JP2008069203A - 捺染用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】さまざまな布帛に対し、洗濯堅牢度および摩擦堅牢度に優れた捺染印刷物(印捺物)を簡便な方法で提供することができる捺染用インクを提供する。
【解決手段】高分子化合物により色材が包含されてなる着色剤、水、および水溶性有機溶剤を含む捺染用インクであって、前記高分子化合物が、自己架橋性基を含む親水性モノマー(M1)と、自己架橋性基を含む疎水性モノマー(M2)と、イオン性親水基を含むモノマー(M3)とを含む共重合体であり、前記共重合体100gあたり、前記モノマーM1とモノマーM2が合計で580〜680mmol含まれ、かつ、前記モノマーM1とモノマーM2のモル比が1:0.1〜1:6である捺染用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、捺染用インクに関し、特にインクジェット記録システムへの使用に適した捺染用インクに関する。
繊布、不繊布などの布帛に、文字、絵、図柄などの画像を捺染する方法として、スクリーン捺染法やローラー捺染法の他に、近年では、コンピュタで画像処理して実質無版で捺染できるインクジェット捺染方法が注目されている。
捺染用インクの色材としては、染料と顔料がある。染料を用いる場合、発色が良い、染料が繊維の官能基との反応を利用して染着するために染色堅牢度が高い、といった利点がある。しかし、染料自身の耐光性が低い、繊維の種類に合わせて染料を選定する必要があるとの問題がある。さらに、にじみ抑制のための前処理や、染料を定着させるための蒸し工程や未固着分の染料を洗浄する洗濯工程といった後処理が必要であって、これらの作業負担が生じるとともに、水質汚染やコスト高を引き起こす、といった課題が残されている。
一方、顔料を用いる場合、耐光性が高い、複数の繊維種に対応できる、色材除去工程が不要である、といった利点があり、染料に比べ、その簡便さが好まれている。
しかし、顔料定着のために、インクにバインダー成分を添加する必要があるため、染着部分が固くごわごわした仕上がりになって、風合いが低下するという問題がある。したがって、顔料インクの場合は、堅牢度(画像定着性)確保と風合い維持の両立が課題となっている。
特に、インクジェット用インクでは、吐出安定性およびヘッド放置後の吐出性、目詰まりの観点から、バインダー成分を多量に使用することができず、したがって堅牢度は不十分となってしまう。
インクジェット捺染用の顔料インクにおける堅牢度を向上させる試みとして、架橋構造を有する重合体で顔料を被覆する技術が知られている(特許文献1)。しかし、顔料と繊維の吸着力は、顔料を被覆している樹脂と繊維との間に働くファンデルワールス力、または樹脂によるアンカー効果によるものであるため、結合力としては弱く、充分な堅牢度は得られなかった。
樹脂により顔料を被覆させたコア/シェル構造とすることにより、顔料が直接擦られることを回避して、摩擦堅牢度を向上させる技術も知られている(特許文献2)。しかし、達成される摩擦堅牢度(JIS L0848、1996)は2−3級以上程度であり、さらに高い堅牢度の達成が求められている。
さらに、樹脂で被覆された顔料と、架橋剤としてのブロックイソシアネートを含有するインクジェット捺染用顔料インク(特許文献3)、および、顔料と、カルボキシル基を有する樹脂と、メラミン樹脂とを含有するインクが知られている(特許文献4)。
これらは、ブロックイソシアネートやメラミン樹脂のような架橋剤が、熱処理により、樹脂と架橋構造をとり、その結果、洗濯堅牢度を向上させるものである。しかし、これらのインクでは、インクジェットヘッドを放置した際に、インクの水分が減少して溶剤と水のバランスが崩れると、ブロックイソシアネートやメラミン樹脂が析出し、吐出不良や目詰まりを起こす恐れがある。
特開2002−338859号公報 特開2004−51820号公報 特開2003−268271号公報 特開2004−67807号公報
そこで、本発明は、綿等の天然繊維やポリエステル等の合成繊維など、さまざまな布帛に対し、洗濯堅牢度および摩擦堅牢度に優れた捺染印刷物(印捺物)を、多数の工程を必要とせず簡便に提供することができる捺染用インクを提供することを目的とする。
本発明は、高分子化合物により色材が包含されてなる着色剤、水、および水溶性有機溶剤を含む捺染用インクであって、前記高分子化合物が、自己架橋性基を含む親水性モノマー(M1)と、自己架橋性基を含む疎水性モノマー(M2)と、イオン性親水基を含むモノマー(M3)とを含む共重合体であり、前記共重合体100gあたり、前記モノマーM1とモノマーM2が合計で580〜680mmol含まれ、かつ、このモノマーM1とモノマーM2のモル比が1:0.1〜1:6である、捺染用インクに関する。
