JP2008089004A - 転がり案内装置 - Google Patents

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竜二 古澤
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壽昭 角野
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    • F16C29/063Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load with a bearing body, e.g. a carriage or part thereof, provided between the legs of a U-shaped guide rail or track

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Abstract

【課題】高い剛性を付与して、転がり案内装置の移動部材を高い精度で軌道部材に対して円滑に移動させる。
【解決手段】断面略U字形の軌道部材7と、この側壁部70の内壁面7a間に挟まれて軌道部材に沿って移動する移動部材8とを備えた転がり案内装置に関し、移動部材8に、軌道部材7を保持する保持体40を設ける。そして、側壁部70に転走溝71を形成し、保持体40に転走溝71と対向する転走溝45を形成する。これら転走溝を第二の負荷転動体転走路として構成し、そこに転動体50を設ける。さらに、保持体40に、第2の転動体戻し通路を設け、前記第二の負荷転動体転走路と、この前記第2の転動体戻し通路とを接続せしめ、第2の方向変換路を設ける。そして、転動体50をこれらの内部で無限循環させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、断面略U字形の軌道部材と、この軌道部材内に転動体を介して往復動自在に設けられた移動部材とを備える転がり案内装置に関する。
従来から、断面略U字形のアウタレールと、このアウタレール内に転動体を介して移動自在に設けられたインナブロックとを備える転がり案内装置が知られている。
本願特許出願人も、例えば、特許文献1や特許文献2に示すように、これまでに転がり案内装置の発明については種々開示している。まず、これら特許文献により開示した転がり案内装置の構造について、図15に基づいて略説する。アウタレール1の対向する一対の内壁面1a,1aそれぞれには、上下に2条のボール転走溝1b,1bが形成される。一方、アウタレール1内に設けられるインナブロック2の両側面には、アウタレール1のボール転走溝1b,1bに対向する負荷転走溝2c,2cが形成され、互いに対向するボール転走溝1b,1bと負荷転走溝2c,2cの間には複数のボール3…が転がり運動可能に介在されている。なお、インナブロック2は、アウタレール1の長手方向に沿って延びるねじ軸4の回転に伴って、アウタレール1に沿って移動される。
他方、上部が開口された軌道部材と、その内側に嵌め込まれ、軌道部材の軸方向に沿って移動する移動部材と、軌道部材の軸方向に延びて、移動部材の中央を貫通する送りねじとを備え、移動部材が軌道部材の長手方向に沿って移動するスライド支持装置としては、特許文献3に開示されたものがある。
この特許文献3に開示のスライド支持装置について、特許文献3に記載の文言を用いて略説すると、角筒状基台1は、その内側に内部通路3が長手方向に沿って形成され、上部の開口部2はこの内部通路3よりも幅が狭められるようにして形成されている。そして、内部通路3を移動する摺動体8は、その横断面における4隅において、角筒状基台1と、
この摺動体8の間に介在されたローラータイプのスライドベアリング10により角筒状基台1の内側に支持されている。また、角筒状基台1の開口部2の外面には、長手方向に沿ってローラー案内溝7が形成されている。
さらに、摺動体8の上部には、工作機械などを支持するための支持台12が設けられている。この支持台12の下面には、開口部2の両側に配されるようにしてローラー14が取り付けられている。このローラー14は、その内側の端部が、開口部2の外面に形成されたローラー案内溝7の内部に挿入され、このローラー案内溝7に沿って案内されるように構成されている。
これら特許文献1及び特許文献2に開示の転がり案内装置及び特許文献3に開示のスライド支持装置のいずれもが、最小のスペースで、高剛性、高精度なアクチュエータ機能が要求される。
特公平8−18209号公報 特開2003−74551号公報 実開昭63−79129号公報
上記特許文献1及び特許文献2に開示の転がり案内装置では、アウタレールが、断面略U字形をなしているため、極めて高い剛性を備えている。この点は特許文献3に開示のスライド支持装置についても同様であると推測できる。
本願特許出願人は、転がり案内装置の剛性を増大させて、転がり案内装置の性能を向上させるために、これまでに、さらなる研究を進めてきた。
なお、特許文献3に開示のスライド支持装置では、開口部の両側にローラーを設けているが、このローラーの機能は、その取付状態からみて、その周面をローラー案内溝に接地させて支持台を角筒状基台の側部に対して支持させる程度にすぎず、開口部が開いてしまうことを阻止する機能は到底期待できない。仮に、ローラーが開口部の開き現象を阻止したとしても、ローラーの端部がローラー案内溝の溝底に擦れてしまい、摺動体の円滑な移動が阻害される。
そこで、本発明は、移動部材の軌道部材に対する円滑かつ高い精度での移動を維持しつつ、これまで以上に高い剛性を有する転がり案内装置を提供することを目的とする。
