JP2008089492A - 圧力センサおよび圧力センサの取付構造 - Google Patents

圧力センサおよび圧力センサの取付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】受圧用ダイアフラムが受けた圧力を圧力伝達部材を介してセンサチップに伝達することにより圧力検出を行う圧力センサにおいて、受圧用ダイアフラムおよびセンサチップの温度を適切に下げる。
【解決手段】オイルWが流通するエンジン200に設けられた取付穴201に、中空筒状の金属ケース20を挿入することにより圧力センサ100がエンジン200に取り付けられており、オイル通路60を金属ケース20に設けるとともに、ハウジング30にもオイルWが流れる通路71、72を設け、エンジン200と圧力センサ100との間を、オイル送り配管部材81およびオイル戻し配管部材82によって接続することで、エンジン200内のオイルWを金属ケース20の中空部に流通させ、エンジン200へ戻すことにより、受圧用ダイアフラム10およびセンサチップ40の熱をオイルWを介して放熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は、受圧用ダイアフラムが受けた圧力を、圧力伝達部材を介してセンサチップに伝達することにより圧力検出を行う圧力センサおよびその取付構造に関し、たとえば、エンジンの燃焼圧を測定する燃焼圧センサなどに適用できる。
従来より、この種の圧力センサとしては、中空筒状の金属ケースの一端部側に、圧力を受けて歪む受圧用ダイアフラムを設け、金属ケースの他端部側にセンサチップなどのセンシング部を設け、さらに金属ケースの中空部に圧力伝達部材を設け、この圧力伝達部材を介して、受圧用ダイアフラムからの圧力をセンシング部へ伝達することによって圧力検出を行うものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
このような圧力センサは、たとえば、燃焼圧センサとして適用される。具体的には、金属ケースをエンジンの取付穴に挿入することにより、取付部材としてのエンジンに圧力センサを取り付け、エンジンの燃焼室内の圧力すなわち燃焼圧(筒内圧)を受圧用ダイアフラムにて受け、その圧力を、圧力伝達部材を介してセンシング部が受けることで検出を行うというものである。
特開平5−34231号公報
ここで、上記燃焼圧センサのように、被測定雰囲気が高温となり、それによって、受圧用ダイアフラムやセンシング部が高温にさらされる場合がある。従来のこの種の圧力センサは、上述したように、筒状の金属ケースを取付部材の取付穴に挿入した状態で当該取付部材へ取り付けられるものであり、この状態においては、金属ケースが取付穴に囲まれた形となるため、熱の逃げ道が少ない。
そのため、圧力センサにおいては、測定環境にさらされている受圧用ダイアフラムに対して熱が加わった場合に、この熱によって受圧用ダイアフラムに歪みが生じる可能性がある。また、この熱によりセンシング部が高温となり、センシング部の動作許容温度を超えてしまい、センサとして機能しなくなる恐れがある。
たとえば、上記燃焼圧センサの場合には、燃焼室内の燃焼による高熱が、直接、受圧用ダイアフラムやセンシング部に加わるため、上記した受圧用ダイアフラムの歪みやセンシング部の動作不良などが生じやすい。そして、このような歪みや動作不良は、たとえば誤差としてセンサ出力に現れ、結果的に検出誤差が大きくなるという問題を引き起こすことになる。
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、受圧用ダイアフラムが受けた圧力を、圧力伝達部材を介してセンシング部に伝達することにより圧力検出を行う圧力センサにおいて、受圧用ダイアフラムおよびセンシング部の温度を適切に下げることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、オイル(W)が流通するオイル通路(60)を金属ケース(20)に設け、このオイル通路(60)を介してオイル(W)を金属ケース(20)の中空部に流通させることにより、受圧用ダイアフラム(10)およびセンシング部(40)の熱をオイル(W)を介して放熱するようにした圧力センサであることを、第1の特徴とする。
それによれば、このオイル通路(60)を介したオイル(W)の流通によって、金属ケース(20)に設けられた受圧用ダイアフラム(10)およびセンシング部(40)の熱が放熱されるため、受圧用ダイアフラム(10)およびセンシング部(40)の温度を適切に下げることができる。
ここで、上記第1の特徴を有する圧力センサにおいては、オイル通路(60)は、共に金属ケース(20)の側壁部の内部に設けられ金属ケース(20)の中空部と連通する第1の通路(61)および第2の通路(62)を備えるものであり、オイル(W)は、第1の通路(61)から中空部に導入され第2の通路(62)から導出されるようになっているものにできる。
