JP2008081641A - 光輝性板状ポリマー粒子の製造方法、樹脂層転写シート - Google Patents
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Abstract
【課題】化粧品を製造するための粒子、および色材、水性インキ等を製造するための工業用粒子として好適である、厚みが薄くて均一の厚みの光輝性板状ポリマー粒子の製造方法を提供するものである。さらに、粒径のバラツキを均一にできるようにしたり、任意の外観形状に形成できる製造方法を提供するものである。前記の製造方法に使用する樹脂層転写シートを提供するものである。
【解決手段】基材上に少なくとも樹脂層、金属光沢層、接着層を設けた樹脂層転写シートを被転写体に対して、樹脂層、金属光沢層および接着層の転写層を熱転写した後、転写層を剥がしとり粉砕する光輝性板状ポリマー粒子の製造方法である。さらに、サーマルヘッドを用いて転写層を任意の形状に熱転写した後、転写層を剥がしとる光輝性板状ポリマー粒子の製造方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】基材上に少なくとも樹脂層、金属光沢層、接着層を設けた樹脂層転写シートを被転写体に対して、樹脂層、金属光沢層および接着層の転写層を熱転写した後、転写層を剥がしとり粉砕する光輝性板状ポリマー粒子の製造方法である。さらに、サーマルヘッドを用いて転写層を任意の形状に熱転写した後、転写層を剥がしとる光輝性板状ポリマー粒子の製造方法である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光輝性板状ポリマー粒子の製造方法及び光輝性板状ポリマー粒子に関し、特に化粧品用粒子などとして有用な、厚さが数μmの光輝性板状ポリマー粒子に関する。
光輝性顔料は、化粧料、塗料、樹脂等、光輝感と鮮やかな色が必要とされる分野で使用され、その需要及び工業的価値は年々増大している。
代表的な光輝性顔料には、二酸化チタン被覆雲母に代表されるパール剤と、アルミニウムなどの金属薄膜粉、アルミニウムフレークにアクリル樹脂を被覆したもの、ガラスフレークに二酸化チタンを被覆したもの(特許文献1)がある。これらの光輝性顔料は、無機物を基体とするもので、化粧料に配合した場合に質感が硬く使い心地が有機材料からなる光輝性顔料に比べ劣るものであった。
代表的な光輝性顔料には、二酸化チタン被覆雲母に代表されるパール剤と、アルミニウムなどの金属薄膜粉、アルミニウムフレークにアクリル樹脂を被覆したもの、ガラスフレークに二酸化チタンを被覆したもの(特許文献1)がある。これらの光輝性顔料は、無機物を基体とするもので、化粧料に配合した場合に質感が硬く使い心地が有機材料からなる光輝性顔料に比べ劣るものであった。
有機材料からなる光輝性顔料としては、屈折率の異なる2つのポリエステル樹脂を多層に交互に積層したものが市販されている。例えば、ダイヤ工業製の「DCグリッター」である。この顔料は、光の干渉を利用したものであり多様な色彩を有する光輝性顔料の要望に対応できるものではなかった。
また、従来の光輝性顔料の図1で示す最大粒径dは、フィルム状のものを粉砕して製造されているため、バラツキが大きいものであった。
また、従来の光輝性顔料の図1で示す最大粒径dは、フィルム状のものを粉砕して製造されているため、バラツキが大きいものであった。
本発明は、化粧料に配合する好適な光輝性顔料として、有機材料を基体とした光輝性板状ポリマー粒子を提供するものであり、多様な輝きの仕様の光輝性板状ポリマー粒子を製造する方法を提供するものである。さらに、粒径のバラツキを均一にできるようにしたり、任意の外観形状に形成できる製造方法を提供するものである。
第1発明は、基材上に少なくとも樹脂層、金属光沢層、接着層を積層した樹脂層転写シートを被転写体に対して熱転写した後、樹脂層、金属光沢層および接着層の転写層を剥がしとり粉砕する光輝性板状ポリマー粒子の製造方法である。
第2発明は、基材上に少なくとも樹脂層、金属光沢層、接着層を積層した樹脂層転写シートを被転写体に対して、サーマルヘッドを用いて任意の形状に熱転写した後、樹脂層、金属光沢層および接着層の転写層を剥がしとる光輝性板状ポリマー粒子の製造方法である。
