JP2008066229A - 燃料電池用触媒電極、それを用いた、膜・電極接合体、及び燃料電池 - Google Patents

燃料電池用触媒電極、それを用いた、膜・電極接合体、及び燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】発電能力が向上し、且つ、白金族触媒の使用量を低減できる新規な構成の燃料電池用触媒電極、それを用いた膜・電極接合体、及び燃料電池を提供する。
【解決手段】 燃料電池用触媒電極1の触媒層3は、同一の径と長さを有する直線形状のカーボンナノチューブが等間隔で同一方向に配列した高密度・高配向カーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブの束4が積層されて構成される。カーボンナノチューブ5間の空隙5aの分布が均一であり、空隙5aの大きさが触媒層3の電極反応速度を最大とする空隙に近く、また、径の小さいカーボンナノチューブ5を触媒担体とするので、発電能力が向上し、且つ、白金族触媒の使用量が少ない。
【選択図】図1

Description

本発明は、車載用、家庭据え置き用、あるいは携帯機器用のバッテリーとして有用な、燃料電池用触媒電極、それを用いた膜・電極接合体、及び燃料電池に関する。
水素と酸素を使用する燃料電池は、その反応生成物が原理的に水のみであり、環境への悪影響がほとんどない発電システムとして注目されている。近年、燃料電池のなかでも、水素イオン伝導性を有するイオン交換膜を電解質として使用する固体高分子型燃料電池は、作動温度が低く、出力密度が高く、かつ、小型化が容易なため、車載用電源や家庭据置用電源などへの使用が有望視されている。
図7は固体高分子型燃料電池の単セルの構成例を示す分解斜視図である。固体高分子型燃料電池は、単セル60が多数積層されて構成されている。単セル60は、アノード側のセパレータ61、アノード側触媒電極62、水素イオンを伝導する固体高分子電解質膜63、カソード側の触媒電極64、及びカソード側のセパレータ65を、この順に積層して構成されている。アノード側の触媒電極62は、電極基材62aと、電極基材62aの表面に積層された触媒層62bとで構成されており、カソード側の触媒電極64は電極基材64aと、電極基材64aの表面に積層された触媒層64bとで構成されている。アノード側電極基材62aとカソード側電極基材64aとは、いずれも、ガス拡散能力と、電子導電性と、機械的強度とを有する部材から構成されており、例えば、カーボンペーパーあるいはカーボンクロス等が利用されている。また、アノード側触媒層62bとカソード側触媒層64bは、白金族触媒を担持したカーボン微粒子や多孔質活性炭で構成されており、水素イオンを伝導する固体高分子電解質膜63の上下面にそれぞれ接続されている。
アノード側のセパレータ61には反応ガス流路61aが設けられており水素ガスを供給する。他方、カソード側のセパレータ65には反応ガス流路65aが設けられており酸素ガスを供給する。水素ガスはアノード側触媒層62bの白金族触媒の触媒作用により水素イオンと電子に分解し(アノード電極反応)、水素イオンは固体高分子電解質膜63を伝導して、また、電子は負荷回路を含む外部電気回路を伝導してカソード側触媒層64bに到る。カソード側電極触媒層64bの白金族触媒の触媒作用により酸素と水素イオンと電子とが反応して水を生じ(カソード電極反応)、この際、アノード側触媒電極62とカソード側の触媒電極64間に流れる電子流によって電力が生成される。
アノードに供給する水素ガスとしては、メタンやメタノール等を水蒸気改質して得られる改質ガスを使用することも可能である。例えば、メタノールを使用する場合、250〜300℃の温度でCu-Zn系等の触媒を使用して、下記(1)、(2)式のようにメタノールを段階的に反応させる。
CH3OH=2H2+CO-90kJ/mol (1)
CO+H2O=H2+CO2+40kJ/mol (2)
すなわち、改質装置でメタノールを水素と一酸化炭素(CO)に分解すると共に、生成したCOを水蒸気と反応させて、水素ガスと二酸化炭素(CO)からなる改質ガスを生成し、この改質ガスをアノードに燃料ガスとして供給する。
燃料電池の発電能力を高くするには、触媒層の単位表面積当たりの電極反応速度を大きくすることが必要である。すなわち、触媒層は、十分なガスが拡散できること、ガスに接触する触媒表面積が大きく、触媒反応速度が大きいことが必要である。また、触媒層は、電子が伝導できること、及び、生成した水素イオンが容易に高分子電解質膜に取り込まれるために、あるいは、固体高分子電解質膜中の水素イオンを容易に取り込めるために、厚さが一定値以下であることが必要である。
