JP2008075061A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐候性に優れ、低極性の被着体に対する接着性、耐クラック性などの性能の向上を図ることが出来るエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤を必須成分として構成されるエポキシ樹脂組成物において、(A)エポキシ樹脂成分に少なくとも水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物のエポキシ当量としては、250〜900(g/eq)の範囲であることが好ましい。
なお、水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物中の水添テルペンフェノールはテルペンフェノール樹脂の水添物を意味する。
【選択図】なし

Description

本発明は、水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物を含むエポキシ樹脂成分から得られるエポキシ樹脂組成物に関するものである。
従来、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の芳香族系エポキシ樹脂が多く使用されているが、電子材料用部材や光学材料用部材に使用される封止材料、コーティング材料、塗料、インキ、接着剤などにおいては、芳香族系エポキシ樹脂では初期の色相が悪く、また、光、熱による色相変化が起こるため適していない。これに対し、良好な色相、耐変色性が求められる用途には、水添ビスフェノールA型、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂や、3,4−エポキシシクロヘキシル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環系エポキシ樹脂が使用されているが、これらエポキシ樹脂は一般的にエポキシ当量が低く、エポキシ樹脂として極性が高いため、高表面エネルギーの被着体に対しては良好な接着性を示すが、ポリオレフィン等の低表面エネルギーの被着体に対する接着性が低いという欠点がある。また、上記エポキシ樹脂のようにエポキシ当量が低い場合、架橋密度が高いため内部応力の緩和性に乏しく、耐クラック性に劣るという欠点がある。
特開2003−26763号公報 特開2003−212955号公報
本発明の目的は、耐候性に優れ、低表面エネルギーの被着体に対する接着性、耐クラック性などの性能の向上を図ることが出来るエポキシ樹脂組成物を提供するものである。
本発明は(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤を必須成分として構成されるエポキシ樹脂組成物において、(A)エポキシ樹脂成分に少なくとも水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物のエポキシ当量としては、250〜900(g/eq)の範囲であることが好ましい。
本発明に使用する水添テルペンフェノール樹脂は、水素添加(水添)処理により分子内の二重結合を低減させているため、初期の色相、耐候性が良好であり、熱による変色が起こりにくいという特徴を有する。また、水添テルペンフェノール樹脂は、炭化水素で構成されるテルペン骨格を分子中に含有するため、硬化物とした際、低表面エネルギーの被着体に対する接着性が上昇する。さらに従来のエポキシ樹脂と比べ、エポキシ樹脂の平均分子量が高く、尚且つ分子量分布が幅広いため、内部応力の緩和性に優れ、硬化後の樹脂組成物の耐クラック性が上昇する。
耐候性、低表面エネルギーの被着体に対する接着性、耐クラック性などの性能に優れた材料を提供することができる本発明のエポキシ樹脂組成物は、電子材料用部材や光学材料用部材に適しており、例えばLED等の封止材料、コーティング材料、塗料、インキ、接着剤など様々な用途への展開が可能となる。
本発明の水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物について説明する。
水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物は水添テルペンフェノール樹脂とエピクロルヒドリンやエピブロモヒドリン等のエピハロヒドリンとを反応させた化合物、もしくはテルペンフェノール樹脂とエピハロヒドリンと反応させた後、水添した化合物である。また、水添テルペンフェノール樹脂、およびテルペンフェノール樹脂の種類によって、また、エポキシ化する割合によって得られる水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物の性状を調製できることが特徴である。
ここで、原料のテルペンモノマーについて説明する。
