JP2008080570A - インサート成形用シート - Google Patents

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【課題】トリミングの際に破断しやすく、破断面が良好であり、トリミング型の磨耗を低減できる、トリミング特性に優れたインサート成形用シートを提供する。
【解決手段】真空成形工程、トリミング工程、及び樹脂射出工程からなるインサート成形法に用いられるインサート成形用シートであって、該シートがバッカー層11の上に、少なくとも印刷層12と表面層13とを順に有してなり、該バッカー層の厚みが表面層と印刷層との合計厚みに対して1.5倍以上であり、かつバッカー層のIZOD衝撃値〔ASTM D256に準じて測定される温度23℃における厚み2.54mmのノッチ付衝撃強度〕が100〜500J/mであるインサート成形用シート10である。
【選択図】図1

Description

本発明は、インサート成形用シートに関するものである。
従来から、樹脂成形物等の被着体の表面を加飾した加飾成形品が車両内装部品等の各種用途で使用されている。このような加飾成形品の成形方法の一つとして、インサート成形方法が知られている。インサート成形方法では、バッカー層を伴った加飾シートを射出成形型内に挿入した後、通常は射出成形型を真空成形型として加飾シートを予め真空成形し、トリミングをして成形品表面に沿う三次元形状とした上で、型締めし、そして樹脂を射出することで、三次元形状の成形品表面に、加飾シートを積層一体化した加飾成形品を得ることができる。
このようなインサート成形方法において、トリミング型を用いたトリミングでは破断しにくい、破断面に細い糸状の樹脂ヒゲが残る、トリミング型が磨耗するといった問題があった。また、これらの問題は、レーザーによるトリミングで解消することはできるが、レーザーを用いた場合には、設備費が高いといった問題があった。
特開2004−322501号公報
本発明は、このような状況下で、トリミングの際に破断しやすく、破断面が良好であり、トリミング型の磨耗を低減できる、トリミング特性に優れたインサート成形用シートを提供することを課題とするものである。
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、インサート成形用シートの表面層、印刷層及びバッカー層を所定の特性を持たせることにより、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明の要旨は下記のとおりである。
1. 真空成形工程、トリミング工程、及び樹脂射出工程からなるインサート成形法に用いられるインサート成形用シートであって、該シートがバッカー層の上に、少なくとも印刷層と表面層とを順に有してなり、該バッカー層の厚みが表面層と印刷層との合計厚みに対して1.5倍以上であり、かつバッカー層のIZOD衝撃値〔ASTM D256に準じて測定される温度23℃における厚み2.54mmのノッチ付衝撃強度〕が100〜500J/mであるインサート成形用シート。
2. バッカー層のIZOD衝撃値が表面層のIZOD衝撃値の10倍以上である上記1に記載のインサート成形用シート。
3. 表面層がアクリル系樹脂を含む上記1又は2に記載のインサート成形用シート。
4. バッカー層がABS系樹脂を含む上記1〜3のいずれかに記載のインサート成形用シート。
5. トリミング工程でダイカット型を用いる上記1〜4のいずれかに記載のインサート成形用シート。
本発明によれば、トリミングの際に破断しやすく、破断面が良好であり、トリミング型の磨耗を低減できる、トリミング特性に優れたインサート成形用シートを提供することができる。
本発明のインサート成形用シートは、バッカー層の上に、少なくとも印刷層と表面層とを順に有してなり、必要に応じてバッカー層と印刷層との間に接着剤層を有する。
以下、本発明を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のインサート成形用シートの断面を示す模式図である。
[バッカー層11]
本発明にかかるバッカー層11は、印刷層12及び表面層13からなる加飾シート20と一体化することで、該加飾シート20を補強し、一体化物の形態を保持するために用いられ、バッカー層11の厚みは印刷層12及び表面層13からなる加飾シート20の厚みの1.5倍以上であることを要する。また、該バッカー層は、その厚みが表面層と印刷層との合計厚みに対して1.5倍以上であり、かつバッカー層のIZOD衝撃値〔ASTM D256に準じて測定される温度23℃における厚み2.54mmのノッチ付衝撃強度〕が100〜500J/mであることを要する。このようにすることで、トリミング特性を良好とすることができ、シートの強度不足によりトリミング工程で折り目がついたり割れたりすることもない。また、トリミング特性を良好にする観点から、バッカー層11のIZOD衝撃値は上記の表面層13のIZOD衝撃値の10倍以上であることが好ましい。
このようなバッカー層11に用いられる樹脂としては、ABS系樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体樹脂)、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等を好ましく挙げることができ、これらのうち1種又は2種以上を組み合せて用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン樹脂が好ましい。バッカー層11に用いられる樹脂としては、これらの樹脂の内、ABS系樹脂、ポリプロピレン樹脂を含むことが特に好ましく、ABS系樹脂を含むことが最も好ましい。
[印刷層12]