また、触媒層が、触媒担体と触媒担体の表面に担持された触媒とからなる構成である場合には、ガス拡散能力及び触媒表面積の大きさの観点から、比表面積が大きい触媒担体を用いることが好ましい。
また、白金族元素の埋蔵量は限られており、燃料電池を低コストで供給するためには、白金族触媒の使用量の低減が必要不可欠である。白金族触媒の単位量あたりの触媒反応速度は担持された白金族触媒の粒径に依存し、その最適のサイズはナノメーター(nm)オーダー、すなわち、クラスターサイズである(特許文献1参照)ことが知られており、白金族触媒の使用量の低減には、白金族触媒の粒径を小さくすること、好ましくはナノメーターオーダーにすることが必要である。
従来、燃料電池の触媒層として、カーボンブラック等の導電性球状のカーボン粒子を触媒担体とするものがある。この触媒層は、蒸着法、含浸法、無電界メッキ法、あるいはアルコール還元法等により白金族元素をカーボン粒子の表面に担持させ、このカーボン粒子を積層して触媒層としている。積層したカーボン粒子間の空隙を介してガスが拡散し、このガスがカーボン粒子の表面に担持された白金族触媒に接触して触媒反応が生じる。触媒層の電極反応速度を高めるためには、カーボン粒子の粒径を小さくして比表面積を大きくし、ガスに接触する白金族触媒の表面積を大きくすることが有効である。
しかしながら、カーボン粒子の形状は球であるため、粒径を小さくすると、積層されたカーボン粒子間の空隙が急激に小さくなり、十分な量のガスが拡散できなくなる。十分な量のガスが拡散できるためには、カーボン粒子の粒径が一定値以上である必要があり、このため、ガスに接触する白金族触媒の表面積の増大には限界があり、この構成の触媒層の更なる電極反応速度の向上は困難である。
また、白金族触媒の使用量の低減には、白金族触媒の単位量あたりの触媒反応速度を高めること、すなわち、白金族触媒の粒径を小さくすること、好ましくはナノメーターオーダーにすることが必要である。ところが、カーボン担体に白金族触媒を担持した場合の白金族触媒の粒径は、カーボン担体の曲率に反比例する、すなわち、カーボン担体がカーボン粒子である場合にはその粒径に比例する。従って、白金族触媒の粒径を小さくするためには粒径の小さなカーボン粒子上に担持する必要があるが、上記のように、ガス拡散能力の点から一定値以上の粒径のカーボン粒子を用いる必要があり、このため、白金族触媒の粒径を小さくできず、白金族触媒の使用量の低減ができない。
すなわち、カーボン粒子を用いる燃料電池の触媒層では、更なる発電能力の向上、及び、白金族触媒の使用量を低減することが困難ある。
また、従来、上記のカーボン粒子の替わりに活性炭を使用した触媒層がある。活性炭は微細な細孔を有しているので、これらの細孔を介してガスを拡散させることができる。しかしながら、これらの細孔は相互の連結姓が十分でないためにガス拡散能力が低く、発電能力が低いことが知られており(例えば特許文献2参照)、また、白金族触媒を担持させる際、細孔内にも白金族触媒が担持されてしまい、細孔内に担持された白金族触媒は触媒として十分働かないという現象があり、この構成の触媒層では、更なる発電能力の向上、及び、白金族触媒の使用量の低減が困難である。
また近年、上記の課題を解決する触媒層として、アーク放電法や化学気相成長法でカーボンナノチューブ粉末を合成し、この粉末に白金族触媒を担持し、この粉末を電極基体に積層する燃料電池用触媒層(特許文献3参照)が知られている。カーボンナノチューブは電子導電性を有しており、また、ナノサイズの細長い形状を有するので比表面積が極めて大きく、触媒担体として用いれば、触媒層の触媒表面積を大きくできる。また、カーボンナノチューブに担持した白金族触媒の粒径はカーボンナノチューブの径に比例したナノサイズになるので白金族触媒の単位量あたりの触媒反応速度も大きくなり、白金族触媒の使用量を低減できる。
特開2005−279596号公報 特開2006−131499号公報 特開2006−12832号公報 特開2003−12312号広報
ところで、触媒粒子を表面に担持した多数の触媒担体を空間的に配列して構成される一定膜厚の触媒層において、触媒担体間の空隙を大きくすると、ガス拡散能力は大きくなるが、一方、触媒担体の密度は減少するので触媒表面積が減少して触媒反応速度が小さくなる。逆に、触媒担体間の空隙を小さくすると、触媒担体の密度が大きくなるので、触媒層の触媒表面積が増大して触媒反応速度が大きくなるが、一方、ガス拡散能力は小さくなる。すなわち、ガス拡散能力は触媒担体間の空隙に比例し、触媒表面積は触媒担体間の空隙に反比例し、また、触媒層の電極反応速度の大きさはガス拡散能力と触媒表面積の積に比例するので、触媒層の電極反応速度を最大とする触媒担体間の空隙が存在する。従って、カーボンナノチューブを触媒担体とする触媒層においても、カーボンナノチューブ間の空隙は、ガス拡散能力と触媒表面積の積が最大となる、すなわち、触媒層の電極反応速度が最大となる空隙であることが好ましい。
