JP2008069042A - 窒化物単結晶の製造方法および装置 - Google Patents

窒化物単結晶の製造方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】LPE法により高品質かつ大型の窒化物(例、窒化アルミニウム)単結晶を安価な装置を用いて効率的に成長させる方法を提供する。
【解決手段】坩堝に収容された、雰囲気ガスから溶解させた窒素を含有する単結晶原料の融液2をローレンツ力により隆起させ、隆起した融液2の頂点付近に種結晶基板3を接触させ、融液2から種結晶基板3を引き上げることにより種結晶基板3上に窒化物単結晶を成長させる方法において、融液2表層に形成される窒化物被膜10を一部破損させて、少なくとも融液2頂点付近から被膜10を除去するための引き金工程を有し、被膜10除去のための引き金工程の後、融液2の撹拌により被膜10の除去を進める。引き金工程は、雰囲気ガスの窒素分圧の操作、融液2温度の操作、ならびに物理的な接触、から選ばれた1または2以上の方法により、種結晶基板3上に単結晶を成長させる工程より前あるいは単結晶成長の初期に行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、窒化物単結晶の製造方法および製造装置に関し、詳しくは、LPE(液相エピタキシー)法を用いて成長させることを特徴とする窒化物単結晶の製造方法および製造装置に関する。
AlN(窒化アルミニウム)、AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)、AlInGaN(窒化アルミニウムインジウムガリウム)などの窒化物半導体は、汎用の単原子半導体材料であるシリコンに比べてエネルギーバンドギャップが広く、熱伝導率、絶縁破壊電界が高いので、例えば高密度実装用基板、高出力素子のヒートシンク、高出力HIC(ハイブリッド集積回路)基板などとして有用であり、しかも光学的透過率が高いことから、特に紫外発光用の半導体レーザや発光ダイオードに適していることが知られている。
一般に単結晶の成長法として、昇華法、気相法、ならびに融液法であるLPE法(液相エピタキシー法)が挙げられる。AlN、AlGaN、AlInGaNなどの窒化物は、分解温度が低いので、LPE法では分解温度を高めるために高温高圧を必要とする。このため、窒化物の単結晶をLPE法で成長させることは困難であると考えられており、窒化物の単結晶は、気相法または昇華法によって成長させることが一般的である。
気相法では、たとえば、
2Al(s)+2NH3(g)→2AlN(g)+3H2(g)
の反応によってAlN(g)が発生し、これが気相から析出して単結晶となるが、原料のAlの反応性が高く、反応の制御が困難であるため、大きな単結晶を得ることは困難である。
一方、昇華法では、下記特許文献1等に、AlNを昇華分解させた後、再結合再結晶化させる単結晶育成方法に関する改良が開示されているが、再結晶化の際の結晶成長速度が遅いため、やはり大きな単結晶を得ることは一般に困難である。
これに対し、融液から単結晶をエピタキシャル成長させるLPE法は、複雑な制御手段を必要としないため装置が比較的単純であり、原材料の制約も少ない。代表的なLPE法としては、坩堝に収容した溶媒(金属主体の融液)に成長させようとする目的物を飽和濃度まで溶解させ、得られた溶液に適宜温度勾配を形成して、結晶保持具の先端に付けた種結晶基板を融液表層の低温部(過冷却状態になっていて、目的物の濃度は過飽和である)に接触させて基板上に目的とする単結晶を成長させ、単結晶が成長するにつれて結晶保持具を引き上げていく方法が一般的である。
LPE法は分子の再配列に伴うエネルギー変化が小さいため、この方法で成長させた単結晶は、気相法や昇華法により得られた単結晶に比べて、一般に欠陥が少なく、多形転移を生ずる欠点も少ないという利点を有している。
下記特許文献2には、AlN焼結体製の坩堝に原材料のAlを入れ、この坩堝を不活性ガス雰囲気下で1100℃以上の温度に加熱してAlを溶融させ、生成したAl融液に坩堝から窒素を溶解させて、Al融液を溶媒とするAlN溶液を形成し、この溶液と接触している種結晶の基板上にAlN単結晶を成長させることからなる、LPE法によるAlN単結晶の製造方法が開示されている。種結晶としてAl融液と接触する面が(0001)面を有するサファイア、YAG等のAl化合物が用いられる。
