JP2008079950A - ミシンの全回転釜 - Google Patents

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Abstract

【課題】 中釜を反時計回りと同様に時計回りに大きく回動できるようにすること、中釜を時計回りに回動させたときでも、上糸の糸引き締めを良好にできるようにするようにすることである。
【解決手段】 ミシンの垂直全回転釜1は外釜2と中釜3と釜止め部材7とボビンケース4とを有し、中釜3は下糸案内部3aと、この下糸案内部3aに形成された係止穴部3bと、下糸案内部3aのうちの係止穴部3bよりも外釜回転方向前進側の係止壁部3cを有し、釜止め部材7は係止壁部3cに外釜回転方向の両側から当接可能な二股部である左右1対の係合部7a,7bを有し、係止壁部3cの右側端縁のうちの内周側端部以外の部分が内周側端部よりも右側へ突出しないように構成されている。しかも、係止壁部3cの周方向幅が内周側から外周側へ向かってリニアに減少するように形成されている。
【選択図】 図10

Description

本発明は、外釜に相対回転自在に装着された中釜の下糸案内部に形成された係止壁部の周方向幅寸法を小さくし、係止壁部をこれに係合した釜止め部材で左右方向に移動させて中釜を時計回りと反時計回りに回動できるようにしたミシンの全回転釜に関する。
従来、工業用ミシンには、半回転釜が使用される場合もあるが、一般的には、釜駆動機構が簡単な垂直全回転釜を使用する場合が多い。この垂直全回転釜として、DP型の高速千鳥縫い用の全回転釜を使用する場合がある。この種の垂直全回転釜は、下軸により回転される外釜と、この外釜に相対回転自在に装着された中釜と、この中釜に着脱可能に装着されたボビンケースとを有し、中釜は釜止め部材で回転しないようになっている。しかも、この釜止め部材を駆動機構により左右方向に移動させて、同時に中釜を時計回り又は反時計回りに回動させることにより、ヒッチステッチを防止するようにしたミシンが各種提案されている。
例えば、特許文献1に記載のサイクルミシンの縫目形成機構は、ボビンケースから上方に突出した角部を左右方向向きの移動体の係止部に係合させ、送り方向によって、縫目がヒッチステッチとパーフェクトステッチの何れになるのか不安定な状態の送りの場合には、送りカムを回転させ、回動レバーと移動体を介して角部を、左側傾斜又は右側傾斜に切換えて、ボビンケースの下糸出口を縫針の左側又は右側に傾けることにより、パーフェクトステッチを形成するようにしてある。
ところで、特許文献1に記載のサイクルミシンの縫目形成機構は、大きな移動体及び送りカムを設けており、下糸出口の切換え機構が大型化することから、最近では、二股状で小型の釜止め部材を用いた切換え機構が実用化されている。例えば、特許文献2に記載のミシンの垂直回転釜は、外釜と、この外釜に装着された内釜と、この内釜に不図示のボビンを回転可能に保持するように嵌挿されたボビンケースとからなり、内釜はミシンのベッドフレームに前端部が固定された板状の内釜止めの後端部で回転しないように支持されている。
この垂直回転釜101に設けられた内釜止め107の後端部は、図12に示すように、一般的に、平面視にて所謂二股状であり、この二股部に左右1対の係合部107a,107bが形成されている。この係合部107a,107bで内釜103の下糸案内部103aに形成された縦向きの係止壁部103cを外釜回転方向の両側から当接するようにして、縫製中においても、内釜103の外釜102に対する相対位置を保持するようにしている。
この場合、外釜102は縫製時に図12において矢印で示す時計回りに高速回転するため、左右1対の係合部107a,107bのうちの右側係合部107bは外釜102の回転力を受けるので、左側係合部107aよりも大きく且つ頑丈に形成されている。しかも、中釜103の係止壁部103cの周方向幅は、一般的に内周側から外周側へ向かって拡大するように形成されている。