しかしながら一般に、アーク放電法や化学気相成長法でカーボンナノチューブを合成すると、種々の曲率半径で種々の方向に曲がりくねった様々な形状のカーボンナノチューブが無秩序に配列・積層したカーボンナノチューブ粉末として合成されるので、カーボンナノチューブの径の数十倍から数百倍の大きさの空隙が無秩序に分布して形成される。カーボンナノチューブの径は数nmから数十nmであり、水素分子や酸素分子の大きさが0.1nmオーダーであることからしても、これらの空隙は触媒層の電極反応速度を最大とする空隙よりも極めて大きい。
それ故、このカーボンナノチューブ粉末に白金族触媒を担持し、この粉末を電極基体に積層した従来の触媒層は、カーボンナノチューブ間の空隙が触媒層の電極反応速度を最大とする空隙よりも大きいために、ガス拡散能力は十分大きいが、触媒反応速度が小さく、発電能力が触媒反応速度によって律速されてしまい、発電能力が低いという課題がある。
また、この触媒層は、触媒担体間の空隙が触媒層全体にわたって不均一であるので、同一の空隙率を有する、触媒担体間の空隙が均一である触媒層と比べて、ガス拡散能力が低く、発電能力が低いという課題がある。
上記課題に鑑み本発明は、発電能力が向上し、且つ、白金族触媒の使用量を低減できる新規な構成の燃料電池用触媒電極、それを用いた膜・電極接合体、及び、それを用いた燃料電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池用触媒電極は、電極基材と電極基材面に積層した白金族触媒層とからなる燃料電池用触媒電極において、白金族触媒層を構成する触媒担体に、略同一の径と長さを有する直線形状のカーボンナノチューブが略等間隔で同一方向に配列した高密度・高配向カーボンナノチューブを用いることを特徴とする。
また、上記触媒担体間の空隙は、ガス拡散能力と触媒表面積の積が最大となる空隙であれば好ましい。
この構成によれば以下のように作用する。すなわち、上記高密度・高配向カーボンナノチューブのカーボンナノチューブは、同一の径と長さを有する直線形状のカーボンナノチューブが等間隔で同一方向に配列しているので、上記触媒担体間の空隙は、触媒層全体にわたって均一であり、その結果、ガス拡散能力が高くなり、発電能力を向上させることができる。
また、上記カーボンナノチューブ間の空隙は、高密度・高配向カーボンナノチューブを合成する際の合成条件を選択して、触媒層の電極反応速度が最大となる空隙とすることできる。
また、カーボンナノチューブは比表面積が極めて大きいので、カーボンナノチューブに担持した白金族触媒の表面積も極めて大きくなり触媒層の電極反応速度が増大する。
また、カーボンナノチューブはナノサイズの細長い形状を有するので、カーボンナノチューブに担持された白金族触媒のサイズもナノサイズとなり、白金族触媒の単位量あたりの触媒反応速度が大きくなり、従って、白金族触媒の使用量を低減できる。
従って、高密度・高配向カーボンナノチューブを触媒担体に用いた本発明の燃料電池用触媒電極は、発電能力が向上でき、且つ、白金族触媒の使用量を低減できる。
また、上記の高密度・高配向カーボンナノチューブには、基板上に触媒微粒子を担持し、この基板を有機液体中で加熱して、基板上に同一の径と長さを有する直線形状のカーボンナノチューブが等間隔で同一方向に配列した高密度・高配向カーボンナノチューブを合成し、このカーボンナノチューブを基板から束状に剥離したものを用いることができる。このカーボンナノチューブの合成方法は、固液界面接触分解法(特許文献4参照)と呼ばれており、この方法によれば、基板表面から有機液体に向かう、基板表面に垂直に且つ基板表面全面にわたって均一に形成される急激な温度勾配によって、有機液体が分解されてカーボンナノチューブが成長するので、基板上に同一の径と長さを有する直線形状のカーボンナノチューブが等間隔で同一方向に配列した高密度・高配向カーボンナノチューブを合成できる。
さらに、上記の触媒微粒子は、コバルトの結合エネルギーが正方向に1eVから3eVの範囲でシフトする酸化度で酸化された酸化コバルト微粒子(特願2005−341181)であれば好ましい。この微粒子を用いれば、カーボンナノチューブの径が極めて小さく、且つカーボンナノチューブが極めて高密度に配列した上記高密度・高配向カーボンナノチューブを合成できる。この高密度・高配向カーボンナノチューブを用いれば、触媒層の電極反応速度をさらに大きくできる。
