JP2008069055A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008069055A
JP2008069055A JP2006250439A JP2006250439A JP2008069055A JP 2008069055 A JP2008069055 A JP 2008069055A JP 2006250439 A JP2006250439 A JP 2006250439A JP 2006250439 A JP2006250439 A JP 2006250439A JP 2008069055 A JP2008069055 A JP 2008069055A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
single crystal
silicon
dopant
silicon single
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006250439A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Hisaichi
俊雄 久一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Coorstek KK
Original Assignee
Covalent Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Covalent Materials Corp filed Critical Covalent Materials Corp
Priority to JP2006250439A priority Critical patent/JP2008069055A/ja
Publication of JP2008069055A publication Critical patent/JP2008069055A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

【課題】低い温度で溶融し、飛び跳ねの生じにくい、炭素のドープ剤を使用することにより、炭素をドープしたシリコン単結晶の生産性を向上させ、製造コストを低減することを可能とするシリコン単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】チョクラルスキー(CZ)法による炭素をドープしたシリコン単結晶の製造方法であって、ルツボにシリコン原料と、少なくとも炭素を含有したシリコンのドープ剤とを供給する工程と、シリコン原料とドープ剤とを溶融して原料融液とする工程を有し、ドープ剤中の炭素含有量が、ドープ剤中のシリコン含有量と炭素含有量の総和に対し、0.2原子%以上1.0原子%以下であることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー(CZ)法によるシリコン単結晶の製造方法に関し、特に炭素をドープしたシリコン単結晶の製造方法に関する。
単結晶、例えばシリコン単結晶の製造方法として、いわゆるチョクラルスキー法(CZ)法が知られている。この方法では、単結晶製造装置のチャンバ内に設置されたルツボに原料塊を収容し、ヒータを高温加熱してルツボ内の原料を融液とする。そして、原料融液面に種結晶を着液させ、種結晶の下方に所望の直径と品質とを有するシリコン単結晶を育成する。
このようにして育成されたシリコン単結晶には、原料融液を貯留する石英ルツボからの溶出等によって、酸素が含有される。
CZ法によって育成されたシリコン単結晶から切り出されたウェーハにおいては、ウェーハ中の上記酸素が析出することにより、酸素誘起積層欠陥(Oxidation induced Stacking Fault、以下OSFという)が発生する。このOSFは、ウェーハに形成されるシリコンデバイスの特性、例えば、ジャンクションリーク特性等を劣化させる。
このため、高集積化が進み、高い性能が要求される近年のシリコンデバイスにおいては、ウェーハのOSF低減のために低酸素濃度のウェーハ供給が望まれるようになっている。
一方で、ウェーハ中に含有される酸素は、ウェーハ表面を除く内部に酸素析出物(Bulk Micro Defect、以下BMDという)として析出させ、ウェーハ中の重金属汚染等をゲッタリングするIG(Intrinsic Gettering)法に利用されている。ウェーハ中の重金属は、やはり、シリコンデバイスの特性、例えば、絶縁膜の信頼性等を劣化させるため、IG法によるゲッタリングはシリコンデバイスの高性能化にとって、極めて重要である。したがって、単に低酸素濃度化して、ウェーハ中のBMD密度が減少することは好ましくない。
