JP2008082181A - ロータリピストンエンジンの点火制御装置 - Google Patents

ロータリピストンエンジンの点火制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、始動時における異音の発生を抑制しつつ、作動室における燃焼安定性を確保できるロータリピストンエンジンの点火制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ロータとロータハウジングと、サイドハウジングとにより形成する作動室のL側点火プラグ、T側点火プラグのT側点火コイル、L側点火コイルを並列接続可能なリレースイッチを備え、エンジン始動時(s2)、T側点火コイルを、L側点火コイルに並列接続するようにリレースイッチを作動(s5)させるようにした。これにより、T側点火プラグの点火を停止(s7)させることができるため、異音の発生を抑制できる。さらに、本来T側点火プラグに供給されるべき点火エネルギーをL側点火プラグに供給することができ、L側点火プラグにおける点火エネルギーを増大させて、燃焼の安定性を確保することができる。
【選択図】図3

Description

この発明は、作動室のリーディング側に配設したリーディング点火プラグと、トレーリング側に配設したトレーリング点火プラグとを備えたロータリピストンエンジンの点火制御装置に関する。
従来より、トロコイド状の内周面を備えたロータハウジング内に、略三角形状のロータを収容してその外周側に複数の作動室を区画し、該ロータの回転に連れて各作動室がそれぞれ周方向に移動しながら、順に吸気、圧縮、膨張及び排気の各行程を行うようにしたロータリピストンエンジンにおいて、前記ハウジングの短軸を挟んだ、ロータ回転方向の進角側(リーディング側)と、遅角側(トレーリング側)とのそれぞれに点火プラグを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
ここで、前記ロータの頂部間の外周面には、燃焼室を形成するロータリセスが設けられる。
また、2つの点火プラグを備えたものにおいては、2つの点火プラグの点火順序をリーディング側、トレーリング側の順に設定している。
ところで、前記点火プラグのうち、トレーリング側に配設したものにおいては、リーディング側に配設したものに比べてその先端が作動室から離間し、ロータハウジングのより内側へ入り込んだ位置にある。これは、耐熱性の観点から、前記先端を高温側(作動室側)に近接させないようにするためであり、これにより、点火プラグの劣化を防止し、その信頼性を確保することができる。
このため、ロータハウジングには、前記作動室と、前記トレーリング点火プラグの先端とを連通する孔部、所謂プラグホールが、前記リーディング点火プラグのプラグホールよりも軸方向に長く設定されている。
特開平6−26435号公報
ところが、このような構造を有するロータリピストンエンジンにおいては、エンジン始動時、ノッキングが発生するまでには至らないものの、ノッキング発生時と似た異音が発生する場合がある。
これは、ロータの回転に伴い、トレーリング側からリーディング側へ向かうスキッシュ流と、リーディング点火プラグの点火により燃焼したガス流とが、前記トレーリング点火プラグのプラグホール近傍にて衝突することで、ロータリセスの開口縁付近(ロータリセスの切れ上がり付近)の圧力上昇が発生し、その結果、前記プラグホールに未燃ガスが流入してしまうことが原因と考えられる。
即ち、未燃ガスが前記プラグホールに流入することにより、トレーリング点火プラグの点火時に、前記プラグホール内、及びその付近で燃焼が発生して急激な圧力上昇が起こり、この圧力上昇が上述した異音を発生させると考えられる。
このような異音が発生すると、乗員がこれを認知した時、違和感、不快感を覚えるという問題がある。そこで、前記異音の発生を防止すべく、エンジン始動時、トレーリング点火プラグの点火を停止することが考えられる。しかしながら、この場合、リーディング点火プラグの点火のみによる作動室の燃焼となるため、該燃焼が不安定になるという問題がある。
この発明は、始動時における異音の発生を抑制しつつ、作動室における燃焼安定性を確保できるロータリピストンエンジンの点火制御装置を提供することを目的とする。
この発明のロータリピストンエンジンの点火制御装置は、ロータとロータハウジングとにより形成する作動室のリーディング側に配設したリーディング点火プラグと、トレーリング側に配設したトレーリング点火プラグとを備えたロータリピストンエンジンの点火制御装置であって、前記各点火プラグの点火コイルを並列接続可能な接続切換手段を備え、エンジン始動時、前記トレーリング点火プラグの点火コイルを、前記リーディング点火プラグの点火コイルに並列接続するように前記接続切換手段を作動させることを特徴とする。