また、本発明の燃料電池用膜・電極接合体は、上記の燃料電池用触媒電極と、燃料電池用触媒電極に接合した水素イオン導電性高分子電解質膜とからなることを特徴とする。
この構成の燃料電池用膜・電極接合体を、アノード側電極、カソード側電極、又はその両方に用いることによって、発電能力が向上した、且つ、白金族触媒の使用量を低減した燃料電池を実現できる。
また、本発明の燃料電池は上記の燃料電池用触媒電極を、アノード側電極、又は、カソード側電極、又はその両方に用いたことを特徴としており、発電能力が向上した、且つ、白金族触媒の使用量を低減した燃料電池である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図を用いて詳細に説明する。
初めに、本発明の燃料電池用触媒電極を説明する。
図1は、本発明の燃料電池用触媒電極の構成を示す図であり、(a)図は燃料電池用触媒電極の模式断面図であり、(b)図は触媒層を構成する高密度・高配向カーボンナノチューブを詳細に示す図である。
(a)図に示すように、本発明の燃料電池用触媒電極1は、電極基材2と電極基材2の表面に積層した触媒層3とからなる。触媒層3は、白金族触媒を担持した、カーボンナノチューブの束4が積層されて構成される。電極基材2は、ガス拡散能力と、電子導電性と、機械的強度とを有する部材であればよく、例えば、カーボンペーパーあるいはカーボンクロスである。
(b)図に示すように、カーボンナノチューブの束4は、白金族触媒6が担持された、同一の径と長さを有する直線形状のカーボンナノチューブ5が等間隔で、すなわち、等しい空隙5aを有して同一方向に配列した構成、すなわち、高密度・高配向カーボンナノチューブからなる。カーボンナノチューブの束4は、下記に説明する固液界面接触分解法を用いて、高密度・高配向カーボンナノチューブを基板上に合成し、このカーボンナノチューブを、先端が尖った、あるいは辺が刃状になった金属等の硬い部材で擦ることによって、束状に剥離して作製することができる。カーボンナノチューブの束4のカーボンナノチューブ5は、互いに平行に、且つ、基板上に合成した際の空隙にほぼ等しい空隙5aを有して配列している。このカーボンナノチューブの束4が、電極基材2上に積層されて、触媒層3が構成されている。尚、図示を省略しているが、カーボンナノチューブの束4同士を結合する少量のバインダーを含んでいてもよい。
カーボンナノチューブ5の径は、ナノメーターオーダーから数百ナノメーターオーダーのいずれであってよいが、好ましくはナノメーターオーダーである。また、カーボンナノチューブ5間の空隙5aは、ナノメーターオーダーから数百ナノメーターオーダーのいずれであってよいが、好ましくはナノメーターオーダーである。
次に、本発明の燃料電池用触媒電極の作用を説明する。
触媒層3の触媒担体は、同一の径と長さを有する直線形状のカーボンナノチューブ5であり、触媒担体間の空隙は、カーボンナノチューブ5が等間隔で、すなわち、等しい空隙5aを有して同一方向に配列して形成される空隙5aであるので、触媒層3の触媒担体間の空隙は、触媒層3全体にわたって均一に分布しており、その結果、ガス拡散能力が高くなり、発電能力を向上させることができる。
また、触媒層3はカーボンナノチューブの束4が積層されてなるので、触媒層3のガス拡散能力は、カーボンナノチューブの束4を構成するカーボンナノチューブ5間の空隙5aによって定まる。従って、触媒層3のガス拡散能力と触媒表面積の積が最大となる空隙5a、すなわち、電極反応速度を最大とする空隙5aを有するカーボンナノチューブの束4を用いることによって、触媒層3の電極反応速度を最大にすることができる。
また、カーボンナノチューブ5は比表面積が極めて大きいので、カーボンナノチューブ5からなる触媒層3の白金族触媒の表面積も極めて大きくなり触媒層3の電極反応速度が増大する。
また、カーボンナノチューブ5はナノサイズの細長い形状を有するので、カーボンナノチューブ5に担持された白金族触媒6のサイズもナノサイズとなり、白金族触媒6の単位量あたりの触媒反応速度が大きくなるので、白金族触媒の使用量を低減できる。
従って、高密度・高配向カーボンナノチューブを白金族触媒層の触媒担体とした本発明の燃料電池用触媒電極は、発電能力が向上でき、且つ、白金族触媒の使用量を低減できる。
次に、固液界面接触分解法による、上記の高密度・高配向カーボンナノチューブの合成方法を説明する。
図2は、固液界面接触分解法に用いる合成装置の構成を示す断面模式図である。
この合成装置は、液体槽21の外側に液体槽21を冷却するための水冷手段22と、基板23を保持し、かつ、基板23に電流を流すための電極24を有する基板ホルダー25と、液体槽21から蒸発する有機液体蒸気を冷却凝縮して液体槽21に戻す水冷パイプ26からなる凝縮手段27と、基板ホルダー25と凝縮手段27とN2 ガスを導入するバルブ28とを保持する蓋29を有し、液体槽21と蓋29で有機液体30を密閉して保持する構成である。
