JP2011063462A - ナノ炭素材料複合体及びその製造方法 - Google Patents

ナノ炭素材料複合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ナノ炭素材料が大きい表面積を有し、かつ、基体に対し突出した構造を持つ、ナノ炭素材料複合基体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】コバルト又はコバルト化合物からなる触媒を基体11表面に担持し、基体11を酸化雰囲気中で850℃以上1100℃以下の範囲で熱処理した後、基体11をオクタノールとオクタンチオールとの混合溶液15中で加熱することにより、節を有するファイバー状のナノ炭素材料12が基体11に生成する。合成の際、基体11を700℃以上900℃以下の範囲で加熱するとよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば強度補強材料、電子放出素子材料、電池の電極材料、電磁波吸収材料、触媒材料、光学材料など、数々の製品・部品用の機能性材料として応用が期待されるナノ炭素材料複合体とその製造方法に関する。
ナノ炭素材料は、炭素のsp混成軌道で構成され、ナノメーター(nm)サイズの微細形状を有することから、従来の材料を凌駕する特性を有し、また従来の材料にはない特性を有する。よって、ナノ炭素材料は、強度補強材料、電子放出素子材料、電池の電極材料、電磁波吸収材料、触媒材料、光学材料など次世代の機能性材料としての応用が期待されている。
カーボンナノチューブなどのナノ炭素材料の合成方法としては、アーク放電法、レーザーアブレーション法、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法などが知られている。これらのうち、アーク放電法、レーザーアブレーション法、プラズマ化学気相成長法は非平衡反応であるため、非晶質成分を生成しやすく、一般に生成するカーボンナノチューブの収率が低く、また、生成したカーボンナノチューブの直径や種類が一様でないことが知られている。
一方、カーボンナノチューブを精製不要で高純度で合成する方法、即ち収率が非常に高い合成方法が特許文献1に開示されている。この方法は、固体基板と有機液体が急激な温度差を有して接触することから特異な界面分解反応が生じるため、有機液体中の固液界面接触分解法と呼ばれている。
特許文献1に開示されている方法について説明する。図6は有機液体中の固液界面接触分解法で用いられる合成装置を模式的に示している。この合成装置は、メタノール等の有機液体60を収容する液体槽61と、有機液体60を沸点以下に保持するため液体槽61の外側を囲むように設けた水冷手段62と、導電性の基板63を保持し、かつ基板63に電流を流すための電極64,64を有する基板ホルダー65と、液体槽61から蒸発する有機液体蒸気を冷却凝縮して液体槽61に戻す水冷パイプ66からなる凝縮手段67と、有機液体蒸気と空気との接触を防止するために窒素ガスを導入する窒素ガス導入バルブ68と、液体槽61を密閉する蓋69と、から構成される。
図6に示す合成装置を用いて有機液体中の固液界面接触分解を行う場合、導電性のシリコン基板上にFe、Co、Ni等の遷移金属薄膜を積層し、この基板を水素プラズマに晒すことによって、基板63上に高密度に分布するよう触媒微粒子を担持させ、この基板63を基板ホルダー65に保持し、基板ホルダー65を介して基板63に電流を流すことで基板63を加熱する。これにより、基板63と有機液体60とが急激な温度差を有して接触することから特異な界面分解反応が生じ、触媒微粒子上にカーボンナノチューブが合成される。この方法によれば、基板垂直方向に配向した高密度で高配向のカーボンナノチューブを合成することができる。
特開2003−12312号公報
しかしながら、上記特許文献1では、固液界面接触分解法における合成時の基板温度と生成物の構造や物性との関係の詳細は明らかにされていない。また、例えば各種電池の電極材料として適用する場合には、表面積が大きいことが望まれる。あるいは、電子放出材料などとして適用する場合には、電界集中の観点から、基体に対し垂直方向に突出した突起構造を持つことが望まれる。