この構成によれば、エンジン始動時、前記トレーリング点火プラグの点火コイルを前記リーディング点火プラグの点火コイルに並列接続することにより、前記トレーリング点火プラグの点火コイルの点火を停止させることができるため、エンジン始動時における異音の発生を抑制できる。
さらに、本来前記トレーリング点火プラグに供給されるべき点火エネルギーを前記リーディング点火プラグに供給することができるため、前記リーディング点火プラグにおける点火エネルギーを増大させて、前記作動室における燃焼の安定性を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、前記リーディング点火プラグによる点火時期を、前記トレーリング点火プラグによる点火時期よりも進角側に設定し、該設定に基づいて前記各点火コイルを通電させ、前記各点火プラグの点火を実行する点火時期制御手段を備え、該点火時期制御手段は、エンジン始動時、前記両点火コイルへの通電時期を同一に制御することを特徴とする。
この構成によれば、前記トレーリング点火プラグの点火エネルギーを前記リーディング点火プラグの点火エネルギーとして有効に利用することができる。
この発明の一実施態様においては、エンジン温度に関連する温度を検出する温度検出手段を備え、エンジン始動時の前記温度が所定温度より高温である時、前記トレーリング点火プラグの点火コイルを、前記リーディング点火プラグの点火コイルに並列接続するように前記接続切換手段を作動させることを特徴とする。
この構成によれば、エンジン始動時であっても、前記異音の発生の可能性が低い状態を検出することができ、必要以上に前記トレーリング点火プラグの点火が停止されることを防止できる。
この発明の一実施態様においては、前記点火プラグの点火回数を判定する点火回数判定手段を備え、エンジン始動時、前記点火回数が所定回数以上となった時、前記トレーリング点火プラグの点火コイルを、前記トレーリング点火プラグに接続するように前記接続切換手段を作動させることを特徴とする。
前記作動室における空気の充填効率がある所定の値まで低下すれば、前記異音が発生する確率が低下する傾向にある。この構成によれば、前記点火回数判定手段により、前記作動室における空気の充填効率の低下を間接的に検出でき、前記トレーリング点火プラグの点火コイルを、前記トレーリング点火プラグへ接続する通常の接続状態に切換えることができる。
この発明によれば、エンジン始動時、前記トレーリング点火プラグの点火コイルを前記リーディング点火プラグの点火コイルに並列接続することにより、エンジン始動時における異音の発生を抑制しつつ、リーディング点火プラグにおける点火エネルギーを増大させて、前記燃焼室における燃焼の安定性を確保することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係るロータリピストンエンジン1の要部を表す図である。トロコイド内周面2aを有するロータハウジング2とサイドハウジング3とに囲まれたロータ収容室4(気筒)には概略三角形状のロータ6が収容されていて、その外周側には、ロータハウジング2、サイドハウジング3、ロータ6により3つの作動室5、5、5が形成されている。
また、ロータ6の頂部間の外周面には、窪み(ロータリセス)61がそれぞれ設けられている。
このロータリピストンエンジン1は、図示は省略するが、2つのロータハウジング2、2を3つのサイドハウジング3、3、3の間に挟み込むようにして一体化し、その間に形成される2つの気筒4、4にそれぞれロータ6、6を収容した2ロータタイプのものである。以下、本実施形態では、2つのロータハウジング2、2の中間に位置するサイドハウジング3を両端側のものと区別して、インターミディエイトハウジング3と呼ぶものとする。
ロータ6の内側には、図示しないが内歯車が形成されていて、この内歯車とサイドハウジング3側の外歯車とが噛合するとともに、ロータ6は、インターミディエイトハウジング3、及びサイドハウジング3を貫通する出力軸7に対して、遊星回転運動をするように支持されている。