また、金属ケース(20)を、内部をオイル(W)が流通する取付部材(200)に取りつけられるものとした場合、オイル(W)が、取付部材(200)から第1の通路(61)を介して金属ケース(20)の中空部に導入され第2の通路(62)から再び取付部材(200)に戻るようになっているものにすれば、取付部材(200)をオイル供給源とすることが可能となる。
さらに、金属ケース(20)が、その他端部側にてハウジング(30)に固定され、このハウジング(30)を介して取付部材(200)に取り付けられるものである場合には、ハウジング(30)に、取付部材(200)内のオイル(W)を第1の通路(61)に送り込むための導入通路(71)と、第2の通路(62)からオイル(W)を取付部材(200)へ戻すための導出通路(72)とを設ければよい。
それによれば、ハウジング(30)の導入通路(71)を介して取付部材(200)からのオイル(W)を金属ケース(20)の第1の通路(61)へ送り込み、ハウジング(30)の導出通路(72)を介して金属ケース(20)の第2の通路(62)からのオイル(W)を取付部材(200)へ戻すことができる。
また、オイル通路(60)の上流側に、金属ケース(20)の中空部に導入される前にオイル(W)を濾過するフィルタ(90)を設けることが好ましい。それによれば、オイル(W)内の異物が、オイル通路(60)から金属ケース(20)の中空部に入り込むのを防止することができる。
特に、オイル通路(60)を上記した第1の通路(61)および第2の通路(62)を備えるものとした場合、第1の通路(61)の上流側に、オイル(W)を濾過するフィルタ(90)を設けることが好ましい。
また、本発明は、内部をオイル(W)が流通する取付部材(200)に設けられた取付穴(201)に、圧力センサ(100)の金属ケース(20)を挿入することにより、圧力センサ(100)を取付部材(200)に取り付けてなる圧力センサ(100)の取付構造としても構成できる。
すなわち、本発明は、このような取付構造において、オイル(W)が流通するオイル通路(60)を金属ケース(20)に設け、取付部材(200)と圧力センサ(100)との間を、取付部材(200)内のオイル(W)をオイル通路(60)へ送るためのオイル送り配管部材(81)、および、オイル通路(60)からのオイル(W)を取付部材(200)内へ戻すためのオイル戻し配管部材(82)によって接続し、取付部材(200)内のオイル(W)を、これら各配管部材および通路を介して金属ケース(20)の中空部に流通させ、取付部材(200)へ戻すことにより、受圧用ダイアフラム(10)およびセンシング部(40)の熱をオイル(W)を介して放熱するようにしたことを、第2の特徴とする。
それによれば、取付部材(200)内のオイル(W)が、オイル通路(60)を介して金属ケース(20)の中空部を流通することによって、受圧用ダイアフラム(10)およびセンシング部(40)の熱が放熱されるため、受圧用ダイアフラム(10)およびセンシング部(40)の温度を適切に下げることができる。
ここで、この圧力センサの取付構造においても、オイル通路(60)は、上述した第1の通路(61)および第2の通路(62)を備え、オイル(W)は、第1の通路(61)から金属ケース(20)の中空部に導入され第2の通路(62)から導出されるようになっているものにできる。
さらに、この場合の取付構造においては、金属ケース(20)を、その他端部側にてハウジング(30)に固定されハウジング(30)を介して取付部材(200)に取り付けられるものとしたとき、オイル送り配管部材(81)およびオイル戻し配管部材(82)を、それぞれハウジング(30)と取付部材(200)との間を接続するものとし、ハウジング(30)に、オイル送り配管部材(81)と第1の通路(61)との間を連通する導入通路(71)と、第2の通路(62)とオイル戻し配管部材(82)との間を連通する導出通路(72)とを設ければよい。
それによれば、ハウジング(30)内の上記通路(71、72)を介して、金属ケース(20)のオイル通路(60)と取付部材(200)との間のオイル(W)の流通を実現させることができる。
また、この圧力センサの取付構造においても、上記したフィルタ(90)を備えたものとすることにより、オイル(W)内の異物が、オイル通路(60)から金属ケース(20)の中空部に入り込むのを防止することができる。
また、上記した圧力センサおよび圧力センサの取付構造においては、取付部材(200)がエンジンである場合には、オイル(W)としては、当該エンジン(200)のエンジンオイルを用いることができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力センサ100のエンジン200への取付構造を示す概略断面図である。
本圧力センサ100は、取付部材としての自動車のエンジン200に取り付けられ、当該エンジン200の燃焼室202内の圧力を検出する燃焼圧センサとして適用されるものである。なお、図1ではエンジン200は、当該エンジン200におけるエンジンヘッドの部分を示してある。
