JP2006139136A - パターン形成用組成物、パターン形成材料、及びパターン形成装置並びにパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に感光層を少なくとも有し、該感光層が、連鎖移動可能な置換基を複数有する連鎖移動化合物、重合禁止剤、バインダー、重合性化合物、並びに光重合開始剤とを含有することを特徴とするパターン形成材料である。該パターン形成材料を備えたパターン形成装置である。該パターン形成材料を用いて露光するパターン形成方法である。前記連鎖移動可能な置換基として、メルカプト基を複数有する連鎖移動化合物を用いることによって、パターン形成材料の感度がさらに向上する。
【選択図】なし
Description
<1> 連鎖移動可能な置換基を複数有する連鎖移動化合物、重合禁止剤、バインダー、重合性化合物、並びに光重合開始剤を含有するパターン形成用組成物である。
<2> 連鎖移動可能な置換基がメルカプト基である前記<1>に記載のパターン形成用組成物である。
<3> 連鎖移動化合物が連鎖移動可能な置換基を4個以上有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<4> 連鎖移動可能な置換基を複数有する連鎖移動化合物が、多価アルコールとメルカプト基を有するカルボン酸とのエステルである前記<1>から<3>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<5> 連鎖移動可能な置換基を複数有する連鎖移動化合物の含有量が、重合禁止剤の含有量を100質量部とした場合に、100〜50000質量部である前記<1>から<4>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<6> 重合禁止剤が、芳香環、複素環、イミノ基及びフェノール性水酸基から選択される少なくとも1種を有する化合物である前記<1>から<5>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<7> 重合禁止剤が、フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物、イミノ基で置換された芳香環を有する化合物、イミノ基で置換された複素環を有する化合物及びヒンダードアミン化合物から選択される少なくとも1種である前記<1>から<6>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<8> 重合禁止剤が、カテコール、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒンダードアミン及びこれらの誘導体から選択される少なくとも1種である前記<1>から<7>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<9> 重合禁止剤が、フェノチアジン及びフェノチアジン誘導体から選択される少なくとも1種である前記<1>から<8>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<10> 重合禁止剤の含有量が、感光層の重合性化合物に対して0.005〜0.5質量%である前記<1>から<9>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<11> 光重合開始剤が、ビイミダゾール誘導体である前記<1>から<10>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<12> 感光層が、増感剤を含む前記<1>から<11>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<13> 増感剤の極大吸収波長が、380〜450nmである前記<12>に記載のパターン形成用組成物である。
<14> 増感剤が、縮環系化合物である前記<12>から<13>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<15> 増感剤が、アクリドン類、アクリジン類、及びクマリン類から選択される少なくとも1種である前記<12>から<14>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<16> バインダーが、酸性基を有する前記<1>から<15>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<17> バインダーがビニル共重合体を含む前記<1>から<16>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<18> バインダーが、スチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかの共重合体を含む前記<1>から<17>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<19> バインダーの酸価が、70〜250(mgKOH/g)である前記<1>から<18>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<20> 重合性化合物が、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有するモノマーを含む前記<1>から<19>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<21> 重合性化合物が、ビスフェノール骨格を有する前記<1>から<20>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<23> 感光層が、バインダーを10〜90質量%含有し、重合性化合物を5〜90質量%含有し、光重合開始剤を0.1〜30質量%含有する前記<1>から<22>のいずれかに記載のパターン形成用組成物である。
<24> 支持体と、該支持体上に前記<1>から<23>のいずれかに記載のパターン形成用組成物が積層されてなる感光層と、を有することを特徴とするパターン形成材料である。
<25> 感光層の厚みが1〜100μmである前記<24>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<27> 支持体が、長尺状である前記<24>から<26>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<28> パターン形成材料が、長尺状であり、ロール状に巻かれてなる前記<24>から<27>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<29> パターン形成材料における感光層上に保護フィルムを有する前記<24>から<28>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
光を照射可能な光照射手段と、該光照射手段からの光を変調し、前記パターン形成材料における感光層に対して露光を行う光変調手段とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成装置である。該<30>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記光変調手段に向けて光を照射する。前記光変調手段が、前記光照射手段から受けた光を変調する。前記光変調手段により変調した光が前記感光層に対して露光させる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<31> 光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有してなり、光照射手段から照射される光を該パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる前記<30>に記載のパターン形成装置である。該<31>に記載のパターン形成装置においては、前記光変調手段が前記パターン信号生成手段を有することにより、前記光照射手段から照射される光が該パターン信号生成手段により生成した制御信号に応じて変調される。
<33> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<30>から<32>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<34> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<33>に記載のパターン形成装置である。