そこで、シリコン単結晶に意図的に炭素(C)をドープすることによって、OSFの発生を抑制すると共に、BMDの析出を促進させるシリコン単結晶の製造が行われている(例えば、特許文献1)。
CZ法において、シリコン単結晶に炭素をドープする方法としては、高純度炭素粉末を用いる方法(特許文献2)やCOガスドープを用いる方法(特許文献3)が提案されている。もっとも、高純度炭素粉末を用いる方法では、原料溶融時に導入ガスによって高純度炭素粉末が飛散し、炭素濃度のばらつきが生ずるという問題がある。また、COガスドープを用いる方法では結晶が乱れて再溶融する場合に、炭素濃度の制御が困難であるという問題がある。このため、炭素を含有させた固形状多結晶シリコンをドープ剤とする方法も提案されている(特許文献4)。
特開2001−199794号公報 特開2002−293691号公報 特開平11−302099号公報 特開平11−312683号公報
しかしながら、炭素を含有させた固形状多結晶シリコンのドープ剤は、炭素自身の融点が高いため、炭素濃度が高すぎると溶融のために高い温度が必要となる。このため、石英ルツボ等の単結晶製造装置の部材に高い熱ストレスを与えることになり、部材寿命を縮めるおそれがある。また、高温にあげるために製造時間が長くなり、シリコン単結晶の生産性を阻害する要因ともなる。そして、表面の固化していない原料融液中に投入する場合には、原料融液の飛び跳ねに起因して、やはり単結晶製造装置の部材寿命を縮めるおそれがある。さらに、飛び跳ねに起因すると考えられる単結晶の有転位化も問題となる。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、低い温度で溶融し、飛び跳ねの生じにくい、炭素のドープ剤を使用することにより、炭素をドープしたシリコン単結晶の生産性を向上させ、製造コストを低減することを可能とするシリコン単結晶の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様のシリコン単結晶の製造方法は、
チョクラルスキー(CZ)法による、炭素をドープしたシリコン単結晶の製造方法であって、
ルツボにシリコン原料と、少なくとも炭素を含有したシリコンのドープ剤とを供給する工程と、
前記シリコン原料と前記ドープ剤とを溶融して原料融液とする工程を有し、
前記ドープ剤中の炭素含有量が、前記ドープ剤中のシリコン含有量と炭素含有量の総和に対し、0.2原子%以上1.0原子%以下であることを特徴とする。
ここで、前記供給する工程が、1本以上のシリコン単結晶を育成する工程の後に、前記原料融液が残留する前記ルツボに対して行われることが望ましい。
また、前記供給する工程が、前記原料融液の表面の少なくとも一部が固化していない状態で行われることが望ましい。
また、前記ドープ剤中にボロン(B)、リン(P)、アンチモン(Sb)、砒素(As)またはアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つが含まれていることが望ましい。
本発明によれば、低い温度で溶融し、飛び跳ねの生じにくい、炭素のドープ剤を使用することにより、炭素をドープしたシリコン単結晶の生産性を向上させ、製造コストを低減することを可能とするシリコン単結晶の製造方法を提供することが可能になる。
以下、本発明に係るシリコン単結晶の製造方法についての実施の形態につき、添付図面に基づき説明する。
[第1の実施の形態]
本実施の形態のシリコン単結晶の製造方法は、CZ法による炭素をドープしたシリコン単結晶の製造方法であり、炭素を0.2原子%以上1.0原子%以下含有した固形状多結晶シリコンを炭素のドープ剤として、初期原料である固形状多結晶シリコンとともにルツボに充填(供給)する工程を有することを特徴とする。
図1にシリコン(Si)−炭素(C)系の状態図の一部を示す。この状態図から明らかなように、この系においては、炭素の含有量が0.75原子%で共晶点1402℃を有する。また、炭素の含有量が1.0原子%以下となる組成範囲で、融点(初晶晶出温度)が、純粋なシリコンの融点である1412℃よりも低くなっていることがわかる。このように、純粋なシリコンよりも、融点が低い組成範囲をもつ炭素を含有する多結晶シリコンを、炭素のドープ剤として用いる点が、本実施の形態の最大の特徴である。
なお、本実施の形態においては、炭素の含有量が0.2原子%以下の組成範囲は除外している。これは、炭素の含有量が0.2原子%を下回ると、必要とされるドープ剤の投入量が多くなりすぎ、生産性の観点から現実性に乏しくなるからである。
以下、図2ないし図5を用いて、本実施の形態のシリコン単結晶の製造方法について説明する。
最初に、図2をもちいて、本実施の形態で用いられうるシリコン単結晶製造装置の構成の一態様について簡単に説明する。