別の本発明は、高分子化合物により色材が包含されてなる着色剤、水、および水溶性有機溶剤を含む捺染用インクであって、前記高分子化合物が、N−メチロールエーテル基とイオン性親水基とを含み、高分子化合物100gあたり、前記N−メチロールエーテル基が580〜680mmol含まれ、かつ、前記N−メチロールエーテル基のなかで、エーテル鎖の炭素数が1または2であるN−メチロールエーテル基とエーテル鎖の炭素数が3以上であるN−メチロールエーテル基のモル比が1:0.1〜1:6である、捺染用インクに関する。
さらに別の本発明は、高分子化合物により色材が包含されてなる着色剤であって、前記高分子化合物が、自己架橋性基を含む親水性モノマー(M1)と、自己架橋性基を含む疎水性モノマー(M2)と、イオン性親水基を含むモノマー(M3)とを含む共重合体であり、前記共重合体100gあたり、前記モノマーM1とモノマーM2が合計で580〜680mmol含まれ、かつ、このモノマーM1とモノマーM2のモル比が1:0.1〜1:6である、着色剤に関する。
本発明に係る捺染用インク(以下、単に「インク」と記す場合もある。)では、着色剤として、特定の高分子化合物により包含(被覆あるいはカプセル化)された色材を用いているので、摩擦堅牢度および洗濯堅牢度を向上させることができる。
この理由としては、あくまで推論であるが、自己架橋性基を含む疎水性モノマーの自己架橋性基(疎水性自己架橋性基)が、高分子化合物内部での架橋反応を引き起こすことにより色材を取り囲む高分子膜強度を高めて堅牢度を向上させると共に、自己架橋性基を含む親水性モノマーの自己架橋性基(親水性自己架橋性基)が、着色剤粒子間および繊維と着色剤粒子間の結合を引き起こし、堅牢度を向上させていると考えられる。したがって、高分子化合物中にこれらの自己架橋性基を、所定の比率で所定量含むことにより、それぞれの効果を充分に発揮させることができる。
この高分子化合物は、イオン性親水基を含むので、これが着色剤の水中での安定性を確保するとともに、自己架橋性基の架橋反応を促進する作用ももたらすと考えられる。
さらに、本発明に係る捺染用インクを用いた捺染を行う場合、色材として染料を用いても、従来の捺染用染料インクの場合に必要であった、にじみ防止のための前処理や、前処理剤や未固着分の染料除去のための後処理も必要ではない。これは、色材を包含する高分子化合物と繊維の官能基との間に結合が生じ、色材が布帛に強固に定着するためであると考えられる。
本発明に係るインクに含まれる着色剤は、高分子化合物により包含された色材である。
色材としては、高分子化合物に内包されうるものであれば、顔料でも染料でもよく、特に限定されることはない。
顔料としては、当該技術分野で一般に用いられているものを任意に使用することができる。具体的には、たとえば、アゾ系、フタロシアニン系、染料系、縮合多環系、ニトロ系、ニトロソ系等の有機顔料(ブリリアントカーミン6B、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ジスアゾイエロー、ハンザイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アルカリブルー、アニリンブラック等);コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、バナジウム、マンガン、ニッケル等の金属類、金属酸化物および硫化物、ならびに黄土、群青、紺青等の無機顔料、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類を用いることができる。これらの顔料は、いずれか1種が単独で用いられるほか、2種以上が組み合わせて使用されてもよい。
染料も同様に、当該技術分野で一般に用いられているものを任意に使用することができ、たとえば、塩基性染料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染染料、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料等が挙げられる。
なかでも、色材として特に好ましいのは、これを包含する高分子化合物に対し溶解性を有する油溶性染料である。色材として油溶性染料を使用することにより、高分子化合物により包含されて、着色樹脂微粒子の形態となる。この着色樹脂微粒子は、印捺後の加熱処理により成膜し、その結果、粒子が繊維表面に残る顔料の場合よりも、摩擦堅牢度を向上させることができる。
このような油溶性染料としては、オリエント化学工業(株)製の各種製品:OIL BLACK HBB, 860, No.5, BS;OIL YELLOW 107, 3G, GG-S;OIL RED RR, 5B;OIL BLUE 2N, 613;VALIFAST BLACK 1807, 3810, 3820, 3830, 3840;VALIFAST YELLOW 1101, 1105, 1109, 1151, 3108, 3120, 4120, 4121;VALIFAST RED 3304, 3305, 3306, 3311, 3320;VALIFAST BLUE 1601, 1603, 1605, 1621, 2606, 2610, 2620等が挙げられる。
