JP5521503B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛蓄電池に関するものである。
一般的に、鉛蓄電池の極板は、集電機能を有した格子と、この格子に充填された活物質とからなる。鉛蓄電池用格子素材として、PbもしくはPb−Ca合金やPb−Sb合金等の鉛合金、あるいは、これらの鉛および鉛合金に、必要に応じて、Sn、As、Ag、Bi、S、Se等の元素を添加したものが使用される。
鉛蓄電池用格子の製造方法としては、鋳造方式とエキスパンド方式が主である。鋳造方式とは、格子形状に対応した溝を彫りこんだ鋳型に、前記した鉛合金を溶融して流し込み、冷却し固化させることにより、格子を成型する方式である。使用する鋳型のタイプとして、ブックモールドタイプや、ドラムタイプのものが実用化されている。
格子の集電特性は、格子外形や格子骨の配置によって大きく影響される。鋳造方式は、格子外形や格子骨の配置の自由度が高いため、集電特性の優れた格子、すなわち、集電抵抗による電圧降下を抑制し、電圧特性に優れた鉛蓄電池を得ることができる。
ただし、鋳造方式は、鋳型内に溶融鉛を流し込む時間と、鋳型内で溶融鉛合金が冷却固化するための冷却時間の確保が必要であり、生産速度が低下する要因となっている。また、格子骨の設計自由度が高いといっても、鋳型内での溶融鉛合金の湯流れを考慮する必要上、薄い格子の作成が困難であり、格子厚みは1.3mm程度以上、安定的な連続生産を可能とするため、好ましくは、1.5mm以上とする必要があった。
一方、エキスパンド方式では、前記の合金で、Pb−Ca合金、Pb−Ca−Sn合金といった、主としてPb−Ca系の鉛合金を長尺のシートとし、このシートにスリットを入れて、スリットを展開することによって、図1に示したように、エキスパンド網目4を形成し、このエキスパンド網目4を格子骨5,5′とするものである。なお、シートは、所望の組成を有した鉛合金を溶融し、長尺状のスラブを形成した後、このスラブを圧延することにより、エキスパンド加工に適した物性(引張強度、伸び率)を有したものを用いることが一般的である。
エキスパンド方式では、エキスパンド網目4の形成は、切断加工で行われるため、鋳造方式のような溶融鉛合金の鋳型内への流し込み時間、および冷却固化に要する時間を確保する必要がないため、鋳造方式に比較して飛躍的に生産速度が速い。
また、鉛合金シートの厚みとスリット間の幅寸法を小さく設定することによって、容易に薄型格子を得ることができ、薄型極板の多数を配置した、高率放電特性に優れた鉛蓄電池を得るこができる。
エキスパンド方式によって形成されるエキスパンド網目4は長尺状に連続的に形成される。その後、エキスパンド網目4に活物質を充填した後、エキスパンド網目を切断加工して、所望する外形寸法を有したエキスパンド極板を得る。なお、エキスパンド網目の形成方法として、往復運動するダイスカッターによって、シートへのスリット形成と、エキスパンド網目の展開を行なう、レシプロ方式(例えば特許文献1参照)と、回転する円板状カッターによって、シートへのスリット形成と、エキスパンド網目の展開を行なう、ロータリー方式(例えば特許文献2参照)に大別される。
上記のようなエキスパンド極板製造においては、レシプロ方式、ロータリー方式のいずれの方式においても、極板切断加工時にエキスパンド網目4を切断するため、図1に示したように、格子骨5,5′や結節部6の切断部先端7,7′がエキスパンド格子1の側部に露出する。
切断部先端7,7′は、極板群製造工程において容易に変形してセパレータを貫通し、正極板と負極板が短絡する場合があった。なお、このような傾向は、結節部6の切断部先端7より、格子骨5,5′の切断部先端7′において顕著であった。
なお、特許文献3には、エキスパンド格子からの活物質脱落を抑制するよう、エキスパンド網目の結節部を切断せず、かつ、格子側部に最も近接した結節部と、格子側部との距離を、網目一つの横方向の長さの約1/4とすることが記載されている。
特許文献3で示された発明によれば、活物質脱落は抑制されるものの、極板側部には、格子骨5,5′の切断によって形成された切断部先端7,7′が露出するため、これら切断部先端7,7′によるセパレータの穴あきによる内部短絡が発生しやすい傾向にある。