<35> 描素部が、マイクロミラーである前記<32>から<34>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<36> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<30>から<35>のいずれかに記載のパターン形成装置である。該<36>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が2以上の光を合成して照射可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光によって行われる。この結果、前記パターン形成材料への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<37> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する前記<30>から<36>のいずれかに記載のパターン形成装置である。該<37>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光が前記集合光学系により集光され、前記マルチモード光ファーバに結合可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記パターン形成材料への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<39> 基体上にパターン形成材料を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層し、露光する前記<38>に記載のパターン形成方法である。
<40> 露光が、形成するパターン情報に基づいて像様に行われる前記<38>から<39>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<41> 露光が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成し、該制御信号に応じて変調させた光を用いて行われる前記<38>から<40>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<41>に記載のパターン形成方法においては、形成するパターン形成情報に基づいて制御信号が生成され、該制御信号に応じて光が変調される。
<42> 露光が、光を照射する光照射手段と、形成するパターン情報に基づいて前記光照射手段から照射される光を変調させる光変調手段とを用いて行われる前記<38>から<41>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<43> 露光が、光変調手段により光を変調させた後、前記光変調手段における描素部の出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる前記<42>に記載のパターン形成方法である。該<43>に記載のパターン形成方法においては、前記光変調手段により変調した光が、前記マイクロレンズアレイにおける前記非球面を通ることにより、前記描素部における出射面の歪みによる収差が補正される。この結果、パターン形成材料上に結像させる像の歪みが抑制され、該パターン形成材料への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<45> 露光が、アパーチャアレイを通して行われる前記<38>から<44>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<45>に記載のパターン形成方法においては、露光が前記アパーチャアレイを通して行われることにより、消光比が向上する。この結果、露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<46> 露光が、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行われる前記<38>から<45>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<46>に記載のパターン形成方法においては、前記変調させた光と前記感光層とを相対的に移動させながら露光することにより、露光が高速に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<47> 露光が、感光層の一部の領域に対して行われる前記<38>から<46>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<49> 現像が行われた後、永久パターンの形成を行う前記<38>から<48>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<50> 永久パターンが、配線パターンであり、該永久パターンの形成がエッチング処理及びメッキ処理の少なくともいずれかにより行われる前記<49>に記載のパターン形成方法である。
本発明に言う高精細なパターンとは、意図した場所に意図した幅で断面矩形のパターンが得られることを示す。
前記感光層は、連鎖移動可能な置換基を複数有する連鎖移動化合物と重合禁止剤、バインダー、重合性化合物、並びに光重合開始剤を含有し、必要に応じて他の成分を添加することができる。
前記連鎖移動可能な置換基を複数有する連鎖移動化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記連鎖移動可能な置換基とは、連鎖移動反応を容易に起こすことが可能な置換基を指す。ここで、連鎖移動反応とは、連鎖反応による重合で、成長種との反応で活性点が系に存在する物質に移り、そこから再び重合が開始される反応のことである。前記連鎖移動可能な置換基としては、上述のような作用を有する置換基であれば、特に制限はなく、例えば、アリル基やベンジル基等のアラルキル基、メルカプト基、活性メチレン基、メチン基、ジスルフィド基、スルフィド基などがあげられる。
前記1分子中に2個のメルカプト基を有する連鎖移動化合物としては、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ジチオエリスリトール、2,3−ジメルカプトサクシン酸、1,2−ベンゼンジチオール、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、3,4−ジメルカプトトルエン、4−クロロ−1,3−ベンゼンジチオール、2,4,6−トリメチル−1,3−ベンゼンジメタンチオール、4,4’−チオジフェノール、2−ヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−ジエチルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−シクロヘキシルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビスメルカプトアセテート、エチレングリコールビスメルカプトアセテート、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−メルカプトプロポキシフェニルプロパン)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、下記構造式(1)〜(4)で表される化合物、などが挙げられる。
前記1分子中に3個のメルカプト基を有する連鎖移動化合物としては、例えば、1,2,6−ヘキサントリオールトリチオグリコレート、1,3,5−トリチオシアヌル酸、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスメルカプトアセテート、などが挙げられる。
前記1分子中に4個以上のメルカプト基を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトアセテート、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキスメルカプトアセテートなどが挙げられる。
なお、前記連鎖移動可能な置換基の数が1である化合物(単官能の連鎖移動化合物)を添加した場合には、前記感光層の感度の向上が観られないことがある。
前記連鎖移動可能な置換基を複数有する連鎖移動化合物の含有量が、0.01質量%未満であると、前記感光層の感度の向上が観られないことがあり、5質量%を超えると、現像後に連鎖移動化合物が基板上に残渣として残ることがある。
前記重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記重合禁止剤は、前記露光により前記光重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割を果たす。
前記mが2未満となると、解像度が悪化することがある。
