JP2008068550A - 画像形成装置及び媒体搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】組み付け時のテンション等のバラツキやメカ部品の特性のバラツキ、マシン機差も含めたマシンの状態、使用する用紙、制御パラメータの設定状態などの影響で駆動手段を目標値どおりの位置で正確に停止できない場合が生じる。
【解決手段】改行画像目標値Cgに補正値Aを加算して、改行目標値Cを算出し、改行目標値Cで改行(副走査送り)を実施し、改行画像目標値Cgと副走査モータ31の駆動量の履歴に相当する実際の搬送量(改行量)Crとの偏差ΔC(ΔC=ΔC+(Cg−Cr))を得て、データ数Nの偏差ΔCについて平均化処理を行なって補正値Aを得て、この補正値Aで改行画像目標値Cgを補正する。
【選択図】図10

Description

本発明は画像形成装置及び媒体搬送装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッドともいう。)で構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
なお、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、液体とは記録液、インクに限るものではなく、画像形成を行うことができる液体であれば特に限定されるものではない。また、液体吐出装置とは、液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、画像を形成するものに限らない。
このように用紙を搬送しながら画像を形成する液滴を吐出する装置を含む画像形成装置においては、液滴着弾位置の精度を高める必要があることから、用紙を高精度に搬送しなければならない。そこで、特許文献1ないし5に記載されているように、用紙を静電力などで搬送ベルトに吸着して搬送することで、記録ヘッドと用紙との距離を一定に保ち、かつ、用紙の送り量を正確に制御して用紙の位置ずれを防止し、更に用紙の浮きを防止して記録ヘッドとの当たりによるジャムや汚れを防止している。
また、搬送ベルトを用いないで搬送ローラだけで用紙を挟んで搬送するようにした搬送手段を備えるものもある。
このような画像形成装置において、媒体の搬送を正確に行うために、例えば、特許文献1には、印刷媒体の副走査方向の送り量の第1の補正量を記憶する記憶手段と、印刷媒体の副走査方向の送り量を第1の補正量で補正しながら、調整シート上に、副走査方向に沿って基準線と基準線との間隔がそれぞれ異なる間隔にある複数の基準線と、各基準線からそれぞれ異なる量だけずらした位置に複数の評価線とを印刷する印刷手段と、印刷された調整シート上で基準線と評価線が一致しているときの調整値を、副走査送り量の相対補正値として、第1の補正量と加算し、加算された第2の補正量を記憶手段に記憶し、第2の補正量を用いて印刷時の副走査方向の送り量の補正を行う制御手段とを備えるものが記載されている。この場合、調整シートから、基準線と評価線が一致している目盛の値を、副走査送り量の補正相対値として、パーソナルコンピュータからユーザーが記録装置に入力することで、副走査送り量の補正相対値が記憶手段に記憶される。
特開2004−223748号公報
特許文献2には、記録媒体の幅Wを測定し、記録媒体の各辺のうち副走査方向に延びる副走査方向一辺から所定距離aだけ離れた位置において副走査方向に延びる折り目線を記録媒体に形成し、続いて、記録媒体のうち先端辺から(W−a)離れた部分に、主走査方向に延びる一本の基準調整線を形成し、更にこの基準調整線よりも副走査方向上流側及び下流側で基準調整線に平行に延びる複数本の補助調整線を形成し(これら複数本の補助調整線は互いに所定間隔離れるように形成する)、次に、先端辺が折り目線に重なるように折り曲げた後、反対側一辺が基準調整線及び補助調整線のうちのどの線に一致するかを見ることで所定の搬送量を調整する搬送量調整方法が記載されている。
特開2005−297382号公報
特許文献3には、記録媒体が搬送手段により副走査方向に走査される毎に、印字素子列の副走査方向の長さと搬送ローラの径とに基づいて駆動源の駆動量を制御する駆動量制御手段を備え、搬送ローラを回転させるために搬送モータに加える理論パルス数を設定して、次に、印字ヘッドが要求する搬送量Aの算出と、搬送ローラの径から搬送量Bの算出を行い、更にAとBの差を埋めるために差分パルス数を求め、この差分パルス数分の搬送ローラの搬送量CとAの単一誤差Rを求め、搬送ローラを駆動する毎に誤差Rの累積誤差を計算し、累積誤差が所定範囲内になるように搬送モータの駆動パルスを算出して搬送モータを駆動させることが記載されている。
特開2004−050498号公報
つまり、搬送ベルトを用いるか搬送ローラだけで搬送するかは別にして、用紙を搬送するとき、改行量(用紙の送り量)の多い少ないにかかわらず、与えられた画像データから決定された送り量を、搬送ベルトや搬送ローラを駆動する駆動手段の駆動量の目標値とし、駆動手段の駆動量をエンコーダなどで検出して、目標値と検出値との差分に基づいて駆動手段を駆動する。
しかしながら、実際には、駆動手段で搬送ベルトや搬送ローラを駆動して用紙を送る場合、組み付け時のテンション等のバラツキやメカ部品の特性のバラツキ、マシン機差も含めたマシンの状態、使用する用紙、制御パラメータの設定状態などの影響があるために、駆動手段を目標値どおりの位置で正確に停止できない場合が生じる、つまり、目標とする副走査搬送量と実際の副走査搬送量とに誤差が生じる。
そこで、特許文献1、2に記載のような搬送量調整方法が採用されるのであるが、これらはいずれもユーザーの目視による判断によって搬送量の調整を行うものであり、正確な調整を行うことができないばかりか、ユーザーが搬送量調整作業を行わない限り、誤差のある搬送が継続されるという課題がある。また、特許文献3に記載されているように、ヘッドの長さと搬送ローラ径に基づいて制御入力を補正することにより搬送量の補正を行っても、目標とする副走査搬送量と実際の副走査搬送量との誤差はヘッドの長さやローラ径だけに依存するものではなく、正確な搬送量を確保できないだけでなく、制御入力量搬送量に比例関係のあるステッピングモータなどには有効であるが、トルク制御を行うDCモータを用いた制御には不向きであるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、媒体を高精度に搬送することができて画質の低下を抑制した画像形成装置、媒体を高精度に搬送することができる媒体搬送装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、搬送手段で媒体を搬送するときの目標搬送量と実際の搬送量との差に基づいて搬送量を補正する手段を備えている構成とした。
ここで、搬送量を補正する手段は目標搬送量と実際の搬送量との差に基づいて目標搬送量を補正する構成、搬送量を補正する手段は目標搬送量と実際の搬送量との差に基づいて搬送手段を駆動するときの制御ゲインを補正する構成とできる。
本発明に係る画像形成装置は、搬送手段を駆動する駆動手段の駆動量の履歴に基づいて駆動手段の駆動量を補正する手段を備えている構成とした。
ここで、駆動量の履歴が駆動時における目標値からのズレ量である構成とできる。また、媒体の種類毎、媒体のサイズ毎、印字モード毎、駆動量毎、媒体の相対位置毎、画像形成時の記録ヘッドのスキャン数毎、搬送パス毎、搬送速度毎、搬送目標停止精度毎の少なくともいずれかの駆動量の履歴に基づいて駆動量を補正する構成とできる。
また、駆動量を補正するときに用いる駆動量の履歴はリセットすることが可能である構成、駆動量を補正するときに用いる補正値はリセットすることが可能である構成、駆動量の履歴には異常値を含まない構成、駆動量を補正するときに用いる参照履歴数は可変である構成、駆動量を補正するときに用いる参照履歴数は用紙N枚(N≧1)分の改行量相当数である構成、駆動量を補正するときに用いる初期補正量を持っている構成、装置内部の温度の検出結果毎に駆動量の履歴に基づいて駆動量を補正する構成、駆動量を補正するときに用いる駆動量の履歴は補正可能である構成、駆動量の履歴の補正には総印刷枚数が使用される構成、駆動量の履歴に応じて駆動量を補正して駆動した結果に応じて再補正する構成とできる。
本発明に係る媒体搬送装置は、搬送手段で媒体を搬送するときの目標搬送量と実際の搬送量との差に基づいて搬送量を補正する手段を備えている構成とした。本発明に係る媒体搬送装置は、搬送手段を駆動する駆動手段の駆動量の履歴に基づいて駆動手段の駆動量を補正する手段を備えている構成とした。
本発明に係る画像形成装置によれば、搬送手段で媒体を搬送するときの目標搬送量と実際の搬送量との差に基づいて搬送量を補正する手段を備えている構成とし、あるいは、搬送手段を駆動する駆動手段の駆動量の履歴に基づいて駆動手段の駆動量を補正する手段を備えている構成としたので、媒体を搬送しつつ補正が行われ、媒体を高精度に搬送することができて画質の低下を抑制することができる。
本発明に係る媒体搬送装置によれば、搬送手段で媒体を搬送するときの目標搬送量と実際の搬送量との差に基づいて搬送量を補正する手段を備えている構成とし、あるいは、搬送手段を駆動する駆動手段の駆動量の履歴に基づいて駆動手段の駆動量を補正する手段を備えている構成としたので、媒体を搬送しつつ補正が行われ、媒体を高精度に搬送することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明を適用する画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の機構部の全体構成を説明する側面説明図、図2は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド1とガイドレール2とでキャリッジ3を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ4で駆動プーリ6aと従動プーリ6b間に架け渡したタイミングベルト5を介して図2で矢示方向(主走査方向)に移動走査する。なお、キャリッジ3とガイドロッド1との間にはガイドブッシュ(軸受け)3a、3aをそれぞれ介在させている。
このキャリッジ3には、例えば、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)のインク滴を吐出する液体吐出ヘッドからなる4個の記録ヘッド7を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド7を構成する液体吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどのインク(記録液)を吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。なお、異なる色を吐出する複数のノズル列を備えた1又は複数の液体吐出ヘッドで記録ヘッドを構成することもできる。
キャリッジ3には、記録ヘッド7に各色のインクを供給するための各色のサブタンク8を搭載している。このサブタンク8にはインク供給チューブ9を介して図示しないメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。なお、インク滴を吐出する記録ヘッド7以外に、記録液(インク)と反応することでインクの定着性を高める定着用処理液(定着用インク)を吐出する記録ヘッドを備えることもできる。
一方、給紙カセット10などの用紙積載部(圧板)11上に積載した用紙12を給紙するための給紙部として、用紙積載部11から用紙12を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙ローラ)13及び給紙ローラ13に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド14を備え、この分離パッド14は給紙ローラ13側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された被記録媒体(用紙)12を記録ヘッド7の下方側で搬送するための搬送部として、用紙12を静電力で吸着して搬送するための搬送ベルト21と、給紙部からガイド15を介して送られる用紙12を搬送ベルト21との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ22と、略鉛直上方に送られる用紙12を略90°方向転換させて搬送ベルト21上に倣わせるための搬送ガイド23と、押さえ部材24で搬送ベルト21側に付勢された先端加圧コロ25とを備えている。また、搬送ベルト21表面を帯電させるための帯電手段を構成する帯電ローラ26を備えている。