この装置によれば、有機液体30の温度を沸点未満に保持することができると共に、基板23の温度を高温の成長温度に保持でき、カーボンナノチューブの合成が可能になる。 また、有機液体30の気相が凝縮手段27によって凝縮されて液体にもどるため原料の有機液体30を無駄にすることがなく、さらに有機気相と空気との混合による爆発、炎上の危険がない。また、N2 ガスからなる不活性ガス導入手段を有するから、液体槽中での有機気相と空気との混合による爆発、炎上の危険がない。
この装置を用いて、高密度・高配向カーボンナノチューブを合成する方法を、基板23がSiであり、有機液体30がメタノールの場合を例にとって説明する。導電性を有するSi基板23を洗浄し、Fe薄膜を堆積する。堆積手段は、例えば、Ar中のスパッターでもよい。堆積するFe薄膜の厚さは、合成するナノチューブの径と密度を決定するので目的に合わせてFe薄膜の厚さを選択する。次に、Fe薄膜を堆積したSi基板23を、850?に加熱する。この加熱処理によって、Fe薄膜が触媒微粒子となってSi基板23上に島状に分布すると共に、Si基板23に結合する。
続いて、上記のSi基板23を、図2で示した合成装置の基板ホルダー25に配置し、メタノール30を満たし、N2 ガスを、バルブ28を介して導入し、合成装置内の残留空気をN2 ガスで置換する。そして、電極24を介してSi基板23に電流を流して加熱する。基板温度が930?になる電流を流し、合成中もこの電流値に保つ。Si基板23の表面からメタノールのガスからなる気泡が発生すると共に、Si基板23の表面がこの気泡によって覆われる。この際、メタノール30の温度をメタノールの沸点以下に保つことが必要であり、水冷手段22を用いて冷却する。また気相のメタノールを凝縮手段27により液体に戻し、液体槽21に戻す。所望のカーボンナノチューブの長さに応じた一定時間、合成装置を上記の状態に保つことにより、Si基板23上に、高密度、且つ、高配向に整列した直線形状のカーボンナノチューブが合成できる。
さらに、上記のFe薄膜の替わりに、コバルトの結合エネルギーが正方向に1eVから3eVの範囲でシフトする酸化度で酸化された酸化コバルト薄膜を用いれば、極めて径が小さい直線形状のカーボンナノチューブを基板上に極めて高い密度で成長させることができる。すなわち、基板上に島状に分布したFe等の遷移金属からなる触媒微粒子は、有機液体中で基板を加熱する際の高温によって、互いに結合して大きな径の触媒微粒子になる粒成長が起きやすく、また、成長するカーボンナノチューブの径は触媒微粒子の径に比例するので、成長した、高密度・高配向カーボンナノチューブのカーボンナノチューブは、径が比較的大きく、また、密度が比較的小さくなりやすい。一方、酸化コバルト触媒微粒子は、有機液体中で基板を加熱する際の高温によって粒成長が生じず、酸化コバルト薄膜を加熱処理して基板上に触媒微粒子を島状に分布させた際の粒径、密度が変化しない。このため、極めて径の小さいカーボンナノチューブを極めて高密度に成長できる。コバルトの結合エネルギーのシフトが、正方向に1eV未満の低い酸化度では、粒成長がおきやすくなり、3eVを超える高い酸化度では、触媒作用を失ってカーボンナノチューブが成長しなくなる。以下に、酸化コバルト触媒微粒子を用いて固液界面接触分解法により合成した高密度・高配向カーボンナノチューブの例を示す。
導電性n型Si(100)基板上に、厚さ5nmのコバルト薄膜を堆積し、空気中で900℃、10分加熱して、酸化コバルト触媒微粒子を担持した。この基板を、メタノール中で900℃、30分間加熱して、高密度・高配向カーボンナノチューブを合成した。
図3は、酸化コバルト触媒微粒子を用いた固液界面接触分解法により合成した、高密度・高配向カーボンナノチューブの走査電子顕微鏡像を示す図である。
図は、高密度・高配向カーボンナノチューブが合成された基板を、基板表面に垂直に壁開し、表面に対し斜め上方より観測した走査電子顕微鏡像である。
図から、基板面に、径が約10nmの直線状のカーボンナノチューブが、約10nmの等間隔で配列して成長していることがわかる。直線状のカーボンナノチューブが、平行に同一方向に配列しているのでガス拡散能力大きく、径が小さいので触媒表面積が大きく、また、空隙が触媒層の電極反応速度を最大とする最適な触媒担体間の空隙に近いので、触媒層の電極反応速度を大きくできる。
次に、本発明の燃料電池用膜・電極接合体を説明する。
図4は、本発明の燃料電池用膜・電極接合体の構成を示す模式断面図である。
