JP2008081640A - 有機板状粒子の製造方法、有機層転写シート - Google Patents

有機板状粒子の製造方法、有機層転写シート Download PDF

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Abstract

【課題】化粧品を製造するための粒子、および色材、水性インキ等を製造するための工業用粒子として好適である、適度に光沢感を落とした有機板状粒子を製造方法を提供するものである。
【解決手段】基材上に少なくともマット層、有機層を設けた有機層転写シートを被転写体に対して、有機層を熱転写した後、有機層を剥がしとり粉砕する有機板状粒子の製造方法である。さらに、サーマルヘッドを用いて有機層を任意の形状に熱転写した後、有機層を剥がしとる有機板状粒子の製造方法である。有機層は熱可塑性樹脂またはワックスを主成分としたものである。さらに、被転写体の表面平均粗さRa(JIS−0601−1994に準拠)を0.1〜1.5μmとする。必要に応じて、有機層の上に接着層を設けたものである。

【選択図】 図3

Description

本発明は、有機板状粒子の製造方法及び有機板状粒子に関し、特に化粧品用粒子などとして有用な、厚さが数μmの板状の有機粒子に関する。
従来より化粧料に配合される板状の無機粒子としては、天然雲母が挙げられるが化粧品中に含まれる油脂などにより、粒子の明度、彩度を低下させやすく、粒子の黒ずみ現象の原因となりやすいものであった。板状のポリマー粒子は、無機物粒子に比べ柔らかくソフト感が高い。また、球状粒子に比べ、板状粒子は、展延性に優れている。
有機板状粒子の製造方法としては、特許文献1に次の工程の製造方法が提供されている。ポリマーを有機溶剤に溶解したポリマー溶液をつくる。液面上にポリマー溶液を展開する。脱溶剤する。液面上にポリマーの薄膜を形成する。この薄膜を採取して乾燥し、乾燥物を粉砕する。この方法で作られた有機板状粒子の表面は平滑になって光を反射しやすくなっていた。そのためファンデーション等の化粧品に配合すると他の配合材料との兼ね合いで、光沢感が強く出すぎる問題があった。
特開2002−308996号公報
本発明は、この問題を解決するものであり、適度に光沢感を落とした有機板状粒子を提供するものである。適度に光沢感を落とすには、有機板状粒子の片面または両面を艶消しにすることで達成できる。さらに、粒径のバラツキを均一にできるようにしたり、任意の外観形状に形成できる製造方法を提供するものである。ついでこの製造方法で作られた有機板状粒子を、化粧品用粒子または、色材等の工業用粒子などとして有用な粒子とし提供するものである。
第1発明は、基材上に少なくともマット層、有機層を設けた有機層転写シートを被転写体に対して、有機層を熱転写した後、有機層を剥がしとり粉砕する有機板状粒子の製造方法である。
第2発明は、基材上に少なくともマット層、有機層を設けた有機層転写シートを被転写体に対して、サーマルヘッドを用いて有機層を任意の形状に熱転写した後、有機層を剥がしとる有機板状粒子の製造方法である。
第3発明は、前記被転写体の表面平均粗さRa(JIS−0601−1994に準拠)が0.1〜1.5μmである第1、2発明記載の有機板状粒子の製造方法である。
第4発明は、前記有機層転写シートの有機層の上に接着層を設けた第1〜3発明記載の有機層転写シートである。
第1発明によれば、片面が艶消しの有機板状粒子の製造が可能である。さらに、第2発明によれば任意の外観形状に形成できるので、意匠性に優れた片面が艶消しの有機板状粒子となり得る。また、本発明の有機板状粒子は、化粧品を製造するための粒子、および色材、水性インキ等を製造するための工業用粒子として好適である。
本発明の製造方法で用いる有機層転写シートは、基材上に少なくともマット層、有機層を設けたものである。基材としては、耐熱性のある基材を用いる。例えば、ポリエチレンテレフタレートを始めとするポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー等のプラスチックフィルム、セロファン等があり、また、これらの2種以上を積層した複合フィルムなども使用できる。中でもフィルムの耐熱性、薄膜化、コスト等からポリエステルフィルムが好適に使用できる。
これらの基材の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように有機層に応じて適宜変更するが、通常は1.0〜50μm程度が好ましい。基材の背面には、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等からなる耐熱層を設けても良い。耐熱層の厚みは、0.05〜0.5μmの範囲が好ましい。
