JP2008075206A - 深絞り成形性シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱性、保温性、クッション性などの特性をもつ嵩高い深絞り熱成形可能な成形性シートの提供。
【解決手段】N−BKP(針葉樹晒しクラフトパルプ)、熱可塑性合成繊維及び発泡性マイクロカプセル粒子を主体として組成される熱成形可能な発泡性成形性シートにおいて、該成形性シートが表層、少なくとも1層の中層、裏層で構成される木材パルプ配合率20質量%〜51質量%未満の多層抄きシートであり、該中層に繊維層100質量%当たり、加熱によってその直径が約4〜5倍及び体積が60倍以上に膨張する発泡性マイクロカプセル粒子を10〜50質量%配合し、表層および裏層に該発泡性マイクロカプセル粒子を配合しないかまたは中層よりも少なく最大10質量%配合し、抄紙機の乾燥工程で、該発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させずに乾燥後、キャレンダーに掛け、厚さ1mm以下で巻き取ることを特徴とする深絞り成形性シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、合成パルプ、木材パルプ及び熱によって発泡する性質をもつマイクロカプセル粒子を主体として組成される加工性に優れた熱成形可能な深絞り成形用の発泡性成形性シートに関する。この成形性シートは、発泡後に嵩高成形体となる。さらに詳しくは、深絞り成形後に、断熱材、自動車の内装材などの用途で使用され、断熱性、保温性、クッション性などの特性をもつ成形体になる。
従来、密度が低く、断熱材や自動車の内装材などの用途で使用されているシートは、発泡スチロールや発泡ポリエチレンなどの高分子ポリマーが、断熱性、保温性に優れ、成形性、加工性、クッション性もよく、安価であるために大量に使用されているが、昨今の環境汚染防止への要望から、自然に分解したり、燃焼したりしても汚染物質の出ない紙などへの転換が進められている。
特許文献1は、深絞り適性及び成形体の成型保持性があり、熱プレス成型時の作業性に優れ、不透明性、耐油性、耐水性があり、フランジ部の平坦性が良く、トップシール適性に優れ、耐熱用途ではフィルム貼りを行っても木材パルプの配合率を5 1 重量% 以上としたことによって容器包装リサイクル法で紙として扱われ、高い生産効率で成型品を提供することを目的とし、N−BKP(針葉樹晒しクラフトパルプ)、熱可塑性合成繊維及び填料を主体として組成されており、そして表層、中層、裏層で構成される坪量250g/m以上の多層抄きによって、加工性に優れた熱成型可能な成型紙についての技術が記載されている。しかし、深絞り成形後のその密度は0.5g/cm程度で、密度の高いものであり、断熱性、保温性、クッション性などの特性を持つものではない。
特許文献2は、低密度体で、断熱性、保温性、耐衝撃性、クッション性等に優れた発泡体粒子混抄紙の提供を目的とし、天然パルプ100重量部に対して発泡性粒子を3〜20重量部添加し、混抄させ、加熱乾燥時に発泡することによって、密度0.1〜0.3g/cmの混抄紙を製造する方法が、示されているが、この場合、その成形性は十分ではなく、成形時に大きな伸びを要求される深絞りの成形を行う時に混抄紙が破断したり、混抄紙に皺がでたりして、深絞り成形を行うことが出来ない。
特許文献3は、特許文献2と同様に低密度体で、断熱性、保温性、耐衝撃性、クッション性等に優れた発泡体粒子混抄紙の提供を目的とし、天然パルプ50重量%以上で、他に合成パルプを配合した繊維層に対して、発泡性粒子を3〜20重量部添加し、混抄させ、密度0.1〜0.3g/cmの混抄紙を製造する方法が示されている。この文献の混抄紙の場合にも、大きな伸びを要求される深絞りの成型を行う場合には混抄紙が破断したり、混抄紙に皺がでたりして、深絞り成型を行うことが出来ない。
特開2006−022439号公報 特許第3024591号公報 特許第3166763号公報
以上に述べた通り、断熱性、保温性、クッション性などの特性をもつ嵩高深絞り成形体を、従来技術の様な問題を生じることなく製造することを可能とする熱成形可能な深絞り成形性シートを造る従来の技術は存在していない。
本発明の目的は、断熱性、保温性、クッション性などの特性をもつ嵩高い深絞り成形体を製造することを可能とする熱成形可能な成形性シートを通常の抄紙機を用いて製造し、しかも、嵩高成形体に深絞り成形を行うときに、破断・皺の発生のない該深絞り成形性シートを提供することである。
本発明者は、成形性、発泡性の点から検討を重ねた結果、N−BKP(針葉樹晒しクラフトパルプ)、熱可塑性合成繊維及び発泡性マイクロカプセル粒子を主体として組成される熱成形可能な発泡性成形性シートを多層で構成し、主として中間層に発泡性マイクロカプセルを混抄した場合に、驚くべきことに上記の課題が解決できることを見出した。