高分子化合物は、自己架橋性基を含む親水性モノマー(M1)と、自己架橋性基を含む疎水性モノマー(M2)と、イオン性親水基を含むモノマー(M3)とを含む共重合体である。
各モノマーの「親水性」および「疎水性」は、モノマーの水に対する溶解性により判断する。すなわち、50mlのビーカーに精製水(23℃)20gを入れ、そこにモノマー(23℃)10gを添加し、攪拌棒で軽く攪拌する。その結果、全体に均一な溶液を形成するモノマーを「親水性モノマー」、白濁または2層に分離するモノマーを「疎水性モノマー」とする。
モノマーM1とM2は、本願発明の効果を充分に発揮させる観点から、共重合体100gあたり、合計で580〜680mmol含まれている。好ましくは、この共重合体100gあたりのM1とM2の合計量は、640〜680mmolである。
さらに、このモノマーM1とM2のモル比は、それぞれの有する自己架橋性基の効果をバランスよく充分に発揮させる観点から、1:0.1〜1:6である。好ましくは、このM1とM2のモル比は1:0.1〜1:3である。
すなわち、親水性モノマーM1が一定量以上含まれることにより、堅牢度を充分に向上させることができるが、疎水性モノマーM2に対し多すぎると、高分子化合物の親水性が高くなりすぎて、保存安定性が低下する恐れがある。一方、疎水性モノマーM2が一定量以上含まれることにより、堅牢度を充分に向上させることができる。
自己架橋性基としては、N−メチロール基、N−メチロールエーテル基、イソシアネート基、グリシジル基等が挙げられる。なかでも、その架橋反応性、加熱処理後に発生する副生成物の安全性、およびインクのポットライフ等の観点から、N−メチロールエーテル基が含まれていることが好ましい。
さらに、N−メチロールエーテル基を用いることにより、エーテル部分の炭化水素基の炭素数を調整することで、そのモノマーの親水性と疎水性の制御を容易に行うことができる。親水性モノマーのN−メチロールエーテル基は、たとえば綿、麻等のOH基と反応して、−OCHN−結合を生じ、たとえば羊毛、絹等のNH基と反応して−NHCHN−結合を生じ、布帛に対する堅牢度を向上させると考えられる。
N−メチロールエーテル基を有するモノマーとして、たとえば、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エトキシメチルメタクリルアミド、N−n−ブトキシメチルメタクリルアミド、N−イソブトキシメチルメタクリルアミドが挙げられる。市販品としては、たとえば、笠野興産(株)製ワスマー(注「ワスマー」は「アマイド」と呼ばれることもある)2MA、ワスマーEMA、ワスマーNBM、ワスマーIBM、ワスマー3MA、ワスマーEMMA、ワスマーNBMM、ワスマーIBMM;MRCユニテック(株)製NMMA、NEMA、NBMA、NMMM、NEMM、NBMM、IBMM等が挙げられる。
これらのうち、たとえばN−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、およびN−エトキシメチルメタクリルアミドは親水性モノマー(M1)であり、N−ブトキシメチルアクリルアミド、およびN−ブトキシメチルメタクリルアミドは疎水性モノマー(M2)である。N−プロポキシメチルアクリルアミドおよびN−プロポキシメチルメタクリルアミドも、疎水性モノマー(M2)である。
N−メチロール基を有するモノマーとしては、たとえば、N−メチロールアクリルアミド(笠野興産(株)製ワスマーN−MAM60、MRCユニテック(株)製NMAA等)、N−メチロールメタクリルアミド(笠野興産(株)製ワスマーNM90等)が挙げられる。これらはいずれも、親水性モノマー(M1)である。
イソシアネート基を有するモノマーとして、たとえば、昭和電工(株)製カレンズAOI、MOI、MOI−BP, MOI−BM等が挙げられる。イソシアネート基を使用する場合、イソシアネート基をブロック化剤にてブロック化したものを用いるほうが、保存安定性の観点から好ましい。ブロック化したイソシアネート(ブロックイソシアネート)は、上述したカレンズMOI−BP、MOI−BM等の市販品もあるが、亜硫酸水素ナトリウム等を用いて、従来公知の手法でブロック化することも可能である。
これらのうち、カレンズAOI、カレンズMOIを亜硫酸水素ナトリウムでブロック化したモノマーは、親水性モノマー(M1)であり、カレンズMOI−BP、カレンズMOI−BMは疎水性モノマー(M2)である。