特開平6−338328号公報 特開平3−204126号公報 特開平7−320743号公報
前記したエキスパンド格子1の切断部先端7′による穴あきは、エキスパンド格子が要因となる穴あきの大半を占めていた。また、セパレータの穴あきによる短絡のみならず、格子骨5′が変形してセパレータを回りこみ、他方の極板と接触する内部短絡も発生していた。
また、このようなセパレータの穴あきやセパレータを回り込むことによって生じる内部短絡は、主に、切断された格子骨5′の変形に起因するものであるが、最下部の格子骨5′の変形は、エキスパンド極板の製造工程や鉛蓄電池の組立工程において発生するのみならず、鉛蓄電池を使用している間にも発生することがわかってきた。
エキスパンド格子を、正極に用いた場合には活物質の軟化脱落により、また負極に用いた場合には活物質の収縮により、格子骨5′の切断部先端7′が極板から露出する。このような状態で鉛蓄電池に振動が加わった場合、切断された格子骨5′が容易に変形し、その結果、切断部先端7′によってセパレータが損傷し、内部短絡にいたるものである。また、変形した格子骨5′がセパレータを回り込み、異なる極性の極板と接触し、内部短絡にいたるものである。
さらに、正極においては、鉛蓄電池の充放電を行なうことによって、エキスパンド格子1が酸化膨張するため、上記した現象が加速される場合があった。その際、エキスパンド格子1は、エキスパンド網目4の展開方向、すなわち図1におけるA方向(上下方向)に伸び、切断部先端7′が、セパレータを貫通あるいはセパレータの端を回り込み、負極板と接触して内部短絡が生じる場合があった。
本発明は、エキスパンド格子を用いた鉛蓄電池において、エキスパンド格子の最下部の格子骨による内部短絡を抑制した、信頼性の高い鉛蓄電池を提供するものである。
前記した課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、鉛合金のシートにスリットを形成し、このスリットを展開して得たエキスパンド格子を備えた鉛蓄電池であって、前記エキスパンド格子は、集電用の耳を備えた枠骨と、前記枠骨に連設されたエキスパンド網目とからなり、前記エキスパンド網目は、網目状に配置された複数の格子骨と、前記格子骨間、および、前記格子骨と前記枠骨とを連結する結節部を備え、前記した複数の格子骨において、前記枠骨より最も離間した他よりも細い格子骨の断面積をS(mm2)とし、前記エキスパンド網目の展開方向に概略直交する方向において互いに隣接しあう2個の前記結節部の間の距離をP(mm)としたときに、比率(S/P)が0.06mm以上、0.11mm以下であることを特徴とした鉛蓄電池を示すものである。
前記した構成によれば、エキスパンド格子最下部に位置し、自由端を有した格子骨による内部短絡が抑制される。なお、鉛合金としては、エキスパンド用シートとして周知の、鉛−カルシウム合金、あるいは鉛−カルシウム−スズ合金等の合金を用いることができる。また、シートとして、これらの鉛合金を圧延処理した圧延シートを用いることができる。
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1の鉛蓄電池において、特に、比率(S/P)を0.07mm以上、0.10mm以下とする。これにより、前記した最下部の格子骨の変形がより顕著に抑制され、格子骨の先端によるセパレータの損傷や、格子骨がセパレータを回り込み、負極と接触することによる、内部短絡を抑制できる。
なお、前記した本発明の鉛蓄電池では、前記したエキスパンド格子を正極、負極のいずれか一方、より好ましくは両方に用いることも可能である。また、いずれか一方の極性の極板に周囲に枠骨を有した格子(例として鋳造格子)を使用し、他方の極性の極板に、本発明で示すところのエキスパンド格子を用いた極板を用いることもできる。
また、本発明の鉛蓄電池は、液式(開放式)および制御弁式のいずれであってもよい。
本発明によれば、エキスパンド格子の、上部の枠骨から最も離間した格子骨の変形が抑制されるため、この変形によって発生していた、内部短絡が顕著に抑制され、信頼性の高い鉛蓄電池を提供することができる。
エキスパンド格子を示す正面図 エキスパンド格子を示す側面図
