JP2000227656A - 感光性樹脂組成物およびこれを用いた表示素子 - Google Patents
感光性樹脂組成物およびこれを用いた表示素子Info
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Abstract
g,h線露光で、優れた感度や透明性を備えているだけ
でなく、優れた解像度、残膜率、耐熱性および耐薬品性
を兼備したネガ型の感光性樹脂組成物、および各種表示
素子を提供する。 【解決手段】。アルカリ可溶性樹脂[A]、エチレン性
不飽和二重結合を少なくとも1つ有する化合物[B]、
ベンゾフェノン構造を有する有機過酸化物光重合開始剤
[C]、および一般式(1) 【化1】 (式中、Xで表わされる点線は芳香族環であり、Yは酸
素原子、硫黄原子もしくはセレン原子、R1はアルキル
基もしくは置換アルキル基、R2はアルキル基もしくは
アリール基を表わす。)で示される新規な光増感剤
[D]を含有するこ感光性樹脂組成物およびこの組成物
を用いた液晶表示素子,プラズマディスプレイパネルお
よびLED素子。
Description
に係り、更に詳細には、全線露光(g線,h線およびi
線の混合で露光)、さらにはg,h線露光(g線とh線
の混合で露光)で優れた感度や透明性を備えているだけ
でなく、優れた解像度、残膜率、耐熱性、および耐薬品
性を兼備し、TFT(Thin Film Transistor)と透明電
極との間に形成される透明絶縁膜などとして好適に用い
られるネガ型の感光性樹脂組成物、およびこれを用いた
液晶表示素子、プラズマ・ディスプレイ・パネルや発光
ダイオード{LED(light emitting diode)}素子な
どの表示素子に関する。
展はめざましいものがあり、CRT(ブラウン管)に代
わる次世代表示デバイスの本命とみなされてきている。
中でも液晶ディスプレイの1画素ごとに薄膜トランジス
ター(TFT)を組み込んだアクティブマトリクス型の
液晶ディスプレイは、高速応答性、高品位、広視野角な
ど優れた特性を有しており、特に注目されてきている。
そして、今なお高開口率化、表示画面の大型化などの開
発が盛んに行われている。 かかるアクティブマトリク
ス型の液晶ディスプレイ、例えばTFT型液晶ディスプ
レイにおいては、その問題点である開口率を広げるため
に、従来から以下のような種々の取り組みがなされてい
る。 ・半導体膜、ゲート絶縁膜の膜質向上によりTFTの特
性を向上させ面積を縮小する。 ・自己整合(セルフアライメント)型TFT構造の採用
により寄生容量を小さくし、TFTおよび補助容量を小
さくする。 ・トランジスタ部をゲート配線上に配置する。 ・液晶の電圧保持特性を向上させ、補助容量を小さくす
る。 ・補助容量をゲート配線の上に重ねる。 ・補助容量を透明電極で作る。 ・低抵抗配線材料の採用により配線幅を縮小する。 ・画素電極とゲート・ソース配線との間に絶縁膜を挟む
ことにより、両者のギャップを狭める。 ・TFT基板側に遮光膜を設け、対向基板との貼合わせ
マージンを少なくする。 そして、上述の取り組みの中では、画素電極とゲート・
ソース配線との間に絶縁膜を挟むことにより両者のギャ
ップを狭めるという方法が、近年特に有望視されてきて
いる。しかしながら、かかる有望視されている方法に用
いられる絶縁膜としては、高感度、高解像度(ホールパ
ターン)、高透明性、高残膜率、耐熱性および耐薬品性
などの特性を兼ね備えた感光性樹脂を用いる必要があ
る。
を用いるパネルメーカーが増え、400nm以上の紫外
線で上記の特性を兼ね備えた感光性樹脂も所望されてい
る。特公平4−10482号公報には、特定構造で示さ
れるベンゾフェノン基含有多価ペルオキシエステル化合
物と有機染料化合物との組み合わせの光開始剤組成物が
開示されている。また、特公平4−66349号公報に
は、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とベンゾ
フェノン基含有多価ペルオキシエステル化合物および
4,4’ービス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノンか
らなる光重合開始剤とを含有する高感度光重合組成物が
開示されている。このようにベンゾフェノン構造を有す
る有機過酸化物光重合開始剤と組み合わせて用いられる
光増感剤として、4,4’ービス(ジアルキルアミノ)
ベンゾフェノンやケトクマリン化合物が提案されている
が、これらの光増感剤では、いずれの場合も透明性に問
題があり、上記のような特性を兼ね備えることはできな
い。また、4,4’ービス(ジアルキルアミノ)ベンゾ
フェノンを用いた場合には、g,h線露光では著しく感
度が低下する。一方、半導体の製造などに用いられてい
る、ノボラック樹脂とナフトキノンジアジド化合物とを
含むポジ型フォトレジストも、感度、解像度には優れて
いるものの、透明性、耐熱性および耐薬品性などの点で
は満足のできるものではない。このため、高感度、高透
明性、高解像度(ホールパターン)、高残膜率、耐熱
性、耐薬品性などの全ての特性を兼ね備えた感光性樹脂
の出現が望まれている。更に、上述のような課題や要請
は、液晶表示素子のみならず、プラズマ・ディスプレイ
・パネル(PDP)やLED素子のような表示素子にも
共通する。
従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、新規な光増感剤を提供すること
であり、さらに全線露光、g,h線露光で、優れた感度
や透明性を備えているだけでなく、優れた解像度、残膜
率、耐熱性および耐薬品性を兼備したネガ型の感光性樹
脂組成物、およびこれを用いた各種表示素子を提供する
ことにある。
点を解決すべく種々検討した結果、特定構造を有する化
合物が光増感剤として優れていることを見出し、この光
増感剤が400nm付近に最大分光吸収を持ち、紫外線
(全線およびg,h線)照射により容易にベンゾフェノ
ン構造を有する有機過酸化物光重合開始剤へ増感作用を
及ぼすこと、更には、熱により400nm付近の吸収が
減衰すること、およびこの感光性樹脂組成物を用いて形
成される被膜により上記目的が達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
よび(3)項で示される。 1) 一般式(1)
素原子、硫黄原子もしくはセレン原子、R1はアルキル
もしくは置換アルキル、R2はアルキルもしくはアリー
ルを表わす。)で示される化合物からなる光増感剤。 2) 前記一般式(1)において、Xはベンゼン環また
はナフタレン環、R1はメチル、エチル、プロピル、2
