JP2008076931A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化膜としてOCL層などを有する像担持体に対して、放電生成物を長期間にわたって確実に除去することができ、“Deletion" と呼ばれる画像の白抜けや、" 雨だれFi1ming" 等に起因した画像の白抜けが発生するのを確実に防止する。
【解決手段】回転する像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記帯電手段によって帯電された像担持体上に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像に現像剤を供給して、当該静電潜像を可視化する現像手段と、前記現像手段によって可視化された現像像を転写材又は中間転写体に転写する転写手段と、前記転写手段の下流側かつ前記帯電手段の上流側に配設され、前記像坦持体と接触する接触面にトナーを保持するトナー保持部材と、を備えた画像形成装置において、前記トナー保持部材が、割繊処理した繊維を含むブラシ状部材からなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、電子写真方式等を採用した複写機やプリンター等の画像形成装置に関し、特に感光体ドラム等の像担持体の表面に付着した放電生成物によって画像の白抜けが発生するのを確実に防止可能とした画像形成装置に関するものである。
特願2005−183888号
従来、この種の電子写真方式等を採用した複写機やプリンター等の画像形成装置は、感光体ドラムの表面を帯電装置によって所定の電位に帯電した後、画像データに応じて画像露光を施すことにより静電潜像を形成し、この感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像装置により現像してトナー像とし、当該トナー像を直接又は中間転写体を介して記録媒体上に転写・定着することにより、画像を形成するように構成されている。
上記帯電装置としては、印加電圧が相対的に低いなど、種々の利点を有する接触方式の帯電装置が主流となっている。この接触方式の帯電装置は、導電性の芯金の外周に導電性の弾性体を被覆した帯電ロールを感光体ドラムの表面に接触させ、当該帯電ロールに直流(DC)電圧又は交流(AC)電圧を重畳した直流(DC)を印加することにより、帯電ロールと感光体ドラム表面との間に微小ギャップ放電を発生させ、感光体ドラムの表面を所定の電位に帯電するように構成されている。
ところで、上記接触方式の帯電装置、特に、感光体ドラムの表面をより均一に帯電するために、交流(AC)電圧を重畳した直流(DC)を印加した接触帯電装置では、帯電ロールと感光体ドラム表面との間の微小ギャップで発生する放電量が多いため、多量の窒素酸化物やオゾン等の放電生成物が感光体ドラムの表面に付着する。
このように、接触帯電装置を使用した画像形成装置は、多量の窒素酸化物やオゾン等の放電生成物が感光体ドラムの表面に付着すると、当該感光体ドラムの表面に付着した放電生成物が、高温高湿環境下において、空気中の水分を吸湿して、静電潜像の電荷が逃げることにより、" Deletion" と呼ばれる画像の白抜けが発生することが知られている。
そこで、上記画像形成装置では、感光体ドラムの表面に付着した放電生成物を除去することにより、“Deletion" と呼ばれる画像の白抜けが発生するのを防止するため、感光体ドラムの表面に、十分に高い先端力で感光体ドラムの表面に当接する回転ブラシからなるクリーナーが用いられている。
しかしながら、上記感光体ドラムの表面に付着した多量の放電生成物を除去するために、感光体ドラムの表面に十分に高い先端力で当接する回転ブラシからなるクリーナーを用いた場合には、当該回転ブラシクリーナーによって、感光体ドラム表面の電荷輸送層(CTL )が削られ、当該電荷輸送層(CTL )の削りかすが感光体ドラム表面に再付着される。すると、上記感光体ドラム表面に再付着した電荷輸送層(CTL )の削りかすが核となり、トナーの外添剤が堆積した状態で付着して、雨だれ状のFi1ming(以下、「雨だれFi1ming」という。)が発生してしまうことになる。
この雨だれFi1mingが発生すると、当該雨だれFi1mingとして感光体ドラムの表面に付着しているトナーの外添剤が、高温高湿環境下において、空気中の水分を吸湿して、静電潜像の電荷が逃げることにより、やはり画像の白抜けが発生するという問題点を有していた。また、上記回転ブラシクリーナーの先端力が強いと、上述した雨だれFi1mingが発生する以外にも、感光体ドラムの表面が回転ブラシクリーナーによって掻き取られ、当該感光体ドラムの表面には、スクラッチ(引っ掻き傷)がひどく発生するという問題点をも有していた。
また、上記画像形成装置において、感光体ドラムの表面に付着した放電生成物を除去するために、回転ブラシクリーナーの代わりに、ブレードクリーナーを用いた場合であっても、当該ブレードの当接圧や設置角度などのパラメータを最適化することにより、放電生成物を除去することが可能である。
しかし、この場合には、感光体ドラム表面へ放電生成物が付着することによって、当該感光体ドラム表面の摩擦力が摩擦アップし、この感光体ドラム表面の摩擦力アップに起因したブレードのめくれや所謂" 鳴き" 、あるいはブレードエッジの欠けやブレードの極端な磨耗による放電生成物の除去不良などの障害が発生し、寿命が短くなってしまうという問題点を有していた。
そこで、本出願人は、感光体ドラム等の像担持体の表面に多量の放電生成物が付着することに伴う“Deletion" と呼ばれる画像の白抜けや、当該“Deletion" と呼ばれる画像の白抜けが発生するのを防止するために、回転ブラシクリーナーを用いることに起因する" 雨だれFi1ming" 等を防止するために、本出願人は、特願2005−183888号に係る画像形成装置を既に提案している。
この特願2005−183888号に係る画像形成装置は、回転する像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電手段と、帯電した前記像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記帯電手段の上流、且つ、前記転写手段の下流に設けられ、転写後の転写残留トナーを正規極性に帯電させる残留トナー帯電手段と、を有し、前記残留トナー帯電手段によって正規極性に帯電した転写残留トナーを、前記現像手段で回収する画像形成装置において、前記残留トナー帯電手段は、導電性を有し、前記像担持体に接触する不織布を備えるように構成したものである。
上記特願2005−183888号に係る画像形成装置では、トナー自体に放電生成物が付着しやすい性質を利用して、トナーを多量に保持した不織布を、回転ブラシクリーナーやブレードクリーナーの上流側に設けることにより、比較的低い圧接力で像担持体の表面から放電生成物を除去することを可能にしている。また、上記残留トナー帯電手段は、像担持体に対して低い圧接力で圧接させれば良いため、前述したFi1mingやスクラッチ等の発生をも回避することができる。
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記特願2005−183888号に係る画像形成装置の場合には、トナー保持部材として、多量のトナーを保持可能な不織布を使用している。
ところが、本発明者の更なる研究によれば、上記トナー保持部材として不織布を使用した場合には、確かに、当該不織布に多量のトナーを保持することが可能であるものの、不織布は、繊維が織られていないため、繊維が抜けやすく、抜けた繊維がクリーニングブレードに挟まり、クリーニング不良を発生させたり、現像器に入り込んで画像ディフェクトを発生させたりするという問題点を有していることが明らかとなってきた。
そこで、かかる問題点を解決するためには、トナー保持部材として、多量のトナーを保持可能としたブラシを用いることが考えられる。この多量のトナーを保持可能としたブラシとしては、低デニールの繊維を高密度に植毛したものが有利であることになる。
しかし、表面に硬化膜としてOCL(Over Coat Layer)を有する硬度の高い感光体ドラムの場合には、放電生成物を除去するために、ブラシを比較的大きな圧力で感光体ドラムの表面に圧接させる必要があるが、トナー保持部材として、低デニールの繊維を高密度に植毛したブラシを用いると、多量のトナーを保持することができる反面、ブラシの感光体ドラムに対する圧接力が弱すぎたり、特に、長期的にはブラシの繊維がへたりやすく、放電生成物を長期にわたって安定して除去することができないという問題点を有していた。
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、硬化膜としてOCL層などを有する像担持体に対して、放電生成物を長期間にわたって確実に除去することができ、“Deletion" と呼ばれる画像の白抜けや、" 雨だれFi1ming" 等に起因した画像の白抜けが発生するのを確実に防止可能とした画像形成装置を提供することにある。
