JP2008085528A - 動電型スピーカーおよびスピーカーシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型又は薄型の動電型スピーカーで、特に、低音再生能力に優れ、ディスプレイ等の機器に取り付けるのに適する動電型スピーカー、および、スピーカーシステムを提供する。
【解決手段】 磁気回路をコーン型振動板の凹面側に配置する前面磁気回路型の動電型スピーカーであって、第1フレームおよび第2フレームが、コーン型振動板の凹面側へ放射される音波を直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせて、自由空間へと導出する音導部を形成し、音導部は、コーン型振動板の凹面側の第1フレーム周縁部に対応して規定された音源空間と、コーン型振動板の凹面側から放射される音波を自由空間に導出する音道とを有し、磁気回路を音源空間内に収容する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、小型又は薄型の動電型スピーカーで、特に、低音再生能力に優れ、ディスプレイ等の機器に取り付けるのに適する動電型スピーカー、および、スピーカーシステムに関する。
音声を再生するスピーカーを取り付けるディスプレイ等の音響機器や、ゲーム機やスロットマシン等の遊戯機においては、スピーカーを取り付けるのに要する空間を小型化することが要望されている。スピーカーは、特に、小型又は薄型の動電型スピーカーは、振動板面積が限られる、厚みが必要な大型磁気回路を備える全高が高いスピーカーを採用できない、キャビネットの体積が規定する音響容量が不足する、といった様々な理由から低音再生能力において不利であるので、これを解決するために様々な動電型スピーカー、および、これを用いたスピーカーシステムが提案されている。
例えば、奥行き寸法が大きいディスプレイに用いるスピーカーシステムであって、スピーカーと音響管とからなるものでは、一方向に開口部を有する音道管の奥部に円錐形振動板の凸面を前面に突出して装着したスピーカーを、円錐形振動板の凸面を音道管の内方向に挿入して取り付けて、音道管の軸とスピーカーの軸を直角に配置し、再生する音声の周波数特性を改善するスピーカーシステムがある。(特許文献1)。
また、スピーカーを取り付けたスロットマシンにおいては、第1のスピーカーが前記扉部の前面から効果音を放出するように扉部の内面に取り付けられ、第2のスピーカーがリールブロックの側方であって筐状本体の一方の側壁部の内面に取り付けられる音響ボックスの内部に設けられており、音響ボックスに第2のスピーカーが取り付けられかつ第2のスピーカーの前面音を放出するための取付孔と、第2のスピーカーの背面音を外部へ放出するための放出口とを備え、取付孔を対向する他方の側壁部に向け、かつ放出口を筐状本体の背壁部または側壁部に開設された開口部と連通させるようにして側壁部の内面に取り付けられて成るものがある(特許文献2)。
さらに、低音を再生するスピーカーシステムにおいて、スピーカーと、スピーカーを同一形状の密閉箱に取り付けて直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせ、スピーカーから放射される音波を自由空間へと導出する音導部と、を備えるスピーカーシステムがある(特許文献3)。音導部は、スピーカーの周縁部に対応して規定された音源空間と、スピーカーから放射される音波を自由空間に導出する音道とを有し、音道が、中間部の幅が音源空間と音道との接続部の幅および音道の出口部の幅よりも狭く、かつ、音道の音波導出方向の軸に対して非対称であるような平面形状を有し、それによって、スピーカーシステムのf0が、スピーカーを同一形状の密閉箱に取り付けて直接自由空間へと放射する場合のf0と比較して20%以上低くなり、キャビネットの体積が小さくても十分な低音を再生する。
特許第3211678号公報 特許第3777058号公報 特許第3656551号公報
ディスプレイ等の音響機器、および、ゲーム機やスロットマシン等の遊戯機においても、良好な音声再生のためには、上記特許文献3に匹敵する良好な低域再生特性を有するスピーカーシステムをその内部に取り付けられるようにすることが好ましい。しかしながら、これらの機器では、機器筐体内部側空間に配置される他の部品との関係から、スピーカーを取り付けるのに要する空間を小型化することが強く要望されており、上記特許文献3に記載のスピーカーシステムをその内部に取り付けることは困難である場合がある。特に、上記特許文献3に記載のスピーカーシステムは、音導部の反対側に、つまり、機器筐体内部側空間に動電型スピーカーの磁気回路が突出するので、全体として小型化および薄型化が図りにくいという問題がある。
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、小型又は薄型の動電型スピーカーで、特に、低音再生能力に優れ、ディスプレイ等の機器に取り付けるのに適する動電型スピーカー、および、スピーカーシステムを提供することにある。