本発明は上記課題に鑑み、有機液体中で、遷移金属又は遷移金属の化合物からなる触媒を担持した基板を加熱して、基体上にナノ炭素材料を合成する固液界面接触分解法において、ナノ炭素材料が大きい表面積を有し、かつ、基体に対し突出した構造を持つ、ナノ炭素材料複合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した固液界面接触分解法において、詳細な実験研究を進めた結果、原料としてオクタノールとオクタンチオールとの混合溶液を用いることによって、表面積が大きく、かつ、基体に対し略垂直方向に突出した突起構造をもったナノ炭素材料が得られることを見出した。
すなわち、コバルト又はコバルト化合物を触媒担体として用い、有機液体としてオクタンチオールとオクタンチオールとの混合溶液を用いた場合、合成温度700℃から900℃の間のいずれかの温度で合成反応を行うことで、基板に配向し表面積が大きいナノ炭素材料が生成できることが明らかとなった。
上記目的を達成するため、本発明のナノ炭素材料複合体は、基体と、その基体上に突起状に形成され、節を有するファイバー状のナノ炭素材料とからなる。
本発明においては、ナノ炭素材料は20nm以上100nm以下の直径を有する。
また、本発明においては、基体とナノ炭素材料の層との間に、炭素を主成分とする膜が介在する。特に、炭素を主成分とする膜の厚みが10nm以上1μm以下である。
また、上記目的を達成するため、本発明の製造方法は、コバルト又はコバルト化合物からなる触媒を基体表面に担持し、その基体をオクタノールとオクタンチオールとの混合溶液中で加熱して節を有するファイバー状のナノ炭素材料を基体上に合成する。
本発明の製造方法においては、合成の際、基体を700℃以上900℃以下の範囲で加熱することが好ましい。
実験の結果、合成温度としては、700℃以上900℃以下で、節を有するファイバー状のナノ炭素材料が生成することが明らかとなった。この範囲以外の合成温度では、このようなナノ炭素材料が生成しないためである。
また、溶液組成としては、オクタノールとオクタンチオールとの混合溶液中におけるオクタンチオールが8%未満である場合には、節を有するファイバー状のナノ炭素材料が生成することが明らかとなった。
また、実験の結果、溶液組成としては、オクタノールとオクタンチオールとの混合溶液中におけるオクタンチオールが8%以上である場合には、基体とナノ炭素材料との層間に、炭素を含む膜が介在したナノ炭素材料複合体が得られることが明らかとなった。
本発明においては、基体がシリコン基板であることが好ましい。シリコン基板を用いた場合、より再現性高く、節を有するナノ炭素ファイバー材料を得ることができる。
本発明のナノ炭素材料複合体によれば、節を有するファイバー状のナノ炭素材料が基体上に高密度で形成されているので、表面積が大きく、かつ、電界集中等に有利な構造をもつため、構造材料や機能材料などの実用材料として好適である。
また、本発明の製造方法によれば、コバルトを含む触媒を担持した基板を熱酸化処理し、その後オクタノールとオクタンチオールとの混合溶液中で加熱することで、簡便でかつ高速にしかも精製プロセスの一切不要な高純度の節を有するファイバー状のナノ炭素材料を合成することができる。
(a)は本発明の実施形態に係るナノ炭素材料複合体を模式的に示す図であり、(b)は本発明の別の実施形態に係るナノ炭素材料複合体を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係るナノ炭素材料複合体の製造に用いる合成装置を模式的に示す図である。 (a)、(b)はぞれぞれ実施例1、実施例2で作製したサンプルの走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)像を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ比較例1、比較例2で作製したサンプルの走査電子顕微鏡像を示す図である。 実施例1で得られたナノ炭素材料のラマン散乱分光測定結果を示す図である。 有機液体中の固液界面接触分解法で用いられる従来の合成装置を模式的に示す図である。