この方法は、AlN焼結体製の坩堝を用いて坩堝から窒素を溶出させるために2100℃程度の高温が必要になること、Alの融解で生成したAl融液の表層に酸化物(アルミナ)が浮遊すること、Al融液に溶解した窒素が融液の表層部にAlNとして集積するため融液に浸漬した基板上ではエピタキシャル成長し難いこと、AlN結晶と上述した基板材料との間には約17%という比較的大きな格子不整合が存在するため、結晶に転位が発生し易く、品質に優れた単結晶を得られない、といった問題点を抱えている。
下記特許文献3には、坩堝内に装入した窒化物結晶の表面に希土類元素の化合物を含有する物質輸送媒体層を形成し、種結晶を物質輸送媒体層に接触させることにより、種結晶に窒化物単結晶を成長させることを特徴とする窒化物単結晶の製造方法が開示されている。しかし、この方法も特許文献2と同じく、固体に含有される窒素に窒素源を求めており、高い融液温度を必要とし、坩堝等装置に対する負荷が大きくなる欠点を持つ。
特許文献4には、SiC単結晶の製造方法について、LPE成長であっても最適なフラックスを融液に添加することにより成長温度を低温に維持できる技術が開示されている。
特許文献5には、SiC、AlNなどの結晶を対象に、坩堝の周囲に配置した常伝導コイルに交流を印加して、坩堝内の融液にローレンツ力を作用させて融液を隆起させながら単結晶の成長を行うLPE法が開示されている。
特表2002−527342号公報 特開2004−189549号公報 特開2006−16252号公報 特開2004−2173号公報 特開2005−179080号公報
特許文献5に記載の方法は、融液にローレンツ力を作用させて隆起させることによって融液の表面積を著しく増大させることができるため、単結晶がAlNのような窒化物である場合には、窒素源を雰囲気ガスに求めて、融液表面と接している雰囲気中の窒素ガス、すなわち、気相からの溶解によって成長に必要な窒素を融液に供給できる。それにより、固体の窒素源を利用する場合に比べて融液温度を低く保持しながら窒化物単結晶を製造することができる。
しかし、この方法には、特許文献2に記載の方法と同様に、気相(雰囲気ガス)と接する融液の表層に窒素が窒化物として集積して窒化物被膜を形成し易く、この被膜によって雰囲気中の窒素ガスから融液中への窒素の供給が阻害されるため、大型の窒化物単結晶が得られにくいという問題がなお存在することが判明した。
本発明の課題は、高品質かつ大型の単結晶を安価な装置を用いて効率的に成長させることができるLPE法による窒化物単結晶の製造方法およびそのための装置を提供することである。
本発明のより具体的な課題は、特許文献5に記載の方法の上記問題点を解決して、融液表層に窒化物被膜が生成しても、それによる融液への窒素の供給が阻害されないようにして、上記一般的課題を解決することである。
特許文献5に記載された冷却坩堝を用いるLPE成長では、適正なコイル配置を選択すると、ドーム状に隆起した融液の表層では、ドーム頂点から周囲に向かって下降する流れが形成される。この流れを利用して、融液表層に形成される窒化物被膜を除去することができれば、窒化物被膜による窒素供給の阻害を防ぐことができる。本発明は、この着想に基づく検討により完成したものである。
一側面において、本発明は、坩堝に収容された、雰囲気ガスから溶解させた窒素を含有する単結晶原料の融液をローレンツ力により隆起させ、隆起した融液の頂点付近に種結晶基板を接触させ、融液から種結晶基板を引き上げることにより種結晶基板上に単結晶を成長させる、窒化物単結晶の製造方法であって、融液表層に形成される窒化物被膜を一部破損させる、少なくとも融液頂点付近から被膜を除去するための引き金工程を有し、前記被膜除去のための引き金工程後、融液の撹拌により被膜の除去を進める、ことを特徴とする窒化物単結晶の製造方法である。
前記被膜除去のための引き金工程は、雰囲気ガスの窒素分圧の操作、融液温度の操作、ならびに物理的な接触、から選ばれた1または2以上の方法により達成することができ、前記融液の撹拌は、高周波方式または低周波移動磁場方式による電磁撹拌とすることができる。前記被膜の除去のための引き金工程は、種結晶基板上に単結晶を成長させる工程より前あるいは単結晶成長の初期に行うことが好ましい。
別の側面からは、本発明は、単結晶原料の融液を保持する坩堝と、先端に種結晶基板を保持することができる昇降可能な結晶保持具とを備える単結晶製造装置であって、
融液を撹拌する手段、
窒素分圧制御手段、融液温度制御手段および機械式被膜破損手段から選ばれた少なくとも一つの手段、ならびに
融液にローレンツ力を発生させて融液を隆起させるための常伝導コイル、
を備えたことを特徴とする、単結晶製造装置である。
融液を撹拌する手段は、高周波撹拌装置、低周波移動磁場撹拌装置および機械撹拌装置のいずれかとすることができる。