本発明にかかる印刷層12は、模様や文字等とパターン状の絵柄を表現する層である。印刷層12の絵柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字等からなる絵柄を挙げることができる。また、印刷層12は、上記絵柄を表現する柄パターン層と、全面ベタ層を単独で又はこれらを組み合わせて設けることができる。全面ベタ層は、通常、隠蔽層、着色層、着色隠蔽層等として用いられる。印刷層12は、通常は、後述する表面層13に印刷インキでグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷、昇華転写印刷、インキジェット印刷等の公知の印刷法により形成することで、図1に示すように表面層13とバッカー層11との間に形成される。
印刷層12に用いられる印刷インキのバインダー樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、セルロース系樹脂等を好ましく挙げることができるが、アクリル系樹脂単独又はアクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂との混合物を主成分とするのが好ましい。表面層13としてアクリル系樹脂を用いる場合は、表面層13との密着性を出すためにアクリル系樹脂を用い、さらに塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂又は別のアクリル系樹脂を混合すると印刷適性、成形適性がより好適となる。ここで、アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート系共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン系共重合体等のアクリル系樹脂〔ただし、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートをいう〕、フッ素等による変性アクリル系樹脂を1種又は2種以上の混合物として、単層又は2層以上の積層体のシートとして用いることができる。その他、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、を共重合させて得られるアクリルポリオールを用いることもできる。
塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂としては、通常、酢酸ビニル含有量が5〜20質量%程度、平均重合度350〜900程度のものが用いられる。必要に応じ、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂に更にマレイン酸、フマル酸等のカルボン酸を共重合させてもよい。アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂との混合比は、アクリル樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂=1/9〜9/1(質量比)程度である。この他、副成分の樹脂として、必要に応じて、適宜その他の樹脂、例えば、熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン系樹脂等の樹脂を混合してもよい。
本発明にかかる印刷層12に用いられる着色剤としては、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色無機顔料、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノンイエロー、ハンザイエローA、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む)、アルミニウム、真鍮等の金属粉末からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料、蛍光顔料等を1種又は2種以上混合して用いることができる。
このような印刷層12は、本発明のインサート成形用シートに意匠性を付与するために設けられる層であるが、意匠性を向上させる目的で金属薄膜層等を形成してもよい。金属薄膜層の形成は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜することができる。この金属薄膜層は全面に設けても、部分的にパターン状に設けてもよい。
[表面層13]
本発明にかかる表面層13は、インサート成形用シートに耐候性を付与し、印刷層12の意匠性を高めるために設けられる層である。表面層13に用いられる樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリブテン系、エチレン−プロピレン系共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン系共重合体樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル変性ウレタン系樹脂、ポリエステル変性ウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体変性ウレタン系樹脂等のポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂等を挙げることができ、これらのうち1種又は2種以上を組合せて用いることができる。中でも、透明性に優れ、その結果、優れた塗装感も付与できるアクリル系樹脂が好ましい。該アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート系共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン系共重合体等のアクリル系樹脂〔ただし、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートをいう〕、フッ素等による変性アクリル系樹脂を1種又は2種以上の混合物として、単層又は2層以上の積層体のシートとして用いる。表面層13としては、上記の樹脂からなる市販の樹脂フィルムを用いることもできるし、上記の樹脂を用いて公知の方法によりフィルムを成形して用いることもできる。