即ち、ロータ6の回転運動は内歯車と外歯車との噛み合いによって規定され、ロータ6は、外周の3つの頂部にそれぞれ配設されたシール部が各々ロータハウジング2のトロコイド内周面2aに当接した状態で出力軸7の偏心輪7aの周りを自転しながら、該出力軸7の軸心Xの周りに公転する。そして、ロータ6が1回転する間に、該ロータ6の各頂部間にそれぞれ形成された作動室5、5、5が周方向に移動しながら、吸気、圧縮、膨張(燃焼)及び排気の各行程を行い、これにより発生する回転力がロータ6を介して出力軸7から出力される。
より具体的に、図1に示すように出力軸7の軸心Xの方向に見ると、各気筒4の左右方向の一側(図例では左側)が概ね吸気及び排気行程の領域になり、その反対側(図例では右側)が概ね圧縮及び膨張行程の領域になる。そして、図示の如く吸気ポート11(後述)に連通する作動室5(図の左上側の作動室)は吸気行程の後半にあり、この作動室5がロータ6の回転に連れて図の時計回りに移動して圧縮行程になると、その内部に吸入された混合気が圧縮され、その後、図の右側に示す作動室5のように圧縮行程の終盤から膨張行程にかけて所定のタイミングにて点火プラグ91、92により混合気に点火されて、燃焼が行われるものである。
2つの点火プラグ91、92は、ロータハウジング2の短軸(図1の一点鎖線参照)を挟んで、ロータ回転方向のトレーリング側(遅角側)位置と、リーディング側(進角側)位置とのそれぞれに配設されている。
また、2つの点火プラグ91、92に対応して、これらの先端部と作動室5とを連通させるプラグホール93、94がそれぞれ形成されている。この内、リーディング側位置の点火プラグ(以下、L側点火プラグと略記する)92のプラグホール94は、トレーリング側位置の点火プラグ(以下、T側点火プラグと略記する)91のプラグホール93よりも大径に構成されている。このため、L側点火プラグ92の方が、T側点火プラグ91よりも着火性が向上している。
さらに、T側点火プラグ91は、耐熱性の観点から、該先端が高温側(作動室5側)に近接しないように、L側点火プラグ92の先端に比べて作動室5から離間し、ロータハウジング2のより内側へ入り込んだ位置にある。これにより、T点火プラグ91の劣化が防止され、その信頼性を確保できる。このため、T側点火プラグ91のプラグホール93が、L側点火プラグ92のプラグホール94よりも軸方向に長く設定されている。
ところで、インターミディエイトハウジング3には、両側の2つの気筒4、4においてそれぞれ吸気行程にある作動室5に連通するように一対の吸気ポート11、11(図には1つのみ示す)が形成され、同様に、排気行程にある作動室5、5にそれぞれ連通するように一対の排気ポート12、12(図には1つのみ示す)が形成されている。一方、サイドハウジング3には、吸気行程にある作動室5、5にそれぞれ連通するように第2及び第3の2つの吸気ポート(不図示)が形成され、また、排気行程にある作動室5に連通するように第2排気ポート(不図示)が形成されている。
そして、吸気ポート11等の各吸気ポートは、各気筒4の吸気行程にある作動室5に吸気を供給する吸気通路13の下流端部を構成している。排気ポート12等の各排気ポートは、それぞれ排気マニホルド14に接続され、該排気マニホルド14において2つの気筒4、4からの排気が集合されて、下流側の排気管(不図示)に流通するようになっている。なお、図1中に示す部材15は、吸気ポート11に臨んで該吸気ポート11内に燃料を直接噴射するように配設されたポート噴射用インジェクタ(燃料噴射弁)である。
図2、図3は、T側、L側点火プラグ91、92を点火制御するための構成を示す制御系統図であり、図中に示す符号16はトレーリング側点火コイル(以下、T側点火コイルと略記する)で、符号17はリーディング側点火コイル(以下、L側点火コイルと略記する)である。ここで、本実施形態に係るロータリピストンエンジン1は、上述したように2ロータタイプとされているため、図2、図3においては、各ロータ6毎にT側、L側点火プラグ91、92、及びT側、L側点火コイル16、17が備えられた構成を示している。
図2、図3において符号18〜21は、それぞれ、水温センサ、イグニションスイッチ、クランク角センサ、エンジン回転数センサを示しており、これらの出力信号は、後述するエンジン制御ユニット30に入力される。
水温センサ18は、ロータハウジング2の内部に形成されたウォータジャケット(不図示)に臨んでロータリピストンエンジン1の温度に関連する冷却水の温度状態(エンジン水温)を検出するものである。イグニションスイッチ19は、乗員によるイグニションスイッチ19のON操作に伴い、IG(イグニション)ON信号をエンジン制御ユニット30に出力し、スタータ(不図示)を作動させるものである。クランク角センサ20は、ロータリピストンエンジン1の出力軸7の一端側に配設されてその回転角度を検出する電磁式のセンサである。
