JP2008087007A - 摩擦圧接された接続箇所を有する製品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦圧接された接続箇所を有する製品であって、スパッタやバリの内部への流出を抑制できる製品を提供する。
【解決手段】この製品1cは、第1の接合面11を含む金属製の第1の中空部材10と、端面が第2の接合面21となった接合用の周壁22を含む金属製の第2の中空部材20とが、第1の接合面11と第2の接合面21とにおいて摩擦圧接された接続箇所30を有する。接続箇所30に、周壁22の内側に沿ってリング状の内壁31を設け、この内壁31の内側を通って、第1の中空部材10と第2の中空部材20とが連通されるようにする。第1の中空部材10の一部と、第2の中空部材20の一部と、内壁31とにより囲われたリング状の空間32に、第1の接合面11と第2の接合面21との間の摩擦圧接により生じたスパッタ41あるいはバリ42を閉じ込める。
【選択図】図3

Description

本発明は摩擦圧接された接続箇所を有する製品およびその製造方法に関するものである。
従来、車載用エアコン配管には、冷媒注入用のチャージポートとなる継手パイプなどの種々のユニオン(継手)が接続されている。金属パイプ同士も含めて、配管にユニオンを接続する場合、多くはろう付けが用いられている。
特許文献1および2には、中空部材同士を摩擦圧接により接合する方法が提案されている。この摩擦圧接による接合方法は、一方の固定された中空部材に他方の中空部材を回転させながら押し当てる摩擦過程と、回転を停止させながらアプセット圧力を加え、金属結合に至るまで押圧するアプセット過程とが連続して行われる。特許文献1には、摩擦圧力を14.7〜58.8MPa、摩擦寄り代/肉厚の比を0.15〜0.7、回転数を500〜3000rpmとするとともに、摩擦過程とアプセット過程との間に0.4〜0.8秒のアプセット遅れ時間を設け、5.0〜70.0mm/秒のアプセット寄り速度でアプセット圧力を加え、バリ底が0.5mm以上、バリ底角度が75度以下のバリを形成させるようにした摩擦圧接方法が開示されている。
特開平11−156562号公報 特開2005−305445号公報
摩擦圧接による中空部材同士の接合では、スパッタ(摩擦による金属同士の凝着摩耗粉)やバリ(摩擦熱による温度上昇で塑性変形した金属のはみ出し)が発生する。摩擦過程においては、主としてスパッタが発生する。また、アプセット過程においては、主としてバリが発生・成長する。接合される2つの中空部材の外側に発生するスパッタやバリは、除去も可能であり、さほど問題にはならないことが多い。しかしながら、内側(配管内)に発生したスパッタやバリは、除去が難しく、そのまま配管内に残留することが多いため、対応が必要な場合がある。すなわち、配管内に残留したスパッタや、配管内に剥がれ落ちたバリは異物となるため、配管および配管に連なるシステムの一部に詰まると、システムの不具合の原因になる可能性がある。また、バリは、配管内の流体の流れの妨げになる場合もある。
本発明の一態様は、接続箇所を有する製品である。接続箇所では、第1の接合面を含む金属製の第1の中空部材と、端面が第2の接合面となった接合用の周壁を含む金属製の第2の中空部材とが、第1の接合面と第2の接合面とにおいて摩擦圧接されている。さらに、この製品は、接続箇所に、周壁の内側に沿ってリング状の内壁が設けられており、この内壁の内側を通って、第1の中空部材と第2の中空部材とが連通されている。さらに、周壁を含む第2の中空部材の一部と、内壁と、第1の中空部材の一部とにより囲われたリング状の空間が形成され、第1の接合面と第2の接合面との間の摩擦圧接により生じたスパッタあるいはバリは、その空間に閉じ込められている。
この製品によれば、接続箇所に、周壁の内側に沿ってリング状の内壁が設けられており、第1の接合面と第2の接合面とが摩擦圧接する部分に沿って、その内側に空間が形成される。このため、第1の接合面と第2の接合面との間の摩擦圧接により生じたスパッタあるいはバリのうち、内側(中空側)に出るスパッタおよび/またはバリは、自動的にリング状の空間に閉じ込められる。このため、摩擦圧接により生じ、接続箇所の内部に残ったスパッタやバリが、第1および第2の中空部材内に流出され難い製品を提供できる。
この製品は、円筒形の物の端面同士、例えば、2本の金属パイプの端面同士を摩擦圧接してなるものであってもよい。すなわち、リング状の第1および第2の接合面が端面となる物同士の接続であってもよい。また、この製品は、容器の側壁に円筒形の物の端面を摩擦圧接したものであってもよい。さらに、この製品は、金属パイプの側面にユニオン(継手または継手パイプ)を摩擦圧接してなるものであってもよい。すなわち、第1の接合面が金属パイプの外面(側面)の一部であり、第2の接合面が円筒状のものの端面であってもよい。この場合、第1の接合面を含む側面は平坦であることが要求される。したがって、第1の中空部材である金属パイプには、接合準備のために、外側にその一部を平坦にした接合準備部分が形成される。第1の接合面は、上記接合準備部分に含まれる。そして、接合準備部分に、金属パイプの内部と連通する連通孔が形成される。このように準備された金属パイプとユニオンとを、これらの軸線が互いに交差するように、第1の接合面と第2の接合面とにおいて摩擦圧接させるとよい。このように、製品は、2本の金属パイプの端面同士を摩擦圧接してなるものであっても、金属パイプとユニオンとを互いの軸線が交差するように摩擦圧接してなるものであっても良く、接続箇所の内部に残ったスパッタやバリを閉じ込めることができる。
上記製品の一形態としては、内壁を含む内部リング部材を有するものを挙げることができる。内壁を含む内部リング部材は、第1の中空部材および第2の中空部材のそれぞれに対して直にまたは間接的に接する部分を備え、それらの接する部分の摩擦抵抗は、第1の接合面と第2の接合面との間の摩擦抵抗よりも小さいものである。内部リング部材の材料の好適な例の一つは、ステンレススチールである。