−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチルまたはカルボ
キシエチル、R2はメチル、エチル、プロピル、フェニ
ル、ビフェニル、p−ヒドロキシフェニル、p−メトキ
シフェニル、p−フルオロフェニルまたはナフチルであ
る1)項記載の光増感剤。 3) 前記一般式(1)において、Xはベンゼン環、Y
は硫黄原子、R1はメチル、R2はβ−ナフチルである
1)項記載の光増感剤。
4)、5)および6)項で示される 4) アルカリ可溶性樹脂[A]、エチレン性不飽和二
重結合を少なくとも1つを有する化合物[B]、ベンゾ
フェノン構造を有する有機過酸化物光重合開始剤
[C]、および一般式(1)
素原子、硫黄原子もしくはセレン原子、R1はアルキル
もしくは置換アルキル、R2はアルキルもしくはアリー
ルを表わす。)で示される化合物である光増感剤[D]
を含有する感光性樹脂組成物。 5) 前記光増感剤[D]が、一般式(1)において、
Xはベンゼン環またはナフタレン環、R1はメチル、エ
チル、プロピル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシ
エチルまたはカルボキシエチル、R2はメチル、エチ
ル、プロピル、フェニル、ビフェニル、p−ヒドロキシ
フェニル、p−メトキシフェニル、p−フルオロフェニ
ルまたはナフチルで表わされる化合物である4)項記載
の感光性樹脂組成物。 6) 前記一般式(1)において、Xはベンゼン環、Y
は硫黄原子、R1はメチル、R2はβ−ナフチルである
5)項記載の感光性樹脂組成物。
び8)項で示される。 7) 前記4〜6項のいずれか一項に記載の感光性樹脂
組成物を含む液晶表示素子。 8) 対向している一対の透明電極a,bの間に施され
る樹脂スぺーサー;TFTと透明電極aの間に形成され
る透明絶縁膜;配向膜と透明電極aの間に形成される透
明絶縁膜;およびカラーフィルターと透明電極bの間に
形成される保護膜を具有する液晶表示素子であって、こ
れら樹脂スぺーサー、透明絶縁膜および保護膜の少なく
とも1つが請求項4〜6のいずれか一項に記載の感光性
樹脂組成物を含むことからなるあ7)項記載の液晶表示
素子。
は、つぎの9)項で示される。 9) 前記4〜6項のいずれか一項に記載の感光性樹脂
組成物を含む透明絶縁膜または保護膜を具有するプラズ
マ・ディスプレイ・パネル。
0)項で示される 10) 前記4〜6項のいずれか一項に記載の感光性樹
脂組成物を含む保護膜を具有する発光ダイオード素子。
(1)
セレン原子、R1はアルキルまたは置換アルキル、R2は
アルキルまたはアリールを表わす。)で示される化合物
である。Xとしては、ベンゼン環、ナフタレン環など、
Yとしては、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子、R
1としては、メチル、エチル、プロピル、2−ヒドロキ
シエチル、2−メトキシエチル、カルボキシエチルな
ど、R2としては、メチル、エチル、プロピル、フェニ
ル、ビフェニル、p−ヒドロキシフェニル、p−メトキ
シフェニル、p−プルオロフェニル、ナフチルなどがあ
げられる。
ては、2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−β−ナフ
トチアゾリン、2−(β−ナフトイルメチレン)−3−
メチルベンゾチアゾリン、2−(α−ナフトイルメチレ
ン)−3−メチルベンゾチアゾリン、2−(4−ビフェ
ノイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン、2−
(β−ナフトイルメチレン)−3−メチル−β−ナフト
チアゾリン、2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−
メチル−β−ナフトチアゾリン、2−(p−フルオロベ
ンゾイルメチレン)−3−メチル−β−ナフトチアゾリ
ン、2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−β−ナフト
オキサゾリン、2−(β−ナフトイルメチレン)−3−
メチルベンゾオキサゾリン、2−(α−ナフトイルメチ
レン)−3−メチルベンゾオキサゾリン、2−(4−ビ
フェノイルメチレン)−3−メチルベンゾオキサゾリ
ン、2−(β−ナフトイルメチレン)−3−メチル−β
−ナフトオキサゾリン、2−(4−ビフェノイルメチレ
ン)−3−メチル−β−ナフトオキサゾリン、2−(p
−フルオロベンゾイルメチレン)−3−メチル−β−ナ
フトオキサゾリンなどがあげられる。
ルベンゾチアゾリン、式(3)
ナフトチアゾリン、および式(4)
チル−β−ナフトチアゾリンがあげられる。
溶性樹脂[A]、エチレン性不飽和二重結合を少なくと
も1つ以上有する化合物[B]、ベンゾフェノン構造を
有する有機過酸化物光重合開始剤[C]、および一般式
(1)で示される化合物からなる光増感剤[D]を含有
する。以下個々の成分について説明する。。
ルカリ可溶性樹脂[A]としては、樹脂中にカルボン酸
を含有するもので、アルカリ水溶液への溶解性があれば
特に制限はなく、数種のモノマーの共重合物が用いられ
る。好ましくは、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イ
タコン酸、マレイン酸、フマル酸などの分子中にカルボ
ン酸を有する不飽和カルボン酸と他のモノマーの共重合
物が用いられる。[本発明において、(メタ)表示の化
合物は、メタ化合物とメタでない化合物の両方を示
す。] 該カルボン酸の共重合の対象モノマーとしては、該カル
ボン酸以外にスチレン、メチルスチレン、ビニルトルエ
ンなどの芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸ア
ルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレートなど
の不飽和カルボン酸グリシジルエステル、3−シクロヘ
キセニルメチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)ア
クリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルア
ミド類などがあげられる。
機化学(株)製のビスコート#193、同#320、同
#2311HP、同#220、同#2000(フタル酸
モノヒドキシエチルアクリレート)、同#2100(フ
タル酸モノ2−メチルヒドロキシエチルアクリレー
ト)、同#2150、同#2180、同3F(2,2,
2−トリフルオロエチルアクリレート)、同3FM
(2,2,2−トリフルオロエチルメタアクリレー