エンジン制御ユニット30は内部にCPU(中央処理装置)を備えており、T側、L側点火プラグ91、92、ポート噴射用インジェクタ15(図1参照)を含む燃料噴射装置の他、吸気通路13(図1参照)の断面積を調節するスロットル弁のモータ(不図示)等を作動制御するようになっている。
エンジン制御ユニット30には少なくとも、水温センサ18の出力信号、イグニションスイッチ19からのIGON信号、クランク角センサ20の出力信号、エンジン回転数センサ21からの出力信号の他、吸気通路13の上流側に配設されたエアフローセンサ(不図示)の出力信号、排気中の酸素濃度を検出するリニアO2センサ(不図示)の出力信号、アクセル開度センサ(不図示)からの出力信号等が入力されるようになっている。
そして、このエンジン制御ユニット30は、ロータリピストンエンジン1の運転状態を判定するとともに、その運転状態に応じて各気筒4の点火時期、前記スロットル弁の開度、前記燃料噴射装置による燃料噴射量及び燃料噴射タイミング等の制御を実行する。
T側点火コイル16の1次コイル16a及びL側点火コイル17の1次コイル17aには、それぞれパワートランジスタTr1、Tr2が接続されており、該各トランジスタTr1、Tr2をそれぞれエンジン制御ユニット30の点火タイミング信号IGT−T11、IGT−L11、IGT−T21、IGT−L21の受信の有無に基づいてON−OFF作動されるようになっている。
よって、エンジン制御ユニット30から点火タイミング信号IGT−T11、IGT−T21の出力された点火時期においてトレーリング側のパワートランジスタTr1、Tr1をOFF作動させ、T側点火コイル16、16における1次コイル16a、16aへの通電を遮断して2次コイル16b、16bに高電圧を発生させ、T側点火プラグ91を点火するようになされている。
また、エンジン制御ユニット30から点火タイミング信号IGT−L11、IGT−L21の出力された点火時期においてリーディング側のパワートランジスタTr2、Tr2をOFF作動させ、L側点火コイル17、17における1次コイル17a、17aへの通電を遮断して2次コイル17b、17bに高電圧を発生させ、L側点火プラグ92を点火するようになされている。
また、T側、L側点火コイル16、17と、T側、L側点火プラグ91、92との間には、リレースイッチ22が設けられている。リレースイッチ22は、T側点火プラグ91に接続されたスイッチ接点22aと、L側点火コイル17−L側点火プラグ92間に接続された接点22bとを備えている。このリレースイッチ22における接点22a、22bの接続の切換えにより、T側点火コイル16を、図2に示すように、T側点火プラグ91に直列接続させるか、図3に示すように、L側点火コイル17に並列接続させるかのいずれかに切換えることができるようになっている。
次に、T側、L側点火プラグ91、92の点火時期の制御、及びT側、L側点火コイル16、17の通電時期の制御について、図2〜図4を参照しながら説明する。図4は、エンジン制御ユニット30を示すブロック図である。
エンジン制御ユニット30は、図4に示すように、水温センサ18の出力信号に基づいて所定の冷間時であるか否かを判定する冷間時判定部31、イグニションスイッチ19からIGON信号に基づいて、ロータリピストンエンジン1の始動を判定する始動判定部32、リレースイッチ22、22を作動させ、接点22a、22bの接続を切換え制御するリレー制御部33、前記T側、L側点火プラグ91、92の点火時期を算出する点火時期制御部34、該点火時期制御部34からの点火タイミング信号IGT−T11、IGT−L11、IGT−T21、IGT−L21の出力回数に基づいて、エンジン始動時におけるL側点火プラグ92の点火回数を計数するカウンタ部35とを備えている。
点火時期制御部34は、始動時以外では、水温センサ18、クランク角センサ20、エンジン回転数センサ21からの信号の他、前記エアフローセンサ、前記リニアO2センサ等、ロータリピストンエンジン1の運転状態を検出するための各種センサからの出力信号に基づいて、予め設定されたマップによりT側、L側点火プラグ91、92の点火時期(進角)、即ち、T側、L側点火コイル16、17の通電時期をそれぞれ算出するように構成されている。
ここで、エンジン制御ユニット30は、適宜の記憶手段(不図示)を有しており、該記憶手段には、所定の冷間時であるか否かを判定するための温度閾値データ、前記各種検出センサからの信号に基づいてT側、L側点火プラグ91、92の点火時期を算出するためのマップ等、各種設定データ、及び必要なプログラムが記憶されている。