すなわち、請求項1に記載された発明は、回転する像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記帯電手段によって帯電された像担持体上に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像に現像剤を供給して、当該静電潜像を可視化する現像手段と、前記現像手段によって可視化された現像像を転写材又は中間転写体に転写する転写手段と、前記転写手段の下流側かつ前記帯電手段の上流側に配設され、前記像坦持体と接触する接触面にトナーを保持するトナー保持部材と、を備えた画像形成装置において、
前記トナー保持部材が、割繊処理した繊維を含むブラシ状部材からなることを特徴とする画像形成装置である。
また、請求項2に記載された発明は、前記トナー保持部材に含まれる繊維は、先端から繊維の長さ方向の途中までのみ割繊処理されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
さらに、請求項3に記載された発明は、前記トナー保持部材は、捲縮処理した繊維を含むブラシ状部材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
又、請求項4に記載された発明は、前記トナー保持部材は、導電性を有する繊維を含んでいることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
更に、請求項5に記載された発明は、前記像担持体は、表面層が硬化処理された層からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
また、請求項6に記載された発明は、前記トナー保持部材に所定のタイミングでトナーを供給するトナー供給モードを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
さらに、請求項7に記載された発明は、前記所定のタイミングは、画像形成装置が設置されて始めて電源が投入された直後であることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置である。
又、請求項8に記載された発明は、前記所定のタイミングは、一定の枚数だけ画像形成された後の画像形成動作中あるいは画像形成動作の開始前、あるいは画像形成動作の終了後であることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置である。
更に、請求項9に記載された発明は、前記トナー供給モードでは、供給されたトナーを前記トナー保持部材に積極的に付着させる電圧を、当該トナー保持部材に印加することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
また、請求項10に記載された発明は、前記電圧は、トナーの極性と逆極性の電圧であることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置である。
さらに、請求項11に記載された発明は、前記電圧は、少なくとも交番電圧を含む電圧であることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置である。
又、請求項12に記載された発明は、前記トナー保持部材の下流側かつ前記帯電手段の上流側に、前記像担持体上の転写残留トナーを除去するクリーニング手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
更に、請求項13に記載された発明は、前記クリーニング手段が回転ブラシであることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置である。
また、請求項14に記載された発明は、前記クリーニング手段がクリーニングブレードであることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置である。
さらに、請求項15に記載された発明は、前記トナー保持部材の下流側かつ前記帯電手段の上流側に、前記像担持体上の転写残留トナーを処理するトナー処理手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
又、請求項16に記載された発明は、前記トナー処理手段は、転写残留トナーを除去して一時的に保持する一時保持手段であることを特徴とする請求項15記載の画像形成装置である。
更に、請求項17に記載された発明は、前記トナー処理手段は、転写残留トナーを帯電させる残留トナー帯電手段であることを特徴とする請求項15記載の画像形成装置である。
また、請求項18に記載された発明は、前記トナー処理手段は、所定のタイミングで溜まったトナーを前記像担持体上に吐き出すことを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
さらに、請求項19に記載された発明は、前記トナー保持部材を前記像担持体の軸方向に沿って揺動させる揺動手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
又、請求項20に記載された発明は、前記トナー保持部材は、固定型のブラシ状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
更に、請求項21に記載された発明は、前記トナー保持部材は、回転ロール型に形成されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
また、請求項22に記載された発明は、前記帯電手段は、交流電圧が重畳された直流電圧を印加する接触帯電手段であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
さらに、請求項23に記載された発明は、前記帯電手段は、直流電圧を印加する接触帯電手段であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1つに記載の画像形成装置である。
この発明によれば、トナー保持部材として、不織布ではなくブラシを用い、しかも当該ブラシに多量のトナーを保持可能とすることにより、像担持体の表面に付着した放電生成物の除去を、長期にわたり確実に行うことができ、“Deletion" と呼ばれる画像の白抜けや、" 雨だれFi1ming" 等に起因した画像の白抜けが発生するのを確実に防止可能とした画像形成装置を提供することができる。
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラープリンターを示すものである。なお、このタンデム方式のフルカラープリンターは、画像読取装置を備えており、フルカラーの複写機としても機能するようになっている。また、上記フルカラープリンターは、画像読取装置を備えていなくても良いのは勿論である。
図2において、1はタンデム方式のフルカラープリンターの本体を示すものであり、このフルカラープリンター本体1の上部の一端(図示例では、左端)には、原稿2の画像を読み取る画像読取装置(IIT:Image Input Ternal)4が配設されている。この画像読取装置4は、プラテンカバー3によって押圧された状態でプラテンガラス5上に載置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光して、この画像読取素子11によって原稿2の画像を所定のドット密度(例えば、1200dpiや2400dpi)で読み取るように構成されている。
上記画像読取装置4によって読み取られた原稿2の画像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の画像データとして画像処理装置12(Image Processing System)に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。
そして、上記の如く画像処理装置12で所定の画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8bit)の4色の画像データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13KのROS14Y、14M、14C、14K(RasterOutputScanner)に送られ、これらのROS14Y、14M、14C、14Kでは、各色の画像データに応じてレーザービームLBによる画像露光が行われることで、情報の書き込み処理が実行される。