原料の環状テルペンモノマーは、単環のテルペンモノマーであっても良いし、双環のテルペンモノマーであっても良い。原料である環状テルペンモノマーの具体例としては、リモネン、ジペンテン(リモネンの光学異性体)、テルピノーレン、α−ピネン、β−ピネン、テルピネン、メンタジエンなどが挙げられる。
原料であるフェノール類の具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどがあげられる。
テルペンフェノール樹脂は、例えば、テルペンモノマー1モルとフェノール類0.1〜50モルをフリーデルクラフト触媒のもとで、−10〜120℃の温度で0.5〜20時間、カチオン重合反応させて製造することが出来る。
反応溶媒を必ずしも必要としないが、通常、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類などの溶媒を使用しても良い。
このようにして製造されるテルペンフェノール樹脂としては、例えば、ヤスハラケミカル(株)製YSポリスターS145などがあげられる。
水添テルペンフェノール樹脂は、上記テルペンフェノール樹脂を水添することにより得られたものである。
水添する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、パラジウム、ルテニウム、ロジウムなどの貴金属またはそれらを活性炭素、活性アルミナ、珪藻土などの坦体上に担持したものを触媒として使用して行う方法が挙げられる。
この時、粉末状の触媒を懸濁攪拌しながら反応を行うバッチ方式にすることも、成形した触媒を充填した反応塔を用いた連続方式にすることも可能であり、反応形式は特に制限されない。
触媒の使用量は、反応がバッチ方式の場合、原料であるテルペンフェノール樹脂に対し0.1〜50重量%、好ましくは0.2〜20重量%である。触媒量が0.1重量%未満では、水素化反応速度が遅くなり、一方、50重量%を超えても経済的に不適なので好ましくない。
水添の際、反応溶媒を必ずしも必要としないが、通常、アルコール類、エーテル類、エステル類、飽和炭化水素類を使用しても良い。
水添の際の反応温度は、通常20〜300℃、好ましくは、50〜250℃である。反応温度が20℃未満であると、水素化速度が遅くなり、一方、300℃を超えると、水添物の分解が多くなり、分子量の低下、回収率の低下を招くため好ましくない。
水添の際の水素圧は、通常5〜300kg/cm2(0.49〜29.40MPa)である。好ましくは、50〜250kg/cm2である。さらに好ましくは80〜240kg/cm2である。5kg/cm2未満であると、水素化速度が遅くなり、一方、300kg/cm2を超えると、水添物の分解が多くなるため好ましくない。
水添テルペンフェノール樹脂の特徴は、テルペン由来の二重結合とフェノール由来の二重結合の水添度合いによって異なるが、本発明の水添テルペンフェノール樹脂の水添度合いは特に限定されないが、耐候性、耐熱変色性を重視する場合は、テルペン由来の二重結合、及びフェノール由来の二重結合を全て水添した樹脂が最も適している。
本発明で用いる水添テルペンフェノール樹脂、またはテルペンフェノール樹脂の水酸基価は特に限定されないが、10〜250mgKOH/gが好ましい。水酸基価が10mgKOH/g未満であると、水酸基を全てエポキシ化したとしても、架橋密度が低く、エポキシ樹脂の特性を低下させるため好ましくない。一方、250mgKOH/gを超える樹脂において、エポキシ化率が低い場合は、水添テルペンフェノール樹脂の水酸基を多く残存するため、硬化物の耐水性を損なうばかりでは無く、硬化物の極性が高く、低表面エネルギーの被着体に対する接着性が低下する。また、エポキシ化率が高い場合は、硬化剤の添加量が増え、高価な硬化剤では経済的に不利になるばかりでは無く、硬化物の極性が高く、低表面エネルギーの被着体に対する接着性が低下する上、硬化物が非常に硬くなりクラックが生じ易くなる。
本発明の水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物の製法は、水添テルペンフェノール樹脂をグリシジルエーテル化する方法、あるいはテルペンフェノール樹脂をグリシジルエーテル化した後、水添する方法があるが、特に限定されない。水添テルペンフェノール樹脂、及びテルペンフェノール樹脂とエピクロルヒドリンやエピブロモヒドリンなどのエピハロヒドリンとの反応は、例えば、イソプロピルアルコールやジメチルスルホキシドのような非プロトン性極性溶媒等の不活性な有機溶媒の存在下に苛性ソーダなどを添加して反応させることによりに得ることができる。また、触媒として4級アンモニウム塩を用いても良い、4級アンモニウム塩としてはテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等がある。