本発明では、かかる問題点を解決するために、互いに対向する側壁部(70,76)及び底部によって上部の開口された断面略U字形の軌道部材(7,75)と、前記側壁部(70,76)の内壁面(7a)間に挟まれる移動部材(8,80)とを備え、前記軌道部材(7,75)の内壁面(7a)と前記移動部材(8,80)の外側面とには、相互に対向する転走溝(11,19)が形成され、この転走溝(11,19)の協働により転動体(28)を転走せしめる負荷転動体転走路(A)が設けられ、前記移動部材(8,80)には、前記転動体(28)を循環させるために、前記負荷転動体転走路(A)から所定間隔を隔てて平行に延びる転動体戻し通路(B)、及び前記負荷転動体転走路(A)と前記転動体戻し通路(B)間を接続する方向転換路(C)とが設けられる転がり案内装置において、前記移動部材(8,80)には、前記軌道部材(7,75)の開口の一部を覆うように保持体(40,90)が設けられ、前記保持体(40,90)と前記側壁部(70,76)とには、相互に対向される転走溝(45,71,79,95)が形成され、この転走溝(45,71,79,95)の協働により転動体(50,110)を転走させる第二の負荷転動体転走路が形成され、前記保持体(40,90)には、転動体(50,110)を循環させるために、各第二の負荷転動体転走路と平行に延びる第二の転動体戻し通路と、この第二の転動体戻し通路の端部と前記第二の負荷転動体転走路の端部とを連続させて転動体の進行方向を変換せしめる第二の方向転換路部とがそれぞれ形成された転がり案内装置を採用した。
本発明では、この転がり案内装置において、前記保持体(40,90)は、天面部(42,92)と、この天面部(42,92)の両側にて前記側壁部(70,76)と平行に配された側面部(44,94)とを有し、前記側壁部(70,76)の各外壁面(7b,76b)と、前記側面部(44,94)における前記外壁面(7b,76b)と対向する各内面とには、前記第二の負荷転動体転走路を構成する、相互に対向された前記転走溝(45,71,79,95)がそれぞれ形成され、前記保持体(40,90)が、前記側壁部(70,76)の外側から前記軌道部材(75)を挟むことを特徴とする。
なお、本発明では、かかる転がり案内装置に関して、前記軌道部材(75)の各側壁部(76)は、前記移動部材(80)よりも上側の側壁上部(78)が、この軌道部材(75)の中心側に屈曲されて側壁部(76)同士の間隔が狭められ、前記第二の負荷転動体転走路は、前記側壁上部(78)に対応する位置に設けられる転がり案内装置を採用することもできる。
この場合において、前記移動部材(80)には、その上面から上方に突出し、前記保持体(90)の天面部(92)を前記軌道部材(75)の側壁部(76)の上端よりも上側に配置させる連接部(85)が設けられる。
なお、かかる転がり案内装置においては、前記移動部材(80)と前記保持体(90)とは一部材で形成してもよい。
その一方で、前記移動部材(8)と前記保持体(40)とを別部材で構成し、前記保持体(40)は、固着部材によって前記移動部材(8)に対して着脱可能に取り付けられるように構成しても良い。
本発明の転がり案内装置では、保持体が、軌道部材を保持する構成を採用したことから、転がり案内装置の剛性、とりわけ軌道部材の剛性を増大させる。即ち、保持体が軌道部材の幅方向に関する変形を効果的に阻止する。
また、保持体が天面部とその両側に配される側面部とを有し、この保持体の側面部で軌道部材の側壁部を外側から挟み込んで保持する構成を採用すれば、移動部材に作用した負荷が転動体を介して軌道部材に伝達されても、保持体が軌道部材の側壁部の外側への変形を阻止する。
このように、剛性が増大されて、軌道部材の側壁部の変形が阻止されることにより、負荷転動体転走路において、軌道部材の転走溝及び移動部材の転走溝に対する転動体の接地面圧をほぼ一定に維持できる。これにより、転動体の負荷転動体転走路に対する滑りを生じさせることなく転動体を転走させることができ、移動部材を軌道部材に沿って高い精度で移動させることができる。
さらに、転動体の負荷転動体転走路に対する滑りを発生させないため、負荷転動体転走路から粉塵が発生することもない。このため、極めて高い清浄度を要求されるクリーンルームで本発明にかかる転がり案内装置を使用した場合に、当初の清浄度を長期間にわたり維持することができる。
なお、移動部材と保持体とを別部材で構成し、保持体を移動部材に対して着脱可能となる構成を採用すれば、移動部材に保持体を取り付け用の加工を施すと共に、軌道部材に転走溝を追加工するなど、既存の転がり案内装置に若干の加工を施すだけで、本発明にかかる転がり案内装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1ないし図4は、本発明の一実施形態における転がり案内装置を含むリニアアクチュエータの要部を示す。断面略U字形の軌道部材と、この軌道部材内に設けられて、軌道部材の長手方向に沿って移動する移動部材とを備えた転がり案内装置が本発明の適用の対象である。この転がり案内装置に移動部材を駆動する駆動手段を付加したものをリニアアクチュエータを称している。
図1はリニアアクチュエータの要部の斜視図(一部断面を含む)を示し、図2は分解斜視図、図3は平面図、図4は側面図を示す。リニアアクチュエータは、上部の開口された断面略U字形の軌道部材としてのアウタレール7と、アウタレール7内に設けられ、両側面にガイド部、中央にボールねじ部を一体構造にした移動部材としてのインナブロック8とを備えている。さらに、このリニアアクチュエータは、インナブロック8の上面に取り付けられて、アウタレール7を保持するホルダ40が設けられている。
このリニアアクチュエータでは、インナブロック8に螺合させたねじ軸9を図示しない電動モータ等の駆動源で回転させると、インナブロック8が、ホルダと共にアウタレール7に沿って直線運動する。このようなリニアアクチュエータは、ガイド部とボールねじ部とが一体構造にされているので、最小のスペースで、高剛性、高精度のアクチュエータ機能を有する。