上記フルカラープリンター本体1の内部には、図2に示すように、複数の画像形成手段として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応した画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に一定の間隔をおいて直列的に配置されている。
これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、使用するトナーの色を除いて、基本的にすべて同様に構成されており、大別して、矢印A方向に沿って所定の回転速度で回転する感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する接触帯電器としての帯電ロール16と、当該感光体ドラム15の表面に各色の画像データに対応した画像を露光して静電潜像を形成する情報書き込み手段としてのROS14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像する現像装置17と、トナー保持部材18と、回転ブラシ19とを備えるように構成されている。
上記帯電ロール16としては、例えば、直流電圧(DC)のみを印加する方式のものや、交流電圧(AC)を重畳した直流電圧(DC)を印加する方式など、種々のものを使用することができ、本実施の形態では、交流電圧(AC)を重畳した直流電圧(DC)を印加する方式を採用している。
なお、上記感光体ドラム15には、種々の材質のものが使用可能であるが、当該感光体ドラム15としては、例えば、有機感光体(OPC)からなる感光体層を用い、しかも表面の摩耗を抑制して長寿化を図るために、表面に硬化膜としてOCL(Over Coat Layer)を有する硬度の高い感光体ドラムが用いられる。
上記ROS14は、図2に示すように、半導体レーザー20を画像データに応じて変調して、この半導体レーザー20からレーザービームLBを画像データに応じて出射する。この半導体レーザー20から出射されたレーザービームLBは、反射ミラー21、22を介して回転多面鏡23によって偏向走査され、図示しないf−θレンズで走査角度に応じて焦点距離が調整された状態で、複数枚の反射ミラー24、25等を介して像担持体としての感光体ドラム15上に走査露光される。
上記画像処理装置12からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13KのROS14Y、14M、14C、14Kに各色の画像データが順次出力され、これらのROS14Y、14M、14C、14Kから画像データに応じて出射されるレーザービームLBが、それぞれの感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの表面に走査露光されて静電潜像が書き込まれる。上記各感光体ドラム15Y、15M、15C、15K上に形成された静電潜像は、現像装置17Y、17M、17C、17Kの現像ロール17aによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
上記各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15Y、15M、15C、15K上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの下方に配置された中間転写体としての中間転写ベルト26上に、一次転写ロール27Y、27M、27C、27Kの圧接力及び静電気力によって互いに重ね合わされた状態で一次転写される。
また、上記一次転写工程では、感光体ドラム15Y、15M、15C、15K上に現像されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像が、中間転写ベルト26上に100%転写される訳ではなく、トナー像の一部が転写残留トナーとなって感光体ドラム15Y、15M、15C、15K上に残留することになる。感光体ドラム15Y、15M、15C、15K上に残留したイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の転写残留トナーは、後に詳述するトナー保持部材18によって保持されるとともに、その一部は感光体ドラム15に付着して移動し、回転ブラシ19によって回収(クリーニング)される。
なお、上記回転ブラシ19を設けずに、感光体ドラム15に残留した転写残留トナーを、現像装置17Y、17M、17C、17Kによって現像工程と同時に現像ロール17a内に回収(クリーニング)するように構成しても良い。
したがって、上記フルカラープリンターでは、感光体ドラム15Y、15M、15C、15K上の転写残留トナーを除去する格別なクリーニング機構部を待たずに、現像装置17の現像ロール17aの現像バイアスの設定条件を最適化することで、現像装置17で現像と転写残留トナーの回収(クリーニング)とが同時に行われる、所謂、クリーナレスシステムを採用することも可能である。
上記中間転写ベルト26は、ドライブロール28と、テンションロール29と、アイドルロール30などからなる複数のロールの間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール28により、矢印B方向に沿って感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kと等しい所定の速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト26としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを無端ベルト状に形成したものが用いられる。
上記中間転写ベルト26上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、バックアップロールとしても機能するドライブロール28に中間転写ベルト26を介して圧接する二次転写ロール31によって、圧接力及び静電気力で記録媒体としての記録用紙32上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙32は、定着装置33へと搬送される。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙32は、定着装置33の加熱ロール34及び加圧ロール35によって熱及び圧力で定着処理を受け、プリンター本体1の外部に設けられた排出トレイ36上に排出され、一連のフルカラー画像の画像形成工程が終了する。
上記記録用紙32は、図2に示すように、用紙トレイ37から所定のサイズや材質のものが、フィードローラ38及び分離ローラ対39、40を介して1枚ずつ分離された状態で、レジストロール41まで一旦搬送されて停止される。そして、上記用紙トレイ37から給紙された記録用紙32は、所定のタイミングで再度回転が開始されるレジストロール41によって、中間転写ベルト26上のトナー像と同期した状態で、中間転写ベルト26の二次転写位置の上流側へと送出される。
なお、トナー像の二次転写工程が終了した後の中間転写ベルト26は、その表面がドライブロール28の外周に圧接する中間転写ベルトクリーナー42によって清掃され、次の画像形成工程に備えるようになっている。
次に、上記フルカラープリンターにおいて採用される画像形成時の主なゼログラフィックパラメータを示す。
感光体ドラム15 :直径約30.0mmの有機感光体
帯電電位V0=−500V(背景部電位)
露光後電位VL=−200V(画像部電位)
接触帯電器16 :半導電性ロールからなる帯電ロール
AC+DC接触帯電方式
Iac=0.65mA(AC成分電流値)
周波数f=614Hz(AC成分の電圧波形)
Vdc=−520V(DC成分電圧値)
露光装置14 :レーザー波長=780nm
現像方式 :乾式二成分現像方式
中間転写ベルト30 :ポリイミド製
プロセス速度 :104mm/秒
現像ロール17a :直径=16.0mm
回転速度=208mm/秒
回転方向は感光体ドラム15の回転方向と逆方向
現像バイアス:VDC=−400V(DC成分電圧値)
Vpp=1.5kv(AC成分電圧値(Peak to Peak)
周波数=6kHz(AC成分電圧波形)
現像ギャップ(感光体ドラム15と現像ロール17aとの間隔)
:約0.3mm
一次転写ロール:転写バイアス +500V〜+1000V、10μA
二次転写ロール:転写バイアス +1600V
ところで、この実施の形態では、回転する像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記帯電手段によって帯電された像担持体上に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像に現像剤を供給して、当該静電潜像を可視化する現像手段と、前記現像手段によって可視化された現像像を転写材又は中間転写体に転写する転写手段と、前記転写手段の下流側かつ前記帯電手段の上流側に配設され、前記像坦持体と接触する接触面にトナーを保持するトナー保持部材と、を備えた画像形成装置において、前記トナー保持部材が、1本の繊維を複数本に分割する割繊処理した繊維を含むブラシ状部材からなるように構成されている。