表面層13は無色透明でも、着色透明であってもよい。また、表面層13には、必要に応じて、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の滑剤、シリカ、球状α−アルミナ等の粒子からなる減磨剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、微粒子酸化セリウム系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、可塑剤、安定剤、着色剤等の各種添加剤を、物性調整のために添加してもよい。また、副材料として、アクリル系樹脂以外の樹脂を添加してもよい。
[インサート成形用シートの層厚]
上述のように、バッカー層11は、加飾シート20と一体化して補強し、一体化物の形態を保持するために用いられ、上述のように、バッカー層11の厚みは印刷層12及び表面層13からなる加飾シート20の厚みの1.5倍以上であることを要する。バッカー層11、印刷層12及び表面層13の各層の厚みは、上記範囲内にあれば特に制限はないが、以下のように好ましい範囲を規定することができる。バッカー層11の厚みは100〜500μmが好ましく、200〜500μmがより好ましい。印刷層12の厚みは、5〜40μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。また、表面層13の厚みは、50〜150μmが好ましく、50〜130μmがより好ましい。
[接着剤層14]
本発明のインサート成形用シートには、必要に応じて接着剤層14を設けることができる。接着剤層14としては、印刷層12との密着性、印刷適性、成形適性を持つ樹脂の中から、広範囲に選択される。具体的には、ブロックイソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン系樹脂、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、及びアクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂との混合物から選ばれることが好ましい。接着剤層14でのアクリル系樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂としては、上述の印刷層12で述べたもの等を使用すればよい。また、これらの混合比も上述の印刷層12で述べた比率範囲で使用すればよい。これらの樹脂を接着剤層に使用することによって、印刷層12及び表面層13からなる加飾シートとバッカー層11との密着性が得られる。なお、接着剤層14には、副成分としての範囲で、上記以外の樹脂を併用してもよい。併用する樹脂は、主に射出樹脂との密着性を考慮して選ばれる。
バッカー層に用いられる樹脂がABS系樹脂又はポリオレフィン系樹脂の場合、接着剤層14としては、ブロックイソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン系樹脂、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン系樹脂等が好ましい。
接着剤層14の厚みは要求物性等に応じて適宜厚さとすればよいが、通常1〜100μm程度である。また、接着剤層14の形成方法は特に限定は無いが、通常は、上記樹脂を希釈溶剤で希釈した樹脂液からなるインキ又は塗液として、グラビア印刷、ロールコート等の公知の印刷又は塗工手段により形成する。また、接着剤層中には、更に、インキ(又は塗液)の印刷(又は塗工)適性等の諸物性を調整、向上させる目的で、必要に応じて、その他の副材料、例えば、体質顔料等の各種添加剤を添加してもよい。
[製造方法]
本発明のインサート成形用シートは、真空成形工程、トリミング工程、及び樹脂射出工程からなるインサート成形法に用いられる。
本発明のインサート成形用シート及びこれを用いた加飾成形品の製造方法を説明する。
〔真空成形工程〕
まず、表面層13に印刷層12を順次グラビア印刷、ロールコート等の公知の印刷又は塗工手段により積層し、加飾シート20を得て、必要に応じて接着剤層14を印刷層12と同様に積層する。印刷層12が複数層の場合は、1層を積層した後、乾燥し、その後次の層を積層すればよい。得られた加飾シート20は、接着剤層14がある場合はバッカー層11とドライラミネーション等により、接着剤層14がない場合には熱ラミネーション等により、接着し一体化してインサート成形用シートとなる。このインサート成形用シートを真空成形により所定の型付けを行なう。
図2、3及び4は、それぞれ本発明の加飾シート20を用いたインサート成形用シートの真空成形工程において、真空成形前の加熱段階を示す工程模式図、加熱段階終了後の真空成形準備段階を示す工程模式図及び真空成形を示す工程模式図である。
図2において、固定枠(図示しない)に固定したインサート成形用シートが軟化する所定の温度になるまでヒーター42で加熱し、図3に示すように加熱され軟化したインサート成形用シートに真空成形金型41を押し付け、図4に示すように同時に真空成形金型41から真空ポンプ(図示しない)で空気を吸引しインサート成形用シートを真空成形金型41にしっかりと密着させる。
インサート成形用シートが真空成形金型41に密着した後、インサート成形用シートを冷却し成形したインサート成形用シートから真空成形金型41をはずし、固定枠から成形されたインサート成形用シートをはずす。
〔トリミング工程〕