まず、リニアアクチュエータのガイド部について説明する。アウタレール7は、断面略U字形状で、平行する一対の側壁部70,70と、これら側壁部70,70の下部同士を連絡する底部72とからなり、その上部が開口されている。側壁部70,70の相互に対向する内壁面7a,7aには、凹溝10,10が全長にわたって形成されており、各凹溝10の上下角部に、転動体転走路としての2条のボール転走溝11,11が形成されている。すなわち、ボール転走溝11…は、アウタレール7の一対の内壁面7a,7aの上下に2条ずつ合計4条設けられる。このボール転走溝11…は、断面がボールの半径よりも若干大きい曲率を有する単一の円弧、所謂サーキュラーアーク溝からなる。図3及び図4に示すように、アウタレール7の長手方向の両端には、ねじ軸9を回転自在に支持するハウジング13,14が設けられる。ハウジング13,14とアウタレール7とはボルト等の結合手段によって結合される。ハウジング13には、駆動源が取り付けられ、駆動源の出力軸とねじ軸との間には継手が介在される。
また、一対の側壁部70,70の外壁面7b,7bには、アウタレール7の長手方向に沿って延びるボール転走溝71,71がそれぞれ形成されている。これらのボール転走溝71,71は、側壁部70,70の相対的に上側、具体的には、内壁部7a,7aに形成された上側のボール転走溝11,11とほぼ同位置にそれぞれ形成される。
図1及び図2に示すように、アウタレール7の内壁面7a,7aにはインナブロック8が挟まれる。インナブロック8は、ブロック本体15と、ブロック本体15に組み込まれる樹脂成形体(戻し通路構成部材16…及び保持部材17,17)と、ブロック本体15の両端面に装着されるエンドプレート18,18とを備える。
ブロック本体15の両側面には、アウタレール7のボール転走溝11…に対向する上下2条の負荷転動体転走溝としての負荷ボール転走溝19…が形成される。すなわち、負荷ボール転走溝19…は、ブロック本体15の両側面の上下に2条ずつ合計4条設けられる。この負荷ボール転走溝19…も、断面がボールの半径よりも若干大きい曲率を有する単一の円弧、所謂サーキュラーアーク溝からなる。アウタレール7のボール転走溝11…とインナブロック8の負荷ボール転走溝19…との間に、ボールを循環させるボール循環路(転動体循環路)の一部となる負荷ボール転走路が形成される。
図5は、リニアアクチュエータの断面図を示す。この図に基づいて、ボール列の接触角線について説明する。ここで、ボール列の接触角線とは、アウタレール7のボール転走溝11とボールとの接点と、インナブロック8の負荷ボール転走溝19とボールとの接点とを結んだ線を意味する。このリニアアクチュエータでは、4条の負荷ボール転走路が設けられているので、4本の接触角線が存在する。上側の2本の接触角線L1は、アクチュエータの中心から外側に向けて斜め上方を向くように例えば45度水平方向から傾斜され、下側の2本の接触角線L2は、アクチュエータの中心から外側に向けて斜め下方を向くように例えば45度水平方向から傾斜されている。これにより、ラジアル方向(下方向)、逆ラジアル方向(上方向)、横方向(左右いずれの方向も含む)の4方向の荷重を負荷できるリニアアクチュエータが得られる。
図1及び図2に示すように、ブロック本体の左右には、上下2条の負荷ボール転走溝19,19から所定間隔を隔てて平行に延びる2条の貫通孔21,21が形成される。この貫通孔21…には、ボール戻し通路を構成する樹脂製の戻し通路構成部材16…が挿入される。この戻し通路構成部材16…には、その軸線方向に延び、後述するリテーナの帯状部材を案内するための案内溝16a(案内部)が形成される(図5参照)。
インナブロック8には、負荷ボール転走路とボール戻し通路とを接続して、ボールを循環させるU字パイプ状の方向転換路が設けられる。これら負荷ボール転走路、方向転換路、及びボール戻し通路によってサーキット状のボール循環路が構成される。このボール循環路はインナブロックの左右に2条ずつ合計4条形成される。各ボール循環路は一平面内に形成され、ボールがボール循環路内を2次元的に循環する。そして、このボール循環路には、全周に渡りリテーナの帯状部材を案内するための案内部が設けられている。
方向転換路の外周側は、方向転換路外周側構成部材としてのエンドプレート18に形成され、方向転換路の内周側は、方向転換路内周側構成部材としての保持部材17に形成される。これらのエンドプレート18及び保持部材17を組み合わせることによって、方向転換路における、リテーナの帯状部材を案内するための案内溝(案内部)が形成される。
図6ないし図8は保持部材を示す。保持部材17は、負荷ボール転走溝19の両側縁に沿って延び、アウタレール7からインナブロック8を外した際にアウタレールからリテーナに保持されたボールが脱落するのを防止する保持部24と、保持部24の長手方向の両端に設けられ、方向転換路の内周側を構成する方向転換路内周側構成部25…と一体に備える。この保持部材17をブロック本体15に取り付けると、ブロック本体15の外側面と協働してリテーナの帯状部材を案内するための案内部26…(案内溝)が形成される。
保持部24は、下側のボール循環路に充填されるリテーナの下側を保持するための第1保持部24cと、下側のボール循環路に充填されるリテーナの上側を保持すると共に上側のボール循環路に充填されるリテーナの下側を保持するための第2保持部24bと、上側のボール循環路に充填されるリテーナの上側を保持するための第3保持部24aとからなる。各方向転換路内周側構成部25は、半円の略円弧状に形成される。
これら保持部材17,17、戻し通路構成部材16…及びエンドプレート18,18それぞれは、ブロック本体15とは別体に樹脂で成形され、ブロック本体15に組み込まれる。