具体的に、エンジン始動時以外では、リレー制御部33は、リレースイッチ22に対し、図2で示すように接点22a側を閉じるように制御し、T側点火コイル16をT側点火プラグ91に直列接続させる。
そして、点火時期制御部34は、T側、L側点火プラグ91、92の点火順序を、L側、T側の順に設定した上で、ロータリピストンエンジン1の運転状態に応じて各点火プラグ91、92の点火時期を算出する。即ち、点火時期制御部34では、L側点火プラグ92による点火時期を、T側点火プラグ91による点火時期よりも進角側に設定し、該設定に基づいてT側、L側点火コイル16、17の通電時期を制御する。
従って、エンジン始動時以外では、リレー制御部33によるリレースイッチ22の作動により、T側、L側点火プラグ91、92をいずれも点火可能な状態にし、点火時期制御部34で算出した点火時期に基づいてパワートランジスタTr1、Tr2のON−OFF作動時期を制御することにより、T側、L側点火プラグ91、92を、それぞれ算出された点火時期でもって点火させるように構成されている。
一方、エンジン始動時では、リレー制御部33は、リレースイッチ22に対し、図3で示すように接点22b側を閉じるように制御し、T側点火コイル16をL側点火コイル17に並列接続させる。
そして、点火時期制御部34は、T側、L側点火プラグ91、92の点火時期が同一となるように設定した上で、T側、L側点火コイル16、17の通電時期を同一に制御する。
従って、エンジン制御始動時では、リレー制御部33によるリレースイッチ22の作動により、T側点火プラグ91の点火を停止状態にし、点火時期制御部34で算出した点火時期に基づいてパワートランジスタTr1、Tr2のON−OFF作動時期を制御することにより、L側点火プラグ92のみを算出された点火時期でもって点火させるように構成されている。
この場合、点火時期制御部34によって、T側、L側点火コイル16、17への通電時期が同一に設定されるため、本来、T側点火プラグ91に供給されるべき点火エネルギーが、L側点火プラグ92の点火エネルギーとして利用されることになる。
ここで、パワートランジスタTr1、Tr2がOFF作動され、T側、L側点火プラグ91、92が点火される際の印加電圧は約12(V)程度とされる。
ところで、従来のロータリピストンエンジンにおいては、エンジン始動時、T側点火プラグ91の点火に伴い、ノッキングが発生するまでには至らないものの、ノッキング発生時と似た異音が発生する場合があった。
そこで、本実施形態では、エンジン始動時においてT側点火コイル16をL側点火コイル17に並列接続することにより、T側点火プラグ91の点火を停止させ、前記異音の発生を抑制できるようにした。
ここで、上述したようにT側点火プラグ91の点火を停止させ、L側点火コイル92のみで点火を実行する場合であっても、本実施形態では、T側点火コイル16をL側点火コイル17に並列接続することにより、本来T側点火プラグ91に供給されるべき点火エネルギーをL側点火プラグ92に供給することができる。従って、L側点火プラグ92における点火エネルギーを増大させて、燃焼の安定性を確保することができる。
また、前記異音が発生する現象は、ノッキングの発生との判別が難しく、例えば、前記特許文献1に開示されているエンジン点火装置のように、ノッキングの発生を検出する検出手段を備え、該検出結果に基づいてノックコントロール機能を作動させる場合、前記異音の発生に伴い、ノッキングが発生していないにも関わらず、ノックコントロールが誤作動してしまう虞があるが、本実施形態では、このようなノックコントロールの誤作動を抑制できるという効果も奏する。
また、エンジン始動時、実際にノッキングが発生するような状態であったとしても、T側点火プラグ91の点火を停止することで、点火時期をリタードさせなくとも前記ノッキングを抑制できる。従って、点火時期のリタードが不要となる分、作動室5内における燃焼性を向上させることができる。
また、点火時期制御部34が、エンジン始動時、T側、L側点火コイル16、17への通電時期を同一に制御することにより、T側点火プラグ91の点火に必要な点火エネルギーをL側点火プラグ92を点火させる際の点火エネルギーとして有効に利用することができる。
以下、エンジン制御ユニット30により実行されるT側、L側点火プラグ91、92の点火制御処理について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、図2〜図4に示すような各種センサ等によって、ロータリピストンエンジン1の運転状態に関連する各種出力信号が読込まれ(ステップs1)、それらの出力信号に基づき、エンジン制御ユニット30は、先ず、始動判定部32にてエンジン始動時であるか否か、即ちイグニションスイッチ19がOFF状態からONされたか否かを判定する(ステップs2)。