ト)、同4F(2,2,3,3−テトラフルオロプロピ
ルアクリレート)、同4FM(2,2,3,3−テトラ
フルオロプロピルメタアクリレート)、同6FM、同8
F(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリ
レート)、同8FM(1H,1H,5H−オクタフルオ
ロペンチルメタアクリレート)、同17F、同17F
M、同MTG(メトキシエチレングリコールアクリレー
ト)、東亞合成(株)製のアロニックスM−101{フ
ェノールエチレンオキサイド変性(n≒2)アクリレー
ト}、同M−102{フェノールエチレンオキサイド変
性(n≒4)アクリレート}、同M−110{パラクミ
ルフェノールエチレンオキサイド変性(n≒1)アクリ
レート}、同M−113{ノニルフェノールエチレンオ
キサイド変性(n≒4)アクリレート}、同M−117
{ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(n≒
2.5)アクリレート}、同M−120(2−エチルヘ
キシルカルビトールアクリレート)、同M−5300
{ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n≒2)モノ
アクリレート}、同M−5400(フタル酸モノヒドロ
キシエチルアクリレート)、同M−5600{アクリル
酸ダイマー(n≒1.4)}、同M−5700(2−ヒ
ドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート)、同
TO−850(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル
アクリレート)、同TO−851{3−(2−エチルヘ
キシルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト}、同TO−1248、同TO−1249{3−(2
−メチルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート}、同TO−1301{3−(4−t−ブチルフ
ェニル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート}、同
TO−1317{3−(2−フェニルフェノキシ)−2
−ヒドロキシプロピルアクリレート}、同TO−131
5(2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート)、同
TO−981(トリエチレングリコールモノドデシルエ
ーテルアクリレート)、同TO−1215{2−(1,
3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル
オクチルアクリレート}、同TO−1316、同TO−
1322、同TO−1342、同TO−1340{1−
メチル−2−[4−(1,1−メチルフェニル)エチル
フェノキシ]エチルアクリレート}、同TO−1225
(デカリルアクリレート)、日本化薬(株)製のKAY
ARADTC−110S(5−テトラヒドロフルフリル
オキシカルボニルペンチルアクリレート)、同R−56
4{フェノールエチレンオキサイド変性(n=2.3)ア
クリレート}、同R−128H(2−ヒドロキシ−3−
フェノキシプロピルアクリレート)などが示される(上
記nはエチレンオキサイド変性におけるエチレンオキシ
の平均繰り返し単位を表わす)。
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマ
ル酸などの分子中にカルボン酸を有する不飽和カルボン
酸の重合もしくは共重合または他のモノマーとの共重合
など公知の重合方法によって製造できる。重合溶媒とし
ては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、酢
酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノイソプ
ロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチルカルビトール、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル
アセテート、シクロヘキサノン、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
テル、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、N,
N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフランなどが
好ましい。特にメタノール、酢酸エチル、シクロヘキサ
ノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ま
しい。もちろん2種以上の混合溶媒でもよい。重合反応
は、通常モノマー濃度5〜50重量%、ラジカル発生剤
0.01〜5重量%、反応温度50〜160℃、反応時
間3〜12時間で行う。分子量を調節するためにチオグ
リコール酸などの連鎖移動剤を加えてもよい。重合反応
終了後、重合液を大量の非溶媒中に投入して、沈殿物を
乾燥して重合物を得ることができる。あるいは重合反応
終了後の重合液をそのまま感光性樹脂組成物用として使
用してもよい。重合液を大量の非溶媒中に投入してオリ
ゴマーや、未反応モノマーを除去して重合物を精製する
場合は、メタノール・酢酸エチル混合溶媒中で重合し、
非溶媒としてシクロヘキサンもしくは酢酸エチル・シク
ロヘキサン混合溶媒を使用すると、乾燥性が良好で好ま
しい。
限定されないが、N,N−ジメチルホルムアミドを溶媒
としたGPCによる分析で、ポリエチレンオキシド換算
重量平均分子量(Mw)が、通常1,000〜200,
000、好ましくは2,000〜30,000のものを
用いるのが望ましい。アルカリ可溶性樹脂[A]のポリ
エチレンオキシド換算重量平均分子量(Mw)が1,0
00未満では膜の強度が弱く、現像時の膜荒れ、パター
ンの剥離が起きやすい。一方、200,000を超える
と、現像性や感度が低下したり、現像後に残査が残るこ
とがある。
チレン性不飽和二重結合を少なくとも1つ有する化合物
[B]としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート
などの(メタ)アクリル酸誘導体、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
トなどのヒドロキシアルキルエステル類、ω−カルボキ
シポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタ
ル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレ
ートなどの単官能(メタ)アクリレート化合物、1,4
−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペ
ンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メ
タ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジ
(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ
(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ
(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールSジ
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピルジ(メタ)
アクリレート、ジエチレングリコールビスヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、およびモノヒドロキシペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの多
官能(メタ)アクリレート化合物などがあげられる。
能または多官能(メタ)アクリレート化合物をそのまま
用いることができる。具体的には、東亜合成化学工業
(株)製のアロニックスM−5400(フタル酸モノヒ
ドロキシエチルアクリレート)、同M−5700(2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート)、
同M−215(イソシアヌル酸エチレンオキシサイド変
性ジアクリレート)、同M−220(トリプロピレング
リコールジアクリレート)、同M−245{ポリエチレ
ングリコール(n≒9)ジアクリレート}、同M−30
5(ペンタエリスリトールトリアクリレート)、同M−
309(トリメチロールプロパントリアクリレート)、
同M−315(イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性
トリアクリレート)、同M−400{ジペンタエリスリ
トールペンタアクリレートおよびジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート(主成分)の混合物}、同M−4
50(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)、同
M−8060、同M−8560、大阪有機化学工業
(株)製のビスコート#295(トリメチロ−ルプロパ
ントリアクリレート)、同#300(ペンタエリスリト
ールトリアクリレート)、同#360(トリメチロール
プロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート)、
同#400(ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト)、日本化薬(株)製のKAYARAD TMPTA
(トリメチロールプロパントリアクリレート)、同PE
T−30(ペンタエリスリトールトリアクリレート)、
同DPHA{ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
トおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(主成分)の混合物}、同D−310(ジペンタエリス
リトールペンタアクリレート)、同D−330、同DP
CA−60などをあげることができる。
メチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、東
亜合成化学工業(株)製のアロニックスM−305、同
#309、同M−400、同M−450、大阪有機化学
工業(株)製のビスコート#295、同#300、同#
400、日本化薬(株)製のKAYARADTMPT
A、同DPHA、同D−310、同PET−30などの
3官能以上の多官能アクリレートが好ましく用いられ
る。なお、これらの化合物は単独または2種類以上を混
合して使用することができる
ンゾフェノン構造を有する有機過酸化物光重合開始剤
[C]としては、3,4,4’−トリ(t−ブチルペル
オキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,5,4’−ト
リ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、3,4,5−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−ブチル
ペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3,4−
トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボ
ニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−アミ
ルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,
4’−トリ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベン
ゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−オクチルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、 3,3,4’−ト
リ(t−クミルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、4−メトキシ−2’,4’−ジ(t−ブチルペルオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、4−メトキシ−
2’,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノン、3−メトキシ−2’,4’−ジ(t−ブ
チルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2−メト