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明で用いるエキスパンド格子1を示す正面図である。図2は、エキスパンド格子1を示す側面図である。
エキスパンド格子1は、鉛合金のシート(図示せず)に、特許文献1あるいは特許文献2に示したような周知の方法によって千鳥状にスリットを形成し、このスリットを展開して作成する。本発明の鉛蓄電池においては、連続した長尺状のエキスパンド網目に活物質を充填した後、単一の極板に切断加工することが一般的であり、その製造工程上に、活物質の充填されない、エキスパンド格子1の単体を製造する工程は存在しないが、説明の便宜上、極板から活物質を除去した状態のエキスパンド格子1のみを図示して説明する。
本発明の鉛蓄電池に用いるエキスパンド格子1は、集電用の耳3を備えた枠骨2と、この枠骨2に連設されたエキスパンド網目4とからなる。エキスパンド網目4は、網目状に配置された複数の格子骨5,5′と、格子骨5,5′間、および、格子骨5と枠骨2とを連結する結節部6を備える。
格子骨5,5′は、枠骨2と連結するもの、および枠骨2から最も離間したマス目を除き、概略菱形形状に配列されている。なお、マス目は、格子骨5,5′および枠骨2で形成された、エキスパンド網目の一単位を言う。エキスパンド格子1の両側部に位置するマス目は、その両側部で開かれており、その他のマス目は閉じられたマス目である。なお、ここで概略菱形形状と記載したのは、マス目の形状は、エキスパンド加工用のカッター刃先形状や、結節部の幅によって異なり、厳密な菱形ではないが、概略として菱形に類似した形状を有しているからである。
エキスパンド極板の製造工程において、連続したエキスパンド網目を切断するため、図1に示したように、エキスパンド格子1の左右両側部には、少なくとも格子骨5′が切断され、その切断部先端7′は鋭利な形状を呈している。なお、図1においては、格子骨5′と結節部6とが切断されて、それぞれ切断部先端7′と切断部先端7が形成されている例を示したが、エキスパンド網目4の展開方向(図1における方向A)に直交する方向(図1における方向B)に互いに隣接しあう2個の結節部6の間の距離Pと、エキスパンド格子1の幅寸法の関係によっては、結節部6は切断されず、格子骨5が切断され、切断部先端7が形成される。
図1に示したように、格子骨5′は、枠骨2からエキスパンド網目4の展開方向(図1におけるA方向)に最も離間した格子骨であって、エキスパンド格子1の左右底部のコーナーを形成する格子骨である。
従来より、エキスパンド格子における最下部の格子骨は、格子の集電効率に殆んど寄与することがなく、活物質を保持できる程度の、細い格子骨としていた。その一方で、本願発明の発明者らは、最下部の格子骨5′の断面積Sを小さくした場合に、格子骨5′の変形による内部短絡が発生するという、本発明の課題に直面するなかで、この格子骨5′の断面積Sと、前記した結節部6の幅方向のピッチ、すなわち、前記したP寸法との関係によって、中途で切断された格子骨5′による内部短絡の発生確率が大きく変化することを見出したものである。
本発明では、前記したS(単位:mm、図2に示す断面積S)のP(単位:mm、図1に示す結節間の間隔寸法P)に対する比率(S/P)を0.06mm以上、0.11mm以下とする。ここで、Pは、結節部6の中心間の寸法を計測すればよいが、エキスパンド加工の際に形成するスリット長さと、同一線状にあるスリット間の距離(結節部6の幅に相当)によって決定付けられる。また、断面積Sは、平行に隣接しあうスリット間の距離とシート厚みとの積から、展開時の格子骨5′の伸びによる断面積の減少分を差し引いたものとなる。そして、この断面積Sの減少分は、エキスパンド網目のA方向への展開長さによってほぼ決定づけることができる。
なお、上記のようにして求めたP値とS値は、いずれも機械加工のばらつきや、シート物性によっても誤差が生じるため、実際にエキスパンド格子1の寸法測定によって、P値とS値の実績値が得ることができる。
そして、エキスパンド格子1に公知の鉛蓄電池用活物質を充填して極板を作成し、この極板を用いて公知の構成で電池を組み立てることにより、本発明の鉛蓄電池を得ることができる。