縫製中に、作業者は、この内釜止め107を適宜手動操作で左方又は右方に移動させたり、ソレノイドアクチュエータにより電気的に切換えるようになっている。それ故、送り方向に応じてこのように、内釜止め107を左右に移動させることにより、中釜103が図12に示すように反時計回りに可動したり、図13に示すように時計回りに回動し、ヒッチステッチを回避するようにしている。
実開昭58−149165号公報 (第8〜12頁、図3) 実開平4−68774号公報 (第2頁、図1)
図12に示すように、釜止め107を左方に移動して中釜103を反時計回りに回動させる場合、左側係合部107aは小型であるため、中釜103は回転軸心に対して反時計回りに大きく回動させることができ、この場合のヒッチステッチを回避することができる。しかし、図13に示すように、釜止め107を右方に移動して中釜103を回転軸心に対して時計回りに回動させる場合、右側係合部107bは大型であり、係止壁部103cの周方向幅は、内周側から外周側へ向かって拡大するように形成されている。それ故、右側係合部107aと係止壁部103cとが干渉するようになり、中釜103を時計回りに少しだけしか回動させることができず、この場合におけるヒッチステッチを確実に防止することができないという問題がある。
そこで、このヒッチステッチを極力回避できるように、釜止め107をできるだけ大きく右方へ移動させた場合には、右側係合部107bと係止壁部103cとの間の隙間が殆どなくなり、天秤による糸引き締めに時に、外釜102と中釜103の間を挿通した上糸が右側係合部107bと係止壁部103cの間を通過する際の糸抜けが悪くなり、結果的に、糸締まりが悪くなるという問題がある。
本発明の目的は、中釜を回転軸心に対して反時計回りと同様に時計回りにも大きく回動できるようにすること、中釜を時計回りに回動させたときでも、上糸の糸引き締めを良好にできるようにすることである。
請求項1のミシンの全回転釜は、ミシンの針板の下側で縫針の上下動と調時して下軸と一体回転する外釜と、この外釜に相対回転自在に装着された中釜と、前記針板に取り付けられ中釜が回転しないように拘束する釜止め部材と、中釜に着脱可能に装着されたボビンケースとを有するミシンの全回転釜において、中釜は下糸案内部と、この下糸案内部に形成された係止穴部と、下糸案内部のうちの係止穴部よりも外釜回転方向前進側の係止壁部を有し、釜止め部材は、係止壁部に外釜回転方向の両側から当接可能な二股部を有し、係止壁部の外釜回転方向前進側端縁のうちの内周側端部以外の部分が内周側端部よりも外釜回転方向前進側へ突出しないように構成したものである。
中釜の下糸案内部に形成された係止壁部の外釜回転方向前進側端縁のうちの内周側端部以外の部分が内周側端部よりも外釜回転方向前進側へ突出しないように構成され、この係止壁部に、釜止め部材の二股部が外釜回転方向の両側から当接している。それ故、釜止め部材を左右方向に移動させる際に、中釜と一体的に回転移動する係止壁部と釜止め部材の二股部とが何ら干渉することがなく、中釜は反時計回りと同様に時計回りにも大きく回動する。
請求項2のミシンの全回転釜は、請求項1において、前記係止壁部の周方向幅が内周側から外周側へ向かってリニアに減少するように形成されたものである。
請求項3のミシンの全回転釜は、請求項1又は2において、前記係止壁部に下糸通過穴が形成され、釜止め部材を左右方向へ所定ストローク移動駆動可能な駆動手段を設け、駆動手段で釜止め部材を移動駆動することで、下糸通過穴を縫針の上下動軌跡の延長線に対して左側に位置する左側位置と右側に位置する右側位置とに択一的に切換え可能に構成したものである。
請求項1の発明によれば、外釜と中釜と釜止め部材とボビンケースとを有するミシンの全回転釜において、中釜は下糸案内部と、この下糸案内部に形成された係止穴部と、係止壁部を有し、釜止め部材は、係止壁部に外釜回転方向の両側から当接可能な二股部を有し、係止壁部の外釜回転方向前進側端縁のうちの内周側端部以外の部分が内周側端部よりも外釜回転方向前進側へ突出しないように構成したので、釜止め部材の二股部を介して係止壁部を左右方向に移動させる際に、この二股部と、これに当接している中釜の係止壁部とが何ら干渉することがない。それ故、中釜は反時計回りと同様に時計回りにも大きく回動することができ、この場合におけるヒッチステッチを確実に回避することができる。