グリシジル基を有するモノマーとしては、和光純薬工業(株)、阪本薬品工業(株)、日本油脂(株)等から製品化されているグリシジルメタクリレートを好ましく用いることができる。これらはいずれも、疎水性モノマー(M2)である。
次に、高分子化合物中のイオン性親水基、すなわちイオン性親水基を含むモノマー(M3)のイオン性親水基としては、カチオン性基およびアニオン性基基がある。カチオン性基としては、4級アミノ基が代表的である。アニオン性基としては、カルボキシ基、スルホ基、ホスホン酸基等が挙げられる。
カチオン性親水基を有するモノマー(M3)としては、たとえば、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(共栄社化学(株)製DQ100、QDM)、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(MRCユニテック(株)製MAPTAC)、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート(MRCユニテック(株)製MOETAS)、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート等が挙げられる。
アニオン性親水基を有するモノマー(M3)としては、アクリル酸、メタクリル酸、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸(MRCユニテック(株)製TBAS)、p−スチレンスルホン酸ナトリウム(和光純薬工業(株))、アリルスルホン酸(和光純薬工業(株))等がある。
アニオン性基の場合は、高分子化合物合成時に自己架橋性基の架橋反応によるゲル化を防止するため、アニオン性基を重合前に中和する必要がある。好ましい中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。
自己架橋性基として、N−メチロールエーテル基を用いる場合に、イオン親水性基として好ましいのはアニオン性基のスルホ基である。N−メチロールエーテル基の架橋反応は、酸性触媒下で促進され、特に硫酸塩が有効であるから、スルホ基を着色剤粒子の安定性付与に必要なイオン性親水基として利用することにより、上記架橋反応の触媒作用をもたらすことができるからである。
スルホ基のなかでも、特に、印捺後の加熱処理温度よりも低沸点のアミンでスルホ基を中和したものを用いることが好ましい。それにより、加熱処理によりアミンが揮発・分解するため、スルホ基の酸触媒としての効果を発揮させうるとともに、アミンの残存による弊害(アミンと自己架橋性基との反応など)を回避できるからである。
具体的には、沸点がほぼ200℃以下のアミン、たとえばトリエチルアミン(沸点89.5℃)、ジイソプロピルアミン(沸点85.3℃)、ジイソブチルアミン(沸点140℃)などを対イオンとするスルホ基であることが特に好ましい。
イオン性親水基を含むモノマー(M3)の含有量は、全モノマーの0.1〜25重量%であることが好ましく、5〜15重量%であることがより好ましい。イオン性親水基の含有量が少なすぎると、色材を高分子化合物で包含させた時の粒径が大きくなり、保存安定性が低下する恐れがある。一方、イオン性親水基の量が多すぎると、水性インクの場合に保存時に高分子化合物が水に溶解し、粘度上昇を引き起こす恐れがある。
上記モノマーM1、M2、M3を含む共重合体は、それ以外のモノマーやオリゴマーを含んでいてもよい。これらのモノマーとしては、ビニルモノマー等の単官能モノマーまたはオリゴマーが好ましい。たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、などの(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル、スチレンなどが挙げられる。
さらに具体的には、たとえば、ノニオン性親水基を有するモノマーとして、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(日本油脂(株)製、以下同じ;ブレンマーE)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(ブレンマーP)、グリセリンメタクリレート(ブレンマーGLM)、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPE90、PE200、PE350)、ポリエチレングリコールモノアクリレート(ブレンマーAE90、AE200、AE400)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPP−1000、PP−800)、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPME100、PME200、PME400、PME1000、PME4000)、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPLE200)等が挙げられる。