本発明では、前記した比率(S/P)を0.06mm以上、0.11mm以下とすることにより、極板の最下部のコーナー部を形成する格子骨5′の変形と、これによる内部短絡を抑制でき、信頼性に優れた鉛蓄電池を得ることができる。
比率(S/P)が0.06mm未満である場合には、極板を取り扱う際に格子骨5′が容易に変形する。また、製造工程で格子骨5′の変形がない場合でも、鉛蓄電池内に組み込んで使用する間に、活物質の膨張および収縮や脱落、とりわけ正極においては、エキスパンド格子1の腐食時の体積膨張によって格子骨5′の切断先端部7′がセパレータを回り込んで負極に接したり、あるいはセパレータを貫通して負極と接することにより、内部短絡が発生する。
また、負極においては、活物質の収縮あるいは砂泥化によって、格子骨5′の周囲の活物質が脱落し、格子骨5′が、外部から加えられる振動や衝撃によって容易に変形し、正極板にエキスパンド格子1を用いた場合と同様、切断部先端7′によるセパレータの穴あきによって、正極と接触することにより内部短絡が発生する。
また、本発明では、比率(S/P)を0.11mm以下とする。比率(S/P)が0.11mmを越えた場合には、内部短絡の発生率が増大していくからである。
そして、本発明の効果は、正極、負極の両方に得られるものである。
本発明において、正負両極にエキスパンド格子を用いた場合、好ましくは、正極、負極の両方において比率(S/P)を0.06mm以上、0.11mm以下とするが、いずれか一方でも本発明の効果を得ることができる。あるいは、一方の極性の極板において鋳造格子といった、格子骨が切断された構成ではなく、周囲に枠骨が配置された格子を用い、もう一方の格子に、前記したエキスパンド格子1を用いてもよい。
本発明において、さらに好ましくは、前記した比率(S/P)を0.07mm〜0.10mmの範囲とする。この範囲において、本発明の短絡抑制効果が最も顕著に得ることができる。なお、後述するように、比率(S/P)の値を、0.10mmを越えて、徐々に大きくしていくに従い、短絡発生率は増加する傾向があるためである。
前記した構成によれば、エキスパンド格子最下部に位置し、自由端を有した格子骨5′での内部短絡が抑制される。なお、鉛合金としては、エキスパンド用シートとして周知の、鉛−カルシウム合金、あるいは鉛−カルシウム−スズ合金等の合金を用いることができる。また、シートとして、これらの鉛合金を圧延処理した圧延シートを用いることができる。
本発明の課題は、電解液を潤沢に有した、液式(開放式)の鉛蓄電池と、電解液をセパレータと活物質中に含浸保持した制御弁式鉛蓄電池に共通の課題であり、本発明は、これら両者に適用することができる。
以下、実施例により、本発明の効果を説明する。
本実施例では、後述する各種の正極板および負極板を作成し、これらの極板を用いて評価用の鉛蓄電池を作成した。これら各鉛蓄電池について、充放電と振動を加えた後の内部短絡の発生確率を検証した。なお、評価用の鉛蓄電池は、2Vの単位セルの6個が一列状に配置され、単位セルが直列接続された12V60Ahの制御弁式鉛蓄電池である。なお、セパレータとしては、従来から公知である、ガラスマットセパレータを用いた。
(1)正極板
(1−1)正極板A
正極板Aは、Pb−Ca0.08質量%−Sn1.2質量%の鉛合金を溶融して、ブックモールドタイプの鋳型に流し込み、冷却凝固させて作成した、高さ115mm、幅100mmの長方形状の外形を有した鋳造格子に、公知の鉛蓄電池用正極活物質ペーストを充填したものである。鋳造格子は、その周囲の4辺すべてに枠骨を有し、枠骨の内部に縦横の格子骨を配置したものである。鋳造格子の厚みは1.3mmであり、鋳造格子最下部の中骨の断面積は、1.95mmである。なお、鋳造時に鉛合金中のCaの一部が上げ滓として失われるため、最終的な鋳造格子の鉛合金組成は、Pb−Ca0.07質量%−Sn1.2質量%である。
(1−2)正極板B1〜正極板B16
正極板B1〜B16は、Pb−Ca0.07質量%−Sn1.2質量%合金よりなり、厚み1.1mmの鉛合金の圧延シートをエキスパンド加工して得たエキスパンド格子に、正極板Aと同様の正極活物質ペーストを充填したものである。エキスパンド格子の外形寸法は、前記した正極用の鋳造格子と同一である。そして、本実施例では、前記した発明の実施形態において述べた比率(S/P)値を、表1に示すように、0.008mm〜0.22mmの範囲で変更したものである。なお、P値は12.0mmとした。