第3発明は、前記金属光沢層が、金属蒸着層である第1、2発明記載の樹脂層転写シートである。
第2発明は、基材上に少なくとも樹脂層、金属光沢層、接着層を積層した樹脂層転写シートを被転写体に対して、サーマルヘッドを用いて任意の形状に熱転写した後、樹脂層、金属光沢層および接着層の転写層を剥がしとる光輝性板状ポリマー粒子の製造方法である。
第3発明は、前記金属光沢層が、金属蒸着層である第1、2発明記載の樹脂層転写シートである。
第1発明によれば、多様な色彩を有する光輝性板状ポリマー粒子の製造ができる。さらに、第2発明では、任意の外観形状に形成できるので、意匠性に優れた光輝性板状ポリマー粒子となり得る。また、本発明の光輝性板状ポリマー粒子は、化粧品を製造するための粒子、および色材、水性インキ等を製造するための工業用粒子として好適である。
本発明の製造方法で用いる樹脂層転写シートは、基材上に少なくとも樹脂層、金属光沢層、接着層を積層したものである。基材としては、耐熱性のある基材を用いる。例えば、ポリエチレンテレフタレートを始めとするポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー等のプラスチックフィルム、セロファン等があり、また、これらの2種以上を積層した複合フィルムなども使用できる。中でもフィルムの耐熱性、薄膜化、コスト等からポリエステルフィルムが好適に使用できる。
これらの基材の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように樹脂層に応じて適宜変更するが、通常は1.0〜50μm程度が好ましい。基材の背面には、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等からなる耐熱層を設けても良い。耐熱層の厚みは、0.05〜0.5μmの範囲が好ましい。
樹脂層は、熱可塑性樹脂を主成分として用いる。樹脂層が熱転写できる範囲において、熱硬化性樹脂、UV硬化樹脂を含有していてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、スチレン/アクリル共重合体、スチレン/マレイン酸樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系共重合体、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、水添石油樹脂、ロジン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ウレタン樹脂、セルロース系樹脂が挙げられ、これらの樹脂より1種以上適宜選択して用いることができる。基材上に直接、樹脂層を設けると基材との接着力が強くなる熱可塑性樹脂は、主成分としてではなく添加樹脂成分として用いる。
これらの樹脂の中でも、基材との剥離性が良好な樹脂を主成分として用いるとよい。基材との剥離性がよい樹脂としては、ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、スチレン/アクリル共重合体、水添石油樹脂、ケトン樹脂、セルロース系樹脂が挙げられ、これらの樹脂より1種以上選択されたものが好ましい。
ポリスチレンとしては、スチレン樹脂、α−アルキルスチレン樹脂等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステルや、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エステルの単独重合体、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの共重合体、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルとビニルトルエン、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸などとの共重合体などを挙げられる。