(a)図に示すように、本発明の燃料電池用膜・電極接合体41は、図1に示した本発明の燃料電池用触媒電極1と、燃料電池用触媒電極1に接合した水素イオン伝導性固体電解質膜42とからなる。水素イオン伝導性固体電解質膜42は例えば、ナフィオン膜(デュポン社製、登録商標)であれば好ましい。燃料電池用膜・電極接合体41はアノード側のみに用いてもよく、また、カソード側のみに用いてもよく、また、(b)図に示すように、水素イオン伝導性固体電解質膜42の両面にそれぞれ、触媒層3を接合し、それぞれの触媒層3にそれぞれ、電極基材2を接合し、アノード側及びカソード側の両方に用いる構成の燃料電池用膜・電極接合体43であってもよい。
次に、本発明の燃料電池用触媒電極を用いた燃料電池を説明する。
図5は、本発明の燃料電池の単セルの構成を示す模式断面図であり、(a)図は本発明の燃料電池用触媒電極1をアノード側に用いた本発明の燃料電池の単セル51、(b)図は本発明の燃料電池用触媒電極1をカソード側に用いた本発明の燃料電池の単セル52、及び、(c)図は本発明の燃料電池用触媒電極1をアノード側及びカソード側に用いた本発明の燃料電池の単セル53を示す。
本発明の燃料電池の単セル51、52、及び53は、図7に示した従来技術の燃料電池と比べて、燃料電池用触媒電極に、図1示した本発明の燃料電池用触媒電極1を用いることのみ異なり、他の構成は同じであるので、説明を省略する。
この構成によれば、発電能力が向上し、且つ、白金族触媒の使用量を低減した燃料電池が実現できる。
次に、本発明の燃料電池用触媒電極の製造方法を説明する。
はじめに、図2に示した合成装置を用いて固液界面接触分解法により、基板上に、高密度、且つ、高配向に整列した直線形状のカーボンナノチューブを合成する。
次に、このカーボンナノチューブに白金族触媒を担持する。担持方法は一般的な含浸法が使用できる。例えば、白金族塩を溶媒に溶解又は分散させてコロイド状とし、このコロイド溶液中に上記カーボンナノチューブを浸し、還元処理をしてカーボンナノチューブ上に白金族触媒を担持する。また、白金族金属をスパッタリングして蒸着する等の蒸着法でもよい。
次に、白金族触媒を担持したカーボンナノチューブを基板上から剥離する。剥離方法は、先端が尖った、あるいは辺が刃状になった金属等の硬い部材で擦ることによって、基板からカーボンナノチューブを束状に剥離できる。カーボンナノチューブの束のカーボンナノチューブは、互いに平行に、且つ、基板上に合成した際の空隙にほぼ等しい空隙を有して配列している。このカーボンナノチューブの束を、溶媒に分散させてペースト状とし、これをカーボンペーパーやカーボンクロス等の多孔質電極基材に塗布し、焼成することによって、本発明の燃料電池用触媒電極を製造する。
次に、本発明の燃料電池用膜・電極接合体の製造方法を説明する。
本発明の燃料電池用膜・電極接合体は、図1に示した本発明の燃料電池用触媒電極と水素イオン伝導性高分子電解質膜とを重ねあわせ、熱プレスして接合し、製造する。
また、図4(b)に示したように、本発明の燃料電池用触媒電極をアノード側触媒電極及びカソード側触媒電極として用いる場合には、水素イオン伝導性固体電解質膜の両面にそれぞれ、本発明の燃料電池用触媒電極の触媒層面を重ねあわせ、熱プレスして接合し、製造する。
次に、本発明の燃料電池の製造方法を説明する。
図5(a)に示したように、本発明の燃料電池用触媒電極をアノード側触媒電極として用いる場合は、本発明の燃料電池用膜・電極接合体の水素イオン伝導性高分子電解質膜側に従来技術のカソード側触媒電極を接合し、この接合体の上下面にセパレータを接合して単セルとし、この単セルを複数、直列に接合して本発明の燃料電池を製造する。
また、図5(b)に示したように、本発明の燃料電池用触媒電極をカソード側触媒電極として用いる場合は、本発明の燃料電池用膜・電極接合体の水素イオン伝導性高分子電解質膜に従来技術のアノード側触媒電極を接合し、この接合体の上下面にセパレータを接合して単セルとし、この単セルを複数、直列に接合して本発明の燃料電池を製造する。
また、図5(c)に示したように、本発明の燃料電池用触媒電極をアノード側触媒電極及びカソード側触媒電極として用いる場合は、図4(b)に示した本発明の燃料電池用膜・電極接合体の上下面にそれぞれ、セパレータを接合して単セルとし、この単セルを複数、直列に接合して本発明の燃料電池を製造する。
(実施例1)
導電性n型Si(100)基板上に、厚さ5nmのコバルト薄膜を堆積し、空気中で900℃、10分加熱して、酸化コバルト触媒微粒子を担持した基板を作成した。この基板を、メタノール中で600℃、5分間加熱し、引き続き、900℃、5分間加熱する固液界面接触分解法により、径が約10nm、長さが約1μmの直線状のカーボンナノチューブが約10nmの等間隔で配列した高密度・高配向カーボンナノチューブを合成した。尚、合成過程を600℃と900℃の2段階に分けて合成することによってカーボンナノチューブの導電性を向上させることができる(特願2006−070030参照)。