基材に設けるマット層は、有機層が熱転写される際、基材に残り熱転写しない層である。図3に有機層転写シートの構成図を表す。有機層3が熱転写されるとマット層2のマット剤の粒子4は、マット層に保持されて熱転写しない。そこで、マット層の表面の凸部が有機層の凹部になり、熱転写された有機層の表面は、凹凸に荒されて艶消しされる。被転写体の表面が平滑な面であると、被転写体より剥がしとった有機層は、片面のみが艶消しとなり、ほど良い艶消しの有機板状粒子を得ることができる。
マット層は、樹脂とマット剤からなるものである。樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化樹脂より1種以上選択して用いる。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移点が60℃以上の合成樹脂が適当である。代表例はアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、メチルメタクリレート樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、フッ化ビニリデン−テトラフッ化エチレン共重合体樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、OH基またはCOOH基を有する熱可塑性樹脂に、アミノ基を2個以上有する化合物またはジイソシアネートもしくはトリイソシアネートを加えた樹脂が好適である。OH基またはCOOH基を有する熱可塑性樹脂は、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルポリオール樹脂、OH基をもつウレタンもしくはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、OH基をもつウレタンもしくはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、酢酸セルロース樹脂から選ぶとよい。これらの樹脂は、OH基またはCOOH基をその重合単位中に有するもののほか、末端や側鎖に有するものであってもよい。上記のOH基またはCOOH基を有する熱可塑性樹脂に加えるジイソシアネートの例は、パラフェニレンジイソシアネート、1−クロロ−2,4−フェニルジイソシアネート、2−クロロ−1,4−フェニルジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、および4,4−ビフェニレンジイソシアネートであり、トリイソシアネートの例は、トリフェニルメタントリイソシアネートおよび4,4,4−トリメチル−3,3,2−トリイソシアネート−2,4,6−トリフェニルシアヌレートである。また、アミノ基を2個以上有する化合物の例は、メラミン、メチル化メラミン、メチル化メチロールメラミン、ブチル化メラミン、ブチル化メチロールメラミン、ジシアンジアミド、グアニジン、ビグアニド、ジアミノメラミン、グアニルメラミン、尿素、ビウレット、アンメリン、アンメリド、ブチル化尿素およびメチル化尿素であり、グアナミン類であるホルモグアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、フェニルアセトグアナミン、メトキシグアナミンおよびN−メチロールアクリルアミド共重合体ポリマーも使用できる。上記アミノ基を2個以上有する化合物を用いるときは、硬化触媒として、リン酸アンモン、トリエタノールアミン、アセトアミド、尿素、ピリジン、パラトルエンスルホン酸、スルファニル酸、ステアリン酸グアニジン、炭酸グアニジンなどを使用する。ジイソシアネート、トリイソシアネートおよびアミノ化合物は、単独で、または2種以上混合して、OH基またはCOOH基を有する熱可塑性樹脂100重量部に対し、5〜40重量部、好ましくは10〜20重量部添加する。これらは架橋剤として、マット層を適度に硬化させるとともに、マット層の基材への接着力を増大させる。
マット剤は、無機粒子およびまたは有機粒子を使用する。無機粒子としては、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、アルミナ、酸性白土、クレー、炭酸マグネシウム、カーボンブラック、酸化スズ、チタンホワイトなどが挙げられる。有機粒子としては、シリコーン樹脂或いはフッ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などが挙げられる。マット剤は、マット層中に10〜50重量%含有するようにする。
