JP2008070595A - 電子写真現像剤用キャリアおよび現像剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなり、重量平均粒径Dwが22〜32μm、かつ重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.20である電子写真現像剤用キャリアであって、キャリア芯材粒子の投影断面の円相当径をDμm、芯材粒子内部に存在する最大の空隙の投影断面の円相当径をdμmとするとき、0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数比率が、0〜5000個数ppmであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
【選択図】図1
Description
二成分現像方式は、キャリアを使用することから、トナーに対する摩擦帯電面積が広いため、一成分方式に比較して、帯電特性が安定しており、長期にわたって高画質を維持するのに有利である。また、現像領域へのトナー量供給能力が高いことが特徴であり、レーザービームなどで感光体上に静電潜像を形成し、この潜像を顕像化するデジタル方式の電子写真システムにおいて、前述の特徴を活かした二成分現像方式が広く採用されている。
例えば、特許文献1では、スピネル構造を持つフェライト粒子からなり、平均粒径が30μm未満の磁性キャリアが提案されている。これは、樹脂コートされていないキャリアであって、低い現像電界のもとで使用するものであり、現像能力に乏しく、また樹脂コートされていないため、寿命が短い。
(1)単位体積当りの表面積が広いため、個々のトナーに充分な摩擦帯電を与えることができ、低帯電量トナー、逆帯電量トナーの発生が少ない。その結果、地汚れが発生しにくくなり、また、ドット周辺のトナーのちり、にじみが少なくドット再現性が良好となる。
(2)単位体積当りの表面積が広く、地汚れが発生しにくく、現像により充分な画像濃度が得られる。
(3)小粒径キャリアは、緻密な磁気ブラシを形成し、かつ穂の流動性が良いため、画像に穂跡が発生しにくいという特徴がある。
ただし、Fm:磁気束縛力、Fc:キャリア付着を引き起こす力である。
粒子内部に存在する空隙の様子は、種々の方法で検出できるが、以下の方法によっても、簡単に定量化することが可能である。
測定装置:X線顕微鏡(TUX-3000W) 株式会社東研、46KV、200μA、焦点寸法0.6μm
X線顕微鏡(TUX-3000W)写真における空隙部分、および空隙を含む粒子が外部に対して占める面積を、画像処理ソフト(Image-Pro PLUS Ver4.0:MEDIA CYBERNETICS社製)を使用して測定し、円相当径を算出した。
キャリアを2000個を上述の方法で測定・解析し、空隙の円相当径(d)と、各粒子が外部に対して占める面積の円相当径Dの比率d/Dを求め、キャリア付着とその存在確率を検討したところ、下記第(1)項に記載に示す関係が明確となり本発明に到った。
なお、円相当径は次式で表される。
即ち、以下の具体的な手段により、上記の課題を解決できる。
(1)「芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなり、重量平均粒径Dwが22〜32μm、かつ重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.20である電子写真現像剤用キャリアであって、キャリア芯材粒子の投影断面の円相当径をDμm、芯材粒子内部に存在する最大の空隙の投影断面の円相当径をdμmとするとき、0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数比率が、0〜5000個数ppmであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア」、
(2)「0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数比率が、0〜2000個数ppmあることを特徴とする前記第(1)項に記載のキャリア」、
(3)「キャリア芯材がMnMgSr系フェライトであることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の電子写真現像剤用キャリア」、
(4)「キャリア芯材がMnフェライトであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア」、
(5)「キャリア芯材がマグネタイトであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア」、
(6)「トナーとキャリアからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアとして、前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のキャリアを用いることを特徴とする電子写真用現像剤」、
