JP2008065319A - 重合性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】436nm付近、408nm付近、365nm付近の光に十分な感度をもち、かつ透過率の高い塗膜またはパターンを形成でき、さらに、昇華性の低い開始助剤を含む重合性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】樹脂(A)、重合性化合物(B)、開始剤(C)、開始助剤(C−1)、多官能チオール系化合物(T)および溶剤(D)を含有する重合性樹脂組成物において、開始助剤(C−1)が式(V)で表される化合物を含むことを特徴とする重合性樹脂組成物。
Figure 2008065319

【選択図】なし

Description

本発明は重合性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、カラーフィルタの一部を構成する透明膜またはパターンを形成するための材料、例えば、フォトスペーサ、オーバーコート、絶縁膜、液晶配向制御用突起、マイクロレンズ、着色パターンの膜厚をあわせるためのコート層などの透明膜またはパターンを形成するのに好適な重合性樹脂組成物、および、前記の透明膜を具備するカラーフィルタまたは、アレイ基板、さらに、該カラーフィルターまたは該アレイ基板を具備する液晶表示装置に関する。
液晶表示装置やタッチパネルなど、表示装置を構成するカラーフィルタとアレイ基板との間には、感光性樹脂を使用したフォトリソグラフィーでスペーサを形成する(フォトスペーサ)ことが提案されている。この方法によれば、任意の場所にスペーサを形成することができる。
ところで、フォトリソグラフィーの光源に使用される水銀灯から放射される光は、通常、436nm付近、408nm付近、365nm付近、313nm付近、315nm付近、313nm付近等に、高強度のスペクトルを有する。
実際のフォトスペーサ形成プロセスで使用される露光機は、プロキシミティ露光機やステッパが使用されることが多く、近年のプロキシミティ露光機では、350nm未満の短波長の光をカットして使用される場合が多い。また、ステッパでは、408nm付近や365nm付近の光が使用されている。
このような350nm未満の短波長の光を放射していない露光機を使用した場合でも、十分な硬化性が得られる組成物が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3)。
特開平10−177108号公報 2頁左欄2行〜右欄9行 特開2005−208360号公報 2頁2〜9行 特開2006−133378号公報 2頁2〜17行
このような組成物は、350nm未満の短波長の光がカットされた露光機でも、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光に十分な感度を持たせるため、350〜450nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物が使用されている。
ところが、このような化合物を使用した場合、十分な感度は得られるものの、350〜450nmの範囲に極大吸収波長を有するため、得られる塗膜またはパターンの透過率が低くなってしまう問題点がある。
また、汎用されている350〜450nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物として、4,4’−ジ(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが知られているが、4,4’−ジ(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノンはその昇華性が高いことも知られている。昇華性が高いと、ポストベーク時にベーク炉内を汚染し、製品の歩留まりを下げることにつながる。
そこで、本発明の目的は、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光に十分な感度をもち、かつ透過率の高い塗膜またはパターンを形成でき、さらに、昇華性の低い開始助剤を含む重合性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決しうる新たな手段について鋭意検討の結果、本発明の重合性樹脂組成物が前述の課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、樹脂(A)、重合性化合物(B)、開始剤(C)、開始助剤(C−1)、多官能チオール系化合物(T)および溶剤(D)を含有する重合性樹脂組成物において、開始助剤(C−1)が式(V)で表される化合物であることを特徴とする重合性樹脂組成物を提供する。
Figure 2008065319
[式(V)中、Xで示される点線は、芳香族環を表す。
Yは、酸素原子または硫黄原子を表す。
は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。]
また、本発明は、前記の重合性樹脂組成物を用いて形成される塗膜、前記の塗膜を用いて形成されるパターンおよび前記のパターンを含む表示装置を提供する。
本発明の重合性樹脂組成物によれば、露光時に436nm付近、408nm付近、365nm付近の光に十分な感度をもち、かつ、透過率の高い塗膜を形成できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の重合性樹脂組成物は、表示装置の部材を形成するために使用されるものであって、
樹脂(A)、重合性化合物(B)、開始剤(C)、開始助剤(C−1)および、多官能チオール系化合物(T)が溶剤(D)に溶解または分散されている。
本発明の重合性樹脂組成物に用いられる樹脂(A)としては、アルカリ溶解性を有する樹脂(ア)や、アルカリ溶解性ならびに光および熱の少なくともいずれか一方の作用により反応性を有する樹脂(イ)などが例示される。
アルカリ溶解性を有する樹脂(ア)としては、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)、ならびに(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)を除く。)の群から選ばれる少なくとも一種との共重合体などが例示される。
前記の不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類;
および前記の不飽和ジカルボン酸類の無水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基およびカルボキシル基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などが共重合反応性の点やアルカリ溶解性の点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは二種以上を組合せて用いられる。
前記の、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)を除く。)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートといわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル類;
シクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート(当該技術分野で慣用名としてジシクロペンタニルアクリレートといわれている。)、ジシクロペンタオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレートなどのアクリル酸環状アルキルエステル類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル類;
フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸アリールエステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキルエステル類;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物(ハイミック酸無水物)、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。
