JP2008081769A - 真空成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】着脱容易であって、最小限の面積の遮蔽板により、無用な蒸発粒子を遮蔽および捕捉することができる。
【解決手段】真空チャンバ2内に、ワークWと蒸発材料源4とを上下に対向位置して成る真空蒸着装置1において、ワークWと蒸発材料源4との間に配設され、蒸発材料源4からの蒸発流Aの拡散範囲をワークWの大きさに対応するように規制する遮蔽板61と、遮蔽板61を着脱自在に支持する遮蔽板支持機構62と、を備え、遮蔽板61は、蒸発流Aの最大拡散範囲に対応する外形を有すると共に、規制された拡散範囲に対応する開口部を有している。
【選択図】図1
【解決手段】真空チャンバ2内に、ワークWと蒸発材料源4とを上下に対向位置して成る真空蒸着装置1において、ワークWと蒸発材料源4との間に配設され、蒸発材料源4からの蒸発流Aの拡散範囲をワークWの大きさに対応するように規制する遮蔽板61と、遮蔽板61を着脱自在に支持する遮蔽板支持機構62と、を備え、遮蔽板61は、蒸発流Aの最大拡散範囲に対応する外形を有すると共に、規制された拡散範囲に対応する開口部を有している。
【選択図】図1
Description
本発明は、真空状態にて成膜対象物に対して成膜処理を行う蒸着装置やスパッタリング装置等の真空成膜装置に関するものである。
従来、この種の真空成膜装置として、真空チャンバと、真空チャンバ内に設けられ、蒸発粒子を発生する蒸発材料源と、蒸発材料源に対向配置され成膜対象物を保持するワーク保持部と、蒸発材料源とワーク保持部との間に隔板様に介設され、蒸発材料源からの蒸発流を成膜対象物(ワーク保持部)に対応するように規制する開口部を有した遮蔽板と、を備えたものが知られている。(特許文献1参照)。遮蔽板は、真空チャンバの内壁に形成した左右の取付部に引出し式で着脱自在に取り付けられており、蒸発材料源から拡散し、上方放射状に流れる蒸発粒子のうち、成膜対象物(ワーク保持部)から外れるものを遮蔽および捕捉するようになっている。この遮蔽板を定期的に交換・再生することにより、捕捉された蒸発粒子により生成されるパーティクルの剥離を防止し、剥離したパーティクルが成膜対象物に付着して製品の歩留まりを悪化させることを抑えている。
特開平5−70931号公報
しかしながら、このような遮蔽板では、真空チャンバを上下に分断するように設けられているため、真空チャンバの開口部幅を両内壁の離間寸法と同寸法にしないかぎり、遮蔽板の取り外しが不可能であり、且つ交換作業が煩雑になる問題があった。また、蒸発材料源における蒸発流の最大拡散範囲を超えて形成されているため、必要以上の面積を有しており、遮蔽板自体のコストがかかると共に、再生に時間およびコストがかかる問題があった。
本発明は、着脱容易であって、最小限の面積の遮蔽板により、無用な蒸発粒子を遮蔽および捕捉することのできる真空成膜装置を提供することを課題としている。
本発明の真空成膜装置は、真空チャンバ内に、成膜対象物と蒸発材料源とを上下に対向位置して成る真空成膜装置において、成膜対象物と蒸発材料源との間に配設され、蒸発材料源からの蒸発流の拡散範囲を成膜対象物の大きさに対応するように規制する遮蔽板と、遮蔽板を着脱自在に支持する支持手段と、を備え、遮蔽板は、蒸発流の最大拡散範囲に対応する外形を有すると共に、規制された前記拡散範囲に対応する開口部を有していることを特徴とする。
この構成によれば、真空チャンバの内壁および構成部品に蒸発粒子が付着することを防止することができると共に、遮蔽体自体の面積を最小限にすることができる。そのため、メンテナンスにおける時間およびコストを軽減することができる。また、遮蔽体の設置構造を単純化することができる。
この場合、遮蔽板は、ドーナツ状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、真空チャンバの内壁および構成部品に蒸発粒子が付着することを、効果的に防止することができると共に、遮蔽板を容易に形成することができるため、本真空成膜装置の生産効率を向上させることができる。
この場合、支持手段は、真空チャンバの底壁上に立設したスタンドと、遮蔽板を支持すると共にスタンドに着脱自在に取り付けられた取付部材と、を有していることが好ましい。
また、取付部材は、スタンドに上側から抜差し自在に装着されていることが好ましい。
この構成によれば、遮蔽板を容易に着脱することが可能であるため、メンテナンスにおける労力を軽減することができる。
