳型のタイプとして、ブックモールドタイプや、ドラムタイプのものが実用化されている。
鋳造方式は、格子外形や格子骨の配置の自由度が高く、電圧特性の良い集電特性の優れた格子を作成できるという利点がある。ただし、鋳型内に溶融鉛を流し込む時間と、鋳型内で溶融鉛合金が冷却固化するための冷却時間の確保が必要であり、生産速度が低下する要因となっている。また、格子骨の設計自由度が高いといっても、鋳型内での溶融鉛合金の湯流れを考慮する必要上、薄い格子の作成が困難であり、実用上、格子厚みは1.5mm程度以上とする必要があった。
一方、エキスパンド方式では、前記の鉛合金を溶融して作成したスラブを圧延してシート状とし、機械加工により、このシートにスリットを入れて、スリットを展開してすることによって、概略菱形形状のマス目で構成された、エキスパンド網目部を形成する。
代表的なエキスパンドの加工方法として、鉛シートに対して垂直方向に往復運度する楔形の刃を押し込むことにより、シートへのスリット形成と、塑性変形とを同時に行うことによって、網目部を形成する、いわゆるレシプロ方式のエキスパンド加工方法がある。レシプロ方式によるものは、網目部が、シートに対して垂直方向に形成されるため、エキスパンド加工後に網目部を水平方向へ曲げたのち、フォーミングローラを用いて整厚し、その後に、活物質を網目部に充填し鉛蓄電池極板を形成する。
エキスパンド方式では、格子のマス目形成が機械的加工で行われ、鋳造方式のような溶融鉛合金の鋳型内への流し込み時間、および冷却固化に要する時間を確保する必要がないため、鋳造方式に比較して飛躍的に生産速度が速く、1.5mm以下の、鋳造格子に比較して薄い格子も作成可能である。
しかしながら、エキスパンド方式による格子では、格子のマス目形状が、概略菱形形状、もしくは平行四辺形に限定されること、また、工法上、鋳造格子のように、その周囲にすべて枠骨が配置できないこと、さらには、鉛を機械的に塑性変形の領域まで伸ばすため、伸ばし量が一定値を超えると、マス目を構成する格子骨自身や、格子骨同士の結節部、あるいは枠骨と格子骨との結節部が切断するため、格子骨断面積や、結節部の断面積は、互いに自由に設定できるわけではなく、切断等の不具合が発生しない範囲内に制限される。
その結果、エキスパンド方式による格子は、鋳造方式による格子に比較して、格子骨の配置や形状の設計的な自由度が低く、電圧特性の良い集電特性の優れた格子を得ることは困難であった。
前記したような、エキスパンド格子における、集電特性の課題に対して、特許文献1には、エキスパンド格子の上部から下部にかけて、格子マス目の大きさを順次大きくしていくことによって、電流の集中する格子上部の電気抵抗を、格子下部に比較して小さくすることによって、全体として、電気抵抗が低く、集電特性の高いエキスパンド格子が示されている。
しかしながら、単に、格子マス目の大きさを格子上部から下部にかけて順次小さくしていった場合、網目部の展開時や、この網目部をフォーミングローラで整厚して、網目部の幅寸法を調整する際に、網目部の特定の部位に応力が集中し、菱形形状のマス目が変形し、エキスパンドの網目幅にばらつきが発生し、その結果、格子の高さ寸法のばらつきが大きくなるという課題があった。
格子の高さ寸法のばらつきによって、この格子に活物質を充填した後の極板の高さ寸法も大きくばらつくことになる。特に、極板高さが下方にばらついた場合には、極板耳を集合溶接してストラップを形成する際、ストラップ内の極板耳の溶接深さが浅くなり、溶接不良が発生する。また、逆に極板高さが上方にばらついた場合には、極板高さとセパレータの高さ寸法との関係において、セパレータの高さ寸法の余裕度(セパレータ高さ寸法−セパレータ高さ寸法)が小さくなったり、極板高さ寸法がセパレータ高さ寸法よりも大きくなり、結果として、正極と負極が短絡することがあった。
実開平4−6164号公報