これらのモノマーを含む高分子化合物(共重合体)は、公知のラジカル共重合により、容易に重合させることができる。反応系としては、溶液重合または分散重合で行うことが好ましい。
この場合、得られる高分子化合物の分子量を制御するために、重合時に連鎖移動剤を併用することが有効である。連鎖移動剤としては、たとえば、n−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタンなどのチオール類が用いられる。
重合開始剤としては、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)等のアゾ化合物、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂(株)製)等の過酸化物など、公知の熱重合開始剤を使用することができる。
溶液重合に用いる重合溶媒には、任意の溶剤を使用できる。
重合温度については、M1および/またはM2が自己架橋性基としてグリシジル基を有する場合に、このグリシジル基の重合時の開環を防止するために、あまり高温ではないほうが好ましく、65℃以下程度で重合させることが好ましい。
重合反応に際し、その他、通常使用される重合禁止剤、重合促進剤、分散剤等を反応系に添加することもできる。
高分子化合物の分子量については、耐溶剤性およびカプセル化の観点から、平均重量分子量(標準物質をポリスチレンとするゲル浸透クロマトグラフィー法により測定)が1000〜50万程度であることが好ましく、3000〜20万程度であることがより好ましい。
高分子化合物のガラス転移点は、−30℃〜0℃であることが好ましい。高分子化合物のガラス転移点が印捺後の加熱処理温度よりも低ければ、加熱処理時に高分子化合物が軟化して、着色剤と繊維とを密着させることができる。このガラス転移点が0℃より高いと、加熱処理後の架橋反応により、高分子化合物(樹脂)膜が硬くなり過ぎ、風合いが低下する恐れがある。一方、ガラス転移点が−30℃未満だと、印捺(印刷)後から加熱処理までの間に、印刷部がべたつき、取り扱い性が低下するとともに、インクジェット方式の場合、ノズルプレートでインクが乾燥した際、糸くずや埃を吸着し、吐出不良が起こる恐れがある。
別の本発明においては、高分子化合物は、N−メチロールエーテル基とイオン性親水基とを含み、高分子化合物100gあたり、N−メチロールエーテル基が580〜680mmol含まれ、かつ、N−メチロールエーテル基のなかで、エーテル鎖の炭素数が1または2であるN−メチロールエーテル基とエーテル鎖の炭素数が3以上であるN−メチロールエーテル基のモル比が1:0.1〜1:6である。
ここで、エーテル鎖の炭素数が1または2であるN−メチロールエーテル基は、本発明において親水性の自己架橋性基であって、エーテル鎖の炭素数が3以上であるN−メチロールエーテル基は、本発明において疎水性の自己架橋性基である。このN−メチロールエーテル基のエーテル鎖の炭素数は、色材の包含のしやすさという観点から、親水性のN−メチロールエーテル基は親水性が強い方が好ましく、疎水性のN−メチロールエーテル基は疎水性が強いほうが好ましい。したがって、親水性の自己架橋性基としてのN−メチロールエーテル基のエーテル鎖の炭素数は1であることが好ましく、疎水性の自己架橋性基としてのN−メチロールエーテル基のエーテル鎖の炭素数は4以上であることが好ましい。
色材を高分子化合物(膜材)で包含(あるいはマイクロカプセル化)する手法は、従来公知の手法を用いることができる。具体的には、有機溶媒に高分子化合物を溶解させた油相に色材を分散させ、ここに水を徐々に添加して乳化および転相させて、高分子化合物で包含された色材(着色剤)粒子を水中に形成させる転相乳化法;顔料粒子表面にモノマーを吸着させた後、懸濁重合させる懸濁重合法(色材協会誌、70、503−508頁、1997年)、顔料粒子表面に重合開始剤を導入した後、モノマーをグラフト重合させる方法(色材協会誌、69、743−749頁、1996年)などを挙げることができる。
ほかにも、in situ重合法、コアセルべーション法などによるカプセル化も好ましい。
被覆する高分子化合物の量は、高分子化合物の組成によっても異なるが、色材1重量部に対し、0.1〜5重量部であることが好ましく、0.5〜3重量部が好ましい。高分子化合物の量が0.1重量部未満であると、堅牢度を充分に向上させることができない恐れがあり、5重量部を越えると、インク中の着力剤量を増やすことができず、画像濃度が低下する恐れがある。
