JP2008088131A - 抗コレステロール組成物 - Google Patents

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雅也 牛久保
Kenji Fukunaga
健治 福永
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Abstract

【課題】 副作用を示すことなく、血中コレステロール濃度、特に血中LDLコレステロール濃度を低減することができる組成物を提供する。
【解決手段】 ピーナッツ渋皮脱脂物を含む抗コレステロール組成物、同組成物を含む高コレステロール血症およびその関連疾患を予防および/または治療するための医薬、同組成物を含む健康食品、ならびに同組成物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ピーナッツ渋皮脱脂物を含む抗コレステロール組成物、同組成物を含む医薬および食品、ならびにこれらの製造方法に関する。
コレステロールは、肝臓で合成されるステロイド骨格を持った物質であり、細胞膜、細胞の微細粒子膜に存在し、その構成成分として重要であるばかりでなく、胆汁酸や種々のホルモンの生合成にも利用される、生体において必須の物質である。コレステロールの大半は体内で合成されるが、腸管を介して食品からも吸収されるため、コレステロールを含む食品を過剰に摂取した場合には、血中濃度が影響を受けることがある。
コレステロールは、血液中では、主に血中の脂肪酸ほか各種脂溶性成分を運搬する役割を担うリポタンパク質の構成成分として存在している。コレステロールは遊離しているものもあるが、多くは脂肪酸と結合したコレステロールエステルである。リポタンパク質は、比重により、高比重リポタンパク質(HDL)、低比重リポタンパク質(LDL)、超低比重リポタンパク質(VLDL)、カイロミクロンの4種類に分けられる。これらのうち、コレステロールを主に組織に運搬しているのはLDLである。HDLコレステロールは、いわゆる「善玉コレステロール」であり、体内の隅々の血管壁に貯留した余分なコレステロールを肝臓に運ぶため、動脈硬化などの生活習慣病を防止する機能を有する。これに対し、LDLコレステロールは、いわゆる「悪玉コレステロール」であり、その増加は、コレステロールの動脈血管壁への蓄積をもたらし、動脈硬化などの生活習慣病の発症や進行を促進する。
したがって、血中のLDLコレステロールを選択的に減らすことができれば、動脈硬化症などの生活習慣病を防止・治療することが可能と考えられる。現在抗コレステロール薬として常用されている薬剤には、HMG−CoA還元酵素阻害剤であるスタチン系薬剤、胆汁酸排泄促進作用を有するコレスチミドなどの陰イオン交換樹脂、コレキサミンなどのニコチン酸系薬剤などがあり、いずれも相応の効果を上げているが、スタチン系薬剤は、横紋筋融解症という重篤な副作用を発症する危険性があり、陰イオン交換樹脂は便秘などの消化器症状、ニコチン酸系薬剤は顔面紅潮やほてりなどの副作用を惹起する可能性がある。また、高コレステロール血症のタイプによっては、これらの薬剤の効果が十分に発揮されない場合もあった。
そこで、これまで血中LDLコレステロールを減らすために、種々の代替的な試みがなされてきた。例えば、特許文献1にはジグリセリドを有効成分とするコレステロール合成阻害薬抵抗性の高脂血症患者における脂質代謝改善剤が、特許文献2には、非エピ体エステル型カテキンである(−)Cgや(−)GCgを有効成分とする血清コレステロール低下剤が、特許文献3には、キダチアロエなどの植物に由来する成分を含有する抗コレステロール剤がそれぞれ記載されている。しかしながら、副作用を示すことなく十分な抗コレステロール効果を奏することのできる薬剤は未だ見出されておらず、さらなる探索と研究が求められていた。