本発明は、前記したような、エキスパンドの網目展開時に発生する、格子マス目変形による、展開幅のばらつきを抑制して、寸法精度と集電高率に優れたエキスパンド格子を得るとともに、集電効率に優れたエキスパンド格子を備えることによって、高率放電特性に優れた鉛蓄電池を得ることを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、鉛または鉛合金からなる鉛蓄電池用のエキスパンド格子であり、耳部を備えた集電用の枠骨と、前記枠骨に連結した概略菱形形状のマス目からなる網目部を有し、前記マス目の幅方向の寸法をAとし、前記マス目の高さ寸法をBとし、これら寸法の比率(B/A)を、前記枠骨から離間するに従い徐々に大とし、かつ、前記網目部の高さ方向の中間位置以降は、前記比率(B/A)を概略一定としたことを特徴とする鉛蓄電池用エキスパンド格子を示すものである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の鉛蓄電池エキスパンド格子を備えた鉛蓄電池を示すものである。
本発明によれば、高さ寸法のばらつきが顕著に抑制され、寸法精度に優れたエキスパンド格子を得ることができ、また、この本発明のエキスパンド格子を用いることにより、高率放電特性に優れた鉛蓄電池を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明による鉛蓄電池用のエキスパンド格子1を示す図である。
エキスパンド格子1は、従来より知られているように、鉛もしくは鉛合金の圧延シートに、楔状のダイス刃を配列した、エキスパンド金型を、圧延シート面に対して上下方向に往復運動させ、このエキスパンド金型に、圧延シートを間歇的に供給することによって製造される。ダイス刃によって、圧延シートにスリットが千鳥状に形成され、スリットに挟まれた部分がダイス刃によって、展開され、網目部2が形成される。
網目部2は、圧延シート面に対して概略垂直方向に展開されるため、後工程で、網目部2面と、圧延シート面とが一致するよう、矯正加工を施す。そして、必要に応じて、網目部2をローラ等によってプレスし、網目部2の厚みを所定厚みに調整するとともに、網目部2の展開幅(図1における寸法Hに相当。)を調整する。
エキスパンド格子1は、前記のようにして形成された網目部2と、この網目部2に接合した集電用の枠骨3を有する。なお、枠骨3には、集電用の耳4が一体に設けられている。網目部2は、概略菱形形状をしたマス目6と、格子最上部に位置して、枠骨3に接する、概略三角形状をしたマス目5と、格子最下部に位置して概略逆三角形状をしたマス目7で構成される。
本発明では、概略菱形形状に形成したマス目6において、マス目6のエキスパンド格子1幅方向の寸法をAとし、高さ寸法をBとしたときに、これらの寸法の比率(B/A)を、枠骨3から格子下方向に離間するに従い、大とし、この網目部2の高さ方向の中間位置(図1における、高さhの位置)より下部では、この比率(B/A)を概略一定値とする。
図2において、線Kは、発明のエキスパンド格子1において、縦軸に前記した中間位置の高さhと、網目部2の高さHとの比率(h/H)と、マス目6の幅寸法Aと高さ寸法Bの比率(B/A)の関係を示した図である。中間位置の設定としては、0.3〜0.8程度に設定することが、実施例で後述するように、網目部2の展開寸法Hのばらつき抑制効果と、格子としての集電効率を高いレベルで両立することができ、好ましい。
なお、中間位置の高さ寸法hは、この中間位置に該当するマス目6の中心の高さ寸法である。また、マス目6の中心は、マス目6の対角線の交点とする。なお、対角線の頂点は、マス目6の内周側としてもよく、格子骨2aの中心線を菱形の辺と想定し、その辺の交点を菱形の頂点とし、その対角線の交点から中心を設定してもよい。
なお、マス目6において、比率(B/A)を、図2の線Lで示したように、格子上部から下部にわたってテーバー状に増加させた場合、網目部2の下部でマス目6の変形や、骨の断線が著しく、ばらつきが少なく、安定した展開幅寸法Hを得ることは極めて困難である。
また、マス目6において、比率(B/A)を、図2の線Mで示したように、ある位置で段階的に大きくした場合、この比率(B/A)が急激に変化した部分で、マス目の変形や骨の断線が発生し、展開幅寸法Hのばらつきが増大する。