請求項2の発明によれば、前記係止壁部の周方向幅が内周側から外周側へ向かってリニアに減少するように形成されたので、釜止め部材が左右方向へ移動する移動距離に応じて、中釜の回動角度を係止壁部を介して比例的に変化させることができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項3の発明によれば、前記係止壁部に下糸通過穴が形成され、釜止め部材を左右方向へ所定ストローク移動駆動可能な駆動手段を設け、駆動手段で釜止め部材を移動駆動することで、下糸通過穴を縫針の上下動軌跡の延長線に対して左側に位置する左側位置と右側に位置する右側位置とに択一的に切換え可能に構成したので、布送り方向によって、ヒッチステッチが発生しないように、駆動機構を駆動して釜止め部材を左右方向に移動駆動させ、下糸通過穴を左側位置と右側位置とに適宜切換えることができる。
即ち、布送り方向によって縫針の目孔から延びる上糸が縫針の右側に絡むときには、駆動手段により釜止め部材を右方に移動させて、下糸通過穴を右側位置に切換えることで下糸も縫針の右側に位置するので、ヒッチステッチを防止することができる。また、布送り方向によって縫針の目孔から延びる上糸が縫針の左側に絡むときには、駆動手段により釜止め部材を左方に移動させて、下糸通過穴を左側位置に切換えることで下糸も縫針の左側に位置するので、ヒッチステッチを防止することができる。その他請求項1又は3と同様の効果を奏する。
本実施例のミシンの全回転釜は、中釜に形成された下糸案内部の右端部に形成された係止壁部の周方向幅を、内周側から外周側へ向かってリニアに小さくなるように構成し、しかも、釜止め部材に有する二股部を構成する左右1対の突出部を同形状で且つ小型化することで、中釜を反時計回りと同様に時計回りにも大きく回動できるようにしてある。更に、下糸案内部の係止壁部に形成した上糸通過穴を左方又は右方に回動させることで、加工布の布送り方向が何れであっても、ヒッチステッチが発生しないようにしてある。
先ず、ミシンのベッド部に設けられた垂直全回転釜1について説明する。
図1に示すように、垂直全回転釜1は、高速千鳥縫い用の全回転釜であり、後述する下軸8により回転可能に設けられる外釜2と、この外釜2に嵌まり込んで外釜2に対して相対回転自在に装着された中釜3と、中釜3に装着されるボビンケース4と、針板5に取付けられ中釜3が回転しないように拘束する釜止め部材7とを含んで構成される。
外釜2は外釜本体10と、この外釜本体10に連なる回転軸11とを有し、ミシンの主軸(図示略)と同期して回転する下軸8から回転軸11に回転力が伝達されることによって、縫針6の上下動に同期して回転軸11の軸心回りに正面視にて時計回りに回転駆動される。ここで、外釜本体10には、時計回りの回転方向に向けた剣先12が形成されている。
中釜3は中釜本体15とスタッド16とを有し、外釜本体10に同軸に嵌まり込んで、相互に回転可能に支持される。スタッド16は、中釜本体15の底部から中釜本体15の開放端側に水平に延びるように突出して設けられる。
ボビンケース4は、図4,図5に示すように、前面が塞がれた筒体であり、中釜3に相対的な回転が阻止された状態で装着され、下糸DTが巻装された下糸ボビン(図示略)を収納している。そこで、下軸8の回転による回転力が垂直全回転釜1に伝達されると、外釜2が縫針6の上下動に同期して、中釜3を釜止め部材7で回転しないように拘束した状態で、正面視にて時計回りに回転駆動される。