この場合、遮蔽板の裏面および開口部の内周面は、微小な凹凸形状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、遮蔽板の裏面および開口部の内周面の表面積を大きくすることができる。これにより、蒸発粒子が付着しやすくなり、より多くの蒸発粒子を捕捉することができるため、真空チャンバの内壁や構成部品に蒸発粒子が付着することを更に防止することができる。また、遮蔽板の当該箇所に付着したパーティクルが剥離し難くなるため、遮蔽板の交換周期を長くすることができ、メンテナンスにおける時間およびコストを更に軽減することができる。
以下、添付図面を参照して。本発明の真空成膜装置を適用した真空蒸着装置について説明する。この真空蒸着装置は、内部を真空にした状態で、蒸発材料を蒸発させ、これにより発生した蒸発粒子をワーク(成膜対象物)に付着、推積させて薄膜を形成する、いわゆる真空蒸着を行うものである。
図1で示すように、真空蒸着装置1は、箱形の真空チャンバ2と、真空チャンバ2に外部から接続され、チャンバ内を真空もしくは大気圧に調整することが可能な圧力調整機構3と、真空チャンバ2の底壁21上に配設され、蒸発粒子を発生させる蒸発材料源4と、蒸発材料源4に対向配置されると共に成膜されるワークWを保持するワーク保持部5と、蒸発材料源4とワーク保持部5との間において蒸発材料源4からの蒸発流Aを規制する遮蔽機構6と、蒸発材料源4からの蒸発流Aを遮断するシャッタ機構7と、各装置を統括制御する制御装置(図示省略)と、を備えている。
真空チャンバ2は、天壁20、底壁21、奥壁22および両側壁23,23を有すると共に、正面に図外の開閉扉を有し、箱状に形成されている。真空チャンバ2の側壁23には、チャンバ内部を真空引きするための真空吸引口27と、チャンバ内部に不活性ガスを供給するためのガス供給口28が形成されている。
圧力調整機構3は、真空チャンバ2内部を真空引きする真空吸引機構31と、真空チャンバ2内部に不活性ガスを供給することで、内部圧力を大気圧に調整するガス供給機構32を備えている。
真空吸引機構31は、真空チャンバ2の真空吸引口27に接続されており、真空ポンプ81と、真空吸引口27と真空ポンプ81を接続する真空配管82とを有している。真空配管82には真空チャンバ2側から真空計83、圧力調整バルブ84およびメインバルブ85が介設されている。メインバルブ85は電磁弁で構成されており、メインバルブ85が「開」状態の時、真空チャンバ2と真空ポンプ81が連通するため、この状態において、真空チャンバ2内の真空引きが行われる。
ガス供給機構32は、真空チェンバ2のガス供給口28に接続されており、不活性ガスである窒素ガスを収納するガスボンベ91と、ガスボンベ91とガス供給口28を接続するガス供給管92とを有している。ガス供給管92には、電磁弁で構成されたガスバルブ93および不活性ガスの供給量を制御するためのマスフローコントローラ94が介設されている。これら装置により、ワーク交換等の作業に際し、真空チャンバ2内に不活性ガスを導入することで真空チャンバ2内部を大気圧と同圧にして、開閉扉を開放する。
蒸発材料源4は、蒸発粒子の蒸発流Aを発生させるアルミニウムなどの蒸発材料41と、蒸発材料41を保持するルツボ42を有している。また、蒸発材料源4は、加熱機構を有しており、蒸発材料41を加熱させ、蒸発させることにより、蒸発粒子を発生させる。なお、蒸発材料源4から発生した蒸発流Aは、一定の立体角内で上方放射状に流れる。
ワーク保持部5は、天壁に設置されており、ワークWをその表面が蒸発材料41側に向く様に上側から保持している。また、本実施形態においては、ワーク保持部5が真空チャンバ2に固定されたものであり、1枚のワークWを保持するものを使用しているが、成膜処理時に回転駆動するものを使用してもよいし、複数枚のワークWをいっしょに保持するものでもよい。
シャッタ機構7は、蒸発材料源4からの蒸発流Aをウォーミングアップ時等において遮断制御するものであり、直接、蒸発流Aを遮断する円板状のシャッタ板71と、シャッタ板71を縁部で支持するシャッタ支持軸72と、シャッタ支持軸72を介して、シャッタ板71を旋回運動させるシャッタモータ73を備えている。シャッタ板71は水平に配設される一方、シャッタ支持軸72は鉛直に配設され、底壁21を貫通したシャッタ支持部72の下端部にシャッタモータ73が連結されている。シャッタモータ73は、真空チャンバ2の外部に配設されており、制御装置(図示省略)の開閉指令により、シャッタ支持軸72を介して、シャッタ板71を、ワークWへの蒸発流Aを完全に遮断する遮断位置と非遮断位置との間で旋回させる。