好ましいマット層の表面平均粗さRa(JIS−0601−1994に準拠して測定)は、0.1〜1.5μmであり、この範囲に入るようにマット層の厚みとマット剤の粒径を設定する。前記範囲未満である艶消しの効果が現れにくくなる。前記範囲を超えるとマット層の厚みを厚くする必要があり経済的でない。艶消しを強くしたい場合は、表面平均粗さRaを前記の範囲内で大きくすればよい。逆に艶消しを最小限にしたい場合は、Raを小さくすればよい。
有機層は、熱可塑性樹脂またはワックスを主成分として用いる。熱可塑性樹脂を主成分として用いる場合、有機層が熱転写できる範囲において、熱硬化性樹脂、UV硬化樹脂を含有していてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、スチレン/アクリル共重合体、スチレン/マレイン酸樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系共重合体、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、水添石油樹脂、ロジン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ウレタン樹脂、セルロース系樹脂が挙げられ、これらの樹脂より1種以上適宜選択して用いることができる。マット層との接着力が強くなる熱可塑性樹脂は、主成分としてではなく添加樹脂成分として用いる。
これらの樹脂の中でも、マット層との剥離性が良好な樹脂を主成分として用いるとよい。マット層との剥離性がよい樹脂としては、ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリルポリオール樹脂、スチレン/アクリル共重合体、水添石油樹脂、ケトン樹脂、セルロース系樹脂が挙げられ、これらの樹脂より1種以上選択されたものが好ましい。
ポリスチレンとしては、スチレン樹脂、α−アルキルスチレン樹脂等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステルや、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エステルの単独重合体、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの共重合体、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルとビニルトルエン、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸などとの共重合体などを挙げられる。
アクリルポリオール樹脂としては、前記のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどと、アクリル酸ヒドロキシエチル、N−メチロールアクリルアミドなどとの共重合体などが挙げられる。
スチレン/アクリル共重合体としては、スチレン系モノマーと前記のアクリル系モノマーとの共重合体などが挙げられる。
水添石油樹脂の市販品では、アルコンPシリーズ、アルコンMシリーズ(荒川化学)などが挙げられる。
ケトン樹脂としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノンあるいはメチルシクロヘキサノン等のケトン類を原料とし、これをアルカリ触媒の存在下にホルマリンと縮合反応させることによって得られる樹脂が挙げられる。
セルロース系樹脂としては、硝化綿、酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂を主成分とした有機層には、熱転写性を調整するために透明感を損なわない範囲でワックスを配合してもよい。ワックスとは、木ロウ、ミツロウ、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、セレシンワックスなどの天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、酸化ワックス、エステルワックス、低分子量ポリエチレン、フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックスが挙げられる。その他に、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸、ステアリルアルコール、ドコサノールなどの高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸モノグリセド、ショ糖の脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステルなどのエステル類、ステアリン酸アミド、オレイルアミドなどのアミド類およびビスアミド類などのワックス状物質を配合してもよい。有機層中へのワックスの配合は、30重量%未満であることが好ましい。