すなわち本発明は、N−BKP(針葉樹晒しクラフトパルプ)、熱可塑性合成繊維及び発泡性マイクロカプセル粒子を主体として組成される熱成形可能な発泡性成形性シートにおいて、該成形性シートが表層、少なくとも1層の中層、裏層で構成される木材パルプ配合率20質量%〜51質量%未満の多層抄きシートであり、該中層に繊維層100質量%当たり、加熱によってその直径が約4〜5倍及び体積が60倍以上に膨張する発泡性マイクロカプセル粒子を10〜50質量%配合し、表層および裏層には該発泡性マイクロカプセル粒子を配合しないかまたは中層よりも少なく最大10質量%配合し、抄紙機の乾燥工程で、該発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させずに乾燥後、キャレンダーに掛け、厚さ1mm以下で巻き取ることを特徴とする深絞り成形性シートに関する。
本発明の一つの実施形態においては、成形性シートの表裏層に前記発泡性マイクロカプセル粒子を繊維層100質量%当たり1〜10質量%添加し、前記多層抄きシート全体としての繊維層100質量%当たり、該発泡性マイクロカプセル粒子が8〜45質量%になることを特徴とする深絞り成形性シートに関するものである。
本発明の一つの有利な実施形態においては、熱可塑性合成繊維が、融点100〜180℃である多分岐状ポリエチレン系合成パルプであることを特徴とする深絞り成形性シートに関する。
本発明の一つの有利な実施形態においては、前記深絞り成形性シートにおいて、添加した発泡性マイクロカプセル粒子を、100〜220℃の加熱によって、直径が約4〜5倍、体積が60倍以上に膨張させ、発泡性マイクロカプセル粒子の含有量に依存してかつ使用目的に応じて、未発泡の多層抄きシートの厚さの好ましくは4〜8倍、特に好ましくは4〜6倍の厚さに発泡膨張させることを特徴とする深絞り成形性シートに関するものである。
本発明の一つの有利な実施態様においては、耐熱用途のために、成形性シートの表面をポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリメチルペンテンフィルムでラミネート加工してもよい。
本発明の一つの有利な実施形態においては、深絞り成形性シートの発泡方法として、乾燥したシートを熱プレス成形にて、目的の厚さのクリアランスを開けて温度100〜220℃で加熱発泡させ、その後で深絞り成形する方法がある。
また、本発明の深絞り成形性シートを、そのまま深絞り成形機に入れ、目的の厚さのクリアランスを開けて温度100〜220℃で直接的に加熱成形する方法もある。
本発明の一つの有利な実施形態においては、前記成形性シートの発泡後の密度が、0.1g/cm以下であることを特徴とする深絞り成形体に関する。
本発明の成形性シートは、木材パルプ、熱可塑性合成繊維及び発泡性マイクロカプセル粒子を組み合わせる構成によって、深絞りの成形を行うときに、破断・皺の発生なく深絞り成形可能であり、厚さ1mm以下であるためにリールでの巻き取りで皺や折れが発生せず、発泡ムラも発生せず、発泡後または深絞り成形後に断熱性、保温性、クッション性などの特性をもたせた機能性の高い、従来ではできなかった熱成形可能な0.1g/cm以下の低密度の成形体を提供することが可能となった。
本発明は、木材パルプと熱可塑性合成繊維と発泡性マイクロカプセル粒子とを混抄した熱成形可能な多層抄き成形性シートである。
本発明における熱可塑性合成繊維であるポリオレフィン系合成パルプとしては、汎用の抄紙機による湿式抄造プロセスに適した、多分岐状の繊維性状を有するポリエチレン又はポリプロピレンからなるポリオレフィン系合成パルプが好ましい。また、成形時の加熱によって木材パルプとの熱溶融による接着性に優れるものが好ましく、融点が100〜180℃のポリオレフィン系の合成パルプが安価であり、好適に用いられる。例えば、三井化学株式会社からSWPの商品名で市販されているものを使用できるが、本発明はこのSWPに限定されるものではない。
これらのポリオレフィン系合成パルプの形態は、抄紙機で抄紙できる範囲であれば短繊維でも長繊維でもよいが、その平均繊維長として0.1〜10mmの範囲内であることが好ましい。0.1mm未満では、繊維間の絡み合いが少なく実質的にシート状にすることが難しく、10mmを超えると抄紙で、均一なシートにすることが難しい。
本発明で使用する木材パルプとしては、主にN−BKP(針葉樹晒クラフトパルプ)に代表される木材漂白化学パルプが使用される。必要に応じてL−BKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、GP(砕木パルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、BCTMP(晒ケミサーモメカニカルパルプ)などの機械パルプ、古紙パルプを適宜配合する事も出来る。