(7)「トナーとキャリアとからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアが前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のキャリアであり、トナー濃度7重量%におけるトナーの帯電量が10〜50μc/gであることを特徴とする電子写真用現像剤」、
(8)「トナーとキャリアとからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアが前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のキャリアであり、該トナーの重量平均粒径が3.0〜9.0μmであることを特徴とする電子写真用現像剤」、
(9)「前記第(6)項乃至第(8)項のいずれかに記載の現像剤を用いることを特徴とする電子写真現像方法」、
(10)「感光体、前記現像剤と、現像スリーブを用い、現像スリーブと感光体の距離が0.4mm以下であり、かつ現像バイアスとして交流電圧及び/または直流電圧を印加することを特徴とする前記第(9)項に記載の電子写真現像方法」、
(11)「前記第(6)項乃至第(8)項のいずれかに記載の現像剤を用いる現像手段を有することを特徴とする画像形成装置」、
(12)「感光体、前記現像手段を有し、該現像手段が現像スリーブを用いるものであり、該現像スリーブと前記感光体の距離が0.4mm以下であり、かつ現像バイアスとして交流電圧及び/または直流電圧を印加することを特徴とする前記第(11)項に記載の画像形成装置」、
(13)「感光体と、該感光体の表面を帯電させる帯電ブラシと、前記第(6)項乃至第(8)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤を擁する現像部と、前記感光体の表面に残存する現像剤を払拭するブレードとを具備することを特徴とするプロセスカートリッジ」。
本発明においては、焼成後の芯材について、超音波振動ふるいなどによる分級と磁気分離法を併用することにより、空隙の大きな粒子を除去したものである。
即ち、キャリア芯材として使用される強磁性体、フェライト(フェリ磁性体)は、印加される磁界に対して質量に比例する磁化が発現し、磁界に束縛されている。
この束縛力の大きさを利用して磁化の小さい粒子(空隙の存在する質量の小さな粒子)を分離する。磁気分離する際、粒径分布が広いと質量の小さい粒子が存在している。従って、予め、分級処理を実施すると、空隙のある粒子を効率的に除去することが出来る。
分級処理と磁気選別を併用することによって、前記のような最大空隙を有する球状粒子の個数を、前記のように低い値に制御することができる。また、d/D=0.40のキャリア粒子は、空隙が存在しない場合に比べて、質量が前記のように約6重量%小さくなっているので、本発明におけるように粒子の形状が比較的揃っておりかつ粒径分布範囲が狭い芯材粒子の場合には、風力分離することも有効であり、また前記のように、1粒子あたりの磁化(emu)が約6%も低下し、現像スリーブに対する束縛力が小さくなっているので、磁気力を用いた分離も有効である。
さらに、空隙を除去するには、造粒後の粒子を焼成する際の温度の昇温パターンを制御することによって、空隙を小さくすることが出来る。
但し、x+y+z=100mol%であって、M、Nはそれぞれ、Ni、Cu、Zn、Li、Mg、Mn、Fe、Sr、Caなどであり、2価の金属酸化物と3価の鉄酸化物との完全混合物から構成されている。
また、Si、Ti、Ta,Nb,Vなどの添加物、およびCaなどのアルカリ土類金属を含んでも良い。
本発明のキャリアにおいて、下記一般式で表されるフェライト芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなり、好ましくは重量平均粒径Dwが22〜32μmである。
重量平均粒径Dwが前記範囲よりも大きいと、キャリア付着がより起こりにくくなるが、潜像に対してトナーが忠実に現像されなくなって、ドット径のバラツキが大きくなり粒状性が低下する。また、トナー濃度が高いと地汚れし易くなる。前記キャリア付着は、静電潜像の画像部又は地肌部にキャリアが付着する現象を示す。それぞれの電界が強いほどキャリア付着し易い。画像部は、トナー現像されることにより電界が弱められるため、地肌部に比べ、キャリア付着は起こり難い。
また、個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1〜1.20、より好ましくは1〜1.16である電子写真現像剤用キャリアである。1.20より大きいと、微粒子の比率が大きくなり、キャリア付着が悪化する。
d/D=0.40のキャリア粒子は、空隙が存在しない場合に比べて、質量が約14重量%小さくなっており、即ち、1粒子あたりの磁化(emu)が約6%低下し、現像スリーブに対する束縛力が小さくなっている。焼結タイプの芯材では、1個の粒子の中に複数個の空隙が存在する場合が多い。
この場合の重量平均粒径Dwは次式で表わされる。
また、本発明においてキャリア及びキャリア芯材粒子における個数平均粒径Dpは、個数基準で測定された粒子の粒径分布に基づいて算出されたものである。この場合の個数平均粒径Dpは以下の式で表わされる。
その測定条件は以下のとおりである。
[1]粒径範囲:100〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