図2には、本実施の形態で用いられうるシリコン単結晶製造装置の模式的縦断面が示されている。
図2に示すシリコン単結晶製造装置100は、原料となる固形状多結晶シリコン155が充填されるルツボ101、103、固形状多結晶シリコン155を加熱、溶融しシリコン融液とするための主ヒータ107、および、下部ヒータ109がチャンバ111内に格納されている。そして、チャンバ111上部には、育成されたシリコン単結晶(図示せず)を引上げる引上げ機構141が設けられている。
チャンバ111の上部に取り付けられた引上げ機構141からは引上げ用のワイヤ129が巻き出されており、その先端には、種結晶を取り付けるための種ホルダ(図示せず)が接続されている。
なお、上記ルツボ101、103は、内側にシリコン融液を直接収容する石英ルツボ101と、石英ルツボ101を外側で支持するためのカーボンルツボ103とから構成されている。ルツボ101、103は、シリコン単結晶製造装置の下部に取り付けられた回転駆動機能(図示せず)によって回転昇降自在なルツボシャフト113によって支持されている。
ルツボ101、103を取り囲むように主ヒータ107、および、下部ヒータ109が配置されており、主ヒータ107の外側には、主ヒータ107からの熱がチャンバ111に直接輻射されるのを防止するための第1の保温材115、第2の保温材117が主ヒータ107の周囲を取り囲むように設けられている。加えて、シリコン融液やルツボ101、103からの熱がチャンバ111に直接輻射されるのを防止するための第3の保温材119、第4の保温材121が設けられている。そして、シリコン融液やルツボ101、103からの熱が引上げシリコン単結晶123の冷却を阻害しないように輻射シールド125が、シリコン融液105、ルツボ101、103とシリコン単結晶間に設けられている。なお、保温材115、117の材質については、特に保温性に優れているものを使用することが望ましく、通常成形断熱材が用いられている。保温材119、121の材質については、例えば、成形断熱材、カーボン、あるいはカーボンの表面を炭化ケイ素で被覆したものが用いられている。輻射シールド125については、輻射熱を調整する役目を果たしているので、例えば、モリブデン、タングステン、タンタル等の金属や、カーボン、カーボンの表面を炭化ケイ素で被覆したもの及びこれらの内側に成形断熱材を設置したものが用いられる。
なお、チャンバ111は、ステンレス等の耐熱性、熱伝導性に優れた金属により形成されており、冷却管(図示せず)を通して水冷されている。
さらに、チャンバ111上部にはゲートバルブ(図示せず)を介して、シリコン融液から引上げられたシリコン単結晶を保持して取り出すためのサブチャンバ127が設けられている。そして、サブチャンバ127の内周面には、第2の実施の形態において記述するリチャージ管を掛け止めするための、フランジ128が設けられている。また、サブチャンバ上端は天板147により封鎖されており、引上げられたシリコン単結晶の取り出しや後述するリチャージ装置を取り出し可能にするサブチャンバ127の蓋がサブチャンバ127上方側面に設けられている。
次に、上記単結晶製造装置100を用いた本実施の形態の炭素をドープしたシリコン単結晶の製造方法について、具体的に説明する。
まず、図2に示すように、石英ルツボ101の内部に固形状多結晶シリコン原料155と固形状の炭素ドープ剤158を投入しておく。そして、シリコン単結晶製造装置100は、ゲートバルブ135(図示せず)を開き、サブチャンバ127の上方側面に設けられた蓋(図示せず)を閉じた状態にしておく。
ここで、炭素ドープ剤158は、炭素含有量が、ドープ剤中のシリコン含有量と炭素含有量の総和に対し、0.2原子%以上1.0原子%以下である固形状多結晶シリコンとする。なお、炭素ドープ剤158の充填量は、引上げるシリコン単結晶に要求される規格値、炭素ドープ剤中の炭素含有量および充填する固形状多結晶シリコン原料の充填量を勘案して算出する。本実施の形態においては、炭素を0.2原子%以上含有する固形状多結晶シリコンを炭素ドープ剤とするため、上述のように、生産性の観点からも十分現実性のある炭素ドープ剤の充填量とすることが可能である。
次に、チャンバ111およびサブチャンバ127の内部を不活性ガスで置換した後、Ar等の不活性ガスを流した状態で低圧に保つ。その後、ヒータ107,109を加熱することにより、予め石英ルツボ101の内部に投入されている固形状多結晶シリコン原料155と固形状の炭素ドープ剤158を溶融し、シリコン融液とする。
