JP2008068817A - 走行減速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸方向寸法を短くすることができて走行減速機全体のコンパクト化や重量の低減を図ることのできる走行減速機を提供する。
【解決手段】トラックフレーム2に取着されるアクスルハウジング4と、複数のボール33,36を具備するベアリング機構5を介して前記アクスルハウジング4に回転自在に支承され、履帯6に噛合するスプロケット7が取着されるハブ8と、入力された回転動力を減速して前記ハブ8に伝達する減速装置10とを備える走行減速機1において、前記アクスルハウジング4の外周部に、前記ボール33,36を案内する軌道部34,37を一体的に形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば油圧ショベル等の履帯式作業車両に用いられて好適な走行減速機に関するものである。
従来、例えば油圧ショベルのような作業車両には履帯式走行装置が装備され、この履帯式走行装置には図10に示されるような走行減速機100が設けられている。図10に示される走行減速機100は、履帯101に噛合するスプロケット102が取着されたハブ103と、走行モータ104からの回転動力を減速して前記ハブ103に伝達する減速装置105とを備えている。ここで、前記走行モータ104は、モータハウジングとしての機能と車軸としての機能とを兼備するモータハウジング兼アクスルハウジング106に、油圧モータ機構107(略図的に表わす。)が内蔵されてなるものである。
前記モータハウジング兼アクスルハウジング106は、一般に鋳物製で、トラックフレーム108にボルト109によって固定され、前記ハブ103は、ベアリング機構110を介して前記モータハウジング兼アクスルハウジング106に回転自在に支承されている。
前記減速装置105は、前記ハブ103の内部にそのハブ103の軸心方向外側(図10において左側)から内側(同図右側)に向けて順に配置される第1遊星歯車減速機構111および第2遊星歯車減速機構112が組み合わされて構成されている。前記第1遊星歯車減速機構111は、一端部が走行モータ104に連結されてその走行モータ104からの回転動力が入力される入力軸113の他端部に一体的に設けられた第1サンギヤ114と、この第1サンギヤ114に噛合するとともにハブ103の内周面に一体的に設けられたリングギヤ115に噛合する第1プラネタリギヤ116と、この第1プラネタリギヤ116をピン117を介して軸支する第1キャリア118とを備えて構成されている。一方、前記第2遊星歯車減速機構112は、第1遊星歯車減速機構111における第1キャリア118と噛合する第2サンギヤ119と、この第2サンギヤ119に噛合するとともに前記リングギヤ115に噛合する第2プラネタリギヤ120と、この第2プラネタリギヤ120をピン121を介して軸支する第2キャリア122とを備えて構成されている。この第2遊星歯車減速機構112においては、モータハウジング兼アクスルハウジング106に反力をとるために、第2キャリア122がそのモータハウジング兼アクスルハウジング106の先端部にスプライン結合されている。そして、走行モータ104から入力軸113に入力された回転動力は、第1サンギヤ114、第1プラネタリギヤ116、第1キャリア118、第2サンギヤ119および第2プラネタリギヤ120を介してリングギヤ115に出力され、これによりスプロケット102が回転駆動されるようになっている。
前記ベアリング機構110は、モータハウジング兼アクスルハウジング106の軸心方向外側(図10において左側)から内側(同図右側)に向けて順に配置される第1アンギュラベアリング123および第2アンギュラベアリング124により構成されている。このベアリング機構110において、第1アンギュラベアリング123のアウタレース125および第2アンギュラベアリング124のアウタレース126はそれぞれハブ103の基部に形成された段付き部に嵌合・装着され、第2アンギュラベアリング124のインナレース127はモータハウジング兼アクスルハウジング106の基部寄りに形成された段付き部に嵌合・装着され、第1アンギュラベアリング123のインナレース128は第2アンギュラベアリング124のインナレース127に対し所定の間隔を存してモータハウジング兼アクスルハウジング106に外嵌・装着され、第1アンギュラベアリング123および第2アンギュラベアリング124のそれぞれのアウタレース125,126とインナレース128,127との間には複数のボール(転動体)129,129が介挿されている。