この圧力センサ100は、大きくは、胴体部1と、この胴体部1に接続されたコネクタ部2とを有するものである。また、エンジン200には、燃焼室202に通じる取付穴201が設けられており、当該圧力センサ100の胴体部1は、その一端部(図1中の下端部)から取付穴201に挿入されている。そして、この胴体部1の一端部がエンジン200の燃焼室202に臨んだ状態となっている。
本実施形態では、胴体部1は、その一端部側から受圧部としての受圧用ダイアフラム10、中空筒状をなす金属ケース20、筒状をなすハウジング30が、順次、溶接やロウ付け、接着などにより接続され一体化されたものである。そして、この胴体部1の他端部すなわちハウジング30に対して、コネクタ部2が接続されている。
まず、ハウジング30は、たとえばステンレスなどの金属製のものである。このハウジング30の外面には、エンジン200の取付穴201に対して圧力センサ100を固定するための取付部31が形成されている。
ここでは、取付部31は、取付穴201とネジ結合可能なネジ部31として構成されている。一方、エンジン200の取付穴201の内面には、このネジ部31に対応したネジが形成されている。そして、本実施形態の圧力センサ100は、このネジ部31とネジ穴としての取付穴201とのネジ結合により、エンジン200に固定された状態で取り付けられている。
金属ケース20は、中空筒形状をなすステンレスなどの金属製の部材である。本実施形態の金属ケース20は、燃焼室202側に位置する有底筒状の第1のケース部20aとハウジング30側に位置する筒状の第2のケース部20bとが、全周溶接などにより連結されたものである。
この金属ケース20において、燃焼室202側の端部は開口部21、ハウジング30側の端部は、閉塞された薄肉状の歪み部22となっている。この金属ケース20の歪み部22は、受圧用ダイアフラム10が受けた圧力Pが、後述する圧力伝達機構により印加されることで、歪むようになっている。
そして、この歪み部22には、圧力を検出するセンサチップ40が設けられている。このセンサチップ40はセンシング部として構成され、当該歪み部22の圧力Pによる歪みに基づいて信号を発生するものである。ここでは、センサチップ40は、低融点ガラス41を介したガラス接合によって歪み部22の外面に対して接続されている。
このセンサチップ40は、たとえば、半導体チップに拡散抵抗などからなる歪みゲージを形成し、このゲージによりブリッジ回路が構成されたものとすることができる。このようなセンサチップ40によれば、センサチップ40の歪みに基づく信号が当該ブリッジ回路により出力される。
また、この金属ケース20の外周面、ここでは第2のケース部20bの外周面には、当該外周面と直交する方向へ張り出したシール面23が全周に形成されている。このシール面23は、図1に示されるように、燃焼室202側からコネクタ部2側へ向かって拡径したテーパ面となっている。
そして、金属ケース20において、燃焼室202側の端部の開口部21には、この開口部21を覆うように、上記受圧用ダイアフラム10が接合されている。この受圧用ダイアフラム10は、たとえばステンレスなどの金属製円形板状のものであり、金属ケース20の開口部21に全周溶接などにより接合されている。
そして、この圧力センサ100のエンジン200への取付状態においては、燃焼室202内の圧力Pは、図1中の白抜き矢印に示されるように、受圧用ダイアフラム10に印加され、この圧力Pの印加により、受圧用ダイアフラム10は、歪み変形するようになっている。
また、金属ケース20の中空部には、圧力伝達部材50が設けられている。この圧力伝達部材50は、たとえばステンレスなどの金属やセラミックなどからなるものであり、本例では棒状をなす。
圧力伝達部材50の各端部は、それぞれ金属ケース20の歪み部22の内面、受圧用ダイアフラム10に対して荷重を与えた状態で接触しており、圧力Pは、受圧用ダイアフラム10から圧力伝達部材50を介して金属ケース20の歪み部22に印加されるようになっている。
本実施形態では、このような圧力検出機構により、受圧用ダイアフラム10が受けた圧力Pが、金属ケース20の歪み部22に伝達され、この歪み部22の歪みに基づいて上記センサチップ40から信号が出力されるようになっている。
また、図1に示されるように、ハウジング30の内部には、セラミック基板などからなる配線基板32が設けられている。そして、配線基板32にはICチップ33が搭載され、図示しないボンディングワイヤなどにより配線基板32と電気的に接続されている。このICチップ33は、センサチップ40からの出力を増幅したり調整するための回路が形成されたものである。
さらに、図1に示されるように、ハウジング30内において、このICチップ33とセンサチップ40とは、リード線やフレキシブルプリント基板(FPC)などからなる配線部材34により電気的に接続されている。