本発明に従ってLPE法により窒化物単結晶を成長させると、ローレンツ力を利用した融液の隆起により成長持続に十分な量の窒素を雰囲気ガスからの溶解により供給することができ、その場合に問題となる融液表層の窒化物被膜による窒素供給の阻害が回避できるので、高品質の窒化物単結晶を従来法より早い成長速度で製造することができる。従って、本発明は窒化物単結晶の生産性を高めるのに有効な技術を提供する。
本発明について以下により詳しく説明する。以下では主にAlNを例にとって本発明を説明するが、AlN以外の窒化物、例えば、AlGaN、AlInNの場合にも同様に本発明を適用することができる。
本発明は、上記特許文献5に記載された方法、すなわち、坩堝の周囲に配した常伝導コイルに交流を印加して坩堝内の融液にローレンツ力を作用させることにより融液を隆起させながら単結晶を成長させるLPE法において、窒素源を雰囲気ガスに求めて気相からの窒素を融液に溶解させつつAlN等の窒化物単結晶を成長させる場合の問題点であった、融液表層に窒化物被膜が生成して窒素の溶解を阻害する点、を解決したものである。
従って、本発明に係るAlN単結晶の製造方法は、融液表層の窒化物被膜を除去するための操作を除いて、基本的には上記特許文献5に記載された方法および装置を利用して実施することができる。
この方法でAlN単結晶を成長させる場合、まず坩堝内でAlを融解させて適宜フラックスを添加するなどの方法でAl融液を調製し、坩堝周囲に配した常伝導コイルに交流を印加すると、発生するローレンツ力によって融液はドーム状に隆起する。坩堝内の雰囲気ガスを窒素含有ガスにすると、雰囲気ガス中の窒素が融液との界面を通して吸収され、融液中に溶解してAlN溶液が生成する。融液の隆起により融液の表面積(気相との界面の面積)が増大するため、窒素の溶解量が増大する。雰囲気ガスは、純窒素ガスでも、窒素と不活性ガスとの混合ガスでもよい。或いは、アンモニアガスも坩堝内の高温では窒素ガスと水素ガスに分解するため、窒素ガス供給源として使用できる。
単結晶成長に必要な量の窒素が気相から融液中に溶解した後(すなわち、AlN濃度が飽和濃度に達した後)、種結晶基板を隆起した融液の頂点付近に接触させ、融液から種結晶基板を引き上げることにより種結晶基板上に単結晶を成長させる。この成長のためには、基板付近の融液温度を低下させて、基板付近のAlN濃度を過飽和にする必要がある。その手段として、種結晶基板を保持する結晶保持具に冷却構造を導入して、種結晶基板を介してその周辺を冷却する方法、あるいは坩堝の加熱手段によって、融液に上下方向に温度勾配を設ける方法、などが可能である。
使用する種結晶基板は特に限定されないが、AlN等の窒化物単結晶の中から種結晶基板として使用できる高品質かつ大型の単結晶を入手することは、今のところ困難である。LPE法によるAlNの成長に使用できる種結晶基板の1例は、AlN結晶との格子不整合が比較的小さいSiC(炭化珪素)である。SiC基板は、AlN以外の他の窒化物単結晶の成長にも使用できる。
種結晶基板がSiC単結晶である場合、融液中に基板が溶解しないようにする必要がある。融液がAlとNのみから構成されると、AlN結晶の成長に先行して、基板のSiCが融液中に溶解し、消失するのでエピタキシャル成長が起こらない。これを防ぐため、融液中に、AlおよびNに加えて、SiおよびCも含有させる。SiおよびCの融液中の含有量は、SiC基板の溶解を抑制することができるが、基板上へのSiCの単結晶の成長が起こらないような量に調整する。
上記の通り、窒素を気相(雰囲気ガス)から供給する場合、気相との界面である融液表層の窒素濃度が最も高くなるため、融液表層に窒化物被膜ができてしまうと、その後の気相からの窒素の溶解が阻害され、AlN単結晶の成長が進まなくなる。本発明は、この問題を解決するものである。以下、この点についてより詳しく説明する。
1)被膜除去の引き金
例えば、誘導コイルへの交流の印加により融液の表層近傍に誘導された非一様なローレンツ力の分布に起因してドーム状に隆起している融液の表層において、ドーム頂点から周囲に向かって下降する流れが形成されていても、必ずしも融液表層に形成された被膜が融液の頂点付近から除去できるとは限らず、むしろ被膜を除去できないことの方が多い。そもそも、融液の流動を利用して被膜を除去するためには、少なくとも融液表層に、被膜が存在しない部分と被膜が存在する部分の両者が混在していて、両者の界面に融液の流れが衝突することを利用して、被膜部分の面積を次第に縮小させる必要がある。