この時、炭素を0.2原子%以上1.0原子%以下含有した固形状多結晶シリコンであるドープ剤の融点は、上述の通り、固形状シリコン単結晶155の融点と同じか、それ以下である。このため、炭素ドープ剤を用いない製造と比較しても、炭素ドープ剤を溶融するために特に高温にする必要はない。また、追加的な熱工程により、ルツボ等の部材に追加的な熱ストレスを加えることもないので、炭素をドープすることによる部材の劣化も生じない。よって、本実施の形態により、シリコンより高融点の炭素ドープ剤を用いた従来技術に比べ、炭素をドープしたシリコン単結晶の生産性を向上させ、製造コストを低減するという作用・効果がえられる。
次に、図3に示すように、ゲートバルブ135を閉め、チャンバ111とサブチャンバ127とを遮断する。これにより、チャンバ111内を不活性雰囲気に保持しシリコン融液105の酸化を防止した状態で、サブチャンバ127を常圧に戻す。その後、サブチャンバ127の蓋(図示せず)を開き、ワイヤ129の下端に種結晶131を吊り下げる。ワイヤ129の下端に種結晶131を吊り下げた後、サブチャンバ127の蓋(図示せず)を閉じ、サブチャンバ127を密閉する。
その後、サブチャンバ127を減圧し、サブチャンバ127内部をAr等の不活性雰囲気で満たす。次に、ゲートバルブ135を開き、チャンバ111とサブチャンバ127を連通する。この状態で、種結晶131はシリコン融液105の真上に位置するため、シリコン融液105の輻射熱により予熱される。
次に、図4に示すように、引上げ装置141を駆動し、ワイヤ129下端に吊り下げられた種結晶131を降下させ、種結晶131の少なくとも一部をシリコン融液105に浸す。そして、種結晶131を引上げながら、いったん結晶径を細めたネック部152を形成し、転位が抜けた後に所望の結晶径まで広げ、下方に徐々にシリコン単結晶150が成長する。
その後、図5に示すように、シリコン単結晶150が成長するに従い、所定速度でワイヤ129を引上げることにより、所望の直径および長さを有するシリコン単結晶150を引上げることが可能となる。その後、成長したシリコン単結晶インゴット150を、図に示すようにサブチャンバ127まで上昇させる。そして、ゲートバルブ135を閉じ、チャンバ111とサブチャンバ127とを遮断する。この後、チャンバ111内を不活性雰囲気に保持し、シリコン融液105の酸化を防止した状態で、サブチャンバ127を常圧に戻す。その後、サブチャンバ127の蓋を開き、シリコン単結晶インゴット150を取り出す。このようにして、炭素をドープしたシリコン単結晶インゴット150の製造工程が終了する。
[第2の実施の形態]
本実施の形態のシリコン単結晶の製造方法は、CZ法による炭素をドープしたシリコン単結晶の製造方法であり、シリコン融液中に追加的に炭素ドープ剤を投入する製造方法に関する。そして、この炭素ドープ剤について、炭素を0.2原子%以上1.0原子%以下含有した固形状多結晶シリコンとすることを特徴とする。
発明者らは、上記組成範囲の炭素ドープ剤を適用することにより、炭素ドープ剤投入後の、炭素をドープしたシリコン単結晶の引上げ成功率を良好に保つことが可能であることを見出した。
本実施の形態においては、1本の炭素をドープしたシリコン単結晶を引上げた後に、石英ルツボ内に残留するシリコン融液に、追加的に炭素ドープ剤を投入する場合を例にして説明する。このような追加的な炭素ドープ剤の投入は、例えば、2本目以降に引上げるシリコン単結晶を、1本目よりも炭素濃度の高いシリコン単結晶とする場合に、特に有効である。
以下、図6を用いて、本実施の形態のシリコン単結晶の製造方法について具体的に説明する。
最初に、本実施の形態で用いられる単結晶製造装置について説明する。図6に示すように、本実施の形態で用いられる単結晶製造装置100には、ドープ剤投入容器400が備えられている。このドープ剤投入容器400は、有底円柱形状に形成され、炭素ドープ剤158を収容する収納部400aと、収容部400a側壁の上端部の一部に形成されたドープ剤の導出口400bと、収容部400aを傾斜させる操作棒400cから構成されている。すなわち、このドープ剤導入容器400は、操作棒400cを回転させ、収容部400aを回転させることにより、収容部400aに収容されている炭素ドープ剤158をシリコン融液105に投入するよう構成されている。
また、ドープ剤投入容器400は、サブチャンバ127に設けられた開閉口(図示せず)から、図示しない進退機構を用いてサブチャンバ127内外へ移動可能となるように設置されている。
その他の装置構成については、第1の実施の形態と同様であるので記述を省略する。
以下、本実施の形態の炭素をドープしたシリコン単結晶の製造方法について、図6を参照しつつ具体的に説明する。
なお、最初に、1本の炭素をドープしたシリコン単結晶を引上げるまでは、第1の実施の形態のシリコン単結晶の製造方法と同様であるので、記述を省略する。