そして、上記コネクタ部2は、ハウジング30に対して、Oリング35を介して接続されている。このコネクタ部2はPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂などからなるもので、コネクタ部材2には、金属製のターミナル2aがインサート成形などにより一体化されている。
このコネクタ部2は、その一端側がハウジング30における金属ケース20とは反対側の開口部に挿入された状態で、ハウジング30に組み付けられている。そして、ハウジング30の開口部の縁部がコネクタ部2にかしめられることにより、コネクタ部2とハウジング30とが一体に固定されている。
また、ハウジング30内にてコネクタ部2のターミナル2aは、配線基板32と電気的に接続されている。そして、ターミナル2aは自動車のECUなどに対して、電気的に接続可能となっており、それにより、本圧力センサ100は外部との信号のやりとりなどが可能になっている。
このように、本実施形態の圧力センサ100は、中空筒状の金属ケース20の一端部側すなわち燃焼室202側の端部側に受圧用ダイアフラム10を設け、他端部側すなわちハウジング30側の端部側にセンサチップ40を設け、その中空部に圧力伝達部材50を設けることで、燃焼室202内の圧力Pを受圧用ダイアフラム10が受け、圧力伝達部材50を介してセンサチップ40へ伝達することにより、燃焼圧Pの検出を行うようにしている。
ここにおいて、本実施形態では、金属ケース20には、オイルWが流通するオイル通路60が設けられている。このオイル通路60は、金属ケース20の側壁部の内部に設けられた第1の通路61と、同じく金属ケース20の側壁部の内部に設けられた第2の通路62とを備えたものである。これら第1および第2の通路61、62は、切削加工や鍛造などにより形成される。
そして、これら第1および第2の通路61、62は、共に金属ケース20の中空部と連通しており、オイル通路60を流れるオイルWは、図1中の矢印に示されるように、第1の通路61から金属ケース20の中空部に導入されて当該中空部を流れ第2の通路62から導出されるようになっている。
ここで、本実施形態では、取付部材としてのエンジン200は自動車のエンジンであり、オイルWはこのエンジン200のエンジンオイルである。エンジン200には、一般の自動車のエンジンと同様に、その内部をオイルWが流通するオイル流路203が設けられている。
そして、このように内部をオイルWが流通するエンジン200に対して、金属ケース20が取りつけられており、オイルWは、エンジン200のオイル流路203の流れに沿ってオイル流路203から金属ケース20の第1の通路61に導かれる。そして、オイルWは、この第1の通路61を介して金属ケース20の中空部に導入され、第2の通路62から再びエンジン200のオイル流路203に戻るようになっている。
より具体的には、金属ケース20は、その他端部側、ここでは第2のケース部20bにおける歪み部22側の端部側にてハウジング30に対して固定されている。この金属ケース20とハウジング30との固定方法としては、レーザ溶接、抵抗溶接、プラズマ溶接、電子ビーム溶接、ロウ付け、はんだ付けなどが挙げられる。
そして、上述したように、ハウジング30は、そのネジ部31にてエンジン200にネジ結合されており、金属ケース20は、ハウジング30を介してエンジン200に取り付けられた状態となっている。
ここにおいて、図1に示されるように、ハウジング30には、エンジン200内のオイルWを金属ケース20の第1の通路61に送り込むための導入通路71と、金属ケース20の第2の通路62からオイルWをエンジン200内へ戻すための導出通路72とが設けられている。
これらハウジング30の各通路71、72は、切削加工や鍛造などによりハウジング30の側壁の内部に形成されたものである。そして、これらハウジング30の導入通路71および導出通路72は、ともに、図1中のハウジング30の下端部と上端部側に開口部を有し、当該両開口部の間を連通するようにハウジング30の両端部間を延びる通路として構成されている。
ここで、ハウジング30の導入通路71は、ハウジング30の下端部側にて金属ケース20の第1の通路61と連通し、エンジン200から突出するハウジング30の上端部側にて、エンジン200のオイル流路203と連通している。
一方、ハウジング30の導出通路72は、ハウジング30の下端部側にて金属ケース20の第2の通路62と連通し、エンジン200から突出するハウジング30の上端部側にて、エンジン200のオイル流路203と連通している。なお、これら金属ケース20の各通路61、62およびハウジング30の各通路71、72の通路形状は、特に限定されないが、たとえば、断面円形の通路(後述の図2(b)参照)とすることができる。
また、ハウジング30と金属ケース20との固定は、上記した溶接などにより行われていることにより、導入通路71と第1の通路61との間、および導出通路72と第2の通路62との間は、オイルWの漏れがないように接続されている。
