JP2008080755A - 感熱記録装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サーマルプリンタ1の制御部9は、入力され記憶部7の画像メモリ23に格納されているCMYKの4色よりなる画像データ3に対して、階調変換処理、画像シフト処理、網点処理、画像逆シフト処理を施した後、注目画素と周辺画素の距離と階調値に応じた蓄熱補正パラメータによる蓄熱補正処理を施し、さらに、2色目以降の画像データに対して、ハイライト部、中間部、シャドー部を考慮した可変の余熱量による余熱処理を実行する。これにより、高精細の画像部分の欠落や欠け、細りのない高品質の印画を得る。
【選択図】図2
Description
また、2色目以降の細線画像のハイライト部では、エネルギー不足によるかすれが生じるという問題がある。
さらに、可変余熱手段により、2色目以降の画像データの各画素に対して、階調値の高低に応じて可変の余熱量で余熱処理を行うことにより、エネルギー不足による画像のかすれを防ぐことが可能な画像データを得ることができる。特に、2色目以降の細線画像のハイライト部では、段差のあるところに2色目以降の印画を行なうため、画像のかすれが生じやすいが、この余熱処理により、画像のかすれを防ぐことが可能になる。
これにより、2色目以降の画像データに対して、各画素および周辺画素の階調値に応じた余熱を与えることが可能になり、エネルギー不足によるかすれが防げる。
また、前記可変余熱手段は、画像データの階調値の中間部分では、階調値に反比例した余熱量で余熱処理するようにしてもよい。
最初に、図1を参照しながら、本発明の実施の形態に係る感熱記録装置(サーマルプリンタ1)の構成について説明する。
図1は、サーマルプリンタ1の構成を示す図である。
なお、インクリボンには、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKの4種類があり、これらのインクを重ねて転写することでカラー印画を行う。
次に、図3、図4を用いて、本実施の形態による画像処理の流れを説明する。図3は、画像処理の流れを示すフローチャート、図4は、記憶部7の詳細を示す図である。
まず、印画部11の解像度に合わせて、画像データD1の解像度変換、階調変換を行い、画像データD3を生成し、記憶部7の画像メモリ23に保存する。さらに、CMYK分版処理を行い、4色(C、M、Y、K)のそれぞれの画像データD3(D3C、D3M、D3Y、D3K)を生成し、記憶部7の画像メモリ23に保存する。
また、階調変換処理では、同一色を2つに分解し、ずらし、重ね印画するダブルトーンの場合、理想的には50%の階調変換をすればよいが、実際には、50%では重ね印画したときに隙間ができてしまうため、60〜65%の階調変換を行う。最適な階調変換は、印画部11の解像度、印画画像の線数等により異なるので、階調変換パラメータ45として記憶部7の処理パラメータ27に予め格納しておくとよい。
例えば、解像度600dpiで線数60lpi(lines per inch)および75lpiの場合は60%、100lpiおよび120lpiの場合は65%というように予め定めて、記憶部7の処理パラメータ27に格納しておき、処理時に適する階調変換パラメータを検索して使用する。
ここで説明する処理は、ダブルトーンでずらすためのシフト処理である。すなわち、画像データ3に対してシフト処理を施した画像データD5と、シフト処理を行わない画像データD4を生成し、この2つのデータにその後の処理(ステップ103〜106)を施した後、2つの画像データを重ねて印画するものである。
画像処理19の方法としては、ダブルトーンではなく、シングルトーンを採用してもよい。その場合、シフト処理を行った画像データD5にその後の処理(ステップ103〜106)を施し、印画すればよい。
例えば、サーマルヘッドの解像度が600dpiのとき、線数が60lpiならばL1=5(右へ5画素)、L2=5(下へ5画素)、75lp iならばL1=4(右へ4画素)、L2=4(下へ4画素)、100lpiならばL1=3(右へ3画素)、L2=3(下へ3画素)、120lpiならばL1=2(右へ2画素)、L2=2(下へ2画素)というように予め定めて処理パラメータ27にシフト処理パラメータ49として格納しておく。