該キャリア中の0.40<(d/D)<1.0である粒子は、より好ましくは個数比率が0〜2000個数ppmである。キャリア中の個数比率が減少することによって、キャリア付着が更に改善される。
本発明者らは、キャリアの磁気束縛力に関係する磁化について、1000エルステッド(Oe)の磁場を印加したときの磁化が、40emu/g以上、より好ましくは70emu/g以上とすることにより、キャリア付着が改良されることを見出した。その上限値は特に制約されないが、通常、150emu/g程度である。
キャリア芯材粒子の磁化が前記範囲よりも小さくなると、キャリア付着が生じやすくなるので好ましくない。
前記磁化は、以下のようにして測定することができる。
B−Hトレーサー(BHU−60/理研電子(株)製)を使用し、円筒のセルにキャリア芯材粒子1.0gを詰めて装置にセットする。磁場を徐々に大きくし、3000エルステッドまで変化させ、次に徐々に小さくして零にした後、反対向きの磁場を徐々に大きくし3000エルステッドとする。更に、徐々に磁場を小さくして零にした後、最初と同じ方向に磁場をかける。このようにして、BHカーブを図示し、その図より1000エルステッドの磁化を算出する。
フェライトとは、一般に下記式で表わされる焼結体である。
但し、x+y+z=100mol%であって、M、Nはそれぞれ、Ni、Cu、Zn、Li、Mg、Mn、Fe、Sr、Caなどであり、2価の金属酸化物と3価の鉄酸化物との完全混合物から構成されている。
また、Si、Ti、Ta,Nb,Vなどの添加物、およびCaなどのアルカリ土類金属を含んでも良い。
本発明のトナーとキャリアとからなる電子写真用現像剤において、キャリアは上記のいずれかに記載のキャリアであり、トナー濃度7重量%におけるトナーの帯電量が15〜35μc/gとすることにより、地汚れ、キャリア付着の更に良好な電子写真用現像剤が得られる。
本発明のキャリアとトナーとからなる現像剤において、キャリアに対するトナー重量の比率は、2〜20%、好ましくは3〜15%である。また、本発明の現像剤において、トナー濃度が7%のときのトナーの帯電量は、好ましくは10〜50μc/g、より好ましくは15〜35μc/gである。
帯電量が10μc/gより低いと、地汚れ、およびトナー飛散が多くなる。また、50μc/gより大きいとキャリア付着が起き易くなる。35μc/g未満ではキャリア付着が大変良好である。
一定量の現像剤を、両端に金属メッシュを備えた導体容器(ケージ)(15)に入れる。メッシュ(ステンレス製)の目開きはトナーとキャリアの粒径の中間のもの(目開き20μm)選び、トナーがメッシュの間を通過するように設定する。ノズルから圧縮窒素ガス(1kgf/cm2)を60秒間吹き付けて、トナーをゲージの外へ飛び出させると、ケージ内にトナーの電荷と逆極性を持ったキャリアが残される。
その電荷量Qと、飛び出したトナーの質量Mを測定し、単位質量当たりの電荷量を帯電量Q/Mとして算出する。トナー帯電量はμc/gで表示される。
重量平均粒径3.0〜5.0μmのトナーと、(1)〜(5)のいずれかのキャリアを使用し現像剤とすると、特に粒状性が良くなり、更に高画質化が達成される。
重量平均粒径5μm以下のトナーと、(1)〜(5)のいずれかのキャリアを使用し現像剤とすると、特に粒状性が良くなり、更に高画質化が達成される。
本発明のキャリアは、その抵抗率(LogR・cm)は、好ましくは11.0〜16.0、より好ましくは12.0〜14.0である。
キャリアの抵抗率が11.0よりも低いと、現像ギャップ(感光体と現像スリーブ間の最近接距離)が狭くなった場合、キャリアに電荷が誘導されてキャリア付着が発生し易くなる。感光体の線速度、および、現像スリーブの線速度が大きい場合、悪化の傾向が見られる。また、ACバイアスを印加する場合は顕著である。通常、カラートナー現像用キャリアは充分なトナー付着量を得るため、低抵抗のものが使用されることが一般的である。
上記の抵抗範囲のキャリアは、適正なトナー帯電量のもとで使用することにより、充分な画像濃度が得られることが判った。
また、16.0より大きいとトナーと反対極性の電荷が溜まりやすくなり、キャリアが帯電してキャリア付着が起き易くなる。
図5に示すように、電極間距離2mm、表面積2×4cmの電極(12a)、(12b)を収容したフッ素樹脂製容器からなるセル(11)にキャリア(13)を充填し、両極間に100Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(4329A+LJK 5HVLVWDQFH OHWHU;横川ヒューレットパッカード株式会社製)にて直流抵抗を測定し、電気抵抗率LogR・Ωcmを算出する。
キャリア抵抗測定の際の充填の度合いは、キャリアをセルにあふれるまで入れたのち、セル全体を20回タッピングしたのち、セルの上面を非磁性でできた水平なへらを用いてセルの上端に沿って一回の操作で平らにかきとる。充填の際に加圧は不要である。
これらの導電性微粉末は、以下の方法、即ち、コーティングに使用する溶媒、あるいは被覆用樹脂溶液に導電性微粉末を投入後、ボールミル、ビーズミルなどメディアを使用した分散機、あるいは高速回転する羽根を備えた攪拌機を使用することによって均一に分散することができる。
該アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
上記変性シリコーン樹脂の具体例としては、エポキシ変性物:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性物:KR−5203、アルキッド変性物:KR−206、ウレタン変性物:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性物:SR2115、アルキッド変性物:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)などが挙げられる。
ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
特に、流動床型コーティング装置を用いる方法は、均一な塗付膜を形成するのに有効である。
キャリア芯材粒子表面上に形成する樹脂層の厚みは、通常0.02〜1μm、好ましくは0.03〜0.8μmである。
本発明で用いるアミノシランカップリング剤としては以下のようなものが挙げられる。含有量は、0.001〜30重量%が好ましい。
スチレン系バインダー樹脂として、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル系バインダーとして、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレーが挙げられ、その他、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
アルコールとしては、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノーAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単位体、その他の2価のアルコール単位体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体を挙げることができる。
離型材料としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ホホバワックス、ライスワックス、モンタン酸ワックス等を単独または混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。
外添剤としては該無機微粒子の他に一般的な疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が1〜100nm、より好ましくは5nm〜70nmの無機微粒子を含むことが望ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
特に好適な添加剤としては、疎水化されたシリカ、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子があげられる。シリカ微粒子としては、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、HDK H 1303(以上クラリアントジャパン)やR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(以上日本アエロジル)がある。また、チタニア微粒子としては、P−25(日本アエロジル)やSTT−30、STT−65C−S(以上チタン工業)、TAF−140(富士チタン工業)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(以上テイカ)などがある。特に疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、T−805(日本アエロジル)やSTT−30A、STT−65S−S(以上チタン工業)、TAF−500T、TAF−1500T(以上富士チタン工業)、MT−100S、MT−100T(以上テイカ)、IT−S(石原産業)などがある。
疎水化処理された無機微粒子、シリカ微粒子及びチタニア微粒子、アルミナ微粒子を得るためには、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤で処理して得ることができる。
キャリアとして、前記(1)〜(5)のいずれかに記載のキャリアを用い、トナー濃度が7%のときの該トナーの帯電量が10〜50μc/gであり、トナーの重量平均粒径が3.0〜9.0μmを用い、かつ、現像スリーブと感光体の距離が0.4mm以下であり、かつ現像バイアスとして交流電圧を印加することを特徴とする電子写真現像方法により、キャリア付着の少ない、高画質を得ることができる。
本発明の現像方法は、前記した本発明のキャリア、トナー、および現像剤を用いて潜像を現像する方法である。該方法においては、外部から印加する現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳させた交流電圧を印加すると、充分な画像濃度が得られる。特に、ハイライトの粒状性が良好となる。