図2に示すように、各ボール循環路には、リテーナ27に回転・摺動自在に保持された複数のボール28…が充填される。リテーナ27は、ボール間に介在される複数のスペーサ30…と、このスペーサ30…の両側縁を一連に連結する帯状部材31,31とを備える(図10参照)。スペーサ30…は円筒状に形成され、その円筒の外径はボール28…の直径よりも小さく設定される。各スペーサ30の軸線方向の両端には、ボール28に対応して該ボール28の半径と略等しい曲率半径の曲面状凹部としての球面凹部30a,30aが形成されている。スペーサ30…をボール28…の間に配置すると、スペーサ30…の軸線はボール28…の中心を結ぶ線上に位置する。スペーサ30…は、ボール28…同士の距離が必要最小限になるように、軸線方向の長さが薄く設定される。
帯状部材31,31は、厚みが一定であり、スペーサ30の側面の両側に接続されている。この帯状部材31,31は、方向転換路にも柔軟に対応できるように可撓性を有する。帯状部材31,31とボール28との干渉位置には、ボール28の半径と略等しい曲率半径を有する切り込みが形成されている。帯状部材31,31はボール28…の両側縁よりも突出していて、この突出部分がボール循環路に設けられた案内部に案内される。また、帯状部材31,31の長手方向の両端の角には丸み31a…がつけられている。スペーサ30…及び帯状部材31,31は合成樹脂等を素材とし、射出成形等によって一体に形成される。
次に、リニアアクチュエータのねじ部について説明する。図1に示すように、インナブロック8の中央部にはねじ軸9が貫通している。ねじ軸9の外周面には、螺旋状のねじ軸用転動体転走路としてのねじ軸用ボール転走溝9aが形成される。このねじ軸用ボール転走溝9aの断面形状は、ねじ軸用のボール33の半径よりも若干曲率半径の大きい2つの円弧からなるゴシックアーチに形成される。一方、ブロック本体15の貫通孔にもねじ軸用ボール転走溝9aに対応するねじ軸用負荷転動体転走路としてのねじ軸用負荷ボール転走溝15aが形成される。このねじ軸用負荷ボール転走溝15aの断面形状もボール33の半径よりも若干大きい曲率半径の2つの円弧からなるゴシックアーチに形成される。ねじ軸9のねじ軸用ボール転走溝9aとブロック本体15の負荷ボール転走溝15aとの間でボール循環路の負荷転走路が構成される。
ねじ軸9のねじ軸用ボール転走溝9aとボール33とは2点で接触し、ブロック本体15のねじ軸用負荷ボール転走溝15aとボール33とも2点で接触する。すなわち、ボール33は合計4点でねじ軸9のねじ軸用ボール転走溝9a及びブロック本体15のねじ軸用負荷ボール転走溝15aに接触する。与圧を与える方式としては、ねじ軸9とブロック本体15との間の隙間よりも若干径の大きいオーバーサイズのボールが充填される所謂オーバーサイズ方式が採用される。
インナブロック8には、ねじ軸用ボール転走溝9aとねじ軸用負荷ボール転走溝15aとの間を転がるボールを循環させるためのリターンパイプ34が設けられる。このリターンパイプ34によって、負荷転走路の一端と他端とを連通するねじ軸用ボール戻し通路(ねじ軸用転動体戻し通路)が形成される。
リターンパイプ34は、円形断面をなし、両端部が本体部分に対して約90°折り曲げられ、略門型形状に形成されている。両脚部は平行ではなく、各々の指向方向はリード角に応じて捻れている。リターンパイプ34の両端部には、負荷転走路を転がるボールを掬い上げるための切り口が形成されている。リターンパイプ34の両側部は上記負荷転走路内に数ピッチの間隔を空けて、嵌入される。また、このリターンパイプ34はインナブロック8の下面、すなわちアウタレール7の上面に対向する側に設けられ、パイプ押えによってインナブロック8に固定される。リターンパイプ34をインナブロック8の下面側に設けることで、インナブロック8の上面側が自由に使え、テーブル等の組み付けが容易になる。
負荷転走路には、ねじ軸用の複数のボール33…が充填される。複数のボール33…間には、互いに分離される複数のスペーサ35…が介在される。スペーサは円筒状に形成され、その円筒の外径はボール33…の直径よりも小さく設定され、その軸線方向の長さはビール33…の直径よりも小さく設定される。スペーサ35の軸線方向の両端には、ボール33に対応して該ボール33の半径と略等しい曲率半径の曲面状凹部としての球面凹部が形成されている。スペーサ35…をボール33…の間に配置すると、スペーサ35…の軸線はボール33…の中心を結ぶ線上に位置する。スペーサ35…は、ボール33…同士の距離が必要最小限になるように、その軸線方向の長さが薄く設定される。
ねじ軸9を回転させると、負荷転走路内を荷重を受けながら周方向に転がるボール33…は、リターンパイプ34の両端部の先端で掬い上げられる。掬い上げられたボール33…は、リターンパイプ36内を通過し、数ピッチ間隔を隔てた両端部の先端から、再び負荷転走路に戻される。ねじ軸9の回転方向を反転すると、ボール33…はこの逆の経路を辿って循環する。
図9は、ねじ部のボール循環路内に収納されているボール33…及びスペーサ35…を示す。図10は、ガイド部のボール循環路に収納されているボール28…及びリテーナ27を示す。ガイド部及びねじ部において、充填されるボール33…,28…間にボール33…,28…の曲面に対応した凹部を有するスペーサ35…,30…をいれることで、金属製のボール同士の金属接触が防止され、低発塵及び低騒音を実現できる。
図10に示すように、ガイド部のボール循環路ではボール28…は平面内で2次元的な運動をする。すなわち、直線状の負荷転走路A⇒U字状の方向転換路B⇒直線状の戻し通路C⇒U字状の方向転換路Bにおいて循環する。方向転換路Bにおいて、リテーナ27の帯状部材31が自在に屈曲する。ガイド部に充填される複数のスペーサ30…を帯状部材で一連に繋いだので、ボール28…が一定の軌道内を循環し、ボール28…とその周囲の循環通路との不要な接触が防止される。また、帯状部材31がボール循環路に設けた案内部によって案内されるので、帯状部材31がより一定の軌道内を循環し、帯状部材31に連結される複数のスペーサ30…及び複数のスペーサ30…間に介在されるボール28…もより一定の軌道内を循環する。