遮蔽機構6は、蒸発材料源4とワーク保持部5との間に配設された遮蔽板61と、遮蔽板61を蒸発材料源4の上部空間に保持する遮蔽板支持機構(支持手段)62を有している。
遮蔽板支持機構62は、遮蔽板61の側方に接続された遮蔽板保持部(取付部材)101と、真空チャンバ2の底壁21に対し垂直に立設され、遮蔽板61を、遮蔽板保持部101を介して、着脱自在に設置するスタンド102と、を有している。
遮蔽板保持部101は、L字型の筒状に形成されており、一端は遮蔽板61の側方に接続され、他端(下端)には断面六角形の軸穴が形成されている。また、スタンド102は、この軸穴と相補的形状を為す六角形の柱状に形成されている。すなわち、遮蔽板保持部101は、スタンド102に対し、上方から抜差し自在に装着されている。また、軸穴およびスタンド102を断面六角形とすることにより、遮蔽板61は、遮蔽板保持部101を介して、水平方向で旋回しないように設置される。なお、上記した遮蔽体保持部101の軸穴およびスタンド102の形状は、断面六角形でなくとも、例えば、他の多角形やスプライン状に形成してもよい。すなわち、抜差し自在であって回転不能であればよい。また、スタンド102及び遮蔽板保持部101の接続部において、遮蔽板保持部101に径方向から螺合する止めネジを設け、遮蔽板61側を抜け止めとするようにしてもよい。またさらに、スタンド102を丸棒状に形成すると共に、遮蔽板保持部101の端部にネジ止め式の接続部を有するものを使用しても良い(図2参照)。このような遮蔽板支持機構62を有していることで、遮蔽板61を極めて容易に着脱することが可能になり、メンテナンスにおける労力を軽減することができる。
遮蔽板61は、ドーナツ状に形成されており、材質としては、アルミニウム・ステンレス・チタン等の金属で形成されている。遮蔽板61の内径L1は、当該遮蔽板61の開口部において蒸発材料源4からの蒸発流Aの拡大範囲をワークWの大きさに対応するように規制するべく形成されている。また、遮蔽板61の外径L2は、当該遮蔽板61の外形が蒸発流Aの最大拡散範囲に対応するように形成されている。
このような、遮蔽板61を使用することにより、真空チャンバ2の内壁および構成部品に蒸発粒子が付着することを防止することができると共に、遮蔽板61自体の面積を最小限に抑えることができるため、メンテナンスにかかる時間およびコストを軽減することができる。また、遮蔽板61の設置構造を単純化することができる。
また、遮蔽板61の裏面(下面)および開口部の内周面は、微小な凹凸形状に加工されている。例えば、遮蔽体61の当該箇所をローレット加工等により荒げるようにしている。これにより、当該箇所の表面積が多くなるため、蒸発粒子が付着しやすくなる。そのため、より多くの蒸発粒子を捕捉することができ、真空チャンバ2の内壁や構成部品に蒸発粒子が付着することを更に防止することができる。また、遮蔽板61の当該箇所に付着したパーティクルが剥離し難くなるため、遮蔽板61の交換周期を長くすることができ、メンテナンスにおける時間およびコストを更に軽減することができる。
なお、本実施形態においては、遮蔽板61がドーナツ状に形成されているが、例えば、外形や開口部が方形のものを使用しても良いし、全体が湾曲した形状のものを使用しても良い。しかしながら、本実施形態のように、遮蔽板61がドーナツ状に形成されていることにより、より一層遮蔽板61の構造の単純化することができる。また、真空チャンバ2の内壁および構成部品に蒸発粒子が付着するのを、効果的に防止することができる。
ここで、図3を参照して、遮蔽板61の内径L1および外径L2について詳細に説明する。上記したように、遮蔽板61の内径L1は、当該遮蔽板61の開口部において、蒸発材料源4からの蒸発流Aの拡大範囲をワークWの大きさに対応するように規制するべく形成されている。そのためには、蒸発材料源4の蒸発材料41が実質的に点とみなせる場合、ワークWの直径L3と、ワークWと蒸発材料41との距離L4との比が、遮蔽板61の内径L1と、遮蔽板61の上面と蒸発材料41との距離L5との比と、等しくなる必要がある(L3:L4=L1:L5)。例えば、ワークWの直径L1が40cm、ワークWと蒸発材料41との距離L2が80cm、遮蔽板61の上面と蒸発材料41との距離L5が15cmの場合、遮蔽体61の内径L1は、上記式より、L1=L3×L5÷L4=40cm×15cm÷80cm=7.5cmとなる。