また、ハウジング30の導入通路71とエンジン200のオイル流路203との連通は、ハウジング30とエンジン200とを接続するオイル送り配管部材81を介して、行われ、ハウジング30の導出通路72とエンジン200のオイル流路203との連通は、ハウジング30とエンジン200とを接続するオイル戻し配管部材82を介して、行われている。
これらオイル送り配管部材81およびオイル戻し配管部材82は、金属やゴム材あるいは樹脂などのホースなどよりなる配管部材であり、耐熱性に優れたものであることが望ましい。
そして、これら配管部材81、82は、それぞれ圧力センサ100のハウジング30やエンジン200と接続されているが、この接続は、たとえば配管部材81、82の端部をハウジング30やエンジン200に挿入してネジ結合したり、当該端部をハウジング30やエンジン200に圧入したりするなどによって行われている。
こうして、図1に示されるように、エンジン200のオイル流路203、オイル送り配管部材81、ハウジング30の導入通路71、金属ケース20の第1の通路61、第2の通路62、ハウジング30の導出通路72、オイル戻し配管部材82、エンジン200のオイル流路203の各間が、オイルWの漏れがないように接続されている。
それにより、エンジン200のオイル流路203を流れるオイルWは、当該オイル流路203からオイル送り配管部材81へ分流され、導入通路71、オイル通路60の第1の通路61を介して、金属ケース20の中空部を通り、さらに、オイル通路60の第2の通路62から、導出通路72、オイル戻し配管部材82を介してエンジン200のオイル流路203へ戻るように流通するようになっている。
このような圧力センサ100は、金属ケース20におけるオイル通路60や、ハウジング30における上記各通路71、72が形成されていること以外は、従来のこの種の圧力センサと同様にして製造することができる。つまり、上記各通路60、71、72を予め金属ケース20やハウジング30に形成しておき、後は、従来と同様に、各部品を組み付けることで、本実施形態の圧力センサ100を製造できる。
なお、上述したように、本実施形態の金属ケース20は複数個の筒状部材20a、20bを連結したものであり、金属ケース20の中空部は、これら筒状部材20a、20bおよび受圧用ダイアフラム10により囲まれる空間である。
したがって、本実施形態においては、これら複数個の筒状部材20a、20b間の連結部、および金属ケース20と受圧用ダイアフラム10との間の固定部は、上記した溶接などにより、当該金属ケース20の中空部を流れるオイルWの漏れがないように接続することが必要である。
そして、この圧力センサ100をエンジン200にネジ結合して取り付けた後、上述したネジ結合や圧入などの接続方法によって、上記オイル送り配管部材81およびオイル戻し配管部材82を介して、エンジン200と圧力センサ100との間を接続する。これにより、図1に示される取付構造ができあがる。
なお、圧力センサ100は、ハウジング30のネジ部31のネジ結合によりエンジン200に固定されている。
この場合、上記したオイル送り配管部材81およびオイル戻し配管部材82は、圧力センサ100のハウジング30における各通路71、72の開口部、および、オイル流路203につながるエンジン200の開口部から取り外される。そして、上記配管部材81、82の取り外し後における当該開口部は、ネジ結合や圧入により取付可能な栓などにより封止されるようになっている。
本実施形態では、エンジン200の作動に伴い、圧力センサ100も作動して燃焼室202内の燃焼圧Pを検出するが、このとき、エンジン200のオイル流路203をオイルWが流れることにより、圧力センサ100の金属ケース20の中空部内をオイルWが流通することで、圧力センサ100の放熱もなされる。
ところで、本実施形態の圧力センサ100は、上述したように、中空筒状の金属ケース20の一端部側に受圧用ダイアフラム10を設け、金属ケース20の他端部側にセンサチップ40を設け、金属ケース20の中空部に圧力伝達部材50を設け、受圧用ダイアフラム10からの圧力Pを圧力伝達部材50を介してセンサチップ40へ伝達することで圧力検出を行うものである。
また、本実施形態では、内部をオイルWが流通するエンジン200に設けられた取付穴201に、圧力センサ100の金属ケース20を挿入し固定してなる圧力センサ100の取付構造が提供される。
そして、本実施形態では、圧力センサ100の金属ケース20に、オイルWを金属ケース20の中空部に流通させるためのオイル通路60を設け、エンジン200と圧力センサ100との間を、エンジン200内のオイルWをオイル通路60へ送るためのオイル送り配管部材81、および、オイル通路60からのオイルWをエンジン200内へ戻すためのオイル戻し配管部材82によって接続している。