前記モータハウジング兼アクスルハウジング106に対して前記ベアリング機構110におけるインナレース127,128は分離可能な構造であるため、特にモータハウジング兼アクスルハウジング106の軸心方向外側(図10において左側)のインナレース128が抜け出さないように固定する手段が必要となる。そこで、モータハウジング兼アクスルハウジング106において、インナレース128が外嵌・装着される部位と、第2キャリア122がスプライン結合される部位との間の部位には雄ねじが螺刻され、この雄ねじにはベアリング固定用ナット130が螺合され、このベアリング固定用ナット130をインナレース128に接当させた状態で所定のトルクにて締め付けることにより、インナレース128が抜け出さないように固定してアンギュラベアリング123,124を所定の状態位置に保持するようにされている。なお、符号131にて示されるのは、ベアリング固定用ナット130の緩み止めプレートである。
ところで、ベアリング固定用ナット130によりインナレース128を抜け出さないように固定してベアリング123,124を所定の状態位置に保持するという技術は、例えば特許文献1にて知られている。
特開2000−120846号公報
しかしながら、前記従来の走行減速機100では、インナレース128が抜け出さないように固定してアンギュラベアリング123,124を所定の状態位置に保持するために、抜け止め部品としてのベアリング固定用ナット130をモータハウジング兼アクスルハウジング106に螺着する必要があるため、モータハウジング兼アクスルハウジング106の軸方向寸法がそのベアリング固定用ナット130を設ける分だけ長くなり、その結果、走行減速機100の軸方向寸法が長くなってしまい、走行減速機全体の大型化や重量増を招くという問題点がある。
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、軸方向寸法を短くすることができて走行減速機全体のコンパクト化や重量の低減を図ることのできる走行減速機を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明による走行減速機は、
車体フレームに取着されるアクスルハウジングと、
複数の転動体を具備するベアリング機構を介して前記アクスルハウジングに回転自在に支承され、駆動輪が取着されるハブと、
入力された回転動力を減速して前記ハブに伝達する減速装置と、
を備える走行減速機であって、
前記アクスルハウジングの外周部に、前記転動体を案内する軌道部を一体的に形成することを特徴とするものである(第1発明)。
本発明において、前記減速装置は前記ハブ内に配置される遊星歯車減速機構を備え、この遊星歯車減速機構におけるプラネタリギヤの支持軸が、前記アクスルハウジングに一体的に形成されているのが好ましい(第2発明)。
本発明において、前記減速装置は前記アクスルハウジング内に配置される遊星歯車減速機構を備え、この遊星歯車減速機構におけるプラネタリギヤと噛合するリングギヤが、前記アクスルハウジングの内周面に一体的に形成されているのが好ましい(第3発明)。
本発明において、前記複数の転動体の間にはそれら転動体の間隔を一定に保つためのセパレータが設けられ、前記アクスルハウジングには、各転動体と各セパレータとを前記軌道部上に組み込むための挿入口が設けられるとともに、この挿入口を塞いで各転動体の一部を保持するホルダが取り付けられているのが好ましい(第4発明)。
本発明において、前記アクスルハウジングには、前記軌道部に連続し当該アクスルハウジングの径方向外側から前記転動体を保持するように突出部が形成されているのが好ましい(第5発明)。
本発明によれば、ベアリング機構における転動体を案内する軌道部がアクスルハウジングの外周部に一体的に形成されているので、言い換えればアクスルハウジングにベアリング機構のインナレースの機能を担わせるようにされているので、従来、インナレース128の抜け止め部品として必要とされていたベアリング固定用ナット130が不要になり、アクスルハウジングの軸方向寸法をそのベアリング固定用ナット130を設けていた分だけ短くすることができ、その結果、走行減速機の軸方向寸法を短くすることができて、走行減速機全体のコンパクト化や重量の低減を図ることができる。また、従来はアクスルハウジングとは別に転動体の軌道部として必要とされていたインナレース127,128が不要となるので、走行減速機全体の大型化を招くことなくサイズのより大きな転動体を用いることができる。したがって、従来機100よりもベアリンク容量(ベアリング耐荷重)をアップすることができる一方、従来機100と同等のベアリンク容量を得る場合は転動体の個数を減らすことができて走行減速機全体をよりコンパクトにすることができる。