さらに、マス目6において、比率(B/A)を、図2の線N1、線N2で示したように、網目部2の高さ寸法に対して一定とした場合が考えられるが、比率(B/A)を低く一定とした場合(線N1)は、集電効率に優れるものの、格子質量が大きく、比率(B/A)を大きく一定とした場合、格子はより軽量化されるものの、集電効率が低下する。また、これら両者ともに、網目部の上部でマス目の変形が生じやすく、その結果として、展開幅寸法のばらつきが大きくなる。
その結果、本発明によれば、ばらつきが顕著に抑制された、安定した格子高さが得られる。そのため、本発明のエキスパンド格子を用いた極板では、その高さ寸法精度が顕著に向上し、鉛蓄電池を組み立てる際の、前述したような、ストラップ溶接時の溶接不良や極板上部での短絡不良という課題に対して顕著な効果が得られる。
また、本発明では、集電効率に優れたエキスパンド格子が得られるため、鉛蓄電池の効率放電特性を改善することができる。
本発明は、従来より、エキスパンド格子用に用いられている鉛合金が使用可能であるが、特に、1.0質量%を超える濃度のSnや、0.01質量%以上のBa、あるいは0.03質量%以上のCa等の合金成分を含むことによって、引張強度が高く、かつ伸び量が低下した、鉛合金でより顕著な効果が得られる。
なお、図1では、寸法Aと寸法Bを結節部2bあるいは結節部2cの高さ方向および幅方向の中心を基点として設定しているが、マス目6の内寸で最も高い高さ寸法を寸法B、同じくマス目6の内寸で、最も広い幅寸法を、寸法Aとしてもよい。なお、後述する実施例においては、後者の寸法Aおよび寸法Bをマス目6の内寸とした。
(実施例1)
本実施例では、本発明例および比較例による鉛蓄電池用エキスパンド格子を作成し、網目部の変形状態や、網目部の高さ寸法のばらつきを評価した。
本発明例のエキスパンド格子1は、前記した図1に示す形状を有する。エキスパンド格子1は、Pb−1.2質量%Sn−0.07質量%Ca合金を溶融して、連続鋳造により、厚み11mmのスラブを作成し、このスラブを6段の圧延ローラで順次圧延することによって作成した、厚み1.1mmの圧延シートをレシプロ方式によるエキスパンド加工を施して得たものである。
この圧延シートに対して、前述したように、圧延シート面の垂直方向から楔形のダイス刃を押し込んで、圧延シートにスリットを形成しつつ、圧延シートを塑性変形させ、網目部2を形成した。この網目部2は圧延シート面に対して垂直方向に形成されるため、エキスパンド加工後に網目部2を水平方向へ曲げ、網目部2にプレスを行い平面状に成形し、切断加工することによって、エキスパンド格子1を得た。
本発明例のエキスパンド格子1において、網目部2は、従来のものと同様、格子骨2aと格子骨2a同士の結節部2bで構成され、耳4を一体に形成した枠骨3と結節部2cで一体化されている。
エキスパンド格子1において、枠骨3と網目部2によって形成される概略三角形状のマス目5と、格子骨2aによって囲まれ、概略菱形形状を有したマス目6、およびエキパンド格子1最下部に配置された、概略逆三角形状のマス目7が存在する。
本実施例では、図1に示したように、概略菱形形状のマス目6は、枠骨3から、エキスパンド格子1下部に向けて20個存在する。図1では、マス目6を枠骨3から順次、(1),(2),・・・,(20)と番号を付与した。マス目6は20個存在し、マス目5およびマス目7はそれぞれ1個存在する。したがって、全体としては、上下方向に22個のマス目が存在している。したがって、エキスパンド加工に用いるエキスパンド金型は、22個のダイス刃で構成されることになる。なお、マス目6を位置で区別できるよう、例えば、最上部から1番目のマス目6を、「マス目6−(1)」と表記し、以下同様とし、最下部のマス目6を「マス目6−(20)」と表記した。
(本発明例の格子A)
本発明例の格子Aは、前記したエキスパンド格子1において、マス目6の幅寸法Aと高さ寸法Bの比率(B/A)を後述する表1のとおりとしたものである。すなわち、前記したマス目6において、最上部のマス目6−(1)〜マス目6−(3)まで、当該比率を0.5より順次増加させ、マス目6−(3)以降の当該比率を0.70で一定としたものである。なお、マス目6−(3)の対角線の交点を中心としたとき、この中心の高さ寸法hと、展開幅寸法Hの比率(h/H)は0.83であった。