一方、ピーナッツ渋皮の抽出物が種々の作用を有することが知られている。例えば、特許文献4には、ピーナッツ渋皮の水性抽出物やアルコール抽出物が骨髄細胞増殖作用を有することが、特許文献5には、ピーナッツ渋皮の熱水抽出物が抗HIV活性を有することが、特許文献6には、ピーナッツ渋皮を、水、エタノールまたは1,3ブチレングリコールで抽出したものが抗炎症作用、コラゲナーゼ活性阻害活性、ヒアルロニダーゼ活性阻害活性、美白作用、保湿作用を有することが、特許文献7には、ピーナッツ渋皮の熱水抽出物に含まれるプロアントシアニジンAがヒアルロニダーゼ阻害活性およびラジカル消去活性を有しており、抗アレルギー剤や抗炎症剤などの活性成分として有用であることが、また、特許文献8には、ピーナッツ渋皮の熱水抽出物、およびエタノール抽出物を含む抗肥満用組成物、および同抽出物にリパーゼ阻害作用、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ阻害作用、α−グルコシダーゼ阻害作用またはα−アミラーゼ阻害作用が存することがそれぞれ記載されている。しかし、ピーナッツ渋皮の抽出残渣である脱脂物の有効な利用法は、これまで全く知られていなかった。
特開2005−15425号公報 特開2004−262927号公報 特開2004−352626号公報 特開平10−120588号公報 特開平11−246431号公報 特開2002−145757号公報 特開平11−246562号公報 特開2004−26719号公報
本発明は、副作用を示すことなく、血中コレステロール濃度、特に血中LDLコレステロール濃度を低減することができる組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねたところ、ピーナッツ渋皮の脱脂物の投与により、LDLコレステロールの量を減少させるとともに、HDLコレステロールの量を増加ないしは維持することができ、また同時に、肝臓のコレステロール含量を減少させることが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、ピーナッツ渋皮脱脂物を含む、抗コレステロール組成物に関する。
また、本発明は、ピーナッツ渋皮脱脂物が、ピーナッツ渋皮のヘキサン抽出残渣である上記組成物に関する。
さらに、本発明は、上記組成物を含む、高コレステロール血症およびその関連疾患を予防および/または治療するための医薬に関する。
さらにまた、本発明は、疾患が、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、黄色腫、動脈硬化症、脳血栓症、脳虚血発作、脳梗塞、脳血管性痴呆、狭心症、心筋梗塞、不整脈、高血圧、間欠性跛行、腎萎縮、末梢血循環不順および腸管アンギナからなる群から選択される1または2以上である、上記医薬に関する。
本発明はまた、上記組成物を含む健康食品に関する。
本発明はさらに、(1)ピーナッツ渋皮を分離する工程、
(2)分離したピーナッツ渋皮に非極性溶媒を加える工程、および
(3)所定時間後に前記非極性溶媒を除去する工程
を含む、上記組成物の製造方法に関する。
本発明はさらにまた、非極性溶媒がn−ヘキサンである、上記方法に関する。
本発明の組成物は、抗コレステロール作用、特にLDLコレステロール低減作用を有しているため、高コレステロール血症ばかりでなく、コレステロールの増加に関連する疾患、例えば、高脂血症、高脂質血症、高リポタンパク血症、黄色腫、アテローム硬化症などの動脈硬化症、脳血栓症、脳虚血発作、脳梗塞、脳血管性痴呆、狭心症、心筋梗塞、不整脈、高血圧、間欠性跛行、腎萎縮、末梢血循環不順、腸管アンギナ、肥満などを予防および治療することが可能である。
また、ピーナッツの製造過程で生じる渋皮は、その1割程度が家畜用の餌として利用されているに過ぎず、残りの9割近くは産業廃棄物として焼却処理などに付されている。さらに、ピーナッツ渋皮の脂溶性成分は香気性を有するため、製菓分野において有用なフレーバーとしての利用も考えられているが、同成分を抽出した後の残渣である渋皮脱脂物については、これまで全くその利用価値が見出されず、廃棄する以外ない状況であった。したがって、本発明は、このような渋皮脱脂物を、前記のとおりの極めて有用な医薬または食品成分として有効利用してなるものであるため、単なる原料コストの圧縮および廃棄物のリサイクルといった観点からだけでなく、医療・健康といった観点を含めた社会経済的な見地からみても、その意義は極めて大きいといえる。
本発明の一態様は、ピーナッツ渋皮脱脂物を含む、抗コレステロール組成物に関する。