この形態によれば、内部リング部材と第1および第2の中空部材との間の摩擦抵抗が、摩擦圧接を行う第1の接合面と第2の接合面との間の摩擦抵抗よりも小さい。このため、内部リング部材と第1の中空部材との間および内部リング部材と第2の中空部材との間から、バリやスパッタが発生し難い。内部リング部材は、第1および第2の中空部材とは別体であるため、第1の中空部材に第2の中空部材を回転させながら押し当てる摩擦過程において、内部リング部材は、第1または第2の中空部材の回転につれ回る(とも回りする)可能性がある。その際の、第1および第2の中空部材に対する内部リング部材の相対的な回転速度は、第1および第2の中空部材の間の相対的な回転速度に比較すれば小さくなる。このため、内部リング部材と第1および/または第2の中空部材の間では、内部リング部材の内部に流出するようなバリやスパッタが発生し難い。
一方、内部リング部材により、周壁の内側にリング状の空間は形成されるので、第1の中空部材と周壁(第2の中空部材)とに起因するバリやスパッタをリング状の空間に閉じ込めることができる。
したがって、本発明の他の形態は、第1の接合面を含む金属製の第1の中空部材と、端面が第2の接合面となった周壁を含む金属製の第2の中空部材とを摩擦圧接する際に用いられる内部リング部材である。この内部リング部材は、第1の接合面と第2の接合面が摩擦圧接される接続箇所にセットされることにより、内側を通って第1の中空部材と第2の中空部材とを連通させるものである。また、この内部リング部材は、周壁の内側に沿って、第1の接合面と第2の接合面との間の摩擦圧接により生じたスパッタあるいはバリを閉じ込めるためのリング状の空間を形成するためのものである。さらに、この内部リング部材は、第1の中空部材および第2の中空部材のそれぞれに対して直にまたは間接的に接する部分を備え、接する部分の摩擦抵抗は、第1の接合面と第2の接合面との間の摩擦抵抗よりも小さい。
また、上記製品の他の形態としては、内壁の一方の端が、第1の中空部材または第2の中空部材に固定され、他方の端が、第2の中空部材または第1の中空部材に対して微小なクリアランスで対面しているものを挙げることができる。第1の中空部材または第2の中空部材に固定されているとは、第1の中空部材または第2の中空部材に、内壁を含む部材が固定されたものや、第1の中空部材または第2の中空部材に、内壁が一体に形成されたものなどを含む。また、上記微小なクリアランスは、リング状の空間に閉じ込められたバリやスパッタが、この微小なクリアランスを介して空間外に拡散しない程度のクリアランスであることが望ましい。
この形態によれば、内壁の一方の端は、第1または第2の中空部材に固定されているため、空間に閉じ込められたバリやスパッタは逃げない。一方、内壁の他方の端は、第2の中空部材または第1の中空部材に対して微小なクリアランスで対面しているため、この内壁に起因するバリやスパッタが発生し難く、内壁の内側にバリあるいはスパッタが排出される可能性は小さい。また、周壁が摩擦圧接される際に発生するバリあるいはスパッタは微小なクリアランスで閉じられた空間に閉じ込めることができる。したがって、バリやスパッタが発生する可能性の少ない形態の内壁を用いて、第1および第2の中空部材の摩擦圧接に起因するバリやスパッタを閉じ込め、バリやスパッタが製品内部に流出することを防止できる。
さらに、この製品によれば、内壁の第1の中空部材の側の端は、フランジ状に広がっていることが望ましい。第1の接合面と第2の接合面との摩擦圧接により生じたバリを、フランジの第2の中空部材の側に沿ってリング状の空間内に誘導することができる。このため、バリの閉じ込めが容易となる。さらに、バリにより内壁のフランジの部分を第1の接合面に向かって抑えることにより、空間に閉じ込められたバリあるいはスパッタが流出することを防止できる。
また、この製品によれば、内壁の外周面(周壁に対峙する面)は、第1の中空部材の側の端に向かって径が大きくなるようなテーパー面を含んでいることがさらに好ましい。第1の接合面と第2の接合面との摩擦圧接により生じたバリを、テーパー面に沿ってさらに容易にリング状の空間内に誘導することができる。しかも、第1の接合面と第2の接合面との摩擦圧接により生じたバリにより、内壁を第1の中空部材の側に押しつけることができる。したがって、空間に閉じ込められたバリあるいはスパッタが流出することを防止できる。特に、これらフランジ状またはテーパー状に第1の中空部材の側の端に向かって径が大きくなった内壁の形状は、内部リング部材に適している。
さらに、この製品によれば、第1の中空部材は、リング状の第1の接合面よりも内側に、内壁の端より径が大きく、第1の接合面よりも凹んだ部分を含んでいることが望ましい。フランジ状あるいはテーパー状に広がった部分の第1の中空部材の側の端を、第1および第2の接合面よりも第1の中空部材の側にシフトでき、バリあるいはスパッタを確実にリング状の空間に導くことができる。
さらに、凹んだ部分に、内壁と第1の中空部材が間接的に接するためのワッシャーを設けることが好ましい。凹んだ部分にワッシャーを設けることにより、摩擦圧接時において、ワッシャーが回転軸と直交する方向に不用意に移動することを抑止できる。ワッシャーは、第1および第2の中空部材同士の間の動摩擦係数よりも、小さな動摩擦係数を備えていることが望ましく、その一例はステンレススチール製のワッシャーである。ワッシャーも内部リング部材と同様に、第1および第2の中空部材に対して独立して回転することが可能な部材であり、内部リング部材が回転したときに、第2の中空部材との相対的な回転速度差を低減できる。したがって、内壁やワッシャーに起因するバリやスパッタの発生をさらに抑制できる。
本発明のさらに他の態様は、接続箇所を有する製品の製造方法である。この製造方法は、以下の工程を有する。