まず、第1の実施の形態に記載した方法で、1本目の炭素をドープしたシリコン単結晶を引上げた後に、単結晶製造装置外で所望の量の炭素ドープ剤158をドープ剤投入容器400の収容部400aに収容する。この炭素ドープ剤は、炭素含有量が、炭素ドープ剤中のシリコン含有量と炭素含有量の総和に対し、0.2原子%以上1.0原子%以下である固形状多結晶シリコンである。
そして、サブチャンバ127の側面に設けられたドープ剤投入容器用の開閉口(図示せず)から、図示しない進退機構を用いてサブチャンバ内へドープ剤投入容器400を挿入する。その後、ゲートバルブ(図示せず)を開き、操作棒400cを回転させて、収容部400a内の所定の粒径を有する炭素ドープ剤158を、ドープ剤の導出口400bから石英ルツボ103中のシリコン融液105に連続的に自由落下させる。なお、メインチャンバ111およびサブチャンバ127内の雰囲気の流れはほとんどなく、炭素ドープ剤158は垂直に落下する。
収容部400a内の炭素ドープ剤158がすべて投入された後、ゲートバルブ(図示せず)を閉じる。そして、図示しない進退機構を用いて、サブチャンバ外へドープ剤投入容器400を開閉口(図示せず)から取り出す。
炭素ドープ剤がすべて溶融した後に、サブチャンバ127の蓋(図示せず)を開き、ワイヤ129の下端に種結晶を吊り下げ、第1の実施の形態で図3ないし図5を用いて記述したのと同様の方法で、2本目のシリコン単結晶を引上げる。
この際の、シリコン単結晶引上げの成功率(無転位シリコン引上げ成功回数/総引上げ回数)の、炭素濃度依存性について、以下説明する。
上記のシリコン単結晶の製造方法を用いて、炭素濃度を変化させた炭素ドープ剤を用いて、シリコン単結晶引上げ実験を行った。
この時、炭素ドープ剤は、炭素を含有する粒径2〜3mmの顆粒状の固形状多結晶シリコンとした。石英ルツボ径はφ600mmで、炭素ドープ剤投入前のシリコン融液は160kgとした。シリコン単結晶はφ200mmのものを育成した。
センタ条件として、直胴開始位置での炭素濃度を、1.3E16atoms/cmとすべく、炭素濃度を0.75原子%とした炭素ドープ剤を100g投入した後、5回のシリコン単結晶の引上げを行った。その他、炭素濃度を0、0.2、1.0、1.5、2.0原子%として、同様のシリコン単結晶の引上げを行った。
図7に、シリコン単結晶引上げの成功率(無転位シリコン引上げ成功回数/総引上げ回数)の炭素濃度依存性を示す。なお、無転位か否かの判断は、シリコン単結晶のクラウンから直胴30cmまでに転位が発生するか否かにより判断した。
図7から、明らかなように、炭素濃度が1.0原子%以下の領域では、成功率が75%以上という良好な結果が得られた。しかしながら、炭素濃度が1.0原子%より大きくなると、成功率が急激に低下する傾向が見られた。
このように、炭素濃度が上がるにつれて、引上げの成功率が下がる原因については必ずしも明らかでない。しかしながら、引上げ実験の際に、炭素ドープ剤がシリコン融液中に落下する際の融液飛び跳ねの程度が、炭素濃度上昇と共に、ひどくなることが観察された。このことから、炭素ドープ剤の炭素濃度上昇により、融液飛び跳ねに起因するチャンバ内異物等が増加し、成功率を劣化させることが考えられる。そして、この融液飛び跳ね程度の悪化は、炭素ドープ剤の融点上昇による、炭素ドープ剤の表面状態の変化と関係することが考えられる。
また、このように融液飛び跳ねの抑制により、引上げの成功率を良好に保つのみならず、シリコン融液の飛沫がチャンバ内の部品に付着し部品寿命を短くするという問題も回避することが可能となる。
なお、ここでは炭素ドープ剤のシリコン融液中への投入を、1本目のシリコン単結晶を引上げた後としたが、例えば、1本目のシリコン単結晶引上げ前に、炭素ドープ剤を投入する方法であっても構わない。この場合は、最初の原料充填時には、炭素ドープ剤をシリコン原料と同時には添加せず、炭素ドープ剤のみを後からシリコン融液に投入する製造方法となる。このような製造方法は、石英ルツボへのシリコン原料充填から、シリコン原料溶融までを、炭素をドープしないシリコン単結晶引上げと完全に共通化できるという利点がある。
また、1本以上のシリコン単結晶を引上げた後、リチャージ装置等により、シリコン原料を再充填した後に、本実施の形態により、炭素ドープ剤を投入する方法であっても構わない。
[第3の実施の形態]
本実施の形態のシリコン単結晶の製造方法は、CZ法による炭素をドープしたシリコン単結晶の製造方法であり、1回の操業で複数の単結晶を引上げるマルチ引き操業時において、炭素ドープ剤を供給する製造方法に関する。そして、この炭素ドープ剤について、炭素を0.2原子%以上1.0原子%以下含有した固形状多結晶シリコンとすることを特徴とする。
CZ法によるシリコン単結晶の引上げにおいては、1回の操業で1本の単結晶を引上げる1本引き操業が広く用いられているが、複数の単結晶を引上げるマルチ引き操業も、リチャージ技術の普及により次第に増える傾向にある。