ここで、搬送ベルト21は、無端状ベルト(成型上において無端状ベルトでも、両端をつなぐことで無端状としたベルトでも良い。)であり、駆動ローラとなる搬送ローラ27と従動ローラとなるテンションローラ28との間に掛け渡されて、副走査モータ31からタイミングベルト32及びタイミングローラ33を介して搬送ローラ27が回転されることで、図2のベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト21の裏面側には記録ヘッド7による画像形成領域に対応してガイド部材29を配置している。
この搬送ベルト21としては、1層構造のベルトでも良く、又は複層(2層以上の)構造のベルトでもよい。1層構造の搬送ベルト21の場合には、用紙12や帯電ローラ28に接触するので、層全体を絶縁材料で形成している。また、複層構造の搬送ベルト21の場合には、用紙12や帯電ローラ26に接触する側は絶縁層で形成し、用紙12や帯電ローラ26と接触しない側は導電層で形成することが好ましい。
1層構造の搬送ベルト21を形成する絶縁材料や複層構造の搬送ベルト21の絶縁層を形成する絶縁材料としては、例えばPET、PEI、PVDF、PC、ETFE、PTFEなどの樹脂又はエラストマーで導電制御材を含まない材料であることが好ましく、体積抵抗率は1012Ωcm以上、好ましくは1015Ωcmなるように形成する。また、複層構造の搬送ベルト21の導電層導電層を形成する材料としては、上記樹脂やエラストマーにカーボンを含有させて体積抵抗率が10〜10Ωcmとなるように形成することが好ましい。
帯電ローラ26は、搬送ベルト21の表層をなす絶縁層(複層構造のベルトの場合)に接触し、搬送ベルト21の回動に従動して回転するように配置され、軸の両端に加圧力をかけている。この帯電ローラ26は、体積抵抗率が10〜10Ω/□の導電性部材で形成している。この帯電ローラ26には、後述するように、ACバイアス供給部114から例えば2kVの正負極のACバイアスが印加される。このACバイアスは、正弦波や三角波でもよいが、方形波の方がより好ましい。
また、図2に示すように、搬送ローラ27の軸には、エンコーダホイール34を取り付け、このエンコーダホイール34のスリットを検知する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ35を設けて、これらのエンコーダホイール34及びエンコーダセンサ35によってロータリエンコーダ36を構成している。
また、キャリッジ3の前方側には、図1に示すように、スリットを形成したエンコーダスケール42を設け、キャリッジ3の前面側にはエンコーダスケール42のスリットを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ43を設け、これらによって、キャリッジ3の主走査方向位置を検知するためのリニアエンコーダ44を構成している。
さらに、キャリッジ3には、搬送される用紙12の先端を検知するための反射型フォトセンサからなる第1用紙センサ(第1シートセンサ)81を設けている。更に、この第1用紙センサ81よりも用紙搬送方向上流側である押えコロ(押さえローラ)25の上流側で搬送ローラ27に対向する位置に用紙12の先端を検知するための反射型フォトセンサからなる第2用紙センサ(第2シートセンサ)82を配置している。なお、第1、第2用紙センサ81、82は、反射型センサに限るものではなく、透過型センサ、物理的スイッチなどを用いることもできる。
第2用紙センサ82は、できる限り第1用紙センサ81に近いことが検知精度上好ましいが、キャリッジ3の移動を阻害しないようにしなければならないことと、設置スペースを考慮して、この画像形成装置では押えコロ25の上流側近傍に配置しているが、これに限るものではない。ただし、用紙12が安定して搬送されている状態で検知を行うためには搬送ローラ27に対向した位置であることが好ましい。
なお、本実施形態では搬送手段として搬送ベルトを使用しているが、搬送ベルトを使用しない搬送手段(例えば搬送ローラだけによる搬送手段)を用いることもできる。また、用紙を搬送するための各部(搬送ベルト、搬送ローラ、副走査モータなど)で用紙を間歇的に搬送する媒体搬送装置を構成している。
さらに、記録ヘッド7で記録された用紙12を排紙するための排紙部として、搬送ベルト21から用紙12を分離するための分離爪51と、排紙ローラ52及び排紙コロ53と、排紙される用紙12をストックする排紙トレイ54とを備えている。
また、背部には両面給紙ユニット61が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット61は搬送ベルト21の逆方向回転で戻される用紙12を取り込んで反転させて再度カウンタローラ22と搬送ベルト21との間に給紙する。
さらに、この画像形成装置の底部には増設トレイ70を装着することができる。この増設トレイ70は、給紙トレイ10と同様に用紙12を載置する圧板(用紙載置板)71と、給紙コロ73と、分離パッド74を備え、給紙する場合には、給紙コロ73と分離パッド74で1枚ずつ用紙を分離して給紙し、搬送ローラ75、76によって、装置本体の下方からカウンタローラ22と搬送ベルト21との間に用紙を送り込むようになっている。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図3のブロック図を参照して説明する。
この制御部100は、本発明に係る補正手段を兼ねた、この装置全体の制御を司るCPU101と、CPU101が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM102と、画像データ等を一時格納するRAM103と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ104と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC105とを備えている。
また、この制御部100は、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置であるホスト90側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F106と、記録ヘッド7を駆動制御するための印刷制御部107及びヘッドドライバ108と、主走査モータ4を駆動するための主走査モータ駆動部111と、副走査モータ31を駆動するための副走査モータ駆動部113と、第1用紙センサ81、第2用紙センサ81、環境温度、環境湿度を検出する環境センサ118、リニアエンコーダ44、ロータリエンコーダ36などからの各検知、検出信号を入力するためにI/O116などを備えている。
また、この制御部100には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル117が接続されている。さらに、制御部100は、帯電ローラ26に対するACバイアスを印加するACバイアス供給部(高圧電源)114の出力のオン/オフなどを制御する。
ここで、制御部100は、パーソナルコンピュータ等のデータ処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト90側からの画像データを含む印刷データ等をケーブル或いはネットを介してI/F106で受信する。なお、この制御部100に対する印刷データの生成出力は、ホスト90側のプリンタドライバ91によって行うようにしている。
そして、CPU101は、I/F106に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC105にてデータの並び替え処理等を行ってヘッド駆動制御部107に画像データを転送する。なお、画像出力するための印刷データのビットマップデータへの変換は、前述したようにホスト90側のプリンタドライバ91で画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしているが、例えばROM102にフォントデータを格納して行っても良い。
印刷制御部107は、記録ヘッド7の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)を受け取ると、この1行分のドットパターンデータを、クロック信号に同期して、ヘッドドライバ108にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号をヘッドドライバ108に送出する。
また、この印刷制御部107は、駆動波形(駆動信号)のパターンデータを格納したROM(ROM102で構成することもできる。)と、このROMから読出される駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器を含む波形生成回路及びアンプ等で構成される駆動波形発生回路を含む。
また、ヘッドドライバ108は、印刷制御部107からのクロック信号及び画像データであるシリアルデータを入力するシフトレジスタと、シフトレジスタのレジスト値を印刷制御部107からのラッチ信号でラッチするラッチ回路と、ラッチ回路の出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフタ)と、このレベルシフタでオン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ(スイッチ手段)等を含み、アナログスイッチアレイのオン/オフを制御することで駆動波形に含まれる所要の駆動波形を選択的に記録ヘッド7のアクチュエータ手段に印加してヘッドを駆動する。
主走査モータ駆動部111は、CPU101側から与えられる目標値とエンコーダ44からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値に基づいて制御値を算出して(目標位置付近までは速度検出値、目標値付近まで駆動すると位置検出値を用いて制御値を算出する。)、内部のモータドライバを介して主走査モータ4を駆動する。
同様に、副走査モータ駆動制御部113は、CPU101側から与えられる目標値とエンコーダ36からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値に基づいて制御値を算出して(目標位置付近までは速度検出値、目標値付近まで駆動すると位置検出値を用いて制御値を算出する。)、内部のモータドライバを介して搬送手段の駆動手段である副走査モータ31を駆動する。
このように構成したこの画像形成装置においては、ACバイアス供給部114によって、帯電ローラ26に印加する正負極の印加電圧の周期(印加時間)を制御し、同時に制御部100によって、搬送ベルト21の駆動を制御することで、搬送ベルト21上に所定の帯電周期長で正負極の電荷を印加することができる。
そして、印刷を開始するとき、搬送ローラ27を副走査モータ31で回転駆動して搬送ベルト21を図1で時計周りに回転させ、同時にACバイアス供給部114から帯電ローラ26に対して正負極の方形波を印加して、搬送ベルト21を帯電させ、この帯電した搬送ベルト21に対して、用紙12を送り込むことにより、用紙12は搬送ベルト21に吸着され、た用紙12は、第2用紙センサ82によって用紙先端を検知される。このとき、主制御部100は、第2用紙センサ82が先端検知をしたタイミング(パルス数)、あるいは、パルス数と搬送速度から求めた距離をRAM103の所定の領域に記憶する。