・ 第1の接合面を含む金属製の第1の中空部材と、端面が第2の接合面となった周壁を含む金属製の第2の中空部材とを、第1の接合面と第2の接合面とにおいて摩擦圧接すること。
・ 摩擦圧接することの前に、上記接続箇所に、第1の接合面と第2の接合面とを摩擦圧接する際には、第1の中空部材および第2の中空部材には圧接されない内壁であって、内側を通って第1の中空部材と第2の中空部材とが連通される内壁を配置し、周壁の内側に沿って、周壁を含む第2の中空部材の一部と、内壁と、第1の中空部材の一部とにより囲われたリング状の空間であって、第1の接合面と第2の接合面との間の摩擦圧接により生じたスパッタあるいはバリを閉じ込めるための空間を形成すること。
この製造方法によれば、摩擦圧接により生じ、接続箇所の内部に残ったスパッタやバリを、リング状の空間に閉じ込めることができる。したがって、スパッタやバリが、第1および第2の中空部材内に流出され難い製品を得ることができる。
この製造方法によれば、上記空間を形成する工程は、以下の工程を含むことが好ましい。
(a1)内壁を有し、第1の中空部材および第2の中空部材の双方から独立した内部リング部材を、第2の中空部材の内部に設ける工程。
この製造方法によれば、内部リング部材は、第1および第2の中空部材の双方から独立しているため、第1の中空部材に第2の中空部材を回転させながら押し当てる摩擦過程において、その回転につれ回る。したがって、内部リング部材は、温度上昇が少なく、塑性流動が少ないため、内部リング部材に起因するバリが発生し難い。
この場合、上記空間を形成する工程および摩擦圧接する工程は、以下の工程を含むことが好ましい。
(b1)内部リング部材を治具により、第1の中空部材の側に向けて付勢する工程。
この製造方法によれば、摩擦圧接中に、内部リング部材が回転やバリなどにより第2の中空部材の軸方向に不用意に移動し、リング状の空間に隙間が形成されることを抑止できる。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図である。図1は、一点鎖線で示す中心線(軸線)L2よりも紙面左側が摩擦圧接のために部材がセットアップされた状態、紙面右側が摩擦圧接加工後(製品)を示している。本例の製品およびその製造方法は、例えば、車載用のエアコン配管にユニオンを接合する場合に好適である。
この製品(以下、接合体という)1aは、第1の接合面11を含む第1の中空部材10と、第2の接合面21を含む第2の中空部材20とを含み、これらの部材10および20が、摩擦圧接されているものである。すなわち、接合体1aは、接続箇所30を含み、そこでは第1の接合面11と第2の接合面21とにおいて摩擦圧接されている。
第1の中空部材10は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる金属パイプである。第1の中空部材10は、接合準備のため、外側である周壁の一部が平面状に加工され、全体が平坦な接合準備部分12が形成されている。第1の接合面11は、この平坦な接合準備部分12に含まれ、接合準備部分12の内の以下に述べる第2の中空部材20に接合されるリング状の部分である。また、接合準備部分12に含まれるリング状の第1の接合面11の中央に、第1の中空部材10の内部と連通する連通孔13が形成されている。
第2の中空部材20は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなるユニオン(継手)である。第2の中空部材20は、円筒状で、その端面が第2の接合面21となった接合用の周壁22を含む。周壁22は、第2の中空部材20の端部にリング状の切削部23を設けることにより形成されている。さらに、周壁22の内側には、切削部23による空間を隔てて円筒状の内壁31が残されている。すなわち、接続体1aの接続箇所30には、第2の中空部材20の内部に、周壁22の内側に沿ってリング状の内壁31が設けられている。
内壁31の一方の端31aは、第2の中空部材20に固定されている。本例では、内壁31は、切削部23を形成することにより形成されているので、内壁31は第2の中空部材20と一体であり、一方の端31aで繋がっている。内壁31の他方の端31bは、周壁22より突き出た状態になっており、摩擦圧接する際に、その他方の端31bが、第1の中空部材10の連通孔13に対して、微小なクリアランスC1で挿入されるようになっている。
この接合体1aを製造するためには、まず、第1の中空部材となる金属パイプ10の外周面にプレス加工などにより接合準備部分12を形成する。次に、金属パイプ10と、第2の中空部材であるユニオン20とを、これらの軸線L1およびL2が互いに直交し、第1の接合面11と第2の接合面21とが接触するようにセットする。この際、ユニオン20から下方に突出した内壁31を、連通孔13に対して微小なクリアランスC1がある状態で挿入する。このように部材10および20をセットアップすることにより、内壁31の内側を通って、金属パイプ10とユニオン20とが連通され、金属パイプ10の内部19とユニオン20の内部29とが繋がる。さらに、内壁31と、周壁22を含むユニオン20の一部と、金属パイプ10の接合準備部分12とにより切削部23が囲われる。内壁31の一端31aは、第2の中空部材20と繋がり、他端31bは、微小なクリアランスC1を介して第1の中空部材10の連通孔13に面する。したがって、ユニオン20の周壁22の内側に沿い、内壁31の外側に実質的に閉塞されたリング状の空間32が形成される(図1の一点鎖線L2よりも紙面左側参照)。
次に、金属パイプ10とユニオン20とを摩擦圧接する。このケースでは、金属パイプ10を固定し、ユニオン20を回転させることにより、部材10および20を相対的に回転させながら押し当てる(摩擦過程)。さらに、部材10および20の回転を停止しアプセット圧力を加え、接合に至るまでユニオン20を金属パイプ10に押圧する(アプセット過程)。これら摩擦過程とアプセット過程とを連続して行うことにより、第1の接合面11と第2の接合面21との間が摩擦圧接される。さらに、摩擦圧接により生じたスパッタ41あるいはバリ42のうち、周壁22の内側に排出されるものは、空間32に導かれ、閉じ込められる。