第2発明の構成を採用することにより、従来機100における第2キャリア122が不要になり、走行減速機全体を更にコンパクトにすることができる。
第3発明の構成を採用することにより、例えば減速装置が従来機100と同様に2段の遊星歯車減速機構よりなる場合、これら遊星歯車減速機構のうちの一方の遊星歯車減速機構をアクスルハウジング内に収容することが可能になり、走行減速機の軸方向寸法をより一層短くすることができる。
第4発明の構成を採用することにより、転動体とセパレータをアクスルハウジングに設けられる挿入口からハブを回転させつつ交互に挿入し、全ての転動体とセパレータの挿入完了後、挿入口に対しホルダを装着することで、ベアリング機構を容易に組み立てることができる。
第5発明の構成を採用することにより、ベアリング機構の組立時、軌道部上に配列された転動体がその軌道部上から外側に外れてしまうのを突出部により防止することができるので、組立性を向上させることができる。
次に、本発明による走行減速機の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
〔第1の実施形態〕
図1には、本発明の第1の実施形態に係る走行減速機の構造説明図が示されている。
図1に示される走行減速機1は、油圧ショベルに装備される履帯式走行装置に設けられる走行減速機であって、トラックフレーム(本発明における「車体フレーム」に相当する。)2にボルト3によって固定され、車軸として機能するアクスルハウジング4と、ベアリング機構5を介して前記アクスルハウジング4に回転自在に支承され、履帯6に噛合するスプロケット(本発明における「駆動輪」に相当する。)7が取着されたハブ8と、走行モータ9からの回転動力を減速して前記ハブ8に伝達する減速装置10とを備えている。ここで、前記アクスルハウジング4およびハブ8はいずれも鋼製であり、また前記走行モータ9は前記アクスルハウジング4とは別体の油圧モータユニットよりなり、前記アクスルハウジング4に対して前記走行モータ9が嵌合・装着された状態でボルト11により固定されている。
前記ハブ8の軸心方向外側(図1において左側)の端面にはその端面側の開口を塞ぐカバー部材12が取着される一方、前記ハブ8の軸心方向内側(図1において右側)の開口部と前記アクスルハウジング4の基部に形成された窪み部との間にはフローティングシール13が介設され、これらカバー部材12およびフローティングシール13によってハブ8の内部に土砂等が入らないようにされている。
前記減速装置10は、前記ハブ8の内部にそのハブ8の軸心方向外側(図1において左側)から内側(同図右側)に向けて順に配置される第1遊星歯車減速機構15および第2遊星歯車減速機構16が組み合わされて構成されている。
前記第1遊星歯車減速機構15は、一端部が走行モータ9に連結されてその走行モータ9からの回転動力が入力される入力軸17の他端部に一体的に設けられた第1サンギヤ18と、この第1サンギヤ18に噛合するとともにハブ8の内周面に一体的に設けられたリングギヤ19に噛合する第1プラネタリギヤ20と、この第1プラネタリギヤ20をピン21を介して軸支する第1キャリア22とを備えて構成されている。一方、前記第2遊星歯車減速機構16は、入力軸17に遊嵌され、第1遊星歯車減速機構15における第1キャリア22と噛合する第2サンギヤ23と、この第2サンギヤ23に噛合するとともに前記リングギヤ19に噛合する第2プラネタリギヤ24と、この第2プラネタリギヤ24をピン25を介して軸支する第2キャリア26とを備えて構成されている。この第2遊星歯車減速機構16においては、アクスルハウジング4に反力をとるために、第2キャリア26がそのアクスルハウジング4の先端部にスプライン結合されている。そして、走行モータ9から入力軸17に入力された回転動力は、第1サンギヤ18、第1プラネタリギヤ20、第1キャリア22、第2サンギヤ23および第2プラネタリギヤ24を介してリングギヤ19に出力され、これによりスプロケット7が回転駆動されるようになっている。なお、前記第1遊星歯車減速機構15におけるピン21は第1キャリア22に、前記第2遊星歯車減速機構16におけるピン25は第2キャリア26にそれぞれ圧入により嵌め込まれ、いずれのピン21,25もそれらキャリア22,26に対してそれぞれ回り止めピン27,28の打ち込みによる回り止め手段が施された状態で固定されている。