ここで、始動判定部32が、エンジン始動時であると判定すると(ステップs2:YES)、ステップs1において水温センサ18により検出された信号に基づいて、冷間時判定部31が前記異音が発生し易い温度環境下であるか否かを判定する(ステップs3)。ここで、低温の環境下においては、高温の環境下にある場合と比べて前記異音が発生する確率は低下する傾向がある。そこで、本実施形態では、温度閾値が−5℃と設定され、冷間時判定部31が前記エンジン水温の水温が−5℃より高温であると判定すると(ステップs3:YES)、エンジン制御ユニット30は、所定の冷間時ではないため前記異音の発生の可能性があると判定する。
ステップs2で始動判定部32によりエンジン始動時であると判定され、且つ、ステップs3で冷間時判定部31により前記異音の発生の可能性があると判定されると、リレー制御部33は、エンジン始動開始から、L側点火プラグ92の点火回数が所定回数に及んだか否かを判定し、例えば、該点火回数が10回未満である時(ステップs4:YES)、リレースイッチ22は、リレー制御部33により接点22b側が閉じた状態に制御される。
リレー制御部33が、リレースイッチ22に対して、接点22b側を閉じるように制御することにより、T側点火コイル16は、L側点火コイル17に並列接続される(ステップs5)。
そして、L側点火プラグ92の始動時点火時期に達した時、点火時期制御部34は、始動判定部32による判定、及び前記マップに基づいてパワートランジスタTr1、Tr2を同一のタイミングでON−OFF作動させ、T側点火プラグ91の点火を停止した状態で、L側点火プラグ92のみを点火させる(ステップs6、s7)。
これは、作動室5における空気の充填効率がある所定の値まで低下すれば、前記異音が発生する確率が低下する傾向にあるからであり、エンジン始動時からのT側、L側点火プラグ91、92の点火回数を計数することにより、作動室5における空気の充填効率の低下を間接的に検出できるからである。
リレー制御部33には、カウンタ部35によるL側点火プラグ92の点火回数のカウント値が入力され、該カウント値に基づいてリレースイッチ22が作動させられる。なお、前記記憶手段には作動室5における空気の充填効率が、前記異音が発生しにくくなる値まで低下したとみなせる時期を判定するための閾値が、点火回数のカウント閾値(ここでは10回)として記憶されている。
ここで、エンジン始動時ではあるものの、ステップs3において、冷間時判定部31が、前記水温が−5℃以下であると判定した時(ステップs3:NO)、或いは、L側点火プラグ92による点火回数が10回以上となった時(ステップs:NO)、前記異音が発生する可能性は低いため、リレースイッチ22は、リレー制御部33により接点22a側を閉じるように作動させられ、T側点火コイル16をT側点火プラグ91に直列接続させた通常の接続状態とする(ステップs8)。
そして、T側、L側点火プラグ91、92の始動時点火時期に達した時、点火時期制御部34は、始動判定部32による判定、及び前記マップに基づいてパワートランジスタTr1、Tr2をON−OFF作動させ、T側、L側点火プラグ91、92の両者を点火させる(ステップs9、s10)。
このように、冷間時判定部31による判定に基づいて、リレー制御部33がリレースイッチ22を作動させるようにすることにより、エンジン始動時であっても、前記異音の発生の可能性が低い状態であれば、これを水温センサ18といった既存の検出手段を用いて検出することができ、必要以上にT側点火プラグ91の点火が停止されることを防止できる。
ところで、ステップs2において、始動判定部32が始動時以外であると判定すると(ステップs2:NO)、前記異音が発生する可能性は低いと判定できるため、リレースイッチ22は、リレー制御部33により接点22a側が閉じた状態に制御され、T側点火コイル16を、T側点火プラグ91に直列接続させた通常の接続状態とする。
そして、T側、L側点火プラグ91、92の点火時期に達した時、点火時期制御部34は、ステップs1における前記各種センサの検出結果、及び前記マップに基づいてパワートランジスタTr1、Tr2をON−OFF作動させ、T側、L側点火プラグ91、92の両者を、運転状態に応じた点火時期で点火させる(ステップs11、s12)。