内壁31は、摩擦圧接する際に、その他方の端31bが、金属パイプ10の連通孔13に対して、微小なクリアランスC1で対面するようにアレンジされるので、内壁31は基本的には摩擦圧接されず、内壁31の内側にスパッタやバリが放出される可能性は小さい。以上により、摩擦圧接により接合体1aの接合箇所30を形成できる。
この製造方法により製造される接合体1aは、部材10および20が摩擦圧接された接続箇所30を有する。そして、接続箇所30には、周壁22の内側に沿ってリング状の内壁31が設けられ、この内壁31の内側を通って金属パイプ10とユニオン20とが連通される。さらに、周壁22を含むユニオン20の一部と、内壁31と、金属パイプ10の一部とにより囲われたリング状の空間32が設けられ、その空間32に第1の接合面11と第2の接合面21との間の摩擦圧接により生じたスパッタ41あるいはバリ42が閉じ込められる。接合体1aは、スパッタ41やバリ42を接続箇所30の内部の空間32に保持するため、スパッタ41やバリ42は、第1および第2の中空部材10および20内に流出され難い。
図2は、本発明の第2の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図である。図2の一点鎖線L2よりも紙面左側が摩擦圧接のために部材がセットアップされた状態、紙面右側が摩擦圧接加工後(製品)を示している。製品の一例は、車載用のエアコン配管であって接合されたユニオンを有するものである。
この製品(以下、接合体という)1bも接続箇所30を有し、接続箇所30では、第1の接合面11を含む第1の中空部材10と、第2の接合面21を含む第2の中空部材20とが、摩擦圧接されている。
第1の中空部材10は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる金属パイプであって、接合準備のため、外周の一部がフラットになるように加工され、接合準備部分12が形成されている。この接合準備部分12の一部が第1の接合面11となり、その内部に第1の中空部材10の内部と連通する連通孔13が形成されていることは上記の例と同様である。連通孔13には、内壁31を形成するための中空部材39が固定されている。内壁31の一方の端31aが、かしめにより第1の中空部材10に対し固定されている。内壁31の他方の端31bは、第2の中空部材20の内部流路29に対して、微小なクリアランスC2で挿入できるようになっている。
第2の中空部材20は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなるユニオン(継手)であって、端面が第2の接合面21となった接合用の周壁22を含む。第2の中空部材20の周壁22の内側は、切削によりユニオン20の内部流路29が広げられ、リング状の切削部23が設けられている。
この接合体1bを製造する際には、第1の中空部材である金属パイプ10と、第2の中空部材であるユニオン20とを、軸線L1およびL2が互いに直交し、第1の接合面11と第2の接合面21とが接触するようにセットする。内壁31の他方の端31bは、ユニオン20の内部流路29に挿入され、内壁31の内側を通って、金属パイプ10の内部19とユニオン20の内部流路29とが連通される。それとともに、内壁31と、周壁22を含むユニオン20の一部と、金属パイプ10の接合準備部分12とにより周壁22の内側にリング状の空間32が形成される。内壁31の一方の端31aは、固定されており、他方の端31bは、ユニオン20の内部流路29に対して微小なクリアランスC2で面している。このため、リング状の空間32は、実質的に閉塞されており、この空間32に、第1の接合面11と第2の接合面21との間の摩擦圧接により生じたスパッタ41やバリ42を閉じ込めることができる。他の構成は、第1の実施形態と同様であるため、図面に同符号を付して重複する説明は省略する。
次に、上記の例と同様に、金属パイプ10とユニオン20とを相対的に回転させ(摩擦過程)、押圧する(アプセット過程)ことにより、第1の接合面11と第2の接合面21との間を摩擦圧接する。摩擦圧接により生じたスパッタ41あるいはバリ42のうち、周壁22の内側に出されるものは、空間32に導かれ、閉じ込められる。内壁31の固定されていない他方の端31bは微小なクリアランスがあるようにアレンジされるので、基本的にはバリやスパッタは内壁31の内側には放出されない。万一、クリアランスの調整が不十分で内壁31が接触したとしても、接触する範囲は限られるので、それにより放出されるスパッタなどの異物は微量である。
この接続体1bは、内壁31が第1の中空部材である金属パイプ10に固定されている例である。内壁31(内壁31を含む部材39)のフリーの端31bは、ユニオン20の内面(内部流路29の内面)に対して、微小なクリアランスで対面するようにしているので、内壁31からスパッタあるいはバリは発生し難く、周壁22からのスパッタ41やバリ42は空間32で保持できる。
図3は、本発明の第3の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図である。図3の一点鎖線L2よりも紙面左側が摩擦圧接のための部材がセットアップされた状態、紙面右側が摩擦圧接加工後の状態を示している。本図に示している治具50は、接合のために用いられるものであり、製品には含まれない。製品の一例は、ユニオン付きのエアコン配管である。
この製品(以下、接合体1cという)は、第1の接合面11を含む第1の中空部材10と、第2の接合面21を含む第2の中空部材20と、内壁31を含む内部リング部材33とを含む。第1の中空部材10と第2の中空部材20とは摩擦圧接されており、接合体1cは、第1の接合面11と第2の接合面21とにおいて部材10および20が摩擦圧接された接続箇所30を有する。