前記ベアリング機構5は、前記アクスルハウジング4の軸心方向外側(図1において左側)から内側(同図右側)に向けて順に配置される第1ベアリング部31および第2ベアリング部32により構成されている。前記第1ベアリング部31は、図2に示されるように、複数のボール(転動体)33と、アクスルハウジング4の外周部に一体的に形成され、前記ボール33を案内する第1内周側軌道部34と、この第1内周側軌道部34に対して前記ボール33を挟んで向かい合うように前記ハブ8の内周部に一体的に形成され、前記ボール33を案内する第1外周側軌道部35とを備えて構成されている。一方、前記第2ベアリング部32は、前記第1ベアリング部31と同様に、複数のボール(転動体)36と、アクスルハウジング4の外周部に一体的に形成され、前記ボール36を案内する第2内周側軌道部37と、この第2内周側軌道部37に対して前記ボール36を挟んで向かい合うように前記ハブ8の内周部に一体的に形成され、前記ボール36を案内する第2外周側軌道部38とを備えて構成されている。ここで、前記第2内周側軌道部37はアクスルハウジング4の基部寄りに配される一方、前記第1内周側軌道部34はその第2内周側軌道部37に対し所定の間隔を存して配され、これら第1内周側軌道部34と第2内周側軌道部37との間におけるアクスルハウジング4の外周部には溝39が設けられ、この溝39により、ベアリング機構5に対する潤滑油の循環が良好に行われるようになっている。なお、本実施形態では、ベアリング機構5における転動体としてボール33,36を用いた態様例を示したが、このボール33,36に代えて円筒状、円錐状あるいは球面状のローラを用いる態様例もあり得る。
前記第1ベアリング部31において、複数のボール33の間にはそれらボール33の間隔を一定に保つためのセパレータ40(図3参照)が設けられる一方、前記第2ベアリング部32においても同様に、複数のボール36の間にそれらボール36の間隔を一定に保つためのセパレータ40が設けられている。各セパレータ40は円柱駒状の樹脂製で、各セパレータ40においては、図3に示されるように、その両端にボール33(36)と面接触可能な部分球面状の座面40a,40aが形成されるとともに、それら座面40a,40aの中心部を軸心方向に貫いて潤滑油の通り路に供される潤滑油流通孔40bが形成されている。
前記アクスルハウジング4には、図2に示されるように、前記第2内周側軌道部37に連続し当該アクスルハウジング4の径方向外側から前記ボール36を保持するように突出部41が形成されている。さらに、前記アクスルハウジング4には、図4に示されるように、前記ボール33とセパレータ40を前記第1内周側軌道部34上に組み込むための挿入口42が設けられるとともに、この挿入口42を塞いで前記ボール33の一部を保持するホルダ43(図1参照)が取り付けられている。
前記挿入口42は、図4に示されるように、前記アクスルハウジング4の先端部における外周縁の一部が略半円状に切りかかれて形成されるものであって、アクスルハウジング4の上半分側で、かつ当該挿入口42の中心Oとアクスルハウジング4の軸心Oとを結ぶ直線Lが、アクスルハウジング4の軸心Oと交わる鉛直線Lに対して、スプロケット7の反対側でトラックフレーム2に回転自在に設けられている図示されない遊動輪(アイドラ)側にθ(≒45°)の角度を成すような位置に設けられている。なお、この挿入口42が設けられる位置は走行時の突上げ荷重や履帯6の張力の影響による応力の作用が極めて少ない所であるため、かかる位置に前記挿入口42を形成するためにアクスルハウジング4の一部を略半円状に切り欠いたとしても、強度上の問題が生じることはない。
一方、前記ホルダ43は、図5に示されるように、アクスルハウジング4の先端面にボルト44によって固定される取付プレート45と、この取付プレート45に固着され、前記挿入口42に嵌り込むプラグ部46とを備えて構成されている。ここで、前記プラグ部46においては、前記挿入口42に対する差込方向側の端面に、前記ボール33の一部分に係合する部分球面状の保持面46aが形成されている。こうして、挿入口42を塞ぐようにホルダ43をアクスルハウジング4に取り付けることで、このホルダ43により前記ボール33の一部を保持することができるようにされている。