すなわち、この実施の形態に係るフルカラープリンターでは、図1及び図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kにおいて、各感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの転写ロール27の下流側であって、かつ帯電ロール16の上流側に、それぞれ感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kと接触する接触面にトナーを保持するトナー保持部材18が配設されている。
このトナー保持部材18は、1本の繊維を複数本に分割する割繊処理した繊維を含むブラシ状部材からなるように構成されている。上記ブラシ状のトナー保持部材18を構成する繊維52としては、例えば、カネボウ合繊株式会社の導電性を有する極細繊維である、割繊処理前の1本の繊維の太さが約5デニール(D)であるナイロンとポリエステルからなる極細繊維(試作品)が用いられる。なお、上記ナイロンとポリエステルからなる極細繊維には、カーボンブラック等の導電性材料が添加されており、導電性を有するようになっている。上記トナー保持部材18を構成するブラシ51としては、図3に示すように、太さ5デニール(D)のナイロンとポリエステルからなる極細繊維52(割繊処理前のもの)を複数本束ねた状態で横パイル糸として、縦糸53と横糸54とからなる基布55の縦糸53に織り込んでいった横パイル織りの生地51が用いられる。
なお、上記横パイル織りの基布55を構成する縦糸53及び横糸54としては、例えば、導電性の繊維が用いられ、当該基布55は、導電性を有するように構成されている。
その際、上記縦糸53と横糸54とからなる基布55は、図3に示すように、2枚の基布55が所定の距離を隔てて互いに平行に配置され、これら2枚の基布55の縦糸53と横糸54との交差位置の間に、極細繊維52を複数本束ねた状態で横パイル糸を掛け渡すように、三次元的に織り込まれる。その後、上記極細繊維52を複数本束ねた状態で織り込まれた横パイル織りの生地51は、図3に示すように、極細繊維52を複数本束ねた状態で横パイル糸を、所定の長さでナイフ等によって切断することによって、図4及び図5に示すように、極細繊維52を所定の密度で植毛したブラシ51が形成される。
さらに、上記ブラシ51は、そのままトナー保持部材18として用いられる訳ではなく、当該ブラシ51は、図6に示すように、先端から所定の長さL(例えば、1.5mm)まで、アルカリ溶液56に所定時間だけ浸漬され、図7に示すように、化学処理によって1本の極細繊維52を複数本の繊維52aに分割する割繊処理が行われ、更に極細化された繊維52aが得られる。上記割繊処理によって1本の極細繊維52が分割される本数としては、アルカリ溶液の濃度や浸漬時間等によって調整されるが、例えば、1本の極細繊維52が10〜13本程度に分割される。その結果、割繊処理前の1本の繊維の太さが約5デニール(D)であるナイロンとポリエステルからなる極細繊維52の場合、約0.3デニール程度の繊維52aに極細繊維化される。なお、割繊処理としては、アルカリ溶液による化学的な処理に限らず、水圧等による物理的な処理によっても勿論良い。
上記ブラシ51は、割繊処理前の繊維52の植毛密度が、例えば、約360Kf/inch2 に設定されており、割繊処理後の繊維52aの植毛密度は、約2900Kf/inch2 となる。
また、上述したように、上記割繊処理は、1本の極細繊維52の先端から根本まで、すべての部分に対して行われる訳ではなく、上述したように、極細繊維52の植毛長さが、例えば、5mmの場合、先端から所定の長さL(例えば、1.5mm)までのみ割繊処理が行われる。
この1本の極細繊維52の割繊処理を施す長さLは、1.5mmに限らず、任意であるが、当該割繊処理を施す長さLが短くなると、極細繊維52の剛性が高まり、長寿命化には望ましいが、その分だけトナーを保持できる量が少なくなるため、放電生成物の除去性からすれば望ましくない。
また、上記トナー保持部材18は、1本の繊維を複数本に分割する割繊処理した繊維を含むブラシ状部材からなれば、予めすべて割繊処理した繊維と、割繊処理を施さない繊維とを束ねた状態で、図3に示すような横パイル織りの生地からなるブラシ51を構成しても良い。この場合、予めすべて割繊処理した繊維と、割繊処理を施さない繊維との混合割合を適宜設定することが可能である。
上記の如く構成されたブラシ51は、図1(b)及び図8に示すように、両面テープ57によってアルミニウムやステンレス等の金属板58に接着された状態で固定され、ブラシ状のトナー保持部材18が形成される。なお、上記ブラシ51の導電性繊維からなる基布55と、金属板58とは、図8に示すように、導電性テープや接導電性接着剤59を介して互いに接着され、電気的に導通状態が保持されるようになっており、金属板58には、必要に応じて、バイアス電源60によって所定のバイアス電圧(例えば、−850V程度)が印加されるように構成されている。
上記ブラシ51を構成する導電性を有する繊維52の抵抗値としては、例えば、図9に示すように、所定の本数束ねてテープ61で留めたものの抵抗値を測定した場合、108 Ω程度のものが用いられる。
また、上記回転ブラシ19としては、図1に示すように、通常の導電性繊維からなる回転ブラシが用いられ、当該回転ブラシ19によって感光体ドラム15の表面から除去されたトナーは、回収ロール62によって静電気力及び圧接力で回収され、回収ロール62によって回収された転写残留トナーは、スクレーパー63によって掻き取られる。なお、上記回転ブラシ19には、トナー保持部材18によってマイナス極性の電荷が注入されたトナーを静電的に付着させるため、例えば、所定の電位(接地電位:0V)に保持される。
以上の構成において、この実施の形態に係るフルカラープリンターでは、次のようにして、硬化膜としてOCL層などを有する像担持体に対して、放電生成物を長期間にわたって確実に除去することができ、“Deletion" と呼ばれる画像の白抜けや、" 雨だれFi1ming" 等に起因した画像の白抜けが発生するのを確実に防止することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態に係るフルカラープリンターでは、図1及び図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kにおいて、各感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの表面が、帯電ロール16によって所定の電位、例えば、−520Vの電位に一様に帯電される。その際、上記帯電ロール16には、直流電圧Vdcとしての−520Vの電圧以外に、感光体ドラム15の表面を所定の電位に均一に帯電するために、周波数f=614Hzの交流電圧が重畳して印加されている。この帯電ロール16に印加される交流電圧は、図10に示すように、感光体ドラム15の表面が一定となる所謂" 肩電流値Ish" よりも約40%程度高い電流値に設定されており、当該帯電ロール16と感光体ドラム15表面との間では、比較的多くの微小ギャップ放電が発生する。その結果、感光体ドラム15の表面には、微小ギャップ放電によって発生する窒素酸化物やオゾン等の放電生成物が多量に付着することになる。
このように、感光体ドラム15の表面に窒素酸化物やオゾン等の放電生成物が多量に付着すると、そのままの状態では、これらの放電生成物が高温高湿環境下において、空気中の水分を吸収し、“Deletion" と呼ばれる画像の白抜けが発生することになる。
そこで、この実施の形態に係るフルカラープリンターでは、図1に示すように、一次転写ロール27の下流側であって、しかも帯電ロール16の上流側に、トナーを保持するためのトナー保持部材18が配設されている。また、上記トナー保持部材18に多くの量のトナーを保持することによって、当該トナー保持部材18に保持された多くの量のトナーによって、感光体ドラム15の表面に付着した窒素酸化物やオゾン等の放電生成物を確実に除去できることが判っている。
そのため、上記トナー保持部材18として、図1及び図8に示すように、固定されたブラシ状のトナー保持部材を用いた場合には、当該ブラシ状のトナー保持部材18を構成する繊維52として、その太さが細いほど、繊維52の植毛密度が高くなり、結果的に多くの量のトナーを保持することが可能となり、放電生成物の除去効果が高くとなり、“Deletion" と呼ばれる画像の白抜けをより一層確実に防止することが可能となる。
なお、上記トナー保持部材18には、図1及び図2に示すように、基本的に、一次転写における転写残留トナーのみが堆積することになるため、フルカラープリンターの使用を開始した直後などの状態では、当該トナー保持部材50に放電生成物を除去するために十分な量のトナーが保持されていないことになる。