第1の中空部材10は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる金属パイプであって、接合準備のため、外壁の一部に、プレスなどにより平坦な接合準備部分12が形成されている。第1の接合面11は、この接合準備部分12に含まれており、接合面11よりも内側には、第1の中空部材10の内部19に繋がる連通孔13が形成されている。
第2の中空部材20は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる円筒状の本体28を備えたユニオン(継手)であって、本体28から下方に突き出た円筒状の周壁であって、端面が第2の接合面21となった接合用の周壁22を含む。周壁22は、本体28よりも小径となるように、外側が切削されており、先端部分21は、面取りされている。この先端部分21が接合面となり、摩擦圧接される。
内部リング部材33は、中空で外側に段差のある円筒状であり、大径部33aと小径部33bとを有する。内部リング部材33は、第2の中空部材であるユニオン20の周壁22、すなわち接続箇所30の内側にセットされ、大径部33aの周面33cがユニオン20の内部経路29に直に接し、小径部33bの端面34が第1の中空部材である金属パイプ10の接合面11の内側の接合準備部分12に直に接する。内部リング部材33は、ステンレススチール(ステンレス)製である。ステンレス−アルミニウムの間の摩擦抵抗は、アルミニウム−アルミニウムの間の摩擦抵抗よりも小さい。したがって、内部リング部材33と金属パイプ10とが接する部分との間の摩擦抵抗、および内部リング部材33とユニオン20とが接する部分との間の摩擦抵抗は、それぞれ、第1の接合面11と第2の接合面21との間の摩擦抵抗よりも小さい。
この接合体1cを製造する際には、金属パイプ10とユニオン20とを、軸線L1およびL2が互いに直交し、第1の接合面11と第2の接合面21とが接触するようにセットする。その際、ユニオン20の周壁22の内側に内部リング部材33を挿入し、コイルばね51を有する治具50をユニオン20の内部経路29に挿入し、内部リング部材33を治具50により、金属パイプ10の側に向けて付勢する。
金属パイプ10の内部19と、ユニオン20の内部経路29とは、内部リング部材33の内部を通って連通する。内部リング部材33の小径部33bは内壁31となり、その内壁31と、周壁22を含むユニオン20の一部と、金属パイプ10の接合準備部分12とにより、周壁22の内側に沿ってリング状の空間32が形成される。内部リング部材33の大径部33aは、周囲33cがユニオン20の内部経路29と接し、小径部33bは端部34が金属パイプ10の接合準備部分12に接する。このため、リング状の空間32は実質的に閉塞された空間となり、この空間32に、第1の接合面11と第2の接合面21との間の摩擦圧接により生じたスパッタ41やバリ42を閉じ込めることができる(図3の一点鎖線L2よりも紙面左側参照)。
上記の例と同様に、摩擦過程と、アプセット過程とを連続して行い、摩擦圧接する。このとき、内部リング部材33は、治具50により金属パイプ10の接合準備部分12に付勢されているため、内部リング部材33が接合準備部分12から浮きにくいようになっている。第1の接合面11と第2の接合面21との間が摩擦圧接されるとともに、周壁22の内側の空間32に摩擦圧接により周壁22の先端から生じたスパッタ41あるいはバリ42が閉じ込められる。そのバリ42などにより空間32が埋まるので、内部リング部材33はユニオン20に対して固定され、治具50を取り外しても内部リング部材33は動かず、スパッタ41およびバリ42は、空間32に閉じ込められたままとなる。
内部リング部材33は、金属パイプ10およびユニオン20に対して動摩擦係数が小さい。また、内部リング部材33は、金属パイプ10およびユニオン20とは別体であるため、金属パイプ10に対して相対的にユニオン20を回転させながら押し当てる摩擦過程において、内部リング部材33は、ユニオン20にともなわれて回転しても回転数は低い。したがって、内部リング部材33と金属パイプ10およびユニオン20との接触部分33bおよび33cの温度上昇が少なく、塑性流動が少ない。このため、内部リング部材33に起因するバリが発生し難い。なお、摩擦圧接された後、治具50は取り除く。治具50は、再利用可能である。
本例の接合体1cは、内壁31を含む内部リング部材33を含み、バリ42やスパッタ41を内部リング部材33と周壁22との間の空間32に保持する。したがって、金属パイプ10あるいはユニオン20の側に内壁31を設ける必要はなく、それら中空部材の側に特別な加工を施す必要がない。
また、内部リング部材33は、金属パイプ10およびユニオン20のいずれからも独立した部材であるため、それらに対してクリアランスの調整が不要である。摩擦圧接中に内部リング部材33が接合準備部分12から離れてしまう(浮いてしまう)と、閉じた空間が形成できない。これに対し、本例では、内部リング部材33を再利用可能な治具50で押さえつけながら摩擦圧接しているため、内部リング部材33の浮き上がりを抑止できる。
図4は、本発明の第4の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図である。図4の一点鎖線L2よりも紙面左側が摩擦圧接のためにセットアップされた状態、紙面右側が摩擦圧接加工後の状態を示している。摩擦圧接加工後、治具50を取り除くことにより、製品を得ることができる。図5は、図4の一部(接続箇所30近傍)を拡大して示している。製品の一例は、上記と同様に、車載用のエアコン配管あるいは配管アセンブリであって、ユニオンが接合されているものである。