本発明の抗コレステロール組成物に含まれるピーナッツ渋皮脱脂物は、ピーナッツの渋皮を原料の1つとすることができる。かかるピーナッツ渋皮としては、例えば、ピーナッツ製造工場で、落花生の豆から剥離されたものを用いることができる。ただし、ピーナッツ製造工場由来の渋皮には豆の部分が若干残っているため、脱脂工程の前に除去することが望ましい。除去方法としては、例えば、乾式での、気流、網および振動を利用した方法が挙げられる(例えば、食品設備・機器事典編集委員会編、「食品設備・機械事典−食品流通・加工技術・環境衛生−」、初版、産業調査会事典出版センター、2002年7月20日、46〜53頁参照)。しかしながら、ピーナッツ渋皮とピーナッツ豆との厳密な分離が困難であれば、上記ピーナッツ渋皮には、ピーナッツ豆が少量混入していてもよい。ピーナッツ豆の混入割合は、本発明の組成物の効果を阻害しない程度のものであるべきであり、典型的にはピーナッツ渋皮原料の約1質量%未満、好ましくは約0.1質量%未満であり、最も好ましくは、ピーナッツ渋皮原料は実質的にピーナッツ豆を含まない。
本発明において、ピーナッツ渋皮脱脂物は、上記のようなピーナッツの渋皮から油分を取り除いたものである。脱脂は、人力、畜力、水圧、エキスペラーなどによる圧搾法や、溶媒による抽出法、またはこれらの組み合わせを包含する公知の任意の方法で達成することができる。本発明においては、処理の簡便性や効率の高さなどの観点から溶媒抽出法が好ましい。溶媒としては、脱脂効率の高さなどの観点から非極性溶媒が好ましい。本発明において用いることのできる非極性溶媒としては、例えばn−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、塩化メチレンなどが挙げられるが、これらに限定されない任意の公知の非極性溶媒を好適に用いることもできる。このうち特にn−ヘキサンが、脱脂効率や、脱脂物の抗コレステロール活性の高さなど観点からとりわけ好ましい。
溶媒抽出法による脱脂は、典型的には、ピーナッツ渋皮に上記の溶媒を加え、所定時間経過後に、溶媒を除去することにより行われる。添加する溶媒の量、抽出時間、抽出温度などの抽出条件は特に制限されないが、脱脂の効率や経済性の観点から、ピーナッツ渋皮と溶媒との質量比は、好ましくは1:2〜1:10、より好ましくは1:3〜1:8、特に好ましくは1:4〜1:6であり、抽出時間は、好ましくは0.25〜12時間、より好ましくは0.5〜6時間、特に好ましくは0.5〜2時間であり、抽出温度は、好ましくは0〜60℃、より好ましくは10〜40℃、特に好ましくは15〜25℃である。抽出効率を高めるために、ピーナッツ渋皮と溶媒との混合物を、公知の任意の方法により攪拌してもよい。
溶媒の除去には、例えば、風乾、減圧、窒素ガスなどの不活性ガスの吹き付けなどによる溶媒の蒸発、沈殿もしくは遠心分離などによる渋皮と溶媒との分離とその後の吸引もしくはデカントなどによる上清の除去、ろ過などの当該技術分野で知られた任意の方法またはその組み合わせを用いることができる。
本発明においては、前記非極性溶媒による抽出の前に、ピーナッツ渋皮をエタノールなどの親水性(極性)有機溶媒中に浸漬することができる。これにより、ピーナッツ渋皮に含有する脂質の抽出効率を上昇させ、前記抽出溶媒の減容がはかられる。このような溶媒としては、エタノール、アセトン、イソプロパノールなどが挙げられるが、これらに限定されない任意の公知の溶媒を好適に用いることもできる。このうちエタノールが安全性(残留時の毒性、取り扱いの安全性など)の観点から特に好ましい。溶媒の添加量、浸漬時間、浸漬温度などの浸漬条件は特に制限されないが、浸漬の効率や経済性の観点から、ピーナッツ渋皮と親水性(極性)有機溶媒との質量比は、好ましくは1:0.2〜1:2、より好ましくは1:0.5〜1:1.5、特に好ましくは1:0.7〜1:1.2であり、浸漬時間は、好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは2〜18時間、特に好ましくは10〜15時間であり、浸漬温度は、好ましくは0〜70℃、より好ましくは5〜50℃、特に好ましくは15〜25℃である。
前記抽出溶媒は、浸漬溶媒を除去してからピーナッツ渋皮に添加してもよいが、浸漬溶媒に浸漬した状態で添加することもできる。前者の場合、浸漬溶媒は、抽出溶媒と同様に公知の方法で除去することができる。一方、後者の場合、抽出溶媒と、ピーナッツ渋皮および浸漬溶媒の混合物との重量比は特に制限されないが、脱脂の効率や経済性の観点から、好ましくは1:2〜1:0.1、より好ましくは1:1〜1:0.2、特に好ましくは1:0.6〜1:0.3である。なお、抽出条件や、溶媒の除去方法などは、抽出溶媒のみを用いる場合と同様である。