本発明の成形性シートにおける熱可塑性合成繊維と木材パルプとの配合率は、表層、裏層と中層では異なっていてもよい。適正な配合率は、熱成形時の深絞り適性、成形体の形状安定性、作業性などを加味しながら予備実験によって容易に決定できる。
本発明の成形性シートにおける熱可塑性合成繊維の配合率は、表層、裏層においては、0〜30質量%、好ましくは、10〜25質量%とする。30質量%以上では、熱成形加工時に金型に融着しやすくなり、離型性が劣る。また、中層においては30〜100質量%、好ましくは40〜90質量%、更に好ましくは、45〜85重量%とする。30質量%未満では、熱成形加工後の深絞り適性及び成形体の形状安定性が劣る。また、全層として、木材パルプの配合率を20質量%〜51質量%未満、好ましくは30質量%〜51質量%未満、特に40質量%〜51質量%未満とするような配合率が好ましい。木材パルプの配合率が20質量%より少ないと、抄紙の際に十分な強度の湿紙が得られず、破断する恐れがある。
本発明の成形性シートに使用する発泡性マイクロカプセル粒子は、マイクロカプセル内に低沸点溶剤を封入した熱膨張性マイクロカプセルで、80〜220℃の温度で、短時間の加熱によってその直径が4〜5倍及び体積が60倍以上に膨張する平均径が5〜40μmの粒子である。低沸点溶剤としては、イソブタン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン、低沸点ハロゲン化炭化水素、メチルシランなどの揮発性有機溶剤を塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの共重合体から成る熱可塑性樹脂で包み込んだものである。これらの発泡性マイクロカプセル粒子として、例えばエクスパンセルDU、同WUF(スウェーデン製、販売元日本フィライト株式会社)が使用できるが、本発明はこのエクスパンセルDU、同WUFに限定されるものではない。
発泡性マイクロカプセル粒子の配合量は、成形性シートの中層繊維層100質量部%当たり、10〜50質量%、好ましくは10〜40質量%であり、より好ましくは10〜35質量%である。10質量%未満では、密度が高くなり、断熱性、保温性およびクッション性が低下し、50質量%を超えると、経済性の面から、あまり適当とはいえない。また、表裏層に入れる場合は、表裏層の繊維層100質量部%当たり、最大10質量%、好ましくは最大9質量%、特に好ましくは8質量%配合し、その量は中層の発泡性マイクロカプセル粒子の配合量よりも少ない。表裏層の該粒子配合量が10質量%より多いと、深絞り成形時に成形体に皺が発生する恐れがある。成形性シートの繊維層全体に対して8〜45質量%配合する。成形性シートの繊維全体に対する発泡性マイクロカプセルの配合量が8質量%未満であると、発泡量が少な過ぎて十分な断熱性、保温性およびクッション性を達成できず、45質量%を超える場合には十分な強度のシートを得ることができない。
本発明の成形性シート中には、前記パルプ、発泡性マイクロカプセル粒子の他に、本発明の目的効果を損なわない範囲で、一般的に使用されている各種の歩留り向上剤、紙力向上剤、内添サイズ剤、ピッチコントロール剤、消泡剤等の薬品類を適宜使用できる。
本発明の成形性シートは、長網抄紙機、円網抄紙機、長網と円網のコンビネーションマシンなどの一般的な多層抄き抄紙機によって製造される。
また、本発明の成形性シートにサイズプレス、ゲートロールなどの塗工方法にて、シートの表面に澱粉、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、蛍光増白剤などを塗布することも可能である。
本発明の成形性シートの坪量は、特に限定するものではないが通常200〜600g/m程度の範囲である。
発泡処理前の乾燥方法としては、特に限定されるものではなく、通常のシリンダードライヤーなどにおいて、発泡性マイクロカプセル粒子が発泡しない70℃以下での乾燥が必要である。
本発明の成形性シートのカレンダー処理は、シート厚の均一化と共に抄紙機で巻き取れる厚さに処理する目的で行われる。その厚さは、1mm以下である。カレンダー処理は、オンマシンで配置されているマシンカレンダー、その他にスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ブラッシカレンダー、マットカレンダー、ソフトカレンダーなどを用いることができ、カレンダーの種類は、特に限定されるものではない。
本発明の成形性シートの発泡方法の一つとして、巻き取られた発泡前の成形性シートを所定の大きさに断裁し、これを目的の厚さのクリアランスで上下からプレス加熱する方法が挙げられる。その際の密度は特に限定されないが、低密度であるのが望ましく、特に0.06〜0.13g/cmであることが望ましい。密度が、0.13g/cmより多い場合、発泡量が不十分であり、発泡成形体の断熱性、保温性、クッション性などの特性が失われる恐れがある。裁断し発泡した後の成形性シートは目的に応じて良好に深絞り成形することができる。