ワックスを主成分とした有機層のワックスは、上記で挙げたワックス及びワックス状物質を用いることができる。マット層との接着力を上げたり、被転写体との熱転写性を上げるためにワックスに接着剤樹脂を加えても良い。接着剤樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体などのオレフィン系共重合体、アクリル系樹脂、石油系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴムなどのエラストマー類、ポリイソブチレン、ポリブデンなどの1種または2種以上が挙げられる。接着剤樹脂の含有量は、50重量%未満とする。好ましくは、30重量%未満とする。さらに好ましくは、15重量%未満とする。50重量%以上であるとマット層との接着力が高くなり熱転写が困難となってくる。
有機層の軟化点は、40〜160℃の範囲が好ましい。前記範囲未満であると有機層転写シートを巻き体にしたときに、ブロッキング発生がしやすくなる。前記範囲を超えると有機層が熱転写しにくくなる。特に任意の形状に熱転写したい場合、任意の形状を形成しにくくなる。有機層の厚みは、0.1〜20μmの範囲が好ましい。
有機層には、通常化粧品に用いられる他の化粧品成分を必要に応じ適宜配合することができる。他の化粧品成分として、例えば無機粉末、有機粉末、無機着色顔料、有機顔料、パール顔料、天然色素、各種炭化水素、シリコーン油、油性成分、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤などが挙げられる。
前記無機顔料として酸化チタン、酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄などが挙げられ、有機顔料として赤色202号、黄色401号、青色404号などが挙げられる。また、有機紫外線吸収剤としてPABA系、サルチル酸系、柱皮酸系、ベンゾフェノン系その他の紫外線吸収剤が挙げられ、無機紫外線散乱剤として微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛などが挙げられる。
第1発明の有機板状粒子の製造方法は、基材上に少なくとも有機層を設けた有機層転写シートを被転写体に対して、有機層を熱転写した後、有機層を剥がしとり粉砕する方法である。
被転写体としては、ドラム状、ロール、無端ベルト状、シート、板状のものが挙げられる。被転写体の材質は、金属、硬質プラスチック、セラミックス等が使用できる。有機層の材質によっては、被転写体への接着力が強くなりすぎて有機層を剥がしとることが難しい場合がある。このような場合は、被転写体の表面にシリコーン樹脂やフッ素樹脂をコーティングすると剥がしやすくなる。被転写体の表面は、平滑な面とすると有機層を剥がしやすくなる。
有機板状粒子の両面を艶消しにしたい場合は、被転写体の表面を荒らすことにより可能となる。被転写体の表面平均粗さRaは、マット層と同様に0.1〜1.5μmの範囲とする。被転写体の表面を荒らす方法としては、サンドブラスト方法や前記のマット層を設ける方法がある。表面を荒らすと今度は、有機板状粒子を剥がしにくくなるので、剥がしやすくするように、必要に応じて被転写体の表面にシリコーン樹脂やフッ素樹脂等をコーティングしたり、被転写体に設けるマット層中にこれらの樹脂を含有するようにするとよい。
被転写体に有機層を熱転写する手段としては、ヒートロール、ホットプレス、サーマルヘッドを備えた熱転写プリンタ等が挙げられる。
被転写体に熱転写した有機層は、ブレード、刃物等の先端が鋭利にとがった物を当てて有機層を剥がしとる。他に剥がしとる方法としては、被転写体に振動を与える、超音波を与える、被転写体とともに有機層を溶解しない溶剤に含侵する、といった方法が挙げられる。これらの方法を組み合わせた方法であってもよい。
剥がしとった有機層は、粉砕機により粉砕して有機板状粒子とする。粉砕機の例は、ボールミル、衝撃微粉砕機、ジェット粉砕機等が挙げられる。
本発明で使用する有機板状粒子において、一般に、図1中tで示される厚さは、有機層転写シートの有機層の厚みで決まる。有機層の厚みは、基材上に樹脂塗工液を塗布する塗布量によって決まり、容易にコントロールできるものである。例えば、塗布厚み2.0μmを設計値とすれば、塗布厚みのバラツキは1.8〜2.2μmの範囲内に収めることが出来るので、粉砕された有機板状粒子の厚みのバラツキは、ほぼこの塗布厚みのバラツキに順じて1.8〜2.2μmの範囲となり特許文献1の製造方法に比べ格段にバラツキの小さいものになる。
また、図1中dで示される粒径(一個の有機板状粒子のうちの最大粒径)も、得られたポリマーの粉砕の程度により容易に調整することができ、更にこれらの調整により、種々のアスペクト比(d/t)の有機板状粒子を得ることができる。