次に、含浸法により、上記カーボンナノチューブに白金触媒を5w%担持した。このカーボンナノチューブを基板から剥離して、約10μm径のカーボンナノチューブの束を作成した。このカーボンナノチューブの束4.8g、市販の水素イオン伝導性高分子電解質21wt%ナフィオン溶液(登録商標)11.4g、水6.4g、及び、イソプロパノール10.0gとからなる混合溶媒中で超音波ホモジナイザーを使用して30分間攪拌して触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを触媒ペーストAとする。
また、従来技術による触媒ペーストを次のようにして作製した。すなわち、粒径約10nmのカーボンブラック微粒子に白金触媒を30wt%担持した市販の白金担持カーボン触媒2.0g、市販の水素イオン伝導性高分子電解質21wt%溶液ナフィオン溶液(登録商標)5.0g、水11.0g、及び、イソプロパノール16.0gとからなる混合溶媒中で超音波ホモジナイザーを使用して30分間攪拌して触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを触媒ペーストBとする。
次に、調整した触媒ペーストAをカーボンペーパー(E―Tek社製)上へ厚さ3μmで塗布して焼成し、本発明の燃料電池用触媒電極を作製した。この燃料電池用触媒電極を触媒電極Aとする。また、調整した触媒ペーストBをカーボンペーパー(E―Tek社製)上へ厚さ3μmで塗布して焼成し、従来技術の比較用燃料電池用触媒電極を作製した。この燃料電池用触媒電極を触媒電極Bとする。
次に、触媒電極A、及び、触媒電極Bを同一の面積に切断し、これらの触媒電極をそれぞれ、水素イオン伝導性高分子電解質膜(デュポン社製ナフィオン膜、登録商標)に接合し、燃料電池用膜・電極接合体を作製した。接合には熱プレスを用いて、140℃、50kg/cm2、5分の条件で行った。触媒電極Aを用いた燃料電池用膜・電極接合体を膜・電極接合体A、触媒電極Bを用いた燃料電池用膜・電極接合体を膜・電極接合体Bとする。
次に、膜・電極接合体Aの固体電解質膜側に触媒電極Bを接合し、この接合体の上下面にセパレータを接合し、本発明の燃料電池用触媒電極Aをアノード側に用い、カソード側には従来技術の触媒電極Bを用いた構成の燃料電池を作成した。この燃料電池を燃料電池Aとする。
(実施例2)
膜・電極接合体Bの固体電解質膜側に触媒電極Aを接合し、本発明の燃料電池用触媒電極Aをカソード側に用い、アノード側には従来技術の触媒電極Bを用いたことのみ実施例1と異なる構成の燃料電池を作成した。この燃料電池を燃料電池Bとする。
(実施例3)
膜・電極接合体Aの固体電解質膜側に触媒電極Aを接合し、本発明の燃料電池用触媒電極Aをアノード側及びカソード側の両方に用いたことのみ実施例1と異なる構成の燃料電池を作成した。この燃料電池を燃料電池Cとする。
次に、上記燃料電池A、B、及び、Cの発電能力を測定した。水素流量が1000ml/分、酸素流量が1000ml/分となるようにして80℃で加湿・加熱した水素ガスと、酸素ガスを供給して反応を行わせて発電能力を測定した。測定は、起電力が0.5voltになるように負荷抵抗を選択したときの、触媒層単位表面積当たりの発電電流、すなわち、発電電流密度で比較した。
図6は、燃料電池A、B、及び、Cの発電能力の測定結果を示す図である。
図から、本発明の燃料電池用触媒電極Aをアノード側及びカソード側の両方に用いた燃料電池Cは、1200mA/cmの発電電流密度を有することがわかり、また、燃料電池の発電電流密度は、アノード側、又はカソード側のいずれか小さい方の発電電流密度によって制限されるので、本発明のアノード側燃料電池用触媒電極A、又は、本発明のカソード側燃料電池用触媒電極Aはそれぞれ、少なくとも1200mA/cmの発電電流密度を有することがわかる。
また、図から、本発明の燃料電池用触媒電極Aをアノード側及び従来技術の触媒電極Bをカソード側に用いた燃料電池Aの発電電流密度は、燃料電池Cの発電電流密度よりも低いことがわかり、従って、燃料電池Aの発電電流密度は従来技術のカソード側触媒電極Bの発電電流密度によって制限されており、その大きさは600mA/cmであることがわかる。
また、図から、本発明の燃料電池用触媒電極Aをカソード側及び従来技術の触媒電極Bをアノード側に用いた燃料電池Bの発電電流密度は、燃料電池Cの発電電流密度よりも低いことがわかり、従って、燃料電池Bの発電電流密度は従来技術のアノード側触媒電極Bの発電電流密度によって制限されており、その大きさは620mA/cmであることがわかる。