更に、現像バイアスとして、直流電圧のみを印加すると、キャリア付着、エッジ効果が大幅に改善され、また、地汚れ対する余裕度が大きくなるため、キャリアに対するトナー被覆率を上げられること、またトナー帯電量、および現像バイアスを下げることが可能となり、画像濃度アップを図ることができるので好ましい。
なお、感光体と、この感光体の表面を帯電させる帯電ブラシと、前記感光体の表面に形成される静電潜像を前記のキャリア、および現像剤を用いて現像する現像部と、前記感光体の表面に残存する現像剤を払拭するブレードとを具備することを特徴とするプロセスカートリッジとして電子写真システムに採用することができた。
図6は、本発明の電子写真現像方法および現像装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図6において、潜像担持体である感光体ドラム(20)に対向して配設された現像装置(40)は、現像剤担持体としての現像スリーブ(41)、現像剤収容部材(42)、規制部材としてのドクターブレード(43)、支持ケース(44)等から主に構成されている。
感光体ドラム(20)側に開口を有する支持ケース(44)には、内部にトナー(21)を収容するトナー収容部としてのトナーホッパー(45)が接合されている。トナーホッパー(45)に隣接した、トナー(21)とキャリア粒子(23)とからなる現像剤を収容する現像剤収容部(46)には、トナー粒子(21)とキャリア粒子(23)を撹拌し、トナー粒子に摩擦/剥離電荷を付与するための、現像剤撹拌機構(47)が設けられている。
感光体ドラム(20)とトナーホッパー(45)との間の空間には、現像スリーブ(41)が配設されている。図示しない駆動手段で図の矢印方向に回転駆動される現像スリーブ(41)は、キャリア粒子(23)による磁気ブラシを形成するために、その内部に現像装置(40)に対して相対位置不変に配設された、磁界発生手段としての図示しない磁石を有する。
現像剤収容部材(42)の、支持ケース(44)に取り付けられた側と対向する側には、規制部材(ドクターブレード)(43)が一体的に取り付けられている。規制部材(ドクターブレード)(43)は、この例では、その先端と現像スリーブ(41)の外周面との間に一定の隙間を保った状態で配設されている。
また、像担持体上に残存するトナー粒子は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード(61)にて、クリーニング機構(60)内のトナー回収室(62)へ回収される。
回収されたトナー粒子は、トナーリサイクル手段(図示せず)により現像部および/またはトナー補給部に搬送され、再使用されても良い。
画像形成装置は、上述の現像装置を複数配置し、転写媒体上へトナー像を順次転写した後、定着機構へ送り、熱等によってトナーを定着する装置であっても良く、一端中間転写媒体上へ複数のトナー像を転写し、これを一括して転写媒体に転写後同様の定着を行なう装置であっても良い。
トナーの製造例
(トナー製造例1)
ポリエステル樹脂 100部
キナクリドン系マゼンタ顔料 4.0部
含フッ素4級アンモニウム塩 4部
以上の各成分をブレンダーにて充分に混合した後、2軸式押出し機にて溶融混練し、放冷後カッターミルで粗粉砕し、ついでジェット気流式微粉砕機で微粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級して、重量平均平均粒径6.8μmのトナー母粒子を得た。
更に、このトナー母粒子100部に対して、疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)0.8部を加え、ヘンシェルミキサーで混合して、トナーIを得た。
トナー製造例1と全く同様にして母体トナーを作成し、重量平均粒径4.5μmの疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)の添加量1.2部のトナーIIを得た。
表1に示した性状を持つキャリア芯材粒子(a)(CuZn系フェライト1KOeの磁化55emu/g)を用意した。この芯材は、CuZnフェライトを、以下の方法で、分級、空隙除去処理を実施して得られた。
即ち、まず、超音波発振器付の振動ふるい機を用いて分級し、次に、イマジオカラー4000(リコー製デジタルカラー複写機・プリンター複合機)の現像器を使用し、主極の磁石(約1000ガウス)を、磁力の弱い250ガウスの磁石に取り替え、現像器単体で駆動出来る装置を作成した。
前記分級後の芯材をこの装置に投入し、以下の条件で、単体現像装置を10分間駆動させた。
ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター):0.30mm
現像スリーブ線速: 150mm/sec
その結果、250ガウスの主極の位置から、芯材粒子の一部が飛散・分離された。これらの粒子は、大きな空隙の存在する粒子が大半であった。
更に、再度、超音波発振器付の振動ふるい機を用いて分級し、表1に示す真球タイプのフェライト芯材粒子(a)を得た。
シリコーン樹脂(SR2411 トーレダウコーニングシリコーン社製)を希釈して、シリコーン樹脂溶液(固形分:5%)を得た。