本発明の動電型スピーカーは、コーン型振動板と、コイルをコーン型振動板の凹面側に突出するように配置してコーン型振動板の内周端と連結するボビンを有するボイスコイルと、コーン型振動板の外周端を支持するエッジと、ボビンと連結してコーン型振動板の内周端側を支持するダンパーと、エッジおよびダンパーの外周端をそれぞれ固定する第1フレームと、コイルが配置される磁気空隙を有する磁気回路と、第1フレームと連結して磁気回路をコーン型振動板の凹面側に配置する第2フレームと、を備える動電型スピーカーであって、第1フレームおよび第2フレームが、コーン型振動板の凹面側へ放射される音波を直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせて、自由空間へと導出する音導部を形成し、音導部は、コーン型振動板の凹面側の第1フレーム周縁部に対応して規定された音源空間と、コーン型振動板の凹面側から放射される音波を自由空間に導出する音道とを有し、磁気回路を音源空間内に収容する。
好ましくは、本発明の動電型スピーカーは、音導部が、コーン型振動板の凹面側から所定の距離だけ離間して対向配置された第2フレームが形成する対向壁体と、コーン型振動板の凹面側の第1フレーム周縁部と対向壁体との間に設けられて対向壁体とともに音源空間を規定する第2フレームが形成する側面壁体と、側面壁体に形成された音源空間開口と、音源空間開口に連結する音道を規定するダクト体と、を備える。
また、好ましくは、本発明の動電型スピーカーは、ダクト体が、第1フレームが有する第1フランジと、第2フレームが有する第2フランジと、により形成される。
また、本発明の動電型スピーカーは、第2フレームが形成する対向壁体が、磁気回路から伝達する熱を放射する放熱壁を有する。
また、本発明の動電型スピーカーは、第2フレームが、磁気回路を構成するヨークを兼用するように形成され、磁気空隙が、第2フレームの対向壁体と、磁気回路を構成するプレートと、の間に規定される。
さらに、好ましくは、本発明のスピーカーシステムは、上記の動電型スピーカーと、動電型スピーカーの音導部を固定する取付部を有するキャビネットと、ダクト体に連結する連結ダクトと、を備える。
また、本発明のスピーカーシステムは、コーン型振動板と、コイルをコーン型振動板の凹面側に突出するように配置してコーン型振動板の内周端と連結するボビンを有するボイスコイルと、コーン型振動板の外周端を支持するエッジと、ボビンと連結してコーン型振動板の内周端側を支持するダンパーと、エッジおよびダンパーの外周端をそれぞれ固定する第1フレームと、コイルが配置される磁気空隙を有する磁気回路と、第1フレームと連結して磁気回路をコーン型振動板の凹面側に配置する第2フレームと、を備える動電型スピーカーと、第1フレームおよび/または第2フレームと連結して、コーン型振動板の凹面側へ放射される音波を直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせて、自由空間へと導出する音導部材と、動電型スピーカーおよび音導部材を固定する取付部を有するキャビネットと、を備え、音導部材は、コーン型振動板の凹面側の第1フレーム周縁部に対応して規定された音源空間と、コーン型振動板の凹面側から放射される音波を自由空間に導出する音道とを有し、磁気回路を音源空間内に収容する。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明の動電型スピーカーは、コーン型振動板と、コイルをコーン型振動板の凹面側に突出するように配置してコーン型振動板の内周端と連結するボビンを有するボイスコイルと、コイルが配置される磁気空隙を有しコーン型振動板の凹面側に配置される磁気回路と、を備えている、いわゆる、前面磁気回路型スピーカーであり、さらに、コーン型振動板の凹面側へ放射される音波を直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせて、自由空間へと導出する音導部を備えている。
この音導部は、コーン型振動板の凹面側の第1フレーム周縁部に対応して規定された音源空間と、コーン型振動板の凹面側から放射される音波を自由空間に導出する音道とを有し、上記特許文献3のスピーカーシステムが有する音導部と同様に作用する。つまり、音導部は、動電型スピーカーを同一形状の密閉箱に取り付けて直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせ、スピーカーから放射される音波を自由空間へと導出する。その結果、低音再生限界を規定する最低共振周波数f0が低くなり、本発明の動電型スピーカーは、十分な低音を再生することができる。
なお、本発明における音源空間および音道とは、特許文献3に記載のものとほぼ同義である。音源空間は、スピーカーの振動板のフレーム周縁部に対応して規定される空間であり、音道は、音源空間に連通してスピーカーから放射される音波を自由空間に導出する空間であり、その出口部が放射孔である。
好ましくは、音導部は、コーン型振動板の凹面側から所定の距離だけ離間して対向配置された第2フレームが形成する対向壁体と、コーン型振動板の凹面側の第1フレーム周縁部と対向壁体との間に設けられて対向壁体とともに音源空間を規定する第2フレームが形成する側面壁体と、側面壁体に形成された音源空間開口と、音源空間開口に連結する音道を規定するダクト体と、を備える。ダクト体は、第1フレームが有する第1フランジと、第2フレームが有する第2フランジと、により形成され、放射孔を規定する。
本発明の動電型スピーカーでは、動電型スピーカーを構成する第1フレームおよび第2フレームによってこの音導部が形成されており、磁気回路をその音源空間内に収容する。つまり、コーン型振動板の凹面側に磁気回路を備える前面磁気回路型スピーカーは、エッジおよびダンパーの外周端をそれぞれ固定する第1フレームと、第1フレームと連結して磁気回路をコーン型振動板の凹面側に配置する第2フレームと、を備えているので、これらの第1フレームおよび第2フレームを、そして、磁気回路を音響負荷として利用して音導部を形成する。その結果、従来であれば音導部の反対側に突出する動電型スピーカーの磁気回路が、音導部の音源空間内に収容されてしまうので、低音再生能力に優れ、かつ、全体として小型化および薄型化された動電型スピーカーが実現される。