網点のマトリクスサイズはサーマルヘッドの解像度や画像の線数により異なるが、例えば、解像度600dpiの場合、線数60lpiで10×10画素、75lpiで8×8画素、100lpiで6×6画素、120lpiで5×5画素というように予め定めておき、記憶部7の処理パラメータ27に網点処理パラメータとして格納しておく。
また、網点形状は、例えば、万線タイプの90°であるとする。
画像逆シフト処理は、ステップ102の画像シフト処理と逆の方向に同じ画素数分シフトさせるものである。逆シフトさせる画素数は、記憶部7の処理パラメータ27のシフト処理パラメータ47を使用すればよい。これにより、網点変換処理データの画素位置が正しい位置に移動する。
ダブルトーン用のそれぞれの画像データD6およびD8に対して施す蓄熱補正処理は同様なので、ここでは、蓄熱補正処理を施す元画像データをFとする。
図6(a)に示すように、元画像データFは複数の画素データからなる。サーマルヘッドの走査方向である主走査方向の画素番号をm、主走査方向に垂直な副走査方向の画素番号をnとし、元画素データFm、nで表すことにする。
画像印画21においては、サーマルヘッドが主走査方向に移動して同一副走査線上(例えばi-2)の画素の印画を行い、その後、被印画物である記録紙が記録紙搬送装置によって送られることにより次の副走査線上(i-1)の画素が印画される。
すなわち、主走査方向では、注目画素Fi、j位置から左右それぞれ例えば2つ離れた画素まで(主走査番号i-2、i-1、i、i+1、i+2)、副走査方向では、注目画素の副走査方向jから例えば4つ離れた画素まで(副走査方向j〜j-4)までの範囲にある例えば5×5−1(注目画素)=24個の周辺画素の蓄熱を考慮する。
この蓄熱補正パラメータcm、jは予め定めて、記憶部7の処理パラメータ27に蓄熱補正パラメータ49として格納しておく。
図6(d)に示すように、蓄熱補正パラメータcm、jは、注目画素Fi、jに対応するパラメータci、jを100とし、注目画素Fi、jからの距離が近い画素ほど蓄熱の考慮の度合いを大きくするように設定される。
例えば、注目画素Fi、jと同一の副走査方向の周辺画素および同一主走査方向の隣接画素の蓄熱補正パラメータの値を−4(蓄熱に対する考慮の度合い最大)、注目画素Fi、jと同一の主走査方向のその他の周辺画素の蓄熱補正パラメータの値を−3というように、注目画素Fi、jからの距離に応じた蓄熱の考慮の度合いに見合う適切な値が設定される。
すなわし、注目画素Fi、jと主走査方向の重み係数を副走査方向のそれに比べて大きくし、斜め方向の画素についての重み係数はより小さくするようにした。
以上のような蓄熱補正パラメータ値の最適化により、蓄熱によるシャドー部でのつぶれや、ハイライト部でのかすれが改善可能である。
各色(C、M、Y、K)についてそれぞれステップ102〜ステップ105の処理を実行することにより、各色について蓄熱補正処理後の画像データD9(D9C、D9M、D9Y、D9K)および、D10(D10C、D10M、D10Y、D10K)が求まる。
可変余熱処理(ステップ106)は、2色目以降の画像データについて行なう。C、M、Y、Kの順に印画する場合、2色目以降、すなわち、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)について可変余熱処理を行う。特に、マゼンダ(M)については、シアン(C)の細線間等に印画する場合、従来あったエネルギー不足によるかすれを防ぐことができ有効である。
以下、本発明の中心を成す可変余熱処理について説明する。
図5は、可変余熱処理の説明図である。
同図(a)は、正常に印画された場合の印画例を模式的に表している。
すなわち、シアン(C)の細線間にマゼンダ(M)の細線のある画像である。
本実施の形態の画像処理19では、シアン(C)のダブルトーンの画像データの次にマゼンダ(M)のダブルトーンの画像データが重ねて印画されることになる。