外釜2が下軸8により回転されることによって、加工布Wを挿通した縫針6の目孔6aから延びる上糸UTの上糸ループUTaが剣先12によって捕捉され、中釜3の周囲を周回し、これによって縫針6の目孔6aから延びる上糸ループUTaと下糸ボビンから延びる下糸DTとが交絡され、図示しない天秤によって上糸ループUTaが引き締められることにより、縫目が形成される。ここで、縫針6の目孔6aは前後方向向きに形成され、天秤から供給される上糸UTはこの目孔6aに後方から前方に向けて糸通しされている。
中釜3の上側に一体的に張り出した下糸案内部3aが形成され、この下糸案内部3aには、釜止め部材7の左側係合部7aが挿入される係止穴部3bが形成されている。下糸案内部3aのうちの係止穴部3bよりも右側端部(外釜回転方向前進側端部)に係止壁部3cが形成され、この係止壁部3cの下端部に小さな下糸通過穴3dが形成されている。
更に、下糸通過穴3dよりも上側において、図8に示すように、係止壁部3cの上端部の後面に後方へ膨らませた膨出部3fが形成され、下糸通過穴3dを通過した下糸DTが膨出部3fで案内され、針板5の針穴5aに向かうようになっている。
係止壁部3cの右端側縁(外釜回転方向前進側端縁)のうちの内周側端部以外の部分が内周側端部よりも右側(外釜回転方向前進側)へ突出しないように構成されている。即ち、係止壁部3cの周方向幅は、内周側から外周側へ向かってリニアに減少するように形成されている。
ところで、図4,図8に示すように、ボビンケース4の外周壁4aのうちの右肩の部位に、内部の下糸ボビンから外部に引き出される下糸DTに付与する糸張力を調節可能な糸調子バネ18が付設されている。従って、下糸DTは、糸調子バネ18と外周壁4aとの間を通り、糸調子バネ18の先端部の下糸出口19を経て外部に引き出される。
次に、ボビンケース4の前面左側に固着された糸案内部材20について説明する。
図1,図3〜図5に示すように、糸案内部材20は、正面視にて小判形状であり、ボビンケース4の前面のうち縫針6の上下動軌跡の延長線Nよりも左側に配設され、この下半部分において固着されている。そして、この上半部分が前方に所定角度だけ曲げ形成(図5参照)されている。糸案内部材20の上半部分には、下糸DTを係合可能な下糸案内穴20aが形成されている。
ボビンケース4の前面部には、更に、図4,図5に示すように、下糸出口19から糸案内部材20の上半部分に向かう案内溝20bが左下がりに傾斜した直線状に形成されている。そこで、ボビンケース4の下糸出口19から引き出された下糸DTは、この案内溝20bに案内されて糸案内部材20の下糸案内穴20aを後側から前側に通され、上側の下糸通過穴3dを前面側から挿通し、斜め上側に延びて針板5の針穴5aを経て加工布Wに連なっている。
次に、釜止め部材7を左右方向へ所定ストローク移動駆動可能な釜止め駆動機構(駆動手段)25について説明する。
図6〜図8に示すように、垂直全回転釜1よりも前側の針板5の下面に、左右方向向きのスライド部材26が配置されている。このスライド部材26は、これに形成された左右方向に長い1対の長穴26aを介して段付き螺子27で針板5の下面に左右方向移動可能に支持されている。
このスライド部材26には、前後方向に向けた釜止め部材7の前端部が螺子28で固定されている。釜止め部材7の後端部はやや上向きに湾曲し、この湾曲した二股部に左右両係合部7a,7bが形成されている。これら左右両係合部7a,7bから二股部が構成されている。左側係合部7aは中釜3の係止穴部3bに挿入され、右側係合部7bは中釜3の係止壁部3cの右側端縁に当接している。即ち、係止壁部3cは左右両係合部7a,7bにより係止されるので、中釜3の回動位置が位置決めされている。これら左右両係合部7a,7bは同様の形状であり、小型化されている。
スライド部材26の直ぐ左側に、下面にラック歯30aを形成したラック部材30が連結され、針板5の下面に左右方向スライド可能に支持されている。更に、このラック部材30から前側の位置に後向きに配置された切換えモータ31が針板5の下面に固着されている。この駆動軸にピニオン32が固定され、このピニオン32がラック部材30のラック歯30aに噛み合っている。この切換えモータ31はステッピングモータからなっている。