先端を検知された用紙12は、押圧ローラ25によって搬送ベルト21に押し付けられながら、キャリッジ3に備えられた記録ヘッド7下まで搬送される。そして、所定の先端検知位置に移動しているキャリッジ3に設けられた第1用紙センサ81により用紙先端を検知される。主制御部100は、第1用紙センサ81が先端検知をしたときの、パルス数、あるいは、パルス数と搬送速度から求められた距離をRAM103の所定の領域に記憶する。
一方、CPU101によってI/F106に含まれる受信バッファ内の印刷データが読み出されて解析され、ASIC105にてデータの並び替え処理等を行って印刷制御部107に送られる。そして、印刷制御部107に送られた画像データの書き始め位置(ファーストスキャン位置)まで用紙12が搬送されたタイミングで用紙12の搬送を停止して、キャリッジ3を主走査方向に往復運動し、同時に記録ヘッド7より印刷制御部107によって送られたデータに応じてインク液滴が吐出されることによって、用紙12上に記録ヘッドの1往復分(または2往復以上及び往復いずれか1方向以上、以下、1往復分で説明する。)の画像が形成される。
このようにして、1往復分の画像が形成されると、用紙12は搬送ベルト21によって次の印字位置まで送られ、再び1往復分の画像形成が行われる。そして、画像の形成が終了した用紙は、そのまま搬送され、分離爪51によって搬送ベルト21から分離し、排紙トレイ54上へと積載される。以上が用紙1頁の印字動作である。
次に、この画像形成装置で使用している記録液(ここでは「インク」という。)について説明する。
本発明に係る装置で用いるインクは、少なくとも水、着色剤、及び湿潤剤を含有してなり、浸透剤、界面活性剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
ここで、インクは、25℃における表面張力が、15〜40mN/mであり、20〜35mN/mがより好ましい。表面張力15/m未満であると、液体吐出ヘッドのノズルプレート(ノズル板)に濡れすぎてインク滴の形成(粒子化)がうまくできなかったり、用紙上での滲みが顕著となり、安定したインクの吐出が得られないことがあり、40mN/mを超えると、用紙へのインク浸透が十分に起こらず、ビーディングの発生や乾燥時間の長時間化を招くことがある。
上記表面張力は、例えば、表面張力測定装置(協和界面科学株式会社製、CBVP−Z)を用い、白金プレートを使用して25℃で測定することができる。
−着色剤−
インクに含有する着色剤としては、顔料、染料、及び着色微粒子の少なくともいずれかを用いることが好ましい。
着色微粒子としては、顔料及び染料の少なくともいずれかの色材を含有させたポリマー微粒子の水分散物が好適に用いられる。
ここで、上記「色材を含有させた」とは、ポリマー微粒子中に色材を封入した状態及びポリマー微粒子の表面に色材を吸着させた状態の何れか又は双方を意味する。この場合、本発明のインクに配合される色材はすべてポリマー微粒子に封入又は吸着されている必要はなく、該色材がエマルジョン中に分散していてもよい。前記色材としては、水不溶性又は水難溶性であって、前記ポリマーによって吸着され得る色材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、「水不溶性又は水難溶性」とは、20℃で水100質量部に対し色材が10質量部以上溶解しないことを意味する。また、「溶解する」とは、目視で水溶液表層又は下層に色材の分離や沈降が認められないことを意味する。
また、色材を含有させたポリマー微粒子(着色微粒子)の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
着色剤としては、例えば、水溶性染料、油溶性染料、分散染料等の染料、顔料等が挙げられる。良好な吸着性及び封入性の観点からは油溶性染料及び分散染料が好ましいが、得られる画像の耐光性からは顔料が好ましく用いられる。
なお、前記各染料は、ポリマー微粒子に効率的に含浸される観点から、有機溶剤、例えば、ケトン系溶剤に2g/リットル以上溶解することが好ましく、20〜600g/リットル溶解することがより好ましい。
水溶性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料であり、好ましくは耐水性、及び耐光性に優れたものが用いられる。
この場合、酸性染料及び食用染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17、23、42、44、79、142;C.I.アシッドレッド 1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289;C.I.アシッドブルー 9、29、45、92、249;C.I.アシッドブラック 1、2、7、24、26、94;C.I.フードイエロー 3、4;C.I.フードレッド 7、9、14;C.I.フードブラック 1、2などが挙げられる。
また、直接性染料としては、例えば、C.I.ダイレクトイエロー 1、12、24、26、33、44、50、86、120、132、142、144;C.I.ダイレクトレッド 1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227;C.I.ダイレクトオレンジ 26、29、62、102;C.I.ダイレクトブルー 1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202;C.I.ダイレクトブラック 19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171などが挙げられる。
また、塩基性染料としては、例えば、C.I.べーシックイエロー 1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、64、65、67、70、73、77、87、91;C.I.ベーシックレッド 2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112;C.I.べーシックブルー 1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155;C.I.ベーシックブラック 2、8などが挙げられる。
また、反応性染料としては、例えば、C.I.リアクティブブラック 3、4、7、11、12、17;C.I.リアクティブイエロー 1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67;C.I.リアクティブレッド 1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97;C.I.リアクティブブルー 1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95などが挙げられる。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機顔料、有機顔料のいずれであってもよい。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックなどが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法
などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
また、有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。なお、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
顔料の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
カラー用のものとしては、黄色インク用では、例えば、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、150、153、などが挙げられる。
マゼンタ用では、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B (Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(ジメチルキナクリドン)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、などが挙げられる。
シアン用では、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63等が挙げられる。
また、中間色としてはレッド、グリーン、ブルー用として、C.I.ピグメントレッド177、194、224、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントバイオレット3、19、23、37、C.I.ピグメントグリーン7、36などが挙げられる。
顔料としては、少なくとも1種の親水基が顔料の表面に直接若しくは他の原子団を介して結合した分散剤を使用することなく安定に分散させることができる自己分散型顔料が好適に用いられる。その結果、従来のインクのように、顔料を分散させるための分散剤が不要となる。前記自己分散型顔料としては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものやカチオン性に帯電したものが好適である。
自己分散型顔料の体積平均粒径は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
また、アニオン性親水基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR(ただし、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表す)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SOMがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。
上記親水基中における「M」は、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、等が挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。前記アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
また、カチオン性親水基としては、例えば、第4級アンモニウム基が好ましく、下記に挙げる第4級アンモニウム基がより好ましく、これらのいずれかが顔料表面に結合されたものが色材として好適である。
Figure 2008068550
前記親水基が結合されたカチオン性の自己分散型カーボンブラックを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表されるN−エチルピリジル基を結合させる方法としては、カーボンブラックを3−アミノ−N−エチルピリジウムブロマイドで処理する方法などが挙げられる。
Figure 2008068550
ここで、親水基が、他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。上記した親水基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−CCOOM(ただし、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウムを表す)、−PhSOM(ただし、Phはフェニル基、Mはアルカリ金属、第4級アンモニウムを表す)、−C10NH+等が挙げられる。
本発明に係る記録方法で用いるインクには、顔料分散剤を用いた顔料分散液を用いることもできる。
顔料分散剤としては、前記親水性高分子化合物として、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子などが挙げられる。半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや他の親水基を有するモノマーの共重合体からなるようなカルボキシル基を導入したものが高分子分散剤として特に好ましい。