アクリルポリオール樹脂としては、前記のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどと、アクリル酸ヒドロキシエチル、N−メチロールアクリルアミドなどとの共重合体などが挙げられる。
スチレン/アクリル共重合体としては、スチレン系モノマーと前記のアクリル系モノマーとの共重合体などが挙げられる。
水添石油樹脂の市販品では、アルコンPシリーズ、アルコンMシリーズ(荒川化学)などが挙げられる。
ケトン樹脂としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノンあるいはメチルシクロヘキサノン等のケトン類を原料とし、これをアルカリ触媒の存在下にホルマリンと縮合反応させることによって得られる樹脂が挙げられる。
セルロース系樹脂としては、硝化綿、酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
樹脂層の軟化点は、40〜160℃の範囲が好ましい。前記範囲未満であると基材との接着力が出てきて熱転写しにくくなる。前記範囲を超えると転写層(樹脂層、金属光沢層、接着層を指す)が熱転写しにくくなる。特に任意の形状に熱転写したい場合、任意の形状を形成しにくくなる。
樹脂層には、熱転写性を調整するために透明感を損なわない範囲でワックス状物質を配合してもよい。ワックス状物質とは、木ロウ、ミツロウ、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、セレシンワックスなどの天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、酸化ワックス、エステルワックス、低分子量ポリエチレン、フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸、ステアリルアルコール、ドコサノールなどの高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸モノグリセド、ショ糖の脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステルなどのエステル類、ステアリン酸アミド、オレイルアミドなどのアミド類およびビスアミド類などが挙げられる。樹脂層中へのワックス状物質の配合は、30重量%未満であることが好ましい。前記範囲を超えると、光輝性板状ポリマー粒子の剛性が低下してくる。樹脂層の厚みは、0.1〜20μmの範囲が好ましい。より好ましくは、0.2〜5μmである。特に好ましいのは、0.2〜2.2μmである。
金属光沢層には、金属蒸着層や金属粉とバインダーからなる層がある。金属蒸着層は、金属を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などで形成できる。金属としては、表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用することができる。金属蒸着層の厚みは、10〜200nmの範囲が好ましい。金属粉とバインダーからなる金属光沢層は、前記の金属を細かく粉砕した金属粉と樹脂層で挙げた熱可塑性樹脂等をバインダーとしたものである。
化粧料としては、高輝度の光輝性板状ポリマー粒子を求められるので、金属光沢層として、金属蒸着層を使用するのが好ましい。(第3発明)
接着層は、接着剤樹脂を主成分とするものである。熱転写の感度を上げる等必要に応じて樹脂層で挙げたワックス状物質を含有させることができる。
接着剤樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、石油系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂などの1種または2種以上が挙げられる。接着層の軟化点は転写性の点から、45〜120℃の範囲が好ましい。軟化点が前記範囲未満であるとブロッキングしやすくなる。前記範囲を超えると熱転写性が低下してくる。接着層の厚みは、0.1〜1.5μmが好ましい。