これらのうち、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどが共重合反応性およびアルカリ溶解性の点から好ましい。
これらは、単独であるいは二種以上を組合せて用いられる。
(a)および(c)を共重合させて得られる共重合体においては、それぞれから導かれる構成成分の比率が、前記の共重合体を構成する構成成分の合計モル数を100モル%としたときにモル分率で、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)から導かれる構成単位;2〜40モル%
(c)から導かれる構成単位;60〜98モル%
また、前記の構成成分の比率が以下の範囲であると、より好ましい。
(a)から導かれる構成単位;5〜35モル%
(c)から導かれる構成単位;65〜95モル%
前記の構成比率が、上記の範囲にあると、保存安定性、現像性、耐溶剤性が良好になる傾向がある。
前記のアルカリ溶解性を有する樹脂(ア)は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法および当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
具体的には、共重合体を構成する単位(a)および(c)の所定量、重合開始剤および溶剤を反応容器中に仕込んで、窒素により酸素を置換することにより、酸素不存在下で、攪拌、加熱、保温することにより、重合体が得られる。なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿などの方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
前記のアルカリ溶解性を有する樹脂(ア)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000である。アルカリ溶解性を有する樹脂(ア)の重量平均分子量が、前記の範囲にあると、塗布性が良好となる傾向があり、また現像時に膜減りが生じにくく、さらに現像時に非画素部分の抜け性が良好である傾向にあり、好ましい。
アルカリ溶解性を有する樹脂(ア)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6.0であり、より好ましくは1.2〜4.0である。分子量分布が、前記の範囲にあると、現像性に優れる傾向があるので好ましい。
本発明の重合性樹脂組成物に用いることができるアルカリ溶解性を有する樹脂(ア)の含有量は、重合性樹脂組成物中の固形分に対して質量分率で、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%である。アルカリ溶解性を有する樹脂(ア)の含有量が、前記の範囲にあると、現像液への溶解性が十分であり、非画素部分の基板上に現像残渣が発生しにくく、また現像時に露光部の画素部分の膜減りが生じにくく、非露光部分の抜け性が良好な傾向にあり、好ましい。
アルカリ溶解性ならびに光および熱の少なくとも一方の作用により反応性を有する樹脂(イ)としては、前述の不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくも一種(a)、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)を除く。)ならびに、脂肪族エポキシ基および脂環式エポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有し、かつ不飽和結合を有する化合物または、オキセタニル基を有し、かつ不飽和結合を有する化合物(b)との共重合体(イ1)や、前述の不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくも一種(a)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)を除く。)との共重合体における、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)に由来するカルボキシル基の一部を、前述の脂肪族エポキシ基や脂環式エポキシ基を有し、かつ不飽和結合を有する化合物または、オキセタニル基を有し、かつ不飽和結合を有する物(b)に由来するエポキシ基または、オキセタニル基と反応させることで得られる共重合体(イ2)が挙げられる。
(b)のうち、脂肪族エポキシ基を有し、かつ不飽和結合を有する化合物としては、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、グリシジルビニルエーテルなどが挙げられる。
(b)のうち、脂環式エポキシ基を有し、かつ不飽和結合を有する化合物としては、具体的には、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート(例えば、サイクロマーA400;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート(例えば、サイクロマーM100;ダイセル化学工業(株)製)または、式(I)で表される化合物および式(II)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
Figure 2008065319
[式(I)および式(II)において、Rは、それぞれ独立に、水素原子または水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Xは、それぞれ独立に、単結合またはヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜6のアルキレン基を表す。]
Rとしては、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;
ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−n−プロピル基、2−ヒドロキシ−n−プロピル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、1−ヒドロキシ−イソプロピル基、2−ヒドロキシ−イソプロピル基、1−ヒドロキシ−n−ブチル基、2−ヒドロキシ−n−ブチル基、3−ヒドロキシ−n−ブチル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基などの水酸基含有アルキル基などが挙げられる。中でも、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
Xとして、単結合や、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン基;
オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、チオメチレン基、チオエチレン基、チオプロピレン基、アミノメチレン基、アミノエチレン基、アミノプロピレン基などのヘテロ原子含有アルキレン基などが挙げられる。中でも、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、オキシメチレン基、オキシエチレン基が挙げられ、より好ましくは単結合、オキシエチレン基が挙げられる。
式(I)で表される化合物としては、式(I−1)〜式(I−15)で表される化合物などが挙げられ、好ましくは式(I−1)、式(I−3)、式(I−5)、式(I−7)、式(I−9)、式(I−11)〜式(I−15)が挙げられ、より好ましくは式(I−1)、式(I−7)、式(I−9)、式(I−15)が挙げられる。
Figure 2008065319
式(II)で表される化合物としては、式(II−1)〜式(II−15)で表される化合物などが挙げられ、好ましくは式(II−1)、式(II−3)、式(II−5)、式(II−7)、式(II−9)、式(II−11)〜式(II−15)が挙げられ、より好ましくは式(II−1)、式(II−7)、式(II−9)、式(II−15)が挙げられる。
