JP2008069639A - インジェクタ駆動回路 - Google Patents

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博久 山村
Kunitoshi Inao
州俊 稲生
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Abstract

【課題】インジェクタ駆動回路について、インジェクタ駆動電流のONからOFFへの切換え時にインジェクタが完全に閉弁するまでの時間差を短縮する。
【解決手段】マイコン5AのPWM制御により所定のタイミングでインジェクタ駆動電流のON/OFFを切換えて、所定の燃料噴射量を実現するものとしたインジェクタ駆動回路1Aにおいて、その回路中にHブリッジ回路を具えたものとして、インジェクタ駆動電流のONからOFFへの切換え時にそのHブリッジ回路を介してインジェクタ10に逆向き駆動電流を出力することにより、インジェクタ10のコイルを逆励磁させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に燃料を供給するインジェクタを駆動させるためのインジェクタ駆動回路に関するものである。
内燃機関に燃料を供給するためのシステムにおいて、インジェクタを開閉制御するインジェクタ駆動回路は、一般に図3の配置図に示すように、電源4およびスイッチ手段6を備えた回路中に配設したインジェクタ10の上流側と下流側に、FET2a,3a等のスイッチング手段としてのトランジスタを配置してこれらをマイコン5BでON/OFFすることにより、インジェクタ10を開閉制御して的確な燃料噴射を実現している。
即ち、このインジェクタ駆動回路1Bによるインジェクタ駆動方式は、図4のタイムチャートで示した波形図及びバルブストロークのグラフから分かるように、ハイサイド(ON側)で噴射時間(Ti)を制御し、ローサイド(OFF側)で吸引時間(Tip)及び電流保持(PWM)を制御しながら、インジェクタ10のON(開弁)・OFF(閉弁)操作を実行して、所望のデューティー比を確保するものである。
しかし、このような制御方式を採用した場合、図4下段のバルブストロークのグラフに示すように、インジェクタ駆動電流のONからOFFへの切換え時において、インジェクタ10の完全に閉弁する時期が実際に出力された信号の電圧・電流波形よりも遅れるのが通常であり、これが原因で正確な燃料噴射量を実現しにくいものとなっている。
この問題に対し、特開平6−330797号公報にはインジェクタ駆動電流がOFFとなってインジェクタへの通電を停止するタイミングとなったとき、コンパレータの出力トランジスタをONとしてスイッチングトランジスタのベース電位を強制的にローレベルとすることにより、スイッチングトランジスタを完全に遮断することで、インジェクタの応答性を改善するインジェクタ駆動回路が提案されている。
この改善方式を採用することにより、通電停止からインジェクタが完全に閉弁するまでのタイムラグをある程度縮小することができるが、このように単にインジェクタへの通電を完全に止めただけでは、閉弁時期の遅れの解消は充分ではなく、所望のデューティー比を確保する精度の高い燃料噴射制御を実現することが実際には困難である。
特開平6−330797号公報
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、インジェクタ駆動回路について、インジェクタ駆動電流のONからOFFへの切換え時にインジェクタが完全に閉弁するまでの時間差を短縮することを課題とする。
そこで、本発明は、インジェクタ駆動電流のON/OFFをPWM制御により所定のタイミングで切換えて所定の燃料噴射量を実現するインジェクタ駆動回路において、前記インジェクタ駆動電流のONからOFFへの切換え時に前記インジェクタ駆動回路に配置したHブリッジ回路を介して前記インジェクタに逆向き駆動電流を出力することにより前記インジェクタのコイルを逆励磁させることとした。
このように、回路中にHブリッジ回路を設けてインジェクタOFF時にインジェクタを強制的に閉弁させるようにしたことで、完全に閉弁するまでの時間差を大幅に短縮できるものとして従来のインジェクタ駆動回路よりも応答性に優れたものとした。
また、そのインジェクタのコイルを逆励磁させる逆向き駆動電流の出力を、制御手段に予め設定した所定の電圧MAPに応じたパルス幅で行なうことにより、逆励磁によるインジェクタの閉弁に適した出力時間を確保することにより優れた応答性を実現しながら電力の浪費も防ぐことができる。
更に、上述したインジェクタの駆動回路において、そのHブリッジ回路はNPN型電界効果トランジスタおよびPNP型電界効果トランジスタを2組使用して、中央にインジェクタを配してH型を形成するように接続してなるものとすれば、マイコン等の電子的制御手段においてインジェクタ制御を正確に実行することができる。