樹脂層、接着層には、通常化粧品に用いられる他の化粧品成分を必要に応じ適宜配合することができる。他の化粧品成分として、例えば無機粉末、有機粉末、無機着色顔料、有機顔料、パール顔料、天然色素、各種炭化水素、シリコーン油、油性成分、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤などが挙げられる。
前記無機顔料として酸化チタン、酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄などが挙げられ、有機顔料として赤色202号、黄色401号、青色404号などが挙げられる。また、有機紫外線吸収剤としてPABA系、サルチル酸系、柱皮酸系、ベンゾフェノン系その他の紫外線吸収剤が挙げられ、無機紫外線散乱剤として微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛などが挙げられる。
基材からの樹脂層の剥離性がよくない場合は、基材上と樹脂層の間に離型層を設けてもよい。離型層は、ワックス状物質を主成分とし、接着剤樹脂を配合するものである。ワックス状物質は、前記の樹脂層で挙げたものを使用できる。接着剤樹脂は前記の接着層で挙げた樹脂を使用できる。離型層の厚みは、0.1〜1.0μmの範囲が好ましい。
基材上に樹脂層を設ける方法は、有機溶剤に熱可塑性樹脂等を溶解、分散させたものをグラビアコート法、バーコート法等で塗布、乾燥して形成することができる。同様に離型層、接着層、耐熱層も各々の塗工液を用意して、塗布、乾燥して形成することができる。
第1発明の光輝性板状ポリマー粒子の製造方法は、前記の樹脂層転写シートを被転写体に対して、転写層を熱転写した後、転写層を剥がしとり粉砕する方法である。
被転写体としては、ドラム状、ロール、無端ベルト状、シート、板状のものが挙げられる。被転写体の材質は、金属、硬質プラスチック、セラミックス等が使用できる。接着層の材質によっては、被転写体への接着力が強くなりすぎて転写層を剥がしとることが難しい場合がある。このような場合は、被転写体の表面にシリコーン樹脂やフッ素樹脂をコーティングすると剥がしやすくなる。被転写体の表面は、平滑な面とすると転写層を剥がしやすくなる。また平滑でないと剥がした転写層の被転写体に面した面が平滑でなくなり、化粧料に配合した場合に肌へのスライド性が得られにくくなる。
被転写体に転写層を熱転写する手段としては、ヒートロール、ホットプレス、サーマルヘッドを備えた熱転写プリンタ等が挙げられる。
被転写体に熱転写した転写層は、ブレード、刃物等の先端が鋭利にとがった物を当てて転写層を剥がしとる。他に剥がしとる方法としては、被転写体に振動を与える、超音波を与える、被転写体とともに接着層は溶解するが樹脂層を溶解しない溶剤に含侵する、といった方法が挙げられる。これらの方法を組み合わせた方法であってもよい。
剥がしとった転写層は、粉砕機により粉砕して光輝性板状ポリマー粒子とする。粉砕機の例は、ボールミル、衝撃微粉砕機、ジェット粉砕機等が挙げられる。
本発明で使用する光輝性板状ポリマー粒子において、一般に、図1中tで示される厚
さは、樹脂層転写シートの転写層の厚みで決まる。転写層の厚みは、基材上に樹脂層塗工液を塗布する塗布量や、金属光沢層の厚み、接着層塗工液の塗布量によって決まり、容易にコントロールできるものである。
さは、樹脂層転写シートの転写層の厚みで決まる。転写層の厚みは、基材上に樹脂層塗工液を塗布する塗布量や、金属光沢層の厚み、接着層塗工液の塗布量によって決まり、容易にコントロールできるものである。
また、図1中dで示される粒径(一個の光輝性板状ポリマー粒子のうちの最大粒径)も、得られたポリマーの粉砕の程度により容易に調整することができ、更にこれらの調整により、種々のアスペクト比(d/t)の光輝性板状ポリマー粒子を得ることができる。
本発明の光輝性板状ポリマー粒子を化粧料に配合する場合には、光輝性板状ポリマー粒子の厚さtは0.2〜20μmが好ましく、より好ましくは0.5〜5μm、特に好ましくは0.5〜2.5μmである。
また、化粧料に配合する場合の光輝性板状ポリマー粒子の好ましい平均粒径は、1〜60μmであり、より好ましくは15〜55μmである。更に、光輝性板状ポリマー粒子総量の70%以上のアスペクト比は約4.5〜45であることが好ましい。