本発明の水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物のエポキシ当量は、GPCにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量を基に求めた値として、通常、200〜1500(g/eq)であるが、好ましくは、250〜900(g/eq)である。1500(g/eq)を超えると、水添テルペンフェノール樹脂に付加するエポキシ基の量が少ない水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物が多く含まれることになるため、硬化物とした場合、たとえ多官能の硬化剤を使用したとしても架橋密度が低く、硬化物の強度低下をはじめ、耐衝撃性の低下などを引き起こすため好ましくない。一方、200(g/eq)未満であると高極性のエポキシ樹脂が得られるため、耐水性の低下や低表面エネルギーの被着体への接着性低下を引き起こす。さらに、架橋間分子量の低下に伴い、架橋密度が上昇し、耐クラック性が低下するため好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂(A)成分のエポキシ樹脂は、上記水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物をエポキシ樹脂の主成分としているが、本発明の効果を大きく損なわない程度であれば、他のエポキシ樹脂、例えば水添ビスフェノールA型、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂や、3,4−エポキシシクロヘキシル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環族系エポキシ樹脂を混合して使用してもよい。
上記水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物をエポキシ樹脂の主成分は、少なくとも5%以上が好ましい。より好ましくは、10%以上である。5%未満では本発明の効果が十分見られない。
次に、本発明の(B)成分の硬化剤について説明する。
硬化剤については、多数考えられるが、LED等の封止材料やコーティング材料、塗料、インキなどの耐候性が求められる用途には脂環族系酸無水物あるいは脂肪族系酸無水物、さらには脂肪族系二塩基酸などが望ましく、例えば、脂環族系酸無水物であればヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルノルボルナン−2,3.−ジカルボン酸無水物、α−テルピネンやアロオシメン等のテルペン系共役ジエン構造を有する化合物と無水マレイン酸とのディールス・アルダー反応物の水素添加物、一方、脂肪族系酸無水物であればポリアジピン酸無水物やポリセバシン酸無水物などや、脂肪族系二塩基酸であればアジピン酸、セバシン酸などが好ましい。一方、初期の色相、光、熱による色相の変化が問題視されない場合はこの限りでなく、一般的に用いられているジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン等のアミン系や無水ヒロメリット酸、無水マレイン酸変性テルペン樹脂、スチレン・無水マレイン酸共重合物、ノボラック型フェノール樹脂、フェノールポリマー等のポリフェノール系(例えば:ジャパンエポキシ(株)製SBM3301)、レゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂型、BF3モノエチルアミン、BF3ピペラジン等の熱硬化型ルイス酸等を用いても良い。
(B)成分の配合量は、本発明の効果を発揮出来る状態であれば特に限定されないが、通常、エポキシ基1モルに対し、酸無水物基の当量比が0.5〜1.5モル、好ましくは0.8〜1.2モル程度である。当量比が0.5モル未満、1.5モル以上の場合は硬化物の耐水性の低下や、変色が起こりやすくなるため好ましくない。
本発明の(C)成分の硬化促進剤としては、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、2−メチルイミダゾール、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
(C)成分の配合量は、本発明の効果を発揮出来る状態であれば特に限定されないが、通常、エポキシ樹脂100重量部に対し、0.1〜10.0重量部、好ましくは、0.3〜5.0重量部程度である。配合量が0.1重量部未満であると硬化速度が著しく低下し、また、10.0重量部以上であると耐水性の低下や、変色が起こりやすくなるため好ましくない。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機充填剤、難燃剤などを添加することができる。