トリミング工程は、上記の真空成形工程で得られたインサート成形用シートの余分な部分を切り取り、所望の形状にトリミングする工程である。レーザー、ダイカット型等を用いてトリミングをすることができるが、設備の観点から汎用されるダイカット型を用いてトリミングするのが好ましい。
図5は、インサート成形用シートのトリミング工程を示す工程模式図である。
〔樹脂射出工程〕
上記のトリミング工程でトリミングされたインサート成形用シートを、図6に示すように射出成形金型51にはめ込み、図7に示すようにバッカー層側に射出樹脂を打ち込む。最後に射出成形金型51から取り出して本発明のインサート成形用シートを用いた加飾成型品を得る。(詳細については、例えば、特許文献1参照)
このようにして得られた加飾成形品の用途は、特に制限はないが、その特徴を有効に活用する点で、耐候性が要求される用途が好ましい。例えば、ダッシュボードパネル、ドアパネル、ロアパネル等の車両内装品、車体、モール等の車両外装品、車両以外の用途としては、例えば窓枠(サッシ)、扉枠、扉、壁板、床板、腰壁、回縁、屋根表面材、棚、門扉、門柱、戸袋等の建材用途、机、タンス等の家具用途等を挙げることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
1.IZOD衝撃値の測定
各実施例及び比較例におけるバッカー層、及び印刷層の形成前の表面層について、ASTM D256に準拠し、23℃の条件下における厚み2.54mmのノッチ付衝撃強度を測定し、IZOD衝撃値とした。
2.破断面の目視評価
各実施例及び比較例で製造したインサート成形用シートを、ダイカット型を用いて油圧により上型をシートをはさむように押し当てて、トリミングした。破断面を目視により以下の基準で評価した。
◎:破断面が非常にきれいである。
○:細い糸状の樹脂ヒゲが若干残るが、実用上問題ない。
△:細い糸状の樹脂ヒゲが著しく残ってしまい、実用上問題ある。
×:割れるなどしてトリミングできない。
実施例1
バッカー層として、IZOD衝撃値が200(J/m)であるABS系樹脂〔厚さ:350μm〕を準備した。一方、表面層として厚さ75μmのアクリル系樹脂フィルム〔厚さ:75μm〕に、アクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂とをバインダー樹脂とする印刷インキを用いて、厚さ5μmの印刷層を形成し加飾シートを製造して、これにポリエステル−ウレタン系樹脂を主成分とする接着剤を厚さ8μmで塗布した。その後、バッカー層を加飾シートに塗布した接着剤を介して積層することにより、インサート成形用シートを製造した。
得られたインサート成形用シートを、固定枠に固定し、インサート成形用シートの温度が170℃になるまで300℃のヒーターで加熱した。加熱されて軟化したインサート成形用シートを真空成形し、ダイカット型を油圧により押し当ててトリミングした。トリミングして得られた本発明のインサート成形用シートの破断面の評価、及びダイカット型の磨耗状態の評価を第1表に示す。
実施例2〜3、比較例1〜2
バッカー層として各々表1に示されるものを用いる以外は、実施例1と同様にしてインサート成形用シートをトリミングした。破断面の評価を第1表に示す。
Figure 2008080570
第1表から分かるように、実施例1〜4のインサート成形用シートは、その破断面が良好であり、またダイカット型の磨耗は全く見受けられず、良好なトリミング特性を示した。一方、比較例1のインサート成形用シートは、IZOD衝撃度が高いために破断面に細い糸状の樹脂ヒゲが著しく発生し、ダイカット型の磨耗も見受けられた。また、比較例2のインサート成形用シートは、トリミングするために型にセットする際に割れてしまい、トリミングすることができなかった。
本発明のインサート成形用シートは、各種の加飾成形品に好適に用いられる。
本発明のインサート成形用シートの断面を示す模式図である。 本発明のインサート成形用シートの真空成形工程において、真空成形前の加熱段階を示す工程模式図である。 本発明のインサート成形用シートの真空成形工程において、加熱段階終了後の真空成形準備段階を示す工程模式図である。 本発明のインサート成形用シートの真空成形工程において、真空成形を示す工程模式図である。 本発明のインサート成形用シートのトリミング工程を示す工程模式図である。 本発明のインサート成形用シートの射出成形工程において、射出成形の準備段階を示す工程模式図である。 本発明のインサート成形用シートの射出成形工程において、射出成形を示す工程模式図である。
符号の説明
10 インサート成形用シート
11 バッカー層
12 印刷層
13 表面層
14 接着剤層
20 加飾シート
41 真空成形金型
42 ヒーター
51 射出成形金型

Claims (5)

  1. 真空成形工程、トリミング工程、及び樹脂射出工程からなるインサート成形法に用いられるインサート成形用シートであって、該シートがバッカー層の上に、少なくとも印刷層と表面層とを順に有してなり、該バッカー層の厚みが表面層と印刷層との合計厚みに対して1.5倍以上であり、かつバッカー層のIZOD衝撃値〔ASTM D256に準じて測定される温度23℃における厚み2.54mmのノッチ付衝撃強度〕が100〜500J/mであるインサート成形用シート。
  2. バッカー層のIZOD衝撃値が表面層のIZOD衝撃値の10倍以上である請求項1に記載のインサート成形用シート。
  3. 表面層がアクリル系樹脂を含む請求項1又は2に記載のインサート成形用シート。
  4. バッカー層がABS系樹脂を含む請求項1〜3のいずれかに記載のインサート成形用シート。
  5. トリミング工程でダイカット型を用いる請求項1〜4のいずれかに記載のインサート成形用シート。
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