特に、戻し通路構成部材16…、保持部材17…及びエンドプレート18,18を金属製のブロック本体とは別体の樹脂で成形することにより、ガイド部において、金属接触するのが負荷転走路に限られる。このため、より発塵を抑えることができる。
一方、図9に示すように、ねじ部の負荷転走路Dは螺旋状に形成され、しかも、ボール戻し通路E(リターンパイプ)は、上述のように、ボール33…の進行方向周りの捻れを有する。つまり、ねじ部においては、ボール33…及びスペーサ35…は三次元的に方向転換し、複雑な態様で運動する。複数のスペーサ35…を帯状部材で繋ぐことなく、分離させることで、ボール33…とその周囲の循環通路との不要な接触が防止される。また、ねじ部において、従来のようなスペーサボールの代わりに、ボール33…の曲面に対応する曲面状凹部を両端に有するスペーサ35…を充填することで、スペーサボールを使用する場合に比べボール間の距離を短くすることができる。このため、負荷を受けられるボール33…の数が少なくなることもない。
次にホルダ40について説明する。
このホルダ40は、インナブロック8の上面に対して着脱自在に取り付けられて、アウタレール7を両サイドから挟み込む部材である。ホルダ40は、図11に示すように、断面略U字状となされ、天面部42と、その両側に配された一対の側面部44,44とから構成され、下部が開口されている。
まず、ホルダ40を構成するホルダ本体41について説明する。ホルダ本体41の天面部42には、その板厚を貫通する取付孔42a…が4ヶ所形成されていて、これらの取付孔42a…にボルトが通されて、インナブロック8に着脱自在に取り付けられる。天面部42の内面には、その幅方向の中央部に、長手方向に延びる取付溝43が形成されている。この取付溝43の幅は、インナブロック8の上面に形成されている二つの突起部の外側端同士の間隔とほぼ一致するように形成され、ホルダ40をインナブロック8に装着した際に、二つの突起部がこの取付溝43の内側に嵌め込まれる。
各側面部44,44の内面には、ボール転走溝45,45が、長手方向に沿ってホルダ本体41の全長にわたりそれぞれ1条ずつ形成されている。このボール転走溝45,45は、アウタレール7の外壁面7b,7bに形成されたボール転走溝71,71と対向され、両者が協働して第二の負荷転動体転走路を構成するものである。このボール転走溝45,45には樹脂製の保持部材48,48が取り付けられる。また、各側面部44,44の板厚方向の中央部には、ボール転走溝45,45と平行をなす貫通孔46,46がホルダ本体41の全長にわたりそれぞれ形成されている。この貫通孔46,46は、第二の負荷転動体転走路を転送したボール50…を逆方向に転走せしめる第二のボール戻し通路を構成するものであり、その内部に樹脂により成型された管状の戻し通路構成部材49,49がそれぞれ挿入される。なお、この戻し通路構成部材49にも、その軸方向に延びる案内溝49a,49aが形成される。この案内溝49a,49aの内部には帯状のリテーナ51の両側部がそれぞれ挿入され、リテーナ51により連結されたボール50…を第二のボール戻し通路に沿って案内させている。
そして、ホルダ本体41の長手方向の両端には、側面部44,44の内面に形成されたボール転走溝45,45と、板厚方向の中央に形成された第二のボール戻し通路として形成される貫通孔46,46とを接続し、ボール50…の転走方向を逆転させる第二の方向転換路がそれぞれ設けられる。この第二の方向転換路はU字のパイプ状をなし、その内周側がホルダ本体41に取り付けられる保持部材48,48の両端に形成された方向転換路内周側構成部48a,48aにより構成され、外周側は、エンドプレート47に形成された溝47a,47aにより構成される。
このエンドプレート47は、その外形が、ホルダ本体41の断面形状と同形に形成され、ホルダ本体41の天面部42に対応する部位と、天面部42の両側に配された側面部44,44に対応する部位とから構成されて、その正面視が略U字となされている。これらエンドプレート47の内面には、方向転換路の外周側をなす溝47a,47aが形成されている。
このように、ホルダ40には、側面部44に形成されたボール転走溝45,45及びアウタレール7の外壁面7bのボール転走溝71により構成される第二の負荷転動体転走路、この第二の負荷転動体転走路と平行に延び、側面部44,44の板厚方向の中央部に形成された貫通孔46,46からなる第二のボール戻し通路、及びホルダ40の両端にて第二の負荷転動体転走路と第二のボール戻し通路とを接続する第二の方向転換路によりボール50…がエンドレスに循環されるサーキット状のボール循環路が形成される。そして、このボール循環路には、リテーナ51により直列に整列・保持され複数のボール50…が循環される。
次に、図5を再度参照して、以上の構成を有するホルダ40がアウタレール7を保持する態様について説明する。
図5に示すように、インナブロック8の上面に形成された突起部が、ホルダ40の天面部42の内面に形成された取付溝43の内側に嵌め込まれる。この際、天面部42に形成された取付孔42a…がインナブロック8の突起に形成されたねじ穴に一致され、天面部42の外側からこれら取付孔42a…及びねじ穴にボルトが通されて、このボルトによって、ホルダ40がインナブロック8の上面に着脱可能に取り付けられる。