ここで、共重合体の重量平均分子量は、3、000〜50、000が好ましく、5、000〜30、000がより好ましく、7、000〜15、000が更に好ましい。
また、顔料と分散剤との混合質量比(顔料:分散剤)は、1:0.06〜1:3が好ましく、1:0.125〜1:3がより好ましい。
前記着色剤のインクにおける添加量は、6〜15質量%が好ましく、8〜12質量%がより好ましい。前記添加量が6質量%未満であると、着色力の低下により、画像濃度が低くなったり、粘度の低下によりフェザリングや滲みが悪化することがあり、15質量%を超えると、インクジェット記録装置を放置しておいた場合等に、ノズルが乾燥し易くなり、不吐出現象が発生したり、粘度が高くなりすぎることにより浸透性が低下したり、ドットが広がらないために画像濃度が低下したり、ぼそついた画像になることがある。
−湿潤剤−
湿潤剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール化合物、ラクタム化合物、尿素化合物及び糖類から選択される少なくとも1種が好適である。
ここで、ポリオール化合物としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用して使用してもよい。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1、3−プルパンジオール、1、3−ブタンジオール、1、4ブタンジオール、3−メチル−1、3−ブタンジオール1、3−プロパンジオール、1、5ペンタンジオール、1、6ヘキサンジオール、グリセロール、1、2、6−ヘキサントリオール、1、2、4−ブタントリオール、1、2、3−ブタントリオール、ペトリオールなどが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1、3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタムなどが挙げられる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N、N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
アミン類としては、例えば、モノエタノ−ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
これらの中でも、溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる点から、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1、3−ブタンジオール、2、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、3−メチル−1、3−ブタンジオール1、3−プロパンジオール、1、5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、2−メチル−2、4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1、2、4−ブタントリオール、1、2、6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドンが好適である。
前記ラクタム化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタムから選択される少なくとも1種が挙げられる。
また、尿素化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素及び1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される少なくとも1種が挙げられる。前記尿素類のインクへの添加量は、一般的に0.5〜50質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
また、糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)、多糖類、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらの中でも、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースが好適であり、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトースが特に好ましい。
上記多糖類とは、広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることができる。
糖類の誘導体としては、糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(ただし、一般式:HOCH(CHOH)nCHOH(ただし、nは2〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、特に糖アルコールが好ましい。該当アルコールとしては、例えば、マルチトール、ソルビット、などが挙げられる。
また、湿潤剤のインク中における含有量は、10〜50質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。前記含有量が少なすぎると、ノズルが乾燥しやすくなり液滴の吐出不良が発生することがあり、多すぎるとインク粘度が高くなり、適正な粘度範囲を超えてしまうことがある。
−浸透剤−
前記浸透剤としては、ポリオール化合物やグリコールエーテル化合物等の水溶性有機溶剤が用いられ、特に、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物の少なくともいずれかが好適に用いられる。
ここで、ポリオール化合物の炭素数が8未満であると、十分な浸透性が得られず、両面印刷時に記録用メディアを汚したり、記録用メディア上でのインクの広がりが不十分で画素の埋まりが悪くなるため、文字品位や画像濃度の低下が生じることがある。
炭素数8以上のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール(溶解度:4.2%(25℃))、2、2、4−トリメチル−1、3−ペンタンジオール(溶解度:2.0%(25℃))、などが好適である。
グリコールエーテル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
また、浸透剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオール、3、6−ジメチル−4−オクチン−3、6−ジオール、3、5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。該アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品として、例えば、エアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485、TGなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。具体的には、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン、などが挙げられる。
これら界面活性剤の中でも、次の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、及び(VI)で示される界面活性剤が好適である。
Figure 2008068550
ただし、前記一般式(I)中、R1は、アルキル基を表し、炭素数6〜14の分岐していてもよいアルキル基を表す。hは、3〜12の整数を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表す。
Figure 2008068550
ただし、前記一般式(II)中、R2は、アルキル基を表し、炭素数5〜16の分岐していてもよいアルキル基を表す。Mは、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、及びアルカノールアミンから選択されるいずれかを表す。
Figure 2008068550
ただし、上記一般式(III)中、R3は、炭化水素基を表し、例えば、分岐していてもよい炭素数6〜14のアルキル基を表す。kは5〜20の整数を表す。
Figure 2008068550
ただし、上記一般式(IV)中、R4は、炭化水素基を表し、例えば、炭素数6〜14のアルキル基を表す。jは、5〜20の整数を表す。
Figure 2008068550
ただし、上記一般式(V)中、Rは、炭化水素基を表し、例えば、炭素数6〜14の分岐していてもよいアルキル基を表す。L及びpは、1〜20の整数を表す。
Figure 2008068550
ただし、上記一般式(VI)中、q及びrは0〜40の整数を表す。
以下、前記構造式(I)、及び(II)の界面活性剤を具体的に遊離酸型で示す。先ず、(I)の界面活性剤としては、次の(I−1)ないし(I−6)で表わされるものを挙げることができる。
Figure 2008068550
Figure 2008068550
Figure 2008068550
Figure 2008068550
Figure 2008068550
Figure 2008068550
次に、(II)の界面活性剤としては、次の(II−1)ないし(II−4)で表わされるものを挙げることができる。
Figure 2008068550
Figure 2008068550
Figure 2008068550
Figure 2008068550
前記フッ素系界面活性剤としては、下記一般式(A)で表されるものが好適である。
Figure 2008068550
ただし、前記一般式(A)中、mは、0〜10の整数を表す。nは、1〜40の整数を表す。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物、などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、近年問題視されているフッ素化合物の生体蓄積性についても低く安全性の高いものであり、特に好ましい。
ここで、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。
また、パーフルオロアルキルカルボン化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
また、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
また、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも住友スリーエム社製)、メガファックF−470、F1405、F−474(いずれも大日本インキ化学工業社製)、ゾニールTBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれもデュポン社製)、FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも株式会社ネオス社製)、PF−151N(オムノバ社製)などが挙げられる。これらの中でも、信頼性と発色向上に関して良好な点から、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(デュポン社製)が特に好ましい。
−その他の成分−
その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂エマルジョン、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
−樹脂エマルジョン−
樹脂エマルジョンは、樹脂微粒子を連続相としての水中に分散したものであり、必要に応じて界面活性剤のような分散剤を含有しても構わない。