本実施形態の走行減速機1において、前記ベアリング機構5の組立作業は、例えば次のようにして行われる。まず、アクスルハウジング4の先端面を上方に向けた状態でアクスルハウジング4を図示されない組立台上に載置する。次いで、第2内周側軌道部37上にボール36とセパレータ40を交互に配列する。この際、第2内周側軌道部37上に配列されたボール36とセパレータ40は突出部41によって保持され、それらボール36およびセパレータ40がその第2内周側軌道部37上から外側に外れてしまうのを確実に防止することができる。次いで、アクスルハウジング4の第2内周側軌道部37上に配列されたボール36に対してハブ8の第2外周側軌道部38を合わせるように、アクスルハウジング4に対しハブ8を嵌め込む。その後、ボール33とセパレータ40を挿入口42からハブ8を回転させつつ交互に挿入し、全てのボール33とセパレータ40の挿入完了後、挿入口42に対しホルダ43を装着する。こうして、ベアリング機構5を容易に組み立てることができる。なお、突出部41はこの組立作業時においてのみボール36とセパレータ40に接触してそれらを保持するものであるが、組立完了後はボール36とセパレータ40に対し突出部41が非接触状態となり、ボール36とセパレータ40の動きに突出部41が干渉しないようにその形状寸法が設定されている。
なお、本実施形態の走行減速機1においては、前記リングギヤ19や第1内周側軌道部34、第1外周側軌道部35、第2内周側軌道部37、第2外周側軌道部38、ホルダ43などに対して表面硬化処理が施されている。この表面硬化処理としては、例えば高周波焼入れ等の熱処理によるものや、窒化処理によるもの、浸炭処理によるものなどが挙げられる。
以上に述べたような本実施形態の走行減速機1によれば、第1内周側軌道部34および第2内周側軌道部37がそれぞれアクスルハウジング4の外周部に一体的に形成されているので、言い換えればアクスルハウジング4に従来公知のベアリングにおけるインナレースの機能を担わせるようにされているので、従来、インナレース128の抜け止め部品として必要とされていたベアリング固定用ナット130が不要になり、アクスルハウジング4の軸方向寸法をそのベアリング固定用ナット130を設けていた分だけ短くすることができ、その結果、走行減速機1の軸方向寸法を短くすることができて、走行減速機全体のコンパクト化や重量の低減を図ることができる。また、本実施形態の走行減速機1の外側端面と履帯6の外側端との距離S(図1参照)が、従来の走行減速機100の外側端面と履帯101の外側端との距離S10(図10参照)よりも長くなるので、走行時において走行減速機1が岩石等と接触するのをより確実に避けることができる。また、第1内周側軌道部34および第2内周側軌道部37がそれぞれアクスルハウジング4の外周部に一体的に形成されるとともに、第1外周側軌道部35および第2外周側軌道部38がそれぞれハブ8の内周部に一体的に形成されるので、従来はアクスルハウジングとは別にボール129,129の軌道部として必要とされていたインナレース128,127およびアウタレース125,126が不要となり、走行減速機全体の大型化を招くことなくサイズのより大きなボール33,36を用いることができる。したがって、従来機100よりもベアリンク容量(ベアリング耐荷重)をアップすることができる一方、従来機100と同等のベアリンク容量を得る場合はボール33,36の個数を減らすことができて走行減速機全体をよりコンパクトにすることができる。
ところで、従来機100では、モータハウジングとしての機能と車軸としての機能とを兼備するモータハウジング兼アクスルハウジング106の外周にアンギュラベアリング123,124を装着するようにされているため、アンギュラベアリング123,124の径寸法の縮小を図るにはかなりの制限があり、大径のアンギュラベアリング123,124を選定せざるを得ず、走行減速機100の大型化や重量増、コストアップを免れなかったが、本実施形態の走行減速機1では、主に車軸として機能するアクスルハウジング4にそのアクスルハウジング4とは別体の油圧モータユニットよりなる走行モータ9を嵌合・装着するようにされ、しかもアクスルハウジング4の外周部およびハブ8の内周部にそれぞれ軌道部34,37;35,38を一体的に形成するようにされているので、ベアリング部31,32の径寸法の縮小を容易に図ることができ、これによっても走行減速機1の小型化や重量減、コストダウンを図ることができる。
〔第2の実施形態〕
図6には、本発明の第2の実施形態に係る走行減速機の構造説明図が示されている。なお、前記第1の実施形態と同一または同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては前記第1の実施形態と異なる点を中心に説明することとする。