Figure 2008065319
式(I)で表される化合物および式(II)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物は、それぞれ単独で用いることができる。また、それらは、任意の比率で混合することができる。混合する場合、その混合比率はモル比で、好ましくは式(I):式(II)で、5:95〜95:5、より好ましくは10:90〜90:10、とりわけ好ましくは20:80〜80:20である。
(b)のうち、オキセタニル基を有し、かつ不飽和結合を有する化合物としては、例えば、3−メチル−3−メタクリルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリロキシエチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロキシエチルオキセタンなどが挙げられる。
共重合体(イ1)において、それぞれから導かれる構成成分の比率が、共重合体(イ1)を構成する構成成分の合計モル数に対してモル分率で、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)から導かれる構成単位;2〜40モル%
(c)から導かれる構成単位;1〜65モル%
(b)から導かれる構成単位;2〜95モル%
また、前記の構成成分の比率が以下の範囲であると、より好ましい。
(a)から導かれる構成単位;5〜35モル%
(c)から導かれる構成単位;1〜60モル%
(b)から導かれる構成単位;5〜80モル%
前記の構成比率が、上記の範囲にあると、保存安定性、現像性、耐溶剤性、耐熱性および機械強度が良好になる傾向がある。
前記のアルカリ溶解性を有する樹脂(イ1)は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法および当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
具体的には、共重合体を構成する単位(a)、(c)および(b)を導く化合物の所定量、重合開始剤および溶剤を反応容器中に仕込んで、窒素により酸素を置換することにより、酸素不存在下で、攪拌、加熱、保温することにより、重合体が得られる。なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿などの方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
本発明に使用可能なアルカリ溶解性ならびに光および熱の少なくとも一方の作用により反応性を有する樹脂は、先述の不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくも一種(a)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)を除く。)からなる共重合体の不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)に由来するの一部を、前述の脂肪族エポキシ基や脂環式エポキシ基を有し、かつ不飽和結合を有する化合物または、オキセタニル基を有し、かつ不飽和結合を有する物(b)に由来するエポキシ基または、オキセタニル基と反応させることでえられる共重合体(イ2)が挙げられる。
共重合体(イ2)を製造するにあたり、まず(a)および(c)を共重合させて共重合体を製造する。それぞれから導かれる構成成分の比率が、前記の共重合体を構成する構成成分の合計モル数に対してモル分率で、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)から導かれる構成単位;5〜50モル%
(c)から導かれる構成単位;50〜95モル%
また、前記の構成成分の比率が以下の範囲であると、より好ましい。
(a)から導かれる構成単位;10〜45モル%
(c)から導かれる構成単位;55〜90モル%
次に、光や熱の作用により反応性を持たせるため、(a)および(c)を共重合させて得られる共重合体に由来する(a)のカルボン酸およびカルボン酸無水物の一部を、前述の(b)に由来するエポキシ基または、オキセタニル基と反応させる。
(b)のモル数は、(a)のモル数に対して、通常、5〜80モル%であり、好ましくは10〜75モル%であり、より好ましくは15〜70モル%である。
保存安定性、現像性、耐溶剤性、耐熱性、機械強度および感度のバランスが良好になる傾向がある。
樹脂(イ2)は、二段階の工程を経て製造することができる。例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法や、特開2001−89533号公報に記載された方法を参考にして製造することができる。
具体的に、まず、第一段階の工程について述べる。(a)および(c)を共重合させて得られる共重合体(すなわち、アルカリ可溶性を有する樹脂)を構成する単位(a)および(c)を導く化合物の所定量、重合開始剤および溶剤を反応容器中に仕込んで、窒素により酸素を置換することにより、酸素不存在下で、攪拌、加熱、保温することにより、アルカリ可溶性を有する樹脂が得られる。なお、得られた樹脂は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿などの方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。前記の樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000である。樹脂(A)の重量平均分子量が、前記の範囲にあると、塗布性が良好となる傾向があり、また現像時に膜減りが生じにくく、さらに現像時に非画素部分の抜け性が良好である傾向にあり、好ましい。
前記の樹脂の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6.0であり、より好ましくは1.2〜4.0である。分子量分布が、前記の範囲にあると、塗布性や現像性に優れる傾向があるので好ましい。
次に、第二段階の工程について述べる。引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、通常、構成成分(a)のモル数に対して、5〜80モル%の構成成分(b)、カルボキシル基とエポキシ基またはオキセタニル基の反応触媒として、例えばトリスジメチルアミノメチルフェノールをモノマー(a)〜(c)の合計量に対して質量基準で0.001〜5%、および重合禁止剤として、例えばハイドロキノンをモノマー(a)〜(c)の合計量に対して質量基準で0.001〜5%をフラスコ内に入れて、60〜130℃で、1〜10時間反応を続けることで、前記の樹脂と構成成分(b)とを反応させることができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等などを考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
本発明の重合性樹脂組成物に含まれる重合性化合物(B)としては、単官能モノマー、2官能モノマー、3官能以上の多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーの具体例としては、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
2官能モノマーの具体例としては、1,3―ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
3官能以上の多官能モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレートと酸無水物などが挙げられる。なかでも、2官能以上の多官能モノマーが好ましく用いられる。これらの重合性化合物(B)は、単独もしくは二種以上併用して用いることができる。
重合性化合物(B)の含有量は、樹脂(A)および重合性化合物(B)の合計量に対して質量分率で、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜60質量%である。重合性化合物(B)の含有量が、前記の範囲にあると、感度や、塗膜およびパターンの強度や平滑性、信頼性、機械強度が良好になる傾向があり、好ましい。