Figure 0005521503
(2)負極板
(2−1)負極板C
負極板Cは、Pb−Ca0.08質量%−Sn0.2質量%の鉛合金を溶融して、ブックモールドタイプの鋳型に流し込み、冷却凝固させて作成した、高さ115mm、幅100mmの長方形状の外形を有した鋳造格子に、公知の鉛蓄電池用負極活物質ペーストを充填したものである。鋳造格子は、その周囲の4辺すべてに枠骨を有し、枠骨の内部に縦横の格子骨を配置したものである。鋳造格子の厚みは1.2mmであり、鋳造格子最下部の中骨の断面積は、1.80mmである。なお、鋳造時に鉛合金中のCaの一部が上げ滓として失われるため、最終的な鋳造格子の鉛合金組成は、Pb−Ca0.07質量%−Sn0.2質量%である。
(2−2)負極板D1〜負極板D16
負極板D1〜D16は、Pb−Ca0.07質量%−Sn0.2質量%合金よりなり、厚み0.7mmの鉛合金の圧延シートをエキスパンド加工して得たエキスパンド格子に、負極板Cと同様の負極活物質ペーストを充填したものである。エキスパンド格子の外形寸法は、前記した正極用の鋳造格子と同一である。そして、本実施例では、前記した発明の実施形態において述べた比率(S/P)値を、表2に示すように、0.008mm〜0.22mmの範囲で変更したものである。なお、P値は12.0mmとした。
Figure 0005521503
上記した表1および表2に示した各正極板と各負極板、および、鋳造格子を有した正極板Aおよび負極板Cとを表3〜表5に示したように組み合わせて、前記したような、12V60Ahの制御弁式鉛蓄電池を作成した。
Figure 0005521503
表3に示した電池K1〜電池K16は、正極、負極の両極にエキスパンド格子を用いた電池である。
Figure 0005521503
表4に示した電池L1〜電池L16は、正極板にエキスパンド格子、負極板に鋳造格子を用いた電池である。
Figure 0005521503
表5に示した電池M1〜電池M16は、正極板に鋳造格子、負極板にエキスパンド格子を用いた電池である。
上記した表3〜表4に示した各電池について、充放電を行なった。充放電条件は、40℃気相雰囲気下において、20A定電流放電を放電終止電圧10.5Vまで行なって完全放電状態とした後、14.0V定電圧充電(充電最大電流50A)を8時間行なった。なお、放電持続時間が当初の放電持続時間の80%となった段階で、充放電を停止させた。
前記した充放電が終了した各電池について、以下の条件で振動を加えた。振動方向は、電池の上下方向(極板の耳が上、極板底部が下である。)の単振動であり、複振幅(振動の上端から下端までの距離)を2.5mm、振動加速度49.0m/sで連続して2時間の振動を加えた。
本実施例の評価試験は、鉛蓄電池が電動車両等に用いられることによる振動や、鉛蓄電池を輸送する際の振動や、鉛蓄電池の不測の落下といった鉛蓄電池の使用上、想定される使用モードにおける、内部短絡の発生度合いを評価するものである。
振動後の各電池について、セル内での内部短絡の有無を調べた。なお、評価電池は、6セルが直列接続されており、その両端の2セルは、外部端子との接続構造を有する一方で、両端セルにはさまれた中間の4セルは、外部端子との接続構造は有さず、セル間接続構造を有しているためセルによって接続構造が異なっている。
このような接続構造の差異は、加振時の内部短絡の発生数に影響すると考えられることから、本実施例においては、中間セルの4セルで内部短絡の発生度合いの比較を行なった。なお、各電池ともに25個を調査することによって、各電池あたり100セルについて、最下部の格子骨による内部短絡の発生数を確認した。これらの確認結果を表6〜表8に示す。
Figure 0005521503
表6は、正極、負極の両極にエキスパンド格子を用いた各評価電池の内部短絡発生率を示す表である。表6に示した結果から比率(S/P)を0.06mm〜0.11mmの範囲とすることにより、内部短絡発生率が大幅に低下する。また、特に比率(S/P)を0.07mm〜0.10mmの範囲とすることにより、さらに内部短絡が抑制されていることがわかる。なお、内部短絡は、エキスパンド格子の最下部の格子骨によるセパレータの損傷あるいは、この格子骨がセパレータ下部を回りこむことによって発生していた。