前記2価の連結基としては、例えば、1〜30個の炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、SO、SO2等を有する基が挙げられる。前記硫黄原子、酸素原子、SO、及びSO2は、直接結合していてもよい。
前記炭素原子及び酸素原子は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、上述した前記構造式(6)におけるZが挙げられる。
また、前記芳香環は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、上述した前記構造式(6)におけるZが挙げられる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物の市販品としては、本州化学社製のビスフェノール化合物が挙げられる。
前記イミノ基を有する化合物は、イミノ基で置換された環状構造を有することが好ましい。該環状構造としては、芳香環及び複素環の少なくともいずれかが縮合しているものが好ましく、芳香環が縮合しているものがより好ましい。また、前記環状構造では、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を有していてもよい。
前記ヒンダードアミンとしては、例えば、特開2003−246138号公報に記載のヒンダードアミンが挙げられる。
前記ニトロ基を有する化合物又は前記ニトロソ基を有する化合物の具体例としては、ニトロベンゼン、ニトロソ化合物とアルミニウムとのキレート化合物等が挙げられる。
前記芳香環を有する化合物の具体例としては、例えば、上述のフェノール性水酸基を有する化合物、上述のイミノ基を有する化合物、アニリン骨格を一部に有する化合物(例えば、メチレンブルー、クリスタルバイオレット等)が挙げられる。
前記複素環を有する化合物の具体例としては、ピリジン、キノリンなどが挙げられる。
前記金属原子としては、前記重合開始剤から発生したラジカルと親和性を有する金属原子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム、チタンなどが挙げられる。
前記含有量が、0.005質量%未満であると、解像度が低下することがあり、0.5質量%を超えると、活性エネルギー線に対する感度が低下することがある。
なお、前記重合禁止剤の含有量は、安定性付与のために市販の前記重合性化合物中に含まれる4−メトキシフェノール等のモノフェノール系化合物を除いた含有量を表す。
前記重合禁止剤100質量部に対する前記連鎖移動可能な置換基を複数有する連鎖移動化合物の含有量が、50000質量部を超えると、得られるパターン形状において、断面がすそ引き台形となるようなパターン底面の面積がパターン上面の面積よりも大きくなるなど、高精細なパターン形状が得られないことがあり、100質量部未満となると、感光層の感度の向上率が低くなることがある。
本発明に言う高精細なパターンとは、意図した場所に意図した幅で断面矩形のパターンが得られることを示す。
前記その他の成分として、バインダーや光重合開始剤などが挙げられる。
前記バインダーとしては、例えば、アルカリ性液に対して膨潤性であることが好ましく、アルカリ性液に対して可溶性であることがより好ましい。
アルカリ性液に対して膨潤性又は溶解性を示すバインダーとしては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられる。
カルボキシル基を有するバインダーとしては、例えば、カルボキシル基を有するビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられ、これらの中でも、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調整の容易さ等の観点からカルボキシル基を有するビニル共重合体が好ましい。また、現像性の観点から、スチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかの共重合体も好ましい。
また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の無水物を有するモノマーを用いてもよい。
前記含有率が、5モル%未満であると、アルカリ水への現像性が不足することがあり、50モル%を超えると、硬化部(画像部)の現像液耐性が不足することがある。
前記質量平均分子量が、2,000未満であると、膜の強度が不足しやすく、また安定な製造が困難になることがあり、300,000を超えると、現像性が低下することがある。
前記含有量が10質量%未満であると、アルカリ現像性やプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)との密着性が低下することがあり、90質量%を超えると、現像時間に対する安定性や、硬化膜(テント膜)の強度が低下することがある。なお、前記含有量は、前記バインダーと必要に応じて併用される高分子結合剤との合計の含有量であってもよい。
前記酸価が、70(mgKOH/g)未満であると、現像性が不足したり、解像性が劣り、配線パターン等の永久パターンなどを高精細に得ることができないことがあり、250(mgKOH/g)を超えると、パターンの耐現像液性及び密着性の少なくともいずれかが悪化し、配線パターン等の永久パターンなどを高精細に得ることができないことがある。
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有するモノマー又はオリゴマーが好適に挙げられる。また、これらは、重合性基を2種以上有することが好ましい。
前記ウレタン基を有するモノマーとしては、ウレタン基を有する限り、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特公昭48−41708、特開昭51−37193、特公平5−50737、特公平7−7208、特開2001−154346、特開2001−356476号公報等に記載されている化合物などが挙げられ、例えば、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と分子中に水酸基を有するビニルモノマーとの付加物などが挙げられる。
前記脂肪族基の炭素原子数としては、例えば、1〜30の整数が好ましく、1〜20の整数がより好ましく、3〜10の整数が特に好ましい。
前記芳香族基の炭素原子数としては、6〜100の整数が好ましく、6〜50の整数がより好ましく、6〜30の整数が特に好ましい。
前記アルキレン基の炭素原子数としては、例えば、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
前記アリーレン基の炭素原子数としては、6〜18の整数が好ましく、6〜10の整数がより好ましい。
前記アリール基を有するモノマーとしては、アリール基を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アリール基を有する多価アルコール化合物、多価アミン化合物及び多価アミノアルコール化合物の少なくともいずれかと不飽和カルボン酸とのエステル又はアミドなどが挙げられる。
本発明のパターン形成用組成物には、前記パターン形成用組成物としての特性を悪化させない範囲で、前記ウレタン基を含有するモノマー、アリール基を有するモノマー以外の重合性モノマーを併用してもよい。
前記単官能モノマーとしては、例えば、前記バインダーの原料として例示した化合物、特開平6−236031号公報に記載されている2塩基のモノ((メタ)アクリロイルオキシアルキルエステル)モノ(ハロヒドロキシアルキルエステル)等の単官能モノマー(例えば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート等)、特許2744643号公報、WO00/52529号パンフレット、特許2548016号公報等に記載の化合物が挙げられる。
前記含有量が、5質量%となると、テント膜の強度が低下することがあり、90質量%を超えると、保存時のエッジフュージョン(ロール端部からのしみだし故障)が悪化することがある。
また、重合性化合物中に前記重合性基を2個以上有する多官能モノマーの含有量としては、5〜100質量%が好ましく、20〜100質量%がより好ましく、40〜100質量%が特に好ましい。
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
本発明のパターン形成用組成物は、前記感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該現像の前後において変化させない前記光の最小エネルギー(感度)を向上させる観点から、例えば、前記増感剤を併用することが特に好ましい。前記増感剤を併用することにより、例えば、前記感光層の感度を0.1〜10(mJ/cm2)に極めて容易に調整することもできる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