発泡方法のもう一つの方法として、目的の大きさに打ち抜き、成形機で加工する際に、成形機にて、所定の厚さで成形し、加熱発泡する方法が挙げられるが、成形時間が長く、成形効率が低下する恐れがある。
実施例:
本発明を実施例によって、更に詳細に説明するが、本発明は、勿論これに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部、添加%は固形分換算での質量部または、質量%である。
<成形性シートの製造>
表裏層として、N−BKP/SWP(三井化学社製、E620、融点135℃の多分岐状ポリエチレン系合成パルプ)=70/30%配合のパルプを混合し、カナディアンスタンダードフリーネス(以下「フリーネス」と略す。)500mlのパルプスラリーを得、内添サイズ剤としてロジン系エマルジョン(星光PMC社製、AL−120)を対パルプ0.3%、硫酸バンドを対パルプ1%、カチオン化澱粉(日本食品化工社製、ネオタック40T)を対パルプ1%添加し、丸網抄紙機にて、表裏層の目標坪量を50g/mとした。中層として、N−BKP/SWP(三井化学社製、E620)=50/50%配合し、フリーネス500mlのパルプスラリーとし、この繊維層100質量%当たり、発泡性マイクロカプセル粒子としてエクスパンセル930−120DU(スウェーデン製、販売元日本フィライト株式会社)25質量%を添加し、内添サイズ剤としてロジン系エマルジョン(星光PMC社製、AL−120)を対パルプ0.3%、硫酸バンドを対パルプ1%、カチオン化澱粉(日本食品化工社製、ネオタック40T)を対パルプ1%添加し、丸網抄紙機にて、2つの中層の目標坪量をそれぞれ200g/mとし、4層抄き合わせによって目標坪量500g/mにてシートを抄紙し、ドライヤーにて70℃で乾燥し、キャレンダーを掛け、厚さ1mmにてリールで巻き取り、発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させていない成形性シートを製造した。
<発泡させた嵩高成形体の調整>
上記の発泡前の成形性シートを縦20cm×横20cmの大きさに断裁し、熱プレス(ミニテストプレス−10、東洋精機社製)を用い、クリアランス6mmで、プレス上下の温度200℃にて、一分間プレスし、発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させた嵩高成形体を得た。
本発明の実施例における坪量、厚さ及び密度は、次のJISに従い、発泡ムラの有無、金型成形性については、目視で評価した。
a.坪量:JIS P 8124
b.厚さ、密度:JIS P 8118
c.発泡ムラ:目視にて評価
○:発泡ムラなし、実用レベルにある。
△:発泡ムラ幾分あり、実用に耐えない。
×:発泡ムラあり、実用に耐えない。
d.深絞り成形性:深さ10mmのトレイ成形機を用いて、雄雌金型をセットし温度(180±5)℃、プレス圧50kg/cm、クリアランス5mm、プレス時間10秒で連続成形を行い、材料破壊、皺発生の有無などの深絞り適性及び成形体の形状安定性を総合して評価した。
○:良好で、実用レベルにある。
△:やや劣り、実用に耐えない。
×:劣り、実用に耐えない。
実施例1の表裏層に繊維層100質量%当たり、発泡性マイクロカプセル粒子としてエクスパンセル007−40WUF(スウェーデン製、販売元日本フィライト株式会社)8質量%を添加した以外は、実施例1と同様にして、4層抄き合わせによって坪量500g/mにてシートを抄紙し、ドライヤーにて70℃で乾燥し、リールで巻き取り、発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させていない成形性シートを得、実施例1と同様に熱プレスにて、発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させた嵩高成形体を得た。
実施例1の原紙において、中層に繊維層100質量%当たり、発泡性マイクロカプセル粒子としてエクスパンセル930−120DU(スウェーデン製、販売元日本フィライト株式会社)30質量%を添加した以外は実施例1と同様にして、4層抄き合わせによって目標坪量500g/mにてシートを抄紙し、ドライヤーにて70℃で乾燥し、リール巻き取り、発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させていない成形性シートを得、実施例1と同様に熱プレスにて、発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させた嵩高成形体を得た。
[比較例1]