あるいは、本発明の組成物の原料として、ピーナッツ渋皮に含まれる脂溶性成分を得るために脱脂された、ピーナッツ渋皮脱脂物を用いることもできる。ピーナッツ渋皮中の脂溶性成分の抽出方法としては、例えば、ピーナッツ渋皮をn−ヘキサンなどの溶媒中に入れ、所定期間後にろ過、遠心分離、蒸留などの方法で液体成分を採取する方法などが挙げられるが、これらに限定されない。この場合、脂溶性成分の大部分が除去されているので、前記抽出方法に倣い少量の溶媒による脱脂処理を実施することで同様のピーナッツ渋皮脱脂物を得ることができる。抽出溶媒と、ピーナッツ渋皮脱脂物および浸漬溶媒の混合物との重量比は特に制限されないが、脱脂の効率や経済性の観点から、好ましくは1:1.5〜1:0.2、より好ましくは1:1.2〜1:0.4、特に好ましくは1:1〜1:0.6である。
こうして得たピーナッツ渋皮脱脂物は、そのままの状態で用いてもよいが、さらに粉体に加工することもできる。粉体は、顆粒や錠剤など種々の形状に容易に加工することができるため、医薬や食品などの分野では有利である。
粉体に加工する場合、直径約2〜3mmの落花生の渋皮を、粉砕機により、0.1μm〜1000μmの粒度分布を有する粉体に粉砕する。粉砕機としては、気流型粉砕機、ハンマー型、ピン型、ロット型、カッター型などのモーター駆動式の回転型粉砕機、ボールまたはロットによるポット型粉砕機、臼型、杵型粉砕機などの従来の技術を使用することができる(例えば、上記「食品設備・機械事典−食品流通・加工技術・環境衛生−」、18〜37頁参照)。
上記粉体から、さらに顆粒を製造することができる。この場合、粉砕によって得られた粉体を、流動、攪拌転動による造粒および乾燥に付し、1μm〜10mmの顆粒に加工する。
得られた粉体品または顆粒品には、蒸気およびマイクロ波などにより殺菌、滅菌処理を施すことができる(例えば、上記「食品設備・機械事典−食品流通・加工技術・環境衛生−」、157〜159頁および322〜327頁参照)。これらの粉体または顆粒をカプセル化し、または、打錠により錠剤に加工することもできる。
本発明の上記態様において、抗コレステロール組成物とは、抗コレステロール作用を有し、したがって、血清コレステロール値を低減させるために用いることのできる組成物を意味する。ここで、抗コレステロール作用とは、血清コレステロール値、特に血清LDLコレステロール値を、上記組成物を投与または摂取しない場合に比べて低減させることをいう。低減の程度は、コレステロールが重要な生理的機能を有していることを考慮すると、好ましくは70〜95%、より好ましくは80〜85%である。また、LDLコレステロール値は低減させるが、HDLコレステロール値は維持もしくは増加させ得る組成物がより一層好ましい。
本発明の別の態様は、本発明の抗コレステロール組成物を含む、高コレステロール血症およびその関連疾患を予防および/または治療するための医薬に関する。
ここで、高コレステロール血症とは、血清コレステロール値の上昇を示す病態のことをいい、これにはLDLコレステロールの増加が認められるものも含まれる。典型的には、空腹時の血清総コレステロール値が220mg/dl以上、または、LDLコレステロール値が140mg/dl以上の場合に、高コレステロール血症と診断される(日本動脈硬化学会、「動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002年版」参照)。また、高コレステロール血症の関連疾患は、高コレステロール血症に起因する疾患、および血清コレステロール値の低減により予防もしくは症状の改善が期待される疾患を包含し、例えば、高トリグリセリド血症、黄色腫、アテローム性硬化症などの動脈硬化症、脳血栓症、脳虚血発作、脳梗塞、脳血管性痴呆、狭心症、心筋梗塞、不整脈、高血圧、間欠性跛行、腎萎縮、腸管アンギナ、末梢血循環不順、肥満などを含むが、これらに限定されない。
本発明の医薬の剤形は特に限定されないが、経口投与に適したものが好ましく、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、ドロップ剤などに製剤してもよい。かかる剤形を有する製剤の製造にあたっては、当業者に既知の任意の方法を用いることができる。また、本発明の医薬は、上記のピーナッツ渋皮脱脂物の他に、賦形剤、崩壊剤、結合剤、潤沢剤、矯味剤、着色剤、香料、安定剤、殺菌剤、防腐剤などの種々の好適な添加物を配合することができる。さらに、本発明の医薬は、ピーナッツ渋皮脱脂物以外の、1種または2種以上のさらなる有効成分を含むことができる。