なお、上述の実施形態においては、T側点火コイル16をT側点火プラグ91に直列接続させるか、L側点火コイル17に並列接続させるかのいずれかに切換えるべく、リレースイッチ22を備える構成としているが、これに限定されることはなく、例えば、パワートランジスタ等の半導体素子を備える構成としてもよい。
また、上述の実施形態においては、作動室5における空気の充填効率の低下を間接的に検出すべく、L側点火プラグ92の点火回数をカウンタ部35にて計数し、リレースイッチ22を作動させることとしているが、本発明においては、必ずしもこれに限定されない。例えば、エンジン始動時から所定時間後に作動するように予め設定されたオンディレータイマスイッチ、またはオフディレータイマスイッチを備える構成としてもよい。
この場合、作動室5における空気の充填効率が、前記異音が発生しにくくなる値まで低下したとみなせる時期が、経過時間に基づいて間接的に判定されることとなる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の接続切換手段は、リレースイッチ22に対応し、
以下同様に、
点火時期制御手段は、ステップs6、s9〜s12を実行するエンジン制御ユニット30の点火時期制御部34に対応し、
温度検出手段は、水温センサ18に対応し、
点火回数判定手段は、ステップs4を実行するエンジン制御ユニット30のカウンタ部35に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
本発明の実施形態に係るロータリピストンエンジンの要部を表す図。 T側、L側点火プラグを点火制御するための構成を示す制御系統図。 T側、L側点火プラグを点火制御するための構成を示す制御系統図。 エンジン制御ユニットを示すブロック図。 エンジン制御ユニットにより実行されるT側、L側点火プラグの点火制御処理を示すフローチャート。
符号の説明
1…ロータリピストンエンジン
2…ロータハウジング
3…サイドハウジング
5…作動室
6…ロータ
16…T側点火コイル
17…L側点火コイル
18…水温センサ
22…リレースイッチ
30…エンジン制御ユニット
34…点火時期制御部
35…カウンタ部
91…T側点火プラグ
92…L側点火プラグ

Claims (4)

  1. ロータとロータハウジングとにより形成する作動室のリーディング側に配設したリーディング点火プラグと、トレーリング側に配設したトレーリング点火プラグとを備えたロータリピストンエンジンの点火制御装置であって、
    前記各点火プラグの点火コイルを並列接続可能な接続切換手段を備え、
    エンジン始動時、前記トレーリング点火プラグの点火コイルを、前記リーディング点火プラグの点火コイルに並列接続するように前記接続切換手段を作動させる
    ロータリピストンエンジンの点火制御装置。
  2. 前記リーディング点火プラグによる点火時期を、前記トレーリング点火プラグによる点火時期よりも進角側に設定し、該設定に基づいて前記各点火コイルを通電させ、前記各点火プラグの点火を実行する点火時期制御手段を備え、
    該点火時期制御手段は、エンジン始動時、前記両点火コイルへの通電時期を同一に制御する
    請求項1記載のロータリピストンエンジンの点火制御装置。
  3. エンジン温度に関連する温度を検出する温度検出手段を備え、
    エンジン始動時の前記温度が所定温度より高温である時、前記トレーリング点火プラグの点火コイルを、前記リーディング点火プラグの点火コイルに並列接続するように前記接続切換手段を作動させる
    請求項1または2記載のロータリピストンエンジンの点火制御装置。
  4. 前記点火プラグの点火回数を判定する点火回数判定手段を備え、
    エンジン始動時、前記点火回数が所定回数以上となった時、前記トレーリング点火プラグの点火コイルを、前記トレーリング点火プラグに接続するように前記接続切換手段を作動させる
    請求項1乃至3のうちいずれか一項記載のロータリピストンエンジンの点火制御装置。
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JP2010261395A (ja) * 2009-05-08 2010-11-18 Toyota Motor Corp 内燃機関の点火制御装置
CN109404129A (zh) * 2018-09-20 2019-03-01 上海交通大学 等温放热循环内燃机及其控制方法

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