本発明の重合性樹脂組成物に含まれる開始剤(C)としては、光または熱の作用により重合を開始する化合物であり、ビイミダゾール系化合物、アセトフェノン系化合物、トリアジン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、オキシム系化合物が好ましく、ビイミダゾール系化合物が感度に優れるので特に好ましい。
前記のビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報など参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報など参照。)、4,4’5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報など参照。)などが挙げられ、好ましくは2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールが挙げられる。
前記のアセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシー1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]―フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(2−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(3−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−エチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−プロピルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−ブチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2,3−ジメチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2、4−ジメチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−クロロベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−ブロモベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(3−クロロベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(4−クロロベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(3−ブロモベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(4−ブロモベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(3−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(4−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−メチル−4−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−メチル−4−ブロモベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−(2−ブロモ−4−メトキシベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられる。
前記のトリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる
前記のアシルフォスフィンオキサイド系開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
前記のオキシム化合物としては、例えば、O−エトキシカルボニル−α−オキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、式(III)で表される化合物、式(IV)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2008065319
本発明の重合性樹脂組成物に含まれる開始助剤(C−1)は、式(V)で表される化合物を含有する。開始助剤(C−1)は、昇華性が低いことが好ましい。
Figure 2008065319
[式(V)中、Xで示される点線はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族環を表す。
Yは、酸素原子、硫黄原子を表す。
は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。]
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
炭素数6〜12の芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。
ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族環としては、例えば、ベンゼン環、メチルベンゼン環、ジメチルベンゼン環、エチルベンゼン環、プロピルベンゼン環、ブチルベンゼン環、ペンチルベンゼン環、ヘキシルベンゼン環、シクロヘキシルベンゼン環、クロロベンゼン環、ジクロロベンゼン環、ブロモベンゼン環、ジブロモベンゼン環、フェニルベンゼン環、クロロフェニルベンゼン環、ブロモフェニルベンゼン環、ナフタレン環、クロロナフタレン環、ブロモナフタレン環などが挙げられる。
炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチル−n−プロピル基、2−メチル−n−プロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、1,2−ジメチル−n−プロピル基、2,2−ジメチル−n−プロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチル−n−プロピル基、2−メチル−n−プロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチル−n−ブチル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ブチル基、1,1−ジメチル−n−プロピル基、1,2−ジメチル−n−プロピル基、2,2−ジメチル−n−プロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、1−クロロ−n−ブチル基、2−クロロ−n−ブチル基、3−クロロ−n−ブチル基などが挙げられる。
ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、クロロブロモフェニル基、ビフェニル基、クロロビフェニル基、ジクロロビフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、ナフチル基、クロロナフチル基、ジクロロナフチル基、ブロモナフチル基、ジブロモナフチル基などが挙げられる。
式(V)で表される化合物として、具体的には、
2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−ナフト[2,1−d]チアゾリン、
2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−ナフト[1,2−d]チアゾリン(V−2)、