本発明は、インジェクタ駆動電流のONからOFFへの切換え時に、Hブリッジ回路でコイルを逆励磁させる逆向きの駆動信号を出力してインジェクタを強制的に閉弁させることにより、インジェクタが完全に閉弁するまでの時間差を大幅に短縮することができる。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明における実施の形態についてのインジェクタ駆動回路1Aの配置図を示すものであり、インジェクタ駆動回路1Aは、図3に示した従来のインジェクタ駆動回路1Bに、NPN型のFET(電界効果トランジスタ)2bとPNP型のFET3bを追加して、FET2aとFET3aとでインジェクタ10を中央にしてH型に接続してなるHブリッジ回路を形成している点を特徴としている。
このインジェクタ駆動回路1Aに制御手段として配設されたマイコン5Aは、このHブリッジ回路に接続されてインジェクタ10への通電をON/OFF切換え制御を行うことに加えて、インジェクタ10に出力させるインジェクタ駆動電流の向きを逆向きに変更させる制御機能を備えている点が、マイコン5Bと相違している。
即ち、FET2aとFET3aを介してインジェクタ10をONにする開弁電流を出力させる機能に加えて、インジェクタ駆動電流のONからOFFへの切換え時に、追加したEFT2bとFET3bを介してインジェクタ10のコイルを逆励磁させて強制的に閉弁させる逆向きの駆動電流を出力させる機能を有している点が異なる。
また、マイコン5Aにはインジェクタ10のコイルを逆励磁させて短時間で確実に閉弁させるのに最適なパルス幅が、予め実験データ等により求められた電圧MAPとして記憶されており、これを用いてパルス幅を決定して逆向きの駆動電流を出力させるようになっている。このようにすることで、インジェクタ10を確実に閉弁させることができるとともに、電力の浪費を回避することができるものとなる。
次に、本実施の形態のインジェクタ駆動回路1Aの作用について、図2に記載したタイムチャート式に示した各波形図及びバルブストロークのグラフを用いながら詳細に説明する。
先ず、図2の上段の波形図に示すように、Hブリッジ回路のNPN型のFET2a及びPNP型のFET3aがONとなると、インジェクタ10がバルブ開動作を行って破線以降は開弁状態が維持される。
そして、マイコン5AがFET2a及びFET3aをOFFに切換えると同時に、新たに追加したNPN型のFET2b及びPNP型のFET3bをONにして、予め定めた電圧MAPによるパルス幅で逆向きの駆動信号を出力させてインジェクタ10を強制的に閉弁させる。これにより、最下段のバルブストロークのグラフに示すように図4の従来例によるグラフと比べてインジェクタ電流波形のOFF時から全閉までの時間差を大幅に短縮することを可能とした。
尚、上述した本実施の形態ではMOS型のFETを使用した例を示したが、ジャンクション型FETでも実施可能である。また、他のスイッチングトランジスタを使用しても実施可能であるが、マイコン制御において微小電流で正確な制御を可能とする点で電圧制御型のFETが好適である。
以上、述べたようにインジェクタ駆動回路について、インジェクタ駆動電流のONからOFFへの切換え時におけるインジェクタが完全に閉弁するまでの時間差を、本発明により大幅に短縮することが可能となった。これにより、インジェクタ駆動電流OFF後の余分な燃料噴射を最小限として的確なデューティー比の燃料噴射を確保可能となり、最適な燃料噴射量を比較的容易に実現できるものとなった。
本発明における実施の形態のインジェクタ駆動回路の配置図。 図1のインジェクタ駆動回路の作用を説明するための波形図及びバルブストロークを表すグラフ。 従来例によるインジェクタ駆動回路の配置図。 図4のインジェクタ駆動回路の作用を説明するための波形図及びバルブストロークを表すグラフ。
符号の説明
1A インジェクタ駆動回路、2a,2b,3a,3b FET、4 電源、6 スイッチ、5A マイコン、10 インジェクタ

Claims (3)

  1. インジェクタ駆動電流のON/OFFをPWM制御により所定のタイミングで切換えて所定の燃料噴射量を実現するインジェクタ駆動回路において、前記インジェクタ駆動電流のONからOFFへの切換え時に前記インジェクタ駆動回路に配置したHブリッジ回路を介して前記インジェクタに逆向き駆動電流を出力することにより前記インジェクタのコイルを逆励磁させることを特徴とするインジェクタ駆動回路。
  2. 前記逆向き駆動電流の出力を、前記制御手段に予め設定した所定の電圧MAPに応じたパルス幅で行うことにより前記逆励磁による前記インジェクタの閉弁に適した出力時間を確保することを特徴とする請求項1に記載したインジェクタ駆動回路。
  3. 前記Hブリッジ回路が、NPN型電界効果トランジスタおよびPNP型電界効果トランジスタを2組使用して、中央に前記インジェクタを配してH型を形成するように接続したこと特徴とする請求項1または2に記載したインジェクタ駆動回路。
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