1:ナノ炭素材料複合体
2:基体
3:ナノ炭素材料
4:膜
11:基体
12:ナノ炭素材料
15:オクタノールとオクタンチオールとの混合溶液
20:合成装置
21:液体槽
22:水冷手段
23,24:電極
25,26:基板ホルダー
27:蓋
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態に係るナノ炭素材料複合体を模式的に示す図である。本発明の実施形態に係るナノ炭素材料複合体1は、基体2と、この基体2の上に形成され、節を有するファイバー状のナノ炭素材料3と、からなる。ナノ炭素材料3は節を有し、基体2に対して略垂直方向に突出している。すなわち、ナノ炭素材料複合体1は、節を有するファイバー状のナノ炭素材料3を有しており、基体2上に高密度で突出した突起構造を有する。
ナノ炭素材料3は、基体2から延びる方向に沿って太い部分と細い部分とが交互に存在しており、細い部分が節となっている。即ち、ナノ炭素材料は単に基体2から延びる方向に沿って太さが均一ではなく、所定の間隔をあけて節となる括れた部分が存在する。
ここで、基体2としては、金属やシリコンの導電性基板又ワイヤなどを用いることができる。
節を有するファイバー状のナノ炭素材料3は、炭素(グラファイト)を主成分として成り、基体2に対し略垂直方向に突出した構造をもつ。ここで、突出の方向は、必ずしも垂直ではなく斜め方向に向いていても、らせんを描いていてもよい。
また、そのナノ炭素材料3の直径は、20nm以上100nm以下であることが好ましい。
図1(b)は、本発明の別の実施形態に係るナノ炭素材料複合基体を模式的に示す図である。図1(b)に示すナノ炭素材料複合体1は、基体2とナノ炭素材料3との間に炭素を主成分とする膜4が介在している点において、図1(a)に示すナノ炭素材料複合体と相違している。
さらに、その炭素を主成分とする膜4の厚みは、10nm以上1μm以下であることが好ましい。
次に、図2を参照して、本発明の実施形態に係るナノ炭素材料複合体1の製造方法を説明する。
図2は、ファイバー状のナノ炭素材料複合体1の製造に用いる合成装置20を模式的に示している。合成装置20は、有機液体としてオクタノールとオクタンチオールとの混合溶液15を収容する液体槽21と、オクタノールとオクタンチオールの混合溶液15を沸点以下に維持するため液体槽21の外側を囲むように設けた水冷手段22と、基体11を保持しつつ基体11に電流を流すための電極23,24を有する基板ホルダー25,26とを備え、液体槽21の上側には蓋27を取り外し可能に設けている。基体11は、オクタノールとオクタンチオールとの混合溶液15の液面に対して平行となるように配置されてもよい。基板ホルダー25,26をオクタノールとオクタンチオールとの混合溶液15に対して出し入れするために、基板ホルダー25,26の移動手段(図示せず)を備えている。
なお、図6に示した合成装置と同様、凝縮手段や窒素ガス導入バルブ(何れも図2には示していない。)を備えていてもよく、この場合は凝縮手段の水冷パイプで液体槽21から蒸発する有機液体の蒸気を冷却凝縮して液体槽21に環流したり、窒素ガス導入バルブから窒素ガスを導入して有機液体蒸気と空気との接触を防止することができる。
図2に示す合成装置20を用いることで、以下のステップを経ることによりナノ炭素材料複合体1を製造することができる。
第1ステップとして、基体11上にスパッタ法等によりコバルト又はコバルト化合物を担持する。基体11にはシリコン基板など各種の基板を用いることができる。コバルト化合物には、例えば、酸化コバルトが挙げられる。次に、触媒を基体11表面に担持した後、この基体11を酸化雰囲気中例えば空気中で850℃以上1100℃以下の範囲で熱処理する。酸化雰囲気中で基体11をこの温度範囲で熱処理すると、基体11表面のコバルトが酸化して酸化コバルトとなり、酸化コバルトの触媒が微粒子化する。