ホルダ40がインナブロック8に取り付けられた状態では、ホルダ40の側面部44,44の内面に形成されたボール転走溝45,45と、アウタレール7の外壁面7bに形成されたボール転走溝71とがそれぞれ対向される。第二の負荷転動体転走路は、これら対向された2つのボール転走溝45,71により形成される。そして、第二の負荷転動体転走路の内部にはリテーナ51で連結された複数のボール50…が設けられる。ホルダ40は、このボール50…を介してアウタレール7の外側からアウタレール7を挟み込んで保持する。なお、このボール50…は、第二の負荷転動体転走路、第二のボール戻し通路、及び第二の方向転換路により構成されるボール循環を無限循環する。
このようにして取り付けられたホルダ40は、その上に工作機械など、種々の装置が取り付けられる支持台としても機能する。
以上のように、ボール50…を介してホルダ40がアウタレール7を保持すると、このホルダ40が、リニアアクチュエータの剛性を増大させる。とりわけ、アウタレール7の側壁部70,70が外側に向けて開こうとする変形を効果的に阻止する。図12を参照して、このアウタレール7の変形が阻止される様子を説明する。インナブロック8にホルダ40の天面部42を介して負荷がかかると、この負荷は、ボール28…を介してインナブロック8からアウタレール7の側壁部70,70に伝達される。側壁部70,70に伝達される負荷は、側壁部70,70を外側に向けて押し出して、側壁部70,70の下部を支点として開口された上部を開かせようとする。しかし、ホルダ40は、アウタレール7をその外側からボール50…を介して挟み込んでいるため、アウタレール7のかかる変形がホルダ40により効果的に阻止される。このため、負荷ボール転走路を転動するボール28…のボール転走溝11,19に対する接地面圧を常に一定に維持でき、ボール28…のボール転走溝11,19に対する滑りを発生させることなく高い精度でインナブロック8をアウタレール7に沿って移動させることができる。
なお、このホルダ40は、次のような作用効果をも有する。
リニアアクチュエータを、その幅方向を縦に配置して使用する場合、図13に示すように、リニアアクチュエータには、装着される装置の重量Fによりモーメントを受ける。リニアアクチュエータがモーメントを受けると、アウタレール7の側壁部70,70のうち、下側に配された側壁部70には、インナブロック8、及びボール28…を介して、モーメントが伝達される。そうすると、下側の側壁部70は外側に開こうとする。
しかし、このリニアアクチュエータでは、ホルダ40がアウタレール7の側壁部70,70をその外側から挟み込むようにして保持しているため、モーメントを受ける下側の側壁部70の変形がホルダ40により阻止される。このため、上側に位置する負荷ボール転走路と、下側に位置する負荷ボール転走路とについて、ボール28…のボール転走溝11,19に対する双方の接地面圧を等しくすることができ、インナブロック8をアウタレール7に沿って高い精度で移動させることができる。
上述したリニアアクチュエータの組立方法について図2を参照して説明する。まず、ブロック本体15にねじ軸9を挿入し、ねじ軸9とブロック本体15との間にボール33…及びスペーサ35…を交互に充填する。リターンパイプ34にもボール33…及びスペーサ35…を充填し、リターンパイプ34をブロック本体15に取り付ける。これにより、ブロック本体15とねじ軸9との組み付けが完了する。
次に、ブロック本体15の貫通孔21…に戻し通路構成部材16…を挿入し、ブロック本体15の両側面に保持部材17,17を組み付ける。そして、ブロック本体15の一端面にエンドプレート18を取り付ける。次に、リテーナ27によって整列・保持されたボール28…をエンドプレート18の装着側とは反対側からガイド部のボール循環路に挿入する。そして、残りのエンドプレート18をブロック本体15の他端面に組み付ける。最後に、インナブロック8をアウタレール7内に挿し込み、ねじ軸の両端を支持するハウジング13,14をアウタレール7の両端に固定する。
なお、転動体としてはボールのみならず、円筒状のローラを使用することができる。
その後、インナブロックの上面にホルダ本体41を装着する。ホルダ本体41には、予め、ボール転走溝45,45に保持部材48,48を、貫通孔46,46に戻し通路構成部材49,49をそれぞれ取り付けておくと共に、一端にはエンドプレート47を取り付けておく。装着の際、インナブロックの上面に形成されている突起をホルダ40の天面部42に形成されている取付溝43の内側に嵌め込ませ、取付孔からボルトを通してボルト締めする。
次いで、ホルダ本体41のエンドプレート47が取り付けられていない端部からリテーナ51によって整列・保持されたボール50…をボール循環路に挿入する。そして、ホルダ本体41に残りのエンドプレート47を取り付けて完成させる。
以上、ホルダがインナレールと別体として構成されたものを例に説明したが、図14に示すように、ホルダとインナブロックとを一部材で形成してもよい。
図14に示すリニアアクチュエータについても、上部の開口された断面略U字形の軌道部材としてのアウタレール75と、アウタレール75内に設けられ、両側面にガイド部、中央にボールねじ部を一体構造にした移動部材としてのインナブロック80とを備えている。そして、このリニアアクチュエータでは、インナブロック80とホルダ90とが一部材により一体に形成されている。
まず、アウタレール75について説明する。アウタレール75は、上部が開口されて断面略U字形状に形成され、平行する一対の側壁部76,76と、これら側壁部76,76の下部同士を連絡する底部74とから構成されている。側壁部76,76には、屈曲部77,77が設けられ、この屈曲部77,77より上側をなす側壁上部78,78は、屈曲部77,77の下側をなす胴部75Aに比して中心側に寄せられて間隔が狭められている。この屈曲部77,77は、図14から明らかなように、アウタレール75の内部に配置されるインナブロック80のブロック本体80Aよりも上側に形成される。側壁部76,76の相互に対向する内壁面76a,76aには、屈曲部77,77の下側をなす胴部75Aに、凹溝76cが全長にわたって形成されており、各凹溝76cの上下角部に、転動体転走路としての2条のボール転走溝73…がそれぞれ形成されている。これらのボール転走溝73…も、所謂サーキュラーアーク溝からなる。なお、このアウタレール75についても、長手方向の両端には、ねじ軸を回転自在に支持するハウジング(不図示)が設けられる。そして、各側壁部76,76の外壁面76b,76bには、屈曲部77,77の上側をなす側壁上部78,78にアウタレール75の長手方向に沿って延びるボール転走溝79,79がそれぞれ形成されている。