無機充填剤としては、溶融シリカ、結晶性シリカ、ガラス粉、アルミナ、シリコン等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
難燃剤としては、臭素化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン、ワン酸等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例により説明する。ただし本発明は実施例により限定されるものではない。
合成例1「水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物a(エポキシ樹脂(a))の合成」
(テルペンフェノール樹脂Aの合成)
温度計、撹拌装置、滴下ロートおよび冷却管を備えた内容積2リットルの4つ口フラスコを使用して、トルエン470g、触媒として塩化アルミニウム15gを仕込んだのち、75℃の温度に保持しながら攪拌し、α−ピネン(ヤスハラケミカル(株)製α−ピネン、純度95%)400g(約3モル相当)とフェノール(関東化学(株)製フェノール、純度99%)180g(約2モル相当)を2時間かけて滴下し、その後、4時間撹拌して反応させた。
次いで、該混合液を水洗し、触媒を除去した後、5mmHgの減圧条件下、最高到達温度250℃でトルエン等を蒸留により留去し、淡黄色樹脂状物のテルペンフェノール樹脂A、570gを得た。このテルペンフェノール樹脂の軟化点は125℃、GPCによる数平均重量分子量は620、重量平均分子量は810、Z平均重量分子量は1030であった。
(水添テルペンフェノール樹脂Aの合成)
合成例1で得られたテルペンフェノール樹脂Aを500g、シクロヘキサンを1000g、および粉末状の5%パラジウム担持アルミナ触媒10.0gを圧力容器に仕込み、次いで、これを密閉し、雰囲気を窒素ガスで置換した後、水素ガス10kg/cm2の圧力をかけて80kg/cm2とし、吸収された水素を補うことで圧力を80kg/cm2に保ちながら14時間反応させ、本発明の水添テルペンフェノール樹脂Aを500g得た。
この水添テルペンフェノール樹脂の軟化点は120℃、水酸基価は87mgKOH/g、GPCによる数平均重量分子量は640、重量平均分子量は810、Z平均重量分子量は1000であった。また、IR分析を行ったところ(パーキンエルマー社製Spectrum One システムB型)、フェノール由来の芳香環のピークが消失していたことが確認された。
この水添テルペンフェノール樹脂Aを400g、エピクロルヒドリン580g(水添テルペンフェノール樹脂の水酸基1モルに対して10倍モル相当)、イソプロピルアルコールを600g、テトラメチルアンモニウムクロライド4gを四つ口フラスコに仕込み、混合溶解させ、35℃まで昇温した後、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液270gを1時間かけて滴下した。滴下中、系内の温度は65℃まで昇温し、さらに30分間反応を継続した。反応終了後、水洗して副生塩、過剰の水酸化ナトリウム水溶液を除去し、さらに、減圧下で蒸留してエピクロルヒドリン、イソプロピルアルコールを留去して、粗製エポキシ樹脂を得た。この粗製エポキシ樹脂をトルエン1000gに溶解させ、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液20gを加え、65℃で1時間反応させた。反応終了後、第一リン酸ナトリウムを加えて過剰の水酸化ナトリウムを中和し、水洗して副生塩を除去した。さらに減圧下で溶剤を完全に除去して、エポキシ樹脂(a)を得た。得られたエポキシ樹脂の得られたエポキシ樹脂のOH価は3mgKOH/gであり、エポキシ化前の樹脂とのOH基の減少量とGPCにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量を基に求めたエポキシ当量は692g/eqであった。
合成例2「水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物b(エポキシ樹脂(b))の合成」
ヤスハラケミカル(株)製YSポリスターS145、水酸基価90mgKOH/gを400g、エピクロルヒドリン580g(テルペンフェノール樹脂の水酸基1モルに対して10倍モル相当)、イソプロピルアルコールを600g、テトラメチルアンモニウムクロライド4gを四つ口フラスコに仕込み、混合溶解させ、35℃まで昇温した後、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液270gを1時間かけて滴下した。滴下中、系内の温度は65℃まで昇温し、さらに30分間反応を継続した。反応終了後、水洗して副生塩、過剰の水酸化ナトリウム水溶液を除去し、さらに、減圧下で蒸留してエピクロルヒドリン、イソプロピルアルコールを留去して、粗製エポキシ樹脂を得た。この粗製エポキシ樹脂をトルエン1000gに溶解させ、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液20gを加え、65℃で1時間反応させた。反応終了後、第一リン酸ナトリウムを加えて過剰の水酸化ナトリウムを中和し、水洗して副生塩を除去した。さらに減圧下で溶剤を完全に除去して、エポキシ樹脂(b)の水添前品であるエポキシ樹脂(B)を得た。