第2ステップとして、基板ホルダー25,26でそれぞれ支持された電極23と電極24との間に、コバルトを含む触媒を担持した基体11を保持し、オクタノールとオクタンチオールとの混合溶液15中に沈め、電極23と電極24との間に電流を流して、基体11を通電加熱し、基体温度を700℃から900℃までの範囲の所定の温度、好ましくは750℃から850℃の温度で所定の温度に保ち、所定の時間保持する。その結果、節を有するファイバー状のナノ炭素材料12が基体11に生成する。
この製造方法により、図1(a)及び(b)に示すように、ナノ炭素材料3が節を有するナノ炭素材料複合体1を製造することができる。しかも、この手法によれば、突起密度が比較的低い形態を持ち、高純度でかつ高速度でナノ炭素材料3を生成することが可能である。
その際、オクタノールとオクタンチオールとの混合溶液15中におけるオクタンチオールを8%未満とすると、図1(a)に示すように基体2の上にグラファイトの膜4が形成されず、直接基体2からナノ炭素材料4が突出するように形成される。一方、オクタノールとオクタンチオールとの混合溶液15中におけるオクタンチオールを8%以上とすると、図1(b)に示すように基体2の上にグラファイトの膜4が形成されてその膜4からナノ炭素材料4が突出するように形成される。なお、混合溶液15中におけるオクタンチオールの割合は、オクタノールとオクタンチオールとの体積%を示している。
以下、実施例に沿って本発明をさらに具体的に説明する。
初めに、7Paのアルゴン雰囲気中でコバルトターゲットを放電電流35mAで6分間スパッタし、n型低抵抗Si(100)基板上にコバルトを6nm堆積した。その後、コバルトが堆積したSi基板を空気中の下900℃で熱処理した。
次に、ナノ炭素材料を次の条件にて合成した。原料有機液体を1−オクタノール(純度99.9%)と1−オクタンチオール(純度99.9%)とし、その混合比を体積比で9:1、合成条件として基板温度を800℃とし、合成時間を10分に設定して合成した。
実施例2では、原料有機液体を1−オクタノール(純度99.9%)と1−オクタンチオール(純度99.9%)とし、その混合比を質量比で9.5:0.5とした点を除いては、実施例1と同じ条件で合成した。
(比較例1)
比較例1として、実施例1及び2と同様、初めに7Paのアルゴン雰囲気中でコバルトターゲットを放電電流35mAで6分間スパッタし、n型低抵抗Si(100)基板上にコバルトを6nm堆積した。その後、コバルトが堆積したSi基板を空気中の下900℃で熱処理した。続いて、原料有機液体を1−オクタノール(純度99.9%)と1−オクタンチオール(純度99.9%)とを混合せずに、実施例1では原料有機液体を1−オクタノール(純度99.9%)単体で、合成温度800℃で、合成時間を10分に設定して合成した。
(比較例2)
比較例2では、原料有機液体を1−オクタノール(純度99.9%)と1−オクタンチオール(純度99.9%)とを混合せずに、原料有機液体を1−オクタンチオール(純度99.9%)単体とした以外は、実施例1及び2並びに比較例1と同様に、合成した。
実施例及び比較例で作製したサンプルの測定結果について説明する。
図3は本実施例1及び2で作製したサンプルの走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)像を示す図であり、(a)は実施例1、(b)は実施例2の結果をそれぞれ示している。図4は比較例1及び2で作製したサンプルのSEM像を示す図であり、(a)は比較例1、(b)は比較例2の結果をそれぞれ示している。
図3及び図4に示すSEM像からチャージアップが観測されておらず、実施例1及び2並びに比較例1及び2で生成したものは導電性を有することが分かった。
実施例1及び実施例2の結果、即ち、オクタノールとオクタンチオールとの混合溶液を用いて合成した場合、図3(a),(b)から、節を有するファイバー状のものが生成していることが分かる。図3(a)に示す像から、オクタノールとオクタンチオールとの体積比が9:1である場合には、下地に膜状の生成物が存在していることが分かる。一方、図3(b)に示す像から、オクタノールとオクタンチオールとの体積比が9.5:0.5である場合には、下地には膜状の生成物が確認されず、節を有するファイバー状の生成物のみが存在していることが分かる。