(本発明例の格子B)
本発明例の格子Bは、前記したエキスパンド格子1において、マス目6の幅寸法Aと高さ寸法Bの比率(B/A)を後述する表1のとおりとしたものである。すなわち、前記したマス目6において、最上部のマス目6−(1)〜マス目6−(9)まで、当該比率を0.5より順次増加させ、マス目6−(9)以降の当該比率を0.70で一定としたものである。なお、マス目6−(9)の対角線の交点を中心としたとき、この中心の高さ寸法hと、展開幅寸法Hの比率(h/H)は0.62であった。
(本発明例の格子C)
本発明例の格子Cは、前記したエキスパンド格子1において、マス目6の幅寸法Aと高さ寸法Bの比率(B/A)を後述する表1のとおりとしたものである。すなわち、前記したマス目6において、最上部のマス目6−(1)〜マス目6−(15)まで、当該比率を0.5より順次増加させ、マス目6−(15)以降の当該比率を0.70で一定としたものである。なお、マス目6−(9)の対角線の交点を中心としたとき、この中心の高さ寸法hと、展開幅寸法Hの比率(h/H)は0.29であった。
(比較例の格子D)
比較例の格子Dは、前記したエキスパンド格子1において、マス目6の幅寸法Aと高さ寸法Bの比率(B/A)を後述する表2のとおりとしたものである。すなわち、前記したマス目6において、最上部のマス目6−(1)から最下部のマス目6−(121)まで、当該比率を0.5より0.7へ順次増加させたものである。
(比較例の格子E)
比較例の格子Dは、前記したエキスパンド格子1において、マス目6の幅寸法Aと高さ寸法Bの比率(B/A)を後述する表2のとおりとしたものである。すなわち、前記したマス目6において、最上部のマス目6−(1)から最下部のマス目6−(121)まで、当該比率を0.5で一定としたものである。
(比較例の格子F)
比較例の格子Fは、前記したエキスパンド格子1において、マス目6の幅寸法Aと高さ寸法Bの比率(B/A)を後述する表2のとおりとしたものである。すなわち、前記したマス目6において、最上部のマス目6−(1)から最下部のマス目6−(21)まで、当該比率を0.7で一定としたものである。
(比較例の格子G)
比較例の格子Gは、前記したエキスパンド格子1において、マス目6の幅寸法Aと高さ寸法Bの比率(B/A)を後述する表2のとおりとしたものである。すなわち、前記したマス目6において、最上部のマス目6−(1)からマス目6−(8)まで、当該比率を0.5とし、以降のマス目6−(9)からマス目6−(21)において、当該比率を0.7で一定としたものである。
表1および表2に、前記した格子A〜Gのマス目6における比率(B/A)の値を示す。なお、幅寸法Aに関しては、表1および表2に示した比率(B/A)としたときに、展開幅Hの設計寸法が125.0mmとなるよう、設定した。
Figure 2008091055
Figure 2008091055
表1および表2に示した各格子について、網目部の展開幅寸法(図1における、寸法H)を測定し、その平均値と、標準偏差を求めた。サンプル数nは、各格子について、それぞれn=200とした。これらの結果を表3に示す。
Figure 2008091055
表3に示した結果から、本発明例によれば、展開幅寸法Hの標準偏差、すなわち、ばらつきが、比較例によるものと比較して、極めて顕著に抑制されていることがわかる。なお、本発明例による格子A〜Cは、概略菱形形状のマス目に顕著な変形は認められなかった。一方、比較例による格子D〜Gは、マス目の顕著な変形が認められた。特に、格子Gについては、比率(B/A)が0.5から0.7に変化する部分付近で、顕著なマス目の変形と、格子骨の切断が認められた。