高い信頼性で被膜を除去するためには、被膜除去の引き金となる操作が必要である。この引き金操作としては、まず、結晶成長に関わる熱力学変数を操作することが考えられる。具体的には、雰囲気ガスの窒素分圧、融液温度、融液中のAl濃度等の融液組成などを操作することである。融液組成の操作は、組成の調整と回復に長い時間がかかることから好ましい手法とはいえない。また、突き棒、マジックハンドなどを使った物理的な接触によって機械的に被膜の一部を破壊あるいは除去する方法も考えられる。さらに、融液の撹拌を促進して融液の流れに乱れを与えたり、あるいは撹拌に変調を与えて時間と共に変化する融液形状を形成する方法も考えられる。
これらのうち好ましいのは、融液表層の被膜を除去するための引き金を短時間で確実に付与できるという意味で、雰囲気ガスの窒素分圧の操作、融液温度の操作、ならびに器具を使った物理的な接触による方法である。これらの引き金操作の2種以上を同時にまたは逐次的に併用することもできる。
そもそも、被膜の形成原因が融液表層の窒化にあるので、窒化の原因となる窒素の供給を遮断すれば被膜は形成されない。雰囲気ガスの窒素分圧の操作は、具体的には、雰囲気への窒素ガスの供給を停止するか、またはその供給量を低減させ、その分だけ不活性ガスの供給流を増大させることにより行うことができる。この時に、雰囲気ガスの全圧の急激な変動は好ましくない。窒素ガス分圧の低下により融液表層の被膜が破損した後、窒素ガス分圧は再び増大させることが好ましい。窒素ガス分圧が低下した状態が長く続くと、融液中の窒素濃度が低下して、表層の被膜は融液中に融解して消失し、被膜を完全に融解させることもできるが、単結晶の成長速度が遅くなる。
一般に融液の温度上昇と共に被膜の融液中への溶解量が増加する。融液温度の操作は、融液温度を上昇させるように操作して、被膜を少なくとも部分的に融液中に溶解させてその破損を生ずるように実施することが好ましい。この場合、上昇した融液温度をそのまま長時間維持すると、被膜を完全に除去することも可能であるが、溶液温度が高温でAlNの過飽和が実現できないので、やはり単結晶の成長速度が遅くなる。
このような手段で、一旦被膜が少なくとも融液頂点付近から除去された後は、融液表層に流動が生じている限りは再び被膜が形成される確率は低い。このことは、結晶成長の過程のある時点において1回だけ被膜除去の引き金となる操作を実施すればよいことを意味する。この点は重要である。一般に、被膜除去の引き金となる操作は結晶成長に不都合な操作になる場合が多く、その操作が1回の操作により短時間で完了できれば、成長への悪影響を最小限にできるからである。
単結晶の成長が起こる融液の頂点付近から被膜が除去されてしまえば、例えば、融液の表層下部に頂点付近から除去された被膜が集積しても、単結晶成長への悪影響は小さいので構わない。逆に、次の2)で述べるように、その方が好ましいこともある。
上述した好ましい被膜除去のための引き金操作は一般に短時間で行うことができる。本発明では、被膜の除去は撹拌(ローレンツ力により生ずるドーム頂点からドーム周囲に向かう下降流れ)を利用して行うことが本質であり、被膜除去の引き金操作としては被膜除去の最初の突破口を開く役割を果たせばそれで十分である。このため、被膜除去の引き金操作では、融液表層の極一部の被膜しか除去できなくても構わない。被膜除去の引き金操作は結晶成長過程において1回実施するだけでよいが、数回繰り返すことも可能である。
被膜を少なくとも融液頂点付近から適切に除去するためには結晶成長過程における被膜除去工程の適切な配置、除去面積などの具体的な除去方法が重要になる。一般にLPE法による結晶成長工程は、(a)融液中の窒素濃度、添加元素濃度、温度などを調整する準備工程、(b)基板を融液に接触させて結晶成長行う結晶成長工程、(c)結晶成長が完了して融液から結晶を離脱させて取り出す終了工程から成る。
本発明は、このうち、結晶成長工程で被膜除去の操作を行うことを否定するものではないが、結晶成長初期を除いて好ましくない。確かに、結晶成長工程における被膜除去は効率的ではあるが、被膜除去操作によって結晶成長に適した熱力学条件が撹乱を受けることは避けられないので、成長速度が遅くなったり、あるいは結晶中に転位等の欠陥が発生するなどの弊害を伴うことがある。
