JP2008080512A - タイヤ成形金型用リング鋳物の真円度矯正方法 - Google Patents

タイヤ成形金型用リング鋳物の真円度矯正方法 Download PDF

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【課題】クラウンR形状のサバ折り変形を殆ど生じさせる事無く、リング鋳物の真円度を矯正できるタイヤ成形金型用リング鋳物の真円度矯正方法を提供する。
【解決手段】リング鋳物用のエキスパンダーを用いてリング鋳物の真円度を矯正するタイヤ成形金型用リング鋳物の真円度矯正方法において、リング鋳物上下端直近の内径部で、該当部の平均半径以下となる部位にのみエキスパンダーの可動爪をあてがい、その他の部位は可動爪を外した状態で可動爪の直径寸法を広げる動作を行う。リング鋳物の平均直径拡張及び、タイヤ幅方向の曲率形状の変形を極小化しながら、リング鋳物の真円度を矯正することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、鋳造製作されたタイヤ成形金型用リング鋳物の真円度矯正方法に関するものであり、さらに詳しくは、タイヤの幅方向の曲率形状であるクラウンR形状を損なう事無く、リング鋳物の真円度矯正を行う方法に関するものである。
タイヤ金型は、その分割方法から、タイヤ形状を幅方向に2分割するタイプの2ピースモールド(上下分割型)と、円周方向で7〜13程度に分割する、セクショナルモールド(上下一体型)の2種類に大別される。2ピースモールドは、金型分割数が少なく、型構造が簡易な為、金型コストは安価に済むと言うメリットが存在する一方で、成形後のタイヤを金型から脱型する際に、金型意匠面の突起形状(骨やサイプ ブレード)で『アンダーカット』を形成しやすく、複雑なデザインについては脱型困難となると言うデメリットが存在している。この不具合を克服する為、及び、寸法精度面での優位性の為にセクショナルモールドが用いられることもあり、必要に応じてこれらの2種類が使い分けられている。
これらの金型は、機械加工では対処しづらい形状(鋭い角を持った、凹ブロック形状や、サイプブレードと称する薄肉凸形状)を多数有している事から、鋳造製法で製作される事が多い。(サイプブレードは、タイヤ金型本体に『鋳包み』させて対応する場合が多い。)
また鋳造製法の中でも、石膏鋳造法が使用される事が多いと言える。これは、鋳型が崩壊性を持ち、アンダーカット形状対応の自由度が高く、鋳型での組み立て加工が簡易に行え、金型分割形状分をほぼ一体形状で鋳造でき、かつ、寸法精度が高い上、鋳型コストが低い事がその理由として挙げられる。
石膏鋳造法で2Pモールドを製作する方法は図1に示すとおりであり、マスターモデルからゴム型反転を行い、更に石膏鋳型への反転を行う。石膏鋳型は1リング分に必要な個数を作成し、乾燥後に角度切断を行ったうえ、リング状に組み立てる。次に鋳型の外周を鋳枠で囲み、合金溶湯を流し込んでリング状鋳物を作成する。その後、型バラシし、所定外周形状に機械加工し、上下の型合わせをして完成となる。
また石膏鋳造法でセクショナルモールドを製作する方法(セクター端面余肉設定法)は図2に示すとおりであり、マスターモデルからゴム型反転を行い、更に石膏鋳型への反転を行う。石膏鋳型は分割数分の個数を作成する。乾燥後に角度切断を行ったうえ、リング状に組み立てる。次に鋳型の外周を鋳枠で囲み、合金溶湯を流し込んでリング状鋳物を作成する。その後、型バラシし、機械加工によりセクター分割を行い、分割された各金型の外周加工等を行ったうえで、全周方向に型合わせをして完成となる。
この様に、2Pモールドもセクショナルモールドもともにリング状態で鋳造する事から、アルミ合金溶湯の凝固・冷却収縮時に、リングの中心軸に対して不均一な歪みを発生させてしまう事が多く、これに起因して鋳放し鋳物(リング鋳物)の内面(意匠面)の真円度(基準真円からの振れ値幅)特性が悪化する傾向にある。また鋳物の収縮バラツキも発生しやすく、これに起因して、リング鋳物内径も、狙いとするものから(許容公差を逸脱して)外れてしまう場合も有る。