よって、上記フルカラープリンターの使用を開始した直後などの状態では、図11に示すように、感光体ドラム15上に帯状のトナーからなるトナーバンドTを強制的に形成し、当該トナーバンドTを中間転写ベルト26に一次転写することなく、トナー保持部材50へと移動させ、当該トナー保持部材18にトナーバンドTを強制的に付着させる工程を設けるように構成しても良い。
その反面、上記固定ブラシ状のトナー保持部材18を構成する繊維52として、その太さがより細い繊維を用いた場合には、当該繊維52の剛性が低くなり、特に、感光体ドラム15として、長寿化を図るため、表面に硬化膜としてOCL(Over Coat Layer)を有する硬度の高い感光体ドラムを用いた場合には、トナー保持部材18を構成する繊維52が、短期間にへたってしまい、放電生成物の除去効果を長期間維持することができなくなる。
そこで、この実施の形態に係るフルカラープリンターでは、放電生成物の高い除去効果が得られ、“Deletion" と呼ばれる画像の白抜けをより一層確実に防止することができるのは勿論のこと、当該放電生成物の高い除去効果を長期間にわたって維持することを可能として、両者の効果を両立させるために、固定ブラシ状のトナー保持部材18を構成する繊維52として、割繊処理を施して極細繊維化した繊維を用いるように構成されている。
しかも、上記割繊処理を施して極細繊維化した繊維52aは、根本まですべて割繊処理を施すのではなく、先端から所定の長さLのみ割繊処理が施されている。
そのため、固定ブラシ状のトナー保持部材50を構成する繊維52は、例えば、先端部52aが約0.3デニールと極細繊維化されているとともに、根本部分52は、約5デニールと本来の太さを維持している。よって、上記固定ブラシ状のトナー保持部材18を構成する繊維52は、割繊処理を施すことによって極細繊維化された先端部52aによって、多くの量のトナーを保持することができ、高い放電生成物の除去効果を発揮することができる。
しかも、上記固定ブラシ状のトナー保持部材18を構成する繊維52は、所定の長さLにわたる先端部以外、つまり中間部分及び根本部分は、本来の繊維52の太さを有しているため、十分な剛性を有しており、長期間使用した場合であっても、当該固定ブラシ状のトナー保持部材18を構成する繊維がへたってしまうことがなく、上述した高い放電生成物の除去効果を長期間にわたって発揮することが可能となる。
このように、上記実施の形態に係るフルカラープリンターによれば、硬化膜としてOCL層などを有する感光体ドラム15に対して、放電生成物を長期間にわたって確実に除去することができ、“Deletion" と呼ばれる画像の白抜けや、" 雨だれFi1ming" 等に起因した画像の白抜けが発生するのを確実に防止することが可能となっている。
実施例1
本発明者は、図1に示すように、感光体ドラム15と、帯電ロール16と、現像装置17とからなるプリンターのモデルを試作し、当該プリンターにおいて、トナー保持部材18として、本実施例に係る固定ブラシ状のトナー保持部材、及び更に異なる構成のトナー保持部材を用いて、放電生成物の除去性能、並びに放電生成物の除去性能の維持性を確認した。
上記固定ブラシ状のトナー保持部材18としては、上述した中間まで割繊処理したブラシと、さらにその改良策として、割繊処理したブラシの繊維52に捩じれ加工を施す捲縮処理を施した繊維で構成したブラシを試作し、中間割繊処理したブラシ等にて、感光体ドラム15表面における水の接触角がどの程度回復するかの回復性をみるテストを実施し、放電生成物の除去性能を評価する実験を行った。なお、ここで、捲縮処理とは、熱や機械的な力によって繊維に曲率をつけ、例えるならば繊維にパーマがかかっているような状態にすることをいい、繊維が直毛ではなく、曲率を有することになるため、トナーの保持性が高まる効果が得られる。また、比較例としてトナーの保持性が高いと考えられる通常の極細で高密度のブラシを用いて実験を行った。
以下に実験方法を示す。
(1) あらかじめ一定量のトナーを現像した感光体ドラム15に固定状のブラシ18を装着し、感光体ドラム15を回転させてブラシ18にトナーを堆積させる。
(2)(1)とは別の感光体ドラム15に帯電ロール16のみを装着し、一定時間だけ感光体ドラム15を回転させながら、帯電ロール16を放電させることによって、放電生成物が付着した感光体ドラム15を作成した。
(3)(2)で作成した放電生成物が付着した感光体ドラム15に(1)で作成したトナー保持ブラシ18を装着し、感光体ドラム15を回転させて水の接触角を測定し、当該水の接触角の回復度合いを調べた。
(1) 本発明の中間割繊ブラシ1:
割繊前:約5デニール、約360Kf/inch2
割繊後:約0.3デニール、約2900Kf/inch2
ブラシの繊維52の高さを、図1(a)に示すように5mmとし、その先端から1.5mmの位置まで割繊処理を施した。
(2) 本発明の中間割繊ブラシ2(捲縮処理):
割繊前:約5デニール、約200Kf/inch2
割繊後:約0.3デニール、約1600Kf/inch2
ブラシの繊維52の高さを5mm(捲縮処理後のブラシの高さであり、伸ばした状態の繊維長はもっと長い。) とし、その先端から1.5mmまで割繊処理を施した。なお、(1)のブラシより植毛密度が低く設定されているのは、捲縮処理によりブラシのボリューム (体積)が増加するためである。
(3) 通常の極細高密度繊維(比較例)
繊維の太さ約0.3デニール、約2900Kf/inch2 、ブラシの繊維の高さを3mm
なお、上述したどのブラシも、感光体ドラム15に対して同一の圧接力となるように食い込み量を調整した。
また、上記各々のブラシについて、実際の通紙テストを実施し、放電生成物による画像の白抜けが発生するかどうかも調べた。さらに、通紙テスト実施後にブラシの圧接力が初期に対してどう変化したか、及び、上記した放電生成物の除去性能をみる水の接触角を調べるテストも併せて実施した。
図12は上記通紙前の感光体ドラム表面における水の接触角の回復度合いを調べた実験の結果を示すグラフである。
この図12から明らかなように、本発明の中間割繊維ブラシ1と、本発明の中間割捲縮繊維ブラシ2とは、初期の水接触角の回復曲線はほぼ同一であり、いずれも十分な回復性能を示していることがわかる。
これに対して、比較例の通常の極細高密度ブラシは、初期の水接触角の回復曲線の値が小さく、放電生成物の除去性能が、本発明の中間割繊維ブラシと比較して低いことがわかる。
これは、どちらのブラシも感光体ドラム15と接触する先端の部分は、細い繊維が高密度に存在するため、多量のトナーを保持しているためであると考えられる。
図13に示すSEMによる観察写真でも、両者のブラシにはほぼ同じくらいトナーが付着していることが確認された。
さらに、本発明の中間割繊ブラシ2(捲縮処理)は、更に水の接触角の回復性能が更に良いことがわかる。図示しないSEMの観察写真でも、上記二種のブラシよりも捲縮処理したブラシの方が多量のトナーが付着していることが確認された。狙いどおり捲縮処理を施した繊維は、繊維が直線ではなく曲率をもっているために、トナーが湾曲した繊維にせき止められやすいためと推察される。
以上のように、どのブラシも初期的には放電生成物の除去性能は十分有していることがわかった。
次に、通紙テストについて説明する。
図2に示すフルカラープリンタのシステムにおいて、28度、85%の高温高湿環境下において、画像の白抜けの発生状態を確認する実験を行った。
感光体ドラム15は、AC電圧が印加された帯電ロール16にて所望の表面電位に帯電された後、レーザービーム等の情報書込手段14により静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置17により可視化され、トナー像が形成される。トナー像は、中間転写ベルト26上に一次転写ロール27によって静電気的に転写される。転写工程後の感光体ドラム15上の残留トナー、及び中間転写ベルト26上から感光体ドラム15上に再転写された逆極性のトナー(以下、「リトランスファートナー」という。)は、放電生成物除去のために配置された、導電性を有するブラシ18に放電がおこるバイアスを印加(ここでは−850V)することで、マイナスに帯電調整される。このマイナスに帯電調整されたトナーは、回転する導電性を有する回転ブラシ19にDC0Vを印加することによりクリーニングされる。なお、導電性を有するブラシ18を通過した後の感光体ドラム15の電位が、約−400Vであるために、回転ブラシ19を0Vにすることで、相対的な電位差によってマイナス極性のトナーをクリーニングすることができる。このクリーニングされたトナーは、図1に示すように、回収ロール62に移されて、スクレーパー63で剥ぎ落とされ回収される。なお、バイアス関係は、上記の値に限定されるものではない。