キシ−2’,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン、4−エトキシ−2’,4’−ジ
(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカ
ルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テト
ラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ンなどがあげられる。これらの化合物の市販品として
は、日本油脂(株)製のBTTB50{3,3´,4,4
´−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニルベンゾフ
ェノン50%トルエン溶液)、同25%溶液などがあげ
られる。これらの2種以上を混合して用いてもよい。
有機過酸化物光重合開始剤と他の光重合開始剤とを組み
合わせて用いることもできる。他の光重合開始剤として
は、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−
1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−
2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−
2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニ
ル)−ブタノン−1、2,4,6ートリメチルベンゾイ
ルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,
6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオ
キサイド、2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,
6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどが
あげられる。これらの市販品としては、チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株)製のIrgacure65
1、同184、同500、同369、同907、同81
9、BASFジャパン(株)製のLucirinTP
O、みどり化学(株)製のTAZ−104、同106、
同110、同118などがあげられる。本発明では、上
述した化合物のうち、 3,4,4’−トリ(t−ブチ
ルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,
4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)
ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−ブチルペル
オキシカルボニル)ベンゾフェノンとチバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ(株)製のIrgacure907
{2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−
モルフォリノプロパン−1−オン}との併用、3,4,
4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾ
フェノンとIrgacure369{2−ベンジル−2
−ジメチルアミノ1−(4−モルフォリノフェニル)−
ブタノン−1}との併用、3,3’,4,4’−テトラ
(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンと
Irgacure907(前記参照)との併用、3,
3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボ
ニル)ベンゾフェノンとIrgacure369(前記
参照)との併用が特に好ましい。
[A]、[B]、[C]、[D]の含有比率は、アルカ
リ可溶性樹脂[A]100重量部に対し、エチレン性不
飽和二重結合を少なくとも1つ有する化合物[B]を1
0〜200重量部好ましくは30〜150重量部、ベン
ゾフェノン構造を有する有機過酸化物光重合開始剤
[C]を0.1〜50重量部好ましくは1〜30重量
部、および一般式(1)で表される光増感剤[D]を
0.1〜30重量部好ましくは0.5〜20重量部であ
る。ベンゾフェノン構造を有する有機過酸化物光重合開
始剤[C]と他の光重合開始剤を併用する場合は、ベン
ゾフェノン構造を有する有機過酸化物光重合開始剤
[C]100重量部に対して10〜100重量部を用い
ることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂[A]の100
重量部に対して、エチレン性不飽和二重結合を少なくと
も1つ有する化合物[B]が10重量部未満であると、
感光性樹脂の光による硬化が不十分となり、現像液への
溶解性が増加して現像後の塗膜表面に膜荒れが生じるこ
とがあり、一方、200重量部を超えた場合にも、塗膜
表面のタックが大きくなりすぎ、硬化後に得られる被膜
に膜荒れが生じたり、現像後に残査が残ったりすること
がある。アルカリ可溶性樹脂[A]の100重量部に対
して、ベンゾフェノン構造を有する有機過酸化物光重合
開始剤[C]が0.1重量部未満であると、エチレン性
不飽和二重結合を少なくとも1つ以上有する化合物
[B]の架橋(硬化)反応が十分に進行しないことがあ
り、一方、50重量部を超えると、現像性が低下するこ
とがある。[A]アルカリ可溶性樹脂100重量部に対
し、一般式(1)で表される光増感剤[D]が、0.1
重量部未満であると、ベンゾフェノン構造を有する有機
過酸化物光重合開始剤[C]への増感作用が不十分とな
り、感度が低下し、現像後膜荒れが生じることがあり、
一方、30重量部を超えると、得られる被膜の透明性が
低下することがある。
的を損なわない範囲で、必要に応じて上記成分以外の他
の成分を含有してもよい。このような他の成分として
は、カップリング剤、界面活性剤などがあげられる。カ
ップリング剤は、基板との密着性を向上させるために使
用するものであり、上記感光性樹脂組成物から溶媒を除
いた残りの成分(以下「固形分」と略記する。)100
重量部に対し10重量部以下添加して用いられる。カッ
プリング剤としては、シラン系、アルミニウム系および
チタネート系の化合物が用いられる。具体的には、3−
グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシランなどのシラン系、
アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなど
のアルミニウム系、テトライソプロピルビス(ジオクチ
ルホスファイト)チタネートなどのチタネート系化合物
をあげることができる。
リング性、塗布性を向上させるために使用するものであ
り、上記感光性樹脂組成物100重量部に対し0.01
〜1重量部添加して用いられる。界面活性剤としては、
シリコン系界面活性剤、アクリル系界面活性剤、フッソ
系界面活性剤などが用いられる。具体的には、ビック・
ケミー(株)製のByk−300、同306、同33
5、同310、同341、同344、同370などのシ
リコン系界面活性剤、同354、同358、同361な
どのアクリル系界面活性剤、旭硝子(株)製のSC−1
01、(株)トーケムプロダクツ製のEF−351、同
352などのフッソ系界面活性剤をあげることができ
る。
な溶媒に溶解させて溶液状態で用いられる。この溶液
は、溶媒中にアルカリ可溶性樹脂[A]を投入して完全
に溶解させた後、その溶液中にエチレン性不飽和二重結
合を少なくとも1つ以上有する化合物[B]、ベンゾフ
ェノン構造を有する有機過酸化物光重合開始剤[C]、
一般式(1)で表される光増感剤[D]、および必要に
応じてカップリング剤、界面活性剤などを所定の割合で
混合し、固形分濃度が10〜50重量%となるように調
製し、その後、撹拌して完全に溶解させることによって
得られる。この際に使用される溶媒としては、メトキシ
ジエタノール、エトキシエタノール、1−メトキシ−2
−プロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルセ
ロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳
酸エチル、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメ
チルアセトアミドなどをあげることができ、これらの溶
媒は単独でまたは2種以上を混合で使用することができ
る。
成物溶液を、基体表面に塗布し、加熱により溶媒を除去
すると、塗膜を形成することができる。基体表面への感
光性樹脂組成物溶液の塗布は、スピンコート法、ロール
コート法、ディッピング法など従来からの公知の方法に
より行うことができる。ついで、この塗膜はホットプレ
ート、オーブンなどで加熱(以下「プリベーク」と略記
する)される。プリベーク条件は各成分の種類、配合割
合によって異なるが、通常70〜110℃で、ホットプ
レートなら1〜5分間、オーブンなら5〜15分間であ
る。その後、プリベークされた塗膜に所定パターンのマ
スクを介して紫外線などを照射した後、現像液により現
像し、不要な部分を除去して所定パターン状の被膜を形
成する。現像液としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ類、および
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチル
アンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ類などの
水溶液をあげることができる。また、上記アルカリ水溶
液にメタノール、エタノール、界面活性剤などを適当量
添加して用いることもできる。現像方法は、ディッピン
グ法、シャワー法、スプレー法など何れを用いてもよ
く、現像時間は通常30〜240秒であり、現像後、流
水でリンスし、乾燥させることによりパターンを形成す
ることができる。その後、このパターンをホットプレー
ト、オーブンなどで加熱(以下「ポストベーク」と略記
する)することによって、エチレン性不飽和二重結合を
少なくとも1つ以上有する化合物の未反応成分の架橋を
さらに進めると同時に溶媒を完全に除去し、所定の被膜
パターンを得ることができる。ポストベーク条件は各成
分の種類、配合割合によって異なるが、通常180〜2
50℃で、ホットプレートなら5〜30分間、オーブン
なら30〜90分間である。
樹脂組成物を含むことが特徴である。例えば、図2で示
されるような液晶表示素子であって、この素子を構成す
るつぎに示すような材料の少なくとも1つが本発明の感
光性樹脂組成物を含むことである。 ・対向している一対の透明電極a,bの間に施される樹
脂スぺーサー;図2は、表面に配向膜の形成された透明
電極5a,5bの間に、樹脂スぺーサーが施されたもの
であるが、透明電極5aに樹脂スぺーサーが施された
後、その上に配向膜が形成された場合、または透明絶縁
膜8に樹脂スぺーサーが施された後、その上に配向膜が
形成された場合もある。 ・TFTと透明電極aの間に形成される透明絶縁膜; ・配向膜と透明電極aの間に形成される透明絶縁膜; ・カラーフィルターと透明電極bの間に形成される保護
膜。
は、そのパネルに使用する透明絶縁膜または保護膜など
に本願発明の感光性樹脂組成物が含有するものである。
る保護膜などに本願発明の感光性樹脂組成物が含まれて
いるものである。
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
つ口フラスコに、2−メチルベンゾチアゾール36g、
p−トルエンスルホン酸メチル54.9g、およびキシ
レン100mlをとり、3時間還流攪拌した。反応液を
放冷し、析出した結晶をろ別した。これをアセトン洗浄
後、減圧乾燥して、2−メチルベンゾチアゾールのトル
エンスルホン酸メチル塩を78.6g得た。得られた化
合物を未精製のままつぎの反応に用いた。コンデンサ
ー、温度計、攪拌装置を付けた300mlの三つ口フラ
スコに、上記の化合物50gとピリジン150mlをと
り、0℃で攪拌下、β−ナフトイルクロリド36.8g
を固体のまま少しずつ加えた。反応液を0℃で90分攪
拌後、室温で2時間、100℃で1時間反応させた。反
応終了後、大量の氷水中に注ぎ、析出した結晶をろ集し
た。得られた粗結晶を、減圧乾燥後、アセトンで4回再
結晶し、以下の融点とNMRの値を示す式(2)で示さ
れる2−(β−ナフトイルメチレン)−3−メチルベン
ゾチアゾリンである光増感剤の22.3g得た。 融点:174.5℃、 1H−NMR(CDCl3):3.39(s,3H)、
6.49(s,1H)、6.86〜8.38(m,11
H)であ
とベンゾイルクロリドから式(3)で示される2−ベン
ゾイルメチレン−3−メチル−β−ナフトチアゾリンで
ある光増感剤が得られる。
と4−ビフェニルカルボン酸クロリドから式(4)で示