化粧料中に配合する光輝性板状ポリマー粒子として上記した範囲のものを用いれば、嵩高であると共に薄く、透明性が良いものであるため、化粧料中での分散性が優れ、柔らかな感触でスライド性も良く、肌に密着し、経時での色ぐすみがなく塗布膜の透明感が持続し、化粧効果の高さにおいて良好なものを得ることができる。
化粧料において使用される光輝性板状ポリマー粒子の含有量は、特に制限はないが、化粧料全体に対して0.5〜60%が好ましく、更に好ましくは3〜40%である。光輝性板状ポリマー粒子の含有量がこの範囲であれば、分散性が優れ、かつ肌に塗布する際の柔らかな感触、スライド性、肌への密着感、経時における化粧膜の色ぐすみのなさ、透明感の持続性等化粧効果の高さ等において特に良好な化粧料が得られるので好ましい。
また、光輝性板状ポリマー粒子は、フッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等を用いて表面処理を施し、処理粒子としたものを用いてもよい。光輝性板状ポリマー粒子に表面処理を施す表面処理方法は、常法により行うことができる。
また化粧料に配合される光輝性板状ポリマー粒子は、光輝性板状ポリマー粒子の樹脂成分が異なるものや、形状が異なるもの及びその表面処理方法が異なるもの等、異なる種類の粒子を2種以上併用してもよい。
第2発明は、被転写体への転写層の熱転写を、コンピュータで制御されるサーマルヘッドを用いて任意の形状に転写層を熱転写した後、転写層をブレード等を使用して剥がしとる光輝性板状ポリマー粒子の製造方法である。任意の形状とは、例えば、○型、△型、□型、星型等が挙げられる。サーマルヘッドを使えば同一の形状を熱転写するのみならず異なった形状を同時に熱転写して混在させてもよい。例えば、○型、△型、□型の形状を並べて同数づつ被着体へ熱転写する。熱転写された転写層を剥がすことにより○型、△型、□型の形状の光輝性板状ポリマー粒子が混在した光輝性板状ポリマー粒子を得ることができる。
サーマルヘッドを使えばこれらの単純な形状のもの以外にもキャラクターや動物、昆虫等の複雑な形状でも作成できる。任意の形状の光輝性板状ポリマー粒子は、前記の光輝性板状ポリマー粒子の機能の他に意匠性を与えることができる。特に光輝性板状ポリマー粒子を着色すると顕著な意匠性を与えることができる。
樹脂層、接着層に前記で挙げた有機顔料を配合することにより、種々のカラーの光輝性板状ポリマー粒子を容易に形成することができる。樹脂層に配合する有機顔料と接着層に配合する有機顔料は、同色であってもよいし、異なった色であってもよい。
サーマルヘッドで任意の形状に熱転写した転写層は、図1の最大粒径dのバラツキが前記の粉砕して粒子とする方法に比べ少なくなる。粉砕方法による粒子は、粒子の大きいものによる粗さが目立ったり、平均粒径よりかなり小さい例えば粒径が1μm以下の粒子は粒子含有の効果がないといった問題がある。しかし、サーマルヘッドによる光輝性板状ポリマー粒子の製造方法は、粒径がそろっているのでこれらの問題がなく、配合効率がよいものとなる。
樹脂層転写シートの転写層が被転写体に熱転写しにくい場合は、前記の離型層を設ける方法の他に、被転写体の表面に接着剤層を設けても良い。接着剤層は、接着層の成分と同じものを使用できる。接着剤層の厚みは、接着層の厚みと同程度に設ければよい。
サーマルヘッドには、ワープロ機に使用されるシリアルタイプとFAX機、バーコードプリンタ等に使用されるラインタイプがあるが、いずれのタイプでも使用できる。製造速度を重視するのであればラインタイプを使用するとよい。
本発明の光輝性板状ポリマー粒子は、柔らかでソフト感が高く、展延性に優れる。また、この粒子は板状であるので、パウダー又はリキッド化粧品に配合された場合に、ころころと転がるいわゆるローリング効果を発現しないが、肌上では展延方向に配向され易い。このことが滑らかさ、いわゆる滑り性、感触の良さとして肌に感じられると同時に肌全体に均一に広がり、粒子の伸び、着きなどの化粧効果に優れる。また、本発明の粒子は、人間の皮脂及び化粧品中に含まれる油剤などによっても、明度、彩度が低下し難く、粒子の黒ずみいわゆる色ぐすみ現象の原因とならない。