2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−ナフト[2,3−d]チアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン(V−1)、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フェニルベンゾチアゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フェニルベンゾチアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フルオロベンゾチアゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フルオロベンゾチアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−クロロベンゾチアゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−クロロベンゾチアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−ブロモベンゾチアゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−ブロモベンゾチアゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−5−フェニルベンゾチアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−ナフト[2,1−d]チアゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]チアゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−ナフト[2,1−d]チアゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]チアゾリン、(V−3)
2−(p−フルオロベンゾイルメチレン)−3−メチル−ナフト[2,1−d]チアゾリン、
2−(p−フルオロベンゾイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]チアゾリン、
2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−ナフト[2,1−d]オキサゾリン、
2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−ナフト[1,2−d]オキサゾリン、
2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−ナフト[2,3−d]オキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾオキサゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾオキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フェニルベンゾオキサゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フェニルベンゾオキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フルオロベンゾオキサゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−フルオロベンゾオキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−クロロベンゾオキサゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−クロロベンゾオキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−ブロモベンゾオキサゾリン、
2−(1−ナフトイルメチレン)−3−メチル−5−ブロモベンゾオキサゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチルベンゾオキサゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−5−フェニルベンゾオキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−ナフト[2,1−d]オキサゾリン、
2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]オキサゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−ナフト[2,1−d]オキサゾリン、
2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]オキサゾリン、
2−(p−フルオロベンゾイルメチレン)−3−メチル−ナフト[2,1−d]オキサゾリン、
2−(p−フルオロベンゾイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]オキサゾリン、
などが挙げられる。
中でも好ましくは、式(V―1)で表される2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン、式(V―2)で表される2−ベンゾイルメチレン−3−メチルーナフト[1,2−d]チアゾリンおよび式(V−3)で表される2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−ナフト[1,2−d]チアゾリンが挙げられる。
Figure 2008065319
これらの化合物を使用すると得られる重合性樹脂組成物は高感度となるので、これを用いて塗膜やパターンを形成すると、塗膜やパターンの生産性が向上するので、好ましい。また、例えば、4,4’−ジ(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB−F)においては、塗膜のポストベーク時の熱によって昇華して塗膜の透明性が向上する一方で昇華物によってベーク炉内を汚染することがあるが、式(V)で表される化合物は、塗膜のポストベーク時の熱によって昇華せず、光および熱の少なくともいずれか一方の作用により退色して透明性が向上するので、好ましい。
また、本発明の効果を損なわない程度であれば、光重合開始剤等をさらに併用することができ、当該光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、アントラセン系化合物などが挙げられる。
より具体的には以下のような化合物を挙げることができ、これらをそれぞれ単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
前記のベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
前記のベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記のチオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
前記のアントラセン系化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
その他に、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などが光重合開始剤として例示される。
また、連鎖移動を起こしうる基を有する光重合開始剤として、特表2002−544205号公報に記載されている光重合開始剤を使用することができる。
前記の連鎖移動を起こしうる基を有する光重合開始剤としては、例えば、下記式(5)〜(10)の光重合開始剤が挙げられる。
Figure 2008065319
前記の連鎖移動を起こしうる基を有する光重合開始剤は、前記の共重合体の構成成分(A3)としても使用することができる。得られた共重合物は、本発明の重合性樹脂組成物のバインダー樹脂として使用されるバインダー樹脂に使用できるし、併用することもができる。
また、本発明の効果を損なわない程度に、開始助剤として、アミン化合物および下記のカルボン酸化合物を使用してもよい。