本発明の医薬は、経口投与することが好ましい。用量は、効果的な抗コレステロール作用の発現などを考慮すると、10〜100mg/kg/日、好ましくは20〜75mg/kg/日、より好ましくは40〜50mg/kg/日である。しかし、上記用量は、投与対象の一般状態、症状の重篤度、食事、剤形、体重、年齢、肥満度などの種々の条件を考慮して適宜変更することができる。
本発明のさらに別の態様は、本発明の組成物を含む健康食品である。本発明の組成物を食品に添加することにより、同食品に抗コレステロール作用が付与されるため、普通の食品を生活習慣病予防・改善効果を有する健康食品とすることが可能となる。本態様において、ピーナッツ渋皮脱脂物は、例えばそのまま、または粉体もしくは顆粒の形態に加工して種々の食品に加えることができる。本発明の健康食品に用いられる食品は、固形、半固形、液体などの種々の形態で存在し得る任意の食品、例えば、パンやケーキ、クッキー、パイなどのベーカリー食品類、和風ドレッシング、フレンチドレッシング等のドレッシング類、マヨネーズ等の水中油型乳化食品類、マーガリン等の油中水型乳化食品類、クリーム類、チョコレート、ポテトチップス、ビスケット、アイスクリーム、飴、ガム、グミ、ゼリーなどの菓子類、粉末スープ等の粉末状食品、その他各種澱粉質食品、練り物、ソーセージ、ハンバーグ、コロッケ、ふりかけなどの加工食品、緑茶、紅茶、コーヒー、乳酸飲料、清涼飲料水、ジュース、アルコール飲料などの飲料、食品添加物などを包含するが、これらに限定されない。
ピーナッツ渋皮脱脂物の食品への配合量は、効率的な抗コレステロール作用発現の観点から、好ましくは0.01〜0.4質量%、より好ましくは0.05〜0.2質量%、あるいは、ピーナッツ渋皮脱脂物の摂取量が好ましくは10〜100mg/kg/日、より好ましくは20〜75mg/kg/日、特に好ましくは40〜50mg/kg/日となる量である。
以下に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
ピーナツ渋皮脱脂物の製造
原料として、ピーナッツ製造工場で落花生の豆から剥離されたピーナッツ渋皮を用いた。このピーナッツ渋皮1000gを95%エタノール1lに浸漬し、20℃で12時間放置した後、n−ヘキサン5lを加え、20℃で1時間攪拌した。その後、エタノールおよびn−ヘキサンをろ過により除き、得られた残渣をさらに乾燥させた。こうして、ピーナッツ渋皮脱脂物350〜400gを得た。
〔実施例2〕
ピーナツ渋皮脱脂物の抗コレステロール効果
(1)動物の処置
Wistarラット(雄、5週齢、体重約150〜160g)に、実施例1で作製したピーナッツ渋皮脱脂物を0.1質量%含む(P0.1)、または含まない(C)飼料を自由摂取させた(各群7頭)。飼料の組成を表1に示す。
Figure 2008088131
摂取開始から35日後に、常法に従ってラットから採血し、血清HDLおよびLDLコレステロール濃度を測定した。また、肝臓を摘出し、肝臓コレステロール含量を測定した。
(2)コレステロール値の測定
自動分析計(日立製作所、7150型)を用いて、血清試料中のLDLコレステロール、およびHDLコレステロールの濃度を測定した。図1から、ピーナツ渋皮脱脂物摂取群におけるLDLコレステロール濃度が対照群に比べて顕著に低下していることが分かる。また、HDLコレステロール濃度については、両群間において顕著な差は認められなかった。これらの結果は、ピーナツ渋皮脱脂物が善玉コレステロールであるHDLコレステロールの濃度を減少させることなく、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールの濃度のみを選択的に減少させることを示すものである。
(3)肝臓コレステロール含量の測定
n−ヘキサン中の5mg/mlのコレステロール溶液と、n−ヘキサン中の5mg/mlの5α−コレスタン溶液を調製し、n−ヘキサン中に、上記5α−コレスタン溶液をを100μl、および上記コレステロール溶液を、コレステロールの終濃度が0、0.5、1.0、2.0mg/mlとなるようにそれぞれ適量加え、終容量をn−ヘキサンで10mlにメスアップし、コレステロール標準液とした。