特に、動電型スピーカーの磁気回路が、音導部の音源空間内に収容されてしまうので、音導部内のコーン型振動板の凹面側で移動する空気が、音源空間内のコイルで発生する熱による温度上昇を、抑制することができる。磁気回路の磁気空隙が音源空間と連通しているので、コイルで発生する熱は、極めて効率的よく放熱され、温度が上昇する磁気回路全体も冷却される。また、磁気回路をコーン型振動板の凹面側に配置する第2フレームが、熱伝導性に優れる金属で形成されている場合には、第2フレームが同時に形成する対向壁体が磁気回路から伝達する熱を放射する放熱壁を有していれば、さらに放熱効率が高まる。例えば、熱伝導性に優れる金属としては、鉄、銅、アルミニウム等の金属や、これらを含む合金である。したがって、動電型スピーカーの耐入力性能を向上することができる。
また、第2フレームを鉄等の透磁率の高い金属材料で形成し、この動電型スピーカーの磁気回路を構成するヨークを兼用するようにすると、磁気回路の磁気空隙が、第2フレームの対向壁体と、磁気回路を構成するプレートと、の間に規定される。したがって、動電型スピーカーを構成する部品数を低減し、全体の軽量化、ならびに、コスト低減を図ることができる。磁気回路は、音導部の音源空間内に収容されてしまうだけでなく、第2フレームと一体に構成されるので、コイルで発生する熱は、極めて効率的よく放熱され、動電型スピーカーの耐入力性能を向上することができる。
本発明の動電型スピーカーは、低音再生能力に優れ、かつ、全体として小型化および薄型化されるので、機器筐体内部側空間に配置される他の部品との関係から、スピーカーを取り付けるのに要する空間を小型化することが強く要望される機器に取り付けるのに適する。もちろん、本発明の動電型スピーカーと、動電型スピーカーの音導部を固定する取付部を有するキャビネットと、ダクト体に連結する連結ダクトと、を備えるスピーカーシステムとして使用してもよい。
なお、本発明のスピーカーシステムは、その動電型スピーカーが、エッジおよびダンパーの外周端をそれぞれ固定する第1フレームと、第1フレームと連結して磁気回路をコーン型振動板の凹面側に配置する第2フレームと、を備える前面磁気回路型スピーカーであればよく、第1フレームおよび/または第2フレームと連結して、コーン型振動板の凹面側へ放射される音波を直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせて自由空間へと導出する音導部材を、取り付けるようにしてもよい。
低音再生能力に優れる小型又は薄型の動電型スピーカーを実現でき、ディスプレイ等の機器に取り付ける場合には、他の部品との関係で機器筐体内部側空間を有効に利用できる。また、この動電型スピーカーを使用することにより、放熱特性に優れ、低音再生能力に優れるスピーカーシステムを提供することができる。
本発明の動電型スピーカーは、低音再生能力に優れ、ディスプレイ等の機器筐体に取り付けるのに適する小型又は薄型の動電型スピーカーを提供するという目的を、コーン型振動板と、コイルをコーン型振動板の凹面側に突出するように配置してコーン型振動板の内周端と連結するボビンを有するボイスコイルと、コーン型振動板の外周端を支持するエッジと、ボビンと連結してコーン型振動板の内周端側を支持するダンパーと、エッジおよびダンパーの外周端をそれぞれ固定する第1フレームと、コイルが配置される磁気空隙を有する磁気回路と、第1フレームと連結して磁気回路をコーン型振動板の凹面側に配置する第2フレームと、を備える動電型スピーカーであって、第1フレームおよび第2フレームが、コーン型振動板の凹面側へ放射される音波を直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせて、自由空間へと導出する音導部を形成し、音導部は、コーン型振動板の凹面側の第1フレーム周縁部に対応して規定された音源空間と、コーン型振動板の凹面側から放射される音波を自由空間に導出する音道とを有し、磁気回路を音源空間内に収容するようにすることにより、実現した。
以下、本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカーおよびスピーカーシステムについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカー1を説明する図である。図1(a)は、動電型スピーカー1の側面断面図であり、図1(b)は、動電型スピーカー1を構成する各部品について順番に並べて、底面側から斜めに見た分解斜視図である。なお、後述するように、動電型スピーカー1の一部の構造や、内部構造等は、省略している。
本実施例の動電型スピーカー1は、口径16cmのコーン型振動板2と、コーン型振動板の凹面側に位置する磁気回路10と、コーン型振動板の凹面側へ放射される音波を自由空間へと導出する音導部9と、を備える前面磁気回路型スピーカーである。動電型スピーカー1の全高Hは、口径16cmの動電型スピーカーとしては極めて低い約45mmであり、動電型スピーカー1は、低音再生に適した薄型の前面磁気回路型スピーカーである。