分散相成分としての樹脂微粒子の含有量(樹脂エマルジョン中の樹脂微粒子の含有量)は一般的には10〜70質量%が好ましい。また、前記樹脂微粒子の粒径は、特にインクジェット記録装置に使用することを考慮すると、平均粒径10〜1000nmが好ましく、20〜300nmがより好ましい。
分散相の樹脂微粒子成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられ、これらの中でも、アクリルシリコーン系樹脂が特に好ましい。
樹脂エマルジョンとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
市販の樹脂エマルジョンとしては、例えば、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、プライマルAC−22、AC−61(アクリル系樹脂エマルジョン、ローム・アンド・ハース製)、ナノクリルSBCX−2821、3689(アクリルシリコーン系樹脂エマルジョン、東洋インキ製造株式会社製)、#3070(メタクリル酸メチル重合体樹脂エマルジョン、御国色素社製)などが挙げられる。
樹脂エマルジョンにおける樹脂微粒子成分の前記インクにおける添加量としては、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。前記添加量が0.1質量%未満であると、耐目詰まり性及び吐出安定性の向上効果が十分でないことがあり、50質量%を超えると、インクの保存安定性を低下させてしまうことがある。
また、防腐防黴剤としては、例えば、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、などが挙げられる。
また、pH調整剤としては、インクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて任意の物質を使用することができる。
pH調製剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物;水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、などが挙げられる。
また、酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2、6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2、2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2、2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4、4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3、9−ビス[1、1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2、4、8、10−テトライキサスピロ[5、5]ウンデカン、1、1、3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3'、5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N、N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N、N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2、6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2、6−ジ−tert−ブチルフェノール、2、4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2、2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4、4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4、4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1、1、3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、などが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3、3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3、3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ、β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、等が挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2、2’、4、4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3、3’−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2、2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2、2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2、2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
本発明のインクメディアセットにおけるインクは、少なくとも水、着色剤、及び湿潤剤、必要に応じて浸透剤、界面活性剤、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
インクの粘度は、25℃で、5mPa・s以上30cps以下が好ましく、8〜20mPa・sがより好ましい。前記粘度が20mPa・sを超えると、吐出安定性の確保が困難になることがある。
インクのpHとしては、例えば、7〜10が好ましい。
インクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を形成することができる。
そこで、この画像形成装置における副走査モータの駆動制御について図4をも参照して説明する。なお、図4は制御部100における副走査の駆動制御に係わる部分を機能的に説明するブロック説明図である。
まず、搬送ローラ27の軸に設けたコードホイール34とエンコーダセンサ35で構成されるロータリエンコーダ36の出力信号(出力パルス)は、エンコーダ信号処理部201に与えられ、このエンコーダ信号処理部201で速度及び位置情報に変換される。そして、得られた速度及び位置情報をASICなどでも構成できる信号処理合成部202にて合成処理した後、比較演算部203に与える。
一方、この比較演算部203には速度・位置プロファイル格納部204に格納されている速度・位置プロファイルの情報が与えられており、比較演算部203はこれらの信号処理合成部202から与えられる速度及び位置情報(の合成情報)と速度・位置プロファイル格納部204に格納されている速度・位置プロファイルの情報とを比較して、目標位置と現在位置との偏差を演算する。
そして、この比較演算部203で得られた偏差に基づいてPID制御演算部205はPID演算を行ってPWM信号を生成する。つまり、PID制御演算部205は、比較演算部203からの偏差に対してPID(比例、積分、微分)制御を行って制御値を演算する。ここでは、副走査モータ31をPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御で駆動するものとして、PID制御演算部205は偏差に対してPID制御を行ってPWMのデューティ比を求め、このPWMのデューティ比をモータドライバ206に与えてPWM制御で副走査モータ31を駆動させることにより、搬送ベルト21を目標とする速度で目標とする移動量だけ移動させて目標とする位置に駆動するようにしている。なお、PID制御に代えて、PI制御を行う構成とすることもできる。
ここで、PI制御による速度制御について図5を参照して説明する。速度Vをフィードバックして、偏差算出部203Vで目標速度Vtarとの偏差ΔV=Vtar−Vを算出し、制御量(操作量)演算部(コントローラ)205Vにて偏差量ΔVに制御ゲインP1を乗算して制御入力uを算出し(u=P1×ΔV+α、αはその他の制御量:積分ゲインIによる制御量、オフセット量など)、この制御入力uを副走査搬送部210のモータドライバに与える。制御入力uは、モータの操作量に当たり、操作量によりモータの回転速度を変えることで副走査(用紙送り)を制御する。
また、PI制御による位置制御について図6を参照して説明する。位置Xをフィードバックして、偏差算出部203Xで目標位置Xtarとの偏差ΔX=Xtar−Xを算出し、制御量(操作量)演算部(コントローラ)205Xにて偏差量ΔXに制御ゲインP2を乗算して制御入力uを算出し(u=P2×ΔX+α、αはその他の制御量:積分ゲインIによる制御量、オフセット量など)、この制御入力uを副走査搬送部210のモータドライバに与える。制御入力uは、モータの操作量に当たり、操作量によりモータの回転速度を変えることで副走査(用紙送り)を制御する。
次に、本発明の第1実施形態に係る搬送量補正制御について図7のフロー図を参照して説明する。
先ず、サーボ制御を開始すると、パラメータを設定する。このパラメータの設定では、制御パラメータと機器情報パラメータを設定する。制御パラメータは、動作毎に設定する必要があるパラメータであり、例えば目標速度や停止位置がある。機器情報パラメータは、機器に固有のパラメータであり、例えば比例ゲインや積分ゲインがある。
そして、モータの駆動を開始し、位置や速度を検出して制御をフィードバックするタイミングを一定間隔の割り込みにより実施する。この割り込みが発生すると、現在位置情報を取得し、速度位置情報を取得する。現在位置情報取得処理では、副走査の現在位置を計算する。エンコーダ36のカウント量はASICのレジスト値として参照できる構成として、ASICからカウント値を取得して、移動中における相対位置を算出する。また、速度位置情報取得処理では、副走査の速度を計算する。ASICから取得したエンコーダカウント値から速度を計算する。
その後、これらの計算の結果得られた副走査の目標位置と停止位置の位置偏差量が設定範囲内に達しているか否かを判別し、副走査の目標位置と停止位置の位置偏差量が設定範囲内に達していない場合には、PI制御を行う。PI制御では設定されているパラメータと停止位置までの距離、検出した速度から計算を行って、モータの操作量を決定し、この操作量によりモータの回転速度を変えることで副走査を制御する。
これに対し、副走査の目標位置と停止位置の位置偏差量が設定範囲内に達している場合には、モータの駆動を停止し、目標位置と停止位置の位置偏差(目標搬送量C1と実際の搬送量C2の偏差ΔC(ΔC=C1−C2))を取得する。その後、位置偏差量のサンプル回数をカウントするカウンタをインクリメント(COUNT=COUNT+1)し、サンプル回数カウンタのカウント値が設定サンプル回数Nに達した(N≦COUNT)か否かを判別し、設定サンプル回数Nに達していないときにはサーボ制御を終了する。
このようにして、目標位置と停止位置の位置偏差ΔCのサンプリング個数がN個になるまでは、目標搬送量C1による改行動作(間歇送り)を繰り返し、N個の偏差ΔCを内部メモリなどに記憶する。
そして、設定サンプル回数Nに達しているとき、つまり、N個の偏差ΔCがサンプリングされたときには、N個の偏差ΔCに基づいて目標搬送量補正又は制御ゲイン補正を行った後、サンプル回数カウンタをリセットする(COUNT=0)。
そして、目標搬送量補正を行う場合には、図8のフロー図に示すように、取得したN個の偏差ΔCの平均値Rを算出し、この平均値Rに補正係数gを乗算して目標搬送量補正量δを算出する(δ=g×R)。この算出した目標搬送量補正量δを前述した図7で説明したパラメータ設定処理における目標搬送量設定時に加算する、つまり、目標搬送量C1をC1=(C1+δ)とすることで、搬送量が補正される。