本実施例では、転写残トナーやリトランスファートナーをマイナスに帯電調整させるために、導電性であることが必要であったために、いずれも導電性繊維52からなるブラシ18、19を使用したが、そうでないシステムであれば、絶縁性の繊維のブラシを使用しても何ら問題は無い。
また、トナー保持部材18の放電生成物の除去性能を軸方向に均一化するために、軸方向に揺動させるオシレーション動作を適宜挿入するなどしてもよい。
また、使用しているうちに十分トナーがブラシ18に保持されるようになるので、本実施例では特に何も処理を施していないが、システムによってより高い掻き取り能力が必要なときなどは、最初から十分な掻き取り能力を付与するために、トナー保持部材18をトナーで最初から汚しておくなどすることも可能である。
また、本実施例では、回転ブラシ19に回収ロール62とスクレーパー63を用いたが、例えば、転写残留トナーやリトランスファートナーが少ないシステムでは、図14に示すように、フリッキング用のバー64のみを設けるなど簡易的な回収系にしてもなんら問題はなく、限定されるものではない。
上記条件で、3万枚の通紙テストを行ったところ、本発明の中間割繊ブラシ1と本発明の中間割繊ブラシ2(捲縮処理)では、放電生成物による画像の白抜けはまったく発生しなかった。
これに対して比較例の通常の極細高密度ブラシでは、通紙テストの途中までは白抜け未発生であったが、徐々に白抜けが発生し、最後にはほぼ真っ白になるまで悪化してしまった。
このテスト後の状態のブラシ18を観察すると、いずれのブラシ18も先端が極細繊維であったり、捲縮処理してあるため、トナーが十分保持されていた。しかし、比較例のブラシのみ、目視でわかるほどあきらかにブラシがへたっており食い込み量が初期より少なくなっていることが確認できた。
このときのそれぞれのブラシの圧接力を測定した結果を図15に示した。なお、初期を1として規格化している。
本発明の二種類のブラシ18は、いずれも初期圧接力に対して約10%しか圧接力が低下していないが、比較例のブラシは、約40%も圧接力が低下していることがわかる。
比較例のブラシは根木まで約0.3デニールの極細繊維であるために、長期的にはへたりやすく、その懸念どおり圧接力が低下したと考えられる。それに対して、本発明のブラシ18は2種類ともに、比較例と同様に先端は、約0.3デニールと細いが、根本の部分は約5デニールと太いために狙いどおり長期に渡ってへたりがほとんど発生しなかったと考えられる。
通紙テスト後に、前記した放電生成物除去性能をみる水の接触角を測定するテストも実施した。その水接触角の15秒後の回復値を図16に示した。
本発明の二種類のブラシはいずれも、通紙テスト前に比べて約4度の低下でおさまっているが、比較例のブラシは、約11度も低下してしまっており、実際の通紙テストの結果を裏づける結果となっている。
以上のように、パイル中間割繊処理により、基布に近い方は太い繊維で先端部分が分割された細い繊維になるようにすることで、硬化膜OCL層をもつ硬い感光体に対して、放電牛成物の除去を長期にわたり確実に行うことを可能にできた。
実施例2
本実施例では、放電生成物除去部材として実施例1と同様、トナー保持部材18として中間割線ブラシ1と中間割繊ブラシ2(捲縮)を使用した。ただし、本実施例では、絶縁性の繊維を使用しておりバイアスは印加していない。
また、トナー保持ブラシの下流側には、実施例1と同様に導電性の回転ブラシ19が配設されているが、この回転ブラシ19への印加電圧は、DC−200V+ACVpp800Vとした。また回転ブラシ19にはフリッキングバー64を取り付け、トナーをたたき落として回収するようにしている。
その他の構成及び作用は前記実施例と同じである。
なお、本実施例は、実施例1と異なり絶縁性であるためにトナーの極性、帯電調整はできないために、下流側の回転ブラシ19にACを印加することで転写残トナーとリトランスファートナーの両方をクリーニングするようにした。また、転写残トナーやリトランスファートナーの量が比較的少なかったために、クリーニングしたトナーは、フリッキングバー64のみで回収するようにしたが、それに限定されるものではない。
また、AC印加の1本のブラシのみで対応したが、スペースが許されるならば、二本の回転ブラシ19を使用してそれぞれの極性のトナーをそれぞれの回転ブラシでクリーニングするようにしても構わない。また、2本のブラシに回収ロールとスクレーパーを使用する場合や、フリッキングバーなどのみを使用する場合などスペースや転写残トナー、リトランスファートナーの量などそのシステムに応じて適宜決定すればよく、何ら限定されるものではない。
上記条件で、3万枚の通紙テストを行ったところ、どちらのブラシでも、最後まで放電生成物による白抜けは未発生であった。
以上のように、パイル中問割繊処理により、基布に近い方は太い繊維で先端部分が分割された細い繊維になるようにすることで、硬化膜0CL 層をもつ硬い感光体に対して、放電生成物の除去を長期にわたり確実に行うことを可能にできた。
実施例3
本実施例は実施例2と同様の構成である。ただし、トナー供給モードとして、マシン電源投入直後に、軸方向に全面でプロセス方向に幅3センチの濃度100%のべた画像を現像させた。このとき、転写電源はオフさせておき100%のトナー像がトナー保持ブラシ18にすべて突入するようにした。トナー像は、トナー保持ブラシ18によりクリーニングされて、軸方向全面にブラシがトナーを保持した状態になる。残ったトナーは、下流側の回転ブラシ19でクリーニングされる。こうすることで、マシンが市場に設置され、初めて電源が投入されたときにトナー供給モードが入ることで、最初からブラシ18がトナーを保持した状態になり、より確実に放電生成物を除去することが可能になる。
また、本実施例では、絶縁性の中間割繊ブラシを用いたが、導電性のもの、導電毛と絶縁毛を混ぜたものなどを用いても、何ら問題はなく限定されるものではない。
また、下流側の回転ブラシ19の印加電圧や構成なども、前記同様にシステムに応じて適宜決定すればよく限定されるものではない。
上記条作で、3万枚の通紙テストを行ったところ、本発明のどちらのブラシでも、最後まで放電生成物による白抜けは未発生であった。
以上のように、パイル中間割繊処理により、基布55に近い方は太い繊維52で先端部分が分割された細い繊維52aになるようにすることで、硬化膜OCL層をもつ硬い感光体に対して、放電生成物の除去を長期にわたり確実に行うことを可能にできた。
実施例4
本実施例は実施例3と同様の構成にて、3万枚のプリントテストを行った。1job100枚であり、3秒休止しそれを繰り返し3万枚までプリントを続けた。本実施例では500枚おきのプリント直後のJobEndにトナー供給モードとして、軸方向に全面でプロセス方向に幅3cmの100%のべた画像を現像させた。このとき転写電源はオフさせておき100%のトナー像がトナー保持ブラシ18にすべて突入するようにした。トナー像はトナー保持ブラシ18によりクリーニングされて、軸方向全面にブラシ18がトナーを保持した状態になる。残ったトナーは下流側の回転ブラシ19でクリーニングされる。こうすることで、偏った画像がプリントされても定期的にトナー保持ブラシ18の軸方向全面がトナーを保持した状態になるので確実に放電生成物を除去することが可能になる。
また、本実施例では500枚ごとのJobEndにトナー供給モードを入れたが、JobStartに入れてもよいし、両方入れてもかまわない。システムに応じてトナー供給モードを入れる枚数なども適宜決定すればよい。
また、本実施例では絶縁性の中間割繊ブラシを用いたが、導電毛のもの、導電毛と絶縁毛を混ぜたものなどを用いても何ら問題はなく限定されるものではない。
また、下流側の回転ブラシの印加電圧や構成なども前記同様にシステムに応じて適宜決定すればよく限定されるものではない。
上記条件で、3万枚の通紙テストを行ったところ、本発明のどちらのブラシでも、最後まで放電生成物による白抜けは未発生であった。
以上のように、パイル中間割繊処理により、基布55に近い方は太い繊維52で先端部分が分割された細い繊維52aになるようにすることで、硬化膜OCL層をもつ硬い感光体に対して、放電生成物の除去を長期にわたり確実に行うことを可能にできた。
実施例4
本実施例は実施例1と同様の構成にて、3万枚のプリントテストを行った。1job100枚であり3秒休止しそれを繰り返し3万枚までプリントを続けた。本実施例では500枚おきのプリント直後のJobEndにトナー供給モードとして、軸方向に全面でプロセス方向に幅3cmの100%のべた画像を現像させた。このとき転写電源はオフさせておき100%のトナー像がトナー保持ブラシ18にすべて突入するようにした。また供給されたトナー像はマイナス極性であるので、トナー保持ブラシ18には+200Vを印加することで、その大部分を積極的に保持する電圧を印加した。こうすることで、トナー像はブラシ18によりクリーニングされて、軸方向全面にブラシ18が多量のトナーを保持した状態になる。残ったトナーは、下流側の回転ブラシ19でクリーニングされる。こうすることで偏った画像がプリントされても定期的にトナー保持用ブラシ18の軸方向全面がトナーを保持した状態になるので確実に放電生成物を除去することが可能になる。
