JP2008087134A - ワーククランプ具及びワーククランプ台 - Google Patents
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Abstract
【課題】工作機械のテーブルや計測器の定盤にワークを固定するのに用いるクランプ具及び当該クランプ具を複数個備えたクランプ台に関し、上下方向の寸法の小さい小型のワーククランプ具を提供する。
【解決手段】上向面に複数段の傾斜滑り面13を備えた側面L形のベース1と、上面がベース1の底面と平行で下面に傾斜滑り面13に摺接する複数段の移動滑り面31を備えた滑り部材3と、締結ボルト61の締結力で滑り部材3を押下する昇降蓋4と、この昇降蓋と滑り部材3との間の幅方向の相対位置関係を規制しているガイド溝33と、滑り部材3をベースの固定壁面12側に付勢している復帰ばね64とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】上向面に複数段の傾斜滑り面13を備えた側面L形のベース1と、上面がベース1の底面と平行で下面に傾斜滑り面13に摺接する複数段の移動滑り面31を備えた滑り部材3と、締結ボルト61の締結力で滑り部材3を押下する昇降蓋4と、この昇降蓋と滑り部材3との間の幅方向の相対位置関係を規制しているガイド溝33と、滑り部材3をベースの固定壁面12側に付勢している復帰ばね64とを備えている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、工作機械のテーブルや計測器の定盤にワークを固定するのに用いるクランプ具及び当該クランプ具を複数個備えたクランプ台に関するものである。
テーブル上面や定盤上面などの平坦なワーク載置面にワークを固定してワーク上面の加工や計測を行うときは、ワーククランプ具が工具や計測具と干渉しないように、ワークの側面ないし周面でワークを固定するワーククランプ具が用いられる。
ワークの側面や周面をワーク載置面と平行な方向に把持しただけでは、ワークをワーク載置面に押付ける力が働かない。そのため、ワークがワーク載置面から浮上がった状態で固定されるということが起こり、ワークの高さ方向の加工精度や計測精度に誤差が生ずる。
下記特許文献1には、ワーク載置面に垂直な方向の締結ボルトを締結することにより、この締結ボルトを挟む両側の面に設けた口金が傾斜滑り面の楔作用により間隔が広がる方向に移動して、クランプ具の両側に配置されたワークの側面を把持するクランプ具が示されている。このクランプ具は、締結ボルトを締結したときに口金を装着したスライド部材が斜め下方向に移動し、口金がワークをワーク載置面に押付ける構造である。このワーククランプ具は、バイスに取付けて使用されるもので、バイスの両端に設けた固定口金との間で平行な対向側面を有する2個のワークを同時に把持するものである。
実開平7−17464号公報
従来のこの種のワーククランプ具は、上下寸法が大きく高さの低いワークや薄い板状のワークを固定するのに適していないという問題があった。また、バイスに取り付けることを前提としており、工作機械のテーブルや治具の台板に直接取り付けることができないなどの問題があった。
この発明は、上下方向の寸法の小さい小型のワーククランプ具を提供すること、及び工作機械のテーブルや治具の台板に直接取り付けることができる簡単で、かつ合理的な取り付け構造を備えたワーククランプ具を提供することを課題としている。
この発明のワーククランプ具は、工作機械のテーブルや治具の台板に固定されるベース1の上向きの面に設けた複数段の傾斜滑り面13に、下面にこの傾斜滑り面13と摺接する移動滑り面31を設けた滑り部材3を、締結ボルト61で押し付けることによって、傾斜滑り面13と移動滑り面31との楔作用により、滑り部材3を斜め下方向に移動させて、この滑り部材に取り付けた口金63により、ワークの側面ないし周面をクランプするようにしたものである。
ベース1は側面視をL形とし、傾斜滑り面13をベース1の低い位置に形成してワーククランプ具の高さ寸法を小さくしている。また、滑り部材3をベース1の一方の側のみに設け、1本の締結ボルト61をベースの上記上向きの面11の中央に配置することにより、非対称に配置された滑り部材3を円滑に滑り移動させることができるようにすると共に、クランプ具のワーク把持方向の寸法も小さくしている。