される2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル
−β−ナフトチアゾリンである光増感剤が得られる。
性樹脂組成物について、下記のようにしてパターンを形
成し評価を行った。 ・パターンの形成方法:実施例および比較例で得られた
感光性樹脂組成物の溶液を、ガラス基板上にスピンコー
トした後、90℃のホットプレートで3分間プリベーク
して塗膜を形成させた。その後、得られた塗膜を、露光
時間を変化させてマスクアライナー(キャノン(株)製
“PLA−501F”)に露光した。なお、露光は、全
線(フィルターなし)、およびg,h線(HOYA
(株)製i線カットフィルター、COLORED OP
TICAL GLASS、GLASS TYPE L4
0、2.5mm厚使用)のそれぞれで行った。ついで、
0.4重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水
溶液を用いて、23℃で1分間現像(浸漬揺動法)、純
水でリンスし、乾燥した。さらに、200℃のオーブン
で60分間加熱することにより塗膜中のエチレン性不飽
和二重結合を少なくとも1つ以上有する化合物の未反応
成分の架橋をさらに進めると同時に溶媒を完全に除去
し、膜厚3μmの塗膜を形成した。このようにして得ら
れた塗膜について、感度、解像度、残膜率、透明性、耐
熱性および耐薬品性について下記の特性を評価した。こ
れらの評価結果を表1および表2に示す。
で等間隔に配置されているマスク(図1参照)を介して
露光を行い、得られたパターンにおいて、マスクパター
ン25μmで得られるホールパターン上部の寸法が25
μmとなる露光量(「適正露光量」または「感度」)を
求めた。露光量の測定には、積算光量計(ウシオ(株)
製“UIT−102”)、全線露光時には感度波長域3
30〜390μmの受光器(ウシオ(株)製“UVD−
365PD”)、g,h線露光時には感度波長域330
〜490μmの受光器8ウシオ(株)製“UVD−40
5PD”)を用いた。 ・解像度:適正露光量で解像している穴状のホールパタ
ーン底部の最少寸法を走査型電子顕微鏡で測定した。 ・残膜率: 残膜率(%)=(現像後の膜厚/プリベーク後の膜厚)
×100 の式により求め、つぎのように評価した。 ○.... 90%以上 ×.... 90%未満
板において、MICRO COLOR ANALYZE
R ((有)東京電色技術センター製“TC−1800
M”)により塗膜のみの400〜780nmでの透過率
を測定した。このときの最低透過率(すなわち波長40
0nmでの透過率)によって、つぎのように評価した。 ○.... 90%以上 ×.... 90%未満 ・耐熱性:得られたパターン付きガラス基板を250℃
で1時間再加熱した後、加熱前の膜厚(ポストベーク後
の膜厚)に対する加熱後の残膜率および加熱後の透過率
(波長400nmでの透過率)を測定して、つぎのよう
に評価した。 ○.... 加熱後の残膜率が90%以上、かつ透過率
が90%以上 ×.... 上記以外の場合
基板について、つぎに示す液の浸漬処理試験を行った。
2重量%水酸化ナトリウム水溶液に40℃で15分間浸
漬した。(以下、NaOH処理と略記する)。10重量
%塩酸水溶液に40℃で30分間浸漬した。(以下、H
Cl処理と略記する) N−メチルピロリドン中に40℃で30分間浸漬した
(以下、NMP処理と略記する)。イソプロピルアルコ
ール中に40℃で30分間浸漬した(以下、IPA処理
と略記する)。上記各液による浸漬処理前後の膜厚変化
率および処理前後の透過率変化率を測定し、また400
倍の光学顕微鏡で塗膜表面の変化を観察してつぎの評価
をした。 ○....各処理前後の膜厚の変化率が1%未満、かつ
各処理前後の透過率の変化率が1%未満、かつ各処理前
後で塗膜表面に変化がない場合。 ×....上記以外の場合。
酢酸エチル333g、ベンジルメタクリレート130
g、5−テトラヒドロフルフリルオキシカルボニルペン
チルアクリレート{日本化薬(株)製“KAYARAD
TC−110S”}30g、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート20g、メタクリル酸20g、アゾビスイ
ソブチロニトリル1g、チオグリコール酸3gを混合攪
拌し、65℃で6時間重合した。重合液にシクロヘキサ
ン3,000gを加え、ポリマーを析出させ、上澄みを
デカンテーションで除いた後、40℃で20時間真空乾
燥して138gのアルカリ可溶性樹脂[A]を得た。得ら
れたアルカリ可溶性樹脂[A]のポリエチレンオキシド換
算重量平均分子量は7,000であった。
コールモノメチルエーテルアセテート9gに上記アルカ
リ可溶性樹脂3gを溶解させた後、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレートおよびジペンタエリスリトール
ペンタアクリレーの混合物{東亜合成化学工業(株)製
“アロニックスM400”}3g、3,3´,4,4´
−テトラ(t−ブチルエルオキシカルボニル)ベンゾフ
ェノンの25重量%トルエン溶液{日本油脂(株)製
“BTTB25”}1.2g、前記実験例Aで得られた
2−(β−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾチ
アゾリンである光増感剤0.06g、シリコン系界面活
性剤{ビックケミー・ジャパン(株)製“Byk−34
4”}0.0086gを混合し、固形分濃度が37重量
%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテートを加えた。その後、均一な溶液が得られる
まで攪拌し、孔径0.22μmのメンブランフィルター
で濾過して感光性樹脂組成物溶液を得た。得られた感光
性樹脂組成物溶液からパターンを形成し、評価を行っ
た。その結果を表1および表2に示す。
アゾリンの代わりに2−ベンゾイルメチレン−3−メチ
ル−β−ナフトチアゾリンを用いた以外は、実施例1と
同様にして感光性樹脂組成物溶液を製造し、評価を行っ
た。結果を表1および表2に示す。
アゾリンである光増感剤0.06gの代わりに4,4’
−ジエチルアミノベンゾフェノン0.45gを用いた以
外は、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物溶液を製
造し、評価を行った。結果を表1および表2に示す。
アゾリンである光増感剤0.06gの代わりに3,3’
−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン){み
どり化学(株)製商品名:BC}0.15gを用いた以