前記含有量が、0.01質量%未満となると、感度が低下することがあり、4質量%を超えると、パターンの形状が悪化することがある。
前記その他の成分としては、例えば、界面活性剤、可塑剤、発色剤、着色剤などが挙げられ、更に基体表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、顔料、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、表面張力調整剤等)を併用してもよい。また、これらの成分を適宜含有させることにより、目的とするパターン形成用組成物の安定性、写真性、焼きだし性、膜物性等の性質を調整することもできる。
前記可塑剤は、前記感光層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加してもよい。
前記可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
前記発色剤は、露光後の前記感光層に可視像を与える(焼きだし機能)ために添加してもよい。
前記発色剤としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレット)、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−〔4−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、トリス(4−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(2−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジビドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(4−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4’−ジメチルアミノジフェニルアミン、4−アミノ−α,β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−4−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−2−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素をもつていないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3,042,515号及び同第3,042,517号に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例、4,4’−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4’−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)が挙げられ、これらの中でも、ロイコクリスタルバイオレット等のトリアリールメタン系化合物が好ましい。
前記ハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化炭化水素(例えば、四臭化炭素、ヨードホルム、臭化エチレン、臭化メチレン、臭化アミル、臭化イソアミル、ヨウ化アミル、臭化イソブチレン、ヨウ化ブチル、臭化ジフェニルメチル、ヘキサクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3トリブロモプロバン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、テトラクロロシクロプロペン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ジブロモシキロヘキサン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(4−クロロフェニル)エタンなど);ハロゲン化アルコール化合物(例えば、2,2,2−トリクロロエタノール、トリブロモエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、ジ(ヨードヘキサメチレン)アミノイソプロパノール、トリブロモ−tert−ブチルアルコール、2,2,3−トリクロロブタン−1,4−ジオールなど);ハロゲン化カルボニル化合物(例えば1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、3,4−ジブロモ−2−ブタノン、1,4−ジクロロ−2−ブタノン−ジブロモシクロヘキサノン等);ハロゲン化エーテル化合物(例えば2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、ジ(2−ブロモエチル)エーテル、1,2−ジクロロエチルエチルエーテル等);ハロゲン化エステル化合物(例えば、酢酸ブロモエチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸トリクロロエチル、2,3−ジブロモプロピルアクリレートのホモポリマー及び共重合体、ジブロモプロピオン酸トリクロロエチル、α,β−ジグロロアクリル酸エチル等);ハロゲン化アミド化合物(例えば、クロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリブロモアセトアミド、トリクロロエチルトリクロロアセトアミド、2−ブロモイソプロピオンアミド、2,2,2−トリクロロプロピオンアミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドなど);硫黄やリンを有する化合物(例えば、トリブロモメチルフェニルスルホン、4−ニトロフェニルトリブロモメチルスルホン、4−クロロフェニルトリブロモメチルスルホン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート等)、2,4−ビス(トリクロロメチル)6−フェニルトリアゾールなどが挙げられる。有機ハロゲン化合物では、同一炭素原子に結合した2個以上のハロゲン原子を持つハロゲン化合物が好ましく、1個の炭素原子に3個のハロゲン原子を持つハロゲン化合物がより好ましい。前記有機ハロゲン化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−フェニルトリアゾールが好ましい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、例えば、赤色、緑色、青色、黄色、紫色、マゼンタ色、シアン色、黒色等の公知の顔料又は染料が挙げられ、具体的には、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメントエロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボンブラックが挙げられる。
前記感光層には、取り扱い性の向上のためにパターン形成用組成物を着色し、又は保存安定性を付与する目的に、染料を用いることができる。
前記染料としては、ブリリアントグリーン(例えば、その硫酸塩)、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業社製)、ローダミンB、ロータミン6G、ビクトリアピュアブルーBOHなどを挙げることができ、これらの中でもカチオン染料(例えば、マラカイトグリーンシュウ酸塩、マラカイトグリーン硫酸塩等)が好ましい。該カチオン染料の対アニオンとしては、有機酸又は無機酸の残基であればよく、例えば、臭素酸、ヨウ素酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の残基(アニオン)などが挙げられる。
各層間の密着性、又は感光層と基体との密着性を向上させるために、各層に公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。
本発明の前記感光層を形成する際に発生する面状ムラを改善させるために、公知の界面活性剤を添加することができる。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素含有界面活性剤などから適宜選択できる。
前記含有量が、0.001質量%未満になると、面状改良の効果が得られなくことがあり、10質量%を超えると、密着性が低下することがある。
本発明のパターン形成材料は、支持体上に感光層を少なくとも有し、必要に応じて適宜選択したその他の層を有した積層体である。