次にインナブロック80について説明する。このこのインナブロック80は、アウタレール75の胴部75Aにおいて、側壁部76,76の内壁面76a,76aに複数のボール100…を介して挟まれる。なお、このインナブロック80も、ブロック本体80Aと、ブロック本体80Aに組み込まれる樹脂成形体(不図示)と、ブロック本体80Aの両端面に取り付けられるエンドプレート(不図示)とを備える。
ブロック本体80Aの横断面の4隅には、アウタレール75のボール転走溝73…に対向する負荷転動体転走溝としての負荷ボール転走溝81…がそれぞれ形成される。この負荷ボール転走溝81…も、所謂サーキュラーアーク溝からなる。アウタレール75のボール転走溝73…とインナブロック80の負荷ボール転走溝81…との間には、ボール100…を循環させるボール循環路(転動体循環路)の一部となる負荷ボール転走路が形成される。なお、このリニアアクチュエータについても、上側の2本の接触角線は、アクチュエータの中心から外側に向けて斜め上方を向くように例えば45度水平方向から傾斜され、下側の2本の接触角線は、アクチュエータの中心から外側に向けて斜め下方を向くように例えば45度水平方向から傾斜される。さらに、ブロック本体80Aの左右には、上下2条の各負荷ボール転走溝81…から所定間隔を隔てた内側に、平行に延びる2条の貫通孔82…が形成されている。これら貫通孔82…は、その内部に樹脂製の戻し通路構成部材が挿入されて、ボール戻し通路が構成される。
なお、このインナブロック80についても、その両端には、エンドプレートが装着されて負荷ボール転走路とボール戻し通路とを接続して、ボール100…を循環させるU字パイプ状の方向転換路が設けられる。これにより、負荷ボール転走路、ボール戻し通路及び方向転換路によりボール100…を無限循環せしめるボール循環路が形成される。
一方、ブロック本体80Aの中央部には貫通孔83が形成され、その内部にねじ軸(不図示)が貫通される。インナブロック80は、このねじ軸によりアウタレール75の長手方向に沿って移動される。
そして、このインナブロック80には、ブロック本体80Aの上部から上方に向けて延びる連接部85が形成されており、ホルダ90は、この連接部85を介してブロック本体80Aと一体に形成される。
連接部85は、ブロック本体80Aの上部から、アウタレール75の上部をなす側壁上部78,78の間を貫通するようにしてアウタレール75の上側まで延びている。連接部85の幅は、側壁上部78,78の内壁面76a,76a同士の間隔よりも狭く形成され、連接部85の側面と側壁上部78,78の内壁面76a,76aとの間には一定の隙間が形成されている。
この連接部85によりブロック本体80Aと連接されたホルダ90は、アウタレール75を両サイドから挟み込んで保持する。ホルダ90は、その天面部92の内面が連接部85により支持されて、天面部92がアウタレール75の上端との間に一定の隙間を形成して、アウタレール75の上方にて水平に配される。また、天面部92の両側には、下側に向けて延びる側面部94,94がそれぞれ配されている。これら側面部94,94は、アウタレール75の側壁部76,76に設けられた屈曲部77,77のやや上側まで延びており、側壁上部78,78と平行をなしている。
この側面部94,94の内面には、側壁上部78,78に形成されているボール転走溝79,79と対向するボール転走溝95,95がホルダ90の長手方向に延びるようにして形成されている。これら側壁上部78,78に形成されたボール転走溝79,79と、側面部94,94に形成されたボール転走溝95,95とは、相互に協働して第二の負荷転動体転走路を構成する。また、側面部94,94の板厚方向の中央には、ホルダ90の長手方向に延びる貫通孔96,96が形成されている。なお、この貫通孔96,96には、図示しない樹脂製の戻し通路構成部材が挿入され、第二の負荷転動体転走路を転送したボール110…を逆向きに転送させる第二のボール戻し通路として構成される。また、ホルダ90本体の長手方向の両端には、側面部94,94の内面に形成されたボール転走溝と板厚方向の中央に形成された第二のボール戻し通路として形成される貫通孔とを接続し、ボールの転走方向を逆転させる、U字パイプ状の第二の方向転換路(不図示)がそれぞれ設けられる。この第二の方向転換路に関しても、その内周側がホルダ90本体により構成され、外周側は、後述する方向転換路外周側構成部材としてのエンドプレートにより構成される。
このように、このホルダ90についても、第二の負荷転動体転走路、第二のボール戻し通路、及び第二の方向転換路によりボールがエンドレスに循環されるボール循環路が形成される。そして、ボール循環路には、リテーナより直列に整列・保持された複数のボール110…が設けられる。ホルダ90は、これら複数のボール110…を介してアウタレール75の側壁部76,76を構成する側壁上部78,78をその外側から挟み込んで保持する。
この実施形態にかかるリニアアクチュエータによっても、剛性の増大を図ることができ、とりわけ、ホルダ90が、アウタレール75の側壁部76,76の開きを阻止して、インナブロック80を高い精度でアウタレール75に沿って移動させることができる。