そして、このようなオイルWの流通経路を構成することにより、本実施形態では、取付部材であるエンジン200をオイルWの供給源として、エンジン200からのオイルWが金属ケース20の中空部内を流通し、受圧用ダイアフラム10およびセンサチップ40の熱がオイルWを介して放熱する。
そのため、本実施形態によれば、受圧用ダイアフラム10およびセンサチップ40の温度を適切に下げることのできる圧力センサ100および圧力センサ100の取付構造を提供することができる。
その結果、本実施形態によれば、測定環境である燃焼室202にさらされている受圧用ダイアフラム10に対して燃焼などによる熱が加わった場合に、この熱によって受圧用ダイアフラム10に歪みが生じることが防止される。また、この熱によりセンサチップ40が、その動作許容温度を超えることが防止される。そのため、検出誤差の小さい出力が可能となる。
なお、本実施形態におけるオイル通路60の第1の通路61、第2の通路62は、金属ケース20の中空部へオイルWを導入する側を第1、導出する側を第2としたものであり、オイルWの流れは、上記図1とは左右逆向きであってもよい。
流れが図1とは逆向きの場合には、図1中の左側の通路が第1の通路61となり、右側の通路が第2の通路62として構成されることとなる。また、この場合、ハウジング30における各通路71、72、各配管部材81、82の構成も、図1とは左右逆の関係となることはもちろんである。
また、本実施形態では、センシング部としてのセンサチップ40は、金属ケース20の他端部における外側の面、すなわち歪み部22の外側の面に設けられることによってオイルWとは非接触の状態となっており、圧力伝達部材50からの荷重による歪み部22の歪みによって、圧力Pがセンサチップ40に伝達されるようになっている。そのため、センサチップ40においてはオイルWに対する耐性を考慮する必要がなくなる。
(第2実施形態)
図2(a)は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサの要部を示す概略断面図であり、金属ケース20近傍部の拡大図である。また、図2(b)は、図2(a)中のA−A一点鎖線に沿った概略断面図であり、ハウジング30の導入通路71の断面図である。
なお、この図2に示される部分以外は、本実施形態の圧力センサおよびその取付構造においても、上記第1実施形態と同様のものであり、ここでは、上記第1実施形態との相違点を中心に述べることとする。
本実施形態では、図2に示されるように、オイル通路60の上流、すなわち、オイル通路60の第1の通路61の上流に位置するハウジング30の導入通路71内に、オイルWを濾過するフィルタ90を設けている。ここでは、図2(b)に示されるように、導入通路71は断面円形の通路として構成されている。
このフィルタ90は、たとえば自動車のエンジンオイルフィルタに用いられるようなメッシュ状のフィルタ(図2(b)参照)であり、樹脂、金属、セラミックなどよりなる。このようなフィルタ90は、導入通路71の開口部から導入通路71の内部に向かって治具などを用いて押し込むことで導入通路71内に配設することができる。
そして、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を有する圧力センサおよびその取付構造を提供できると共に、このフィルタ90により、金属ケース20の中空部に導入される前にオイルWがろ過されるため、オイルW内の金属粉やゴミなどの異物が、金属ケース20の中空部に入り込むのを防止することができる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、金属ケース20は、筒状部材である複数個のケース部20a、20bが連結されたものであったが、中空筒状のものであれば、これに限定されず、一体成形されたものであってもよい。また、金属ケース20と受圧用ダイアフラム10とは一体に成形されたものであってもよい。
また、上記各実施形態では、金属ケース20はハウジング30に固定され、このハウジング30を介して取付部材であるエンジン200に取り付けられるものであった。それに対して、金属ケース20にネジ部を設けるなどにより、ハウジング30を介することなく、金属ケース20を直接、エンジン200の取付穴201に挿入して取り付けるようにしてもよい。
この場合には、たとえば、上記第1実施形態のような配管部材によって、金属ケース20のオイル通路60とエンジン200のオイル流路203とを接続する構成を採用すれば、エンジン200と圧力センサ100との間でオイルWの循環が可能となる。
また、エンジン200のオイル流路203と圧力センサ100とのオイルWの流通経路に係る接続構成は、上記したオイル送り配管81、オイル戻し配管82のような別体の配管部材を介してものでなくてもよい。たとえば、上記図1において、エンジン200の内部に、オイル流路203から取付穴201に連通する通路を切削加工などにより設け、圧力センサ100内へオイルを導くようにしてもよい。