タイヤ金型において各部の直径と真円度は、タイヤ性能を決定づける重要な管理項目と言える。各タイヤメーカーによって様々であるが、その要求特性は、年々高い精度のものとなって来ており、鋳造法による製作限界に近づきつつある。具体的には現状の要求精度は、許容公差数値が、直径で±0.2mm程度,真円度で0.25mm程度、高精度仕様の場合は、直径で±0.1〜0.15mm,真円度で0.1〜0.15mmであって、殆ど機械加工スペックに近いものとなって来ている。
この様な事情から、タイヤ成形金型用リング鋳物を製作する際に、リング鋳物状態で上下端直近の内径部に後加工で除去出来、所定の直径の真円となる事を狙った基準径部を鋳出しにより形状製作しておき、この基準径部と意匠面部の内径が、狙い直径に対して0.02〜0.2%(0.2/1000〜2.0/1000)程小さくなる様にタイヤ金型用リング鋳物を鋳造・製作し、油圧駆動のカム構造等で外周部の直径寸法を変化させられ、複数枚の扇形のリング鋳物本体材質より高強度な材質から成る可動爪を持ったリング鋳物用直径拡張矯正機(エキスパンダーと称する)を用いて、リング鋳物の基準径部にエキスパンダーの可動爪をあてがい、リング鋳物を永久変形させる事でリング鋳物意匠面部の直径と真円度を同時に矯正する方法が用いられる場合が多い。
図3、図4、図5にエキスパンダーによる直径拡張矯正法の概要を示す。何れも上段は矯正状況の模式図、中段はクラウンR形状(タイヤ幅方向の曲率形状)変化の模式図、下段は中心部(CL)と肩部(Sh)の真円度の模式図である。また図3は上下同時矯正の場合、図4は下側のみ矯正の場合、図5は上側のみ矯正の場合である。何れの場合にも、リング状鋳物1の上下端直近の内径部に形成された基準径部2、2の一方または双方にエキスパンダー3の可動爪4をあてがい、全周にわたり同一量だけ張出す。
図3の場合には、上下で張出された部位近傍のみが直径拡張されるが、上下の中央部は元の直径に近い状態となり、所謂サバ折り状態となる。図4の場合には下側の張出された部位近傍のみが直径拡張されるが、上側はその反動で若干直径が縮小する。逆に図5の場合には、上側の張出された部位近傍のみが直径拡張されるが、下側はその反動で若干直径が縮小する。この様に、従来矯正法のエキスパンダーによる直径拡張法は、タイヤ幅方向の曲率形状であるクラウンR形状精度の劣化(悪化)を必ず伴うという弱点を持っていた。
そこでこの様な問題点を解決するために、本発明者は特許文献1、2に示される方法を開発した。しかしこれらの方法は、タイヤ金型用リング鋳物より強度が高く、熱膨張係数の小さい『拘束リング』で、リング鋳物背面のほぼ全面を覆い、この状態で加熱保持する事を基本としている為、大型の拘束リングと大型の加熱源(加熱炉)を必要とすると言う弱点を持っていた。
特許第3667723号公報 特開2005−161565号公報
本発明はこの様な状況化で完成されたものであり、その第一の目的は、エキスパンダー法を用いてもクラウンR形状のサバ折り変形を殆ど生じさせる事無く、リング鋳物の真円度を矯正できる技術を提供する事にあり、第二の目的は、該当方法で僅かに生じるクラウンR形状のサバ折変形も相殺出来る技術を提供する事にある。
上記した第一の目的を解決するためになされた請求項1の発明は、タイヤ成形用金型を鋳造製法にて製作する場合、リング鋳物状態で上下端直近の内径部に後加工で除去出来、所定の直径の真円となる事を狙った基準径部を鋳出しにより形状付与しておき、リング鋳物本体材質より高強度な材質から成る複数枚の扇形の可動爪を持ち、油圧駆動のカム構造等で該当可動爪の外周部直径寸法を変化させられる機構を持った、リング鋳物用エキスパンダーを用いてリング鋳物の真円度を矯正するタイヤ成形金型用リング鋳物の真円度矯正方法において、リング鋳物上下端直近の内径部で、該当部の平均半径以下となる部位にのみエキスパンダーの可動爪をあてがい、その他の部位は可動爪を外した状態で可動爪の直径寸法を広げる動作を行う事で、リング鋳物の平均直径拡張及び、タイヤ幅方向の曲率形状の変形を極小化しながら、リング鋳物の真円度を矯正する事を特徴とするものである。