実施例1において、中層に繊維層100質量%当たり、発泡性マイクロカプセル粒子としてエクスパンセル930−120DU(スウェーデン製、販売元日本フィライト株式会社)9質量%を添加した以外は実施例1と同様にして、4層抄き合わせによって目標坪量500g/mのシートを抄紙し、ドライヤーにて70℃で乾燥し、リールで巻き取り、発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させていない成形性シートを得、実施例1と同様に熱プレスにて、発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させた嵩高成形体を得た。
[比較例2]
実施例1において、ドライヤーにて70℃で乾燥し、キャレンダーを掛けずに、厚さ1.5mmにて、リールで巻き取り、発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させていない成形性シートを得、実施例1と同様に熱プレスにて、発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させた嵩高成形体を得た。
[比較例3]
実施例1において、表裏層のN−BKP/SWP(三井化学社製、E620)=50/50%配合のパルプを混合した以外は実施例1と同様にして、4層抄き合わせによって目標坪量500g/mにてシートを抄紙し、ドライヤーにて70℃で乾燥し、リールで巻き取り、発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させていない成形性シートを得、実施例1と同様に熱プレスにて、発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させた嵩高成形体を得た。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2008075206
表の結果及び実施例から明らかなように、本発明の成形性シートは、木材パルプと熱可塑性合成繊維と発泡性マイクロカプセル粒子とを主体にした多層抄きシートにおいて、発泡性マイクロカプセル粒子が繊維層に対し、8〜45質量%である熱成形可能な成形性シートを製造することによって、比較的に密度が低く、断熱性、保温性、クッション性などの特性をもち、深絞り成形性を備えた成形性シートを提供することを可能とした。
詳細には、比較例1の中層の発泡剤の配合率が9%においては、発泡後の厚さが3.2mm(3.2倍)と発泡量が少なくかつ密度0.157g/cmと高いために、断熱性、保温性、クッション性が不十分である。また、比較例2では、発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させていない乾燥シートの厚さが1.5mmと、1mmを超えると、リールでの巻き取りで皺や折れが発生し、発泡ムラも発生し、深絞り適性が劣り成形性に問題が出る。さらに、比較例3では、表裏層の熱可塑性合成繊維の割合を50%と増やすと、熱成形時に金型にくっつき、外れにくくなり、成形性も不良となる。
以上のように、本発明の成形性シートは、特定量の木材パルプと熱可塑性合成繊維と発泡性マイクロカプセル粒子とを主体として、多層抄き構成されそして主として中層に発泡性マイクロカプセルを有することによって、深絞りの成形を行うときに混抄紙の破断・皺の発生なく良好な深絞り成形が可能あり、成形された嵩高成形物が形状安定性もあり、断熱性、保温性、クッション性などの特性をもつことを見出した。

Claims (4)

  1. N−BKP(針葉樹晒しクラフトパルプ)、熱可塑性合成繊維及び発泡性マイクロカプセル粒子を主体として組成される熱成形可能な発泡性成形性シートにおいて、該成形性シートが表層、少なくとも1層の中層、裏層で構成される木材パルプ配合率20質量%〜51質量%未満の多層抄きシートであり、該中層に繊維層100質量%当たり、加熱によってその直径が約4〜5倍及び体積が60倍以上に膨張する発泡性マイクロカプセル粒子を10〜50質量%配合し、表層および裏層に該発泡性マイクロカプセル粒子を配合しないかまたは中層よりも少なく最大10質量%配合し、抄紙機の乾燥工程で、該発泡性マイクロカプセル粒子を発泡させずに乾燥し、キャレンダーに掛け、厚さ1mm以下で巻き取ることを特徴とする深絞り成形性シート。
  2. 前記成形性シートの表裏層に前記発泡性マイクロカプセル粒子を繊維層100質量%当たり1〜10質量%添加し、前記多層抄きシート全体としての繊維層100質量%当たり、該発泡性マイクロカプセル粒子が8〜45質量%になることを特徴とする請求項1記載の深絞り成形性シート。
  3. 前記熱可塑性合成繊維が、融点100〜180℃である多分岐状ポリエチレン系合成パルプであることを特徴とする請求項1又は2記載の深絞り成形性シート。
  4. 前記成形性シートにおいて、100〜220℃の熱プレスによって、加熱させ発泡させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の深絞り成形性シート。
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