Figure 0005521503
表7は、正極にエキスパンド格子、負極に鋳造格子を用いた各評価電池の内部短絡発生率を示す表である。負極に鋳造格子を用いることによって、両極にエキスパンド格子を用いた電池よりも若干、内部短絡発生率が低下している。正極のみにエキスパンド格子を用いた電池においても、比率(S/P)を0.06mm〜0.11mmの範囲とすることにより、内部短絡発生率が大幅に低下する。また、特に比率(S/P)を0.07mm〜0.10mmの範囲とすることにより、さらに内部短絡が抑制されていることがわかる。また、これらの各電池においても、内部短絡は、エキスパンド格子の最下部の格子骨の変形によるセパレータの損傷あるいは、この格子骨がセパレータ下部を回りこむことによって発生していた。
Figure 0005521503
表8は、正極に鋳造格子、負極にエキスパンド格子を用いた各評価電池の内部短絡発生率を示す表である。正極に鋳造格子を用いた場合、両極にエキスパンド格子を用いた電池よりも若干、エキスパンド格子の最下部の格子骨による内部短絡発生率が低下している。正極のみにエキスパンド格子を用いた電池においても、比率(S/P)を0.06mm〜0.11mmの範囲とすることにより、エキスパンド格子の最下部の格子骨による内部短絡発生率が大幅に低下する。また、特に比率(S/P)を0.07mm〜0.10mmの範囲とすることにより、さらに内部短絡が抑制されていることがわかる。
本実施例では、評価電池の放電持続時間が当初の80%にまで低下した時点で振動を行なったが、放電持続時間が当初の50%以下にまで低下するよう、充放電サイクルを連続させた場合、特に正極に鋳造格子を用いた電池M1〜電池M16では、鋳造格子に伸びが発生する。特に、電池M1〜電池M6および電池M12〜電池M15において、伸び鋳造格子と、負極のエキスパンド格子の最下部の変形した格子骨と短絡が生じ、電池が突然放電できない状態に陥っていた。
一方、電池M7〜電池M11では、正極の鋳造格子が伸びた場合においても、負極の格子骨の変形が抑制されているため、内部短絡は見られず、鋳造格子からの正極活物質の軟化脱落が主な劣化要因であった。
以上、説明してきたように、本発明によれば、エキスパンド格子を用いた鉛蓄電池において、エキスパンド格子の最下部に位置する格子骨の変形による内部短絡が顕著に抑制でき、信頼性に優れた鉛蓄電池を提供できる。
本実施例においては、P値を12mmとした例について記載したが、P値を4mm、および15mmとした場合にも同様の結果が得られた。
さらに、本実施例においては、ガラスマットセパレータを用いた制御弁式鉛蓄電池での例を示したが、ポリエチレンセパレータを用いた、液式の始動用鉛蓄電池に本発明を適用しても、本実施例と同様の効果が得られた。
本発明はエキスパンド格子を用いた鉛蓄電池において利用可能であり、その用途は限定されないことから、工業的にも広範な利用可能性を有する。
1 エキスパンド格子
2 枠骨
3 耳
4 エキスパンド網目
5,5′ 格子骨
6 結節部
7,7′ 切断部先端

Claims (2)

  1. 鉛合金のシートにスリットを形成し、このスリットを展開して得たエキスパンド格子を備えた鉛蓄電池であって、
    前記エキスパンド格子は、集電用の耳を備えた枠骨と、
    前記枠骨に連設されたエキスパンド網目とからなり、
    前記エキスパンド網目は、網目状に配置された複数の格子骨と、
    前記格子骨間、および、前記格子骨と前記枠骨とを連結する結節部を備え、
    前記した複数の格子骨において、前記枠骨より最も離間した他よりも細い格子骨の断面積をS(mm2)とし、
    前記エキスパンド網目の展開方向に概略直交する方向において互いに隣接しあう2個の前記結節部の間の距離をP(mm)としたときに、
    比率(S/P)が0.06mm以上、0.11mm以下であることを特徴とした鉛蓄電池。
  2. 前記比率(S/P)を0.07mm以上、0.10mm以下とした請求項1に記載の鉛蓄電池。
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