このようにして得られる着色剤の平均粒径は、10〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがより好ましい。この平均粒径は、着色剤を固形分1重量%となるように精製水で希釈し、(株)堀場製作所製の動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500を用いて測定した値である。
インクは、着色剤、水、および水溶性有機溶剤を含む。
着色剤(固形分)は、適宜調整することができ、たとえば必要な発色を確保する等の観点から、インク中に0.1〜15重量%含まれていることが好ましい。
水は、粘度調整の観点から、インク中に、20〜80重量%含まれていることが好ましく、30〜70重量%含まれていることがより好ましい。
水溶性有機溶剤としては、室温で液体であり、水に溶解可能な有機化合物が用いられる。たとえば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−2−プロパノール等の低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類;グリセリン;アセチン類(モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン);トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコール類の誘導体;トリエタノールアミン、1−メチル−2−ピロリドン、β−チオジグリコール、スルホランを用いることができる。平均分子量200、300、400、600等の平均分子量が190〜630の範囲にあるポリエチレングリコール、平均分子量400等の平均分子量が200〜600の範囲にあるジオール型ポリプロピレングリコール、平均分子量300、700等の平均分子量が250〜800の範囲にあるトリオール型ポリプロピレングリコール、等の低分子量ポリアルキレングリコールを用いることもできる。これらの水溶性有機溶剤は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
水溶性有機溶剤は、粘度調整と保湿効果の観点から、インク中に1〜80重量%含まれていることが好ましく、10〜60重量%であることがより好ましい。
インクの粘度は、適宜調節することができるが、たとえば吐出性の観点から、1〜30mPa・sであることが好ましい。この粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおけるインク粘度である。
インクには、通常、顔料等の着色剤をインク中に良好に分散させるための分散剤が配合されるが、本発明で用いる着色剤は、特定の高分子化合物で包含されることにより、分散剤を添加しなくても、良好な分散安定性を確保することができる。しかし、一般に使用される分散剤を適宜添加してもよい。
その他、インクには、上記の成分に加え、任意に、湿潤剤(保湿剤)、表面張力低下剤(界面活性剤)、消泡剤、定着剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤等を適宜含有させることができる。
湿潤剤としては、多価アルコール類を使用することができる。表面張力低下剤として、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、または高分子系、シリコーン系、フッ素系の界面活性剤を使用できる。
インクの粘度やpHを調整するために、インクに電解質を配合することもできる。電解質としては、たとえば、硫酸ナトリウム、リン酸水素カリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸カリウム、ホウ酸ナトリウムが挙げられ、2種以上を併用してもよい。硫酸、硝酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン等も、インクの増粘助剤やpH調整剤として用いることができる。
酸化防止剤を配合することにより、インク成分の酸化を防止し、インクの保存安定性を向上させることができる。酸化防止剤としては、たとえば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、イソアスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムを用いることができる。
防腐剤を配合することにより、インクの腐敗を防止して保存安定性を向上させることができる。防腐剤としては、たとえば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾロン系防腐剤;ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン等のトリアジン系防腐剤;2−ピリジンチオールナトリウム−1−オキシド、8−オキシキノリン等のピリジン・キノリン系防腐剤;ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム等のジチオカルバメート系防腐剤;2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン等の有機臭素系防腐剤;p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、サリチル酸を用いることができる。