また、制御ゲイン補正を行う場合には、図9のフロー図に示すように、取得したN個の偏差ΔCの平均値Rを算出し、この平均値Rに補正係数hを乗算して制御ゲイン補正量ΔPを算出する(ΔP=h×R)。この算出した制御ゲイン補正量ΔPを既存の制御ゲインPに加算する、つまり、既存の制御ゲインPをPoとしたとき、P=Po+ΔPの演算をすることで、制御ゲインPを更新する。
言い換えれば、各走査毎に、副走査目標搬送量C1と実際の搬送量C2の偏差ΔC(ΔC=C1−C2)を取得して内部メモリに保存し、N回副走査して計N個の偏差ΔCを取得する。そして、N個の偏差ΔCに対して、統計処理手段としての平均化処理を行うことで平均値Rを算出し、この平均値Rに対して補正係数k(g又はh)を乗じて、補正量A(A=k×R)を算出する。そして、この補正量Aに基づいて、次の副走査から、搬送量、制御ゲインを補正する。その後も同様の処理を行なうことで、副走査を行いながら逐次搬送量、制御ゲインを補正する。なお、補正量がシステムの分解能に満たない場合、その補正量は切り捨て、もしくは積分値として以後の補正量に加えていきシステムの分解能に達したときに補正量とすることもできる。
なお、副走査の逆転周り、つまり副走査目標搬送量C1と実際の搬送量C2の偏差が負の値になる場合はシステムの特性が異なる場合もあるため、副走査の正転周りと逆転周りは区別して補正することもできる。
そして、目標搬送量を補正する場合には、N個の偏差ΔCの平均値Rに補正係数gを乗じて目標搬送量補正量δを算出し、目標搬送量C1に対して目標搬送量補正量δを加算したものを目標補正量C1とすることで、目標搬送量C1を補正し、実際の搬送量を補正する。補正前の目標搬送量C1を「C1o」としたとき、実際の搬送量C2が目標搬送量C1oより少なく、補正係数gと平均値Rが正の値である場合、目標搬送量C1は、C1>C1oとなり、制御入力uとそれに伴う搬送量は多くなる。実際の搬送量C2が目標搬送量C1oより大きく、補正係数gが正で平均値Rが負の値である場合、目標搬送量C1は、C1<C1oとなり、制御入力uとそれに伴う搬送量は少なくなる。よって、目標搬送量C1と実際の搬送量C2の差がその分補正されることとなる。
また、制御ゲインを補正する場合には、最適な制御入力uを求める手段として既知の制御手段であるPID制御による場合、目標搬送量付近での位置制御においてDCモータへの制御入力uを決定する制御ゲインP(u=P×ΔX+α:αはその他の制御量)に対して、制御ゲインPを更新することにより搬送量を補正する。なお、ΔXは目標搬送量と、あるサンプリング時刻における実際の搬送量との差を表す。
ここで、制御ゲインPには最小値Pmin、最大値Pmaxを設定し、システムが不安定となる値にならないようにする(Pmin<P<Pmax)。補正前の制御ゲインPを「Po」としたとき、実際の搬送量C2が目標搬送量C1より少なく、ゲイン補正係数hと補正量ΔPが正の値である場合、更新後の制御ゲインPは、P>Poとなり、制御入力uとそれに伴う搬送量は多くなる。また、実際の搬送量C2が目標搬送量C1より大きく、ゲイン補正係数hが正で補正量ΔPが負の値である場合、更新後の制御ゲインPは、P<Poとなり、制御入力uとそれに伴う搬送量は少なくなる。よって、目標搬送量C1と実際の搬送量C2の差がその分補正されることとなる。補正された制御ゲインPはNVRAMなどのメモリ(格納手段)に格納し、装置再起動後の処理でも補正された制御ゲインを利用できるようにする。
このように、搬送手段で媒体を搬送するときの目標搬送量と実際の搬送量との差に基づいて搬送量を補正する手段を備えることにより、搬送量の自動補正が可能となって、媒体を搬送しつつ補正が行われ、媒体を高精度に搬送することができ、画像形成装置にあっては画質の低下を抑制することができる。
この場合、目標搬送量を補正することで搬送量の補正を行うことで、システムに大きな影響もなく容易に搬送量の自動補正が可能になる。また、制御ゲインを補正することで搬送量の補正を行うことで、サーボ性能をシステムに適応させることによる搬送量の自動補正が可能になる。
次に、本発明の第2実施形態について図10のフロー図を参照して説明する。
先ず、印刷開始によって給紙を行い、CPU101側から改行画像目標値Cgを取得し、これに補正値Aを加算して、改行目標値C(=Cg+A)を算出する。そして、改行目標値Cで改行(副走査送り)を実施し、改行画像目標値Cgと実際の搬送量(改行量)Crとの偏差ΔC(ΔC=ΔC+(Cg−Cr))を得て、RAM103内に記憶する。これにより、駆動手段である副走査モータ31の駆動量の履歴が偏差ΔC(実際の搬送量Crでもよい。)として記憶される。
その後、CPU101内で所定のデータ数Nの偏差ΔCについて平均化処理を行なうことで補正値(補正係数)Aを得る。すなわち、A=A+(ΔC/N)の演算を行って補正値Aを得る。次いで、スキャン印字(記録ヘッド7を1回主走査して印字)を行い、最終スキャンになるまで上述した処理を繰り返す。
そして、最終スキャンになると、次頁の印刷が無いか否かを判別し、次頁の印刷があれば給紙処理に戻り、次頁の印刷が無ければ最終的な排紙処理を行って、印刷を終了する。
なお、ここではデータ(偏差ΔCのデータ)の取得のつどに平均化処理を行なっているが、データが所定個数集まってから平均化処理を行なうこともできる。また、実際の搬送量Crは、エンコーダ36の信号から計算して求めてもよく、また、搬送ベルト21に予めプリントしていたパターンをセンシングすることで得ることもできる。また、ここでは、偏差ΔCをRAM103内にデータとして記憶しているが、実際の搬送量Crを記憶して、そのまま実際の搬送量Crを用いて同様な演算を行うようにすることもできる。また、本実施形態では、偏差ΔCから補正量Aを算出し、目標値の補正を行っているが、偏差ΔCから補正係数K、H、Pなどを求めて補正を行うようにすることもできる(C=Cg×K、C=Cg/H、C=Cg−P)
このように、駆動手段である副走査モータの駆動量の履歴(実際の改行量Cr、又は偏差ΔC)に基づいて駆動量の目標値を補正することによって、媒体を高精度に搬送することが可能となり、画像形成装置にあっては更に画質の低下を抑制することができる。また、使用している画像形成装置固有のクセ、使用状態から生じる傾向等も、相殺することが可能となるため、一層画質の低下を抑制することが可能となる。
この場合、搬送ベルトを駆動する搬送ローラの回転角度(駆動量)の過去の駆動量目標値からのズレの履歴に応じて,駆動量の目標値を補正することで,記録媒体を高精度に搬送することが可能となり,画質の低下を抑制することができる。
次に、本発明の第3実施形態について図11のフロー図を参照して説明する。
ここでは、第1実施形態における改行目標値Cを補正するときに用いる補正量Aを記録媒体の種類毎に複数設けたものである。この例では、給紙後、用紙種類を判別して、例えば、普通紙については補正値Af、光沢紙については補正値Ak、OHPについては補正値Aoをそれぞれ算出して、用紙種類に応じて対応する補正値Af、Ak、Aoを用いて改行画像目標値Cgを補正した改行目標値Cを得ている。なお、その他の処理は第1実施形態と同様である。
つまり、制御ゲインなどの制御パラメータを記録媒体の種類で変えていない場合はもちろんのこと、変えている場合であっても、搬送する記録媒体の種類によって、装置(マシン)のメカ的負荷及び反応速度、媒体(用紙)の伸び量などが変動するため、いわゆる搬送量のクセが生じることになる。そのため、第1実施形態のように記録媒体の種類ごとに補正を行なわず、媒体種類によらずに共通の補正値を使用すると、正確な補正を行えない場合がある。
これに対して、本実施形態のように、記録媒体の種類毎にそれぞれ補正値を個別的に持つ、つまり、媒体種類毎の駆動量の履歴に基づいて駆動量の補正を行うことによって、効率良く、より正確な補正を行なうことができる。なお、用紙種類は上記の例に限るものではなく、この他にも封筒やはがき、薄紙、厚紙などの紙厚などで補正量を独立させるとより効果的である。
次に、本発明の第4実施形態について図12のフロー図を参照して説明する。
ここでは、第1実施形態における改行目標値Cを補正するときに用いる補正量Aを記録媒体のサイズ毎に複数設けたものである。この例では、給紙後、用紙サイズを判別して、例えば、A6以下のサイズについては補正値Aa6、A5〜A4以下のサイズについては補正値Aa4、A3サイズについては補正値Aa3をそれぞれ算出して、用紙サイズに応じて対応する補正値Aa6、Aa4、Aa3を用いて改行画像目標値Cgを補正した改行目標値Cを得ている。なお、その他の処理は第1実施形態と同様である。
つまり、制御ゲインなどの制御パラメータを記録媒体のサイズで変えていない場合はもちろんのこと、変えている場合であっても、搬送する記録媒体のサイズによって装置のメカ的負荷及び反応速度、用紙の伸び量などが変動するため、いわゆる搬送量のクセが生じることになる。そのため、第1実施形態のように記録媒体のサイズ毎に補正を行なわないで、媒体サイズによらず共通の補正値を使うと、正確な補正を行えない場合がある。
これに対して、本実施形態のように記録媒体のサイズ毎にそれぞれ補正値を別個に持つ、つまり、記録媒体のサイズ毎の駆動量の履歴に基づいて駆動量の補正を行うことによって、効率良く、より正確な補正を行なうことができる。なお、上記の例では、A6、A4などの用紙サイズで個別の補正量を設定しているが、このような一般的な分け方だけでなく、用紙の搬送方向長さ等でスレッシュを切ることも効果的である。これは、用紙の搬送方向長さが長いほど、メカ負荷が高くなるからである。
次に、本発明の第5実施形態について図13のフロー図を参照して説明する。
ここでは、第1実施形態における改行目標値Cを補正するときに用いる補正量Aを印字モード毎に複数設けたものである。この例では、給紙後、印字モードを判別して、例えば、高速モードについては補正値As、はやいモードについては補正値Ah、きれいモードについては補正値Abをそれぞれ算出して、印字モードに応じて対応する補正値As、Ah、Abを用いて改行画像目標値Cgを補正した改行目標値Cを得ている。なお、その他の処理は第1実施形態と同様である。
つまり、制御ゲインなどの制御パラメータを印字モードに応じて変えていない場合はもちろんのこと、変えている場合であっても、印字モードによって装置のメカ的負荷及び反応速度、用紙の伸び量などが変動するため、いわゆる搬送量のクセが生じることになる。そのため、第1実施形態のように印字モード毎に補正を行なわないで、印字モードによらずに共通の補正値を使うと、正確な補正を行うことができない場合がある。
これに対して、本実施形態のように印字モード毎にそれぞれ補正値を別個に持つ、つまり、印字モード毎の駆動量の履歴に基づいて駆動量の補正を行うことによって、効率良く、より正確な補正を行なうことができる。
次に、本発明の第6実施形態について図14のフロー図を参照して説明する。
ここでは、第1実施形態における改行目標値Cを補正するときに用いる補正量Aを改行量毎に複数設けたものである。この例では、給紙後、改行画像目標値Cgを取得して、改行画像目標値Cgを判別し、例えば、Cg=1mm未満については補正値A1、Cg=1mm以上5mm未満について補正値A5、Cg=5mm以上については補正値A6をそれぞれ算出して、改行画像目標値Cg(改行量)に応じて対応する補正値A1、A5、A6を用いて改行画像目標値Cgを補正した改行目標値Cを得ている。なお、その他の処理は第1実施形態と同様である。
つまり、制御ゲインなどの制御パラメータを改行量に応じて変えていない場合はもちろんのこと、変えている場合であっても、改行量によって装置のメカ的負荷及び反応速度、用紙の伸び量などが変動するため、いわゆる搬送量のクセが生じることになる。図15は1mm以下の微小改行と32mm改行におけるエンコーダ停止ログの発生頻度を実験により求め、グラフ化したものである。図中のx軸がΔC(ΔC=Cg−Cr)を表しており、停止制御位置±0が改行目標値Cgと実際の搬送量Crとが一致した点を表している。この結果から改行量によって、クセがあることが分かる。そのため、第1実施形態のように改行量毎に補正を行なわないで、改行量によらずに共通の補正値を使うと、正確な補正を行うことができない場合がある。