同図(b−1)は余熱処理を行わない場合のマゼンダ(M)の画像データを示している。これをシアン(C)の画像データに重ねて印画すると、シアン(C)の細線間にマゼンダ(M)の細線を重ねることになり、同図(b−2)に示すように、マゼンダ(M)のインクが付加エネルギーの不足で細ったり、途切れたりしてしまう。
2色目以降の重ね印画においては、画像の階調値の低いハイライト部ほど細りや途切れのような印画ムラによる印画品質の低下が起こりやすい。
そこで、ハイライト部における可変余熱処理の余熱量を、階調値がより高い中間〜シャドー部の余熱量よりも大きくして、余熱処理を行う。
図7は、余熱(プレストローブ)処理の説明図である。
図7に示すように、蓄熱補正画像データGm、n(同図(a))に対して、プレストローブ処理パラメータpm、n(同図(b))を適用し、同図(c)に示す計算式により余熱処理を行う。プレストローブ処理パラメータは予め定めて、蓄熱補正パラメータ49の一部として記憶部7の処理パラメータ27に記憶しておく。
この値の設定により、余熱量の値を可変に設定することが可能である。
余熱量を画像データの階調(ハイライト部/中間〜シャドー部)によって可変にすることにより、ハイライト部では画像階調をより高く、中間〜シャドー部では画像階調の増加傾向が低くなるように階調値が補正され、高精細画像のハイライト部におけるかすれを防止できる。
すなわち、ハイライト部においては、段差の影響等により網点がきちんと印画できずかすれてしまう現象が生じるが、余熱処理により、ハイライト部の網点周辺部の階調を余分に上げて余熱を与え、網点をきちんと印画させることが可能になる。
まず、記憶部7の画像メモリ23から蓄熱補正処理を施したダブルトーン用の画像データD9(D9C、D9M、D9Y、D9K)及びD10(D10C、D10M、D10Y、D10K)を読み込む(ステップ801)。
本実施の形態では、マゼンダ(M)の画像データD9MおよびD10Mに対して(ステップ802のM)、ハイライト部ではより高い余熱量28%による余熱処理を施し、中間〜シャドー部ではより低い余熱量16%による余熱処理を行う(ステップ821〜828)。一方、シアン(C)の画像データD9CおよびD10Cに対して(ステップ802のC)は、全ての画素に、ハイライト部/中間部/シャドー部の区別なく一定(余熱量16%)の余熱処理を施す(ステップ803〜809)。
ただし、イエロー(Y)、ブラック(K)についても、シアン(C)あるいはマゼンダ(M)と同様の余熱処理を施すようにしてもよい。
階調値が40%以下であればハイライト部(ステップ822のYes)として、プレストローブ処理パラメータとして余熱量の高いP28(28%)を選択し(ステップ823)、階調値が40%よりも大きければ中間〜シャドー部(ステップ822のNo)として、プレストローブ処理パラメータとして余熱量の低いP16(16%)を選択する(ステップ830)。
画素番号のインデックスi、jをインクリメントし(ステップ825〜828)、全画素(Gi、j:i=1〜I、j=1〜J)についての可変余熱処理(ステップ822〜828)を実行する。
すなわち、まず、プレストローブ処理パラメータとしてP16(余熱量16%)を選択する(ステップ803)。
そして、画素番号iおよびjを1に設定し(ステップ804)、図7(c)の数式により補正した画素値Bi、jを求める(ステップ805)。
画素番号のインデックスi、jをインクリメントし(ステップ806〜809)、全画素(Gi、j:i=1〜I、j=1〜J)についての余熱処理(ステップ805〜809)を実行する。
以上の処理により、シアン(C)については、一定の低い余熱量(16%)による余熱処理が実施され、画像データD11CおよびD12cが生成される。生成された画像データD11CおよびD12Cは記憶部7の画像メモリ23に格納される。
以上により画像処理19を終了し、制御部9は、結果として得られた画像データD11およびD12を印画部11に送る。
印画部11は、受信した画像データD11およびD12を画像印画することによりダブルトーンの印画が実行する。