外は、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物溶液を製
造し、評価を行った。結果を表1および表2に示す。
の感光性樹脂組成物は、一般式(1)で示される化合物
からなる光増感剤[D]が、400nm付近に最大分光
吸収を持つため、全線露光、さらにはg,h線露光で、
容易にベンゾフェノン構造を有する有機過酸化物光重合
開始剤[C]へ増感作用をおよぼすことができる。すな
わち、g,h線露光においても優れた感度を持つことが
できる。また、また本発明の光増感剤[D]は、熱によ
り400nm付近の吸収が減衰するため、露光、現像後
にポストベークを行うことによって優れた透明性も兼備
することができる。また、解像度、残膜率、耐熱性およ
び耐薬品性についても優れており、実用上問題ないばか
りか、上述の優れた特性から、アクティブマトリクス型
のLCDにおけるTFTと透明電極との間に配設される
透明絶縁膜、配向膜の上もしくは配向膜の下に形成する
樹脂スペーサー、配向膜と透明電極との間に配設される
透明絶縁膜やカラーフィルター上に配設される保護膜と
して特に有用であることも明かである。さらに、かかる
特性から、本発明の感光性樹脂組成物は、プラズマディ
スプレイパネルにおける透明絶縁膜または保護膜や、L
ED素子における保護膜としても好適に使用できること
が明らかである。
樹脂組成物は、全線露光、さらにはg,h線露光で、優
れた感度や透明性を備えているだけでなく、優れた解像
度、残膜率、耐熱性および耐薬品性を兼備したネガ型の
感光性樹脂組成物であり、これを用いた各種表示素子を
提供することができる。すなわち、本発明の感光性樹脂
組成物により、感度、透明性、解像度、残膜率、耐熱性
および耐薬品性などすべてにおいて優れた被膜パターン
を形成することができ、かかる被膜パターンは、液晶表
示素子を構成するTFTと透明電極間に形成される透明
絶縁膜、配向膜の上、あるいは配向膜の下に形成する樹
脂スペーサー、配向膜と透明電極間に形成される透明絶
縁膜およびカラーフィルター上に形成される保護膜とし
て好適に使用することができ、PDPやLED素子にも
適用可能である。
が正方形と同じ幅で等間隔に配置されているマスクパタ
ーンを示す平面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Xで示される点線は芳香族環を表わし、Yは酸
素原子、硫黄原子もしくはセレン原子、R1はアルキル
もしくは置換アルキル、R2はアルキルもしくはアリー
ルを表わす。)で示される化合物からなる光増感剤。 - 【請求項2】 前記一般式(1)において、Xはベンゼ
ン環またはナフタレン環、R1はメチル、エチル、プロ
ピル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチルまた
はカルボキシエチル、R2はメチル、エチル、プロピ
ル、フェニル、ビフェニル、p−ヒドロキシフェニル、
p−メトキシフェニル、p−フルオロフェニルまたはナ
フチルである請求項1記載の光増感剤。 - 【請求項3】 前記一般式(1)において、Xはベンゼ
ン環、Yは硫黄原子、R1はメチル、R2はβ−ナフチル
である請求項1記載の光増感剤。 - 【請求項4】 アルカリ可溶性樹脂[A]、エチレン性
不飽和二重結合を少なくとも1つ有する化合物[B]、
ベンゾフェノン構造を有する有機過酸化物光重合開始剤
[C]、および一般式(1) 【化2】 (式中、Xで示される点線は芳香族環を表わし、Yは酸
素原子、硫黄原子もしくはセレン原子、R1はアルキル
もしくは置換アルキル、R2はアルキルもしくはアリー
ルを表わす。)で示される化合物である光増感剤[D]
を含有する感光性樹脂組成物。 - 【請求項5】 前記光増感剤[D]が、一般式(1)に
おいて、Xはベンゼン環またはナフタレン環、R1はメ
チル、エチル、プロピル、2−ヒドロキシエチル、2−
メトキシエチルまたはカルボキシエチル、R2はメチ
ル、エチル、プロピル、フェニル、ビフェニル、p−ヒ
ドロキシフェニル、p−メトキシフェニル、p−フルオ
ロフェニルまたはナフチルで表わされる化合物である請
求項4記載の感光性樹脂組成物。 - 【請求項6】 前記一般式(1)において、Xはベンゼ
ン環、Yは硫黄原子、R1はメチル、R2はβ−ナフチル
である請求項4記載の感光性樹脂組成物。 - 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか一項に記載の感
光性樹脂組成物を含む液晶表示素子 - 【請求項8】 対向している一対の透明電極a,bの間
に施される樹脂スぺーサー;TFTと透明電極aの間に
形成される透明絶縁膜;配向膜と透明電極aの間に形成
される透明絶縁膜;およびカラーフィルターと透明電極
bの間に形成される保護膜を具有する液晶表示素子であ
って、これら樹脂スぺーサー、透明絶縁膜および保護膜
の少なくとも1つが請求項4〜6のいずれか一項に記載
の感光性樹脂組成物を含むことからなる請求項7記載の
液晶表示素子。 - 【請求項9】 請求項4〜6のいずれか一項に記載の感
光性樹脂組成物を含む透明絶縁膜または保護膜を具有す
るプラズマ・ディスプレイ・パネル。 - 【請求項10】 請求項4〜6のいずれか一項に記載の
感光性樹脂組成物を含む保護膜を具有する発光ダイオー
ド素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3010799A JP2000227656A (ja) | 1999-02-08 | 1999-02-08 | 感光性樹脂組成物およびこれを用いた表示素子 |
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---|---|---|---|
JP3010799A JP2000227656A (ja) | 1999-02-08 | 1999-02-08 | 感光性樹脂組成物およびこれを用いた表示素子 |
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JP3010799A Pending JP2000227656A (ja) | 1999-02-08 | 1999-02-08 | 感光性樹脂組成物およびこれを用いた表示素子 |
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JP (1) | JP2000227656A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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