これに対して、本実施形態のように改行量毎にそれぞれ補正値を別個に持つ、つまり、改行量毎の駆動量の履歴に基づいて駆動量の補正を行うことによって、効率良く、より正確な補正を行なうことができる。
次に、本発明の第7実施形態について図16のフロー図を参照して説明する。
ここでは、第1実施形態における改行目標値Cを補正するときに用いる補正量Aをスキャン数毎に複数設けたものである。この例では、給紙後、何回目のスキャンかを判別し、例えば、1回目のスキャンについては補正値As1、2回目〜6回目のスキャンについては補正値As2、7回目以降のスキャンについては補正値As7をそれぞれ算出して、スキャン数に応じて対応する補正値As1、As2、As7を用いて改行画像目標値Cgを補正した改行目標値Cを得ている。なお、その他の処理は第1実施形態と同様である。
つまり、制御ゲインなどの制御パラメータをスキャン数に応じて変えていない場合はもちろんのこと、変えている場合であっても、スキャン数によって装置のメカ的負荷及び反応速度、液滴付着後の用紙の伸び量などが変動するため、いわゆる搬送量のクセが生じることになる。そのため、第1実施形態のようにスキャン数毎に補正を行なわないで、スキャン数によらずに共通の補正値を使うと、正確な補正を行うことができない場合がある。
これに対して、本実施形態のようにスキャン数毎にそれぞれ補正値を別個に持つ、つまり、スキャン数毎の駆動量の履歴に基づいて駆動量の補正を行うことによって、効率良く、より正確な補正を行なうことができる。
次に、本発明の第8実施形態について図17のフロー図を参照して説明する。
ここでは、第1実施形態における改行目標値Cを補正するときに用いる補正量Aを搬送パス毎に複数設けたものである。この例では、給紙後、搬送パスを判別し、例えば、トレイ1(給紙トレイ10)については補正値At1、トレイ2(増設トレイ70)については補正値At2、手差しトレイ/両面ユニット61については補正値At3をそれぞれ算出して、搬送パスに応じて対応する補正値At1、At2、At3を用いて改行画像目標値Cgを補正した改行目標値Cを得ている。なお、その他の処理は第1実施形態と同様である。
つまり、制御ゲインなどの制御パラメータを搬送パスに応じて変えていない場合はもちろんのこと、変えている場合であっても、搬送パスによって装置のメカ的負荷及び反応速度、液滴付着後の用紙の伸び量などが変動するため、いわゆる搬送量のクセが生じることになる。そのため、第1実施形態のように搬送パス毎に補正を行なわないで、搬送パスによらずに共通の補正値を使うと、正確な補正を行うことができない場合がある。
これに対して、本実施形態のように搬送パス毎にそれぞれ補正値を別個に持つ、つまり、搬送パス毎の駆動量の履歴に基づいて駆動量の補正を行うことによって、効率良く、より正確な補正を行なうことができる。
次に、本発明の第9実施形態について図18のフロー図を参照して説明する。
ここでは、第1実施形態における改行目標値Cを補正するときに用いる補正量Aを搬送速度毎に複数設けたものである。この例では、給紙後、搬送時の最高速度を判別し、例えば、100mm/sec未満については補正値Av1、100mm/sec以上200mm/sec未満については補正値Av2、200mm/sec以上については補正値Av3をそれぞれ算出して、搬送時の最高搬送速度に応じて対応する補正値Av1、Av2、Av3を用いて改行画像目標値Cgを補正した改行目標値Cを得ている。なお、その他の処理は第1実施形態と同様である。
つまり、制御ゲインなどの制御パラメータを搬送速度に応じて変えていない場合はもちろんのこと、変えている場合であっても、搬送速度によって装置のメカ的負荷及び反応速度、液滴付着後の用紙の伸び量などが変動するため、いわゆる搬送量のクセが生じることになる。そのため、第1実施形態のように搬送速度毎に補正を行なわないで、搬送速度によらずに共通の補正値を使うと、正確な補正を行うことができない場合がある。
これに対して、本実施形態のように搬送速度毎にそれぞれ補正値を別個に持つ、つまり、搬送速度毎の駆動量の履歴に基づいて駆動量の補正を行うことによって、効率良く、より正確な補正を行なうことができる。
次に、本発明の第10実施形態について図19のフロー図を参照して説明する。
ここでは、第1実施形態における改行目標値Cを補正するときに用いる補正量Aを目標停止精度毎に複数設けたものである。この例では、給紙後、目標停止精度を判別し、例えば、±2μmについては補正値A2m、±5μmについては補正値A5m、±10μmについては補正値A10mをそれぞれ算出して、搬送時の最高搬送速度に応じて対応する補正値A2m、A5m、A10mを用いて改行画像目標値Cgを補正した改行目標値Cを得ている。なお、その他の処理は第1実施形態と同様である。
つまり、制御ゲインなどの制御パラメータを目標停止精度に応じて変えていない場合はもちろんのこと、変えている場合であっても、目標停止精度によって装置のメカ的負荷及び反応速度、液滴付着後の用紙の伸び量などが変動するため、いわゆる搬送量のクセが生じることになる。そのため、第1実施形態のように目標停止精度毎に補正を行なわないで、目標停止精度によらずに共通の補正値を使うと、正確な補正を行うことができない場合がある。
これに対して、本実施形態のように目標停止精度毎にそれぞれ補正値を別個に持つ、つまり、目標停止精度毎の駆動量の履歴に基づいて駆動量の補正を行うことによって、効率良く、より正確な補正を行なうことができる。
次に、本発明の第11実施形態について図20のフロー図を参照して説明する。
ここでは、第1実施形態における改行目標値Cを補正するときに用いる補正量Aを媒体の相対位置毎に複数設けたものである。この例では、給紙後、印字領域の用紙先端から距離を判別し、例えば、50mm未満については補正値Ar1、50mm以上230mm未満については補正値Ar2、230mm以上については補正値Ar3をそれぞれ算出して、相対位置に応じて対応する補正値Ar1、Ar2、Ar3を用いて改行画像目標値Cgを補正した改行目標値Cを得ている。なお、その他の処理は第1実施形態と同様である。
つまり、前記第7実施形態では、スキャン数によって用紙のおおよその位置を推測し,制御を行なっていたが、印刷する画像によっては画像領域途中に余白部があるなどしてスキャン数と用紙のおおよその位置とが一致しない場合がある。本実施形態は、このような場合でも用紙の相対位置を,用紙搬送路に設置してある用紙センサ81、82で用紙先端を検知することにより検出し、補正量Aを用紙の駆動ローラ(搬送ローラ27)からの相対位置毎に複数設けたものである。特に厚紙の場合,用紙後端が第1加圧コロ(レジストローラ)22のニップを抜けるときの負荷変動が大きいため,この部分だけ個別の補正値Anipを設けるとさらに有効である。
このように、用紙の相対位置毎にそれぞれ補正値を別個に持つ、つまり、用紙の相対位置毎の駆動量の履歴に基づいて駆動量の補正を行うことによって、効率良く、より正確な補正を行なうことができる。
次に、本発明の第12実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第1実施形態において、履歴(実際の改行量)Cr、偏差ΔC及び補正値Aをリセットできる構成にしたものである。使用者が印字位置調整を行なったときや、マシンに異常が発生し、なんらかのダメージが残ったとき、使用者が変わったとき、印刷する条件が変化したときなどは、それまでのマシンがもっていた搬送量の傾向(いわゆるクセ)が変わる場合がある。このようなときに履歴や補正値をリセットできることで、駆動量の誤補正を防止することができ、画質の低下を抑制することができる。
次に、本発明の第13実施形態について図21を参照して説明する。
本実施形態は、前記第1実施形態における補正値を求めるために必要である実際の改行量Crが異常値だったとき、その改行量Crは補正値の算出に用いないで、正常な改行が行なわれたときのデータのみを補正値の算出に用いるようにしたものである。
つまり、図21において、改行目標値Cで改行を行った後、実際の改行量Crは異常値か否かを判別し、異常値でなければ、前記第1実施形態と同様に補正量(補正係数)Aの算出のための処理に移行し、異常値であれば、印字可能か否かを判別し、印字可能であれば、補正量(補正係数)Aの算出のための処理を飛ばして1スキャン印字を行い、印字可能でなければそのまま排紙処理を行って処理を抜ける。
ここでいう異常値かどうかの判断基準は、例えば改行目標値Cに対して実際の改行量Crがエンコーダのログにて所定の値以上(例えば±50μm以上)であるか、もしくは所定の%以上(例えば5%以上)であるか、もしくは改行動作中になんらかのエラーがあったかなどのフラグを設けて判断すると効果的である。
このように、駆動量の履歴には異常値を含まないようにすることで、駆動量の目標値の誤補正を防止することができる。
次に、本発明の第14実施形態について説明する。
本実施形態では、前記第1実施形態における改行目標値Cを補正するときに用いていた補正量Aの参照履歴数、もしくは、補正量Aを求めるときに使っていた偏差ΔC若しくは実際の改行量Crの参照履歴数を、可変にしたものである。印字モードによって改行量が異なる場合、モード毎に最適な参照履歴数が違うため、モード毎に参照履歴数を変えることにより、より効率的に駆動量の補正をすることが可能となる。
例えば、各モード毎に用紙N枚(N≧1)分の履歴を用いることが有効的である。1枚の用紙のどの位置に印刷を行なっているかによって、いわゆる搬送量のクセが生じることは前述したとおりである。このため、1頁の印刷における改行回数に対して参照履歴数が少ない場合、参照するときに用いる履歴が本来持っているクセを十分に反映できないことがある可能性がある。これを解決するためには、参照履歴数を多くすればよいが、RAM103に履歴を持っている場合、電源を入れてから所定の履歴がたまるまでは、駆動量の補正を行なうことができなくなるという問題がある。装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換えが可能である不揮発性メモリ104内に履歴を持つようにすれば、電源を入れてすぐに補正可能だが、データ数及び制御の煩雑さ、応用の簡便度合いを考慮すると難しい。
したがって、駆動量の補正に用いる参照履歴数を、モード毎に用紙N枚(N≧1)分の印刷改行数に相当する数にすることにより、より効率的に駆動量の補正をすることが可能となり、用紙を高精度に搬送することが可能となる。また、同モードにおいても、電源が入って数枚以内の印字の場合は、参照履歴数を少なくし、印刷枚数が増えるに従って、確度を高めるために参照履歴数を多くしていくのも有効的である。
また、モード毎に初期補正値A0を予め設定しておく、又は初期補正値を過去のデータから算出するような構成にすることにより、さらに効率的に駆動量の補正をすることが可能となり、用紙を高精度に搬送することが可能となる。
また、参照履歴数をN枚(N≧1)と規定することにより、同一ページ内での濃度変動を抑えることが可能となる。同一ページの判断には、改行目標値でトリガしてもいいし、用紙センサ81、82によって検知した信号を用いてもよい。
次に、本発明の第15実施形態について図22のフロー図を参照して説明する。
ここでは、第1実施形態における改行目標値Cを補正するときに用いる補正量Aを環境条件(例えば環境温度)毎に複数設けたものである。この例では、給紙後、環境センサ118で検出された環境温度を判別して、例えば、10℃未満については補正値At1、10℃以上23℃未満については補正値At2、23℃以上については補正値At3をそれぞれ算出して、環境温度に応じて対応する補正値At1、At2、At3を用いて改行画像目標値Cgを補正した改行目標値Cを得ている。なお、その他の処理は第1実施形態と同様である。
つまり、制御ゲインなどの制御パラメータを環境温度で変えていない場合はもちろんのこと、変えている場合であっても、環境温度によって装置のメカ的負荷及び反応速度、用紙の伸び量などが変動するため、いわゆる搬送量のクセが生じることになる。そのため、第1実施形態のように環境温度毎に補正を行なわないで、環境温度によらず共通の補正値を使うと、正確な補正を行えない場合がある。