また、本実施例では500枚ごとのJobEndにトナー供給モードを入れたが、JobStartに入れてもよいし、両方入れてもかまわない。システムに応じてトナー供給モードを入れる枚数なども適宜決定すればよい。
また、本実施例では導電性の中間割繊ブラシを用いたが、絶縁毛と導電性毛を混ぜた中間割繊ブラシなどを用いても何ら問題はなく限定されるものではない。
また、下流側の回転ブラシ19の印加電圧や構成なども前記同様にシステムに応じて適宜決定すればよく限定されるものではない。
上記条件で、3万枚の通紙テストを行ったところ、本発明のどちらのブラシでも、最後まで放電生成物による白抜けは未発生であった。
以上のように、パイル中間割繊処理により、基布に近い方は太い繊維52で先端部分が分割された細い繊維52aになるようにすることで、硬化膜OCL層をもつ硬い感光体に対して、放電生成物の除去を長期にわたり確実に行うことを可能にできた。
実施例5
本実施例は実施例1と同様の構成にて、3万枚のプリントテストを行った。1job100枚であり3秒休止しそれを繰り返し3万枚までプリントを続けた。本実施例では500枚おきのプリント直後のJobEndにトナー供給モードとして、軸方向に全面でプロセス方向に幅3cmの100%のべた画像を現像させた。このとき転写電源はオフさせておき100%のトナー像がトナー保持ブラシ18にすべて突入するようにした。また、このときトナー保持ブラシ18はDC−200V+ACVpp800Vの電圧を印加することで、その大部分を積極的に保持する電圧を印加した。こうすることで、トナー像はブラシ18によりクリーニングされて、軸方向全面にブラシ18が多量のトナーを保持した状態になる。残ったトナーは下流側の回転ブラシ19でクリーニングされる。こうすることで偏った画像がプリントされても定期的にトナー保持ブラシ18の軸方向全面がトナーを保持した状態になるので確実に放電生成物を除去することが可能になる。
また、本実施例では500枚ごとのJobEndにトナー供給モードを入れたが、JobStartに入れてもよいし、両方入れてもかまわない。システムに応じてトナー供給モードを入れる枚数なども適宜決定すればよい。
また、本実施例では導電性の中問割繊ブラシを用いたが絶縁毛と導電性毛を混ぜた中間割繊ブラシなどを用いても何ら問題はなく限定されるものではない。
また、下流側の回転ブラシ19の印加電圧や構成なども前記同様にシステムに応じて適宜決定すればよく限定されるものではない。
上記条件で、3万枚の通紙テストを行ったところ、本発明のどちらのブラシでも、最後まで放電生成物による白抜けは未発生であった。
以上のように、パイル中間割繊処理により、基布に近い方は太い繊維で先端部分が分割された細い繊維になるようにすることで、硬化膜OCL層をもつ硬い感光体に対して、放電生成物の除去を長期にわたり確実に行うことを可能にできた。
実施例6
図17に示したように、感光体ドラム15は、AC印加の帯電ロール16にて所望の表面電位に帯電された後、レーザービーム等の画像書込手段により静電潜像が形成される。静電潜像は現像装置17により可視化され、トナー像が形成される。トナー像は、中間転写ベルト26上に一次転写ロール27により静電気的に転写される。転写工程後の感光体ドラム15上の残留トナーおよび中間転写ベルト26上から感光体ドラム15上に再転写された逆極性のトナー(以下、リトランスファートナー)は、放電生成成物除去のために配置された導電性の中間割繊ブラシ18に、DC−200V+ACVpp800Vの電圧が印加され、一部がクリーニングされる。また、すり抜けたトナーは、回転する導電性を有するブラシ19にDC+200Vを印加することによりクリーニングされる。本システムは、リトランスファートナーはあまり発生しないような転写システムになっており、回転ブラシ19に突入するトナーは、ほとんどマイナスの転写残トナーである。クリーニングされたマイナストナーは、100枚ごとにブラシ電圧を−600Vに切り替えることで感光体ドラム15上にはきだされる。吐き山しモードにおいて、このマイナストナーは、一部は現像装置17で回収される。また、回収しきれなかったトナーは、転写部によって中間転写ベルト26上に転写されベルト用のクリーナー42で回収される。なお、バイアス関係や吐き出しモードが入る枚数などは限定されるものではない。
また、本実施例ではトナー保持ブラシ18にACを印加したが、DCを印加したり、フロートにしたりしてもよく、システムにより適宜決定され限定されるものではない。
このように、いわゆるクリーニングの回収系をもたないクリーナレスシステムにおいても放電生成物除去用のトナー保持中間割繊ブラシ18を使用することができる。
実施例7
図17に示したように、感光体ドラム15はAC印加の帯電ロール16にて所望の表面電位に帯電された後、レーザービーム等の画像書込手段14により静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置17により可視化され、トナー像が形成される。トナー像は、中間転写ベルト26上に一次転写ロール27により静電気的に転写される。転写工程後の感光体ドラム15上の残留トナーおよび中間転写ベルト26上から感光体ドラム15上に再転写された逆極性のトナー(以下、リトランスファートナー)は、放電生成物除去のために配置された導電性の中間割繊ブラシ18に、DC−200V+ACVpp800Vの電圧が印加され、一部がクリーニングされる。また、すり抜けたトナーは回転する導電性を有するブラシ19にDC−850Vを印加することによりマイナス放電を発生させ、トナーの極性をマイナスに揃える。このマイナス極性に揃ったトナーは、AC印加の帯電ロール16に突入するが、十分にマイナスに帯電しているために、帯電ロール16を汚しすぎることはなく、すり抜けて現像装置17で回収されることになる。回転ブラシ19は、トナーの帯電調整ブラシとして機能しているが、一部のプラストナーにより汚れてくるので、100枚ごとにブラシ電圧を+200Vに切り替えることで、感光体ドラム15上にプラストナーがはきだされる。吐き出しモードにおいて、このプラストナーは、転写電圧をマイナスに切り替えることによって、中間転写ベルト26上に転写され、ベルト用のクリーナー42で回収される。なお、バイアス関係や吐き出しモードが入る枚数などは限定されるものではない。
また、本実施例ではトナー保持中間割繊ブラシ18にACを印加したが、DCを印加したり、フロートにしたりしてもよくシステムにより適宜決定され限定されるものではない。
このように、いわゆるクリーニングの回収系をもたないクリーナレスシステムにおいても放電生成物除去用のトナー保持中間割繊ブラシ18を使用することができる。
実施例8
図18に示したように、感光体ドラム15は、AC印加の帯電ロール16にて所望の表面電位に帯電された後、レーザービーム等の画像書込手段14により静電潜像が形成される。静電潜像は現像装置17により可視化され、トナー像が形成される。トナー像は、中間転写ベルト26上に一次転写ロール27により静電気的に転写される。転写工程後の感光体ドラム15上の残留トナーおよび中間転写ベルト26上から感光体ドラム15上に再転写された逆極性のトナー(以下、リトランスファートナー)は、放電生成物除去のために配置された絶縁性の中間割繊ブラシ18に突入し、ブラシ18がトナーを保持した状態になる。またすり抜けたトナーは、下流側に配置されたクリーニングブレード70により感光体ドラム15上より除去される。
本実施例では、絶縁性の中間割繊ブラシ18を用いたが、クリーニングブレード70の前でトナーと感光体ドラム15の付着力を弱めるなどのために放電を起させたりする場合には、導電性のもの、導電毛と絶縁毛をまぜたものなどを用いてバイアスを印加するなどすることもできる。
また、トナー保持中間割繊ブラシ18の放電生成物除去性能を軸方向に均一化するために、軸方向にオシレーションをいれるなどしてもよい。
また、使用しているうちに十分トナーがブラシ18に保持されるようになるので、放電生成物のかきとり能力に問題はなかったが、システムによってより高いかきとり能力が必要なときなどは、最初から十分なかきとり能力を付与するために、ブラシ18をトナーで最初から汚しておいたり、前記したようにトナー供給モードでブラシ18を定期的に十分トナーを保持した状態にしてもよい。
上記条件で、3万枚の通紙テストを行ったところ、最後まで放電生成物による白抜けは未発生であり、また、しばしば起こりやすい感光体ドラム15への放電生成物付着による摩擦アップに起因したブレード70のめくれや鳴き、ブレードエッジの欠けや極端な磨耗によるクリーニング不良などの障害も未発生であった。
以上のように、硬化膜OCL層をもつ硬い感光体ドラム15に対して、パイル中間割繊処理により、基布55に近い方は太い繊維52で先端部分が分割された細い繊維52aになるようにしたブラシ18を用いることで、長期にわたって放電生成物の除去を可能にしブレードのめくれや鳴き、ブレードエッジの欠けや極端な磨耗によるクリーニング不良などの障害を防止することが可能になった。