この場合、たとえば、ハウジング30のうち取付穴201内に位置する外面に、上記導入通路71、導出通路72を開口させることにより、オイル流路203に連通する上記通路と圧力センサ100との間でオイルWの循環を行えばよい。
また、センシング部としては、上記したセンサチップ40に限定されるものではなく、圧力伝達部材50から伝達される圧力に応じた信号を発生するものであれば、たとえば静電容量式のものなどであってもよい。
また、ハウジング30の取付部としては、上記したネジ部31でなくてもよく、圧力センサ100は、エンジン200の取付穴201に圧入などによって固定されるものであってもよい。
また、上記各実施形態では、圧力伝達部材50は棒状の部材であるが、圧力伝達部材50の形状はこれに限定されるものではなく、金属ケース20の中空部内に設けることが可能であって、圧力Pを伝達できるものであるならば、たとえば球状、偏球状、鼓状などであってもよい。
また、上記各実施形態では、取付部材としてのエンジン200は自動車のエンジンであり、オイルWはエンジンオイルであったが、オイルWとしては、高温耐性を有するオイルであれば、エンジンオイルに限定されるものではない。たとえばオイルWとしては、自動車のブレーキオイルであってもよい。
この場合、たとえば、エンジン200におけるエンジンヘッド内に当該ブレーキオイルが流れる通路を形成し、このブレーキオイルが流通する通路から、上記実施形態と同様に、配管部材81、82などを介して、ブレーキオイルを圧力センサ100に導入するようにすればよい。
また、上記各実施形態では、取付部材としてのエンジン200から圧力センサ100のオイル通路60に対してオイルWを供給しているが、オイルWの供給源としては、取付部材に限定されるものではない。
たとえば、圧力センサ100自身に、オイル通路60に対してオイルWを供給し流通させるためのオイル供給源、たとえばオイルタンクやオイル循環用のポンプなどをオイル供給源として設けてもよい。
また、本発明の圧力センサは、上記したような燃焼圧センサに適用が限定されるものではなく、取付部材もエンジン200に限定されるものではない。つまり、本発明は、取付部材の取付穴に挿入されて取り付けられるものであれば、種々の圧力センサとして適用が可能であり、特に、受圧用ダイアフラムやセンシング部が高温となるような環境に用いられる圧力センサに対して、有効である。
本発明の1実施形態に係る圧力センサのエンジンへの取付構造を示す概略断面図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサの要部を示す概略断面図であり、(b)は、(a)中のA−A断面図である。
符号の説明
10…受圧用ダイアフラム、20…金属ケース、
30…ハウジング、40…センシング部としてのセンサチップ、
50…圧力伝達部材、60…オイル通路、
61…オイル通路の第1の通路、62…オイル通路の第2の通路、
71…導入通路、72…導出通路、
81…オイル送り配管部材、82…オイル戻し配管部材、
90…フィルタ、100…圧力センサ、
200…取付部材としてのエンジン、201…エンジンの取付穴、
W…オイル。

Claims (13)

  1. 中空筒状の金属ケース(20)と、
    前記金属ケース(20)の一端部側に設けられ、圧力を受けて歪む受圧用ダイアフラム(10)と、
    前記金属ケース(20)の他端部側に設けられたセンシング部(40)と、
    前記金属ケース(20)の中空部に設けられ、前記受圧用ダイアフラム(10)からの圧力を前記センシング部(40)へ伝達する圧力伝達部材(50)とを備える圧力センサにおいて、
    前記金属ケース(20)にはオイル(W)が流通するオイル通路(60)が設けられており、このオイル通路(60)を介して前記オイル(W)を前記金属ケース(20)の中空部に流通させることにより、前記受圧用ダイアフラム(10)および前記センシング部(40)の熱を前記オイル(W)を介して放熱するようにしたことを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記オイル通路(60)は、共に前記金属ケース(20)の側壁部の内部に設けられ前記金属ケース(20)の中空部と連通する第1の通路(61)および第2の通路(62)を備えるものであり、
    前記オイル(W)は、前記第1の通路(61)から前記中空部に導入され前記第2の通路(62)から導出されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記金属ケース(20)は、内部を前記オイル(W)が流通する取付部材(200)に取りつけられるものであり、
    前記オイル(W)は、前記取付部材(200)から前記第1の通路(61)を介して前記金属ケース(20)の中空部に導入され前記第2の通路(62)から再び前記取付部材(200)に戻るようになっていることを特徴とする請求項2に記載の圧力センサ。
  4. 前記金属ケース(20)は、前記他端部側にてハウジング(30)に固定され、このハウジング(30)を介して前記取付部材(200)に取り付けられるものであり、