すなわち、上記課題を解決した本願の請求項1の発明に係るワーククランプ具は、上向面に固定壁面12側が高い複数段の平行な傾斜滑り面13を備えかつ底面に固定壁面12と平行な係止段面22を備えた側面L形のベース1と、上面がベース1の底面と平行で下面に傾斜滑り面13に摺接する複数段の移動滑り面31を備えかつ反固定壁面側に口金取付面32を備えた滑り部材3と、ベース1に昇降可能に嵌合されて滑り部材3の中心を遊隙を持って上下に貫通する締結ボルト61の締結力で滑り部材の前記上面を押下する昇降蓋4と、この昇降蓋と滑り部材3との間に設けられて幅方向の相対位置関係を規制しているガイド溝33と、滑り部材3とベース1との間に装架されて当該滑り部材を固定壁面12側に付勢している復帰ばね64とを備えているワーククランプ具である。
本願の請求項2の発明に係るワーククランプ具は、上記請求項1記載の構造を備えたワーククランプ具において、ベース1が、前記締結ボルト61を挿通する貫通孔15と、この貫通孔の固定壁面12と平行な方向及びこれに直交する方向に等距離Bを隔ててベース固定用ボルト孔18、20とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明に係るワーククランプ具は、上記間隔Bと等しい間隔で2個又は3個のねじ孔51を設けた細長いTナット5を用いてテーブル等に設けられているT溝に、クランプ方向を当該T溝と平行な方向又は直行する方向にして取り付けられる。このとき、締結ボルト61は、Tナット5に螺合されて締結力を発揮する。すなわち、締結ボルト61は、滑り部材3に押し下げ力を付与する機能と滑り部材3を介してベース1をテーブルに固定する機能とを発揮している。ベース1を定盤などに固定する固定ボルト65は、締結ボルト61と同一のねじ部を備えたものとすることが好ましい。また、ベース1に設けた締結ボルトの貫通孔15には、底面からナット62を回り止めした状態で挿入可能なナット孔16を形成しておくことにより、T溝を有しない定盤等にワーククランプ具を固定ボルト65で取り付けて使用することも可能になる。
この発明のワーククランプ具6bの複数個を平板状の台板7の上面にワークの平面形状に合わせて配置することにより、種々の形状のワーク、特に種々の平面形状の板状のワークに対する専用のワーククランプ台を簡単に製作することができる。
この出願の請求項3の発明に係るワーククランプ台は、前記係止段面22がベース1の固定壁面側の端辺に形成された請求項1記載のワーククランプ具6bの複数個が、上面に凹部71を備えた台板7の当該凹部に、それらのベース1を挿入してそれらの係止段面22を当該凹部の縁72に係止して取付けられているワーククランプ台である。
この出願の発明により、上方からワークの締結及び開放操作を行うことが可能な高さ寸法が小さく、かつワーククランプ方向の寸法も小さいワーククランプ具を提供することができる。この発明のワーククランプ具6a、6bは、滑り部材3が斜め下方に移動してワークをクランプするので、クランプ時にワークがその載置面から浮き上がるのを防止することができる。
また、この出願の請求項2の発明により、T溝を備えたテーブルや定盤上にワークの把持方向をそのT溝と平行な方向又は直行する方向にしてTナットで直接固定することが可能なワーククランプ具を提供することができる。締結ボルト61やこれに螺合されるナット5、63は、ワークの締結と解除を繰り返し行うことによって磨耗してくるが、締結ボルト61としては、汎用の六角孔付きボルトを使用することができ、Tナット5及び締結ナット62も単純な形状のナット部材であり、磨耗した締結ボルトやナットを簡単に交換することができる。
この出願の請求項3のクランプ台は、クランプ具6bの高さ寸法が小さいため、板状のワークを固定するクランプ台として特に好適である。そして、各クランプ具6bが台板7に設けた凹部71に、その固定壁側の係止段面22を係止して装着されるので、ワークの把持反力によってクランプ具が台板7上で移動することがなく、正確な位置にワークを把持することが可能である。
以下、図面を参照して、この出願の発明に係るワーククランプ具及びワーククランプ台を説明する。図1ないし図3は、この発明のワーククランプ具の第1実施例を示した図で、図1は中央部の断面側面図、図2は平面図、図3は分解斜視図である。
テーブルや定盤に固定されるベース1は、その側面がL形(長靴形)でその下方の上向きの面(長靴の甲に当る面)11に固定壁面12側が高くなる方向に傾斜した3段の傾斜滑り面13が形成されている。ベース1の底面には、幅方向(ワーククランプ方向と直行する方向)のキー溝14が設けられ、このキー溝の壁面が係止段面22となっている。すなわち、テーブルや定盤上でベース1のワーククランプ方向の位置を正確に規定したいときは、テーブルや定盤の上面に取り付けたキーをこのキー溝14と嵌合させてベース1を取り付ける。