このように、本発明の燃料電池用触媒電極は、アノード側及びカソード側とも、カーボン微粒子を用いる従来技術の燃料電池用触媒電極に比べて、白金使用量が少ないにもかかわらず、約2倍の発電能力を有することがわかる。この結果は、高密度・高配向カーボンナノチューブの空隙分布が均一であること、その空隙の大きさが触媒層の電極反応速度を最大とする空隙に近いこと、また、径の小さいカーボンナノチューブを触媒担体とするので、触媒表面積が大きく、且つ白金触媒単位量あたりの電極反応速度が大きいためと考えられる。
上記説明から理解されるように、本発明の燃料電池用触媒電極、膜・電極接合体、及び、燃料電池は、電極の触媒層に、高密度・高配向カーボンナノチューブを用いるので、発電能力が高く、且つ、白金族触媒の使用量が少ない。
また、高密度・高配向カーボンナノチューブは、固液界面接触分解法により、再現性よく、且つ、大量に製造できるので、低コストで本発明の燃料電池を供給できる。
本発明の燃料電池用触媒電極の構成を示す図であり、(a)図は燃料電池用触媒電極の模式断面図であり、(b)図は触媒層を構成するカーボンナノチューブの束を説明する図である。 固液界面接触分解法に用いる合成装置の構成を示す断面模式図である。 酸化コバルト触媒微粒子を用いた固液界面接触分解法により合成した、高密度・高配向カーボンナノチューブを示す図である。 本発明の燃料電池用膜・電極接合体の構成を示す模式断面図である。 本発明の燃料電池の単セルの構成を示す模式断面図であり、(a)図は本発明の燃料電池用触媒電極をアノード側に用いた本発明の燃料電池の単セル、(b)図は本発明の燃料電池用触媒電極をカソード側に用いた本発明の燃料電池の単セル、及び、(c)図は本発明の燃料電池用触媒電極をアノード側及びカソード側に用いた本発明の燃料電池の単セルを示す。 本発明の燃料電池の発電能力の測定結果を示す図である。 固体高分子型燃料電池の単セルの構成例を示す分解斜視図である。
符号の説明
1 本発明の燃料電池用触媒電極
2 電極基材
3 触媒層
4 カーボンナノチューブの束
5 カーボンナノチューブ
5a カーボンナノチューブの間隔
6 白金族触媒
21 液体槽
22 水冷手段
23 基板
24 電極
25 基板ホルダー
26 水冷パイプ
27 凝縮手段
28 バルブ
29 蓋
30 有機液体
41 本発明の燃料電池用触媒電極・膜接合体
42 水素イオン伝導性固体電解質膜
43 本発明の燃料電池用触媒電極・膜接合体
51 本発明の燃料電池
52 本発明の燃料電池
53 本発明の燃料電池
60 燃料電池単セル
61 アノード側セパレータ
61a 反応ガス流路
62 アノード側触媒電極
62a 電極基材
62b 触媒層
63 水素イオン伝導性固体電解質膜
64 カソード側触媒電極
64a 電極基材
64b 触媒層
65 カソード側セパレータ
65a 反応ガス流路

Claims (6)

  1. 電極基材と電極基材面に積層した白金族触媒層とからなる燃料電池用触媒電極において、白金族触媒層を構成する触媒担体に、略同一の径と長さを有する直線形状のカーボンナノチューブが略等間隔で同一方向に配列した高密度・高配向カーボンナノチューブを用いることを特徴とする、燃料電池用触媒電極。
  2. 前記高密度・高配向カーボンナノチューブの触媒担体間の空隙は、ガス拡散能力と触媒表面積の積が最大となる空隙であることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用触媒電極。
  3. 前記高密度・高配向カーボンナノチューブは、基板上に触媒微粒子を担持し、この基板を有機液体中で加熱することにより合成した、高密度・高配向カーボンナノチューブであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の燃料電池用触媒電極。
  4. 前記触媒微粒子は、コバルトの結合エネルギーが正方向に1eVから3eVの範囲でシフトする酸化度で酸化された酸化コバルト微粒子であることを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池用触媒電極。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の燃料電池用触媒電極と水素イオン伝導性固体高分子電解質膜とからなることを特徴とする、燃料電池用膜・電極接合体。
  6. 請求項1〜4の何れかに記載の燃料電池用触媒電極を用いたことを特徴とする、燃料電池。
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