前記のアミン化合物の具体例としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの脂肪族アミン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称;ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの芳香族アミン化合物などが挙げられる。
前記のカルボン酸化合物の具体例としては、フェニルチオ酢酸、メチルフェニルチオ酢酸、エチルフェニルチオ酢酸、メチルエチルフェニルチオ酢酸、ジメチルフェニルチオ酢酸、メトキシフェニルチオ酢酸、ジメトキシフェニルチオ酢酸、クロロフェニルチオ酢酸、ジクロロフェニルチオ酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸などの芳香族ヘテロ酢酸類などが挙げられる。
開始剤(C)の含有量は、樹脂(A)および重合性化合物(B)の合計量に対して質量分率で、好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは1〜30質量%である。
また、開始助剤(C−1)の含有量は、前記と同じ基準で、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.1〜40質量%である。
式(V)で表される化合物の含有量は、開始助剤(C−1)の含有量に対して、好ましくは50〜100%、より好ましくは60〜100%、とりわけ好ましくは65〜100%である。式(V)で表される化合物の含有量が前記の範囲にあると、これを含む重合性樹脂組成物を用いて塗膜を形成したときに、塗膜の透明性が良好になり好ましい。
開始剤(C)の合計量が前記の範囲にあると、重合性樹脂組成物が高感度となり、前記の重合性樹脂組成物を用いて形成した塗膜やパターンの強度や、前記の塗膜やパターンの表面における平滑性が良好になる傾向があり、好ましい。前記に加えて、開始助剤(C−1)の量が前記の範囲にあると、得られる重合性樹脂組成物の感度がさらに高くなり、前記の重合性樹脂組成物を用いて形成するパターン基板の生産性が向上する傾向にあり、好ましい。
本発明の重合性組成物に使用される多官能チオール化合物(T)は、分子内に二個以上のチオール基を有する化合物である。中でも、二個以上の脂肪族チオール基を有する化合物が、本発明の重合性組成物の感度が高くなるので好ましい。
多官能チオール化合物(T)としては、具体的には、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタンなどが挙げられる。
多官能チオール化合物(T)の含有量は、開始剤(C)に対して質量分率で、好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%である。多官能チオール化合物(T)の含有量が前記の範囲にあると、感度が高くなり、また現像性が良好になる傾向があり、好ましい。
本発明の重合性樹脂組成物に用いられる溶剤(D)は、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテルおよびジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類;
メチルセロソルブアセテートおよびエチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテートおよびメトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
ベンゼン、トルエン、キシレンおよびメシチレンなどの芳香族炭化水素類;
メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、メトキシブタノール、エトキシブタノール、およびグリセリンなどのアルコール類;
3−エトキシプロピオン酸エチルおよび3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類;
γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、沸点が100〜200℃である有機溶剤が好ましい。
沸点が100〜200℃である有機溶剤として、具体的には、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、メトキシブタノールおよびエトキシブタノールなどのアルコール類;
シクロヘキサノンなどのケトン類、
3−エトキシプロピオン酸エチルおよび3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類が挙げられ、とりわけ好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、メトキシブタノール、メトキシブチルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチルおよび3−メトキシプロピオン酸メチルが好ましい。
これらの溶剤(D)は、それぞれ単独で、または2種類以上混合して用いることができる。
本発明の重合性樹脂組成物における溶剤(D)の含有量は、重合性樹脂組成物に対して質量分率で、好ましくは60〜90質量%、より好ましくは65〜85質量%である。溶剤(D)の含有量が、前記の範囲にあると、スピンコーター、スリット&スピンコーター、スリットコーター(ダイコーター、カーテンフローコーターとも呼ばれることがある。)、インクジェット、ロールコータ、ディップコーターなどの塗布装置で塗布したときに塗布性が良好になる見込みがあり、好ましい。
本発明の重合性樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、着色材、顔料分散剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、連鎖移動剤などの添加剤(F)を併用することもできる。
充填剤として具体的には、ガラス、シリカ、アルミナなどが例示される。
他の高分子化合物として具体的には、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂などの硬化性樹脂やポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
着色材としては、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。
具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214などの黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73などのオレンジ色の顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265などの赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60などの青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38などのバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36などの緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25などのブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7などの黒色顔料などが挙げられる。
顔料分散剤としては、市販の界面活性剤を用いることができ、例えば、シリコーン系、フッ素系、エステル系、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性などの界面活性剤などが挙げられ、それぞれ単独でまたは2種以上を組合せて用いられる。前記の界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等のほか、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄化学(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(EFKA CHEMICALS社製)、PB821(味の素(株)製)などが挙げられる。