また、感光層の表面に保護フィルムを積層することにより、長期保存性を向上させることもできる。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記保護フィルムとしては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmが特に好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロファン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、層間接着力を調整することができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層、バリア層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層等の層が挙げられる。前記パターン形成材料及び永久パターン形成材料は、これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
前記パターン形成材料は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、前記パターン形成用組成物を、水又は溶剤に、溶解、乳化又は分散させて、パターン形成用組成物溶液を調製する。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
本発明のパターン形成装置は、本発明の前記パターン形成材料を備えており、光照射手段と光変調手段とを少なくとも有する。
なお、本発明の前記パターン形成装置は、本発明の前記パターン形成方法の説明を通じて明らかにする。
前記露光工程は、本発明のパターン形成材料における感光層に対し、露光を行う工程である。本発明の前記パターン形成材料については上述の通りである。
前記加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記光変調手段としては、光を変調することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、n個の描素部を有することが好ましい。
前記n個の描素部を有する光変調手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、空間光変調素子が好ましい。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
DMD50は図1に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、各々描素(ピクセル)を構成する多数(例えば、1024個×768個)の微小ミラー(マイクロミラー)62が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。各ピクセルにおいて、最上部には支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向とも一例として13.7μmである。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジおよびヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシックに構成されている。
前記光変調手段は、前記n個の描素の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部をパターン情報に応じて制御可能であることが好ましい。前記光変調手段のデータ処理速度には限界があり、使用する描素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、連続的に配列された任意のn個未満の描素部だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光Bが照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58によりパターン形成材料150上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が描素毎にオンオフされて、パターン形成材料150がDMD50の使用描素数と略同数の描素単位(露光エリア168)で露光される。また、パターン形成材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、パターン形成材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
前記光変調手段を含むパターン形成装置は、図7に示すように、シート状のパターン形成材料150を表面に吸着して保持する平板状のステージ152を備えている。
4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、前記パターン形成装置には、ステージ152をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置を有している。
そして、各マイクロレンズ55aの位置におけるレーザ光Bのビーム径は、41μmである。
前記光変調素子が有する描素部の数(前記n)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光変調素子における描素部の配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2次元状に配列していることが好ましく、格子状に配列していることがより好ましい。
前記光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザ等の公知光源、又は2以上の光を合成して照射可能な手段が挙げられ、これらの中でも2以上の光を合成して照射可能な手段が好ましい。
前記光照射手段から照射される光としては、例えば、支持体を介して光照射を行う場合には、該支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始剤や増感剤を活性化する電磁波、紫外から可視光線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられ、これらの中でもレーザ光が好ましく、2以上の光を合成したレーザ(以下、「合波レーザ」と称することがある)がより好ましい。また支持体を剥離してから光照射を行う場合でも、同様の光を用いることができる。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200〜1500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、330〜500nmが更に好ましく、400〜450nmが特に好ましい。
スキャナ162の各露光ヘッド166において、ファイバアレイ光源66の合波レーザ光源を構成するGaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザ光B1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザ光B1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
前記露光は、前記変調させた光を、マイクロレンズアレイを通して行うことが好ましく、更にアパーチャアレイ、結像光学系等などを通して行ってもよい。
ここで図14に、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の平面度を測定した結果を示す。同図においては、反射面の同じ高さ位置を等高線で結んで示してあり、等高線のピッチは5nmである。なお同図に示すx方向及びy方向は、マイクロミラー62の2つ対角線方向であり、マイクロミラー62はy方向に延びる回転軸を中心として前述のように回転する。また、図15の(A)及び(B)にはそれぞれ、上記x方向、y方向に沿ったマイクロミラー62の反射面の高さ位置変位を示す。
前記露光ヘッドでは、光照射手段144からレーザ光が照射されると、DMD50によりオン方向に反射される光束線の断面積が、レンズ系454、458により数倍(例えば、2倍)に拡大される。拡大されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズによりDMD50の各描素部に対応して集光され、アパーチャアレイ476の対応するアパーチャを通過する。アパーチャを通過したレーザ光は、レンズ系480、482により被露光面56上に結像される。
本発明のパターン形成方法では、公知の光学系の中から適宜選択したその他の光学系と併用してもよく、例えば、1対の組合せレンズからなる光量分布補正光学系などが挙げられる。
前記光量分布補正光学系は、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように各出射位置における光束幅を変化させて、光照射手段からの平行光束をDMDに照射するときに、被照射面での光量分布が略均一になるように補正する。以下、前記光量分布補正光学系について図面を参照しながら説明する。