好ましくは準備工程、すなわち、種結晶基板上に単結晶を成長させる工程より前、または単結晶成長の初期に、被膜除去を行う。この場合、準備工程または単結晶成長の初期に、被膜除去により被膜が適切に除去され、その状態が結晶成長工程においても継続して維持できるようにすることが重要であり、融液の撹拌を利用することによってこのことが可能になる。融液の撹拌を利用して準備工程または単結晶成長の初期において被膜を除去する場合は、必ずしも、完全に被膜を除去しない方が好ましい場合がある。特に、冷却坩堝を用いて融液の撹拌を行う場合は、結晶成長工程で種結晶基板が配置されるドームの頂点近傍には被膜が存在せず、ドームの下端周囲には被膜が存在することが好ましい。その理由は、ドーム下端周囲の被膜を断熱材として活用できるので、融液の加熱効率が高まるためである。
表層被膜の除去は、前述したように、撹拌を利用して行う、すなわち、ローレンツ力により隆起した融液の表層付近はドーム頂点から周囲に下降する融液流れが生成していることを利用して行うことが好ましい。従って、表層被膜が融液の頂点付近で破損して割れると、割れた表層被膜は融液表層の下降流れに乗って、自然に融液表層の下部に集まるので、融液表層の頂点付近からは除去される。つまり、引き金工程を実施するだけで、後は融液の撹拌により自然に融液頂点付近からの被膜の除去が進行する。
3)融液の撹拌
被膜を除去するための適切な流れ構造を融液内部に実現するためには、電磁撹拌が好ましい。機械撹拌も可能であるが、多くの機械撹拌には、撹拌子による融液の汚染、撹拌子の損耗などの課題がある。これらの課題が解決可能であれば、機械撹拌でも構わない。
電磁撹拌は概ね50Hz以下の低周波移動磁場方式、数100Hz以上の高周波方式などが考えられるが、特に後者の方式では撹拌と同時に融液の加熱も行うことができるので効率的である。
低周波移動磁場方式では位相の励起順序を操作することによって、流れ構造を変更することが可能であるので、コイル配置に自由度があり、効率的に磁場印加が可能な態様にコイルが配置される。しかし、高周波方式は、一般に単相なので、コイル配置、あるいは場合によってはその近傍に配置されるショートリングが流れ構造を決定する。所望の流れ構造を実現するためには、坩堝の周囲に多重螺旋状に巻かれた積層コイルの平均高さと融液の平均高さを概ね一致させた方が、高い撹拌効率が得られる。
4)撹拌を促進する坩堝構造
本発明では融液の撹拌が促進される坩堝構造が必要である。撹拌を促進する坩堝構造としては公知の坩堝構造を用いる事ができる。例えば、通電コイルと融液の間に耐火物を配置した高温坩堝、あるいは冷却壁を配置した冷却坩堝などが、その例である。前者の場合は融液中に耐火物の素材が混入することが避けられないので、混入が生じても結晶成長に支障が生じない耐火物を選択する必要がある。例えば、黒鉛坩堝は多量のCの混入が避けられないので、使用できない。高温坩堝の好ましい材料として、アルミナ、窒化ケイ素などがある。
別の例としては、通電加熱によって坩堝を加熱し、その外周に融液撹拌用の電磁撹拌装置を配置する方式も考えられる。この方式は、加熱と撹拌に対して、それぞれの機能を担う装置が必要になるのでコストアップになる一方、高い撹拌の自由度が得られる。
(実施例1)
図1および図2は、本発明を適用する実施例1において用いた坩堝構造例を、それぞれ、一部透視的に示す鳥瞰図および模式的に示す縦断面図である。坩堝の全体は坩堝の概略側壁部を構成する側壁部8と、坩堝の概略底部を構成し、融液2と接触する底面部9とから成る。一般に、底面部9は複数の材質から構成されることが多い。
側壁部8は概略円筒形状で、その内径は約100mm、高さは約300mmであり、銅材質から成る。図1に示すように、側壁部8は側壁部8の高さよりは短いが、しかし通電コイル12の巻き高さよりは長い長さで鉛直方向に延びる、絶縁機能を持つスリット13を介して互いに周方向で絶縁された複数のセグメント14から組み立てられている。なお、通電コイル12の巻き高さおよびスリット13の長さはそれぞれ約100mmおよび約200mmである。
複数のセグメント14の内部には冷却水を供給することが可能で、運転中、側壁部8の温度は概略冷却水の温度より100℃を越えて高くならない温度に維持される。側壁部8の上部には結晶保持具7を坩堝内に挿入することを可能にする内径約100mmの円形断面の開口部を持つ。
側壁部8にはその内壁と一部接触する態様で底面部9が内装されている。側壁部8と底面部9の間隙は広いところで1mm、狭いところでは0mm(両者は接触する)に設定することも可能である。底面部9の主な素材は、融液2に接触する部分は窒化珪素、アルミナ等から成り、一部炭素を含むこともある。また、融液2に隣接しない部分は炭素から成る。底面部9は融液2と接触して、融液を保持している。