それ故、切換えモータ31が正面視にて反時計回りに回転すると、ラック部材30とスライド部材26とが一体的に左方に移動するので、釜止め部材7も同時に左方に所定ストロークだけ移動し、釜止め部材7と係止壁部3cの係合を介して中釜3が反時計回り(図1参照)に回動する。このとき、下糸通過穴3dは縫針6の上下動軌跡の延長線Nに対して左側の左側位置に移動し、この下糸通過穴3dを前面側から後方に挿通した下糸DTは、膨出部3fで案内されてから右斜め上側の針穴5aに向かう。
この状態で縫針6が針穴5aを経て針板5の下側に下降してくると、針穴5aを挿通して下糸通過穴3dに至る下糸DTは弛むことなく張った状態で必ず縫針6の左側に位置することになる。それ故、XY座標の+Y方向を0°とした場合に、下糸通過穴3dが左側位置に切換えられている場合であって、縫目形成方向θ(布送り方向と反対方向)が、180°〜220°付近の場合に、図9に示すヒッチステッチ(HSにて図示)が発生する範囲を避けることになり、ヒッチステッチを防止することができる。
切換えモータ31が正面視にて時計回りに回転すると、ラック部材30とスライド部材26とが一体的に右方に移動(図6参照)するので、釜止め部材7も同時に右方に所定ストロークだけ移動し、釜止め部材7と係止壁部3cの係合を介して中釜3が時計回り(図10参照)に回動する。このとき、下糸通過穴3dは縫針6の上下動軌跡の延長線Nに対して右側の右側位置に移動し、この下糸通過穴3dを前面側から後方に挿通した下糸DTは膨出部3fで案内されてから左斜め上側の針穴5aに向かう。
この状態で縫針6が針穴5aを経て針板5の下側に下降してくると、針穴5aを後側から前側に挿通して下糸通過穴3dに至る下糸DTは弛むことなく張った状態で必ず縫針6の右側に位置していることになる。それ故、XY座標の+Y方向を0°とした場合に、下糸通過穴3dが右側位置に切換えられている場合であって、縫目形成方向θ(布送り方向と反対方向)が、140°〜180°付近の場合に、図11に示すヒッチステッチ(HSにて図示)が発生する範囲を避けることになり、ヒッチステッチを防止することができる。
次に、このように構成された垂直全回転釜1の作動及び効果について説明する。
図8に示すように、ボビンケース4に収容された下糸ボビンの下糸DTは、下糸出口19から案内溝20bを経て糸案内部材20の下糸案内穴20aを経た後、下糸通過穴3dを前面側から挿通して膨出部3fで案内されてから、針穴5aを経由して針板5の上側の加工布Wに連なっている。
縫製途中の縫目形成方向が前方且つ右方の場合、つまり図1,図8に示すように、布送り方向が後方且つ左方の場合には、図1に示すように、釜止め駆動機構25により釜止め部材7が左方に移動して、下糸通過穴3dが縫針6の上下動軌跡の延長線Nに対して左側の左側位置に移動される。この場合には、上糸UTは縫針6の左側に位置し且つ下糸DTも張った状態で縫針6の左側に位置するようになるので、ヒッチステッチの発生を確実に防止することができる。
縫製途中の縫目形成方向が前方且つ左方の場合、つまり図8,図10に示すように、布送り方向が後方且つ右方の場合には、釜止め駆動機構25により釜止め部材7が右方に移動して下糸通過穴3dが右側位置に移動される(図6参照)。このとき、係止壁部3cの右側端縁のうちの内周側端部以外の部分が内周側端部よりも右側へ突出しないように構成されている。
それ故、右側係合部7bと係止壁部3cとが干渉することがなく、釜止め部材7は所定ストローク分右方に移動することができ、中釜3は下糸案内部3aを介して時計回りに大きく回動することができる。この場合には、上糸UTは縫針6の右側に位置し且つ下糸DTも張った状態で縫針6の右側に位置するようになるので、この場合にも、ヒッチステッチの発生を確実に防止することができる。
係止壁部3cの周方向幅は、内周側から外周側へ向かってリニアに減少するように形成されているので、釜止め部材が左右方向へ移動する移動距離に応じて、中釜の回動角度を係止壁部を介して比例的に変化させることができる。