この製品(以下、接合体1dという)では、内壁31として機能する、内部リング部材33の小径部33bの先端(金属パイプ側)34が、フランジ状に広がっている。一方、金属パイプ10の接合準備部分12においては、リング状の第1の接合面11の内側に、第1の接合面11よりも凹んだ部分35が形成されており、この凹んだ部分35の内径は、内部リング部材33の先端のフランジ部分34よりも大きい。したがって、内部リング部材33のフランジ状の先端34は、この凹んだ部分35に嵌まった状態で当接する。他の構成および製造方法は、第3の実施形態と同様であるため、図面に同符号を付して重複する説明は省略する。
図5に拡大して示すように、内壁31のフランジ状に広がった先端34が、第1の接合面11よりも凹んだ部分35に入っているので、第1の接合面11と第2の接合面21との摩擦圧接により生じたバリ42は、フランジ34の上を通って空間32に導かれる。したがって、バリ42が内部リング部材33と接合準備部分12との間に入って内部リング部材33が浮いてしまう事態の発生を防止できる。さらに、バリ42によりフランジ状の先端34が押さえられるので、いったんバリ42が空間32に導かれると、バリ42により内部リング部材33が接合準備部分12に押し付けられ、内部リング部材33が浮くのを防止する。また、摩擦圧接した後も、バリ42により内部リング部材33の動きが妨げられるので、リング状の空間32の密閉度を維持できる。
図6は、本発明の第5の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図である。図6の一点鎖線L2よりも紙面左側が摩擦圧接のためにセットアップされた状態、紙面右側が摩擦圧接加工後の状態を示している。摩擦圧接加工後、治具50を取り除くことにより、製品を得ることができる。図7は、図6の一部(接続箇所30近傍)を拡大して示している。製品の一例は、上記と同様に、車載用のエアコン配管あるいは配管アセンブリである。
この製品(以下、接合体1eという)では、内壁31として機能する、内部リング部材33の小径部33bの先端34がテーパー状に広がっている。このため、小径部33bの先端34の外周面(周壁22に対峙する面)36は、金属パイプ10の側の端に向かって径が大きくなるようなテーパー面となっている。一方、金属パイプ10の接合準備部分12には、リング状の第1の接合面11よりも内側(接合面11と連通孔13との間)に、第1の接合面11よりも凹んだ部分35が形成されている。そして、内部リング部材33のテーパー状に広がった先端34は、この凹んだ部分35に当接している。他の構成および製造方法は、第3の実施形態と同様であるため、図面に同符号を付して重複する説明は省略する。
図7に拡大して示すように、内壁31を含む内部リング部材33のテーパー面36は、フランジ状の先端よりも、バリ42をさらに空間32に誘導しやすい。また、第1の接合面11と第2の接合面21との摩擦圧接により生じたバリ42により、内部リング部材33を金属パイプ10の接合準備部分12に押しつける力を得やすく、空間32の密閉性を向上でき、さらに信頼性の高い製品を提供できる。
図8は、本発明の第6の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図である。図8の一点鎖線L2よりも紙面左側が摩擦圧接のためにセットアップされた状態、紙面右側が摩擦圧接加工後の状態を示している。図9は、本発明の第6の実施形態にかかる製品(加工後)の状態を示している。図10は、図9の一部(接続箇所30近傍)を拡大して示している。製品の一例は、上記と同様に車載用のエアコン配管または配管アセンブリである。
この製品(以下、接合体1fという)は、第5の実施形態の製品と同様に、内壁31として機能する、内部リング部材33の小径部33bの先端34が、テーパー状に広がっている。また、リング状の第1の接合面11の内側に、第1の接合面11よりも凹んだ部分35が形成されている。本例の接合体1fでは、凹んだ部分35に、ステンレス製のワッシャー37が設けられており、内部リング部材33の先端34と、金属パイプ10の接合準備部分12とがワッシャー37を介して間接的に接している。他の構成および製造方法は、第3の実施形態と同様であるため、図面に同符号を付して重複する説明は省略する。
ワッシャー37を設けることにより、内部リング部材33と金属パイプ10との間の摩擦力をさらに低減できる。すなわち、ワッシャー37と内部リング部材33とはステンレス同士の接触になるので、金属パイプ10と内部リング部材33とが接する場合よりもさらに摩擦係数が小さくなる。また、内部リング部材33を押さえるための治具50がユニオン20と共に回転し、内部リング部材33もユニオン20と共に回転した場合、内部リング部材33と金属パイプ10との間に配設されたワッシャー37は、回転したとしても低速度であり、ワッシャー37と金属パイプ10との間の摩擦抵抗を低減できる。したがって、内壁31やワッシャー37に起因するバリ42やスパッタ41の発生を抑制することができる。また、第1の中空部材10の凹んだ部分35にワッシャー37を設けることにより、摩擦圧接時において、ワッシャー37が回転軸と直交する方向に不用意に移動することを抑止できる。
図11は、本発明の第7の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図である。図11の一点鎖線よりも紙面上側が摩擦圧接のためにセットアップされた状態、紙面下側が摩擦圧接加工後(製品)を示している。