以上、アウタレールの側壁部に屈曲部を有しないリニアアクチュエータについては、インナブロックに対してホルダが着脱自在に構成されたもの、屈曲部を有するリニアアクチュエータについては、インナブロックとホルダとが一部材で一体に形成されたものを例に説明したが、これには限定されない。これらとは逆に、屈曲部を有しないリニアアクチュエータについて、インナブロックとホルダとを一部材で一体に形成し、屈曲部を有するリニアアクチュエータについて、インナブロックに対してホルダを着脱自在に構成しても良い。
また、ホルダがアウタレールを側壁部の外側から挟み込んで保持する構造のものを例に説明したが、保持しない構成としても良い。
なお、上述した各実施例におけるホルダ49,90そのものをテーブルとしてその上に何者かの物体を保持・搭載させても良いし、これらホルダ40,90を中継部材としてその上に別途テーブルを取り付ける構成としてもよい。
本発明の一実施形態におけるリニアアクチュエータの要部を示す斜視図(一部断面図を含む)。 上記リニアアクチュエータの分解斜視図。 上記リニアアクチュエータの平面図。 上記リニアアクチュエータの側面図(一部断面を示す)。 図3のV−V線断面図。 保持部材の平面図。 保持部材の側面図。 図7のVIII−VIII線断面図。 ねじ部のボール循環路に収納されるボール及びスペーサを示す斜視図。 ガイド部のボール循環路に収納されるボール及びリテーナを示す概略図。 ホルダの分解斜視図。 リニアアクチュエータの作用効果について示す説明図。 リニアアクチュエータの幅方向を立てた状態に関して、その作用効果を示す説明図。 別の実施形態にかかる利にアクチュエータの横断面図。 従来のリニアアクチュエータを示す斜視図。
符号の説明
7,75…アウタレール(軌道部材)
70,76…側壁部
7a,76a…内壁面
7b,76b…外壁面
71,79…ボール転走溝
77…屈曲部
78…側壁上部
8,80…インナブロック(移動部材)
85…連接部
9…ねじ軸
9a…ねじ軸用ボール転走溝(ねじ軸用転動体転走路)
11,73…ボール転走溝
15a…ねじ軸用負荷ボール転走溝(ねじ軸用負荷転動体転走路)
16a…案内溝(案内部)
16…戻し通路構成部材
17…保持部材
18…エンドプレート
19,81…ボール転走溝
24…保持部
25…方向転換路内周側構成部
26…案内部
27…リテーナ
28,100…ガイド部のボール(転動体)
30…ガイド部のスペーサ
30a…球面凹部(曲面状凹部)
31…ガイド部の帯状部材
33…ねじ部のボール(ねじ軸用転動体)
35…ねじ部のスペーサ
40,90…ホルダ(保持体)
41,91…ホルダ本体
42,92…天面部
44,94…側面部
45,95…ボール転走溝
47…エンドプレート
48…保持部材
48a…方向転換路内周側構成部
49…戻し通路構成部材
50,110…ボール(転動体)
A…ガイド部の負荷転走路
B…ガイド部の方向転換路
C…ガイド部のボール戻し通路(転動体戻し通路)
D…ねじ部の負荷転走路
E…ねじ部のボール戻し通路

Claims (6)

  1. 互いに対向する側壁部及びこれら側壁部を連結している底部からなり、上部の開口された断面略U字形の軌道部材と、
    前記側壁部の内壁面間に挟まれる移動部材とを備え、
    前記軌道部材の内壁面と前記移動部材の外側面とには、相互に対向する転走溝が形成され、この転走溝の協働により転動体を転走せしめる負荷転動体転走路が設けられ、
    前記移動部材には、前記転動体を循環させるために、前記負荷転動体転走路から所定間隔を隔てて平行に延びる転動体戻し通路、及び前記負荷転動体転走路と前記転動体戻し通路間を接続する方向転換路とが設けられる転がり案内装置において、
    前記移動部材には、前記軌道部材の開口の一部を覆うように保持体が設けられ、
    前記保持体と前記側壁部とには、相互に対向される転走溝が形成され、この転走溝の協働により転動体を転走させる第二の負荷転動体転走路が形成され、
    前記保持体には、転動体を循環させるために、前記第二の負荷転動体転走路と平行に延びる第二の転動体戻し通路と、この第二の転動体戻し通路の端部と前記第二の負荷転動体転走路の端部とを連続させて転動体の進行方向を変換せしめる第二の方向転換路とがそれぞれ形成されたことを特徴とする転がり案内装置。
  2. 前記保持体は、天面部と、この天面部の両側にて前記側壁部と平行に配された側面部とを有し、
    前記側壁部の各外壁面と、前記側面部における前記外壁面と対向する各内面とには、前記第二の負荷転動体転走路を構成する相互に対向された前記転走溝がそれぞれ形成され、
    前記保持体が、前記側壁部の外側から前記軌道部材を挟み込むことを特徴とする請求項1に記載の転がり案内装置。
  3. 前記軌道部材の各側壁部は、前記移動部材よりも上側の側壁上部が、この軌道部材の中心側に屈曲されて側壁部同士の間隔が狭められ、
    前記第二の負荷転動体転走路は、前記側壁上部に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の転がり案内装置。
  4. 前記移動部材には、その上面から上方に突出し、前記保持体の天面部を前記軌道部材の側壁部の上端よりも上側に配置させる連接部が設けられていることをと特徴とする請求項3に記載の転がり案内装置。
  5. 前記移動部材と前記保持体とは一部材で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の転がり案内装置。
  6. 前記移動部材と前記保持体とは別部材で構成され、前記保持体は、固着部材によって前記移動部材に対して着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の転がり案内装置。
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