下記表1に基本レンズデータを示す。
下記表2に、第1面及び第4面の非球面データを示す。
Z:光軸から高さρの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)
ρ:光軸からの距離(mm)
K:円錐係数
C:近軸曲率(1/r、r:近軸曲率半径)
ai:第i次(i=3〜10)の非球面係数
表2に示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数″であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10−2」であることを示す。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知のパターン形成における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、現像工程、エッチング工程、メッキ工程などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記現像工程は、前記露光工程により前記パターン形成材料における感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、パターンを形成する工程である。
前記現像手段としては、現像液を用いて現像することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記現像液を噴霧する手段、前記現像液を塗布する手段、前記現像液に浸漬させる手段などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記現像手段は、前記現像液を交換する現像液交換手段、前記現像液を供給する現像液供給手段などを有していてもよい。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記エッチング処理に用いられるエッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記金属層が銅で形成されている場合には、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも、エッチングファクターの点から塩化第二鉄溶液が好ましい。
前記エッチング工程によりエッチング処理した後に前記パターンを除去することにより、前記基体の表面に永久パターンを形成することができる。
前記永久パターンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、配線パターンなどが好適に挙げられる。
前記メッキ処理としては、例えば、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ等の銅メッキ、ハイスローはんだメッキ等のはんだメッキ、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)メッキ、スルファミン酸ニッケル等のニッケルメッキ、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなど処理が挙げられる。
前記メッキ工程によりメッキ処理した後に前記パターンを除去することにより、また更に必要に応じて不要部をエッチング処理等で除去することにより、前記基体の表面に永久パターンを形成することができる。
本発明の前記パターン形成方法は、プリント配線板の製造、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造、及び、カラーフィルタの製造に好適に使用することができる。以下、本発明のパターン形成方法を利用したプリント配線板の製造方法及びカラーフィルタの製造方法の一例について説明する。
特に、スルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造方法としては、(1)前記基体としてホール部を有するプリント配線板形成用基板上に、前記パターン形成材料を、その感光層が前記基体側となる位置関係にて積層して積層体形成し、(2)前記積層体の前記基体とは反対の側から、所望の領域に光照射行い感光層を硬化させ、(3)前記積層体から前記パターン形成材料における支持体を除去し、(4)前記積層体における感光層を現像して、該積層体中の未硬化部分を除去することによりパターンを形成することができる。
前記パターン形成材料の積層温度としては、特に制限はなく、例えば、室温(15〜30℃)、又は加熱下(30〜180℃)が挙げられ、これらの中でも、加温下(60〜140℃)が好ましい。
前記圧着ロールのロール圧としては、特に制限はなく、例えば、0.1〜1MPaが好ましい。
前記圧着の速度としては、特に制限はなく、1〜3m/分が好ましい。
また、前記プリント配線板形成用基板を予備加熱しておいてもよく、また、減圧下で積層してもよい。
前記強アルカリ水溶液における塩基成分としては、特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記強アルカリ水溶液のpHとしては、例えば、約12〜14が好ましく、約13〜14がより好ましい。
前記強アルカリ水溶液としては、特に制限はなく、例えば、1〜10質量%の水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。
なお、前記パターン形成材料は上記のエッチングプロセスのみでなく、メッキプロセスに使用してもよい。前記メッキ法としては、例えば、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ等の銅メッキ、ハイスローはんだメッキ等のはんだメッキ、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)メッキ、スルファミン酸ニッケル等のニッケルメッキ、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなどが挙げられる。
ガラス基板等の基体上に、本発明の前記パターン形成材料における感光層を貼り合わせ、該パターン形成材料から支持体を剥離する場合に、帯電した前記支持体(フィルム)と人体とが不快な電気ショックを受けることがあり、あるいは帯電した前記支持体に塵埃が付着する等の問題がある。このため、前記支持体上に導電層を設けたり、前記支持体自体に導電性を付与する処理を施すことが好ましい。また、前記導電層を前記感光層とは反対側の前記支持体上に設けた場合は、耐傷性を向上させるために疎水性重合体層を設けることが好ましい。
前記永久パターン形成方法は、例えば、次のような方法が挙げられる。
まず、前記パターン形成材料の製造方法と同様に、前記パターン形成用組成物を、水又は溶剤に、溶解、乳化又は分散させて、パターン形成用組成物溶液を調製し、基板上に塗布し、乾燥させて永久パターン形成材料を作製する。
前記永久パターン形成方法において使用する前記溶剤、前記パターン形成用組成物溶液を塗布する方法、乾燥する方法は、前記パターン形成材料の製造方法と同様の溶剤及び方法が使用できる。
(実施例1)
前記支持体として20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、下記のパターン形成用組成物と溶媒とからなるパターン形成用組成物溶液を塗布し、乾燥させて、15μm厚の感光層を形成し、前記パターン形成材料を製造した。
・ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート):0.23質量部
・メチルメタクリレート/スチレン/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(質量比):19/52/29、質量平均分子量:50000、酸価189):16質量部
・下記構造式(79)で表される重合性モノマー:7質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネートのテトラエチレンオキシドモノメタアクリレート0.5モル付加物:7質量部
・N−メチルアクリドン:0.22質量部
・2,2−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール:2.17質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩:0.02質量部
・ロイコクリスタルバイオレット:0.26質量部
・フェノチアジン:0.013質量部
・フッ素系界面活性剤(大日本インキ社製、F780F):0.03質量部
・メチルエチルケトン:40質量部(溶媒)
・1−メトキシ−2−プロパノール:20質量部(溶媒)
圧着条件は、圧着ロール温度:105℃、圧着ロール圧力:0.3MPa、ラミネート速度:1m/分とした。