    前記ハウジング(30)には、前記取付部材(200)内の前記オイル(W)を前記第1の通路(61)に送り込むための導入通路(71)と、前記第2の通路(62)から前記オイル(W)を前記取付部材(200)へ戻すための導出通路(72)とが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の圧力センサ。
  5. 前記オイル通路(60)の上流側には、前記金属ケース(20)の前記中空部に導入される前に前記オイル(W)を濾過するフィルタ(90)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  6. 前記第1の通路(61)の上流側には、前記オイル(W)を濾過するフィルタ(90)が設けられていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  7. 前記取付部材(200)はエンジンであり、前記オイル(W)は、前記エンジン(200)のエンジンオイルであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  8. 中空筒状の金属ケース(20)、前記金属ケース(20)の一端部側に設けられ圧力を受けて歪む受圧用ダイアフラム(10)、前記金属ケース(20)の他端部側に設けられたセンシング部(40)、および、前記金属ケース(20)の中空部に設けられ、前記受圧用ダイアフラム(10)からの圧力を前記センシング部(40)へ伝達する圧力伝達部材(50)を有する圧力センサ(100)と、
    内部をオイル(W)が流通する取付部材(200)とを備え、
    前記圧力センサ(100)の前記金属ケース(20)を前記取付部材(200)に設けられた取付穴(201)に挿入することにより、前記圧力センサ(100)を前記取付部材(200)に取り付けてなる圧力センサの取付構造において、
    前記金属ケース(20)には前記オイル(W)が流通するオイル通路(60)が設けられており、
    前記取付部材(200)と前記圧力センサ(100)との間は、前記取付部材(200)内の前記オイル(W)を前記オイル通路(60)へ送るためのオイル送り配管部材(81)、および、前記オイル通路(60)からの前記オイル(W)を前記取付部材(200)内へ戻すためのオイル戻し配管部材(82)によって接続されており、
    前記取付部材(200)内の前記オイル(W)を、前記オイル送り配管部材(81)から前記オイル通路(60)を介して前記金属ケース(20)の中空部を通り、前記オイル通路(60)から前記オイル戻し配管部材(82)を介して前記取付部材(200)へ戻るように流通させることにより、前記受圧用ダイアフラム(10)および前記センシング部(40)の熱を前記オイル(W)を介して放熱するようにしたことを特徴とする圧力センサの取付構造。
  9. 前記オイル通路(60)は、共に前記金属ケース(20)の側壁部の内部に設けられ前記金属ケース(20)の中空部と連通する第1の通路(61)および第2の通路(62)を備えるものであり、
    前記オイル(W)は、前記第1の通路(61)から前記中空部に導入され前記第2の通路(62)から導出されるようになっていることを特徴とする請求項8に記載の圧力センサの取付構造。
  10. 前記金属ケース(20)は、前記他端部側にてハウジング(30)に固定され、このハウジング(30)を介して前記取付部材(200)に取り付けられるものであり、
    前記オイル送り配管部材(81)および前記オイル戻し配管部材(82)は、それぞれ前記ハウジング(30)と前記取付部材(200)との間を接続しており、
    前記ハウジング(30)には、前記オイル送り配管部材(81)と前記第1の通路(61)との間を連通する導入通路(71)と、前記第2の通路(62)と前記オイル戻し配管部材(82)との間を連通する導出通路(72)とが設けられていることを特徴とする請求項9に記載の圧力センサの取付構造。
  11. 前記オイル通路(60)の上流側には、前記金属ケース(20)の前記中空部に導入される前に前記オイル(W)を濾過するフィルタ(90)が設けられていることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1つに記載の圧力センサの取付構造。
  12. 前記第1の通路(61)の上流側には、前記オイル(W)を濾過するフィルタ(90)が設けられていることを特徴とする請求項9または10に記載の圧力センサの取付構造。
  13. 前記取付部材(200)はエンジンであり、前記オイル(W)は、前記エンジン(200)のエンジンオイルであることを特徴とする請求項8ないし12のいずれか1つに記載の圧力センサの取付構造。
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