側壁部8の外周にはコイル12が一巻きが概略水平面に含まれる態様で4乃至5巻き程度で多重螺旋構造に配置されている。コイル12と側壁部8が接触して導通が可能になる点は存在せず、両者の間隔は接近しているところで約1mm、離れているところで約10mmの距離がある。コイル12はブスバー(図示せず)を介して高周波電源(図示せず)に接続されている。高周波電源の最大出力は300kW、周波数は5kHzから30kHzの間で可変である。
底面部9の上面と側壁部8の側壁および開口部で囲まれた空間は自由空間であり、この空間内に融液2、雰囲気ガス5、アルゴンガス6、単結晶基板3、結晶保持具7の一部等を収容することができる。自由空間の体積は概略1200cm3である。
開口部から坩堝内に挿入される結晶保持具7の直径は、高さによって30mmから60mmの間で変化しており、長さは約500mmで主に炭素材質から成る。結晶保持具7の先端には約30mm直径の大きさの単結晶基板3が取り付けられている。結晶保持具7は内部に冷却機構を有している。この冷却機構によって結晶保持具7から単結晶基板3を介して、単結晶基板3に接触している融液2の頂点付近が低温に維持されることにより、融液2に温度勾配が生まれ、単結晶基板3への結晶のエピタキシャル成長が起こる。
坩堝(側壁部8と底面部9)、結晶保持具7の一部、コイル12の一部などは加減圧、雰囲気ガスの供給および排気が可能な一部水冷構造のチャンバー1に収納されている。チャンバー1は気密性と耐圧性を有しており、内容積は約35000cm3であり、材質はステンレス鋼である。チャンバー1は、気体供給装置(図示せず)、真空ポンプ(図示せず)、排ガス処理装置(図示せず)などと結合されている。チャンバー1内は、気体供給装置から送られてくる窒素ガス5および/またはアルゴンガス6からなる雰囲気ガスで充たすことが可能で、両者のガス分圧は任意に制御できる。チャンバー1には運転に必要なバルブ、圧力計、流量計、熱電対挿入口、輻射温度計窓、観察窓などが適宜装着されている。
代表的なLPEの結晶製造工程は、準備工程、成長工程、終了工程に分けることができて、それぞれの工程に対応して、高周波電源出力は図3に示すように時間と共に変化する。本発明における結晶製造工程も、概略図3に示すように、高周波電源の出力を時間変化させる。
本発明の実施例1における単結晶の製造装置は概略以下のように運転される。まず、準備工程として、側壁部8、底面部9から構成される坩堝内の自由空間に少なくとも、珪素とAlおよび炭素を含む固体原料を合計約1kg装入した。このとき、原料に含まれる炭素は10gであった。単結晶製造装置、高周波電源等の冷却を必要とする部分に冷却水を供給した。チャンバー1内を約0.13Paまで減圧した。この後、チャンバー1内に窒素ガス5のみを供給すると共に、供給分を排気し、チャンバー1内の圧力を約0.11MPaに維持した。また、主に炭素材質から成る結晶保持具7の下端には(0001)面が融液2と接触する向きに6H−SiCの単結晶基板3を固定した。
続いて、高周波誘導により効果的に融液2が加熱される高さにコイル12を配置すると共に、高周波電源を用いて、コイル12に周波数10kHz、出力100kWの交流電流を供給した。数分で、固体原料は昇温、溶融し、融液2に変化すると共に、融液2はその周囲が坩堝の側壁部8と接触しない態様でドーム状に隆起して保持された状態で、電磁撹拌の影響を受けて撹拌された。この時、図2に示すように融液表層の大部分では下方に向かう融液流れが認められた。融液温度(冷却されている融液頂点付近の部分を除く融液の温度)は概ね1550から1600℃であった。
溶解開始直後は図4Aに示すように融液表層には被膜が認められなかったが、やがて、図4Bに示すように融液の表層全体をAlNの被膜が覆う状況が認められた。そこで、窒素ガス5の分圧制御を開始した。図5にガス分圧の時間変化を示すが、窒素ガス5の分圧を低下させ、その分だけArガス6を供給し、チャンバー内の圧力を一定の状態(約0.11MPa)にしばらく維持した。具体的には、窒素分圧は0.11MPaから0.00MPaに低下し、この低下した状態が5分から30分間続いた。すると、図4Cに示すように、ドーム状に隆起した融液の頂部に被膜の割れが生じて、割れ部が次第に拡大した。概ね、図4Dに示すように、一部被膜は残存しているものの大部分の被膜が除去できた状態で、Arガス6の供給を停止して窒素ガス5の分圧を元に戻した。この状態で、約2時間運転して準備工程を完了した。なお、この時のArガスの供給量はチャンバー1の内容積の約3倍であった。