ベースの上向き面11の中央には、締結ボルト61を貫通する貫通孔15が設けられている。この貫通孔15の底面側には、六角ナットや回り止め用の切欠を設けた締結ナット62を回転不能に挿入するナット孔16が設けられている。ベース1には、締結ボルトの貫通孔15と幅方向両側の位置に等しい間隔Bを隔ててボルト頭を沈める座ぐり孔17付きの固定ボルト挿通孔18が設けられている。更にベース1には、締結ボルトの貫通孔15から固定壁面12側に前記距離Bを隔てた位置にボルト頭を沈めるための深い座ぐり孔19を備えた固定ボルト孔20が設けられている。この固定ボルト孔の深い座ぐり孔の上半部分は、締結ボルト側の両側面が切り落とされて断面U字状の孔となっている。
ベースの上向き面11には、下面をこの上向き面と同方向の傾斜面にした滑り部材3が載置されている。滑り部材3の傾斜した下面には、ベースの3段の傾斜滑り面13に摺接する3段の移動滑り面31が形成されている。滑り部材3は、ベースの固定壁面12と反対を向く側に当該固定壁面と平行な口金取付面32を備えている。固定壁面12は、ベースの底面と直行する面である。図には固定壁面12及び口金取付面32にそれぞれ口金63、63を取り付けた状態が示されている。
滑り部材3の上面幅方向中央には、前記座ぐり孔19のU字断面の部分に向いた端面が開放されたガイド溝33が設けられており、このガイド溝と座ぐり孔19のU字断面を塞ぐように昇降蓋4が嵌装されている。昇降蓋4には、締結ボルト61を挿通する座ぐり孔付きのボルト挿通孔41が設けられている。このボルト挿通孔41は、ベースの上向き面11の中央に設けた貫通孔15の同一軸線上に位置しており、滑り部材3には、締結ボルト61が貫通するワーク締結方向に細長い長孔断面の貫通孔34が設けられている。
ベースの上向き面11に形成した複数段の傾斜滑り面の間に形成される段面と、滑り部材3の下面に形成した複数の移動滑り面31の間に形成される段面との間には、ベース1に対して滑り部材3を固定壁面12側に付勢する復帰ばね(圧縮コイルバネ)64が装架されている。図3には、復帰ばね64を装着する溝67が示されている。
上記構造のワーククランプ具6aをT溝を備えたテーブルや定盤に取り付けるときは、前記間隔Bと等しい間隔で2個又は3個の雌ねじ孔51を設けたTナット5を用いる。ワーククランプ具6aをそのワーククランプ方向をT溝と平行な方向にして取り付けるときは、締結ボルト61としてボルト先端がクランプ具のベース底面から突出する長さのものを用い、締結ボルト61と深い座ぐり孔を備えたボルト孔19に挿通した固定ボルトとをTナット5のねじ孔51、51に螺合する。締結ボルト61は、Tナット5のねじ孔に螺合して締め付けたとき、滑り部材3を図の左方向に滑り移動させてワークを把持すると同時にTナット5を引き上げてワーククランプ具6aをテーブルに固定する。締結ボルト61を緩めると、復帰ばね64の付勢力により、滑り部材3は固定壁面12側に移動してワークを開放する。
この締結ボルト61が緩められた状態では、クランプ具6aは、1本の固定ボルト65のみでテーブルに固定されている状態となるが、締結ボルト61はTナット5のねじ孔に螺合された状態となっており、再びワークを締結するときは、クランプ具6aが締結ボルト61と1本の固定ボルト65との2本でテーブルに固定されることになる。
ワーククランプ具6aをそのワーク把持方向をT溝と直行する方向にしてテーブルに取り付けるときは、ベースの上向き面11に配置した2本の固定ボルト孔18に挿通した固定ボルトをTナットのねじ孔51、51に螺合してベース1を固定した後、滑り部材3及び昇降蓋4を取り付けて締結ボルト61でワークのクランプ及び開放を行う。締結ボルト61は、3個のねじ孔51を設けたTナット5の真ん中のねじ孔に螺合される。
T溝を有しないテーブルにこのワーククランプ具6aを取り付けるときは、ナット孔16に締結ナット62を挿入し、ベースの底面から先端が突出しない長さの締結ボルトを用いてワーク把持及び開放を行うようにし、ベース1を固定ボルト孔18、20の2個又は3個に挿通した固定ボルトでテーブルに取り付ける。
図4ないし7は、この発明のワーククランプ具の第2実施例を示した図で、図4は中央部の断面側面図、図5は上面図、図6は底面図、図7は正面図である。
この第2実施例のものでは、クランプ具の高さをできるだけ低くするために、側面L形のベース1の上向き面11を水平面とし、当該上向き面に固定壁面12側が高くなる方向の3段の滑り傾斜面13を形成し、固定壁面12の下部を係止段面22としている。ベース1は、これを取り付ける台板などに設けたねじ孔に螺合する4本の固定ボルトで取り付ける構造で、ベース1の四隅部分に固定ボルトを挿通するボルト挿通孔21が設けられている。