また上記した第二の目的を解決するためになされた請求項2の発明は、リング鋳物上下端部の外周に、リング鋳物本体材質より高強度で熱膨張率の小さい材質からなる拘束リングを設置し加熱保持して、上下端近傍のリング鋳物内径を狙い直径に対して0〜0.1%(0/1000〜1/1000)小さくなる様に矯正した後、請求項1記載の方法によりエキスパンダーによる矯正を行うことを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、リング鋳物上下端部内径の平均直径より小さくなる部位にのみ、エキスパンダーの爪をあてがう様にして、エキスパンドする事で、リング鋳物の平均直径を殆ど変化させる事無く、真円度を矯正する事が出来る様になる。すなわち、従来法は、リング鋳物に真円度矯正をする為の『塑性歪み』として『直径拡張歪み』を利用するのに対し、請求項1の発明では『局部的な曲げ歪み』を利用するのである。これにより、エキスパンド量も極少で済む様になる為、クラウンR形状のサバ折現象も極小化する事が出来る様になる。
この請求項1の発明を用いても、若干量のクラウンR形状のサバ折現象が生ずるが、請求項2の発明によればこのサバ折変形分の逆変形形状をリング鋳物上下端部近傍の直径縮小矯正により予め付与しておき、その後に請求項1の発明による矯正を行うため、クラウンR形状のサバ折変形を相殺することができる。
(請求項1の発明)
以下に、従来のエキスパンダーによる直径拡張法と比較しつつ、請求項1の発明の実施形態を説明する。図6はエキスパンダーによる直径拡張工程の模式図であり、上段が従来法、下段が請求項1の方法である。また図7にクラウンR形状の変化を示し、左側が従来法、右側が請求項1の方法である。何れの方法も、先ずリング鋳物1の基準径部2にエキス3の可動爪4をあてがう爪セットを行った後、エキスパンダー3を作動させて全周にわたり同一量だけ張出す。従来法では全周にわたり拡径するが、請求項1の発明ではリング鋳物1上下端直近の内径部で、該当部の平均半径以下となる部位にのみエキスパンダー3の可動爪4をあてがい、その他の部位は可動爪4を外した状態で拡径を行う。
図6の左下図に示すように、この実施形態ではリング鋳物1の鋳放し形状はやや縦長となっており、図の上下方向よりも左右方向の距離が短い。このため左右6枚の可動爪4のみを用い、上下6枚の可動爪4を取り外してある。この状態でエキスパンダー3を作動させれば、リング鋳物1は鋳放し形状の短径方向(左右方向)にのみ拡径され、その反動によって鋳放し形状の長径方向(上下方向)にはやや縮径する。
このように、請求項1の発明によれば、リング鋳物1の平均直径を殆ど変化させる事無く、真円度を矯正する事が出来る様になる。これに対して図6の上段に示す従来法ではリング鋳物1の平均直径を必ず拡径して真円度を矯正する。すなわち、従来法ではリング鋳物に真円度矯正をする為の『塑性歪み』として『直径拡張歪み』を利用するのに対し、請求項1の発明では『局部的な曲げ歪み』を利用する。この結果、従来法に比べて請求項1の発明ではリング鋳物1に印加する塑性歪み量を少なく出来る分だけ、クラウンR形状のサバ折変形も極小化する事が出来るのである。
なお、図6ではリング鋳物1の鋳放し真円度傾向が『楕円』の場合の可動爪4の当て方を説明したが、その他の場合には、図8の様な可動爪4の当て方を採用すれば良い。何れの場合にも、平均半径以下となる部位にのみエキスパンダー3の可動爪4をあてがい、拡径する。ここで平均半径以下となる部位の選択には数学的な厳密性を要するものではなく、実務的にはエキスパンダー3の可動爪4を当ててみてクリアランスの小さい部分を残し、クリアランスの大きい部分の可動爪4を外す方法で、容易に選択可能である。
図8に示されるように、接触させる可動爪4の枚数は全体の半数である必要はない。また上記の図6、図7は可動爪4の枚数が12枚/360deg.の例であるが、可動爪4の枚数はこれに制限されるものでは無い。爪の枚数が多いほど、請求項1の対応を実施し易くなると言える。また、請求項1の手法でエキスパンド量を増して、『平均直径を拡張しつつ真円度矯正』を行っても良い。即ち、請求項1は平均直径を殆ど変化させたく無い場合、平均直径を拡張したい場合にも双方に対して活用可能な技術と言える。
(請求項2の発明)
上記した請求項1の方法を用いても、若干量のクラウンR形状のサバ折現象が生じる。このサバ折変形分の逆変形形状をリング鋳物上下端部近傍の直径縮小矯正により予め付与しておき、その後に請求項1の方法を用いることで、真円度矯正後のクラウンR形状精度を高めるのが請求項2の発明である。