前記製造した前記積層体について、解像度、エッチング性、感光層の面状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価を行った。結果を表3に示した。
(1)最短現像時間の測定方法
前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを最短現像時間とした。
この結果、前記最短現像時間は、10秒であった。
前記積層体におけるパターン形成材料の感光層に対し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)側から、前記光照射手段としての405nmのレーザ光源を有するパターン形成装置を用いて、0.1mJ/cm2から21/2倍間隔で100mJ/cm2までの光エネルギー量の異なる光を照射して露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。室温にて10分間静置した後、前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記(1)で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の領域を溶解除去して、残った硬化領域の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から硬化領域の厚さが15μmとなった時の光エネルギー量を、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。この結果、前記感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は、7mJ/cm2であった。なお、前記パターン形成装置は、前記DMDからなる光変調手段を有し、前記パターン形成材料を備えている。
前記(1)の最短現像時間の評価方法と同じ方法及び条件で前記積層体を作成し、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅5μm〜20μmまで1μm刻みで各線幅の露光を行い、ライン幅20μm〜50μmまで5μm刻みで各線幅の露光を行った。この際の露光量は、前記(2)で測定した前記パターン形成材料の感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取った。銅張積層板上の感光層の全面に、前記現像液として炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記(1)で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化領域を溶解除去した。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
前記解像度の測定の評価を行った際に形成した前記異常のないパターンの断面形状について顕微鏡で観察を行った。前記断面は、前記パターンの端部における断面であり、矩形が好ましく、次いで台形が好ましい。
密着性の評価方法
フォトマスクにライン/スペース=1/3、ライン幅10〜100μmのものを用いる以外は、上記(2)の解像度の評価方法と同じ操作を行い、硬化樹脂パターンのラインに剥がれやヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを密着していると評価する。
したがって、数値が小さいほど密着性が良好である。
実施例1において、パターン形成用組成物溶液のペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)に代えた以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は10mJ/cm2であった。
(実施例3)
実施例1において、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)に代えたこと以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は6mJ/cm2であった。
(実施例4)
実施例1において、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)をペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)に代えたこと以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は6mJ/cm2であった。
(実施例5)
実施例1において、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)1.33質量部を0.67質量部に代えたこと以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は8mJ/cm2であった。
(実施例6)
実施例1において、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)1.33質量部を2.00質量部に代えたこと以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は4mJ/cm2であった。
(実施例7)
実施例1において、パターン形成装置を下記に説明するパターン形成装置に代えた以外は実施例1と同様にして感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は7mJ/cm2であった。
実施例1において、フェノチアジンの含有量を0.001質量部とした以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は4mJ/cm2であった。
(実施例9)
実施例1において、フェノチアジンの含有量を0.007質量部とした以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は6mJ/cm2であった。
(実施例10)
実施例1において、フェノチアジンの含有量を0.019質量部とした以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は8mJ/cm2であった。
(実施例11)
実施例1において、フェノチアジンの含有量を0.05質量部とした以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は10mJ/cm2であった。
実施例1において、重合禁止剤をフェノチアジンからカテコールに代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は4mJ/cm2であった。
(実施例13)
実施例1において、重合禁止剤をフェノチアジンからフェノキサジンに代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は7mJ/cm2であった。
(実施例14)
実施例1において、重合禁止剤をフェノチアジンから下記構造式(80)ヒンダードアミンに代えた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて解像度、エッチング性、感光層の面状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は4mJ/cm2であった。
前記光照射手段として図27〜32に示す合波レーザ光源と、前記光変調手段として図4に示す主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された内、1024個×256列のみを駆動するように制御したDMD50と、図13に示した一方の面がトーリック面であるマイクロレンズ474をアレイ状に配列したマイクロレンズアレイ472及び該マイクロレンズアレイを通した光を前記感光層に結像する光学系480、482とを有するパターン形成装置を用いた。
まず、DMD50の前記描素部としてのマイクロレンズ474の出射面における歪みを補正するため、該出射面の歪みを測定した。結果を図14に示した。図14においては、反射面の同じ高さ位置を等高線で結んで示してあり、等高線のピッチは5nmである。なお、同図に示すx方向及びy方向は、マイクロミラー62の2つ対角線方向であり、マイクロミラー62はy方向に延びる回転軸を中心として回転する。また、図15の(A)及び(B)にはそれぞれ、上記x方向、y方向に沿ったマイクロミラー62の反射面の高さ位置変位を示した。
図14及び図15に示した通り、マイクロミラー62の反射面には歪みが存在し、そして特にミラー中央部に注目してみると、1つの対角線方向(y方向)の歪みが、別の対角線方向(x方向)の歪みよりも大きくなっていることが判る。このため、このままではマイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aで集光されたレーザ光Bの集光位置における形状が歪んでしまうことが判る。