同図(a)は、可変余熱処理を施さない場合の印画例であり、マゼンダ(M)の斑点の欠落や欠け、細りが見られる。
一方、同図(b)は、上記の可変余熱処理を施した場合の印画例である。マゼンダ(M)の斑点が、欠落なく印画され、また、欠けや細りも改善されている。
図10は、可変余熱処理の余熱量についての第2の実施例である。
同図(a)あるいは同図(b)のような可変余熱量が考えられる。
このように余熱量を2値だけではなく多値にすることにより、グラデーション画像のような連続的な階調変化があるような画像の場合に、ハイライト部、中間部、シャドー部の境界において同一の余熱量で処理することが可能になり、印画品質を向上することが可能になる。
第2の実施形態で説明したような、階調値に反比例するような余熱量を与える場合(図10(a))や、階調値により連続的に変換する余熱量を与える場合(図10(b))には、図11(b)、(c)に示すような余熱量20%、余熱量24%等の複数のプレストローブ処理パラメータを予め設定し、記憶部7の処理パラメータ27に格納しておく。
3………画像データ
5………画像入力部
7………記憶部
11………制御部
19………画像処理
23………画像メモリ
27………処理パラメータ
Claims (5)
- サーマルヘッドを有する感熱記録装置であって、
画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段により取得された画像データに階調変換を施した後、CMYKの画像データに分版する分版手段と、
前記分版手段により分版されたCMYKの各画像データを、それぞれ異なる画素分だけシフトさせるシフト手段と、
前記シフト手段によりシフトされた各画像データに対して網点変換処理を行う網点変換手段と、
前記網点変換手段により処理された各画像データを、それぞれ、前記画素分だけ逆方向にシフトさせる逆シフト手段と、
前記逆シフト手段により処理された各画像データに対して、各画素の周辺画素階調値を考慮した蓄熱補正処理を行なう蓄熱補正手段と、
前記蓄熱補正手段により処理された各画像データのなかの2色目以降に印画する画像データに対して、各画素の階調値に応じて、周辺画素階調値を考慮した可変の余熱量で余熱処理を行う可変余熱手段と、
前記可変余熱手段により処理された各画像データを重ね合わせて画像データを印画する印画手段と、
を具備することを特徴とする感熱記録装置。 - 前記可変余熱手段は、前記各画素周辺の複数の画素に対するプレストローブ補正パラメータを画像データの階調値に応じて定めて余熱量を可変とし、前記各画素周辺の複数の画素の階調値に重み付けを行い、前記重み付けを行った前記各画素周辺の複数の階調値により、前記各画素の階調値に余熱補正を行うことを特徴とする請求項1記載の感熱記録装置。
- 前記可変余熱手段は、画像データの階調値が低いハイライト部分を、それ以外の中間-シャドー部分よりも大きい余熱量で余熱処理することを特徴とする請求項1記載の感熱記録装置。
- 前記可変余熱手段は、画像データの階調値の中間部分では、階調値に反比例した余熱量で余熱処理することを特徴とする請求項1記載の感熱記録装置。
- 画像データを取得する工程と、
前記画像データに階調変換を施した後、CMYKの画像データに分版する工程と、
分版されたCMYKの各画像データを、それぞれ異なる画素分だけシフトさせる工程と、
シフトされた各画像データに対して網点変換処理を行う工程と、
前記網点変換された各画像データを、それぞれ、前記画素分だけ逆方向にシフトさせる工程と、
逆シフトされた各画像データに対して各画素の周辺画素階調値を考慮した蓄熱補正処理を行なう工程と、
蓄熱補正された各画像データのなかの2色目以降に印画する画像データに対して、各画素の階調値に応じて、周辺画素階調値を考慮した可変の余熱量で余熱処理を行う工程と、
余熱処理された各画像データを重ね合わせて画像データを印画する工程よりなることを特徴とする画像形成方法。
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