続いて、結晶の成長工程に移行する。結晶保持具7の先端に固定されている基板3がドーム状に隆起した融液2の頂点に接触するまで結晶保持具7を下降させた。この後、平均約20μm/hの速度で結晶保持具7を200時間連続して上昇する運転を行った。その際、引き上げの初期に引き上げ速度を適宜増減した。なお、この時、融液2の下端では、融液2と坩堝の側壁部8の間に被膜10が存在しており、両者の接触が妨げられたので、融液2の温度が安定しており、順調に結晶成長を続けることができた。
続いて、終了工程に移行するために、結晶保持具7を結晶の成長速度以上の速度で引き上げて、窒化物単結晶4を融液2から分離した。その後、高周波の電源出力を徐々に低下することにより融液2の温度を常温まで戻した。このようにして、厚さ約4mm、直径約50mmの窒化物単結晶4が得られた。
エピ成長(エピタキシャル成長)で得られた結晶の、特にエピ成長の過程で生ずる格子不整合に伴う転位密度を評価するためTEM(Transmission Electron Microscope,透過型電子顕微鏡)を用いた観察を行った。その結果、転位密度は約106cm-2以下であり、十分な深紫外光の発光強度が見込める品質を有する結晶材料であることが分かった。
(実施例2)
融液表層の被膜除去の引き金として実施例1では窒素ガス5の分圧制御を用いた。実施例2では窒素ガス5の分圧制御を用いる代わりに突き棒11を操作する点を除いて、装置的には実施例1に概略同じである。突き棒11の材質の主成分は黒鉛であるが、代わりに窒化アルミニウム、窒化珪素等でもよい。
実施例2における被膜除去の引き金操作の概要を図6に示す。図6中の記号BおよびCは、それぞれ、準備工程において窒素ガス分圧を利用して被膜除去の引き金操作を行った図4における記号BおよびCの被膜形成状況に対応する。準備工程において融液2の表層に被膜10が形成された後、突き棒11を用いて、融液2の頂部に形成された部分の被膜10を数回突くことにより被膜10を除去する。この後は、概略実施例1と同じ方法で運転操作を行い、厚さ約4mm、直径約50mmの窒化物単結晶4の成長を行った。
エピ成長で得られた結晶の、特にエピ成長の過程で生ずる格子不整合に伴う転位密度を評価するためTEMを用いた観察を行った。その結果、転位密度は約106cm-2以下であり、十分な深紫外光の発光強度が見込める品質を有する結晶材料であることが分かった。
(実施例3)
実施例3に用いる結晶製造装置の仕様は、実施例1に用いた装置に概略同じである。実施例3では、結晶製造の準備工程において窒素分圧の制御を行う代わりに、高周波電源出力を操作して融液温度を制御する点を除いて、実施例1に同じである。
実施例3における結晶製造の準備工程について説明する。高周波誘導により効果的に融液2が加熱される高さにコイル12を配置すると共に、高周波電源を用いて、コイル12に周波数10kHz、出力80kWの交流電流を供給した。数分で、固体原料は昇温、溶融し、融液2に変化すると共に、融液2はその周囲が坩堝の側壁部8と接触しない態様でドーム状に隆起して保持された状態で、電磁撹拌の影響を受けて撹拌された。この時、融液2の隆起高さが実施例1より若干低い点を除いて概略、図2に示すように融液表層の大部分では下方に向かう融液流れが認められた。
溶解開始直後は図4Aに示すように融液表層には被膜が認められなかったが、やがて、図4Bに示すように融液の表層全体をAlNの被膜が覆う状況が認められた。そこで、高周波電源の出力を120kWに増加した。すると、融液表層の窒化物が融液に溶解すると共に、電磁撹拌が促進されて図4Cに示すように、ドーム状に隆起した融液の頂部に被膜の割れが生じて、割れ部が次第に拡大した。融液温度は1530℃から1580℃に上昇したものと推察される。概ね、図4Dに示すように、一部被膜は残存しているものの大部分の被膜が除去できた状態で、高周波電源出力を元の状態に戻した。出力を増大させたのは5〜15分間であった。この状態で、約2時間運転して準備工程を完了した。
これ以降の、結晶成長工程および終了工程を概略実施例1と同じ方法で運転操作を行い、厚さ約4mm、直径約50mmの窒化物単結晶4の成長を行った。
エピ成長で得られた結晶の、特にエピ成長の過程で生ずる格子不整合に伴う転位密度を評価するためTEMを用いた観察を行った。その結果、転位密度は約106cm-2以下であり、十分な深紫外光の発光強度が見込める品質を有する結晶材料であることが分かった。
(実施例4)