本発明の有機板状粒子を化粧料に配合する場合には、有機板状粒子の厚さtは0.1〜20μmが好ましく、より好ましくは0.1〜5μm、特に好ましくは0.5〜2.5μmである。
また、化粧料に配合する場合の有機板状粒子の好ましい平均粒径は、1〜60μmであり、より好ましくは15〜55μmである。更に、有機板状粒子総量の70%以上のアスペクト比は約4.5〜45であることが好ましい。
化粧料中に配合する有機板状粒子として上記した範囲のものを用いれば、嵩高であると共に薄く、透明性が良いものであるため、化粧料中での分散性が優れ、柔らかな感触でスライド性も良く、肌に密着し、経時での色ぐすみがなく塗布膜の透明感が持続し、化粧効果の高さにおいて良好なものを得ることができる。
化粧料において使用される有機板状粒子の含有量は、特に制限はないが、化粧料全体に対して0.5〜60%が好ましく、更に好ましくは3〜40%である。有機板状粒子の含有量がこの範囲であれば、分散性が優れ、かつ肌に塗布する際の柔らかな感触、スライド性、肌への密着感、経時における化粧膜の色ぐすみのなさ、透明感の持続性等化粧効果の高さ等において特に良好な化粧料が得られるので好ましい。
また、有機板状粒子は、フッ素化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等を用いて表面処理を施し、処理粒子としたものを用いてもよい。有機板状粒子に表面処理を施す表面処理方法は、常法により行うことができる。
また化粧料に配合される有機板状粒子は、有機板状粒子の樹脂成分が異なるものや、形状が異なるもの及びその表面処理方法が異なるもの等、異なる種類の粒子を2種以上併用してもよい。
第2発明は、被転写体への有機層の熱転写を、コンピュータで制御されるサーマルヘッドを用いて任意の形状に有機層を熱転写した後、有機層をブレード等を使用して剥がしとる有機板状粒子の製造方法である。任意の形状とは、例えば、○型、△型、□型、星型等が挙げられる。サーマルヘッドを使えば同一の形状を熱転写するのみならず異なった形状を同時に熱転写して混在させてもよい。例えば、○型、△型、□型の形状を並べて同数ずつ被着体へ熱転写する。熱転写された有機層を剥がすことにより○型、△型、□型の形状の有機板状粒子が混在した有機板状粒子を得ることができる。
サーマルヘッドを使えばこれらの単純な形状のもの以外にもキャラクターや動物、昆虫等の複雑な形状でも作成できる。任意の形状の有機板状粒子は、前記の有機板状粒子の機能の他に意匠性を与えることができる。特に有機板状粒子を着色すると顕著な意匠性を与えることができる。
サーマルヘッドで熱転写した有機層は、図1の最大粒径のバラツキが前記の粉砕して粒子とする方法に比べ少なくなる。粉砕方法による粒子は、粒子の大きいものによる粗さが目立ったり、平均粒径よりかなり小さい例えば粒径が1μm以下の粒子は粒子含有の効果がないといった問題がある。しかし、サーマルヘッドによる有機板状粒子の製造方法は、粒径がそろっているのでこれらの問題がなく、配合効率がよいものとなる。
サーマルヘッドには、ワープロ機に使用されるシリアルタイプとFAX機、バーコードプリンタ等に使用されるラインタイプがあるが、いずれのタイプでも使用できる。製造速度を重視するのであればラインタイプを使用するとよい。
有機層の材質と被転写体の材質の組み合わせによっては、有機層が被転写体に熱転写しにくい場合がでてくる。そのような場合は、有機層転写シートの有機層の上に接着層を設けるとよい。(第4発明)接着層は、接着剤樹脂を主成分とするものである。熱転写の感度を上げる等必要に応じて有機層で挙げたワックス状物質を含有させることができる。
接着剤樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、石油系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂などの1種または2種以上が挙げられる。接着層の軟化点は転写性の点から、45〜120℃の範囲が好ましい。軟化点が前記範囲未満であるとブロッキングしやすくなる。前記範囲を超えると熱転写性が低下してくる。接着層の厚みは、0.1〜1.5μmが好ましい。
基材の上のマット層上に有機層を設ける方法は、有機溶剤に熱可塑性樹脂等を溶解、分散させたものをグラビアコート法、バーコート法等で塗布、乾燥して形成することができる。同様にマット層、接着層、耐熱層も各々の塗工液を用意して、塗布、乾燥して形成することができる。
有機層転写シートが基材上にマット層、有機層のみで構成されたもので、被転写体に熱転写しにくい場合は、前記の接着層を設ける方法の他に、被転写体の表面に接着剤層を設けても良い。接着剤層は、接着層の成分と同じものを使用できる。接着剤層の厚みは、接着層の厚みと同程度に設ければよい。