このようなマルチ引き操業は、一度しか使用できないルツボから複数本の単結晶を製造し、単結晶の生産性を向上させるとともに、高価なルツボを有効に活用して、単結晶製造コストの低減を図ることを目的としている。
以下、図8ないし図11を用いて、本実施の形態のシリコン単結晶の製造方法について具体的に説明する。
1本ないし複数本のシリコン単結晶を、最初に石英ルツボに充填したシリコン原料と炭素ドープ剤を融解して生成したシリコン融液から引上げるまでは、第1の実施の形態と同様であるので、記述を省略する。
1本ないし複数本のシリコン単結晶を引上げた後、単結晶製造装置外で、リチャージする原料となるナゲット状または粒状の固形状多結晶シリコン原料155と炭素ドープ剤158をリチャージ装置200に充填する。この炭素ドープ剤は、炭素含有量が、炭素ドープ剤中のシリコン含有量と炭素含有量の総和に対し、0.2原子%以上1.0原子%以下である固形状多結晶シリコンである。
次に、サブチャンバ127の蓋を開き、図8に示すようにリチャージ装置200を引き上げワイヤ129に吊り下げる。
次に、サブチャンバ127の蓋を閉じサブチャンバ127を密閉する。その後、サブチャンバ127を減圧し、サブチャンバ127内部を不活性雰囲気で満たす。
次に、ゲートバルブ135を開き、チャンバ111とサブチャンバ127内を連通させる。この状態でワイヤ129と共にリチャージ装置200を下降させる。
リチャージ装置200が下降していくと、図9に示すように、ストッパ205がフランジ128に接触する。
これから更にワイヤ129を下降させると、図10に示すように、フランジ128によりリチャージ管201の下降が阻止され、底蓋203のみが更に下降する。そうすると、リチャージ管201と底蓋203の間に、隙間210が生じ、この隙間210から、固形状多結晶シリコン原料155と炭素ドープ剤158が、自重により石英ルツボ101内に落下する。
リチャージ管201内部に装填されたすべての固形状多結晶シリコン原料155と炭素ドープ剤158が、石英ルツボ101内に投入された後、引き上げワイヤ129を上昇させる。すると、引き上げワイヤ127と底蓋203が上昇する。そして、更に引き上げワイヤ129を上昇させることにより、底蓋203に保持されたリチャージ管201が、底蓋203と一体となって上昇する。
なお、リチャージ管201内部に装填されたすべての固形状多結晶シリコン原料155と炭素ドープ剤158が、石英ルツボ101内に投入された後、チャンバ111内温度を、ヒータ107,109を制御することによって上昇させ、石英ルツボ101内に投入した固形状多結晶シリコン原料155と炭素ドープ剤158を溶融する。
そして、図11に示すようにリチャージ装置200が、サブチャンバ127まで完全に上昇した後に、ゲートバルブ135を閉め、チャンバ111とサブチャンバ127を遮断する。これにより、チャンバ111内を不活性雰囲気に保持し、シリコン融液105の酸化を防止した状態で、サブチャンバ127の蓋を開き、サブチャンバ127内を常圧に戻す。その後、リチャージ装置200を単結晶製造装置100外部に取り出しリチャージ工程が完了する。
そして、シリコン単結晶インゴット150の製造工程と上記のリチャージ工程を繰り返すことにより、石英ルツボ101を交換することなく複数本の炭素がドープされたシリコン単結晶インゴットを連続して製造することが可能となる。
第1の実施の形態で説明したように、炭素を0.2原子%以上1.0原子%以下含有した固形状多結晶シリコンであるドープ剤の融点は、固形状シリコン単結晶155の融点と同じか、それ以下である。したがって、本実施の形態のマルチ操業の場合においても、リチャージした炭素ドープ剤を溶融するために、シリコン原料のみをリチャージする場合に比べ高温にする必要もないので製造工程がのびることはない。また、追加的な熱工程により、ルツボ等の部材に追加的な熱ストレスを加えることもないので、炭素をドープすることによる部材の劣化も生じない。よって、本実施の形態により、シリコンより高融点の炭素ドープ剤を用いた従来のリチャージ技術に比べ、マルチ操業における炭素をドープしたシリコン単結晶の生産性を向上させ、製造コストを低減するという作用・効果がある。
また、第2の実施の形態同様、本実施の形態の炭素ドープ剤を用いることにより、シリコン単結晶引上げ成功率を良好に保つことが期待できる。また、リチャージ管内の固形状多結晶シリコン原料と炭素ドープ剤を、石英ルツボ内のシリコン融液に投入する際、シリコン融液の飛沫がチャンバ内の部品に付着し部品寿命を短くするという問題も回避することができる。