(実施例1、2)背面にシリコーン系樹脂からなる厚み0.2μmの耐熱層を設けた厚み2.5μmのポリエステルフィルム(PET)の上に、表1の樹脂層塗工液を厚みが2.0μmになるように塗布、乾燥して樹脂層を形成した。樹脂層の上に真空蒸着法で厚み20nmのアルミニウムの金属蒸着層を形成した。金属蒸着層の上に、表1の接着層塗工液を厚みが0.3μmになるように塗布、乾燥して接着層を形成して樹脂層転写シートを作成した。
得られた樹脂層転写シートを12.7mm幅のコアにスリットして巻いたものを下記の条件で転写層を被転写体に熱転写した。
熱転写条件
熱転写プリンタ:アルプス電気製MD5000
被転写体:厚み0.2μmの銅板
熱転写パターン:実施例1は、図2で示す直径約40μmのドット形状を羅列。
実施例2は、粒径dが約2mmの星型を羅列
熱転写条件
熱転写プリンタ:アルプス電気製MD5000
被転写体:厚み0.2μmの銅板
熱転写パターン:実施例1は、図2で示す直径約40μmのドット形状を羅列。
実施例2は、粒径dが約2mmの星型を羅列
熱転写された被転写体を加温したメタノール溶液中に24時間浸漬して接着層のポリアミド樹脂を溶解させ、樹脂層、金属光沢層を剥離させた。遊離した光輝性板状ポリマー粒子収集し、メタノールを乾燥除去して光輝性板状ポリマー粒子を作成した。
得られた光輝性板状ポリマー粒子を下記の方法で評価した。
(1)熱転写性
被転写体に熱転写したものを金属顕微鏡又は、ルーペで確認した。実施例1はドット形状に、実施例2は星型に熱転写していた。
(2)光輝性板状ポリマー粒子の厚み
実施例1の粒子の電子顕微鏡写真をとり10個の粒子の厚みを計測して厚みのバラツキを調べた。厚みは、1.8〜2.2μmの範囲内のもので、バラツキの少ないのもであった。実施例2の粒子は、カットして断面の電子顕微鏡写真をとり厚みを計測した。このものの厚みは、1.8〜2.2μmの範囲内のもので、バラツキの少ないのもであった。
(3)光輝性板状ポリマー粒子の形状と粒径
得られた粒子の金属顕微鏡写真または、ルーペより、5個の粒子の形状確認をし、粒径dを計測した。実施例1の粒子は、いずれも円形のドット形状であった。粒径は、いずれも35〜45μmの範囲内のバラツキの少ないものであった。実施例2の星型粒子は、いずれも星型の形状をなしており粒径は、1.6〜2.4mmの範囲内のバラツキの少ないものであった。
(1)熱転写性
被転写体に熱転写したものを金属顕微鏡又は、ルーペで確認した。実施例1はドット形状に、実施例2は星型に熱転写していた。
(2)光輝性板状ポリマー粒子の厚み
実施例1の粒子の電子顕微鏡写真をとり10個の粒子の厚みを計測して厚みのバラツキを調べた。厚みは、1.8〜2.2μmの範囲内のもので、バラツキの少ないのもであった。実施例2の粒子は、カットして断面の電子顕微鏡写真をとり厚みを計測した。このものの厚みは、1.8〜2.2μmの範囲内のもので、バラツキの少ないのもであった。
(3)光輝性板状ポリマー粒子の形状と粒径
得られた粒子の金属顕微鏡写真または、ルーペより、5個の粒子の形状確認をし、粒径dを計測した。実施例1の粒子は、いずれも円形のドット形状であった。粒径は、いずれも35〜45μmの範囲内のバラツキの少ないものであった。実施例2の星型粒子は、いずれも星型の形状をなしており粒径は、1.6〜2.4mmの範囲内のバラツキの少ないものであった。
Claims (3)
- 基材上に少なくとも樹脂層、金属光沢層、接着層を積層した樹脂層転写シートを被転写体に対して熱転写した後、樹脂層、金属光沢層および接着層の転写層を剥がしとり粉砕することを特徴とする光輝性板状ポリマー粒子の製造方法。
- 基材上に少なくとも樹脂層、金属光沢層、接着層を積層した樹脂層転写シートを被転写体に対して、サーマルヘッドを用いて任意の形状に熱転写した後、樹脂層、金属光沢層および接着層の転写層を剥がしとることを特徴とする光輝性板状ポリマー粒子の製造方法。
- 前記金属光沢層が、金属蒸着層であることを特徴とする請求項1、2記載の樹脂層転写シート。
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