動電型スピーカー1のコーン型振動板2は、その外周端にエッジ4が接着されており、また、内周端にボイスコイル3のボビン3bが接着されている。コーン型振動板2は、漏斗状形状の内側、つまり、コーン型形状の凹面側に空間を形成するようなものであれば、その材料やコーンカーブの形状を問わない。コーン型振動板2は、スピーカーの振動板として代表的に用いられる、紙繊維を製紙して成形した紙振動板、樹脂を成形した樹脂振動板(織布または不織布等を基材として樹脂を含浸して成形した樹脂振動板を含む。)、他の材料でコーン型に形成した振動板であればよい。
エッジ4は、柔軟性を有する繊維の織布を基材としてフェノール樹脂を含浸して成形するもののほか、他の動電型スピーカーに使用されるエッジ材料で成形するものであればよい。また、エッジ4の形状は、図示したコルゲーションエッジだけでなく、ロールエッジであってもよい。エッジ4は、後述するフレーム7の固定部7aにその外周側が固定され、その結果、コーン型振動板2は振動可能に支持されている。
ボイスコイル3は、音声電流が供給されるコイル3aと、コイル3aがその一端側に巻回されるボビン3bから形成される。ボビン3bは、コイル3aをコーン型振動板2の凹面側に突出するように、コイル3aが巻回されない他端側がコーン型振動板2の内周端と、接着剤により連結される。なお、図1では、コイル3aからの引出線と、引出線をハンダ付けしてフレーム7の連結部7cに固定されるターミナル15まで導通させる錦糸線は、省略されている。錦糸線は、コーン型振動板2に金属ハトメを設けてターミナル15まで導通させるようにすればよい。また、ボイスコイル3は、2つの音声信号電流に対応してコイル3aが二重に巻き回しされたダブルボイスコイルであってもよい。
ダンパー5は、柔軟性を有する繊維の織布を基材としてフェノール樹脂を含浸して成形するコルゲーションダンパーであり、ボビン3bのコイル3aが巻回されない他端側と連結してコーン型振動板2の内周端側を支持する。ダンパー5の外周端側は、フレーム7の固定部7bに固定される。ダンパー5は、他の材料で形成するものであってもよく、内周側リングと外周側リングを連結するアームを有し、金属または樹脂で形成する蝶ダンパーであってもよい。
ダストキャップ6は、ボイスコイル3のボビン3bのコイル3aが巻回されない他端側を閉塞するように連結され、接着剤で固定される。ダストキャップ6は、ドーム部6aの中央に小孔6bが設けられており、ボビン3bの内側に形成される空間に在る空気の一部が、小孔6bから外側の空気と連通する。ダストキャップ6は、コーン型振動板2と同様に、スピーカーのダストキャップとして代表的に用いられる材料により形成されるものであればよい。
フレーム7は、バスケット状にプレス成型された鉄板フレームであり、エッジ4を固定する径の大きな固定部7aと、ダンパー5を固定する径の小さな固定部7bと、固定部7aおよび7bを連結する連結部7cと、複数の連結部7cの間に規定される窓7dと、ターミナル15を取り付ける(図示しない)取付孔7eと、固定部7aから延設されるフランジ部7fと、を備える。したがって、コーン型振動板2、ボイスコイル3、エッジ4、ダンパー5およびダストキャップ6からなるスピーカー振動系は、フレーム7に対して振動可能に支持される。
ボビン3bに巻回されたボイスコイル3のコイル3aは、ボビン3bがコーン型振動板2の内周端に接着されて、コーン型振動板2の凹面側に突出するように配置される。そして、コイル3aは、同様にコーン型振動板2の凹面側に、後述するサブフレーム8で配置される磁気回路10が有する磁気空隙に配置される。磁気回路10は、ヨーク11と、ヨークのセンター部に固着されるマグネット12と、マグネット12に固着されるプレート13と、プレート13に固着されてマグネット12とともに反発磁界をヨーク11およびプレート13が形成する磁気空隙に発生させるマグネット14と、から構成される。
ボイスコイル3のコイル3aに音声電流が供給されると、ボイスコイル3には駆動力が作用し、ボイスコイル3は磁気空隙内を図1における上下方向に振動し、連結されたコーン型振動板2も図1における上下方向に振動する。磁気回路10は、ボイスコイル3のボビン3bが投影する内部に磁石が収まる内磁型磁気回路であるので、本発明の動電型スピーカー1のような前面磁気回路型スピーカーに適する。ヨーク11の最大外径を小さくすることができれば、コーン型振動板2の凹面側に形成される空間に収まるからである。
サブフレーム8は、プレス成型されたアルミニウムフレームであり、フレーム7と連結して磁気回路10をコーン型振動板2の凹面側に配置する。つまり、サブフレーム8は、コーン型振動板2の凹面に沿って形成される対向壁体部8aと、フレーム7の固定部7aに対応して立ち上がるように形成される側面壁体部8bと、側面壁体部8bの一端と他端との間に開いた開口として形成される音源空間開口8cと、磁気回路10が固定される磁気回路固定部8dと、音源空間開口8cが設けられるところに延設されるフランジ部8fと、サブフレーム8を他のキャビネット等に取り付けるための複数の取付孔8gと、を有しており、サブフレーム8をフレーム7と連結することで、磁気回路10をコーン型振動板2の凹面側に配置するとともに、コーン型振動板2の凹面側へ放射される音波を直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせる音源空間9aと、自由空間へと導出する音道9bを有する音導部9を形成する。