なお、リチャージ管を用いたリチャージ方法の場合には、固形状多結晶シリコン原料と炭素ドープ剤の石英ルツボ内への落下は、ヒータ107,109を制御してチャンバ内温度を低下させ、石英ルツボ内の残余シリコン融液105の表面が固化した状態で行なわれることがある。これは、表面を固化させることにより、シリコン融液の飛沫を抑えるためである。しかしながら、この場合でも、表面を完全に固化させると石英ルツボへのダメージが入るため、一部、溶けた表面を残した状態で、固形状多結晶シリコン原料等を投入する運用が多い。したがって、投入前にシリコン融液表面を固化させる場合であっても、上述のように一部溶けたシリコン融液表面を残す場合には、やはり、シリコン単結晶引上げ成功率向上および部品寿命劣化の抑制に本実施の形態は有効と考えられる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。実施の形態の説明においては、シリコン単結晶製造装置、ドープ剤投入容器、リチャージ装置またはシリコン単結晶の製造方法等で、本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされるシリコン単結晶製造装置、ドープ剤投入容器、リチャージ装置またはシリコン単結晶の製造方法等に関わる要素を適宜選択して用いることができる。
例えば、上記、実施の形態においては、炭素ドープ剤として、多結晶シリコンを用いる場合について説明したが、炭素を含有した単結晶シリコンを炭素ドープ剤として用いても構わない。
また、上記、実施の形態においては、炭素のみが含有される多結晶シリコンのドープ剤について記載したが、炭素のみならず、ボロン(B)、リン(P)、アンチモン(Sb)、砒素(As)またはアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つが含まれても構わない。このように、シリコン単結晶をp型あるいはn型にするための、不純物も炭素とともにドープ剤に添加することにより、炭素をドープしたシリコン単結晶を1種類のドープ剤で製造することが可能となる。よって、ドープ剤の準備工程も含めて、炭素をドープしたシリコン単結晶の生産性が一層向上するという利点がある。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのシリコン単結晶の製造方法は、本発明の範囲に包含される。
シリコン(Si)−炭素(C)系の状態図。 第1の実施の形態のシリコン単結晶の製造方法を説明する模式的縦断面図。 第1の実施の形態のシリコン単結晶の製造方法を説明する模式的縦断面図。 第1の実施の形態のシリコン単結晶の製造方法を説明する模式的縦断面図。 第1の実施の形態のシリコン単結晶の製造方法を説明する模式的縦断面図。 第2の実施の形態のシリコン単結晶の製造方法を説明する模式的縦断面図。 第2の実施の形態のシリコン単結晶引上げの成功率の炭素濃度依存性を示す図。 第3の実施の形態のシリコン単結晶の製造方法を説明する模式的縦断面図。 第3の実施の形態のシリコン単結晶の製造方法を説明する模式的縦断面図。 第3の実施の形態のシリコン単結晶の製造方法を説明する模式的縦断面図。 第3の実施の形態のシリコン単結晶の製造方法を説明する模式的縦断面図。
符号の説明
101 石英ルツボ
105 シリコン融液
111 チャンバ
127 サブチャンバ
129 ワイヤ
131 種結晶
135 ゲートバルブ
141 引上げ機構
150 シリコン単結晶
155 固形状多結晶シリコン原料
158 炭素ドープ剤
200 リチャージ装置
210 隙間
400 ドープ剤投入容器
400a 収容部
400b 導出口
400c 操作棒

Claims (3)

  1. チョクラルスキー(CZ)法による、炭素をドープしたシリコン単結晶の製造方法であって、
    ルツボにシリコン原料と、少なくとも炭素を含有したシリコンのドープ剤とを供給する工程と、
    前記シリコン原料と前記ドープ剤とを溶融して原料融液とする工程を有し、
    前記ドープ剤中の炭素含有量が、前記ドープ剤中のシリコン含有量と炭素含有量の総和に対し、0.2原子%以上1.0原子%以下であることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記供給する工程が、1本以上のシリコン単結晶を育成する工程の後に、前記原料融液が残留する前記ルツボに対して行われることを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記供給する工程が、前記原料融液の表面の少なくとも一部が固化していない状態で行われることを特徴とする請求項2記載のシリコン単結晶の製造方法。