本発明例のように、格子上部の枠骨から格子上部に向けて、概略菱形形状のマス目6の幅寸法Aと、高さ寸法Bとの比率(B/A)を徐々に大とし、網目部の高さ方向の、所定の中間位置より下部より(B/A)を一定とすることにより、網目部の展開幅寸法Hのばらつきを顕著に抑制することができる。したがって、このエキスパンド格子を用いることにより、寸法精度に優れた鉛蓄電池用極板が提供でき、極板群形成時の集電部の溶接不良や極板上部での短絡不良の発生を抑えるという顕著な効果を得ることができる。
なお、当該比率(B/A)を一定とする、所定の中間位置の設定は、この中間位置の高さ寸法hと網目部の展開幅Hの比率(h/H)が0.3〜0.8となるよう、設定することができる。
本実施例において、概略菱形形状を有するマス6における、幅寸法Aと高さ寸法Bの比率(B/A)の最大値を0.7としたが、これより大きい値でマス目を展開すると、鉛合金の変形量が大きくなり材料破断が発生して、格子骨切れが頻発するため、当該比率を0.7以下とすることが好ましい。
(実施例2)
次に、実施例1で作成した本発明例による格子A〜C、比較例による格子D〜Gを用いて正極板を作成し、この正極板3枚と、公知の負極板4枚およびセパレータとを組み合わせて極板群を作成し、この極板群の6個を直列接続することによって、12V30Ahの制御弁式鉛蓄電池を作成した。
これらの電池を25℃中で90A放電したときの5秒目電圧を測定することによって、各電池の高率放電特性を評価した。これらの結果を表4に示す。
Figure 2008091055
表4に示した結果から、本発明の格子A〜Cを用いた、本発明例による電池A〜Cは、比較例の電池FおよびGに対して顕著に優れた電圧特性を有している。比較例の電池Dに関しては、本発明例の電池とほぼ同等の電圧特性が得られていた、また、比較例の電池Eについても、本発明例の電池よりも劣るものの、比較例の電池FおよびGよりも優れた電圧特性が得られていた。なお、比較例の電池Dについては、本発明の電池とほぼ同等の電圧特性を有していたが、格子Dの高さ寸法のばらつきが大であり、好ましいものではない。
比較例の電池FおよびGに関しては、他の電池に比較しても電圧特性に劣っていた。特に電池Fに関しては、格子Fの集電効率が他の格子に比較して顕著に劣っていたと考えられる。また電池Gに関しては、格子骨切れが頻発した格子Gを使用したためと考えられる。
実施例1および実施例2とから、本発明例によれば、エキスパンド格子の展開幅寸法のばらつき抑制効果を顕著に得ることができ、かつ優れた集電効率の格子を得ることができる。また、本発明のエキスパンド格子を用いることによって、高さ寸法精度に優れた極板が得られるため、高さ寸法がばらつくことによって発生していた不具合、すなわち、極板耳の溶接不良や、正負極間の内部短絡を抑制することができる。また、この極板を用いることによって、高率放電時の電圧特性に優れた鉛蓄電池を得ることができる。
実施例2においては、本発明の格子を正極に用いた例について述べたが、集電効率向上による、高率放電特性の効果は、負極に用いた場合にも同様に得られる。
以上、説明してきたように、本発明によれば、網目部のマス目の変形が抑制され、寸法精度に優れ、優れた集電効率を有していることから、エキスパンド格子を用いた各種用途の鉛蓄電池に極めて好適である。
本発明のエキスパンド格子を示す図 比率(B/A)と比率(h/H)との関係を示す図
符号の説明
1 エキスパンド格子
2 網目部
2a 格子骨
2b 結節部
2c 結節部
3 枠骨
4 耳
5 (概略三角形状をした)マス目
6 (概略菱形形状をした)マス目
7 (概略三角形状をした)マス目

Claims (2)

  1. 鉛または鉛合金からなる鉛蓄電池用のエキスパンド格子であり、耳部を備えた集電用の枠骨と、前記枠骨に連結した概略菱形形状のマス目からなる網目部を有し、前記マス目の幅方向の寸法をAとし、前記マス目の高さ寸法をBとし、これら寸法の比(B/A)を、前記枠骨から離間するに従い徐々に大とし、かつ、前記網目部の高さ方向の中間位置以降は、前記比(B/A)を概略一定としたことを特徴とする鉛蓄電池用エキスパンド格子。
  2. 請求項1記載の鉛蓄電池エキスパンド格子を備えた鉛蓄電池。
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