JP2008079403A - 低損失コンバータ - Google Patents

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彰訓 加藤
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Abstract

【課題】 整流回路の出力側に発生するサージ電圧を抑え、DC−DCコンバータの電力変換効率を高める。
【解決手段】 直流電源12とトランス13との間に半導体スイッチング素子Q1〜Q4を配設し、トランス13と負荷14との間に整流回路15と出力平滑回路16とを設ける。整流回路15と出力平滑回路16との間にRCDスナバ回路17を設け、整流回路15の出力側電圧V1に含まれるサージ電圧をスナバダイオードDsを介してスナバコンデンサCsにより吸収し、スナバコンデンサCsの電荷をスナバ抵抗Rsを介して放電し、負荷14に電力として供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、DC−DCコンバータ等の2次側整流回路にスナバ回路を備えた低損失コンバータに関する。
従来、図4に示すようなDC−DCコンバータ51が知られている。このコンバータ51は、直流電源52とトランス53との間に半導体スイッチング素子Q1〜Q4を備え、トランス53と負荷54との間に整流回路55と出力平滑回路56とを備えている。この種のコンバータ51では、2次側電圧の極性が反転するときに、出力平滑回路56のリアクトルLに逆起電力が発生し、これがトランス53の漏れインダクタンスや平滑コンデンサCoの共振等によって増幅され、整流回路55の出力側にサージ電圧や振動が発生する。特に、スイッチング素子Q1〜Q4を高速で駆動すると、サージ電圧によって四つの整流ダイオードD1〜D4の損失が増加し、また、サージ電圧が耐圧を超える場合にダイオードD1〜D4の破壊に至るおそれもある。
そこで、従来のDC−DCコンバータ51では、それぞれの整流ダイオードD1〜D4に抵抗Rsd1〜Rsd4とコンデンサCsd1〜Csd4とからなるCRスナバ回路57を並列に接続し、この回路57によってダイオードD1〜D4の損失を抑え、かつ素子破壊を予防する対策が採られていた。なお、特許文献1には、図4に示すスナバ回路57と同様のCRフィルタを用い、2次側整流回路に発生する高周波電圧成分の最大値を抑えて、整流素子を保護する技術が記載されている。
特開2000−184704号公報
ところが、従来のDC−DCコンバータ51によると、それぞれのダイオードD1〜D4にスナバ回路57を接続しているため、整流回路55を構成する部品点数が増える不都合があった。また、スナバ回路57の抵抗Rsd1〜Rsd4で消費されたサージ電圧分のエネルギーが損失となるため、DC−DCコンバータ51の電力変換効率が低下する問題点があった。特に、コンバータ51で大電圧を変換する場合は、抵抗Rsd1〜Rsd4の発熱によってスナバ回路57の寿命が低下するおそれもあった。なお、整流回路55からスナバ回路57を省き、代わりに、約2倍の耐圧性能を持つダイオードを使用することも考えられるが、この場合は、部品コストが高くつくばかりでなく、耐圧性能が高くなるほどダイオードの順方向電圧も高くなり、損失が増える問題がある。
本発明の目的は、上記課題を解決し、簡単な構成によって、整流回路の出力側に発生するサージ電圧を抑え、電力変換効率を高めることができる低損失コンバータを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の低損失コンバータは、電源とトランスとの間にスイッチング素子を設け、トランスと負荷との間に整流回路および出力平滑回路を設けたコンバータにおいて、整流回路と出力平滑回路との間にダイオード、コンデンサおよび抵抗からなるRCDスナバ回路を接続したことを特徴とする。
本発明の低損失コンバータによれば、RCDスナバ回路を整流回路より負荷側に設けたので、整流ダイオードごとにCRスナバ回路を接続していた従来と比較し、整流回路をより少数の部品で簡単に構成することができる。また、2次側電圧の極性が反転すると、整流回路の出力側に発生したサージ電圧がRCDスナバ回路のコンデンサに吸収され、続いて極性が反転するときに、コンデンサの電荷が出力平滑回路を介して負荷に供給される。従って、サージ電圧によるエネルギーを負荷の電力として有効利用し、コンバータの電力変換効率を高めることが可能となる。
以下、本発明をDC−DCコンバータに具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、この実施形態のDC−DCコンバータ11は、直流電源12とトランス13との間に四つの半導体スイッチング素子Q1〜Q4を備え、トランス13と負荷14との間に整流回路15と出力平滑回路16とを備えている。各スイッチング素子Q1〜Q4は駆動回路(図示略)によって高速で駆動され、直流電圧を断続してトランス13の1次側に矩形波交流電圧を生成する。トランス13の2次側の整流回路15は四つのダイオードD1〜D4からなり、トランス13で昇圧された電圧を整流して全波整流電圧を出力する。出力平滑回路16は平滑リアクトルLと平滑コンデンサCoとからなり、整流回路15の出力を平滑化して負荷14に供給する。
この実施形態のDC−DCコンバータ11では、整流回路15の出力側に発生するサージ電圧を吸収するために、整流回路15と出力平滑回路16との間にRCDスナバ回路17が設けられている。RCDスナバ回路17はスナバダイオードDsとスナバコンデンサCsとスナバ抵抗Rsとの三部品で構成されている。スナバダイオードDsは、アノードが平滑リアクトルLと整流回路15との間において導線18に接続され、カソードがスナバコンデンサCsを介して反対側の導線19に接続されている。スナバ抵抗Rsは、一端がスナバダイオードDsとスナバコンデンサCsとの接続線20に接続され、他端が平滑リアクトルLと平滑コンデンサCoとの間において導線18に接続されている。
上記構成のDC−DCコンバータ11において、半導体スイッチング素子Q1〜Q4の断続動作によってトランス13の2次側電圧の極性が反転すると、整流回路15の出力側電圧V1に含まれるサージ電圧がスナバダイオードDsを介してスナバコンデンサCsにクランプされる。続いて電圧極性が反転すると、スナバコンデンサCsに充電された電荷がスナバ抵抗Rsを介して放電され、平滑コンデンサCoを介して負荷14に供給される。従って、一つのRCDスナバ回路17によってサージ電圧を吸収し、そのエネルギーを負荷14の電力として有効に利用することができる。
なお、RCDスナバ回路17の作用を確認するために、この実施形態のDC−DCコンバータ11において、トランス13の2次側電圧Vt2の波形と整流回路15の出力側電圧V1の波形とを測定し、その結果を図2に示した。また、比較例として、スナバ回路を省いたDC−DCコンバータにおける電圧波形の測定結果を図3に示した。図2および図3に示される最大波高値Hmaxを比較すると、この実施形態のDC−DCコンバータ11において、サージ電圧がRCDスナバ回路17によって充分に抑えられていることを確認できる。
本発明の一実施形態を示すDC−DCコンバータの回路図である。 該コンバータのRCDスナバ回路の作用を確認する波形図である。 スナバ回路を省いたコンバータの波形図である。 従来技術を示すDC−DCコンバータの回路図である。
符号の説明
11 DC−DCコンバータ
12 直流電源
13 トランス
14 負荷
15 整流回路
16 出力平滑回路
17 RCDスナバ回路
Ds スナバダイオード
Cs スナバコンデンサ
Rs スナバ抵抗

Claims (1)

  1. 電源とトランスとの間にスイッチング素子を設け、トランスと負荷との間に整流回路および出力平滑回路を設けたコンバータにおいて、前記整流回路と出力平滑回路との間にダイオード、コンデンサおよび抵抗からなるRCDスナバ回路を接続したことを特徴とする低損失コンバータ。
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