音導部9の音源空間9aは、コーン型振動板2およびエッジ4と、サブフレーム8の対向壁体部8aおよび側面壁体部8bと、ボイスコイル3と、磁気回路10とで規定される。音源空間9aは、コーン型振動板2の凹面側に規定された狭い空間であるので、コーン型振動板2が直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせる。サブフレーム8の対向壁体部8aは、中央の磁気回路固定部8dが窪んでいる擂り鉢状の突出面部と、磁気回路固定部8dの底面と同じ高さの平面部とからなり、これを逆さにしてコーン型振動板2の凹面側に被せたような形状である。
したがって、サブフレーム8の対向壁体部8a、ならびに、磁気回路固定部8dに固定される磁気回路10は、コーン型振動板2の凹面に対向して音響負荷として作用する。音源空間9a内の音波は、音道9bを経て自由空間に導出される。音道9bは、フレーム7のフランジ部7fおよびサブフレーム8のフランジ部8fによって形成されるダクト体により規定され、サブフレーム8の側面壁体部8bの一端と他端との間に開いた開口として形成される音源空間開口8cに連通し、出口部が放射孔9cとなる。
このように、動電型スピーカー1の音導部9は、上記特許文献3のスピーカーシステムが有する音導部と同様に、低音再生限界を規定する最低共振周波数f0を低くするように作用する。本発明の動電型スピーカー1は、音導部9を備えることで、スピーカー単体でも十分な低音を再生することができる。このとき、動電型スピーカー1では、この前面磁気回路型スピーカーの磁気回路10が、音導部9の音源空間9a内に収容している。したがって、動電型スピーカー1の全高Hは、口径16cmの動電型スピーカーとしては極めて低い約45mmを実現するとともに、低音再生に適したスピーカーとすることができる。
ボイスコイル3のコイル3aに音声電流が供給されて、コーン型振動板2が図1における上下方向に振動すると、音導部9の音源空間9a内のコーン型振動板2の凹面側で移動する空気は、音源空間9a内のコイル3bで発生する熱による磁気回路10の温度上昇を抑制する。したがって、磁気回路10が音導部9の音源空間9a内に収容されてしまうので、音源空間9a内のコーン型振動板2の凹面側で移動する空気は、磁気回路10を冷却する。本実施例の場合には、磁気回路10の磁気空隙が音源空間9aと連通しているので、コイル3aで発生する熱は、極めて効率的よく放熱される。
また、サブフレーム8は、熱伝導性に優れるアルミニウムにより形成されており、温度が上昇する磁気回路10がサブフレーム8の磁気回路固定部8dに取り付けられるので、対向壁体部8aおよび側面壁体部8bが放熱体となって、さらに放熱効率が高まる。例えば、サブフレーム8が、アルミニウムを含む合金をダイカスト成型して形成されたものである場合には、対向壁体部8aの平面部に放熱壁としてのフィンを容易に設けることができる。フィンによりサブフレーム8の表面積が増加すれば、更に放熱効率が高まる。したがって、動電型スピーカー1は、サブフレーム8による音導部9を備えることで耐入力性能を向上することができる。
なお、磁気回路10のマグネット14と、ダストキャップ6ならびにボイスコイル3のボビン3bと、の間に形成される空間17に存在する空気は、この空間17が閉じられていると空気の圧縮および膨張の圧力により、コーン型振動板2の振動を抑制するように働く。磁気回路10の磁気空隙が音源空間9aと連通しているといっても、音源空間9aの空気の圧縮および膨張の圧力は高く、空間17で高い圧力の空気の圧縮および膨張が生じるのは好ましくない。したがって、ダストキャップ6のドーム部6aの中央に小孔6bを設ける、もしくは、磁気回路10に貫通孔を設ける、等により、空間17に在る空気の一部が外部の空気と連通するとよい。
図2は、実施例1の動電型スピーカー1を取り付けた機器の実施例として、遊戯機のスロットマシン20を説明する図である。図2(a)は、スロットマシン20の正面図であり、図2(b)は、スロットマシン20の側面図(一部がA−A’断面図)である。なお、後述するものを除いて、説明に不用なスロットマシン20の一部の構造や、内部構造等は、省略している。
スロットマシン20は、リール23a〜23cやメダル処理器29等が取り付けられる筐体21と、筐体21の前面側に設けられて、閉じられたときに遊戯者が対向する扉体22と、を有している。扉体22を開放すると、筐体21のメンテナンスや、内部の部品組立が行える。扉体22には、リール窓23と、メダル投入孔24と、スイッチ25と、表示器26と、メダル放出孔27と、が取り付けられている。
スロットマシン20では、遊戯時には、遊戯者がメダル投入孔24にメダルを投入してスタートボタン25sを押すとリール23a〜23cが回転を始め、ストップボタン25a〜25cを押すとそれぞれのリール23a〜23cが回転を停止する。リール23a〜23cには複数のシンボルが印刷されており、リール23a〜23cが停止した時のシンボルの並びにより、メダル処理器29からメダル放出孔27を通じてメダルが排出される。遊戯の制御は、CPU、メモリ等を含む(図示しない)制御回路が行う。
スロットマシン20の扉体22には、さらに報知音等を再生する左スピーカー31と、右スピーカー32と、実施例1の動電型スピーカー1の放射孔30が取り付けられている。制御回路から出力される音声信号は、(図示しない)増幅回路で増幅されて、左スピーカー31と、右スピーカー32と、実施例1の動電型スピーカー1にそれぞれ供給される。左スピーカー31および右スピーカー32は、遊戯者の前方左右にそれぞれ配置され、動電型スピーカー1の音導部9から導出される音波を放射する放射孔30は、遊戯者が手で操作するスイッチ25の下部近傍に形成される。なお、左スピーカー31と、右スピーカー32と、放射孔30とには、それぞれ振動板に異物が衝突したり、また、メダル等を誤って挿入されたりしないように、通気性を有する保護ネットやグリルを設けておくのが好ましい。