一方、比較例1による合成の結果については、図4(a)に示すように、オクタノールのみで合成すると繊維状の生成物が得られていることが分かる。比較例2による合成の結果については、図4(b)に示すように、オクタンチオールのみで合成した場合、突起形状を有するファイバー状の生成物が得られることが分かる。
本実施例1及び2の結果を比較例1及び比較例2の結果と比較すると、オクタノールとオクタンチオールとの混合溶液中で合成することにより、節を有するファイバー状のナノ炭素材料が得られることが分かった。
図5は、実施例1、即ちオクタノールとオクタンチオールとを体積比で9:1で混合した液中で、800℃の温度で合成したナノ炭素材料のラマン散乱分光測定結果を示す図である。横軸はラマンシフト量(cm−1)を示し、縦軸はラマン強度を示す。なお、励起光波長は514.47nmである。
図5から、1340〜1360cm−1付近をピークとする所謂Dバンドと、1560〜1600cm−1付近をピークとする所謂Gバンドとが観測された。Gバンドのピークの方がDバンドのピークより高く、合成したナノ炭素材料が多くのグラファイト成分を有することが分かった。このことは実施例2でも同様の結果を得た。
実施例1及び実施例2並びに比較例1及び比較例2で合成したサンプルについてXPS(X線光電子スペクトル)で測定したところ、硫黄に起因するピークは測定限界以下であった。なお、測定した装置の測定限界は数原子%以下である。よって、原料有機溶液中に含まれている硫黄は生成物には含まれていないことが分かり、純度の高いナノ炭素材料が生成できていることが分かった。
混合溶液15のオクタノールとオクタンチオールとの混合比を変化させて実験を行ったところ、オクタンチオールが8%未満では膜状のものが生成されずナノ炭素材料だけが生成され、逆にオクタンチオールが8%以上ではナノ炭素材料だけでなく基体の上に下地としてグラファイトの膜が形成され、そのグラファイト膜からナノ炭素材料が生成されることが分かった。
本発明のナノ炭素材料複合体及びその製造方法によると、節を有するファイバー状のナノ炭素材料を高速で、かつ、高純度で得ることが可能となるため、構造材料、電気二重層キャパシタ、燃料電池または一般的な二次電池の電極材料として、特に電子放出材料として適用することができる。

Claims (9)

  1. 基体と、基体上に突起状に形成され、節を有するファイバー状のナノ炭素材料と、からなる、ナノ炭素材料複合体。
  2. 前記ナノ炭素材料は20nm以上100nm以下の直径を有する、請求項1に記載のナノ炭素材料複合体。
  3. 前記基体と前記ナノ炭素材料との層間に炭素を主成分とする膜が介在する、請求項1又は2に記載のナノ炭素材料複合体。
  4. 前記炭素を主成分とする膜の厚みが10nm以上1μm以下である、請求項1乃至3の何れかに記載のナノ炭素材料複合体。
  5. コバルト又はコバルト化合物からなる触媒を基体表面に担持し、該基体を酸化雰囲気中で850℃以上1100℃以下の範囲で熱処理した後、該基体をオクタノールとオクタンチオールとの混合溶液中で加熱して節を有するファイバー状のナノ炭素材料を該基体上に合成する、ナノ炭素材料複合体の製造方法。
  6. 合成の際、前記基体を700℃以上900℃以下の範囲で加熱する、請求項5に記載のナノ炭素材料複合体の製造方法。
  7. 前記オクタノールとオクタンチオールとの混合溶液中におけるオクタンチオールが8%未満である、請求項5又は6に記載のナノ炭素材料複合体の製造方法。
  8. 前記オクタノールとオクタンチオールとの混合溶液中におけるオクタンチオールを8%以上とすることで、前記基体と前記ナノ炭素材料の層との間に、炭素を有する膜を介在させる、請求項5又は6に記載のナノ炭素材料複合体の製造方法。
  9. 前記基体がシリコン基板である、請求項5乃至8の何れかに記載のナノ炭素材料複合体の製造方法。
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