流動床型コーティング装置を用いて、表1に示した性状を持つキャリア芯材粒子(a)(CuZn系フェライト1KOeの磁化55emu/g)5Kgの各粒子表面上に、上記のシリコーン樹脂溶液を、90℃の雰囲気下で30g/minの割合で塗布し、更に230℃で2時間加熱して、重量平均粒径Dw=27.9μm、Dw/Dp=1.13、1KOeの磁化55emu/gキャリア膜厚約0.27μmのキャリアAを得た。
このキャリアについて、X線顕微鏡(TUX-3000W)を使用して2000個の粒子について、空隙の大きさとその個数を調べた。
キャリア芯材粒子の投影断面の円相当径をDμm、芯材粒子内部に存在する最大の空隙の投影断面の円相当径をdμmとする時、0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数は、8個であり、4000個数ppmの割合であることが分かった。
製造例1と同様の方法で表1のフェライト芯材を使用して、製造例1と全く同様の方法でキャリアB〜キャリアJを製造した。
なお、キャリアGにおいては、コート材中にH2N(CH2)3Si(OC2H5)3を10部添加して、キャリアの帯電量を調整した。
それぞれのキャリアの特性、および芯材内部に0.4<(d/D)<1.0に相当する空隙を有するキャリア粒子の個数を調べた。
検討結果を表1に示す。
以上のトナー製造例1及び2で得たトナーI及びトナーIIと、キャリア製造実施例1〜10で得たキャリアA〜Jを用いて、種々の現像剤を製造した。
また、得られた現像剤を用いて画像形成を行ない、その画像品質確認および信頼性試験等の特性試験を行なった。
なお、画像はイマジオカラー4000(リコー製デジタルカラー複写機・プリンター複合機)を使用し、次の現像条件で作成した。
現像ギャップ(感光体−現像スリーブ):0.35mm
ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター):0.65mm
感光体線速度200mm/sec
(現像スリーブ線速度/感光体線速度)=1.80
書込み密度:600dpi
帯電電位(Vd):−600V
画像部(べた原稿)にあたる部分の露光後の電位(Vl):−150V
現像バイアス:直流電圧−500V/交流バイアス成分:2KHZ、−100V〜−900V、50%duty
品質評価は転写紙上で実施、但しキャリア付着は現像後転写前の状態を感光体上から粘着テープに転写して観察した。
(1)画像濃度:
上記現像条件における、30mm×30mmのベタ部の中心をX−Rite938分光測色濃度計で、5個所測定し平均値を出す。
上記現像条件における地肌部のよごれを10段階で評価した。ランクが高いほど地汚れが少なく、ランク10が最良。
評価方法/転写紙上の地肌部(非画像部)に付着しているトナーの個数を数え、1cm2当たり付着個数に換算して、地汚れランクとした。各ランクとトナー付着数(個/cm2)は以下のとおりである。
<ランク>
ランク10:0〜36
ランク9:37〜72
ランク8:73〜108
ランク7:109〜144
ランク6:145〜180
ランク5:181〜216
ランク4:217〜252
ランク3:253〜288
ランク2:289〜324
ランク1:325以上
下記の式で定義された粒状度(明度範囲:50〜80)を測定し、その数値を下記のようにランクに置き換え、表示した(ランク10が最良)。
粒状度=exp(aL+b)∫{WS(f)}1/2VTF(f)df
L:平均明度
f:空間周波数(cycle/mm)
WS(f):明度変動のパワースペクトラム
VTF(f):視覚の空間周波数特性
a,b:係数
L:平均明度
f:空間周波数(cycle/mm)
WS(f):明度変動のパワースペクトラム
VTF(f):視覚の空間周波数特性
a,b:定数
<ランク>
ランク10:−0.10〜0
ランク9:0〜0.05
ランク8:0.05〜0.10
ランク7:0.10〜0.15
ランク6:0.15〜0.20
ランク5:0.20〜0.25
ランク4:0.25〜0.30
ランク3:0.30〜0.40
ランク2:0.40〜0.50
ランク1:0.50以上
図10に各ランクの画像サンプルを示す。併せて、実施例の画像の拡大サンプルを示す。
キャリア付着が発生すると、感光体ドラムや定着ローラーの傷の原因となり、画像品質の低下を招く。キャリア付着しても一部のキャリアしか紙に転写してこないため、感光体ドラム上から粘着テープで転写して評価した。
副走査方向に2ドットライン(100lpi/inch)の画像パターンを作成し、直流バイアス400Vを印加して現像し、2ドットラインのライン間に付着したキャリアの個数(面積100cm2)粘着テープで転写し、その個数を以下のようにランクで置き換え、表示した。ランク10が最良。
<ランク>
ランク10:0
ランク9:1〜10個
ランク8:11〜20個
ランク7:21〜30個
ランク6:31〜50個
ランク5:51〜100個
ランク4:101〜300個
ランク3:301〜600個
ランク2:601〜1000個
ランク1:1000個以上
初期画像出しに使用したマゼンタトナーI、またはトナーIを補給しながら画像面積率6%の文字画像チャートで5万枚のランニング評価を行なった。上記現像条件における地肌部の地汚れを前記(2)と同じ基準でランク評価した。