図9はその工程の説明図であり、リング鋳物1の上下端部の外周に、リング鋳物本体材質より高強度で熱膨張率の小さい材質からなる拘束リング5を設置し加熱保持して、上下端近傍のリング鋳物内径を狙い直径に対して0〜0.1%(0/1000〜1/1000)小さくなる様に直径縮小矯正を施し、その後に請求項1の方法を用いて直径拡張強制を行うことで、エキスパンド時に生じるクラウンR形状のサバ折現象を相殺し、直径・真円度・クラウンR形状の全てについて、所定の許容交差内に納める事が可能となる。
ここで『上下端近傍のリング鋳物内径を狙い直径に対して0〜0.1%(0/1000〜1/1000)小さくなる様に矯正』すると言う数値規制は、0%未満の場合は、それ以降請求項1によるエキスパンダー法による矯正が出来なくなる為であり、0.1%超の場合は、該当直径縮小矯正で生じる逆サバ折変形を、後のエキスパンダー法での直径拡張矯正にて相殺できなくなってしまう(クラウンR形状の逆サバ折形状が残る)為である。
本請求項2では、拘束リング5による直径縮小矯正法を必須としているが、ここで必要とされる直径縮小矯正法は、特許文献1、2の方法とは異なり、最小寸法の拘束リング5で済む為、対応の自由度が高い(拘束リングの共用化が可能な事や、より小型の加熱源で済む)点で、特許文献1、2より優れていると言える。
また本発明(請求項1、2)は、従来のエキスパンダー法や、特許文献1、2の直径縮小矯正法の様な、リング鋳物1の鋳放し内径を狙い寸法に対して予め大きくしておくか、小さくしておくといった『前提条件』を必要としないのも特徴である。基本的には、鋳放し状態でリング鋳物1の平均直径を狙い寸法どおりにする事を目標として鋳造すれば良いと言えるが、結果的に鋳放し直径が狙い直径より大きくなってしまったり、小さくなってしまったりしても、請求項1、2を活用すれば、良好なクラウンR形状精度を持ったタイヤ成形金型用リング鋳物を、比較的簡易に得る事が可能となるのである。
尚、ここまでの解説は2Pモールドについてのみ行ってきたが、リング状に鋳造してあればセクショナルモールドに本発明を用いても当然良い。特許文献2の様に、セクショナルモールド用リング鋳物の上下端内径部に基準径形状を付与して対応すれば、本発明を活用することが出来る。
以下に各発明の実施例を示す。
全実施例を通して製作したタイヤ金型形状は、図10、図11に示すとおりであり、測定部位をA〜Fの記号で示した。また上記タイヤ金型の鋳造製法概要は下記の通りである。
☆ 原型 : 上下に基準径を設けたもの(収縮率≒11/1000として金型形状を拡大したもの) 材質は合成木材『ケミウッド』
☆ ゴム型 : 裏打ち材は石膏,ゴム材質はポリサルファイドゴム,ゴム層厚は10mm
☆ 鋳型 : 材質は非発泡石膏(ノリタケジプサムG-6),
石膏パウダー1kgに対し水600gの割合で調合、スラリー化
☆ 鋳造 : 合金材質 AC4C(Si 7重量%,Mg 0.4重量%,残Al)
鋳込み温度670℃で鋳造
エキスパンダーは可動爪が12枚/360deg.のものを使用した。
<実施例1>請求項1の実施例
図9、図10に示したタイヤ金型用リング鋳物を製作した所、平均半径で狙い半径に対して−0.12mm,真円度で0.3mm程のものが得られた。このときの真円度傾向は『楕円』形状であった。このリング鋳物に対して、図6の下段に示した様なエキスパンダーの可動爪の当て方を用い、リング鋳物の短軸側部位にのみ向かい合って3枚ずつ可動爪を当て込み、長軸側部位の3枚ずつの可動爪は取り外したうえ、エキスパンダーを作動させ、直径拡張を殆ど行う事無く、真円度矯正する事を狙った。その結果を表1に示す。なお、平均半径以下となる部位の決定は、ターンテーブル上にリング鋳物を載せ、回転させながらダイヤルゲージで半径測定を行う方法で容易に行うことができる。
Figure 2008080512
表1に示す様に、請求項1の発明を用いる事で、平均直径を殆ど拡張する事無く、真円度を矯正する事が出来た。ただしクラウンR形状のサバ折変形は0.06mm程度発生した。
<比較例1>実施例1の比較例