JP2006250439A 2006-09-15 2006-09-15 シリコン単結晶の製造方法 Pending JP2008069055A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006250439A JP2008069055A (ja) 2006-09-15 2006-09-15 シリコン単結晶の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006250439A JP2008069055A (ja) 2006-09-15 2006-09-15 シリコン単結晶の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008069055A true JP2008069055A (ja) 2008-03-27

Family

ID=39290988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006250439A Pending JP2008069055A (ja) 2006-09-15 2006-09-15 シリコン単結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008069055A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008114822A1 (ja) * 2007-03-19 2008-09-25 Mnk-Sog Silicon, Inc. シリコンインゴットの製造方法および製造装置
JP2019001665A (ja) * 2017-06-12 2019-01-10 株式会社Sumco 原料供給方法およびシリコン単結晶の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008114822A1 (ja) * 2007-03-19 2008-09-25 Mnk-Sog Silicon, Inc. シリコンインゴットの製造方法および製造装置
JP2019001665A (ja) * 2017-06-12 2019-01-10 株式会社Sumco 原料供給方法およびシリコン単結晶の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4337954B2 (ja) シリコンインゴットの製造方法および製造装置
JP5815184B2 (ja) インゴットおよびシリコンウェハ
JP5909276B2 (ja) 最初のチャージだけをドーピングすることによる、均一にドーピングされたシリコンインゴットの成長
JP2006219366A (ja) 制御された炭素含有量を有するシリコンからなる単結晶の製造方法
JP5433632B2 (ja) GaAs単結晶の製造方法およびGaAs単結晶ウェハ
US8840721B2 (en) Method of manufacturing silicon single crystal
JP2010083685A (ja) 原料供給装置、単結晶製造装置および単結晶の製造方法
JP4672579B2 (ja) 固形状原料のリチャージ方法
JP2008069055A (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP2012041200A (ja) 結晶成長方法
JP2007022864A (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP6708173B2 (ja) リチャージ管及び単結晶の製造方法
JP5724226B2 (ja) シリコン単結晶の育成方法
JP5167942B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP2007254162A (ja) 単結晶製造装置およびリチャージ方法
JP2009274920A (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP7359241B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP2009126738A (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP2008063205A (ja) 固形状原料のリチャージ装置およびこれを用いたリチャージ方法
JP2010030868A (ja) 半導体単結晶の製造方法
JP5136253B2 (ja) シリコン単結晶の育成方法
JP2010030847A (ja) 半導体単結晶の製造方法
JP2007246358A (ja) 固形状原料のリチャージ装置
JP4907396B2 (ja) 単結晶の製造方法
JPH09208360A (ja) 単結晶の成長方法