実施例4に用いる結晶製造装置の仕様は、実施例1に用いた装置に概略同じである。実施例4では結晶製造の準備工程において窒素分圧の制御を行う時間が実施例1より長い点を除いて、実施例1に同じである。図8に実施例4における被膜の状況変化に対応するガス分圧の変化を示す。実施例1ではArガスの供給量はチャンバー1の内容積の約3倍であった。一方、実施例4では、Arガスの供給量はチャンバー1の内容積の約6倍であった。このため、準備工程において、図4に示した記号Dで表される被膜10の状態の後に続いて、図9で表される被膜が存在しない状態Eが現れた。窒素分圧の低い状態の保持時間は約30分であった。この状態で、約2時間運転して準備工程を完了した。
これ以降の、結晶成長工程および終了工程を概略実施例1と同じ方法で運転操作したところ、厚さ約3mm、直径約50mmの窒化物単結晶4が得られた。実施例4は実施例1に比べて成長厚さが薄い。この一因として、実施例4では融液2の下端に被膜10が存在しないので、融液2と坩堝の側壁部8が接触して融液温度が下がり、融液表層に窒化物が晶出して窒素ガス5の融液2への溶解が阻害されたことが挙げられる。なお、TEM観察から得られた転位密度は約107cm-2以下であった。
(実施例5)
実施例5に用いる結晶製造装置の仕様は、コイル12の配置高さが実施例1の場合よりも高い側に移動している点を除いて実施例1に用いた装置に概略同じである。結晶製造の準備工程、成長工程および終了工程を概略実施例1と同じ方法で運転操作したところ、厚さ約3mm、直径約50mmの窒化物単結晶4が得られた。実施例5は実施例1に比べて成長厚さが薄い。この一因として、実施例5では融液2の表層における電磁撹拌による融液2の流れの向きが、重力の作用する方向と逆向きであり、このため被膜の除去が促進されなかったことが挙げられる。なお、TEM観察から得られた転位密度は約107cm-2以下であった。
本発明で用いた坩堝構造例を一部透視的に示す鳥瞰図である。 本発明で用いた坩堝構造例を模式的に示す縦断面図である。 本発明で用いた結晶製造工程に対応する高周波電源出力を示す。 融液表層における被膜の状況変化を示す。 図4に示す被膜の状況変化に対応するガス分圧制御例を示す。 実施例2における被膜除去の引き金を示す。 実施例3における結晶製造工程に対応する高周波電源出力を示す。 実施例4における被膜の状況変化に対応するガス分圧制御を示す。 実施例4における図4の状態Dの後に続いて現れる被膜状況を示す。 実施例5におけるコイル配置と融液の流れ構造を示す。
符号の説明
1:チャンバー、2:融液、3:基板、4:窒化物単結晶、5:窒素ガス、6:Arガス、7:結晶保持具、8:坩堝の側壁部、9:坩堝の底面部、10:被膜、11:突き棒、12:コイル、13:スリット、14:セグメント

Claims (6)

  1. 坩堝に収容された単結晶原料の融液に、窒素を雰囲気ガスから供給し溶解させ、その融液をローレンツ力により隆起させ、隆起した融液の頂点付近に種結晶基板を接触させるとともに、少なくとも前記種結晶基板周辺において前記融液を単結晶原料及び窒素の過飽和状態として、融液から種結晶基板を引き上げることにより種結晶基板上に単結晶を成長させる、窒化物単結晶の製造方法であって、融液表層に形成される窒化物被膜を少なくとも融液頂点付近から一部除去するための引き金工程を有し、前記被膜除去のための引き金工程後、被膜が一部除去された状態を維持しながら、融液の撹拌により被膜の除去を進めることを特徴とする窒化物単結晶の製造方法。
  2. 前記被膜除去のための引き金工程が、雰囲気ガスの窒素分圧の操作、融液温度の操作、ならびに物理的な接触、から選ばれた1または2以上の方法により達成される、請求項1記載の窒化物単結晶の製造方法。
  3. 前記融液の撹拌が、高周波方式または低周波移動磁場方式による電磁撹拌である、請求項1または2記載の窒化物単結晶の製造方法。
  4. 前記被膜の除去のための引き金工程を、種結晶基板上に単結晶を成長させる工程より前または単結晶成長の初期に行う、請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物単結晶の製造方法。
  5. 単結晶原料の融液を保持する坩堝と、先端に種結晶基板を保持することができる昇降可能な結晶保持具とを備える単結晶製造装置であって、
    融液を撹拌する手段、
    窒素分圧制御手段、融液温度制御手段および機械式被膜破損手段から選ばれた少なくとも一つの手段、ならびに
    融液にローレンツ力を発生させて融液を隆起させるための常伝導コイル、
    を備えたことを特徴とする、単結晶製造装置。
  6. 融液を撹拌する手段が、高周波撹拌装置、低周波移動磁場撹拌装置および機械撹拌装置のいずれかである、請求項5記載の単結晶製造装置。
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