図10に示すように、中釜3が時計回りに大きく回動した場合でも、右側係合部7bと係止壁部3cとの間に、下糸UTが通過するのに充分な隙間が形成されているため、天秤による糸引き締めに時に、外釜2と中釜3の間を挿通した上糸UTが右側突出部7bと係止壁部3cとの間を何ら抵抗なく糸抜けすることができ、結果的に、糸締まりが良好になる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変更形態について説明する。
1)釜止め駆動機構25は、切換えモータ31とラック部材30を設けない手動式の切換え機構であってもよい。この場合には、縫目形成方向により、ヒッチステッチが発生しないように、作業者が釜止め部材7を手動で左方又は右方に適宜切換えることができる。
2)釜止め部材7は、後端部の左右両係合部7a,7bに代えて1つの係合部を有し、この係合部を下糸案内部3aに形成した小型の非係止穴部に係合させるように構成してもよい。
3)ボビンケース4に設けた糸案内部材20を省略し、ボビンケース4の下糸出口19から外部に出た下糸DTを下糸通過穴3dに直接導くようにしてもよい。この場合にも、前述した実施例と同様の効果を得ることができる。
本発明の垂直全回転釜の正面図である。 本発明の垂直全回転釜の平面図である。 本発明の垂直全回転釜の斜視図である。 ボビンケースの正面図である。 縫製中のボビンケースの側面図である。 ベッド部内の要部底面図である。 ベッド部内の要部側面図である。 縫製中における垂直全回転釜と針板の部分拡大側面図である。 パーフェクトステッチとヒッチステッチの説明図である。 下糸通過穴を右側位置に切換えたときの図1相当図である。 パーフェクトステッチとヒッチステッチの説明図である。 従来技術に係り、中釜が反時計回りに大きく回動したときの全回転釜の正面図である。 従来技術に係り、中釜が時計回りに小さく回動したときの全回転釜の正面図である。
符号の説明
1 垂直全回転釜
2 外釜
3 中釜
3a 下糸案内部
3b 係止穴部
3c 係止壁部
3d 下糸通過穴
4 ボビンケース
5 針板
6 縫針
7 釜止め部材
7a 左側係合部
7b 右側係合部
20 糸案内部材
25 釜止め駆動機構
30 ラック部材
31 切換えモータ
32 ピニオン
N 縫針の上下動軌跡の延長線

Claims (3)

  1. ミシンの針板の下側で縫針の上下動と調時して下軸と一体回転する外釜と、この外釜に相対回転自在に装着された中釜と、前記針板に取り付けられ中釜が回転しないように拘束する釜止め部材と、前記中釜に着脱可能に装着されたボビンケースとを有するミシンの全回転釜において、
    前記中釜は下糸案内部と、この下糸案内部に形成された係止穴部と、前記下糸案内部のうちの前記係止穴部よりも外釜回転方向前進側の係止壁部を有し、
    前記釜止め部材は、前記係止壁部に外釜回転方向の両側から当接可能な二股部を有し、
    前記係止壁部の外釜回転方向前進側端縁のうちの内周側端部以外の部分が前記内周側端部よりも外釜回転方向前進側へ突出しないように構成した、
    ことを特徴とするミシンの全回転釜。
  2. 前記係止壁部の周方向幅が内周側から外周側へ向かってリニアに減少するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のミシンの全回転釜。
  3. 前記係止壁部に下糸通過穴が形成され、
    前記釜止め部材を左右方向へ所定ストローク移動駆動可能な駆動手段を設け、
    前記駆動手段で釜止め部材を移動駆動することで、前記下糸通過穴を縫針の上下動軌跡の延長線に対して左側に位置する左側位置と右側に位置する右側位置とに択一的に切換え可能に構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のミシンの全回転釜。
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