実施例1と同様なリング鋳物を製作し、従来のエキスパンダー法(爪12枚全てをリング鋳物あてがう方法)で真円度矯正を2回試みた。その結果を表2と表3に示す。
Figure 2008080512
Figure 2008080512
従来エキスパンダー法で、半径拡張量0.15mm程となった1回目の矯正では、真円度は殆ど矯正されずにクラウンR形状が悪化してしまった(クラウンR形状のサバ折変形0.12mm)。更に半径0.1mm拡張した2回目の矯正でも同様な結果であった。これにより、実施例1の方が優れている事が証明された。
<実施例2>請求項2の実施例
実施例1と同様にリング鋳物を製作した後、上下端外周部にのみFCD600(球状黒鉛鋳鉄)製の拘束リングを設置し、160℃で1時間加熱した後空冷した。そのときの各部寸法変化を以下の表4、表5にまとめた。
Figure 2008080512
この様に上下端部のみ直径縮小矯正したリング鋳物にさらに請求項1のエキスパンダー法で真円度矯正を実施した(爪の当て方は実施例1と同様)。矯正前後の各部寸法変化を以下の表5にまとめた。
Figure 2008080512
以上のように、実施例2の方が実施例1と比較して、クラウンR形状精度を0.07mm程向上させることに成功した。これにより請求項2の効果が確認された。
以上に説明した様に、本発明を用いれば、比較的簡易に良好な寸法精度を持ったタイヤ成形金型用リング鋳物を製作・寸法矯正する事ができ、近年その要求が高まってきている『高精度タイヤ金型』の製法技術として、本発明が持つ意義は極めて大きいと言える。
石膏鋳造法で2Pモールドを製作する方法の工程説明図である。 石膏鋳造法でセクショナルモールドを製作する方法の工程説明図である。 エキスパンダーによる直径拡張矯正法で、上下同時矯正する場合の説明図であり、上段は矯正状況の模式図、中段はクラウンR形状(タイヤ幅方向の曲率形状)変化の模式図、下段は中心部と肩部の真円度の模式図である。 下側のみ矯正する場合の、図3と同様の説明図である。 上側のみ矯正の場合の、図3と同様の説明図である。 エキスパンダーによる直径拡張工程の模式図であり、上段が従来法、下段が請求項1の方法である。 エキスパンダーによる直径拡張工程におけるクラウンR形状の変化を示す模式図である。 可動爪の当て方のバリエーションを示す説明図である。 請求項2の発明の工程説明図である。 全実施例を通して製作したタイヤ金型形状と測定部位の説明図である。 全実施例を通して製作したタイヤ金型形状と原型形状の説明図である。
符号の説明
1 リング状鋳物
2 基準径部
3 エキスパンダー
4 可動爪
5 拘束リング

Claims (2)

  1. タイヤ成形用金型を鋳造製法にて製作する場合、リング鋳物状態で上下端直近の内径部に後加工で除去出来、所定の直径の真円となる事を狙った基準径部を鋳出しにより形状付与しておき、リング鋳物本体材質より高強度な材質から成る複数枚の扇形の可動爪を持ち、油圧駆動のカム構造等で該当可動爪の外周部直径寸法を変化させられる機構を持った、リング鋳物用エキスパンダーを用いてリング鋳物の真円度を矯正するタイヤ成形金型用リング鋳物の真円度矯正方法において、リング鋳物上下端直近の内径部で、該当部の平均半径以下となる部位にのみエキスパンダーの可動爪をあてがい、その他の部位は可動爪を外した状態で可動爪の直径寸法を広げる動作を行う事で、リング鋳物の平均直径拡張及び、タイヤ幅方向の曲率形状の変形を極小化しながら、リング鋳物の真円度を矯正する事を特徴とするタイヤ成形金型用リング鋳物の真円度矯正方法。
  2. リング鋳物上下端部の外周に、リング鋳物本体材質より高強度で熱膨張率の小さい材質からなる拘束リングを設置し加熱保持して、上下端近傍のリング鋳物内径を狙い直径に対して0〜0.1%(0/1000〜1/1000)小さくなる様に矯正した後、請求項1記載の方法によりエキスパンダーによる矯正を行うことを特徴とするタイヤ成形金型用リング鋳物の真円度矯正方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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