内部標準物質用の5α−コレスタン−エタノール溶液は、5α−コレスタンを99.5%エタノールに0.5mg/mlとなるように溶解して調製した。また、1N水酸化カリウム−エタノール溶液は、水酸化カリウム6.6gを95%エタノール100mlに溶解して調製した。
共栓付三角フラスコに、正確に秤量した肝臓試料2gと、内部標準物質である5α−コレスタン−エタノール溶液1mlとを加えた。次に1N水酸化カリウム−エタノール溶液50mlを加え、1時間70℃に加熱してけん化した。水浴にて室温に冷却後、水50mlおよびジエチルエーテル50mlで分液漏斗に移し、振盪抽出した。ジエチルエーテル50mlでさらに2回抽出した後、ジエチルエーテル層を集め、水40mlで4回洗浄した。ジエチルエーテル層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、ロータリーエバポレーターで溶媒を減圧留去した。残留物を、n−ヘキサン10mlで溶解した後、ガスクロマトグラフ(島津製作所、GC-14B)にかけ、得られた結果を検量線と比較した。検量線は、各濃度のコレステロール標準溶液をガスクロマトグラフにかけ、内部標準物質に対するコレステロールの面積比を求め、これをもとに作製した。
コレステロール含量は、以下の計算式で求めた。
コレステロール含量(mg/100g)=A×100/W
A:検量線より求めた試験用液中のコレステロール量(mg)
W:試料採取料(g)
図2に示すとおり、ピーナッツ渋皮脱脂物の投与により、肝臓コレステロール含量の減少が認められた。
〔実施例3〕
ピーナッツ渋皮脱脂物の急性毒性
BALB/cマウス(雄、8週齢、27〜29g)10頭に、実施例1で作製したピーナッツ渋皮脱脂物を蒸留水に懸濁したものを10g/kgの用量でマウス胃ゾンデにより強制経口投与し、14日間にわたり状態を観察した。その結果、実験期間中の死亡は認められず、また14日後においても、外観、臓器、胃内容物ともに異常は認められなかった。この結果は、ピーナッツ渋皮脱脂物が過剰に摂取しても安全であることを示すものである。
〔実施例4〕
錠剤
下記の所定量の成分を攪拌型混合機を用いて均一に混合混和後、圧縮成形して、直径10mm、重量340mgの錠剤とした。
ピーナッツ渋皮脱脂物粉末 170.0mg
乳糖 68.0mg
結晶セルロース 91.8mg
ショ糖脂肪酸エステル 10.2mg
〔実施例5〕
顆粒
下記の所定量の成分を攪拌造粒機にて均一に混合し、乾燥後篩い分けをし、顆粒を製造した。
ピーナッツ渋皮脱脂物粉末 8g
デンプン 2g
水 2g
ピーナッツ渋皮脱脂物の血清LDLコレステロール値への影響を示したグラフである。図中、Cは陰性対照群であり、P0.1は、ピーナッツ渋皮脱脂物を0.1質量%含む飼料を摂取した群である。 ピーナッツ渋皮脱脂物の肝臓コレステロール含量への影響を示したグラフである。図中、Cは陰性対照群であり、P0.1は、ピーナッツ渋皮脱脂物を0.1質量%含む飼料を摂取した群である。

Claims (7)

  1. ピーナッツ渋皮脱脂物を含む、抗コレステロール組成物。
  2. ピーナッツ渋皮脱脂物が、ピーナッツ渋皮のヘキサン抽出残渣である、請求項1に記載の組成物。
  3. 請求項1または2に記載の組成物を含む、高コレステロール血症およびその関連疾患を予防および/または治療するための医薬。
  4. 疾患が、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、黄色腫、動脈硬化症、脳血栓症、脳虚血発作、脳梗塞、脳血管性痴呆、狭心症、心筋梗塞、不整脈、高血圧、間欠性跛行、腎萎縮、末梢血循環不順および腸管アンギナからなる群から選択される1または2以上である、請求項3に記載の医薬。
  5. 請求項1または2に記載の組成物を含む健康食品。
  6. (1)ピーナッツ渋皮を分離する工程、
    (2)分離したピーナッツ渋皮に非極性溶媒を加える工程、および
    (3)所定時間後に前記非極性溶媒を除去する工程
    を含む、請求項1に記載の組成物の製造方法。
  7. 非極性溶媒がn−ヘキサンである、請求項6に記載の方法。
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