JP2008087993A - 光学ガラスの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属製バーナ14の火炎を光学ガラスの表面に当てて光学ガラスを加工する際に、燃焼性ガスに不活性ガスを混合させた燃焼ガスを噴射して燃焼させる。これにより、燃焼反応を遅らせることができるとともに、燃焼ガスの流速を増して燃焼反応の起こるポイントを金属製バーナーの炎口部であるガス噴出口17から遠ざけることができる。よって、ガス噴出口17の温度を低下させることができるため、ガス噴出口17において熱酸化物が発生するのを抑えて、光学ガラスに金属不純物が混入するのを防止することができる。
【選択図】図2
Description
しかしながら、金属製バーナを用いる場合には、加熱されてバーナ炎口部が熱酸化することで金属粉が発生し、光学ガラスの加工時に飛散して、光学ガラス内部に異物が混入するという問題がある。特に、光ファイバのガラス母材を製造する際には、金属不純物がガラス母材に付着や混入して伝送ロス増を招くなど、ファイバ特性に影響を与える。
特許文献1に記載の光学ガラスの加工方法においては、ノズルがニッケルやステンレスで形成されている金属製バーナを用いることにより、火炎時にバーナに熱酸化物が発生するのを抑えて、光学ガラスに金属不純物が混入するのを防止している。
また、特許文献2に記載の光学ガラスの加工方法においては、金属製バーナのノズルの先端部に金メッキを施すことにより、熱酸化物が発生するのを抑えて、光学ガラスに金属不純物が混入するのを防止している。
図1は本発明の光学ガラスの加工方法を実施する光学ガラスの加工装置の一例を示す構成図、図2(A)は光学ガラスの加工装置に用いられるバーナの一例を示す斜視図、図2(B)は図2(A)中B−B位置の断面図、図3は本発明による光学ガラスの加工方法と不活性ガス(窒素ガス)を混入させない場合との比較結果を示す表である。
反応容器11内部には、ターゲットロッド12に対してスス付けを行うスス付けバーナ13と、上下の補助バーナ14A、14Bが設けられている。スス付けバーナ13は、供給された原料ガスの火炎加水分解によってガラス微粒子を析出してターゲットロッド12の周囲に堆積させ、光学ガラスとしてのガラス母材16を形成する。
補助バーナ14A、14Bは酸素および水素の燃焼性ガスが供給され、ガイドレール24に沿って上下移動し、その火炎によって堆積されたガラス母材16の上下両端を焼き固める。また、反応容器11のスス付けバーナ13に対向する位置には排気管15が設けられており、反応容器11内部の排気を行って、スス付けされなかったガラス微粒子等を排出するようになっている。
図3には、補助バーナ14A、14Bを用いてスス付けを行った際、補助バーナ14A、14Bに供給する燃焼性ガスである水素ガスに、窒素ガスを混入させない場合と窒素ガスを混入させた場合との比較結果が示されている。
窒素ガスを混入させた場合には、混合ガスである燃焼ガスを8m/s以上の流速で噴出させることにより、燃焼ガスの燃焼位置をガス噴出口17から遠ざけることができるので、ガス噴出口17の温度を、窒素ガスを混入させない場合の600〜700℃に対して400℃以下に低下させることができた。この結果、ガス噴出口17は、赤熱されずに異常がなかった。なお、ガラス母材16の表面温度は、窒素ガスを混入させない場合の700℃に対して、混入させても650℃であり、ガラス微粒子の形成に影響はなかった。そして、ガス噴出口17の温度が低下したことにより、ガラス母材16に異物が付着することもなく、良好なガラス母材16を形成できたことがわかる。
図4には、本発明の第2実施形態に係る光学ガラスの加工方法を実施するバーナ14Bが示されている。なお、前述した第1実施形態において説明した部位と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
図4に示すように、このバーナ14Bでは、図2において前述したバーナ14の外側に所定間隔でカバー部材21を設けて2重構造とするとともに、ガス噴出口17の前方に開口21aを設けた。そして、カバー部材21を貫通する第3の管23を設け、カバー部材21と補助バーナ本体14aとの間の空間22に不活性ガスである窒素ガスを流して、開口21aから噴出するようにした。
例えば、前述した各実施形態においては、光学ガラス体の加工として、スス付けによりガラス母材16を形成する場合を例示したが、これに限らず、ガラス母材の焼結・透明化、延伸、火炎研磨等にも適用可能である。また、不活性ガスとして窒素ガスを用いる場合について説明したが、その他の不活性ガスでも可能である。
また、前述した各実施形態においては、補助バーナ14として金属製のバーナを用いた場合について説明したが、ガラス微粒子を形成するスス付けバーナ13にも適用することができる。
16 ガラス母材(光学ガラス)
17 ガス噴出口(炎口部)
21 カバー部材
21a 開口
22 空間
Claims (4)
- 光学ガラスの表面に金属製バーナからの火炎を当てて光学ガラスを加工する光学ガラスの加工方法であって、
前記金属製バーナに酸素ガスと燃焼ガスとを隣接して供給し前記燃焼ガスを燃焼させて火炎を形成する際に、燃焼性ガスに不活性ガスを混合したものを前記燃焼ガスとして供給することを特徴とする光学ガラスの加工方法。 - 前記金属製バーナの前記燃焼ガスのガス噴出口における噴出流速が8m/s以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学ガラスの加工方法。
- 前記金属製バーナの使用前後に不活性ガスを前記燃焼ガスのガス噴出口より噴出させることを特徴とする請求項1または2に記載の光学ガラスの加工方法。
- 前記金属製バーナを空間を設けて覆うとともに前記燃焼ガスのガス噴出口の前方に開口を設けたカバー部材を配置し、不活性ガスを前記空間に流して前記開口から噴出させることを特徴とする請求項3に記載の光学ガラスの加工方法。
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JP2006267950A JP2008087993A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | 光学ガラスの加工方法 |
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Citations (3)
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JPS62187135A (ja) * | 1986-02-12 | 1987-08-15 | Furukawa Electric Co Ltd:The | ガラス微粒子合成用ト−チ |
JP2001019442A (ja) * | 1999-07-06 | 2001-01-23 | Shin Etsu Chem Co Ltd | ガラス微粒子堆積体製造容器の残留ガラス微粒子除去方法 |
JP2003130311A (ja) * | 2001-07-21 | 2003-05-08 | Samsung Electronics Co Ltd | 火炎加水分解蒸着工程用バーナーの火炎安定化装置 |
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- 2006-09-29 JP JP2006267950A patent/JP2008087993A/ja active Pending
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