密着促進剤として具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
酸化防止剤として具体的には、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。
紫外線吸収剤として具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、オクチル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
光安定剤として具体的には、こはく酸と(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イル)エタノールからなる高分子、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、デカンジオイックアシッドと、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステルと、1,1−ジメチルエチルヒドロパーオキシドとの反応物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートなどが挙げられる。
連鎖移動剤としては、ドデシルメルカプタン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。
重合性樹脂組成物は、例えば、以下のようにして、ガラス基板やフィルム基板、カラーフィルタや駆動回路を形成した基材上に塗布し、光硬化および現像を行って、パターンを形成することができる。まず、この重合性樹脂組成物を基板(通常はガラス)または先に形成された重合性樹脂組成物の固形分からなる層の上に塗布し、塗布された重合性樹脂組成物層からプリベークすることにより溶剤などの揮発成分を除去して、平滑な未硬化塗膜を得る。このときの未硬化塗膜の厚さは、およそ1〜6μmである。このようにして得られた未硬化塗膜に、目的のパターンを形成するためのマスクを介して、水銀灯や発光ダイオードから発生する紫外線を照射する。
また、パターン形成において、その線幅は、マスクサイズによって、適宜、制御できる。
近年の露光機では、350nm未満の光を、当該波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、当該波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりして、
露光部全体に均一に平行光線が照射される。このときマスクと基板の正確な位置合わせが行われるよう、マスクアライナやステッパなどの装置を使用するのが好ましい。さらにこの後、光照射の終了した塗膜をアルカリ水溶液に接触させて非露光部を溶解させ、現像することにより、目的とする塗膜やパターン形状が得られる。現像方法は、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
パターニング露光後の現像に使用する現像液は、通常、アルカリ性化合物と界面活性剤を含む水溶液である。
アルカリ性化合物は、無機および有機のアルカリ性化合物のいずれでもよい。
無機アルカリ性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二アンモニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどが挙げられる。
また、有機アルカリ性化合物の具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどが挙げられる。これらの無機および有機アルカリ性化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。アルカリ現像液中のアルカリ性化合物の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。
またアルカリ現像液中の界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤のいずれでもよい。
ノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが挙げられる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウムやオレイルアルコール硫酸エステルナトリウムなどの高級アルコール硫酸エステル塩類、ラウリル硫酸ナトリウムやラウリル硫酸アンモニウムのようなアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ステアリルアミン塩酸塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアミン塩または第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
これらの界面活性剤は、それぞれ単独で用いることも、また2種以上組み合わせて用いることもできる。
アルカリ現像液中の界面活性剤の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%の範囲、より好ましくは0.05〜8質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
現像後、水洗を行い、さらに必要に応じて、150〜230℃で10〜180分のポストベークを施すこともできる。
本発明の重合性樹脂組成物を用いて、以上のような各工程を経て、基板上あるいはカラーフィルタ基板上に、パターンを形成することができる。このパターンは、液晶表示装置に使用されるフォトスペーサやパターニング可能なオーバーコートとして有用である。また、未硬化塗膜へのパターニング露光の際に、ホール形成用フォトマスクを使用すれば、ホールを形成することができ、層間絶縁膜として有用である。さらに、未硬化塗膜への露光の際に、フォトマスクを使用せず全面露光および加熱硬化、あるいは加熱硬化のみで透明膜を形成することができ、この透明膜は、オーバーコートとして有用であり、また、タッチパネルにも用いることができる。
こうして得られる塗膜やパターンを、液晶表示装置などの表示装置に組み込むことにより、優れた品質の表示装置を高い歩留りで製造することができる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特に断らないかぎり質量基準である。
合成例1
還流冷却器、滴下ロートおよび攪拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、3−メトキシ−1−ブタノール200質量部および3−メトキシブチルアセテート105質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸55質量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(I−1)で表される化合物および式(II−1)で表される化合物を、モル比で、50:50の混合物。)175質量部ならびにN−シクロヘキシルマレイミド70質量部を、3−メトキシブチルアセテート140質量部に溶解して溶液を調製し、該溶解液を、滴下ポンプを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。
Figure 2008065319
一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30質量部を3−メトキシブチルアセテート225質量部に溶解した溶液を、別の滴下ポンプを用いて5時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、固形分32.6質量%、酸価34.3mg−KOH/gの共重合体(樹脂ア)の溶液を得た。得られた樹脂Aaの重量平均分子量(Mw)は13,600、数平均分子量(Mn)は、5,400、分散度は2.5であった。