実施例1において、フェノチアジンを添加しなかった以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて、実施例1と同様にして、感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価を行った。結果を表4に示した。
なお、最短現像時間は10秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は4mJ/cm2であった。
実施例1において、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を添加しなかった以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて、実施例1と同様にして、感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価を行った。結果を表4に示した。
なお、最短現像時間は12秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は19mJ/cm2であった。
実施例1において、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネートに代えた以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて、実施例1と同様にして、感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価を行った。結果を表4に示した。
なお、最短現像時間は11秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は16mJ/cm2であった。
比較例2において、フェノチアジンを添加しなかった以外は比較例1と同様にしてパターン形成材料を製造した。
製造したパターン形成材料を用いて、実施例1と同様にして、感度、解像度、パターン断面の形状、前記銅張積層板への密着性、及び露光速度の評価を行った。結果を表4に示した。
なお、最短現像時間は12秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は16mJ/cm2であった。
*2:ほとんどの部分が矩形であり、*1よりも良好な形状である
また、実施例1〜7のパターン形成材料は、重合禁止剤をさらに含有することで形状が良好なパターンが得られることが判った。なお、比較例3のように、単官能の連鎖移動化合物を使用した場合には、パターン形状がかまぼこ状(パターン上部が丸みを帯びて幅が狭くなった状態)になり、良好なパターン形状が得られないことが判った。
本発明のパターン形成装置は、本発明の前記パターン形成材料を備えているため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。
本発明のパターン形成方法は、本発明の前記パターン形成材料を用いるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に使用することができる。
10 ヒートブロック
11〜17 コリメータレンズ
20 集光レンズ
30〜31 マルチモード光ファイバ
44 コリメータレンズホルダー
45 集光レンズホルダー
46 ファイバホルダー
50 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
52 レンズ系
53 反射光像(露光ビーム)
54 第2結像光学系のレンズ
55 マイクロレンズアレイ
56 被露光面(走査面)
55a マイクロレンズ
57 第2結像光学系のレンズ
58 第2結像光学系のレンズ
59 アパーチャアレイ
64 レーザモジュール
66 ファイバアレイ光源
67 レンズ系
68 レーザ出射部
69 ミラー
70 プリズム
71 集光レンズ
72 ロッドインテグレータ
73 組合せレンズ
74 結像レンズ
100 ヒートブロック
110 マルチキャビティレーザ
111 ヒートブロック
113 ロッドレンズ
120 集光レンズ
130 マルチモード光ファイバ
130a コア
140 レーザアレイ
144 光照射手段
150 パターン形成材料
152 ステージ
155a マイクロレンズ
156 設置台
158 ガイド
160 ゲート
162 スキャナ
164 センサ
166 露光ヘッド
168 露光エリア
170 露光済み領域
180 ヒートブロック
184 コリメートレンズアレイ
302 コントローラ
304 ステージ駆動装置
454 レンズ系
468 露光エリア
472 マイクロレンズアレイ
474 マイクロレンズ
476 アパーチャアレイ
478 アパーチャ
480 レンズ系
Claims (19)
- 連鎖移動可能な置換基を複数有する連鎖移動化合物、重合禁止剤、バインダー、重合性化合物、並びに光重合開始剤を含有するパターン形成用組成物。
- 連鎖移動可能な置換基がメルカプト基である請求項1に記載のパターン形成用組成物。
- 連鎖移動化合物が連鎖移動可能な置換基を4個以上有する請求項1から2のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
- 連鎖移動可能な置換基を複数有する連鎖移動化合物の含有量が、重合禁止剤の含有量を100質量部とした場合に、100〜50000質量部である請求項1から3のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
- 重合禁止剤が、芳香環、複素環、イミノ基及びフェノール性水酸基から選択される少なくとも1種を有する化合物である請求項1から4のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
- 重合禁止剤が、フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物、イミノ基で置換された芳香環を有する化合物、イミノ基で置換された複素環を有する化合物及びヒンダードアミン化合物から選択される少なくとも1種である請求項1から5のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
- 重合禁止剤が、カテコール、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒンダードアミン及びこれらの誘導体から選択される少なくとも1種である請求項1から6のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
- 重合禁止剤が、フェノチアジン及びフェノチアジン誘導体から選択される少なくとも1種である請求項1から7のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
- 重合禁止剤の含有量が、感光層の重合性化合物に対して0.005〜0.5質量%である請求項1から8のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
- 光重合開始剤が、ビイミダゾール誘導体である請求項1から9のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
- 感光層が、増感剤を含む請求項1から10のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
- 増感剤の極大吸収波長が、380〜450nmである請求項11に記載のパターン形成用組成物。
- 増感剤が、縮環系化合物である請求項11から12のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
- 増感剤が、アクリドン類、アクリジン類、及びクマリン類から選択される少なくとも1種である請求項11から13のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
- 支持体と、該支持体上に請求項1から14のいずれかに記載のパターン形成用組成物が積層されてなる感光層と、を有するパターン形成材料。
- 請求項15に記載のパターン形成材料における該感光層に対し、露光を行うことを少なくとも含むパターン形成方法。
- 露光が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成し、該制御信号に応じて変調させた光を用いて行われる請求項17に記載のパターン形成方法。
- 露光が行われた後、感光層の現像を行う請求項16から17のいずれかに記載のパターン形成方法。
- 現像が行われた後、永久パターンの形成を行う請求項18に記載のパターン形成方法。
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