遮蔽板の外径L2は、上記したように、当該遮蔽板61の外形が、蒸発流Aの最大拡散範囲に対応するように形成されている。蒸発流Aは上方放射状に発生するため、蒸発流Aの広がり角の半角をθ、遮蔽板61の下面と蒸発材料との距離をL6としたとき、外径L2が、2×L6×tanθである必要がある。例えば、蒸発流Aの広がり角の半角を30°、遮蔽板61の下面と蒸発材料との距離L6を14cm、である場合、遮蔽板61の外径L2は、2×14cm×tan30°≒16cmとなる。
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る真空蒸着装置1について、特に異なる部分を主に説明する。本実施形態において、遮蔽板支持機構62は、遮蔽板61の周縁部に等ピッチで固定された3つの遮蔽板保持部101と、遮蔽板保持部101に対応するように底壁21上に形成された3本のスタンド102と、を備えている。遮蔽板保持部101は、底壁21に対し垂直方向に伸びた筒状に形成されており、第1実施形態と同様、下端に六角形の軸穴を有している。もっとも、この場合には、断面円形でもよい。これにより、対応するスタンド102にそれぞれ設置される。なお、本実施形態においては、3つの遮蔽板保持部101と3つのスタンド102を有しているが、これらを4つずつ有したものにより、遮蔽板61を4箇所で支持するものを使用してもよい。
これらの構成によれば、真空チャンバ2の内壁および構成部品に蒸発粒子が付着することを防止することができると共に、遮蔽体61自体の面積を最小限にすることができる。そのため、メンテナンスにおける時間およびコストを軽減することができる。また、遮蔽板61の設置構造を単純化することができる。
1:真空蒸着装置、 2:真空チャンバ、 4:蒸発材料源、 21:底壁、 61:遮蔽板、 62:遮蔽板支持機構、 101:遮蔽板保持部、 102:スタンド、 A:蒸発流、 W:ワーク
Claims (5)
- 真空チャンバ内に、成膜対象物と蒸発材料源とを上下に対向位置して成る真空成膜装置において、
前記成膜対象物と前記蒸発材料源との間に配設され、前記蒸発材料源からの蒸発流の拡散範囲を前記成膜対象物の大きさに対応するように規制する遮蔽板と、
前記遮蔽板を着脱自在に支持する支持手段と、を備え、
前記遮蔽板は、前記蒸発流の最大拡散範囲に対応する外形を有すると共に、規制された前記拡散範囲に対応する開口部を有していることを特徴とする真空成膜装置。 - 前記遮蔽板は、ドーナツ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空成膜装置。
- 前記支持手段は、前記真空チャンバの底壁上に立設したスタンドと、
前記遮蔽板を支持すると共に、前記スタンドに着脱自在に取り付けられた取付部材と、を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の真空成膜装置。 - 前記取付部材は、前記スタンドに上側から抜差し自在に装着されていることを特徴とする請求項3に記載の真空成膜装置。
- 前記遮蔽板の下面および前記開口部の内周面は、微小な凹凸形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の真空成膜装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006261308A JP2008081769A (ja) | 2006-09-26 | 2006-09-26 | 真空成膜装置 |
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Cited By (3)
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CN114592171A (zh) * | 2022-01-21 | 2022-06-07 | 杭州启俄微纳科技有限公司 | 一种镀膜机 |
CN114892132A (zh) * | 2022-05-26 | 2022-08-12 | 汪子健 | 一种真空镀膜翻转工装 |
CN115155943A (zh) * | 2022-06-27 | 2022-10-11 | 无锡帕尔弗工业设备科技有限公司 | 一种镀膜设备 |
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- 2006-09-26 JP JP2006261308A patent/JP2008081769A/ja active Pending
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