本実施形態の走行減速機1Aにおいて、走行モータ9からの回転動力を減速してハブ8Aに伝達する減速装置10Aは、やはり前記ハブ8Aの内部にそのハブ8Aの軸心方向外側(図6において左側)から内側(同図右側)に向けて順に配置される第1遊星歯車減速機構15および第2遊星歯車減速機構50が組み合わされて構成されている。ここで、前記第2遊星歯車減速機構50は、入力軸17に遊嵌され、第1遊星歯車減速機構15における第1キャリア22と噛合する第2サンギヤ23と、この第2サンギヤ23に噛合するとともにハブ8Aの内周面に一体的に設けられたリングギヤ19Aに噛合する第2プラネタリギヤ24と、この第2プラネタリギヤ24を回転自在に支持する支持軸51とを備えて構成され、前記支持軸51はアクスルハウジング4Aに一体的に形成されている。そして、走行モータ9から入力軸17に入力された回転動力は、第1サンギヤ18、第1プラネタリギヤ20、第1キャリア22、第2サンギヤ23および第2プラネタリギヤ24を介してリングギヤ19Aに出力され、これによりスプロケット7が回転駆動されるようになっている。
すなわち、前記第1の実施形態の走行減速機1では、アクスルハウジング4にスプライン結合される第2キャリア26に設けられたピン25に第2プラネタリギヤ24が軸支されているのに対し、本実施形態の走行減速機1Aでは、アクスルハウジング4Aに一体的に設けられた支持軸51に第2プラネタリギヤ24が軸支されている。したがって、本実施形態の走行減速機1Aによれば、前記第1の実施形態の走行減速機1と同様の作用効果を得ることができるのは勿論のこと、前記第1の実施形態の走行減速機1における第2キャリア26が不要になるため、走行減速機全体をよりコンパクトにすることができ、走行減速機1Aの外側端面と履帯6の外側端との距離Sを前記第1の実施形態におけるそれ(S:図1参照)よりも長くすることができる。なお、支持軸51の先端部に固定されている図6中符号52にて示されるものは、第2プラネタリギヤ24の抜け止めプレートである。また、支持軸51の表面およびアクスルハウジング4Aにおける支持軸51の形成部周辺には、前記第1の実施形態の説明で例示したような表面硬化処理が施されている。
〔第3の実施形態〕
図7には、本発明の第3の実施形態に係る走行減速機の構造説明図が示されている。なお、前記各実施形態と同一または同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては前記各実施形態と異なる点を中心に説明することとする。
本実施形態の走行減速機1Bにおいて、走行モータ9からの回転動力を減速してハブ8Bに伝達する減速装置10Bは、アクスルハウジング4B内に配置される第1遊星歯車減速機構55と、ハブ8B内に配置される第2遊星歯車減速機構50とを備え、これら遊星歯車減速機構55,50が組み合わされて構成されている。ここで、前記第1遊星歯車減速機構55は、一端部が走行モータ9に連結されてその走行モータ9からの回転動力が入力される入力軸17Bの他端部に一体的に設けられた第1サンギヤ56と、この第1サンギヤ56に噛合するとともにアクスルハウジング4Bの内周面に一体的に設けられたリングギヤ57に噛合する第1プラネタリギヤ58と、この第1プラネタリギヤ58をピン59を介して軸支する第1キャリア60とを備えて構成されている。なお、第1遊星歯車減速機構55における第1キャリア60と第2遊星歯車減速機構50における第2サンギヤ23とは、互いに噛合されている。そして、走行モータ9からの回転動力は、第1サンギヤ56、第1プラネタリギヤ58、第1キャリア60、第2サンギヤ23および第2プラネタリギヤ24を介してリングギヤ19Bに出力され、これによりスプロケット7が回転駆動されるようになっている。
すなわち、本実施形態は、前記第2の実施形態における第1遊星歯車減速機構15と基本的に同構造で小型化したものをアクスルハウジング4B内に収容した態様例に関するものである。したがって、本実施形態の走行減速機1Bによれば、前記各実施形態の走行減速機1,1Aと同様の作用効果を得ることができるのは勿論のこと、前記第2の実施形態の走行減速機1Aよりも更にその軸方向寸法を短くすることができ、走行減速機1Bの外側端面と履帯6の外側端との距離Sを前記第2の実施形態におけるそれ(S:図6参照)よりも長くすることができる。なお、アクスルハウジング4Bの内周面に一体的に形成されているリングギヤ57に対して、前記第1の実施形態の説明で例示したような表面硬化処理が施されているのは言うまでもない。