前記の共重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定については、GPC法を用いて、以下の条件で行なった。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量および数平均分子量の比を分散度(Mw/Mn)とした。
実施例1
合成例1で得られた樹脂アを含む樹脂溶液(A)169部(固形分換算55部)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(B)45部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(C)4部、2−(2−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン(C−1)0.5部、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(T)4部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(D)56部、3−エトキシエチルプロピオネート(D)40部を混合して重合性樹脂組成物1を得た。
Figure 2008065319
2インチ角のガラス基板(#1737;コーニング社製)を、中性洗剤、水およびアルコールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、重合性樹脂組成物1を、200mJ/cmの露光量(405nm)で露光し、現像、水洗、ポストベーク後の膜厚が3.0μmになるようにスピンコートし、次にクリーンオーブン中、100℃で3分間プリベークした。冷却後、この重合性樹脂組成物を塗布した基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を10μmとし、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製、光源;超高圧水銀灯)を用いて、大気雰囲気下、200mJ/cmの露光量(405nm基準)で光照射した。なお、このときの重合性樹脂組成物への照射は、超高圧水銀灯からの放射光を、光学フィルタ(MC405;朝日分光(株)製;中心波長405nm、半値幅10nm、透過率60%)を通過させ、405nm付近の光を選択的に取り出した光を使用した。また、フォトマスクとして、パターン(1辺が10μmである正方形の透光部を有し、当該正方形の間隔が100μm)が同一平面上に形成されたフォトマスクを用いた。
光照射後、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.05%を含む水系現像液に上記塗膜を26℃で80秒間浸漬して現像し、水洗後、オーブン中、230℃で40分間ポストベークを行った。
<パターン形状>
露光量100mJ/cm、230℃で40分の条件でポストベークして得られたパターンの形状が、走査電子顕微鏡(S−4100;(株)日立製作所製)を用いて断面観察された。(下底の大きさ≧上底の大きさ)の場合を○、(下底の大きさ<上底の大きさ)の場合を×とした。結果を表2に記載する。
<残膜感度>
パターン形状の評価と同様の操作を行い、露光量100mJ/cmおよび200mJ/cmのパターンを形成した。それぞれのポストベーク後のパターン高さを、三次元非接触表面形状計測システム(Micromap MM527N−PS−M100;(株)菱化システム社製)で計測した。次式により残膜感度を算出した。結果を表2に記載する。
残膜感度(%)=100×(露光量100mJ/cmにおける高さ)/(露光量200mJ/cmにおける高さ)
残膜感度(%)の数値が大きいほど、パターン高さの露光量依存性が小さく、プロセスマージンが広いので、良好である。
<線幅>
フォトマスクを通じて光照射する際の露光量100mJ/cmで作製したパターンのボトム線幅を三次元非接触表面形状計測システム(Micromap MM527N−PS−M100;(株)菱化システム社製)で計測した。結果を表2に記載する。
<透過率>
重合性樹脂組成物1を用いて、ポストベーク後の膜厚が3.0μmになるように硬化膜を作製した。該硬化膜の作製途中において、プリベーク後、露光後およびポストベーク後の各段階について、顕微分光測光装置(OSP−SP200;OLYMPUS社製)を用いて、400nmにおける透過率(%)を測定した。結果を、表2に記載する。透過率が高くなることは、吸収が小さくなることを意味する。
実施例2
表1に示す組成となるように、重合性樹脂組成物1と同様にして、重合性樹脂組成物2を得て、その評価を行った。結果を表2に示す。
実施例3
表1に示す組成となるように、実施例1と同様にして、重合性樹脂組成物3を得て、その評価を行った。結果を表2に示す。
比較例1
表1に示す組成となるように、式(V)で表される化合物に代えてEAB−Fを用いる以外は、実施例1と同様にして、重合性樹脂組成物4を得て、その評価を行った。結果を表2に示す。
比較例2
表1に示す組成となるように、式(V)で表される化合物を含有しない以外は、実施例1と同様にして、重合性樹脂組成物5を得て、その評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2008065319
表2に示す実施例1〜3の結果から、特定構造の開始助剤を含有する本発明の重合性樹脂組成物を使用すると、パターン形状が良好で、感度と透過率とのバランスに優れたパターンおよび塗膜が得られることがわかる。一方、比較例1、2の重合性樹脂組成物は、残膜感度と透過率との双方が高いものが得られなかった。
参考例1
<加熱減量>
2−(β−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリンおよび4,4’−ジ(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB−F)について、下記条件で、加熱時の質量変化を測定し、結果を表3に示す。数値が大きい方が、質量変化が小さい(測定前の質量を100%とする)ので、昇華性が小さいと言え、良好である。
装置;示差熱熱重量同時測定装置TG/DTA220(セイコーインスツルメンツ(株)製)
リファレンス;アルミナ
雰囲気;空気(流量;200mL/分)
測定条件;230℃/1時間保持
Figure 2008065319
本発明の重合性樹脂組成物は、パターン形状が良好で、感度と透過率とのバランスに優れたパターンおよび塗膜を形成することが可能であり、オーバーコート、フォトスペーサ、絶縁膜、液晶配向制御用突起、着色パターンの膜厚をあわせるためのコート層など、表示装置に用いられる構造物の形成に用いることができる。

Claims (6)

  1. 樹脂(A)、重合性化合物(B)、開始剤(C)、開始助剤(C−1)、多官能チオール系化合物(T)および溶剤(D)を含有する重合性樹脂組成物において、開始助剤(C−1)が式(V)で表される化合物を含むことを特徴とする重合性樹脂組成物。
    Figure 2008065319
    [式(V)中、Xで示される点線は、芳香族環を表す。
    Yは、酸素原子または硫黄原子を表す。
    は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。]
  2. 開始剤(C)が、ビイミダゾール系化合物、アセトフェノン系化合物、トリアジン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物およびオキシム系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する請求項1に記載の重合性樹脂組成物。
  3. 樹脂(A)が、アルカリ可溶性基を有する樹脂である請求項1または2のいずれかに記載の重合性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の重合性樹脂組成物を用いて形成される塗膜。
  5. 請求項4に記載の塗膜を用いて形成されるパターン。
  6. 請求項5に記載のパターンを含む表示装置。
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