滑り部材3は平板状の部材で、その下面にベースの傾斜滑り面13に摺接する3段の移動滑り面31を備え、その中央に締結ボルト61が貫通するワーク把持方向に細長い断面長孔の貫通孔34が設けられている。滑り部材3の上面の幅方向中央には、浅い断面コの字形のガイド溝が形成されている。
ベース1の底面中央には、ナット孔16が設けられている。このナット孔16は、四角い締結ナットが回り止めされた状態で挿入される角丸四角形の座ぐり部66を備えたものである。
締結ボルト61で押下される昇降蓋4は、下面に滑り部材のガイド溝33に摺動自在に嵌合するワーク把持方向のガイド畝42を備え、中央に締結ボルト61の六角孔付きの頭を沈めるための座ぐり孔を備えたボルト挿通孔41が設けられている。
この第2実施例のワーククランプ具は、図8に示すように、台板7に設けた凹部71の縁72にベース1の固定壁面の下部を係止した状態で固定ボルト孔21に挿通した固定ボルトで台板7に固定して使用する。図の台板7は、浅い溝状の凹部71を備えており、片側2個のワーククランプ具6が並べて取り付けられている。台板7は、治具の台板であってもよいし、バイスに設けられている口金を取り付けるための台板であってもよい。
この第2実施例のワーククランプ具も締結ボルト61を締めることによって、滑り部材3が図4の右方向に滑り移動してワークをクランプし、締結ボルト61を緩めることにより、ベース1と滑り部材3との間に装架した復帰ばね64によって滑り部材3が図4の左方向に移動してワークを開放する。
1 ベース
3 滑り部材
4 昇降蓋
5 Tナット
6a,6b ワーククランプ具
7 台板
12 固定壁面
13 傾斜滑り面
15 貫通孔
18,20 ベース固定用ボルト孔
22 係止段面
31 移動滑り面
32 口金取付面
33 ガイド溝
61 締結ボルト
64 復帰ばね
71 凹部
72 凹部の縁
3 滑り部材
4 昇降蓋
5 Tナット
6a,6b ワーククランプ具
7 台板
12 固定壁面
13 傾斜滑り面
15 貫通孔
18,20 ベース固定用ボルト孔
22 係止段面
31 移動滑り面
32 口金取付面
33 ガイド溝
61 締結ボルト
64 復帰ばね
71 凹部
72 凹部の縁
Claims (3)
- 上向面に固定壁面(12)側が高い複数段の平行な傾斜滑り面(13)を備えかつ底面に固定壁面(12)と平行な係止段面(22)を備えた側面L形のベース(1)と、上面が前記ベースの底面と平行で下面に前記傾斜滑り面に摺接する複数段の移動滑り面(31)を備えかつ反固定壁面側に口金取付面(32)を備えた滑り部材(3)と、前記ベースに昇降可能に嵌合されて前記滑り部材の中心を遊隙を持って上下に貫通する締結ボルト(61)の締結力で滑り部材の前記上面を押下する昇降蓋(4)と、この昇降蓋と前記滑り部材との間に設けられて幅方向の相対位置関係を規制しているガイド溝(33)と、前記滑り部材とベースとの間に装架されて当該滑り部材を固定壁面(12)側に付勢している復帰ばね(64)とを備えている、ワーククランプ具。
- 前記ベース(1)が、前記締結ボルト(61)を挿通する貫通孔(15)と、この貫通孔の固定壁面(12)と平行な方向及びこれに直交する方向に等距離(B)を隔ててベース固定用ボルト孔(18,20)とを備えている、請求項1記載のワーククランプ具。
- 前記係止段面(22)がベース(1)の固定壁面側の端辺に形成された請求項1記載のワーククランプ具(6b)の複数個が、上面に凹部(71)を備えた台板(7)の当該凹部に、それらのベースを挿入してそれらの係止段面を当該凹部の縁(72)に係止して取付けられている、ワーククランプ台。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006273256A JP2008087134A (ja) | 2006-10-04 | 2006-10-04 | ワーククランプ具及びワーククランプ台 |
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- 2006-10-04 JP JP2006273256A patent/JP2008087134A/ja active Pending
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091002 |
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Effective date: 20110208 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073 |