キャリアA(93部)に対して、トナーIを7部加えてボールミルで20分攪拌して、7.0Wt%の現像剤を作成した。トナー帯電量は、−24μc/gであった。
次に、前記現像条件のリコー製イマジオカラー4000を使用し、前述の測定評価方法により、まず画像品質の確認を行なった。
画像濃度は1.67、地汚れランクは8、粒状性はランク7、キャリア付着はランク8であった。引き続き、画像面積率6%の文字画像チャートで5万枚のランニング評価を行なった。5万枚ランニング後に、地汚れを確認したところ、地汚れはランク8と良好なレベルであり、高画質が維持されていた。
トナーとキャリアの組み合わせを表2に示すように変更して、7wt%の現像剤を作成した以外は、実施例1と全く同様にして評価を行なった。
キャリア製造例(キャリア芯材特性、およびキャリア特性)を表1に、各実施例、比較例における品質評価結果を表2に示す。
12a 電極
12b 電極
13 キャリア
15 導体容器(ケージ)
20 感光体ドラム
21 トナー
23 キャリア
24a 駆動ローラ
24b 駆動ローラ
26 クリーニング前露光光源
32 像担持体帯電部材
33 像露光系
40 現像装置
41 現像スリーブ
42 現像剤収容部材
43 現像剤供給規制部材(ドクターブレード)
44 支持ケース
45 トナーホッパー
46 現像剤収容部
47 現像剤撹拌機構
48 トナーアジテータ
49 トナー補給機構
50 転写機構
60 クリーニング機構
61 クリーニングブレード
62 トナー回収室
64 ブラシ状クリーニング手段
70 除電ランプ
80 中間転写媒体
Claims (13)
- 芯材粒子と該粒子表面を被覆する樹脂層とからなり、重量平均粒径Dwが22〜32μm、かつ重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.20である電子写真現像剤用キャリアであって、キャリア芯材粒子の投影断面の円相当径をDμm、芯材粒子内部に存在する最大の空隙の投影断面の円相当径をdμmとするとき、0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数比率が、0〜5000個数ppmであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
- 0.40<(d/D)<1.0である粒子の個数比率が、0〜2000個数ppmあることを特徴とする請求項1に記載のキャリア。
- キャリア芯材がMnMgSr系フェライトであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真現像剤用キャリア。
- キャリア芯材がMnフェライトであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
- キャリア芯材がマグネタイトであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア。
- トナーとキャリアからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアとして、請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリアを用いることを特徴とする電子写真用現像剤。
- トナーとキャリアとからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアが請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリアであり、トナー濃度7重量%におけるトナーの帯電量が10〜50μc/gであることを特徴とする電子写真用現像剤。
- トナーとキャリアとからなる電子写真用現像剤であって、該キャリアが請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリアであり、該トナーの重量平均粒径が3.0〜9.0μmであることを特徴とする電子写真用現像剤。
- 請求項6乃至8のいずれかに記載の現像剤を用いることを特徴とする電子写真現像方法。
- 感光体、前記現像剤と、現像スリーブを用い、現像スリーブと感光体の距離が0.4mm以下であり、かつ現像バイアスとして交流電圧及び/または直流電圧を印加することを特徴とする請求項9に記載の電子写真現像方法。
- 請求項6乃至8のいずれかに記載の現像剤を用いる現像手段を有することを特徴とする画像形成装置。
- 感光体、前記現像手段を有し、該現像手段が現像スリーブを用いるものであり、該現像スリーブと前記感光体の距離が0.4mm以下であり、かつ現像バイアスとして交流電圧及び/または直流電圧を印加することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 感光体と、該感光体の表面を帯電させる帯電ブラシと、請求項6乃至8のいずれかに記載の静電潜像現像剤を擁する現像部と、前記感光体の表面に残存する現像剤を払拭するブレードとを具備することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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