この製品(以下、接合体1gという)では、第1の中空部材10は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる金属パイプであって、端面が第1の接合面11となっている。第2の中空部材20は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる金属パイプであって、端面が第2の接合面21となっている。第2の中空部材20の端部には、リング状の切削部23が設けられており、第2の中空部材20の内部には、接続箇所30に、周壁22の内側に沿ってリング状の内壁31が一体に設けられている。そして、この内壁31により、切削部23は内側から覆われている。内壁31は、摩擦圧接する際に、その他方の端31bが、第1の中空部材10の内壁面14に対して、微小なクリアランスで対面するような外径を有している。
本例では、第1の中空部材10と第2の中空部材20とは、これらの軸線L1およびL2が実質的に一致するように、第1の接合面(端面)11と第2の接合面(端面)21とにおいて摩擦圧接され、接合体1gを成している。この接合体1gは、内壁31と、周壁22を含む第2の中空部材20の一部と、第1の中空部材10の端面11とにより実質的に閉塞されたリング状の空間32が形成され、この空間32に、第1の接合面11と第2の接合面21との間の摩擦圧接により生じたスパッタ41やバリ42が閉じ込められている。製造方法は、第1の実施形態と同様であるため、重複する説明は省略する。
本例によれば、直管状のパイプなどの円筒あるいは半球状の部材同士であっても、第1の接合面11と第2の接合面21との間の摩擦圧接により生じたスパッタ41あるいはバリ42がリング状の空間32に閉じ込められた状態の接合体1gを得ることができる。以下の例においても同様である。
図12は、本例の第8の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図である。図12の一点鎖線よりも紙面上側が摩擦圧接のためにセットアップされた状態、紙面下側が摩擦圧接加工後(製品)を示している。
この製品(以下、接合体1hという)では、第1の中空部材10は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる金属パイプであって、第1の接合面11は、端面が第1の接合面11となっている。また、第1の中空部材10には、内壁31が形成されている。内壁31は、摩擦圧接する際に、その他方の端31bが、第2の中空部材20の内壁面24に対して、微小なクリアランスで対面するような外径を有している。
第2の中空部材20は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる金属パイプであって、端面が第2の接合面21となっている。第2の中空部材20の端部には、リング状の切削部23が設けられている。この切削部23は、第1の中空部材10と第2の中空部材20とが接続された状態において、内壁31により内側から覆われる。
本例では、第1の中空部材10と第2の中空部材20とは、これらの軸線L1およびL2が実質的に一致するように、第1の接合面(端面)11と第2の接合面(端面)21とにおいて摩擦圧接され、接合体1hを成している。そして、この接合体1hでも、内壁31と、周壁22を含む第2の中空部材20の一部と、第1の中空部材10とにより実質的に閉塞されたリング状の空間32が形成され、この空間32に、第1の接合面11と第2の接合面21との間の摩擦圧接により生じたスパッタ41やバリ42が閉じ込められている。
図13は、本例の第9の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図である。一点鎖線よりも紙面上側が摩擦圧接のためにセットアップされた状態、紙面下側が摩擦圧接加工後(製品)を示している。二点鎖線で記載されている治具を取り除くことにより、製品を得ることができる。
この製品(以下、接合体1iという)では、内壁31を含む内部リング部材33の小径部33bの第1の中空部材10の側の端34がテーパー状に広がっている。第1の中空部材10は、リング状の第1の接合面11の内側に、第1の接合面11よりも内側に凹んだ部分35を含んでいる。内部リング部材33の先端は、この凹んだ部分35に当接している。他の構成および製造方法は、第7の実施形態と同様であるため、図面に同符号を付して重複する説明は省略する。
本例によれば、直管状のパイプ同士であっても、上記の各例と共通する形態の内部リング部材33を用いて第1の接合面11と第2の接合面21との間の摩擦圧接により生じたスパッタ41あるいはバリ42を収納するためのリング状の空間32を形成でき、バリ42などがその空間32に閉じ込められた状態の接合体1iを得ることができる。
本発明にかかるパイプ接合体1a及びパイプ接合方法は、車載用エアコン配管の接合に限らず、配管サイズや接合条件を適宜変更することで、他の用途、他の材質を用いた金属管どうしの側面と端面どうしの接合に用いることも可能である等、発明の本旨を変更しない範囲で様々な改変をなし得る。
本発明の第1の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図。 本発明の第2の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図。 本発明の第3の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図。 本発明の第4の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図。 図4の一部を拡大して示す図。 本発明の第5の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図。 図6の一部を拡大して示す図。 本発明の第6の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図。 本発明の第6の実施形態にかかる製品を示す断面図。 図9の一部を拡大して示す図。 本発明の第7の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図。 本発明の第8の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図。 本発明の第9の実施形態にかかる製品およびその製造方法を説明するための図。