動電型スピーカー1は、筐体21の内部に設けられる取付材28に、サブフレーム8の取付孔8gを介して、ネジで固定される。動電型スピーカー1には音導部9が形成されているので、コーン型振動板2の凹面側に放射された音源空間9a内の音波は、音道9bを規定するダクト体(フレーム7のフランジ部7fおよびサブフレーム8のフランジ部8f)に連結される略四角柱状のダクト33と、放射孔30とを経て自由空間に、つまり、遊戯者へ向けて導出される。放射孔30に連結するダクト33は、扉体22に取り付けられており、扉体22を閉じたときに筐体21に取り付けられた動電型スピーカー1の音導部9の音道9bと連結する。一方で、コーン型振動板2の凸面側に放射された音波は、すなわち、凹面側の反対側に放射された音波は、フレーム7の窓7dを通じて筐体21の内側に放射され、筐体21内の空間の空気は、スピーカーシステムにおける音響容量として作用する。
したがって、本実施例のスロットマシン20は、低音再生能力に優れ、迫力感のある再生音を遊戯者に提供することができる。また、放射孔30は、遊戯者が手で操作するスイッチ25の下部近傍に形成されるので、遊戯者にとって放射孔30から導出される空気を感じ取りやすく、スロットマシン20の遊戯の制御で意図した演出効果を、確実に遊戯者へ伝達できる。
このとき、動電型スピーカー1は、スロットマシン等の遊戯機に用いるスピーカーとしては大型の口径16cmのものであっても、その全高Hはわずかに約45mmである。動電型スピーカー1は、音導部9の反対側に、つまり、筐体21の内部側空間に動電型スピーカー1の磁気回路10が突出しないので、動電型スピーカー1は、例えば、図示したようにリール23bとメダル処理器29との間のわずかな空間を利用して、筐体21の内部側空間に配置することができる。
なお、本実施例のスロットマシン20では、動電型スピーカー1をコーン型振動板2が上下方向に振動するように取り付け、音道9bと放射孔30とを連結するダクト33を略四角柱状のダクトとしているが、動電型スピーカー1を取り付ける方向に制限がある場合等には、任意の方向に曲げられたダクトを使用してもよい。例えば、動電型スピーカー1を筐体21ではなく、扉体22の裏面側に取り付けるような場合には、ダクト33を、直角折曲部を有するものにすればよい。
図3は、本発明の他の好ましい実施形態による動電型スピーカー70を説明する側面断面図である。なお、実施例1の動電型スピーカー1と共通する部分には、共通する番号を付しており、動電型スピーカー70の一部の構造や、内部構造等は、省略している。
動電型スピーカー70は、サブフレーム80が、磁気回路10を構成するヨークを兼用するように形成されていることを除いて、実施例1の動電型スピーカー1と、コーン型振動板2、ボイスコイル3、エッジ4、ダンパー5、フレーム7の構成は、ほぼ共通する。最も異なっているのは、サブフレーム80が、透磁率の高い鉄板でプレス成型されており、磁気回路10の磁気空隙が、サブフレーム80の対向壁体80aと、磁気回路を構成するプレート13と、の間に規定されていることである。つまり、磁気回路10は、サブフレーム80と、サブフレーム80のマグネット固定部80dに固着されるマグネット12と、マグネット12に固着されるプレート13と、プレート13に固着されてマグネット12とともに反発磁界を磁気空隙に発生させるマグネット14と、から構成される。
したがって、本実施例の動電型スピーカー70は、実施例1の動電型スピーカー1と同様に、全高Hを低く抑えた低音再生に適したスピーカーを実現するだけでなく、構成する部品数を低減し、全体の軽量化、ならびに、コスト低減を図ることができる。磁気回路10が、音導部9を形成するサブフレーム80と一体に構成されるので、音導部9の音源空間内に収容され、コイル3aで発生する熱は、極めて効率的よく放熱される。また、サブフレーム80が、熱伝導性に優れる鉄板で形成されるので、磁気回路10の熱は、マグネット固定部80dからサブフレーム80に伝搬してその表面から空気中へ放熱され、その結果、動電型スピーカー70の耐入力性能を向上することができる。
図4および図5は、本発明の好ましい実施形態によるスピーカーシステム100を説明する図である。図4(a)は、スピーカーシステム100を底面側から斜めに見た斜視図であり、図4(b)は、スピーカーシステム100を構成する各部品について順番に並べて、底面側から斜めに見た分解斜視図である。また、図5(a)は、スピーカーシステム100を構成する前面磁気回路型スピーカー40の側面断面図であり、実施例1の動電型スピーカー1と共通する部分には、共通する番号を付している。また、図5(b)は、前面磁気回路型スピーカー40と連結する音導部材50の側面断面図である。なお、スピーカーシステム100の一部の構造や、内部構造等は、省略している。
本実施例のスピーカーシステム100は、口径16cmの前面磁気回路型スピーカー40を、外形寸法がわずかに幅:約18cm、奥行:約18cm、高さ:約5cmのキャビネット60に収めたサブウーファーであり、キャビネット60は、樹脂により成形されるバフル61と、ボックス62とからなる。前面磁気回路型スピーカー40は、バフル61の取付部61eに取り付けられ、さらにスピーカーシステム100は、前面磁気回路型スピーカー40のコーン型振動板2の凹面側に音導部材50を取り付けて構成される。なお、ボックス62の天面側に開けられた開孔には、バフル61に取り付けられる前面磁気回路型スピーカー40の天面側(後述するサブフレーム41)が嵌合して、ボックス62の内部側に密閉空間を形成する。