上記のインクを用いて捺染印刷(印捺)することにより、画像濃度が高く、堅牢度の高い捺染印刷物を得ることができる。
印捺方法は、特に限定されないが、インクジェット記録装置を用いて行われることが好ましい。インクジェットプリンタは、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドからインクの液滴を吐出させ、吐出されたインク液滴を任意の布帛に付着させるようにする。その際、本発明に係るインクの場合、色材として染料を使用しても、従来染料インクの場合ににじみ防止のために必要であった前処理を行う必要はない。
布帛としては、綿、絹、羊毛、麻、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の任意の天然・合成繊維からなる布帛を用いることができる。本発明に係るインクは、様々な素材の布帛に対し、堅牢度の高い捺染印刷物を提供することができる。
インク液滴を布帛上に付着させたのち、加熱処理を行う。このときの処理条件は、布帛の素材によっても異なるが、通常100〜220℃で1〜30分であり、より好ましくは、110〜180℃で1〜10分である。
この加熱処理により、色材を包含する高分子化合物の自己架橋性基が架橋し、着色剤が布帛に定着する。この加熱処理と同条件を適用した場合の、高分子化合物のTG−DTA重量減量率は、10〜15%が望ましい。この重量減少率が10%未満では、架橋反応量が少なく、高分子化合物の膜強度が充分に向上しない恐れがある。一方、重量減少率が15%より多いと、架橋反応が起こりすぎて、高分子化合物の膜強度が硬くなり、風合いが低下する傾向がみられる。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、「重量%」を「%」、「重量部」を「部」と記す。
(実施例1)
<高分子化合物(1)の合成>
イソプロピルアルコール35部、精製水7部、およびメチルエチルケトン33部に、表1に示すモノマー、中和剤、AIBN(アゾイソブチロニトリル)0.1部を溶解したモノマー溶液を調製した。500mlのセパラブルフラスコに、別途イソプロピルアルコール35部、精製水7部、メチルエチルケトン33部を添加し、窒素気流下、70℃に昇温し、ここに上記モノマー溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後3時間反応させ、AIBNを0.1部追加し、さらに3時間反応させることで、高分子化合物(1)を合成した。
反応に際し、重合前後の反応液全体の重量を測定しておき、重量減少分(溶媒揮発分)はメチルエチルケトンを補填した。
得られた高分子化合物(1)の重量平均分子量、ガラス転移点、およびTG−DTA重量減量率を測定した。重量平均分子量はGPC法により、(株)島津製作所製HPLC SIL 10A(shodex社製GPCカラム(GPC KD-804およびGPC KD-805)を装着、移動相として20mM臭化リチウム/DMF溶液を使用、流速0.8ml/分)を用いて測定し、(株)島津製作所製示唆屈折率検出器RID-10Aにより検出し、標準ポリスチレン換算により求めた。ガラス転移点は、(株)リガク製DSC8230により測定した。TG−DTA重量減量率は、(株)リガク製TG8110により、70℃で30分放置後、10℃/分で180℃まで昇温して10分間保持し、その間の重量変化を測定することにより求めた。
<着色剤分散液の作製>
100mlのビーカーに、OIL Collor HBB(オリエント化学工業(株)製)4部、高分子化合物(1)溶液(固形分40%)10部、メチルエチルケトン6部を添加し、30分攪拌した。その後、超音波分散機にて分散しながら、水40部を徐々に添加した。
添加終了後、ロータリーエバポレーターにてメチルエチルケトンを留去し、高分子化合物で包含された染料からなる着色剤の分散液を得た。
溶媒留去前後の反応液全体の重量を測定しておき、重量減少分は水を補填した。
着色剤粒子の平均粒径は、固形分1重量%の水溶液を調製して、(株)堀場製作所製の動的光散乱式粒度分布測定装置LB−500により測定した。
<インクの作製>
得られた着色剤分散液を用い、ここに表2の配合になるように残りの成分を添加し、得られた混合液から0.8μmのメンブレンフィルターを用いて粗粒子を除去し、インクを作製した。表2において、サーフィノールS465は、エアープロダクツ社の製の界面活性剤である。