なお、前記各実施形態においては、ハブ8,8A,8Bの内周部に外周側軌道部35,38が一体的に形成されている例を示したが、当該外周側軌道部35,38に代えて、図8に示されるように、別途装着可能なアウタレース61,62を用いる態様例もあり得る。すなわち、図8に示されるベアリング機構5′において、アウタレース61,62は、内周側軌道部34,37に対してボール33,36を挟んで向かい合うように、ハブ8′(8A′,8B′)の基部に形成された段付き部に嵌合・装着されている。この図8に示される態様例であっても、従来、インナレース128の抜け止め部品として必要とされていたベアリング固定用ナット130が不要になり、アクスルハウジング4(4A,4B)の軸方向寸法をそのベアリング固定用ナット130を設けていた分だけ短くすることができるという前記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、前記各実施形態においては、第2ベアリング部32において、複数のボール36の間にそれらボール36の間隔を一定に保つために、隣り合うボール36に対して同時に面接触可能な一対の座面40a,40aを有する円柱駒状のセパレータ40が設けられているが、かかるセパレータ40に代えて、図9(a)(b)に示されるような、複数のボール36を一定の間隔で一纏めに保持するリング状の保持器65を採用しても良い。この保持器65が採用された場合、前記突出部41を設けなくてもベアリング機構5の組み立てを容易に行えるという効果を奏する。
また、前記各実施形態は油圧ショベルに装備される履帯式走行装置に設けられる走行減速機に本発明が適用された例であるが、これに限定されず、例えばブルドーザに装備される履帯式走行装置に設けられる走行減速機に本発明を適用することも可能である。
本発明の第1の実施形態に係る走行減速機の構造説明図 ベアリング機構の詳細説明図 セパレータの構造説明図 ボール挿入口の形状と位置の説明図 ボールホルダの構造説明図で、側面図(a)および(a)のX矢視図(b) 本発明の第2の実施形態に係る走行減速機の構造説明図 本発明の第3の実施形態に係る走行減速機の構造説明図 ベアリング機構の他の態様例の説明図 ボール保持器の適用例の説明図(a)および(a)のY矢視図(b) 従来の走行減速機の構造説明図
符号の説明
1,1A,1B 走行減速機
2 トラックフレーム(車体フレーム)
4,4A,4B アクスルハウジング
5,5′ ベアリング機構
6 履帯
7 スプロケット(駆動輪)
8,8A,8B ハブ
9 走行モータ
10,10A,10B 減速装置
15,55 第1遊星歯車減速機構
16,50 第2遊星歯車減速機構
33,36 ボール(転動体)
34 第1内周側軌道部
35 第1外周側軌道部
37 第2内周側軌道部
38 第2外周側軌道部
40 セパレータ
41 突出部
42 挿入口
43 ホルダ
51 支持軸
57 リングギヤ

Claims (5)

  1. 車体フレームに取着されるアクスルハウジングと、
    複数の転動体を具備するベアリング機構を介して前記アクスルハウジングに回転自在に支承され、駆動輪が取着されるハブと、
    入力された回転動力を減速して前記ハブに伝達する減速装置と、
    を備える走行減速機であって、
    前記アクスルハウジングの外周部に、前記転動体を案内する軌道部を一体的に形成することを特徴とする走行減速機。
  2. 前記減速装置は前記ハブ内に配置される遊星歯車減速機構を備え、この遊星歯車減速機構におけるプラネタリギヤの支持軸が、前記アクスルハウジングに一体的に形成されている請求項1に記載の走行減速機。
  3. 前記減速装置は前記アクスルハウジング内に配置される遊星歯車減速機構を備え、この遊星歯車減速機構におけるプラネタリギヤと噛合するリングギヤが、前記アクスルハウジングの内周面に一体的に形成されている請求項1または2に記載の走行減速機。
  4. 前記複数の転動体の間にはそれら転動体の間隔を一定に保つためのセパレータが設けられ、
    前記アクスルハウジングには、各転動体と各セパレータとを前記軌道部上に組み込むための挿入口が設けられるとともに、この挿入口を塞いで各転動体の一部を保持するホルダが取り付けられている請求項1〜3のいずれかに記載の走行減速機。
  5. 前記アクスルハウジングには、前記軌道部に連続し当該アクスルハウジングの径方向外側から前記転動体を保持するように突出部が形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の走行減速機。
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