前面磁気回路型スピーカー40は、コーン型振動板2の凹面側が下側を向けられていることを除いて、実施例1の動電型スピーカー1と、コーン型振動板2、ボイスコイル3、エッジ4、ダンパー5、フレーム7、および、磁気回路10の構成は、ほぼ共通する。最も異なっているのは、磁気回路10をコーン型振動板の凹面側に配置するサブフレーム41の構成であり、サブフレーム41は、磁気回路10をボイスコイル3のボビンの内部空間側から固定する。
具体的には、サブフレーム41は、フレーム7の固定部7bと連結する台座フレーム42と、台座フレーム42と連結してボイスコイル3のボビンの内部空間側へ凸部を突出させる凸台座43と、から構成され、凸台座43の凸部の中央にはネジ孔44が形成されている。台座フレーム42は、プレス成型された鉄板フレームであり、凸台座43は、樹脂またはアルミニウム等の非磁性体で形成された成型品である。そして、磁気回路10は、凸台座43の凸部のネジ孔44に、非磁性体の長ネジ45で固定される。
前面磁気回路型スピーカー40のフレーム7は、径の大きな固定部7aから外側に延設された取付部7gを、さらに備えている。前面磁気回路型スピーカー40は、この取付部7gを介してバフル61の取付部61eに(図示しない)ネジで取り付けられる。このとき、音導部材50も同時に取り付けられる。
音導部材50は、実施例1の動電型スピーカー1におけるサブフレーム8とほぼ同様の構成を有する。つまり、音導部材50は、プレス成型されたアルミニウムフレームであり、コーン型振動板2の凹面に沿って形成される対向壁体部50aと、側面壁体部50bと、側面壁体部50bの一端と他端との間に開いた開口として形成される音源空間開口50cと、磁気回路10が収容される磁気回路収容部50dと、音源空間開口50cが設けられるところに延設されるフランジ部50fと、音導部材50を他のキャビネット等に取り付けるための複数の取付孔50gと、を有している。したがって、音導部材50をフレーム7と連結することで、磁気回路10をコーン型振動板2の凹面側に配置するとともに、コーン型振動板2の凹面側へ放射される音波を直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせる音源空間9aと、自由空間へと導出する音道9bを有する音導部9を形成する。
音導部9の音源空間9aは、コーン型振動板2およびエッジ4と、音導部材50の対向壁体部50aおよび側面壁体部50bと、ボイスコイル3と、磁気回路10とで規定され、コーン型振動板2の凹面側に規定された狭い空間であるので、コーン型振動板2が直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせる。音導部材50の対向壁体部50a、ならびに、磁気回路収容部50dに固定される磁気回路10は、コーン型振動板2の凹面に対向して音響負荷として作用する。音源空間9a内の音波は、音道9bを経て自由空間に導出される。音道9bは、バフル61の音道部61fおよび音導部材50のフランジ部50fによって形成され、側面壁体部50bの一端と他端との間に開いた開口として形成される音源空間開口50cに連通し、出口部が放射孔9cとなる。
このように、本実施例のスピーカーシステム100の音導部9は、上記特許文献3のスピーカーシステムが有する音導部と同様に、低音再生限界を規定する最低共振周波数f0を低くするように作用する。スピーカーシステム100は、実質的に前面磁気回路型スピーカー40と音導部材50とで形成する音導部9を備えることで、全高の低い薄型・小型のスピーカーシステムであっても、十分な低音を再生することができる。
本実施例のスピーカーシステム100では、この前面磁気回路型スピーカー40の磁気回路10が、音導部9の音源空間9a内に収容され、コーン型振動板2の凸面側にあたるキャビネット60の体積をスピーカーシステム100の音響容量として利用でき、その結果、スピーカーシステム100としての全高Hを低く抑えることができる。音導部材50を設けても、スピーカーシステム100の全高Hは、キャビネット60の全高に加えて約1cmしか増加しない。口径16cmの動電型スピーカーを使用するスピーカーシステムとしては極めて低い約6cmを実現するとともに、低音再生に適したものとすることができる。
なお、本実施例のスピーカーシステム100においても、前面磁気回路型スピーカー40の磁気回路10が音導部9の音源空間9a内に収容されてしまうので、音源空間9a内のコーン型振動板2の凹面側で移動する空気が磁気回路10を冷却するのは同様である。磁気回路10の磁気空隙が音源空間9aと連通しているので、コイル3aで発生する熱は、極めて効率よく放熱される。
また、本実施例のスピーカーシステム100は、前面磁気回路型スピーカー40を備えているものであればよく、前面磁気回路型スピーカー40の磁気回路10をコーン型振動板2の凹面側に配置する手段は、本実施例のサブフレーム41の形態に限られない。もちろん、サブフレーム41が、フレーム7の口径の大きな固定部7aを十字状に橋渡しするように設けられる固定部材により、磁気回路10をコーン型振動板2の凹面側に配置するものであってもよい。
また、上記実施例で説明する動電型スピーカー1ならびに前面磁気回路型スピーカー40の磁気回路10は、その外形寸法を小さくしやすい反発磁石を備えた内磁型磁気回路であるが、磁気回路10の構成は本実施例に限られない。磁気回路10は、その外形寸法がコーン型振動板2の凹面側に収まる程度に小さければ外磁型磁気回路でもよく、また、ヨーク11を備えない反発型磁気回路であってもよい。