インクの粘度は、HAAKE社製レオメータRS75により測定した。
(実施例2〜7、比較例1〜5)
上記実施例1と同様に、表1に示す各高分子化合物を合成した。
得られた各高分子化合物を用いて、実施例1と同様な手法で、表2に示す処方にしたがって、各実施例および比較例のインクを調製した。
Figure 2008069203
Figure 2008069203
表1において、モノマーM1であるN−メトキシメチルアクリルアミドは笠野興産(株)製ワスマー(アマイド)2MA(化1)であり、モノマーM2であるN−ブトキシメチルアクリルアミドは同ワスマー(アマイド)NBM(化2)である。
Figure 2008069203
Figure 2008069203
モノマー(M3)であるアニオン製モノマー:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸は和光純薬工業(株)製AMPS(化3)である。
Figure 2008069203
得られたインクの性能を、以下の基準に従って評価した。
<保存安定性>
ガラス密閉容器にインクを入れ、70℃で1ヶ月間放置前後の粘度を測定し、変化率から以下のように評価した。
A:粘度変化率が±5%以内
B:粘度変化率が±10%以内
D:粘度変化率が±10%以上
各インクを、ピエゾ圧電方式のインクジェット記録装置「HC5000」(理想科学工業(株))に装填し、布帛(綿、ポリエステル)にベタで印捺して、印捺物を作製した。印捺後、180℃で10分間、熱処理を行った。
<摩擦堅牢度>
JIS L0849に規定の方法に従い、I型試験機を用いて評価した。
A:4−5級〜5級
B:3−4級〜4級
C:2−3級〜3級
D:2級以下
<洗濯堅牢度>
三洋電機(株)製全自動洗濯機ASW−45A1型を用いて、各印捺物を10回洗濯し、変退色グレースケールを用いて、退色の度合いを評価した。
A:5級
B:4級〜4−5級
C:3−4級〜4級
D:3級以下
得られた結果を、表2に併せて示す。

Claims (9)

  1. 高分子化合物により色材が包含されてなる着色剤、水、および水溶性有機溶剤を含む捺染用インクであって、
    前記高分子化合物が、自己架橋性基を含む親水性モノマー(M1)と、自己架橋性基を含む疎水性モノマー(M2)と、イオン性親水基を含むモノマー(M3)とを含む共重合体であり、
    前記共重合体100gあたり、前記モノマーM1とモノマーM2が合計で580〜680mmol含まれ、かつ、
    前記モノマーM1とモノマーM2のモル比が1:0.1〜1:6である、捺染用インク。
  2. 前記共重合体100gあたりのモノマーM1とモノマーM2の合計量が640〜680mmolであり、前記モノマーM1とモノマーM2のモル比が1:0.1〜1:3である、請求項1記載の捺染用インク。
  3. 前記高分子化合物のガラス転移点が−30〜0℃である、請求項1または2記載の捺染用インク。
  4. 前記色材が油溶性染料である、請求項1〜3のいずれか1項記載の捺染インク。
  5. 前記高分子化合物の自己架橋性基が、N−メチロール基、N−メチロールエーテル基、イソシアネート基、およびグリシジル基からなる群から選ばれる1種以上の基である、請求項1〜4のいずれか1項記載の捺染用インク。
  6. 前記高分子化合物のイオン性親水基が、スルホ基、カルボキシ基、および4級アミノ基からなる群から選ばれる1種以上の基である、請求項1〜5のいずれか1項記載の捺染用インク。
  7. 前記自己架橋性基がN−メチロールエーテル基であり、前記イオン親水性基が沸点200℃以下のアミンで中和されたスルホ基である、請求項1〜6のいずれか1項記載の捺染用インク。
  8. 高分子化合物により色材が包含されてなる着色剤、水、および水溶性有機溶剤を含む捺染用インクであって、
    前記高分子化合物が、N−メチロールエーテル基とイオン性親水基とを含み、
    高分子化合物100gあたり、前記N−メチロールエーテル基が580〜680mmol含まれ、かつ、
    前記N−メチロールエーテル基のなかで、エーテル鎖の炭素数が1または2であるN−メチロールエーテル基とエーテル鎖の炭素数が3以上であるN−メチロールエーテル基のモル比が1:0.1〜1:6である、捺染用インク。
  9. 高分子化合物により色材が包含されてなる着色剤であって、
    前記高分子化合物が、自己架橋性基を含む親水性モノマー(M1)と、自己架橋性基を含む疎水性モノマー(M2)と、イオン性親水基を含むモノマー(M3)とを含む共重合体であり、
    前記共重合体100gあたり、前記モノマーM1とモノマーM2が合計で580〜680mmol含まれ、かつ、
    前記モノマーM1とモノマーM2のモル比が1:0.1〜1:6である、着色剤。
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