これに対して、本実施形態のように環境温度毎にそれぞれ補正値を別個に持つ、つまり、環境温度毎の駆動量の履歴に基づいて駆動量の補正を行うことによって、効率良く、より正確な補正を行なうことができる。
次に、本発明の第16実施形態について説明する。
本実施形態では、前記第1実施形態における履歴(実際の改行量)Cr、偏差ΔC及び補正値Aを補正可能な構成にしたものである。
一般に総印字枚数が増加するにつれ、マシンのメカ負荷は一旦小さくなり、その後上昇する傾向がある。これは、搬送系の部品の初期摩耗によって用紙搬送時の部品摺動性が上がるため、一旦メカ負荷は小さくなるものの、使い続けることでインクやインクミスト、紙紛、埃などが各部に付着することで徐々にメカ負荷が上昇していくためである。
メカ負荷の変動は、改行目標値Cが与えられたときの実際の搬送量(改行量)Crに大きな影響を与える(メカ部品重量の変動や停止時の制動の効き具合に対する停止距離の変動)。したがって、メカ負荷の変動に合わせて履歴(実際の改行量)Cr、偏差ΔCを補正することにより、より正確に駆動量の補正を行なうことができ、用紙を高精度に搬送することが可能となる。また、補正量Aを補正しても同様な結果を得ることができる。
また、本実施形態では補正した履歴や補正値を再度補正する構成としてるが、前記第15実施形態における温度のように、総印字枚数を数ステージに分け、それぞれにおいて補正量Aを使い分ける構成も有効である。また、制御時におけるメカ負荷(本構成においては駆動モータの電流値で代用可能)を常時もしくは間欠的に計測し、これを制御に反映することも有効である。
次に、本発明の第17実施形態について説明する。
一般的に、プリンタは印字モード(印刷品質)毎に副走査エンコーダ停止精度規格を使い分けている。これはエンコーダの駆動精度と停止時間とが二律背反の関係にあるためであり、速度のプライオリティが高い「はやい」モードでは例えば「±2(単位はライン数)」の停止精度規格を設定し、印字品質のプライオリティが高い「きれい」モードでは「+0、−1」といった停止精度規格を設け、この規格内に収束するまで副走査エンコーダの停止動作を制御している。
これまで説明した第2ないし16実施形態では、通常の停止動作を行ない、その結果を履歴として次回の改行停止時に目標値として反映するものであった。しかしながら、モードによっては、履歴によって補正した改行目標値Cに則って改行停止動作を行なったときの実際の搬送量Crが上記副走査エンコーダ停止精度規格を満たさない場合が生じるおそれもある。
そこで、本実施形態はこのような場合、再度副走査エンコーダを駆動させ、停止精度規格内に入るように制御するものである。実験の結果、このようなケースは「きれい」モードで約4%、「はやい」モードで約5%程度であった。また、再駆動補正に要する時間は0.05[sec]以下という非常に微小な時間であり、頻度も数枚に1度程度であるため、実際の印刷時間にはほとんど影響を与えない。
なお、本実施形態では、印字モードによって再駆動補正する場合の条件を変えていないが、モードによって補正する条件(トリガ)を変えれば、さらに効率よく画質の低下と印刷時間との両立を図ることが可能となる。
また、上記各実施形態のうち2つ若しくは3つ以上を組み合わせれば、さらに効率よく搬送精度を向上し、画質の低下を抑制できる。さらに、上記各実施形態では副走査エンコーダの停止位置精度の履歴を補正量Aの決定に用いているが、副走査エンコーダの停止位置精度から搬送する用紙の停止位置精度を推測し、同様にフィードバックを実施することにより、さらに効率よく搬送精度を向上し、画質の低下を抑制できる。また、上記各実施形態では媒体搬送装置として液体吐出方式の画像形成装置における用紙(媒体)の搬送を行う媒体搬送装置に適用した例で説明している、液体吐出方式の画像形成装置の媒体搬送装置に限るものではなく、また、画像形成装置の媒体搬送装置に限るものではない。
本発明に係る画像形成装置の機構部の全体構成を説明する側面説明図である。 同機構部の平面説明図である。 同装置における制御部の概要を説明するブロック説明図である。 同制御部における用紙搬送制御に係わる部分を機能的に説明するブロック説明図である。 PI制御(速度制御)に係わる部分を機能的に説明するブロック説明図である。 PI制御(位置制御)に係わる部分を機能的に説明するブロック説明図である。 本発明の第1実施形態の説明に供するフロー図である。 図7の目標搬送量補正制御処理の説明に供するフロー図である。 図7の制御ゲイン補正制御の処理の説明に供するフロー図である。 本発明の第2実施形態の説明に供するフロー図である。 本発明の第3実施形態の説明に供するフロー図である。 本発明の第4実施形態の説明に供するフロー図である。 本発明の第5実施形態の説明に供するフロー図である。 本発明の第6実施形態の説明に供するフロー図である。 同じく停止精度と改行モードの関係の説明に供する説明図である。 本発明の第7実施形態の説明に供するフロー図である。 本発明の第8実施形態の説明に供するフロー図である。 本発明の第9実施形態の説明に供するフロー図である。 本発明の第10実施形態の説明に供するフロー図である。 本発明の第11実施形態の説明に供するフロー図である。 本発明の第13実施形態の説明に供するフロー図である。 本発明の第15実施形態の説明に供するフロー図である。
符号の説明
3…キャリッジ
7…記録ヘッド
21…搬送ベルト
27…搬送ローラ
31…副走査モータ
113…副走査モータ駆動部

Claims (26)

  1. 搬送手段で媒体を間歇的に搬送して画像を形成する画像形成装置において、前記搬送手段で媒体を搬送するときの目標搬送量と実際の搬送量との差に基づいて搬送量を補正する手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記搬送量を補正する手段は目標搬送量と実際の搬送量との差に基づいて目標搬送量を補正することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記搬送量を補正する手段は目標搬送量と実際の搬送量との差に基づいて前記搬送手段を駆動するときの制御ゲインを補正することを特徴とする画像形成装置。
  4. 液滴を吐出する記録ヘッドと、媒体を搬送する搬送手段とを備えた画像形成装置において、
    前記搬送手段を駆動する駆動手段の駆動量の履歴に基づいて前記駆動手段の駆動量を補正する手段を備えている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4に記載の画像形成装置において、前記駆動量の履歴が駆動時における目標値からのズレ量であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項4又は5に記載の画像形成装置において、前記媒体の種類毎の前記駆動量の履歴に基づいて駆動量を補正することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項4又は5に記載の画像形成装置において、前記媒体のサイズ毎の前記駆動量の履歴に基づいて駆動量を補正することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項4又は5に記載の画像形成装置において、印字モード毎の前記駆動量の履歴に基づいて駆動量を補正することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項4又は5に記載の画像形成装置において、駆動量毎の前記駆動量の履歴に基づいて駆動量を補正することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項4又は5に記載の画像形成装置において、前記媒体の相対位置を検出し、前記媒体の位置毎の前記駆動量の履歴に基づいて駆動量を補正することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項4又は5に記載の画像形成装置において、画像形成時の記録ヘッドのスキャン数毎の前記駆動量の履歴に基づいて駆動量を補正することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項4又は5に記載の画像形成装置において、搬送パス毎の前記駆動量の履歴に基づいて駆動量を補正することを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項4又は5に記載の画像形成装置において、搬送速度毎の前記駆動量の履歴に基づいて駆動量を補正することを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項4又は5に記載の画像形成装置において、搬送目標停止精度毎の前記駆動量の履歴に基づいて駆動量を補正することを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項4ないし14のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動量を補正するときに用いる駆動量の履歴はリセットすることが可能であることを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項4ないし15のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動量を補正するときに用いる補正値はリセットすることが可能であることを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項4ないし16のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動量の履歴には異常値を含まないことを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項4ないし17のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動量を補正するときに用いる参照履歴数は可変であることを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項4ないし18のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動量を補正するときに用いる参照履歴数は用紙N枚(N≧1)分の改行量相当数であることを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項4ないし19のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動量を補正するときに用いる初期補正量を持っていることを特徴とする画像形成装置。
  21. 請求項4ないし20のいずれかに記載の画像形成装置において、装置内部の温度の検出結果毎に前記駆動量の履歴に基づいて駆動量を補正することを特徴とする画像形成装置。
  22. 請求項4ないし21のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動量を補正するときに用いる駆動量の履歴は補正可能であることを特徴とする画像形成装置。
  23. 請求項22に記載の画像形成装置において、前記駆動量の履歴の補正には総印刷枚数が使用されることを特徴とする画像形成装置。
  24. 請求項4ないし23のいずれかに記載の画像形成装置において、駆動量の履歴に応じて前記駆動量を補正して駆動した結果に応じて再補正することを特徴とする画像形成装置。
  25. 搬送手段で媒体を間歇的に搬送する媒体搬送装置において、前記搬送手段で媒体を搬送するときの目標搬送量と実際の搬送量との差に基づいて搬送量を補正する手段を備えていることを特徴とする媒体搬送装置。
  26. 搬送手段で媒体を間歇的に搬送する媒体搬送装置において、前記搬送手段を駆動する駆動手段の駆動量の履歴に基づいて前記駆動手段の駆動量を補正する手段を備えていることを特徴とする媒体搬送装置。
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