実施例9
図19及び図20に示したように、トナー保持部材18としては、固定型のブラシに限らず、回転ロール型のブラシ80として構成しても勿論良い。
この回転ロール型のブラシ80としては、図21乃至図23に示すように、金属等の導電性を有する軸部材81の表面に、接着剤82を螺旋状に塗布し、この軸部材81の表面に図4に示すような基布55を、反対の螺旋状に巻き付けていくことによって、繊維52が密に植毛された回転ロール型のブラシを用いても良い。この回転ロール型のブラシ80は、その後、割繊処理が施され、繊維52の先端部が極細繊維化される。なお、図21乃至図23では、便宜上、ブラシの繊維52が粗く図示されている。
図1はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラープリンターの要部を示す構成図である。 図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラープリンターを示す構成図である。 図3はブラシを構成する繊維を示す模式図である。 図4はブラシを構成する繊維を示す模式図である。 図5はブラシを構成する繊維を示す模式図である。 図6はブラシを構成する繊維の割繊処理を示す模式図である。 図7はブラシを構成する割繊処理した繊維を示す模式図である。 図8はブラシを示す概略斜視図である。 図9はブラシの繊維の導電率の測定状態を示す説明図である。 図10は帯電ロールへの印加電圧を示すグラフである。 図11は感光体ドラム上に形成されるトナーの帯を示す模式図である。 図12は実験結果を示す図表及びグラフである。 図13はブラシの繊維を示す電子顕微鏡写真を示す図である。 図14はこの発明の実施の形態2に係る画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラープリンターの要部を示す構成図である。 図15は実験結果を示すグラフである。 図16は実験結果を示すグラフである。 図17はこの発明の実施の形態7に係る画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラープリンターの要部を示す構成図である。 図18はこの発明の実施の形態8に係る画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラープリンターの要部を示す構成図である。 図19はこの発明の実施の形態9に係る画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラープリンターを示す構成図である。 図20はこの発明の実施の形態9に係る画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラープリンターの要部を示す構成図である。 図21はブラシロールを示す斜視図である。 図22はブラシロールの形成工程を示す斜視図である。 図23はブラシロールの形成工程を示す斜視図である。
符号の説明
15:感光体ドラム、18:トナー保持部材、52:割繊処理が施された繊維。

Claims (23)

  1. 回転する像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記帯電手段によって帯電された像担持体上に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像に現像剤を供給して、当該静電潜像を可視化する現像手段と、前記現像手段によって可視化された現像像を転写材又は中間転写体に転写する転写手段と、前記転写手段の下流側かつ前記帯電手段の上流側に配設され、前記像坦持体と接触する接触面にトナーを保持するトナー保持部材と、を備えた画像形成装置において、
    前記トナー保持部材が、割繊処理した繊維を含むブラシ状部材からなることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記トナー保持部材に含まれる繊維は、先端から繊維の長さ方向の途中までのみ割繊処理されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記トナー保持部材は、捲縮処理した繊維を含むブラシ状部材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記トナー保持部材は、導電性を有する繊維を含んでいることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  5. 前記像担持体は、表面層が硬化処理された層からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  6. 前記トナー保持部材に所定のタイミングでトナーを供給するトナー供給モードを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  7. 前記所定のタイミングは、画像形成装置が設置されて始めて電源が投入された直後であることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  8. 前記所定のタイミングは、一定の枚数だけ画像形成された後の画像形成動作中あるいは画像形成動作の開始前、あるいは画像形成動作の終了後であることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  9. 前記トナー供給モードでは、供給されたトナーを前記トナー保持部材に積極的に付着させる電圧を、当該トナー保持部材に印加することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  10. 前記電圧は、トナーの極性と逆極性の電圧であることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
  11. 前記電圧は、少なくとも交番電圧を含む電圧であることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
  12. 前記トナー保持部材の下流側かつ前記帯電手段の上流側に、前記像担持体上の転写残留トナーを除去するクリーニング手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  13. 前記クリーニング手段が回転ブラシであることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
  14. 前記クリーニング手段がクリーニングブレードであることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
  15. 前記トナー保持部材の下流側かつ前記帯電手段の上流側に、前記像担持体上の転写残留トナーを処理するトナー処理手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  16. 前記トナー処理手段は、転写残留トナーを除去して一時的に保持する一時保持手段であることを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
  17. 前記トナー処理手段は、転写残留トナーを帯電させる残留トナー帯電手段であることを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
  18. 前記トナー処理手段は、所定のタイミングで溜まったトナーを前記像担持体上に吐き出すことを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  19. 前記トナー保持部材を前記像担持体の軸方向に沿って揺動させる揺動手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  20. 前記トナー保持部材は、固定型のブラシ状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  21. 前記トナー保持部材は、回転ロール型に形成されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  22. 前記帯電手段は、交流電圧が重畳された直流電圧を印加する接触帯電手段であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  23. 前記帯電手段は、直流電圧を印加する接触帯電手段であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1つに記載の画像形成装置。
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