本発明の有機板状粒子は、柔らかでソフト感が高く、展延性に優れる。また、この粒子は板状であるので、パウダー又はリキッド化粧品に配合された場合に、ころころと転がるいわゆるローリング効果を発現しないが、肌上では展延方向に配向され易い。このことが滑らかさ、いわゆる滑り性、感触の良さとして肌に感じられると同時に肌全体に均一に広がり、粒子の伸び、着きなどの化粧効果に優れる。また、本発明の粒子は、人間の皮脂及び化粧品中に含まれる油剤などによっても、明度、彩度が低下し難く、粒子の黒ずみいわゆる色ぐすみ現象の原因とならない。更に、本発明の粒子は屈折率も低く、純度も高く皮脂による色ぐすみ現象を起こしにくいため、透明感のあるナチュラルな化粧仕上がりと十分な化粧持ち効果を与える。
(実施例1、2)背面にシリコーン系樹脂からなる厚み0.2μmの耐熱層を設けた厚み2.5μmのポリエステルフィルム(PET)の上に、表1のマット層塗工液を厚みが0.5μmになるように塗布、乾燥してマット層を形成した。マット層の上に表1の有機層塗工液を厚み2.0μmになるように塗布、乾燥して樹脂1,2の有機層転写シートを作成した。
(実施例3)実施例1で形成した有機層転写シートの有機層の上に、表1の接着層塗工液を塗布、乾燥して厚み0.3μmの接着層を形成して実施例3の有機層転写シートを作成した。
表1 (配合材料の重量部)
Figure 2008081640
実施例1〜3の有機層転写シートを12.7mm幅のコアにスリットして巻いたものを下記の条件で有機層を被転写体に熱転写した。
熱転写条件
熱転写プリンタ:アルプス電気製MD5000
被転写体:厚み0.2μmの表面がフラットなステンレス板
熱転写パターン:実施例1、2は、図2に示す直径約40μmのドット形状を羅列印刷 実施例3は、粒径dが約2mmの星型を羅列印刷
実施例1、2のドット形状の有機層をカッター刃で剥がし落として有機板状粒子を得た。実施例3の熱転写された被転写体を加温したメタノール溶液中に24時間浸漬して接着層のポリアミド樹脂を溶解させ、有機板状粒子を剥離させた。遊離した有機板状粒子収集し、メタノールを乾燥除去して有機板状粒子を作成した。得られた有機板状粒子を下記の方法で評価した。
(1)熱転写性
被転写体に熱転写したものを金属顕微鏡またはルーペで確認した。実施例1、2品はドット形状に、実施例3品は星型にきれいに熱転写していた。
(2)有機板状粒子の厚み
実施例1、2の粒子の電子顕微鏡写真をとり10個の粒子の厚みを計測して厚みのバラツキを調べた。厚みは、1.8〜2.2μmの範囲内のもので、バラツキの少ないのもであった。実施例3の粒子は、カットして断面の電子顕微鏡写真をとり厚みを計測した。このものも厚みは、1.8〜2.2μmの範囲内のもので、バラツキの少ないのもであった。
(3)有機板状粒子の形状と粒径
得られた粒子の金属顕微鏡写真またはルーペより、5個の粒子の形状確認をし、粒径dを計測した。実施例1、2の粒子は、いずれも円形のドット形状であった。粒径は、いずれも35〜45μmの範囲内のバラツキの少ないものであった。実施例3の星型粒子は、いずれも星型の形状をなしており粒径は、1.6〜2.4mmの範囲内のバラツキの少ないものであった。
(4)艶消し性
実施例1〜3の有機板状粒子を金属顕微鏡で確認したところ片面が凹凸になり艶消しされていた。
(比較例1)実施例3の有機層転写シートのマット層を設けない以外は、実施例3と同様に有機層転写シートを作成した。有機層転写シートを実施例3と同じ条件で被転写体に有機層を熱転写した。熱転写性、有機板状粒子の厚み、有機板状粒子の形状と粒径は、実施例3と同じであったが、艶消し性に関しては、粒子の両面が艶のあるものであった。
有機板状粒子 ドット形状 有機層転写シートの模式断面図
符号の説明
1 基材
2 マット層
3 有機層
4 マット剤の粒子

Claims (4)

  1. 基材上に少なくともマット層、有機層を設けた有機層転写シートを被転写体に対して、有機層を熱転写した後、有機層を剥がしとり粉砕することを特徴とする有機板状粒子の製造方法。
  2. 基材上に少なくともマット層、有機層を設けた有機層転写シートを被転写体に対して、サーマルヘッドを用いて有機層を任意の形状に熱転写した後、有機層を剥がしとることを特徴とする有機板状粒子の製造方法。
  3. 前記被転写体の表面平均粗さRa(JIS−0601−1994に準拠)が0.1〜1.5μmであることを特徴とする請求項1、2記載の有機板状粒子の製造方法。
  4. 前記有機層転写シートが有機層の上に接着層を設けたことを特徴とする請求項1〜3記載の有機層転写シート。
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