本発明の動電型スピーカー1は、スロットマシン等の遊戯機に内蔵するスピーカーとしてのみならず、音声を再生するスピーカーを内蔵するキャビネットを有するディスプレイ等の映像・音響機器にも適用が可能である。また、スピーカーシステム1は、全高が低く、小型・薄型のキャビネットで低音再生するサブウーファーが実現できるので、設置空間が限定される車両用のスピーカーに特に適する。
本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカー1を説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカー1を備えたスロットマシン20を説明する図である。(実施例2) 本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカー70を説明する図である。(実施例3) 本発明の好ましい実施形態によるスピーカーシステム100を説明する図である。(実施例4) 本発明の好ましい実施形態によるスピーカーシステム100を構成するスピーカー40ならびに音導部材50を説明する図である。(実施例4)
符号の説明
1 動電型スピーカー
2 コーン型振動板
3 ボイスコイル
4 エッジ
5 ダンパー
6 ダストキャップ
7 フレーム
8 サブフレーム
9 音導部
10 磁気回路
20 スロットマシン
21 筐体
22 扉体
23 リール
30 放射孔
33 ダクト
40 前面磁気回路型スピーカー
41 サブフレーム
50 音導部材
60 キャビネット
70 動電型スピーカー
80 サブフレーム
100 スピーカーシステム

Claims (7)

  1. コーン型振動板と、コイルを該コーン型振動板の凹面側に突出するように配置して該コーン型振動板の内周端と連結するボビンを有するボイスコイルと、該コーン型振動板の外周端を支持するエッジと、該ボビンと連結して該コーン型振動板の内周端側を支持するダンパーと、該エッジおよび該ダンパーの外周端をそれぞれ固定する第1フレームと、該コイルが配置される磁気空隙を有する磁気回路と、該第1フレームと連結して該磁気回路を該コーン型振動板の凹面側に配置する第2フレームと、を備える動電型スピーカーであって、
    該第1フレームおよび該第2フレームが、該コーン型振動板の凹面側へ放射される音波を直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせて、自由空間へと導出する音導部を形成し、
    該音導部は、該コーン型振動板の凹面側の該第1フレーム周縁部に対応して規定された音源空間と、該コーン型振動板の凹面側から放射される音波を自由空間に導出する音道とを有し、該磁気回路を該音源空間内に収容する、
    動電型スピーカー。
  2. 前記音導部は、前記コーン型振動板の凹面側から所定の距離だけ離間して対向配置された前記第2フレームが形成する対向壁体と、該コーン型振動板の凹面側の前記第1フレーム周縁部と該対向壁体との間に設けられて該対向壁体とともに前記音源空間を規定する前記第2フレームが形成する側面壁体と、該側面壁体に形成された音源空間開口と、該音源空間開口に連結する前記音道を規定するダクト体と、を備える、
    請求項1に記載の動電型スピーカー。
  3. 前記ダクト体が、前記第1フレームが有する第1フランジと、前記第2フレームが有する第2フランジと、により形成される、請求項2に記載の動電型スピーカー。
  4. 前記第2フレームが形成する前記対向壁体が、前記磁気回路から伝達する熱を放射する放熱壁を有する、請求項1から3のいずれかに記載の動電型スピーカー。
  5. 前記第2フレームが、前記磁気回路を構成するヨークを兼用するように形成され、前記磁気空隙が、該第2フレームの前記対向壁体と、前記磁気回路を構成するプレートと、の間に規定される、請求項1から4のいずれかに記載の動電型スピーカー。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の前記動電型スピーカーと、該動電型スピーカーの前記音導部を固定する取付部を有するキャビネットと、前記ダクト体に連結する連結ダクトと、を備える、スピーカーシステム。
  7. コーン型振動板と、コイルを該コーン型振動板の凹面側に突出するように配置して該コーン型振動板の内周端と連結するボビンを有するボイスコイルと、該コーン型振動板の外周端を支持するエッジと、該ボビンと連結して該コーン型振動板の内周端側を支持するダンパーと、該エッジおよび該ダンパーの外周端をそれぞれ固定する第1フレームと、該コイルが配置される磁気空隙を有する磁気回路と、該第1フレームと連結して該磁気回路を該コーン型振動板の凹面側に配置する第2フレームと、を備える動電型スピーカーと、
    該第1フレームおよび/または該第2フレームと連結して、該コーン型振動板の凹面側へ放射される音波を直接自由空間へ放射する場合に比べて高い空気の圧縮および膨張を生じさせて、自由空間へと導出する音導部材と、
    前記動電型スピーカーおよび前記音導部材を固定する取付部を有するキャビネットと、を備え、
    該音導部材は、該コーン型振動板の凹面側の該第1フレーム周縁部に対応して規定された音源空間と、該コーン型振動板の凹面側から放射される音波を自由空間に導出する音道とを有し、該磁気回路を該音源空間内に収容する、
    スピーカーシステム。
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