符号の説明
1a〜1i 接合体(製品)
10 第1の中空部材、 11 第1の接合面
12 接合準備部分、 13 連通孔
20 第2の中空部材、 21 第2の接合面
22 周壁、 30 接続箇所
31 内壁、 32 リング状の空間
33 内部リング部材、 34 フランジ
35 凹んだ部分、 36 テーパー面
37 ワッシャー、 41 スパッタ
42 バリ、 50 治具
L1 第1の中空部材の軸線、 L2 第2の中空部材の軸線

Claims (13)

  1. 接続箇所を有する製品であって、
    前記接続箇所では、第1の接合面を含む金属製の第1の中空部材と、端面が第2の接合面となった接合用の周壁を含む金属製の第2の中空部材とが、前記第1の接合面と前記第2の接合面とにおいて摩擦圧接され、さらに、
    前記接続箇所には、前記周壁の内側に沿ってリング状の内壁が設けられ、この内壁の内側を通って前記第1の中空部材と前記第2の中空部材とが連通され、
    前記周壁を含む前記第2の中空部材の一部と、前記内壁と、前記第1の中空部材の一部とにより囲われたリング状の空間に、前記第1の接合面と前記第2の接合面との間の摩擦圧接により生じたスパッタあるいはバリが閉じ込められている、製品。
  2. 請求項1において、前記第1の中空部材は、金属パイプであり、前記第2の中空部材は、ユニオンであり、
    前記金属パイプは、接合準備のために、外側にその一部を平坦にした接合準備部分が形成されており、前記第1の接合面は、前記接合準備部分に含まれており、前記接合準備部分に、前記金属パイプの内部と連通する連通孔が形成されており、
    前記金属パイプと前記ユニオンとは、これらの軸線が互いに交差するように、前記第1の接合面と前記第2の接合面とにおいて摩擦圧接されている、製品。
  3. 請求項1において、前記内壁の一方の端は、前記第1の中空部材または前記第2の中空部材に固定されており、他方の端は、前記第2の中空部材または前記第1の中空部材に対して微小なクリアランスで対面している、製品。
  4. 請求項1において、前記内壁を含む内部リング部材を有し、
    前記内部リング部材は、前記第1の中空部材および前記第2の中空部材のそれぞれに対して直にまたは間接的に接する部分を備え、それらの接する部分の摩擦抵抗は、前記第1の接合面と前記第2の接合面との間の摩擦抵抗よりも小さい、製品。
  5. 請求項1において、前記内壁の前記第1の中空部材の側の端は、フランジを含んでおり、前記第1の接合面と前記第2の接合面と摩擦圧接により生じたバリをフランジとは反対側に誘導している、製品。
  6. 請求項1において、前記内壁の前記周壁に対峙する面は、前記第1の中空部材の側の端に向かって径が大きくなるようなテーパー面を含んでおり、前記第1の接合面と前記第2の接合面との摩擦圧接により生じたバリにより、前記内壁が前記第1の中空部材の側に押されている、製品。
  7. 請求項4において、前記内壁の前記第1の中空部材の側の端は、フランジ状またはテーパー状に前記第1の中空部材の側の端に向かって径が大きくなり、
    前記第1の中空部材は、リング状の前記第1の接合面よりも内側に、前記内壁の端よりも径が大きく、前記第1の接合面よりも凹んだ部分を含んでいる、製品。
  8. 請求項7において、前記凹んだ部分に、前記内壁と前記第1の中空部材とを間接的に接するためのワッシャーが設けられている、製品。
  9. 請求項8において、前記内壁および前記ワッシャーは、ステンレス製である、製品。
  10. 第1の接合面を含む金属製の第1の中空部材と、端面が第2の接合面となった接合用の周壁を含む金属製の第2の中空部材とを摩擦圧接する際に用いられる内部リング部材であって、
    前記第1の接合面と前記第2の接合面とが摩擦圧接される接続箇所にセットされることにより、当該内部リング部材の内側を通って前記第1の中空部材と前記第2の中空部材とが連通し、前記周壁の内側に沿って、前記第1の接合面と前記第2の接合面との間の摩擦圧接により生じたスパッタあるいはバリを閉じ込めるためのリング状の空間が形成され、
    前記第1の中空部材および前記第2の中空部材のそれぞれに対して直にまたは間接的に接する部分を備え、前記接する部分の摩擦抵抗は、前記第1の接合面と前記第2の接合面との間の摩擦抵抗よりも小さい、内部リング部材。
  11. 接続箇所を有する製品の製造方法であって、
    第1の接合面を含む金属製の第1の中空部材と、端面が第2の接合面となった接合用の周壁を含む金属製の第2の中空部材とを、前記第1の接合面と前記第2の接合面とにおいて摩擦圧接することと、
    前記摩擦圧接することの前に、前記接続箇所に、前記第1の接合面と前記第2の接合面とを摩擦圧接する際には、前記第1の中空部材および前記第2の中空部材には圧接されない内壁であって、内側を通って前記第1の中空部材と前記第2の中空部材とが連通される内壁を配置し、前記周壁の内側に沿って、前記周壁を含む前記第2の中空部材の一部と、前記内壁と、前記第1の中空部材の一部とにより囲われたリング状の空間であって、前記第1の接合面と前記第2の接合面との間の摩擦圧接により生じたスパッタあるいはバリを閉じ込めるための空間を形成することとを含む、製造方法。
  12. 請求項11において、前記空間を形成することは、前記内壁を有し、前記第1の中空部材および前記第2の中空部材の双方から独立した内部リング部材を、前記第2の中空部材の内部に設けることを含む、製造方法。
  13. 請求項12において、前記空間を形成することは、前記内部リング部材を治具により、前記第1の中空部材の側に向けて付勢することを含む、製造方法。
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