このエポキシ樹脂(B)を300g、シクロヘキサンを600g、および粉末状の5%ルテニウム担持アルミナ触媒6.0gを仕込み、次いで、これを圧力容器に密閉し、雰囲気を窒素ガスで置換した後、水素ガス10kg/cm2の圧力をかけながら導入した。そして攪拌しながら加熱し150℃となったところで、水素の圧力を80kg/cm2とし、吸収された水素を補うことで圧力を80kg/cm2に保ちながら14時間反応させ、本発明のエポキシ樹脂(b)を得た。得られたエポキシ樹脂のOH価は5mgKOH/gであり、エポキシ化前の樹脂とのOH基の減少量とGPCにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量を基に求めたエポキシ当量は700g/eqであった。
実施例1
合成例1で得られたエポキシ樹脂(a)、硬化剤として、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、新日本理化製リカシッドMH700以下Me−HHPA、硬化促進剤として、北興化学工業社製テトラフェニルホスフォニウムブロマイド以下TPP−PBを使用して、エポキシ基:酸無水物基の比が1:1になるように表1に示す組成比(重量比)で計量し、混合した。この硬化前のエポキシ樹脂組成物を2.0mmの隙間を設けたハードクロムメッキした銅鉱板に挟み100℃、3時間加熱後、140℃で3時間加熱し硬化させた。この試験片を用いて、硬化物外観、耐熱変色、耐候性を評価した。また、接着性、耐クラック性についても硬化目のエポキシ樹脂組成物を用いて、次に示す方法により評価した。
1.硬化物外観:試料となるエポキシ樹脂組成物をハードクロムメッキした鋼板間に挟み、硬化後の外観を目視にて観察した。
2.接着性:ポリプロピレンとアルミ板間にエポキシ樹脂組成物を厚さ1.0mmで挟み、100℃、10時間加熱し硬化させた後、島津製作所製オートグラフAGS−10kNDを用いてせん断接着力を測定した。
3.耐クラック性:径25mm×L60mmのガラス製容器に20gのエポキシ樹脂組成物を注入した後、150℃、5時間の加熱条件で硬化を行い、直ちに20℃の恒温下に移して空冷し、各条件での耐クラック性を評価した。クラックの有無は目視によって評価し、7個のうちクラックが発生した個数を記録した。
4.耐熱変色:150℃にて60時間の試験前後のイエローインデックス(YI)値を日本電色工業(株)製COH−300Aを用いて、JIS規格のK3761に準拠して測定し、この値の差を求めた。
5.耐候性:得られた試験片をスガ試験機製キセノンウエザーメーターX75にて照射し、初期と100時間後のイエローインデックス(YI)値を日本電色工業製COH−300Aにて、JIS規格のK3761に準拠して行い、YI値の差を求めた。
実施例2
実施例1のエポキシ樹脂(a)の代わりにエポキシ樹脂(b)を用いた以外は全て同様の方法にて行った。
比較例1
実施例1のエポキ樹脂(a)の代わりに水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製YL6663)エポキシ当量205g/eqを用いた以外は全て同様の方法にて行った。
Figure 2008075061
本発明の水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物を含む新規エポキシ樹脂組成物は、耐熱変色性、耐候性に優れ、かつ、耐クラック性が良好であり、低表面エネルギーの被着体に対し高い接着性を有していることから電子材料用部材や光学材料用部材に使用される封止材料、コーティング材料、塗料、インキ、接着剤などへ幅広く利用できる。

Claims (2)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤を必須成分として構成されるエポキシ樹脂組成物において、(A)エポキシ樹脂成分に少なくとも水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 水添テルペンフェノールグリシジルエーテル化合物のエポキシ当量が250〜900(g/eq)の範囲である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
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